JP2012062022A - ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】路面摩擦係数に拘わらずに舵角センサの異常の誤判定を防止できるステアリング装置を提供することを課題とする。
【解決手段】ステアリングホイール3の操舵に応じて前輪1を転舵する電動パワーステアリング装置100であって、操舵トルクを検出するトルクセンサSと、操舵角を検出する舵角センサ24と、操舵トルクの絶対値が第1閾値以下でかつ操舵角の絶対値が第2閾値以上であることを判定条件として舵角センサ24の異常を判定する舵角センサ異常判定部および前輪1を含んだ車輪と路面との摩擦力が所定値以下か否かを判定するグリップ判定部を有する操舵制御ECU130を備える。そして舵角センサ異常判定部は、前記摩擦力が前記所定値以下とグリップ判定部が判定した場合に、判定条件を厳しくして舵角センサ24の異常を判定しにくくすることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、舵角検出手段を有するステアリング装置に関する。
例えば、ステアリングホイールの操舵角に応じた補助トルクを電動モータで発生して、運転者の操舵を補助する操舵力補助装置を備えるステアリング装置は広く知られている。
このような操舵力補助装置は、ステアリングホイールの操舵角を検出する舵角センサを備え、ステアリングホイールの操舵角をパラメータの1つとして決定される補助トルクを電動モータが発生するように構成される。
しかしながら舵角センサに異常(例えば舵角センサの検出値がオフセットするオフセット異常)が発生すると、ステアリングホイールの操舵角を精度よく検出することができず、電動モータで好適な補助トルクを発生できなくなる。
この点に関し、例えば特許文献1には、車速が所定値以上、操舵速度が所定値以下、操舵トルクが所定値以下であって、所定時間に舵角センサが検出する操舵角の平均値が所定値以上の場合に舵角センサの異常を判定できる電動パワーステアリング装置が開示されている。
特開2005−88709号公報
しかしながら、例えば特許文献1に開示される技術は、タイヤグリップの状態を考慮せずに舵角センサの異常を判定している。
操舵トルクはタイヤグリップに応じて変化し、タイヤグリップが低下する低μ路(路面摩擦係数μの小さな路面)では、通常の路面(凍結していない舗装道路など、一般的な路面摩擦係数μの路面)に比べ、ステアリングホイールの操舵角に対する操舵トルクが小さくなる。したがって、路面摩擦係数μを考慮せずに算出する操舵トルクに基づいて舵角センサの異常を判定する特許文献1の技術は、低μ路で舵角センサの異常を誤判定する虞がある。
そこで本発明は、路面摩擦係数に拘わらずに舵角センサの異常の誤判定を防止できるステアリング装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために本発明の請求項1は、操舵手段の操作に応じて車両の転舵輪を操舵するステアリング装置であって、前記操舵手段に加えられる操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、前記操舵手段の操舵角を検出する舵角検出手段と、前記操舵トルク検出手段が検出する操舵トルクの絶対値が第1閾値以下でかつ前記舵角検出手段が検出する操舵角の絶対値が第2閾値以上であることを判定条件として前記舵角検出手段の異常を判定する異常判定手段と、前記転舵輪を含んだ車輪と路面との摩擦力が所定値以下か否かを判定するグリップ判定手段と、を備え、前記摩擦力が前記所定値以下と前記グリップ判定手段が判定した場合に、前記異常判定手段は、前記舵角検出手段の異常を判定しにくくすることを特徴とする。
請求項1の発明によると、車両が低μ路を走行する場合は舵角検出手段の異常を判定しにくくすることができる。車両が低μ路を走行する場合、操舵トルクの絶対値が第1閾値以下のときに、異常が発生していない舵角検出手段が検出する操舵角の絶対値が第2閾値以上となることがあるが、舵角検出手段の異常を判定しにくくすることによって、車両が低μ路を走行する場合における舵角検出手段の異常の誤判定を防止できる。
