JP2012062403A - 新規なポリアミド及びその製造法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、耐熱性、機械特性を有する新規なポリアミド及びその製造法に関するものであり、更に詳細には、芳香族環単位と特定の環状脂肪族単位を有することから耐熱性、機械特性に優れる新規なポリアミド及びその製造法に関するものである。
従来から、ポリアミドは機械特性、耐熱性等に優れた樹脂として知られており各種用途に用いられてきた。その中でもナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン12、ナイロン4,6として知られている脂肪族系ポリアミドは、汎用的な耐熱性、機械特性を有する扱いやすい樹脂として多くの分野で用いられてきた。しかし、近年における技術の高度化により耐熱性、機械特性に対する要求レベルがさらに上がり、単なる脂肪族系ポリアミドでは課題が発生しているのが現状である。
これら脂肪族系ポリアミドの課題を解決するポリアミドとして、芳香族ジアミン又は芳香族ジイソシアネートと、芳香族ジカルボン酸ジクロリド、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸ジクロリドまたは脂肪族ジカルボン酸あるいはこれらの誘導体との反応により得られる芳香族系ポリアミド又は半芳香族系ポリアミドが知られており、これら芳香族系ポリアミド又は半芳香族系ポリアミドは、より優れた機械特性、耐熱性を有するものであり、特に耐熱性が要求される分野への展開が期待されるものであった。
しかし、芳香族系ポリアミドには、優れた耐熱性、機械特性を有する反面、成形加工性に乏しい、吸水性が高い等の課題があり、その適用範囲は限られた非常に狭いものにとどまっていた。
また、半芳香族ポリアミドとして、例えば脂肪族ジアミンと芳香族ジカルボン酸との反応により得られる半芳香族ポリアミド(例えば特許文献1,2参照。)が提案されている。
さらに、脂環族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸との反応より得られる新規なポリアミドが(商品名)RENY(三菱瓦斯化学社製)として知られ、脂肪族ジアミンと脂環族ジカルボン酸との反応より得られる新規なポリアミド(特許文献3参照。)が提案されている。
しかし、半芳香族ポリアミドについては、高温下における寸法精度という点において課題を有するものであった。
また、脂環族構造を有する新規なポリアミドについては、耐熱性と成形加工性のバランスという点においてその可能性が示唆されるものではあったが十分というレベルには達していないものであった。
そこで、本発明は、耐熱性、機械特性を有する新規なポリアミド及びその製造法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討を行った結果、芳香族環単位と特定の環状脂肪族単位を有する新規なポリアミドが耐熱性、機械特性に優れ、各種用途への展開が期待できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記一般式(1)で示される繰り返し単位よりなるポリアミド及びその製造法に関するものである。
本発明のポリアミドは上記一般式(1)で示される繰り返し単位よりなるものであり、該繰り返し単位よりなるものであれば如何なるポリアミドであってもよい。ここで、Aは炭素数6〜18の2価の芳香族基を示し、該芳香族基としては、例えばフェニレン基、メチルフェニレン基、エチルフェニレン基、ナフチレン基、メチルナフチレン基、エチルナフチレン基等を挙げることができ、特に機械特性、耐熱性に優れるポリアミドとなることから、フェニレン基、ナフチレン基であることが好ましい。
そして、その中でも特に耐熱性と機械特性のバランスに優れたポリアミドとなることから、下記一般式(2)で示される繰り返し単位よりなるポリアミドであることが好ましい。ここで、A1としては、上記したAと同様のものを挙げることができる。
(ここで、A1は炭素数6〜18の2価の芳香族基を示し、点線は単結合又は二重結合を示し、n1は0又は1を示す。)
本発明のポリアミドの製造法としては、該ポリアミドを製造することが可能であれば如何なる方法により製造してもよく、例えば下記一般式(3)で示される環状脂肪族ジアミンと下記一般式(4)で示される芳香族ジカルボン酸又はその誘導体を重縮合反応する方法を挙げることができる。
(ここで、Zは炭素数6〜18の2価の芳香族基を示し、Mは水酸基、ハロゲン原子又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示す。)
