JP2012064762A - 銅導電体層付き抵抗薄膜素子およびその製造方法 - Google Patents

銅導電体層付き抵抗薄膜素子およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 抵抗値変化率を一定以内に抑えた耐環境性に優れた銅導電体層付き抵抗薄膜素子の提供を目的とする。
【解決手段】 絶縁基材の少なくとも片面に、電気抵抗体となる抵抗層と、その抵抗層と回路を構成する配線を抵抗層の表面に積層した銅導電体層とを含む銅導電体層付き抵抗薄膜素子において、耐環境試験における目標抵抗値変化率ΔRに対して抵抗層の膜厚が、t≧α/ΔR、α:抵抗層の種類に応じた係数、t:抵抗層の膜厚[nm]で示される膜厚であることを特徴とする銅導電体層付き抵抗薄膜素子。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子部品に使用される抵抗薄膜を用いた抵抗素子に関するもので、より詳細には、銅導電体付き抵抗薄膜素子とその製造方法に関する。
チップ抵抗器、精密抵抗器、ネットワーク抵抗器及び複合モジュール製品などの電子部品には抵抗薄膜を用いた抵抗素子が用いられ、さらに、電子回路の小型化や実装密度向上のために、プリント回路基板内に抵抗薄膜を用いた抵抗素子を内蔵するプリント基板等の開発が進められている。
この抵抗薄膜を用いた抵抗素子を内蔵するプリント基板では、受動部品の製造に利用するために、銅箔上に抵抗薄膜を形成した後、抵抗薄膜面を接着面として、接着剤を用いて樹脂フィルムに貼り付けた抵抗薄膜付き銅張り樹脂フィルム(銅張り抵抗フィルム)が市販されている。
このような抵抗薄膜付き銅張りフィルムは、サブトラクティブ法で配線パターンを形成し、抵抗器を設けたい箇所は、銅を除去し、抵抗薄膜を露出させることで、抵抗器を配した回路を形成することができる。
ここで、サブトラクティブ法とは、抵抗薄膜付き銅張りフィルムの銅の表面にレジスト層を設け、そのレジスト層の上に所定の配線パターンを有するマスクを設け、その上から紫外線を照射して露光し、現像して銅と抵抗薄膜をエッチングするためのエッチングマスクを得、次いで露出している銅をエッチングして除去し、次いで残存するレジスト層を除去する。抵抗薄膜を露出させるには、同様の方法で銅をエッチング除去する。
金属薄膜抵抗体の製造方法には、例えば特許文献1に開示される技術では、セラミック等の基体上にカソードスパッタ法でCr(クロム)系抵抗薄膜を形成する方法がある。また、特許文献2には、カソードスパッタ法でCr(クロム)系抵抗薄膜を形成した後に、電解めっき法等によりCu(銅)膜を形成した抵抗層積層体が提案されている。
これらのCr系合金を用いた抵抗薄膜素子は、抵抗温度係数の絶対値の大きさが小さく、良好な温度特性を有するが、一般的な抵抗薄膜の用途に関しては、高温での使用を想定しているため、その抵抗温度係数はゼロに近いことが求められるが、常温付近で使用される用途に関しては、抵抗温度係数の安定性よりは、耐環境特性が重視される。
さらに、耐環境特性の指標は、電子機器で一般的な85℃−85%RHの環境下における通電試験での抵抗値の変化率が、一定以内であることが要求されている。特に、銅箔付抵抗基板として、プリント配線板などと同様な微細配線に加工されて使用される用途では、プリント配線基板に必要とされる耐候性と同等の特性が要求される。
特許第2542504号公報 特開平6−20803号公報
本発明は抵抗値変化率を一定以内に抑えた耐環境性に優れた銅導電体層付き抵抗薄膜素子を提供するものである。
本発明の第1の発明は、絶縁基材の少なくとも片面に、電気抵抗体となる抵抗層と、その抵抗層と回路を構成する配線が抵抗層表面に積層された銅導電体層とを含む銅導電体層付き抵抗薄膜素子において、耐環境試験における目標抵抗値変化率ΔRに対して抵抗層の膜厚が下記(1)式で表される膜厚であることを特徴とする銅導電体層付き抵抗薄膜素子である。
Figure 2012064762
本発明の第2の発明は、第1の発明における抵抗層が、NiとCrを含む合金であることを特徴とする銅導電体層付き抵抗薄膜素子である。
