JP2012063152A - 速度推定装置及びコンピュータプログラム及び速度推定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】圧縮観測算出部(アジマス圧縮部120)は、複数の推定速度それぞれについて、上記受信信号から生成された所定のサンプリング間隔を有する一連の観測値と、上記推定速度に対応する参照信号との間の相関を取ることにより、上記所定のサンプリング間隔よりも短いサンプリング間隔を有する一連の圧縮観測値を算出する。ピーク抽出部141は、上記複数の推定速度それぞれについて、上記圧縮観測算出部が算出した一連の圧縮観測値のピークを抽出する。速度推定部151は、上記複数の推定速度のなかから、上記ピーク抽出部141が抽出したピークが極大となる推定速度を求めて、上記観測対象の推定速度とする。
【選択図】図3
Description
合成開口レーダによって観測された観測対象が移動していると、観測対象の画像がぼやけたり、アジマス方向の位置がずれたりする場合がある。
しかし、観測対象の移動速度に合致した参照信号を用いるためには、観測対象の移動速度を正しく推定する必要がある。
特に、移動速度が異なる複数の観測対象が比較的狭い範囲内に密集しているような状況では、複数の観測対象それぞれの移動速度を正しく推定する必要がある。
この発明は、例えば上記のような課題を解決するためになされたものであり、観測対象の速度を正しく推定することを目的とする。
合成開口レーダが受信した受信信号に基づいて、観測対象の速度を推定する速度推定装置において、
圧縮観測算出部と、ピーク抽出部と、速度推定部とを有し、
上記圧縮観測算出部は、複数の推定速度それぞれについて、上記受信信号から生成された所定のサンプリング間隔を有する一連の観測値と、上記推定速度に対応する参照信号との間の相関を取ることにより、上記所定のサンプリング間隔よりも短いサンプリング間隔を有する一連の圧縮観測値を算出し、
上記ピーク抽出部は、上記複数の推定速度それぞれについて、上記圧縮観測算出部が算出した一連の圧縮観測値のピークを抽出し、
上記速度推定部は、上記複数の推定速度のなかから、上記ピーク抽出部が抽出したピークが極大となる推定速度を求めて、上記観測対象の推定速度とすることを特徴とする。
特に、移動速度が異なる複数の観測対象が比較的狭い範囲内に密集しているような圧縮観測値のピークを捉えにくい状況であっても、圧縮観測値のピークを正確に捉えることができ、複数の観測対象それぞれの速度を正しく推定することができる。
実施の形態1について、図1〜図10を用いて説明する。
合成開口レーダシステム800は、観測装置810と、観測結果解析装置100とを有する。
観測装置810は、例えば人工衛星や航空機などの移動体に搭載され、所定の方向に移動速度711で移動しながら、所定の方向(例えば移動方向に対して垂直な方向)を中心とする比較的広い範囲に向けて、電波701を放射する。観測装置810が放射する電波701は、例えば、所定の時間間隔(例えば1マイクロ秒)で放射されるパルス状のチャープ信号である。観測装置810は、放射した電波が観測対象850に当たって反射した反射波702(受信信号)を受信する。観測対象850は、静止しているか、あるいは、観測装置810の移動速度711に比べて比較的小さい移動速度721で移動している。観測対象850の移動速度721のうち、観測装置810の移動方向と平行な方向の成分を「アジマス方向移動速度」(722)、観測装置810の移動方向に対して垂直な方向の成分を「レンジ方向移動速度」(723)と呼ぶ。
観測結果解析装置100(速度推定装置)は、観測装置810が受信した反射波702を解析して、合成開口レーダ画像を生成する。観測結果解析装置100は、観測対象850の位置や移動速度721を求める。観測結果解析装置100は、観測装置810と同じ移動体に搭載されていてもよいし、地上など観測結果解析装置100とは異なる場所に設置されていてもよい。