ここで、上記一般式(3)で表される環状脂肪族ジアミンとしては、例えば2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタン、2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン、2,3−ビス(アミノメチル)−1α,2,3,4α,4aα,5β,6,7,8β,8aα−デカヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン、トランス−2,3−ビス(アミノメチル)−1α,2,3,4α,4aα,5β,8β,8aα−オクタヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン等があげられ、その中でも、ポリアミドとした際に特に耐熱性と成形加工性のバランスに優れたポリアミドとなることから、下記一般式(5)で示される環状脂肪族ジアミンであることが好ましく、例えばトランス−2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタン、トランス−2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン、トランス−2,3−ビス(アミノメチル)−1α,2,3,4α,4aα,5β,6,7,8β,8aα−デカヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン、トランス−2,3−ビス(アミノメチル)−1α,2,3,4α,4aα,5β,8β,8aα−オクタヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレンを挙げることができ、特にトランス−2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタン、トランス−2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エンであることが好ましい。
(ここで、点線は単結合又は二重結合を表し、m1は0又は1を表す。)
該環状脂肪族ジアミンは、例えばシクロペンタジエン又はジシクロペンタジエンと無水マレイン酸を用いてディールスアルダー反応を行い、次いで、メチルエステル化、エピマー化、水素化、イミノ化、そして再度水素化を行う全6工程からなるルートで製造する方法(Tetrahedron:Asymmetry 2003年 14巻 1167頁)、シクロペンタジエン又はジシクロペンタジエンとフマロニトリルを反応させ、次いで水素化して製造する方法(特許3185807号公報)、下記一般式(6)で示されるトランス体構造及びシス体構造からなるジハロゲン化物を、イミド化合物でイミド化し、次いで分解反応する方法、等が挙げられる。
(式中、点線は単結合又は二重結合を示し、Xはそれぞれ独立して塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表し、pは0又は1を表す。)
また、一般式(4)で示される芳香族ジカルボン酸又はその誘導体のZとしては、炭素数6〜18の2価の芳香族基を示し、該Zの具体的例示としては上記したAと同様のものを挙げることができ、Mとしては、水酸基、ハロゲン原子又は炭素数1〜4のアルコキシ基を示し、炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等を挙げることができる。そして一般式(4)で示される芳香族ジカルボン酸又はその誘導体の具体的例示としては、例えばテレフタル酸、テレフタル酸ジクロライド、テレフタル酸ジブロマイド、テレフタル酸ジメチルエステル、テレフタル酸ジエチルエステル、イソフタル酸、イソフタル酸ジクロライド、イソフタル酸ジブロマイド、イソフタル酸ジメチルエステル、イソフタル酸ジエチルエステル、3−メチル−1,4−ジカルボキシルベンゼン、ナフタレンジカルボン酸、ナフタレンジカルボキシルジクロライド、ナフタレンジカルボキシジブロマイド等を挙げることができる。
上記一般式(3)で示される環状脂肪族ジアミンと上記一般式(4)で示される芳香族ジカルボン酸又はその誘導体の重縮合反応を行い、本発明のポリアミドを製造する際の具体的な方法としては特に限定されるものはなく、例えば1)融点以上の温度で加熱して溶融させ、液相均一系で重縮合反応と行う溶解重縮合法、2)生成するポリマーが著しく高融点又は二重結合や分解しやすい側鎖を有する場合、室温ないし100℃以下の温度で重縮合反応を行う低温重縮合法、3)モノマーおよびポリマーの融点の20〜30℃下付近温度で結晶状態のまま固相で加熱して重縮合反応を行う固相縮合法、4)高沸点有機溶媒中、窒素気流下200〜300℃の温度で重縮合反応させた後、メタノール又はアセトン中に投入してポリマーを沈殿させる溶液重縮合法等の方法がある。
