JP2012062699A - 建物の補強構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】改装時に開口部を設けるときでも容易に実施することが可能な建物の補強構造を提供する。
【解決手段】建物ユニット1の天井部19の一部を切断して開口部190を形成した際に、開口部又はその周辺に位置する天井根太192に対して、下面を既存の位置より上方に上げる上げ越し処理を施す。
そして、上げ越し処理に対する補強がされた補強天井根太6を設ける。この補強天井根太は、開口部に差し渡される上側根太材61と、その上側根太材の一端を下方から支持させるために重ね合わされる下側根太材62と、上側根太材と下側根太材とを接合する連結金具64と、上側根太材の端部と桁側天井梁15とを繋ぐ端接合金具63とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、梁材と柱材とによって骨組構造体が形成される建物に、鉛直方向に開放される開口部を設ける際の建物の補強構造に関するものである。
従来、建物としてのユニット建物に吹き抜け空間等の開口部を形成するために、開口部の周辺に位置する床梁や天井梁に、補強部材(スチフナー)を溶接接合又はボルト接合するユニット建物の補強構造が知られている(例えば、特許文献1,2等を参照)。
この特許文献1,2に開示された開口部の補強は、ユニット建物を新築する際におこなわれるものであって、工場において建物ユニットを組み立てる工程の中でおこなわれるため、溶接による接合が可能であるうえに、ボルト接合の場合も取付箇所の制約をほとんど受けることがなく、任意の箇所でおこなうことができる。
他方、改装時に既存のユニット建物の床や天井を開口して収納庫を設けたり、下階から上階にわたる吹き抜け空間を設けたりする場合があるが、開口部を設けるために天井根太が切断されたり切り欠かれたりすると、既存のユニット建物に比べて強度が低下することになるので、開口部又はその周辺を補強する必要がある。
特開2008−291489号公報 特開2002−54237号公報
しかしながら、特許文献1,2に開示されているような溶接接合を使った補強は、既存の建物の中で火器を使用することになるため、火災の危険を考えると実施しにくい。
また、補強部材を梁のフランジにボルト接合で接合しようとすると、上下階で重なり合う梁などが邪魔となり、ボルト孔の穿孔やドリルねじの螺入ができない箇所があるため、新築時と同じように補強することができない。
そこで、本発明は、改装時に開口部を設けるときでも容易に実施することが可能な建物の補強構造を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の建物の補強構造は、梁材と柱材とによって骨組構造体が形成される建物の補強構造であって、前記骨組構造体の上縁は、第1方向に向けて略平行に配置される一対の第1天井梁と、前記第1方向に略直交する第2方向に向けて略平行に配置される一対の第2天井梁とによって形成されるとともに、前記第1天井梁間には、前記第2方向に向けた天井根太が前記第1方向に間隔を置いて複数、差し渡されており、前記骨組構造体の天井部の一部を切断して開口部を形成した際に、前記開口部又はその周辺に位置する前記天井根太に対して、下面を既存の位置より上方に上げる上げ越し処理を施したことを特徴とする。
ここで、前記上げ越し処理に対する補強がされた補強天井根太を設けることができる。この前記補強天井根太は、前記開口部に差し渡される上側根太材と、その上側根太材の一端を下方から支持させるために重ね合わされる下側根太材と、前記上側根太材と前記下側根太材とを接合する連結金具と、前記上側根太材の端部と前記第1天井梁とを繋ぐ端接合金具とを備えている構成とすることができる。
また、前記第1天井梁は、天井内部側が開放されるように凹部が向けられた溝形鋼又はリップ付き溝形鋼によって形成されており、前記端接合金具は、前記凹部を形成する下側のフランジに載置させる座金を有するとともに、略L字状に形成される構成であってもよい。さらに、前記連結金具は、前記上側根太材と前記下側根太材の側面に跨って取り付けられる構成とすることができる。
また、前記補強天井根太は、前記第1天井梁間に差し渡される主根太材と、その主根太材の側面に固定される副根太材とを備え、前記副根太材は前記主根太材よりも短く形成されるとともに、前記主根太材の上げ越し処理された箇所の高さと同等以下の高さに形成される構成であってもよい。