本発明の第3の発明は、第1及び第2の発明における耐環境試験が、温度85℃、相対湿度85%RHの雰囲気下で、電圧3Vを印可しながら250時間放置することを試験条件とし、上記(1)式において抵抗層がNi−Cr合金からなり、そのCr含有率が13重量%以下の場合には、係数αが145、Cr含有率が14重量%以上の場合には、係数αが29である銅導電体層付き抵抗薄膜素子である。
本発明の第4の発明は、第1から第3の発明のおける絶縁基材が、樹脂フィルムである銅導電体層付き抵抗薄膜素子である。
本発明の第5の発明は、第4の発明における樹脂フィルムが、ポリイミドフィルムであることを特徴とする銅導電体層付き抵抗薄膜素子である。
本発明の第6の発明は、第1から第5の発明において、絶縁基材と抵抗層の間に接着剤層を介さないことを特徴とする銅導電体層付き抵抗素子である。
本発明の第7の発明は、絶縁基材の少なくとも片面に、乾式めっき法で成膜した抵抗層と、その抵抗層の表面に乾式めっき法、又は乾式めっき法と湿式めっき法の併用により成膜した銅導電体層からなる積層体を形成した銅張り積層基板を得、その銅張り積層基板をエッチングにより抵抗層と銅導電体層からなる積層体を配線パターンに形成する工程と、抵抗体を形成したい箇所では銅導電体層を除去して抵抗層を露出させる工程を経る銅導電体層付き抵抗薄膜素子の製造方法において、耐環境試験における目標抵抗値変化率ΔRに対し、抵抗層の膜厚が下記(2)式t≧α/ΔR(α:抵抗層の種類に応じた係数、t:抵抗層の膜厚[nm]で示される膜厚である銅導電体層付き抵抗薄膜素子の製造方法である。
Figure 2012064762
本発明の第8の発明は、第7の発明における耐環境試験が、温度85℃、相対湿度85%RHの雰囲気下で、電圧3Vを印可しながら250時間放置することを試験条件とし、抵抗層がNi−Cr合金であって、そのCr含有率が13重量%以下の場合には、係数αが145、そのCr含有率が14重量%以上の場合には、係数αが29である銅導電体層付き抵抗薄膜素子の製造方法である。
抵抗値変化率ΔRが一定の値以内に抑えられ、汎用的に使用できる抵抗層が提供でき、要求される耐候性にあわせて必要とされる膜厚の抵抗層を提供できる。
本発明の銅導電体層付き抵抗薄膜素子は、絶縁基材の少なくとも片面に、電気抵抗体となる抵抗層と、その抵抗層と回路を構成する配線となる抵抗層の表面に積層された銅導電体層とを有する銅導電体層付き抵抗薄膜素子において、耐環境試験における目標抵抗値変化率ΔRに対し、抵抗層の膜厚が下記式(3)で示される膜厚で構成されることを特徴とするものである。
Figure 2012064762
その抵抗層には、NiとCrを含む合金、例えばNi−Cr合金やNi−Cr−Al合金、Ni−Cr−Si合金、Ni−Cr−Be合金、Ni−Cr−Al−Si合金などが知られているが、耐候性の観点から、Ni−Cr合金であることが望ましく、Ni−Cr合金からなる抵抗層では、Cr含有率が13重量%以下の場合には、係数αが145となり、Cr含有率が14重量%以上の場合には、係数αが29となる。
また、発明者は抵抗薄膜素子において、所望の耐候性を達成するには、抵抗薄膜素子の膜厚を規定する必要があることを見出した。
すなわち、抵抗薄膜素子の膜厚が薄ければ、所望の耐候性が得られないこととなる。例えば、耐候性評価の環境下(耐環境試験)、温度85℃、相対湿度85%RHの雰囲気下では、抵抗薄膜素子が水などで侵食されることがあり、抵抗薄膜素子全体で受ける浸食の割合が大きければ、抵抗値の変化率は高くなる。したがって、抵抗薄膜素子全体での侵食を受ける割合を低くするために、本発明の膜厚と抵抗値変化率の関係が必要となる。
さらに、抵抗層を構成するNi−Cr合金では、そのCr含有率が13重量%〜14重量%の間に、耐候性が劇的に変化する領域があることを見出し、本発明に至ったものである。
このCr含有率が高ければ、抵抗薄膜素子の耐候性は向上する。Cr含有率が7重量%、10重量%、14重量%を比較した場合、10重量%のものは7重量%のものよりも耐候性が向上する傾向にあるが、14重量%のものは、より低い含有率の抵抗層よりも劇的に向上する。
なお、Cr含有率が13重量%〜14重量%の間で、耐候性は、急激に向上するので、係数αを定めることが困難である。