観測結果解析装置100は、例えばコンピュータである。観測結果解析装置100は、例えば、記憶装置914と、処理装置911と、入力装置912と、出力装置913とを有する。
記憶装置914は、処理装置911が実行するプログラムや、処理装置911が処理するデータなどを記憶する。記憶装置914は、例えば、揮発性メモリや不揮発性メモリなどの一次記憶装置や、磁気ディスクや光学ディスクなどの記憶媒体を用いてプログラムやデータを記憶する二次記憶装置などである。
処理装置911は、記憶装置914が記憶したプログラムを実行することにより、データを処理し、観測結果解析装置100全体を制御する。
入力装置912は、観測結果解析装置100の外部から情報を入力し、処理装置911が処理できる形式のデータに変換する。入力装置912が変換したデータは、処理装置911が直接処理してもよいし、記憶装置914が一時的に記憶してもよい。入力装置912は、例えば、キーボードやマウスなど使用者の操作を入力する操作入力装置、アナログ信号を入力してデジタルデータに変換するアナログデジタル変換装置、他の装置が送信した信号を受信して復調する受信装置などである。
出力装置913は、処理装置911が処理したデータや記憶装置914が記憶したデータを、観測結果解析装置100の外部へ出力する。出力装置913は、例えば、表示装置やスピーカなど人間が知覚できる形式で情報を出力する情報出力装置、デジタルデータをアナログ信号に変換して出力するデジタルアナログ変換装置、変調信号を生成して他の装置に対して送信する送信装置などである。
観測結果解析装置100は、例えば、アジマス圧縮部120と、ピーク抽出部141と、速度推定部151とを有する。
アジマス圧縮部120は、処理装置911を用いて、観測値データ列と参照信号との間の相関を取ることにより、アジマス方向の分解能を高めた圧縮観測値データ列を生成する。アジマス圧縮部120が生成する圧縮観測値データ列は、時間領域における一連の圧縮観測値を表わすデータである。
アジマス方向推定速度選択部122は、処理装置911を用いて、観測対象850のアジマス方向移動速度722として可能性のある複数のアジマス方向推定速度のなかから、アジマス方向推定速度を一つずつ選択する。
畳み込み定理によれば、周波数領域において各周波数ごとの積を算出することは、時間領域において畳み込み積分をすることに相当する。すなわち、乗算部132は、周波数領域において各周波数ごとの積を算出することにより、時間領域において一連の観測値と参照信号との間の相関を取る。
離散フーリエ変換によって得られる一連の値の真ん中は、サンプリング周波数の半分の周波数に相当する。サンプリング周波数の半分の周波数は、そのサンプリング周波数によるサンプリングによって再現できる最も高い周波数である。ここに0値を挿入して付加すると、サンプリング周波数の半分の周波数よりも高い周波数の成分が0であるものと仮定して、サンプリング周波数を高くしたことになる。
ピーク抽出部141は、レンジ方向推定速度選択部121が選択したレンジ方向推定速度と、アジマス方向推定速度選択部122が選択したアジマス方向推定速度との組それぞれについて、アジマス圧縮部120が算出した一連の圧縮観測値のピークを抽出する。
また、ピーク抽出部141が最大のピークを一つだけ抽出する構成である場合も、複数の観測対象850のうちのいずれかに焦点が合えば、ピーク抽出部141が抽出したピークが極大となる。このため、ピーク抽出部141が抽出したピークが極大となる推定速度の組が複数現れる。したがって、速度推定部151は、ピーク抽出部141が抽出したピークが極大となる推定速度の組をすべて求めることにより、各観測対象850の移動速度721を推定することができる。
速度推定処理S610において、観測結果解析装置100は、観測対象850の移動速度721を推定する。速度推定処理S610は、例えば、フーリエ変換工程S611と、レンジ方向推定速度選択工程S612と、アジマス方向推定速度選択工程S613と、周波数領域参照信号生成工程S614と、乗算工程S615と、ゼロ詰め工程S616と、逆フーリエ変換工程S617と、ピーク抽出工程S618と、速度推定工程S619とを有する。