また、前記開口部又はその周辺に位置する前記第1天井梁又は前記第2天井梁の少なくとも一方は、天井内部側が開放されるように凹部が向けられた溝形鋼又はリップ付き溝形鋼によって形成されており、その凹部の開放側に前記第1天井梁又は前記第2天井梁に沿って補強梁が配置され、前記凹部を形成するウエブと前記補強梁とが、前記補強梁を取り付けるための固定片が形成された曲げ板状の連結部材と締結部材とによって連結される構成とすることができる。
さらに、前記固定片は、前記補強梁の短手方向に間隔を置いて複数箇所に設けることができる。また、前記連結部材は、前記補強梁の長手方向に、複数個間隔を置いて設けることができる。さらに、前記補強梁は、前記凹部の開放側に、凹部の開放側を向かい合わせにした溝形鋼又はリップ付き溝形鋼であってもよい。
このように構成された本発明の建物の補強構造は、開口部又はその周辺に位置する天井根太の下面を既存の位置より上方に上げる上げ越し処理を施す。
このように既存の建物に開口部を設ける際に、開口部に新たに配置するエレベータの資機材や部材などと干渉する天井根太の一部を取り除くことで、目的に合った開口部を構築することができる。
また、上げ越し処理をすることによって既存の天井根太の一部が取り除かれると、既存の天井梁よりも横補剛剛性が低下することがあるが、補強天井根太を設けて補強することによって水平方向の必要な剛性を充分に確保することができる。
さらに、上側根太材の端部と下側根太材の端部とを上下に重ね合わせることで補強天井根太を構成するのであれば、上側根太材と下側根太材とをスライドさせるだけで容易に第1天井梁間の間隔に合わせることができる。
また、端接合金具に第1天井梁のフランジに載置させる座金を設けることで、補強天井根太の端部と第1天井梁とを容易に連結させることができる。さらに、上側根太材と下側根太材の側面に跨って取り付けられる連結金具を使用することで、上下に突出する箇所を発生させることなく2つの部材を接合させることができる。
また、主根太材の側面に、はみ出すことのない大きさに形成された副根太材を重ねることによって構成される補強天井根太であれば、上下に突出する箇所を発生させることなく軸方向の広い範囲にわたって補強をおこなうことができる。特に、補強天井根太の上から荷重を載荷させる場合は、その載荷点周辺を副根太材によって部分的に補強することが容易にできる。
さらに、開口部又はその周辺に位置する天井梁の長手方向に沿って補強梁を配置し、天井梁のウエブと補強梁とを固定片が形成された曲げ板状の連結部材と締結部材とによって連結させることで、さらに開口部を補強することができる。
また、このような構成であれば、改装時に天井梁への補強梁の取り付けを開口部から容易におこなうことができる。さらに、補強梁を天井梁に沿って配置することで、天井梁の強軸方向の許容曲げ応力度を低下させることなく、弱軸方向の強度を高めることができる。すなわち、補強梁の配置によって天井梁の横補剛剛性が高められるので、建物の耐力を落とすことなく吹き抜け空間を設けることができる。
また、固定片が補強梁の短手方向に間隔を置いて複数箇所に設けられている場合は、天井梁と固定片を有する連結部材と補強梁とで閉断面に近い断面が形成されるので、天井梁の許容曲げ応力度を増加させることができる。
さらに、連結部材が補強梁の長手方向に複数個間隔を置いて設けられている場合は、連結部材を天井根太や端根太や種々の取付金具などが取り付けられていた箇所を避けて取り付けることができるので、天井根太の端部をそのまま切り残したり、取付金具をそのまま残したりしても、補強梁を取り付けることができる。
また、補強梁を、天井梁の凹部の開放側に凹部の開放側を向かい合わせにした溝形鋼又はリップ付き溝形鋼によって形成した場合は、既存の建物に下階から上階にわたる吹き抜け空間を設けるなどの改装時において、補強梁にフランジを設けた分、板状の補強梁を使用した場合に比べて水平方向の剛性を高めることができる。さらに、補強梁のフランジが天井梁側を向いているので、開口部への突出量を最小限に抑えることができ、内壁材などを取り付ける際にも邪魔になることがない。
本発明の実施の形態のユニット建物の補強構造の構成を説明する断面図である。 建物ユニットの構成を説明する斜視図である。 天井根太の構成を説明する断面図である。 本発明の実施の形態のユニット建物の補強構造の構成を説明する斜視図である。 実施例1のユニット建物の補強構造の構成を説明する断面図である。 図5のA−A矢視方向で見た断面図である。 実施例2の補強梁の取付構造を説明する断面図である。 実施例2の補強梁の取付構造を説明する正面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態の建物としてのユニット建物の補強構造の構成を説明する断面図である。ここで、ユニット建物(図示省略)は、図2に示すような建物ユニット1を現場で複数、隣接して設置することによって構築される。