また、請求項2に係る発明は請求項1に記載のステアリング装置であって、前記摩擦力が前記所定値以下と前記グリップ判定手段が判定した場合に、前記舵角検出手段の異常を判定しないことを特徴とする。
請求項2の発明によると、車両が低μ路を走行する場合は、舵角検出手段の異常を判定しないようにできる。このことによって、車両が低μ路を走行する場合における舵角検出手段の異常の誤判定を確実に防止できる。
また、請求項3に係る発明は請求項1または請求項2に記載のステアリング装置であって、前記異常判定手段は、前記摩擦力が前記所定値以下と前記グリップ判定手段が判定した場合、前記摩擦力が前記所定値より大きい場合より前記第2閾値を大きくして、前記判定条件を厳しくすることを特徴とする。
請求項3の発明によると、車両が低μ路を走行する場合には、舵角検出手段の異常を判定するための判定条件に含まれて操舵角の異常を判定するための第2閾値を大きくすることで判定条件を厳しくして、舵角検出手段の異常を判定しにくくすることができる。
また、請求項4に係る発明は請求項3に記載のステアリング装置であって、前記車両の車体速を検出する速度検出手段を備え、前記異常判定手段は、前記速度検出手段が検出する前記車体速が高くなるほど、前記第2閾値を小さく設定することを特徴とする。
請求項4の発明によると、異常判定手段は、車両の車体速が高いほど第2閾値を小さくして舵角検出手段の異常を判定できる。操舵トルクは車体速に応じて変化し、車体速が高いほど同じ操舵トルクに対する操舵角が小さくなる。したがって、同じ操舵トルクに対する第2閾値(操舵角)を車体速が高いほど小さくすることで、判定条件に、車体速の変化で変化する操舵トルクに応じた第2閾値を設定することができ、異常判定の精度を向上できる。
また、請求項5に係る発明は請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のステアリング装置であって、前記判定条件における前記操舵トルクの絶対値が、当該操舵トルクの絶対値の所定の単位時間当たりの平均値であり、前記判定条件における前記操舵角の絶対値が、当該操舵角の絶対値の前記単位時間当たりの平均値であることを特徴とする。
請求項5の発明によると、異常判定手段は、操舵トルクの絶対値の所定の単位時間当たりの平均値(移動平均値)が第1閾値以下でかつ舵角検出手段が検出する操舵角の絶対値の所定の単位時間当たりの平均値(移動平均値)が第2閾値以上であることを判定条件として、舵角検出手段の異常を判定することができる。
また、請求項6に係る発明は請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のステアリング装置であって、前記判定条件における前記操舵トルクの絶対値が、当該操舵トルクの所定の単位時間当たりの平均値の絶対値であり、前記判定条件における前記操舵角の絶対値が、当該操舵角の前記単位時間当たりの平均値の絶対値であることを特徴とする。
請求項6の発明によると、異常判定手段は、操舵トルクの所定の単位時間当たりの平均値の絶対値(移動平均値)が第1閾値以下でかつ舵角検出手段が検出する操舵角の所定の単位時間当たりの平均値の絶対値(移動平均値)が第2閾値以上であることを判定条件として、舵角検出手段の異常を判定することができる。
また、請求項7の発明は請求項5または請求項6に記載のステアリング装置であって、前記異常判定手段は、前記操舵角が前記単位時間で安定していることを前記判定条件に加えて、前記舵角検出手段の異常を判定することを特徴とする。
請求項7の発明によると、操舵トルクの絶対値の所定の単位時間当たりの平均値(移動平均値)が第1閾値以下でかつ操舵角の絶対値の単位時間当たりの平均値(移動平均値)が第2閾値以上であること、または、操舵トルクの所定の単位時間当たりの平均値(移動平均値)の絶対値が第1閾値以下でかつ操舵角の単位時間当たりの平均値(移動平均値)の絶対値が第2閾値以上であること、に加え、操舵角が単位時間で安定していることを含んだ判定条件とすることができる。したがって、異常判定手段は、操舵角が安定しているときにのみ舵角検出手段の異常を判定でき、異常判定の精度を向上できる。