ピーク抽出部141は、処理装置911を用いて、アジマス方向推定速度選択工程S613に処理を戻し、アジマス方向推定速度選択部122が次のアジマス方向推定速度を選択する。
速度推定部151は、出力装置913を用いて、推定した観測対象850の移動速度721の推定値を出力する。
N個の複素数からなる一連の観測値510と、[N+M]個の複素数からなる一連の圧縮観測値560とは、同じ長さの時間に対応するので、一連の観測値510のサンプリング周期Tと、一連の圧縮観測値560のサンプリング周期T’との間には、T’=T・N/(N+M)という関係が成り立つ。例えば、Nが65536、[N+M]が262144であれば、T’は、Tの4分の1になる。
実線で示した包絡線570a及び破線で示した包絡線570bは、異なるレンジ方向推定速度で算出した一連の圧縮観測値の包絡線である。包絡線570aのほうが、包絡線570bよりも、幅が狭く、ピークが大きい。これは、包絡線570aのレンジ方向推定速度のほうが、包絡線570bのレンジ方向推定速度よりも、観測対象850のレンジ方向移動速度723に近いことを意味している。
また、包絡線570aと、包絡線570bとでは、ピークの大きさだけでなく、ピークの時刻(アジマス時間)が異なる。これは、アジマスシフトとして知られている現象に起因する。
観測装置810は移動速度711で移動しているので、観測対象850が静止している場合、観測装置810を基準として見ると、観測対象850は、観測装置810の移動方向と反対の方向に、移動速度731で移動しているように見える。また、観測対象850が移動速度721で移動している場合、観測装置810を基準としてみると、観測対象850は、移動速度721と移動速度731とを合成した移動速度732で移動しているように見える。
観測対象850が静止している場合、観測装置810の移動方向に対して垂直な方向に観測対象850が来たときに、観測装置810と観測対象850との間の距離が最短距離741になる。
これに対して、観測対象850が移動速度721で移動している場合、観測装置810の移動方向に対して垂直な方向に観測対象850が来るよりも少し前、観測対象850が位置751に来たときに、観測装置810と観測対象850との間の距離が最短距離742になる。これは、観測対象850のレンジ方向移動速度723が観測装置810から遠ざかる方向を向いているからであり、観測対象850のレンジ方向移動速度723が観測装置810に近づく方向を向いている場合には、逆に、観測装置810の移動方向に対して垂直な方向を観測対象850が通過した少し後に、観測装置810と観測対象850との間の距離が最短になる。観測装置810と観測対象850との間の距離が最短になるのは、観測装置810から見て、観測対象850の見かけの移動速度732に対して垂直な方向の位置に観測対象850が来たときである。
破線で示した距離761は、観測対象850が静止している場合を示す。実線で示した距離762は、観測対象850が移動速度721で移動している場合(アジマス方向移動速度723が観測装置810から遠ざかる方向である場合)を示す。
上述したように、観測対象850が静止している場合、観測装置810と観測対象850との間の距離761が最短になるのは、観測装置810の移動方向に対して垂直な方向に観測対象850が来た時刻771である。
これに対して、観測対象850が移動速度721で移動している場合、観測装置810と観測対象850との間の距離762が最短になるのは、観測装置810から見た観測対象850の見かけの移動速度732に対して垂直な方向に観測対象850が来た時刻772である。