この建物ユニット1は、図2に示すように、隅角部に配置される柱材としての柱11,・・・と、柱11,・・・の下端間に架け渡される梁材としての床梁(12,13)と、柱11,・・・の上端間に架け渡される梁材としての天井梁(15,16)とによってボックス形のラーメン構造体(骨組構造体)に形成される。
この建物ユニット1は、平面視矩形に形成されており、長辺側(桁側)の床梁を桁側床梁12(第1床梁)とし、短辺側(妻側)の床梁を妻側床梁13(第2床梁)とする。また、長辺側の天井梁を桁側天井梁15とし、短辺側の天井梁を妻側天井梁16とする。
ここで、桁側床梁12、妻側床梁13、桁側天井梁15及び妻側天井梁16は、溝形鋼又はリップ付き溝形鋼によって成形される。本実施の形態では、図1の桁側天井梁15で図示されているように、平行な上下のフランジ152,152間がウエブ151によって連結された断面視略コ字形の溝形鋼を使用する場合について説明する。
この溝形鋼(桁側天井梁15など)は、図1,4から明らかなように、フランジ152,152及びウエブ151によって形成される凹部の開放側が天井内部側(開口部190側)に向けられている。
また、図2に示すように、桁側床梁12,12間には長辺方向(第1方向又は桁方向ともいう。)に間隔を置いて複数の床小梁172,・・・が差し渡される。すなわち、この床小梁172は、妻側床梁13と同じく短辺方向(第2方向又は妻方向ともいう。)に向いて略平行に配置される。
この床小梁172は、四角筒状の角形鋼管によって成形される。また、床小梁172の両端には、断面視コ字形の取付金具(図示省略)が接合されており、その取付金具は桁側床梁12に溶接によって接合される。
さらに、床小梁172,・・・上には妻側床梁13,13間に複数の木製の床根太173,・・・が差し渡され、その上には床材171が貼り付けられる。すなわち、床部17は、桁側床梁12,12間に差し渡された複数の床小梁172,・・・と、床小梁172,・・・上において妻側床梁13,13間に差し渡される複数の床根太173,・・・と、面状の床材171とによって主に構成される。
一方、桁側天井梁15,15間には、短辺方向に向けた複数の木製の天井根太192,・・・が架け渡され、それらの天井根太192,・・・の下面に天井材191が取り付けられることによって天井部19が形成される。また、柱11,11間には壁部18が設けられる。
さらに、図2に示すように、柱11と桁側床梁12又は妻側床梁13との接合部には、断面視略コ字形の接合枠材14が配置される。すなわち、柱11の側面に接合枠材14の端面が当接されて溶接によって接合がおこなわれ、接合枠材14に対して桁側床梁12又は妻側床梁13が溶接によって接合される。この接合枠材14は、柱11と桁側天井梁15又は妻側天井梁16との接合にも使用される。
そして、リフォームなどの改装時に、階段、エレベータ、エントランスやリビング等に設けられる吹き抜け空間又は天井裏収納庫などを構築する際に、建物ユニット1の天井部19の一部を切断して開口部190を設けた斜視図を図4に示した。
この図4では、開口部190の形状に合わせて一部が切り取られた天井材191が、天井根太192,・・・下に貼り付けられている。すなわち、この開口部190は、開口部190を設ける位置の天井材191を切断し、開口部190を横断する天井根太192を上げ越し処理することによって開口される。この上げ越し処理は、開口部190において既存の天井根太192の下面の位置のままでは他の部材と干渉するなど支障がある場合におこなわれる。
図3は、開口部190を設ける前に桁側天井梁15,15間に架け渡されていた天井根太192に対して、開口部190の位置の下面を既存の位置より上方に上げるために切取部192aを切り取った天井根太192Aを示した断面図である。
このように天井根太192Aの一部である切取部192aが取り除かれると、桁側天井梁15,15の横補剛剛性が低下することになるが、設計的に必要とされる水平方向の剛性が確保できていれば、そのまま既存の天井根太192Aを使用し続けることができる。
これに対して、切取部192aの除去によって必要とされる水平方向の剛性が確保できなくなる場合は、図1,4に示すように補強天井根太6を開口部190に配置することになる。
この補強天井根太6は、桁側天井梁15,15間に架け渡される。この補強天井根太6は、開口部190に差し渡される上側根太材61と、その上側根太材61の一端に重ね合わされる下側根太材62と、上側根太材61と下側根太材62とを接合する連結金具64と、上側根太材61の端部と桁側天井梁15とを繋ぐ端接合金具63とを主に備えている。