また、請求項8の発明は請求項7に記載のステアリング装置であって、前記単位時間における前記操舵角の最大値と最小値の差である操舵角変化量を算出する操舵角変化量算出部を備え、前記異常判定手段は、前記操舵角変化量算出部が算出する前記操舵角変化量が第3閾値以下の場合に、前記操舵角が安定していると判定することを特徴とする。
請求項8の発明によると、異常判定手段は、操舵角の最大値と最小値の差である操舵角変化量が第3閾値以下の場合に操舵角が安定していると判定できる。
本発明によると、路面摩擦係数に拘わらずに舵角センサの異常の誤判定を防止できるステアリング装置を提供できる。
本実施形態に係るステアリング装置を備える車両の構成図である。 (a)は通常の路面と低μ路における操舵角と操舵トルクの関係を示す図、(b)は車体速の高速時と低速時における操舵角と操舵トルクの関係を示す図である。 操舵制御ECUの機能ブロックを示す図である。 異常判定操舵角が一定の通常路走行時参照マップと異常判定操舵角が車体速に応じて変化する低μ路走行時参照マップを示す図である。 異常判定操舵角が車体速に応じて変化する通常路走行時参照マップと異常判定操舵角が車体速に応じて変化する低μ路走行時参照マップを示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について、適宜図を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るステアリング装置は、転舵輪である前輪1(1L,1R)を転舵させる操舵手段(ステアリングホイール3)の操舵を電動機4で補助する操舵力補助装置110を有する電動パワーステアリング装置100であって、操舵力補助装置110を制御する操舵制御ECU130を含んで構成されて車両Vに備わる。また、車両Vには後輪2(2R,2L)が備わり、前輪1と後輪2を含んで車両Vの車輪を構成する。そして、車両Vが前輪駆動の場合は転舵輪である前輪1が駆動輪になる。
左右の前輪1L,1Rは、車両Vの進行方向を決定する転舵輪であって、ステアリングホイール3が取り付けられるステアリングシャフト3aと一体に回転するピニオン軸7と噛合して車両Vの左右方向に動作するラック軸8によって転舵する。
この構成によって、運転者はステアリングホイール3の操作で前輪1L,1Rを転舵し、車両Vを左右方向に旋回させることができる。
また、電動機4は、運転者がステアリングホイール3を操舵するときの操舵力を軽減するための補助操舵力(補助トルク)を電動力として発生し、ステアリングシャフト3aに付与するように構成される。
そして、車両Vには電動パワーステアリング装置100を制御する制御装置として操舵制御ECU130が備わっている。操舵制御ECU130は、車両Vの車体速、横加速度(横G)、ステアリングホイール3の操舵角、およびピニオン軸7のトルク(操舵トルク)に応じて、ステアリングシャフト3aに付与する好適な補助トルクを算出するとともに、電動機4の駆動電流を発生する電動機駆動回路4aに指令を与えて、算出した補助トルク(電動力)を電動機4によって発生させる。
そのため、車両Vには舵角センサ24、車速センサS、横GセンサS、トルクセンサSが備わっている。
舵角センサ24は、ステアリングホイール3の操舵角を検出する舵角検出手段であり、例えば、ラック軸8の動作量を検出するラック位置センサで構成される。舵角センサ24は操舵制御ECU130と信号線で接続され、ラック軸8の動作量を検出信号として操舵制御ECU130に入力する。
操舵制御ECU130は、舵角センサ24が検出するラック軸8の動作量に基づいてステアリングホイール3の操舵角を算出する。
以下、舵角センサ24が検出するラック軸8の動作量に基づいて算出されるステアリングホイール3の操舵角を、舵角センサ24が検出する操舵角と記載する。
なお舵角センサ24は、ステアリングホイール3の操舵角を検出可能であれば、ラック位置センサに限定されるものではない。