このため、観測対象850が実際には移動速度721で移動しているにも関わらず、観測対象850が静止していると仮定した参照信号を用いてアジマス圧縮をすると、観測対象850の実際のアジマス方向位置に対応する時刻771ではなく、観測装置810と観測対象850との間の距離が最短になった時刻772に、圧縮観測値のピークが現れる。これに対し、観測対象850のレンジ方向移動速度723に合致した参照信号を用いてアジマス圧縮をすれば、観測対象850の実際のアジマス方向位置に対応する時刻771に、圧縮観測値のピークが現れる。
一連の圧縮観測値580aは、あるレンジ方向推定速度で算出した圧縮観測値である。一連の圧縮観測値580bは、圧縮観測値580aとわずかに異なるレンジ方向推定速度で算出した圧縮観測値である。
この例において、一連の圧縮観測値580bの算出に用いたレンジ方向推定速度のほうが、一連の圧縮観測値580aの算出に用いたレンジ方向推定速度よりも、観測対象850の実際のレンジ方向移動速度723に近い。このため、本来であれば、一連の圧縮観測値580bのピークのほうが、一連の圧縮観測値580aのピークよりも大きくなるはずである。しかし、一連の圧縮観測値580aには、圧縮観測値がピークになる時刻を捉えた圧縮観測値があるのに対し、一連の圧縮観測値580bには、圧縮観測値がピークになる時刻を捉えた圧縮観測値がない。これは、アジマスシフトにより、圧縮観測値がピークになる時刻がずれるためである。その結果、一連の圧縮観測値580aのほうが、一連の圧縮観測値580bよりも、圧縮観測値のピークが大きくなっている。
ピーク値590Aは、レンジ方向推定速度を少しずつ変化させて算出した一連の圧縮観測値のピークを表わす。上述した現象により、圧縮観測値の本当のピークを捉えられない場合があるため、ピーク値590Aは、この図に示したように、ギザギザに変化する。このため、ピークが極大となるレンジ方向推定速度の判別が困難になる。
一連の圧縮観測値580cは、あるレンジ方向推定速度で算出した圧縮観測値である。一連の圧縮観測値580dは、圧縮観測値580cとわずかに異なるレンジ方向推定速度で算出した圧縮観測値である。
一連の圧縮観測値580cには、圧縮観測値がピークになる時刻を捉えた圧縮観測値があるのに対し、一連の圧縮観測値580dには、圧縮観測値がピークになる時刻を捉えた圧縮観測値がない。しかし、サンプリング間隔が狭いので、一連の圧縮観測値580dのピークは、本当のピークにほぼ近い値となる。
ピーク値590Bは、レンジ方向推定速度を少しずつ変化させて算出した一連の圧縮観測値のピークを表わす。サンプリング間隔が狭いので、圧縮観測値の本当のピークを捉えられない場合でも、本当のピークにほぼ近い値を得ることができ、ピーク値590Bのギザギザは、ピーク値590Aよりも小さくなる。このため、ピークが極大となるレンジ方向推定速度の判別が比較的容易になる。
一連の圧縮観測値560のサンプリング周波数が一連の観測値510のサンプリング周波数よりも高くすることにより、圧縮観測値の本当のピークを捉えることができ、観測対象850のレンジ方向移動速度723を正しく推定することができる。
第一に、周波数領域で0値を付加する方式は、圧縮観測値の本当のピークの再現性が最も高い。圧縮観測値の本当のピークが非常に鋭いからである。
第二に、周波数領域で0値を付加する方式は、他の内挿方式に比べて計算量が少なくて済む。一般的に言えば、周波数領域で0値を付加する方式は、周波数領域での操作をするためにフーリエ変換をし、時間領域に戻すために逆フーリエ変換をする必要があり、他の内挿方式よりも計算量が多くなる。しかし、アジマス圧縮においては、参照信号との相関を取るために、フーリエ変換・逆フーリエ変換をする。したがって、別途、フーリエ変換・逆フーリエ変換をする必要はなく、計算量の増加を抑えることができる。
このような利点があるため、アジマス圧縮部120が、一連の圧縮観測値560のサンプリング周波数を、一連の観測値510のサンプリング周波数より高くする方式は、周波数領域で0値を付加する方式が望ましい。