この上側根太材61は、長尺状の木製の角材によって成形される。また、下側根太材62も、長尺状の木製の角材によって成形される。さらに、下側根太材62の一端には、桁側天井梁15のフランジ152に引っ掛けるための引掛部62aが形成される。また、上側根太材61又は下側根太材62は、開口部190に架け渡されていた既存の天井根太192を加工することによって形成することができる。
そして、下側根太材62の端部の上に上側根太材61の端部が載置される。さらに、重ね合わされた上側根太材61と下側根太材62とは、上側根太材61と下側根太材62の側面に跨って取り付けられる連結金具64によって接合される。
この連結金具64は、矩形状の鋼板によって成形される。また、連結金具64は、締結部材としてのドリルねじ66,・・・を捩じ込むことによって上側根太材61と下側根太材62のそれぞれに固定される。さらに、この連結金具64は、上側根太材61及び下側根太材62を挟んで両側面に取り付けられる。
このように下側根太材62の上に載置された上側根太材61の桁側天井梁15側の端部は、図1に示すようにウエブ151の中ほどに当接される。そこで、上側根太材61の端部と桁側天井梁15とを繋ぐために端接合金具63を使用する。
この端接合金具63は、上側根太材61の両側面に沿ってそれぞれ配置される略L字状に形成された長L金具631と、上側根太材61の下面より下方に垂下された下端に形成された座金632とを備えている。この座金632は、桁側天井梁15の下側のフランジ152上に載置され、締結部材としてのドリルねじ65によって桁側天井梁15に固定される。
また、この座金632と上側根太材61の端部との間には、台材611を介在させる。さらに、端接合金具63は、ドリルねじ66,・・・を使って上側根太材61及び台材611に固定させる。
次に、本実施の形態のユニット建物の補強構造の作用について説明する。
このように構成された本発明のユニット建物の補強構造は、開口部190又はその周辺に位置する天井根太192の下面を既存の位置より上方に上げる上げ越し処理を施す。
このように既存のユニット建物に開口部を設ける際に、開口部190に新たに配置する資機材や部材などと干渉する切取部192aを除去した天井根太192Aとすることで、目的に合った開口部190を構築することができる。
例えば、改装時にエレベータを設ける場合に、最上階の天井部19に設けた開口部190においては、エレベータの取り付けに支障となる天井根太192の下部を除去しなければならないことがある。
この際、上げ越し処理をすることによって既存の天井根太192の一部が取り除かれると、横補剛効果部材が取り除かれることになって風荷重や地震荷重などの水平方向の荷重が桁側天井梁15の側方から作用したときの剛性が低下することになる。このため、必要に応じて補強天井根太6を設けることによって水平方向の剛性を充分に確保した上げ越し処理をおこなうこととする。
ここで、補強天井根太6を上下に配置する上側根太材61と下側根太材62とを使って構成するのであれば、上側根太材61と下側根太材62とをスライドさせるだけで容易に既存の桁側天井梁15,15間の間隔に合わせることができる。さらに、下側根太材62の長さを調整することで、容易に上げ越し処理をおこなう範囲を変更することができる。
また、補強天井根太6の端部に取り付けられる端接合金具63に、桁側天井梁15のフランジ152に載置させる座金632を設けることで、補強天井根太6の端部と桁側天井梁15とを容易に連結させることができる。
さらに、上側根太材61と下側根太材62の側面に跨って取り付けられる連結金具64を使用することで、上下に何ら部材を突出させることなく2つの部材を接合させることができる。すなわち、側面に取り付ける連結金具64を使用するのであれば、補強天井根太6の上下に突出する箇所がなく、他の部材と干渉することもない。
また、任意の位置にドリルねじ66,・・・を捩じ込むことで連結金具64を固定する構成であれば、上側根太材61及び下側根太材62に対する位置合わせを正確におこなう必要がなく、容易に上側根太材61と下側根太材62とを接合させることができる。
以下、前記した実施の形態とは別の形態の実施例1について、図5,6を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
前記実施の形態では、上下に2つの根太材を重ねることによって構成される補強天井根太6について説明したが、この実施例1では、横方向に2つの根太材を重ねることによって構成される補強天井根太7について説明する。
この補強天井根太7は、桁側天井梁15,15間に差し渡される主根太材71と、その主根太材71の側面に固定される副根太材72と、主根太材71と副根太材72とを接合させる締結部材としての複数の木ねじ73,・・・とを主に備えている。