ここで、本発明における耐候性の評価をするために行う耐環境試験の条件は、温度85℃、相対湿度85%RHの雰囲気下で、3Vの電圧を印可しながら250時間放置するものである。なお、この耐候性を測る耐環境試験の試験条件が、上記条件以外の場合には、係数αの値が変わってくるものであるが、どのような耐候性を測る試験条件であっても、抵抗層にNi−Cr合金が使用されている場合には、この係数αの値は、Cr含有率の影響を受け、Cr含有率が13重量%以下と14重量%以上で異なる値となり、Cr含有率14重量%以上の方が低くなっている。なお、係数αの決定は、実験により求めることができる。
例えば、温度85℃、相対湿度85%RHの雰囲気下に250時間放置における目標抵抗値変化率ΔRを0.2%とするには、20重量%のCrを含有するNi−Cr合金の抵抗層を用いる場合では、少なくとも膜厚は140nmは必要である。同じ耐候性を測る耐環境試験の試験条件下で、7重量%のCrを含有するNi−Cr合金の抵抗層の膜厚は、725nm以上が必要となる。
以下に、本発明の抵抗薄膜素子の製造方法を説明する。
絶縁基材の少なくとも一方の面に、抵抗層を乾式めっき法で形成し、その抵抗層の表面に銅導電体層を形成して絶縁基板の表面に抵抗層と銅導電体層の積層構造を有する銅張積層基板を形成する。その銅張積層基板を、公知のサブトラクティブ法やセミアディティブ法で抵抗薄膜素子と銅配線のパターンを形成する。
その抵抗層は、絶縁基材の少なくとも一方の面に乾式めっき法によって形成される。
この乾式めっき法には、スパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法、イオンプレーティング法、クラスターイオンビーム法、真空蒸着法、CVD法等があり、いずれを用いても良い。工業的には、生産効率の高さからマグネトロンスパッタリング法が用いることが望ましい。例えば、スパッタリング法やマグネトロンスパッタリング法では、抵抗層の組成のスパッタリングターゲットを用いれば、ターゲットと略同じ組成の抵抗層を得ることが可能である。この抵抗層の膜厚を上述の通り抵抗層の種類に応じた係数αと耐環境試験における目標抵抗値変化率ΔRとの関係に留意して成膜する。
銅導電体層は、抵抗層の表面に乾式めっき法で銅を成膜してもよいし、乾式めっき法で成膜した銅の表面に湿式めっき法で銅を更に厚く成膜しても良い。例えば、乾式めっき法のスパッタリング法に比べて、湿式めっき法の電解めっき法は、成膜速度が速く、生産効率向上に適している。湿式めっき法は、電解めっき法のほかに無電解めっき法などを選択することができる。
用いる絶縁基材は、セラミック板、板ガラス、樹脂板、樹脂フィルム等適宜選択できる。
長尺な樹脂フィルムを用いると、公知のロールツーロールスパッタリング成膜装置や電解めっき装置を用いることができるので生産効率が向上する。もちろん、セラミック板、板ガラス、樹脂板のような基材であっても、枚葉式のスパッタリング装置や電解めっき装置を用いれば本発明の抵抗薄膜素子を製造することはできる。
用いる樹脂フィルムとしては、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリエステルフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、液晶ポリマーフィルムから選ばれた樹脂フィルムが挙げられるが、ポリイミドフィルム及びポリアミドフィルムは、はんだリフロー等の高温の接続が必要な用途に適している点で望ましい。さらに望ましくはポリイミドフィルムである。
また、樹脂フィルムの厚みは、8〜75μmのものが好適に使用することができる。なお、ガラス繊維等の無機質材料を適宣添加することもできる。
本発明の抵抗薄膜素子は上述の手順で得られた銅張積層基板を、公知のサブトラクティブ法やセミアディティブ法で加工することで形成される。
サブトラクティブ法で用いることができるエッチング液は、塩化第二鉄等の公知のエッチング液を用いることができ、塩酸での後処理や、過マンガン酸塩を併用しても良い。また、抵抗層のみを残す場合等においては、アンモニア系などの銅のみを選択エッチングし、Ni−Cr合金層を溶かさない液等を用いることができる。
なお、セミアディティブ法とは、銅導電体層の表面にレジスト層を設け、そのレジスト層の上に所定の配線パターンを有するマスクを設け、その上から紫外線を照射して露光し、現像して銅導電体層表面に銅を電着で膜厚を増す為のめっき用マスクを得、開口部に露出している銅導電体層を陰極として電解めっきして配線部を形成し、次にレジスト層を除去し、ソフトエッチングして配線部以外の前記基材表面の金属層を除去して配線部を完成させる配線形成方法である。