速度推定装置(観測結果解析装置100)は、圧縮観測算出部(アジマス圧縮部120)と、ピーク抽出部(141)と、速度推定部(151)とを有する。
圧縮観測算出部(120)は、複数の推定速度それぞれについて、上記受信信号から生成された所定のサンプリング間隔を有する一連の観測値(510)と、上記推定速度に対応する参照信号との間の相関を取ることにより、上記所定のサンプリング間隔よりも短いサンプリング間隔を有する一連の圧縮観測値(560)を算出する。
ピーク抽出部(141)は、上記複数の推定速度それぞれについて、上記圧縮観測算出部(120)が算出した一連の圧縮観測値(560)のピークを抽出する。
速度推定部(151)は、上記複数の推定速度のなかから、上記ピーク抽出部(141)が抽出したピークが極大となる推定速度を求めて、上記観測対象(850)の推定速度とする。
特に、移動速度が異なる複数の観測対象が比較的狭い範囲内に密集しているような圧縮観測値のピークを捉えにくい状況であっても、圧縮観測値のピークを正確に捉えることができ、複数の観測対象それぞれの速度を正しく推定することができる。
フーリエ変換部(131)は、上記一連の観測値(510)をフーリエ変換して一連の周波数領域観測値(520)を算出する。
周波数領域参照信号生成部(123)は、上記複数の推定速度それぞれについて、上記推定速度に対応する参照信号をフーリエ変換した一連の周波数領域参照信号値(530)を生成する。
乗算部(132)は、上記複数の推定速度それぞれについて、上記フーリエ変換部(131)が算出した一連の周波数領域観測値(520)と、上記周波数領域参照信号生成部(123)が生成した一連の周波数領域参照信号値(530)との積をそれぞれ算出して、一連の周波数領域圧縮観測値(540)とする。
ゼロ詰め部(133)は、上記複数の推定速度それぞれについて、上記乗算部(132)が算出した一連の周波数領域圧縮観測値(540)に1個以上の0値を付加する。
逆フーリエ変換部(134)は、上記複数の推定速度それぞれについて、上記ゼロ詰め部(133)が0値を付加した一連の周波数領域圧縮観測値(550)を逆フーリエ変換して、上記一連の圧縮観測値(560)を算出する。
ピーク抽出部(141)は、上記複数のレンジ方向推定速度それぞれについて、上記圧縮観測算出部(120)が算出した一連の圧縮観測値(560)のピークを抽出する。
速度推定部(151)は、上記複数のレンジ方向推定速度のなかから、上記ピーク抽出部(141)が抽出したピークが極大となるレンジ方向速度を求めて、上記観測対象(850)のレンジ方向推定速度とする。
ピーク抽出部(141)は、上記レンジ方向推定速度とアジマス方向推定速度との組それぞれについて、上記圧縮観測算出部(120)が算出した一連の圧縮観測値(560)のピークを抽出する。
速度推定部(151)は、上記レンジ方向推定速度とアジマス方向推定速度との組のなかから、上記ピーク抽出部(141)が抽出したピークが極大となるレンジ方向推定速度とアジマス方向推定速度との組を求めて、上記観測対象(850)のレンジ方向推定速度及びアジマス方向推定速度とする。
特に、移動速度が異なる複数の観測対象が比較的狭い範囲内に密集しているような圧縮観測値のピークを捉えにくい状況であっても、観測対象のレンジ方向速度とアジマス方向速度とを同時に推定することにより、複数の観測対象に対応するピークを捉えることができ、複数の観測対象それぞれの移動速度を正確に推定することができる。
Claims (6)
- 合成開口レーダが受信した受信信号に基づいて、観測対象の速度を推定する速度推定装置において、
圧縮観測算出部と、ピーク抽出部と、速度推定部とを有し、
上記圧縮観測算出部は、複数の推定速度それぞれについて、上記受信信号から生成された所定のサンプリング間隔を有する一連の観測値と、上記推定速度に対応する参照信号との間の相関を取ることにより、上記所定のサンプリング間隔よりも短いサンプリング間隔を有する一連の圧縮観測値を算出し、