この主根太材71は、長尺状の木製の角材によって成形されている。また、主根太材71は、開口部190を跨いで桁側天井梁15,15間に架け渡し可能な長さに形成され、端部には桁側天井梁15のフランジ152に引っ掛ける引掛部71aが形成される。
さらに、主根太材71には、開口部190に配置される箇所の下部が切り取られた切欠部71bが形成される。この切欠部71bが、下面を既存の位置より上方に上げる上げ越し処理を施した箇所となる。そして、このような主根太材71は、既存の天井根太192を加工することによって形成される。
一方、副根太材72は、長尺状の木製の角材によって主根太材71よりも短く形成される。また、副根太材72は、主根太材71よりも高さが低く形成される。この副根太材72の高さは、主根太材71の切欠部71bの高さと略同じ高さになる。
そして、側方から見て主根太材71の切欠部71bの軸方向の少なくとも一部と合致するように副根太材72を重ね合わせ、複数の木ねじ73,・・・を使って双方を接合する(図5参照)。
また、この実施例1では、補強天井根太7の上に受け材193を載置する。この受け材193は、折板屋根のタイトフレーム(図示省略)を支持させる部材である。
例えば、折板屋根の上に太陽光パネルを設置する場合は、桁側天井梁15や妻側天井梁16の上だけでなく、天井根太192上に受け材193を載せて、荷重を支持させる場合がある。そのような場合に、補強天井根太7を架け渡した位置でも受け材193を支持できる強度に補強をおこなう。
このように構成された実施例1の補強天井根太7は、主根太材71の上部の側面に沿って切欠部71bと同じ高さの副根太材72を重ねることによって構成される。
このため、開口部190の上げ越し処理を施した箇所だけでなく、その他の箇所においても主根太材71よりも上方や下方に突出される箇所がなく、他の部材と干渉するなどの支障を起こさせることなく軸方向の広い範囲にわたって補強をおこなうことができる。
特に、折板屋根の上に太陽光パネルを設置する際など補強天井根太7の上から荷重を載荷させる場合は、その載荷点周辺を副根太材72によって部分的に補強することが容易にできる。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
以下、前記した実施の形態又は実施例1とは別の形態の実施例2について、図7,8を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態又は実施例1で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
この実施例2では、前記実施の形態又は実施例1で説明したような補強天井根太6,7による補強だけでなく、開口部190周辺の桁側天井梁15又は妻側天井梁16の少なくとも一方を補強梁5によって直接、補強する構成について説明する。
例えば、吹き抜け空間を形成するために大きな開口部190を形成すると、天井根太192が大きく切り欠かれたり切断されたりして、桁側天井梁15の横補剛剛性が低下することがある。
また、図2に示すように、妻側天井梁16の横補剛剛性は、隣接する天井根太192との間に差し渡された端根太194,・・・によって確保されているが、この端根太194が取り除かれると妻側天井梁16の横補剛剛性が低下することになる。
そこで、この実施例2では、補強梁5を使って、開口部190に面する桁側天井梁15の補強をおこなう。この補強梁5は、図8に示すように、桁側天井梁15の軸方向に沿って配置される長尺状の鋼材である。
例えば、補強梁5は、図7に示すように、平行な上下のフランジ52,52間がウエブ51によって連結された断面視略コ字形の溝形鋼によって形成される。また、補強梁5は、桁側天井梁15の凹部の開放側に、補強梁5の凹部の開放側を向かい合わせにした状態で配置される。
そして、補強梁5は、鉛直方向(補強梁5の短手方向)に間隔を置いて2箇所に形成される固定片532,532を有する連結部材53によって桁側天井梁15のウエブ151に連結される。この連結部材53,53は、図8に示すように補強梁5の長手方向に、複数個間隔を置いて設けられる。
この連結部材53は、図7に示すように、鋼板を折り曲げ加工することによって形成される。具体的には、連結部材53の梁側固定部531はウエブ151に沿って平板状に形成され、その梁側固定部531の上下の両縁部533,533はフランジ152,152と略平行となるように直角に折り曲げられることによって形成される。