また、溶媒を用いる際の溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリン、N−メチルカプロラクタム、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミド、イソキノリン、2,4−ルチジン、ピリジン、ν−ピコリン、β−ピコリン、α−ピコリン、2,6−ルチジン、キノリン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサン、アセトフェノン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ニトロベンゼン、フェノール、クレゾール酸、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クロロフェノール、o−クロロフェノール等を挙げることができる。
溶媒の使用量としては、生成ポリアミドの溶解度と粘度を考慮して選択すればよく、特に製造時の撹拌効率と生産性に優れることから環状脂肪族ジアミンに対し1〜40倍重量比で用いることが好ましい。
また、一般式(4)で示させる芳香族ジカルボン酸の誘導体としてハロゲン化物を用いる場合、ポリアミドの製造効率をより高めるために脱ハロゲン化剤を用いることが好ましく、該脱ハロゲン化剤としては、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、α−ピロリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジン、キノリン、イソキノリン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、酸化カルシウム、酸化リチウム、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等が挙げられる。
また、一般式(4)で示される芳香族ジカルボン酸として用いる場合、ポリアミドの製造効率をより高めるために縮合剤を用いることが好ましく、該縮合剤としては、例えば無水硫酸、塩化チオニル、亜硫酸エステル、塩化ピクリル、五酸化リン、亜リン酸エステル−ピリジン系縮合剤、トリフェニルホスフィン−ヘキサクロロエタン系縮合剤、プロピリン酸無水物−N−メチル−2−ピロリドン系縮合剤等が挙げられる。
反応温度および反応時間は、反応原料モノマーの種類、重合手法、溶媒の種類、脱ハロゲン化剤の種類、縮合剤の種類等により適宜選択すればよく、例えば−20〜350℃の範囲内の温度で、0.5〜20時間程度であることが好ましい。
その中でも一般式(4)で示される芳香族ジカルボン酸の誘導体としてハロゲン化物を用いる場合は、窒素気流下−20〜150℃の温度で反応することが好ましい。この場合、原料装入時に発熱を伴うことが多く、発熱を伴う前半を比較的低温で行い、反応の後半より温度を上げて反応を十分に完結させることが好ましい。したがって、反応は、上記温度での反応を的確に実施するために、場合によっては反応系の温度を予め−20〜0℃程度まで冷却しておくことが好ましく、−20〜30℃の温度範囲で0.5〜10時間程度、次いで10〜130℃、好ましくは20〜100℃で1〜15時間程度反応することが好ましい。
また、一般式(4)で示される芳香族ジカルボン酸の誘導体としてエステル化物を用いる場合は、窒素気流下に反応原料を混合しながらまたは混合した後、50〜300℃の温度範囲で3〜20時間反応を行うことが好ましい。
さらに、一般式(4)で示される芳香族ジカルボン酸を用いる場合は、融点以下の温度で流動性を保ちながら、窒素気流下に一般式(3)で示される環状脂肪族ジアミンを装入する。該環状脂肪族ジアミンの装入は0.5〜10時間程度、特に0.5〜5時間程度を要して滴下することが好ましい。そして、該環状脂肪族ジアミンの滴下後は、150〜300℃程度の温度範囲で、反応生成水の留出がなくなるまで反応を継続することが好ましい。
そして、ポリアミドを反応系から回収する際に用いる溶媒としては、例えば水;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、等を挙げることができる。
本発明のポリアミドは、熱分解に対する安定性が優れているため、繊維、フィルム、シートなどの多目的用途に用いることができる。また、本発明の目的を損なわない範囲で、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンオキサイド等に代表される樹脂等を配合してもよい。また、通常の樹脂組成物に配合される充填剤などを配合してもよく、該充填剤としては、例えばグラファイト、カーボンブラック、ケイ石粉、二硫化モリブデン、フッ素樹脂等の耐摩耗性向上剤;ガラス繊維、炭素繊維、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、カーボンウィスカー、チタンウィスカー、金属繊維、セラミック繊維等の補強材;三酸化アンチモン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の難燃性向上剤;クレー、マイカ等の電気的特性向上剤;鉄粉、亜鉛粉、アルミニウム粉、銅粉、金属ケイ素粉末等の熱伝導度向上剤;その他ガラスビーズ、ガラス球、タルク、ケイ藻土、アルミナ、シラスバルン等を挙げることができる。