上記ピーク抽出部は、上記複数の推定速度それぞれについて、上記圧縮観測算出部が算出した一連の圧縮観測値のピークを抽出し、
上記速度推定部は、上記複数の推定速度のなかから、上記ピーク抽出部が抽出したピークが極大となる推定速度を求めて、上記観測対象の推定速度とすることを特徴とする速度推定装置。 - 上記圧縮観測算出部は、フーリエ変換部と、周波数領域参照信号生成部と、乗算部と、ゼロ詰め部と、逆フーリエ変換部とを有し、
上記フーリエ変換部は、上記一連の観測値をフーリエ変換して一連の周波数領域観測値を算出し、
上記周波数領域参照信号生成部は、上記複数の推定速度それぞれについて、上記推定速度に対応する参照信号をフーリエ変換した一連の周波数領域参照信号値を生成し、
上記乗算部は、上記複数の推定速度それぞれについて、上記フーリエ変換部が算出した一連の周波数領域観測値と、上記周波数領域参照信号生成部が生成した一連の周波数領域参照信号値との積をそれぞれ算出して、一連の周波数領域圧縮観測値とし、
上記ゼロ詰め部は、上記複数の推定速度それぞれについて、上記乗算部が算出した一連の周波数領域圧縮観測値に1個以上の0値を付加し、
上記逆フーリエ変換部は、上記複数の推定速度それぞれについて、上記ゼロ詰め部が0値を付加した一連の周波数領域圧縮観測値を逆フーリエ変換して、上記一連の圧縮観測値を算出することを特徴とする請求項1に記載の速度推定装置。 - 上記圧縮観測算出部は、複数のレンジ方向推定速度それぞれについて、上記一連の圧縮観測値を算出し、
上記ピーク抽出部は、上記複数のレンジ方向推定速度それぞれについて、上記圧縮観測算出部が算出した一連の圧縮観測値のピークを抽出し、
上記速度推定部は、上記複数のレンジ方向推定速度のなかから、上記ピーク抽出部が抽出したピークが極大となるレンジ方向速度を求めて、上記観測対象のレンジ方向推定速度とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の速度推定装置。 - 上記圧縮観測算出部は、複数のレンジ方向推定速度から選択したレンジ方向推定速度と、複数のアジマス方向推定速度から選択したアジマス方向推定速度との組それぞれについて、上記一連の圧縮観測値を算出し、
上記ピーク抽出部は、上記レンジ方向推定速度とアジマス方向推定速度との組それぞれについて、上記圧縮観測算出部が算出した一連の圧縮観測値のピークを抽出し、
上記速度推定部は、上記レンジ方向推定速度とアジマス方向推定速度との組のなかから、上記ピーク抽出部が抽出したピークが極大となるレンジ方向推定速度とアジマス方向推定速度との組を求めて、上記観測対象のレンジ方向推定速度及びアジマス方向推定速度とすることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の速度推定装置。 - コンピュータが実行することにより、上記コンピュータが請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の速度推定装置として機能することを特徴とするコンピュータプログラム。
- 圧縮観測算出部と、ピーク抽出部と、速度推定部とを有する速度推定装置が、合成開口レーダが受信した受信信号に基づいて、観測対象の速度を推定する速度推定方法において、
上記圧縮観測算出部が、複数の推定速度それぞれについて、上記受信信号を所定のサンプリング間隔でサンプリングした一連の観測値を用いて、上記受信信号と、上記推定速度に対応する参照信号との間の相関を取ることにより、上記所定のサンプリング間隔よりも短い時間間隔を有する一連の圧縮観測値を算出し、
上記ピーク抽出部が、上記複数の推定速度それぞれについて、上記圧縮観測算出部が算出した一連の圧縮観測値のピークを抽出し、
上記速度推定部が、上記複数の推定速度のなかから、上記ピーク抽出部が抽出したピークが極大となる速度を求めて、上記観測対象の推定速度とすることを特徴とする速度推定方法。
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