そして、上側の縁部533の補強梁5側を直角上向きに折り曲げることによって上側の固定片532が形成される。また、下側の縁部533の補強梁5側を直角下向きに折り曲げることによって下側の固定片532が形成される。すなわち、連結部材53の上縁と下縁に形成された固定片532,532同士は、上下逆向きに突出された形状となる。
また、桁側天井梁15のウエブ151に当接される梁側固定部531は、締結部材としてのドリルねじ534によってウエブ151に固定される。このドリルねじ534の捩じ込みは、開口部190を利用して側方からおこなうことができる。
図8は、連結部材53,53によって桁側天井梁15に固定された補強梁5を開口部190の中央側から見た正面図である。この図に示すように、開口部190側に露出される固定片532,532に対しては、補強梁5のウエブ51を当接させ、ドリルねじ534,534を開口部190側から捩じ込むことで、補強梁5を連結部材53に固定することが容易にできる。
このように開口部190又はその周辺に位置する桁側天井梁15の長手方向に沿って補強梁5を配置し、桁側天井梁15のウエブ151と補強梁5とを両端に固定片532,532が形成された曲げ板状の連結部材53とドリルねじ534とによって連結させれば、桁側天井梁15自体の強軸方向の許容曲げ応力度を低下させることなく、桁側天井梁15の弱軸方向の強度(桁側天井梁15の側方から作用する力に対する水平方向の剛性)を高めることができる。
このように開口部190又はその周辺に位置する天井梁(15,16)の長手方向に沿って補強梁5を配置し、天井梁(15,16)のウエブ151と補強梁5とを両端に固定片532,532が形成された曲げ板状の連結部材53とドリルねじ534,・・・とによって連結させることで開口部190を補強することができる。このため、既存のユニット建物の耐力を落とすことなく、改装時に吹き抜け空間を新たに設けることができる。
また、連結部材53の固定片532,532が補強梁5の短手方向の2箇所に設けられている場合は、天井梁(15,16)と固定片532,532を有する連結部材53と補強梁5とで閉断面に近い断面が形成されるので、天井梁(15,16)の許容曲げ応力度を増加させることができる。
さらに、連結部材53,53を、図8に示すように、補強梁5の長手方向に複数個間隔を置いて設ける構成とすることで、天井根太192や端根太194や種々の取付金具などが取り付けられていた箇所を避けて連結部材53を取り付けることができる。このため、天井根太192の端部をそのまま切り残したり、取付金具(図示省略)などの他の部材をそのまま残したりしても、補強梁5を取り付けることができる。
また、補強梁5を、天井梁(15,16)の凹部の開放側に凹部の開放側を向かい合わせにした溝形鋼又はリップ付き溝形鋼によって形成することで、既存のユニット建物に下階から上階にわたる吹き抜け空間を設けるなどの改装時において、補強梁5にフランジ52,52を設けた分、板状の補強梁を使用した場合に比べて水平方向の剛性を高めることができる。
さらに、補強梁5のフランジ52,52が天井梁側を向いて天井梁(15,16)の凹部に収容されるのであれば、開口部190への突出量を最小限に抑えることができ、内壁材などを取り付ける際にも邪魔になることがない。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態及び実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態又は実施例では、第1天井梁を桁側天井梁15とし、第2天井梁を妻側天井梁16としたが、これに限定されるものではなく、第1天井梁を妻側天井梁とし、第2天井梁を桁側天井梁としてもよい。また、第1天井梁と第2天井梁の長さが同じであってもよい。
また、前記実施の形態又は実施例1では、補強される天井根太として桁側天井梁15,15間に架け渡される補強天井根太6,7について説明したが、これに限定されるものではなく、妻側天井梁16と天井根太192との間に架け渡される端根太194を上げ越し処理する場合にも同様の補強をおこなうことができる。例えば、前記実施の形態で説明した端接合金具63を使って端根太194の下面の位置を上方に移動させることができる。
さらに、前記実施の形態又は実施例では、締結部材としてドリルねじ65,66,534又は木ねじ73を使用する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、ドリルなどの穿孔機で孔を開けたり既存の孔が利用できたりするのであれば、ワンサイドボルト、ネジ、ビスなどを締結部材として使用することができる。また、端接合金具63及び連結金具64の固定にはドリルねじ66に代えて木ねじや釘などを使用することもできる。さらに、主根太材71と副根太材72との接合には、木ねじ73に代えてドリルねじや釘などを使用することもできる。