この場合、抵抗薄膜素子としたい箇所には銅の電解めっきを施さないことと、銅導電体層の膜厚を増した後に、銅のみをソフトエッチングして、抵抗薄膜素子の抵抗層を露出させることと、不要となる抵抗層のみをエッチング除去すればよい。
以下に実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
耐候性を測る耐環境試験は、40μm×30mm幅の配線を塩化第二鉄液を用いたエッチングで形成するサブトラクティブ法、あるいは、電気めっきによって形成するセミアディティブ法によって作製された試験片を用いて、抵抗測定を行った。
抵抗測定は、85℃−85%RHの恒温恒湿環境下で、端子間にDC3Vを印可しながら、250時間後の抵抗値変化率ΔRを求めた。
抵抗層の膜厚は、目標抵抗値変化率ΔRを設定し、上記式(3)から、設定したΔRに対する抵抗層の目標膜厚を算出し、その目標膜厚よりも厚く成膜することとした。なお、比較例では目標膜厚よりも薄く成膜している。
Ni−20wt%Cr合金を用いた場合に、目標抵抗値変化率ΔRを0.2%とすると、必要な膜厚は145nmとなる。
そこで、厚み38μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、製品名「カプトン150EN」)を12cm×12cmの大きさに切り出し、フィルム上に抵抗層としてスパッタリング法を用いてNi−20wt%Cr合金を148nm成膜し、その上に導電層としてスパッタリング法で銅被膜層を150nmの厚みに形成した。さらに電気めっきにて、銅を8μmまで形成した。次いでサブトラクティブ法によって、40μm幅のリードとその両端に端子を形成した。両端の端子に銅線をつなぎ、サンプルを恒温恒湿槽に入れた状態で、両端の端子に3Vの電圧を印可して、その抵抗を測定した。
250時間後の抵抗値変化率ΔR=0.17であった。
なお、本実施例においては、サブトラクティブ法によってポリイミドフィルムの片面に配線パターンを有する基板から得られた抵抗膜素子についての作製例を示したが、セミアディティブ法により作製された片面または両面抵抗素子についても同様の優れた結果が得られることが確認されている。
Ni−23wt%Cr合金を用いた場合には、目標抵抗値変化率ΔRを0.2%とすると、必要な膜厚は145nmとなる。
厚み38μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、製品名「カプトン150EN」)を12cm×12cmの大きさに切り出し、そのポリイミドフィルム上に抵抗層としてスパッタリング法でNi−20wt%Cr合金を740nm成膜し、その上に導電層としてスパッタリング法で銅被膜層を150nmの厚みに形成した。さらに電気めっきにて、銅を8μmの厚みまで形成した。次いでサブトラクティブ法によって、40μm幅のリードとその両端に端子を形成した。両端の端子に銅線をつなぎ、サンプルを恒温恒湿槽に入れた状態で、両端の端子に3Vの電圧を印可して、その抵抗を測定した。
250時間後の抵抗値変化率ΔR=0.16であった。
Ni−14wt%Cr合金を用いた場合には、目標抵抗値変化率ΔRを0.5%とすると、必要な膜厚は58nmとなる。
厚み38μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、製品名「カプトン150EN」)を12cm×12cmの大きさに切り出し、フィルム上に抵抗層としてスパッタリング法でNi−14wt%Cr合金を60nm成膜し、その上に導電層としてスパッタリング法で銅被膜層を150nmの厚みに形成した。さらに電気めっきにて、銅を8μmの厚みまで形成した。次いでサブトラクティブ法によって、40μm幅のリードとその両端に端子を形成した。両端の端子に銅線をつなぎ、サンプルを恒温恒湿槽に入れた状態で、両端の端子に3Vの電圧を印可し抵抗を測定した。
250時間後の抵抗値変化率ΔR=0.48であった。
Ni−20wt%Cr合金を用いた場合に、目標抵抗値変化率ΔRを0.1%とすると、必要な膜厚は290nmとなる。