本発明は、優れた耐熱性、機械特性を有する新規なポリアミド及びその製造法に関するものであり、この新規なポリアミドは、繊維、シート、フィルムに代表される多目的用途に用いることが期待されるものである。
以下に、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下に実施例に用いた測定方法を示す。
<5%重量減少温度>
窒素雰囲気下にて、TG−DTA(セイコー電子(株)製、商品名TG−DTA2000)を用い、昇温速度20℃/minにて測定した。
窒素雰囲気下にて、TG−DTA(セイコー電子(株)製、商品名TG−DTA2000)を用い、昇温速度20℃/minにて測定した。
<元素分析>
CHN元素分析装置(ジェイサイエンス製、商品名MT5型)を用い測定した。
CHN元素分析装置(ジェイサイエンス製、商品名MT5型)を用い測定した。
合成例1(トランス−2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタンの合成)
ジシクロペンタジエン212g(1.6mol)と1,4−ジクロロ−2−ブテン(トランス体:シス体=90:10)800g(6.4mol)を2リットルのオートクレーブに仕込み、攪拌しながら170℃まで昇温し、そのまま5時間加熱攪拌し、ディールスアルダー反応を行った。反応終了後、反応液を取り出し、0.4kPaの減圧下で蒸留し、80〜93℃の範囲の留出分より、純度94重量%の2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エンを365g得た。
ジシクロペンタジエン212g(1.6mol)と1,4−ジクロロ−2−ブテン(トランス体:シス体=90:10)800g(6.4mol)を2リットルのオートクレーブに仕込み、攪拌しながら170℃まで昇温し、そのまま5時間加熱攪拌し、ディールスアルダー反応を行った。反応終了後、反応液を取り出し、0.4kPaの減圧下で蒸留し、80〜93℃の範囲の留出分より、純度94重量%の2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エンを365g得た。
そして、300mlのオートクレーブに2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン150g及びエタノール50gとエヌ・イー ケムキャット社製5wt%Pd/C2.0gを入れ、攪拌しながらオートクレーブ内の温度を50℃に上げ、水素を供給し1.0MPaに保ち2時間後、反応液を取り出した。得られた反応液をろ過後、0.4kPaの減圧下で蒸留し88〜90℃の範囲の留出分を集め、2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタン(トランス体:シス体=81:19)を得た。
さらに、1リットルのガラス製セパラブルフラスコにジメチルホルムアミド218g、フタルイミドカリウム75g(0.41mol)および8N水酸化ナトリウム水溶液12.5ml(0.10mol、シス体構造を有するジハロゲン化物1モルに対する量:2.3モル)2,3−ビス(クロロメチル)ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタンを50g(0.259mol、内訳:トランス体0.192mol、シス体0.044mol、その他0.023mol)加えて、攪拌しながらセパラブルフラスコ内の温度を150℃に上げて8時間加熱攪拌し、トランス−2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタンを得た。
合成例2(トランス−2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エンの合成)
2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタン50gの代わりに、2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン48gを用いた以外は、合成例1と同様にイミド化および分解反応を行い、トランス−2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エンを得た。
2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタン50gの代わりに、2,3−ビス(クロロメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン48gを用いた以外は、合成例1と同様にイミド化および分解反応を行い、トランス−2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エンを得た。
実施例1