また、前記実施の形態又は実施例では、建物ユニット1の一部に開口部190を設ける場合について説明したが、これに限定されるものではなく、ユニット建物の複数個所に開口部を設ける場合にも本発明を適用できる。
さらに、前記実施の形態又は実施例では、ラーメン構造体である建物ユニット1を複数、隣接させて構成されるユニット建物の補強構造について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、軽量形鋼を使った梁材と柱材とによって組み立てられる骨組構造体が形成される鉄骨造の建物にも本発明を適用することができる。
1 建物ユニット(骨組構造体)
11 柱(柱材)
12 桁側床梁(梁材)
13 妻側床梁(梁材)
15 桁側天井梁(第1天井梁、梁材)
151 ウエブ
152 フランジ
16 妻側天井梁(第2天井梁、梁材)
19 天井部
192,192A 天井根太
190 開口部
6 補強天井根太
61 上側根太材
62 下側根太材
63 端接合金具
631 長L金具
632 座金
64 連結金具
7 補強天井根太
71 主根太材
72 副根太材
5 補強梁
51 ウエブ
52 フランジ
53 連結部材
532 固定片
534 ドリルねじ(締結部材)

Claims (10)

  1. 梁材と柱材とによって骨組構造体が形成される建物の補強構造であって、
    前記骨組構造体の上縁は、第1方向に向けて略平行に配置される一対の第1天井梁と、前記第1方向に略直交する第2方向に向けて略平行に配置される一対の第2天井梁とによって形成されるとともに、前記第1天井梁間には、前記第2方向に向けた天井根太が前記第1方向に間隔を置いて複数、差し渡されており、
    前記骨組構造体の天井部の一部を切断して開口部を形成した際に、前記開口部又はその周辺に位置する前記天井根太に対して、下面を既存の位置より上方に上げる上げ越し処理を施したことを特徴とする建物の補強構造。
  2. 前記上げ越し処理に対する補強がされた補強天井根太を設けたことを特徴とする請求項1に記載の建物の補強構造。
  3. 前記補強天井根太は、前記開口部に差し渡される上側根太材と、その上側根太材の一端を下方から支持させるために重ね合わされる下側根太材と、前記上側根太材と前記下側根太材とを接合する連結金具と、前記上側根太材の端部と前記第1天井梁とを繋ぐ端接合金具とを備えていることを特徴とする請求項2に記載の建物の補強構造。
  4. 前記第1天井梁は、天井内部側が開放されるように凹部が向けられた溝形鋼又はリップ付き溝形鋼によって形成されており、前記端接合金具は、前記凹部を形成する下側のフランジに載置させる座金を有するとともに、略L字状に形成されることを特徴とする請求項3に記載の建物の補強構造。
  5. 前記連結金具は、前記上側根太材と前記下側根太材の側面に跨って取り付けられることを特徴とする請求項3又は4に記載の建物の補強構造。
  6. 前記補強天井根太は、前記第1天井梁間に差し渡される主根太材と、その主根太材の側面に固定される副根太材とを備え、前記副根太材は前記主根太材よりも短く形成されるとともに、前記主根太材の上げ越し処理された箇所の高さと同等以下の高さに形成されることを特徴とする請求項2に記載の建物の補強構造。
  7. 前記開口部又はその周辺に位置する前記第1天井梁又は前記第2天井梁の少なくとも一方は、天井内部側が開放されるように凹部が向けられた溝形鋼又はリップ付き溝形鋼によって形成されており、その凹部の開放側に前記第1天井梁又は前記第2天井梁に沿って補強梁が配置され、
    前記凹部を形成するウエブと前記補強梁とが、前記補強梁を取り付けるための固定片が形成された曲げ板状の連結部材と締結部材とによって連結されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の建物の補強構造。
  8. 前記固定片は、前記補強梁の短手方向に間隔を置いて複数箇所に設けられていることを特徴とする請求項7に記載の建物の補強構造。
  9. 前記連結部材は、前記補強梁の長手方向に、複数個間隔を置いて設けられていることを特徴とする請求項7又は8に記載の建物の補強構造。
  10. 前記補強梁は、前記凹部の開放側に、凹部の開放側を向かい合わせにした溝形鋼又はリップ付き溝形鋼であることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一項に記載の建物の補強構造。
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