厚み38μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、製品名「カプトン150EN」)を12cm×12cmの大きさに切り出し、フィルム上に抵抗層としてスパッタリング法でNi−20wt%Cr合金を298nm成膜し、その上に導電層としてスパッタリング法で銅被膜層を150nmの厚みに形成した。さらに電気めっきにて、銅を厚み8μmまで形成した。次いでサブトラクティブ法によって、40μm幅のリードとその両端に端子を形成した。両端の端子に銅線をつなぎ、サンプルを恒温恒湿槽に入れた状態で、両端の端子に3Vの電圧を印可し抵抗を測定した。
250時間後の抵抗値変化率ΔR=0.08であった。
Ni−20wt%Cr合金を用いた場合に、目標抵抗値変化率ΔRを0.5%とすると、必要な膜厚は58nmとなる。
厚み38μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、製品名「カプトン150EN」)を12cm×12cmの大きさに切り出し、フィルム上に抵抗層としてスパッタリング法でNi−20wt%Cr合金を58nm成膜し、その上に導電層としてスパッタリング法で銅被膜層を150nmの厚みに形成した。さらに電気めっきにて、銅を厚み8μmまで形成した。次いでサブトラクティブ法によって、40μm幅のリードとその両端に端子を形成した。両端の端子に銅線をつなぎ、サンプルを恒温恒湿槽に入れた状態で、両端の端子に3Vの電圧を印可して、その抵抗を測定した。
250時間後の抵抗値変化率ΔR=0.45であった。
Ni−7wt%Cr合金を用いた場合に、目標抵抗値変化率ΔRを0.2%とすると、必要な膜厚は725nmとなる。
厚み38μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、製品名「カプトン150EN」)を12cm×12cmの大きさに切り出し、フィルム上に抵抗層としてスパッタリング法でNi−20wt%Cr合金を750nm成膜し、その上に導電層としてスパッタリング法で銅被膜層を150nmの厚みに形成した。さらに電気めっきにて、銅を厚み8μmまで形成した。次いでサブトラクティブ法によって、40μm幅のリードとその両端に端子を形成した。両端の端子に銅線をつなぎ、サンプルを恒温恒湿槽に入れた状態で、両端の端子に3Vの電圧を印可して、その抵抗を測定した。
250時間後の抵抗値変化率ΔR=0.19であった。
Ni−10wt%Cr合金を用いた場合に、目標抵抗値変化率ΔRを0.2%とすると、必要な膜厚は725nmとなる。
厚み38μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、製品名「カプトン150EN」)を12cm×12cmの大きさに切り出し、フィルム上に抵抗層としてスパッタリング法でNi−20wt%Cr合金を750nm成膜し、その上に導電層としてスパッタリング法で銅被膜層を150nmの厚みに形成した。さらに電気めっきにて、銅を厚み8μmまで形成した。次いでサブトラクティブ法によって、40μm幅のリードとその両端に端子を形成した。両端の端子に銅線をつなぎ、サンプルを恒温恒湿槽に入れた状態で、両端の端子に3Vの電圧を印可して、その抵抗を測定した。
250時間後の抵抗値変化率ΔR=0.18であった。
(比較例1)
Ni−7wt%Cr合金を用いた場合に、目標抵抗値変化率ΔRを0.2%とすると、必要な膜厚は725nmとなる。
厚み38μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、製品名「カプトン150EN」)を12cm×12cmの大きさに切り出し、フィルム上に抵抗層としてスパッタリング法でNi−7wt%Cr合金を700nm成膜し、その上に導電層としてスパッタリング法で銅被膜層を150nmの厚みに形成した。さらに電気めっきにて、銅を厚み8μmまで形成した。次いでサブトラクティブ法によって、40μm幅のリードとその両端に端子を形成した。両端の端子に銅線をつなぎ、サンプルを恒温恒湿槽に入れた状態で、両端の端子に3Vの電圧を印可して、その抵抗を測定した。
250時間後の抵抗値変化率ΔR=0.22であった。
(比較例2)