窒素導入管、撹拌装置、滴下ロートを備えた0.5リットル重合反応装置に合成例1により得られたトランス−2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタン15.4g(0.1モル)、ピリジン16.6g(0.21モル)及びジメチルスルホキシド120gを仕込み、撹拌を行いトランス−2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタンを溶解させた。
窒素導入管、撹拌装置、滴下ロートを備えた0.5リットル重合反応装置に合成例1により得られたトランス−2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタン15.4g(0.1モル)、ピリジン16.6g(0.21モル)及びジメチルスルホキシド120gを仕込み、撹拌を行いトランス−2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタンを溶解させた。
一方で、テレフタル酸ジクロライド20.3g(0.1モル)をN,N−ジメチルホルムアミド50gに溶解した溶液を調製し、滴下ロートに仕込んだ。該滴下ロートより1時間かけてテレフタル酸ジクロライド溶液を系内に滴下し、滴下終了時より反応系の昇温を開始し、2時間かけて130℃とした後、130℃で2時間保持を行い、その後室温まで冷却した。
重縮合反応用液をメタノール5リットルに投入し、濾過、洗浄(メタノール、水)を3回繰り返しポリマーを回収した。
得られたポリマーの元素分析を行った結果、C:71重量%、H:8重量%、N:10重量%(理論値C:72重量%、H:7重量%、N:10重量%)を有するポリアミドであることを確認した。また、5%重量減少温度は413℃であった。
実施例2
テレフタル酸ジクロライド20.3g(0.1モル)の代わりにイソフタル酸ジクロライド20.3g(0.1モル)を用いた以外、実施例1と同様の方法によりポリマーを得た。
テレフタル酸ジクロライド20.3g(0.1モル)の代わりにイソフタル酸ジクロライド20.3g(0.1モル)を用いた以外、実施例1と同様の方法によりポリマーを得た。
得られたポリマーの元素分析を行った結果、C:73重量%、H:7重量%、N:9重量%(理論値C:72重量%、H:7重量%、N:10重量%)を有するポリアミドであることを確認した。また、5%重量減少温度は406℃であった。
実施例3
テレフタル酸ジクロライド20.3g(0.1モル)の代わりにナフタレンジカルボン酸ジクロライド25.3g(0.1モル)を用いた以外、実施例1と同様の方法によりポリマーを得た。
テレフタル酸ジクロライド20.3g(0.1モル)の代わりにナフタレンジカルボン酸ジクロライド25.3g(0.1モル)を用いた以外、実施例1と同様の方法によりポリマーを得た。
得られたポリマーの元素分析を行った結果、C:74重量%、H:8重量%、N:9重量%(理論値C:75重量%、H:7重量%、N:8重量%)を有するポリアミドであることを確認した。また、5%重量減少温度は411℃であった。
実施例4
合成例1により得られたトランス−2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタン15.4g(0.1モル)の代わりに、合成例2により得られたトランス−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン15.2g(0.1モル)を用いた以外は、実施例2と同様の方法によりポリマーを得た。
合成例1により得られたトランス−2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタン15.4g(0.1モル)の代わりに、合成例2により得られたトランス−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン15.2g(0.1モル)を用いた以外は、実施例2と同様の方法によりポリマーを得た。
得られたポリマーの元素分析を行った結果、C:73重量%、H:7重量%、N:9重量%(理論値C:72重量%、H:6重量%、N:10重量%)を有するポリアミドであることを確認した。また、5%重量減少温度は387℃であった。
本発明の新規なポリアミドは、優れた耐熱性、機械特性を有するものであり、繊維、シート、フィルムに代表される多目的用途の原材料として期待されるものである。
Claims (5)
- 上記一般式(3)で示される環状脂肪族ジアミンが、トランス−2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタン及び/又はトランス−2,3−ビス(アミノメチル)−ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エンであることを特徴とする請求項3又は4に記載のポリアミドの製造法。
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