Ni−20wt%Cr合金を用いた場合に、目標抵抗変化率ΔRを0.2%とすると、必要な膜厚は145nmとなる。
厚み38μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、製品名「カプトン150EN」)を12cm×12cmの大きさに切り出し、フィルム上に抵抗層としてスパッタリング法でNi−20wt%Cr合金を100nm成膜し、その上に導電層としてスパッタリング法で銅被膜層を150nmの厚みに形成した。さらに電気めっきにて、銅を厚み8μmまで形成した。次いでサブトラクティブ法によって、40μm幅のリードとその両端に端子を形成した。両端の端子に銅線をつなぎ、サンプルを恒温恒湿槽に入れた状態で、両端に端子に3Vの電圧を印可して、その抵抗を測定した。
250時間後の抵抗の変化率ΔR=0.24であった。
以上の実施例、比較例の結果をまとめて表1に示す。
表1から明らかなように、設定した目標抵抗値変化率ΔRから求めた抵抗層の目標膜厚より厚く抵抗層を成膜された実施例では、作製した銅導電体層付き抵抗薄膜素子の実測した抵抗値変化率ΔRは、目標抵抗値変化率ΔRより小さな変化率を示し、抵抗値変化率の要求を満足していた。一方、目標膜厚より薄く成膜した比較例では、実測した抵抗値変化率ΔRは、目標抵抗値変化率ΔRより大きな変化率を示し、抵抗値変化率の要求を満たせなかった。
Figure 2012064762

Claims (8)

  1. 絶縁基材の少なくとも片面に、電気抵抗体となる抵抗層と、前記抵抗層と回路を構成する配線が前記抵抗層の表面に積層された銅導電体層とを含む銅導電体層付き抵抗薄膜素子において、
    耐環境試験における目標抵抗値変化率ΔRに対して抵抗層の膜厚が下記(1)式で表される膜厚であることを特徴とする銅導電体層付き抵抗薄膜素子。
    Figure 2012064762
  2. 前記抵抗層が、NiとCrを含む合金であることを特徴とする請求項1に記載の銅導電体層付き抵抗薄膜素子。
  3. 前記耐環境試験が、温度85℃、相対湿度85%RHの雰囲気下で、電圧3Vを印可しながら250時間放置することを試験条件とし、
    前記(1)式において、
    前記抵抗層がNi−Cr合金からなり、
    Cr含有率が、13重量%以下の場合には、αが145、
    Cr含有率が、14重量%以上の場合には、αが29であることを特徴とする請求項1または2に記載の銅導電体層付き抵抗薄膜素子。
  4. 前記絶縁基材が、樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の銅導電体層付き抵抗薄膜素子。
  5. 前記樹脂フィルムが、ポリイミドフィルムであることを特徴とする請求項4に記載の銅導電体層付き抵抗薄膜素子。
  6. 前記絶縁基材と抵抗層の間に接着剤層を介さないことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の銅導電体層付き抵抗素子。
  7. 絶縁基材の少なくとも片面に、乾式めっき法で成膜した抵抗層と、その抵抗層の表面に乾式めっき法、又は乾式めっき法と湿式めっき法の併用で成膜した銅導電体層からなる積層体を形成した銅張り積層基板を得、その銅張り積層基板をエッチングにより抵抗層と銅導電体層からなる積層体を配線パターンに形成する工程と、抵抗体を形成したい箇所は銅導電体層を除去して抵抗層を露出させる工程を経る銅導電体層付き抵抗薄膜素子の製造方法において、
    前記耐環境試験における目標抵抗値変化率ΔRに対し、抵抗層の膜厚が下記式(2)に示す膜厚であることを特徴とする銅導電体層付き抵抗薄膜素子の製造方法。
    Figure 2012064762
  8. 前記耐環境試験が、温度85℃、相対湿度85%RHの雰囲気下で、電圧3Vを印可しながら250時間放置することを試験条件とし、
    前記抵抗層が、Ni−Cr合金からなり、
    前記(2)式における
    Cr含有率が13重量%以下の場合には、前記αが145、
    Cr含有率が14重量%以上の場合には、前記αが29であることを特徴とする請求項7に記載の銅導電体層付き抵抗薄膜素子の製造方法。
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