トルクセンサSは、ピニオン軸7(ステアリングシャフト3a)に加えられるピニオントルクTを操舵トルクとして検出する操舵トルク検出手段であり、例えば、ステアリングシャフト3aの軸方向2箇所に逆方向の異方性となるように磁性膜が被着され、各磁性膜の表面に検出コイルがステアリングシャフト3aに離間して挿入されている。そして図示しない差動増幅回路が備わり、検出コイルがインダクタンス変化として検出した2つの磁性膜の透磁率変化の差分を増幅してトルク信号を出力する。
横GセンサSは、車両Vの前後方向に対する横方向にかかる横加速度(横G)を検出するセンサであって、車両Vに発生する横Gを検出し、例えば、横Gの大きさと方向に対応した電気信号を横G信号として出力する。
車速センサSは、左右の前輪1L,1Rおよび左右の後輪2L,2Rに備わって各車輪の車輪速を検出する車輪速センサ1RS,1LS,2RS,2LSからの入力信号(車輪速度)に基づいて車両Vの車速(車体速)を検出する速度検出手段であり、車体速信号を出力する。
本実施形態に係る電動パワーステアリング装置100は、例えば図1に示すように構成され、運転者がステアリングホイール3を操舵するときの操舵力を電動機4が発生する補助トルクで軽減し運転者の操舵を補助する。
このとき、操舵制御ECU130は、舵角センサ24が検出するステアリングホイール3の操舵角をパラメータの1つとして、ステアリングシャフト3aに付与する補助トルクを決定する。
なお、操舵制御ECU130が、ステアリングホイール3の操舵角をパラメータの1つとして補助トルクを決定する方法は、例えば前記した特許文献1に記載されるように公知の技術であり、ここでの詳細な説明は適宜省略する。
このように、舵角センサ24が検出するステアリングホイール3の操舵角は、操舵制御ECU130が補助トルクを決定するためのパラメータの1つであることから、舵角センサ24に異常が発生すると操舵制御ECU130は好適な補助トルクを決定できない。したがって、舵角センサ24の異常を判定することが要求される。
ここでいう舵角センサ24の異常は、例えば、検出値がオフセットするオフセット異常である。
そこで、本実施形態においては、操舵制御ECU130が舵角センサ24の異常を判定するように構成される。
例えば、車両Vが所定の車体速以上の速度で直進する場合、ピニオン軸7に発生する操舵トルクは微小であり、トルクセンサSが検出するピニオントルクTはゼロ付近の値を示す。このとき、舵角センサ24が操舵制御ECU130に入力するラック軸8の動作量が直進状態を示す値でなければ、操舵制御ECU130は舵角センサ24に異常が発生していると判定できる。
例えば操舵制御ECU130は、トルクセンサSが検出するピニオントルクT(操舵トルク)がゼロ付近に設定される所定の閾値(第1閾値)以下の場合に、舵角センサ24が検出するラック軸8の動作量に基づいて検出される操舵角が所定の閾値(第2閾値)以上のとき、舵角センサ24に異常が発生していると判定するように構成することができる。
このときの操舵角の閾値(第2閾値)は、例えば、車両V(図1参照)が直進していると判定できる操舵角の範囲を示す閾値とすればよく、走行テスト等によって決定することができる。このような第2閾値(操舵角)を、以降、異常判定操舵角と称する。
また、操舵トルクに設定される所定の閾値(第1閾値)は、例えば、車両V(図1参照)が直進しているときに発生する操舵トルクの範囲を示す閾値とすればよく、走行テスト等によって決定することができる。このような第1閾値(トルク)を、以降、操舵トルク閾値と称する。
なお、舵角センサ24は、ステアリングホイール3の操舵方向(左右方向)を正負で検出することから、操舵角の大きさは絶対値で示される。したがって、操舵制御ECU130は、舵角センサ24の異常を判定する場合、舵角センサ24が検出する操舵角の絶対値と異常判定操舵角を比較する。
同様に、トルクセンサSは、ピニオントルクT(操舵トルク)の左右方向を正負で検出することから、操舵トルクの大きさは絶対値で示される。したがって、操舵制御ECU130は、舵角センサ24の異常を判定する場合、トルクセンサSが検出する操舵トルクの絶対値と操舵トルク閾値を比較する。
つまり、操舵制御ECU130は、トルクセンサSが検出するピニオントルクT(操舵トルク)の絶対値が、操舵トルク閾値(第1閾値)以下で、かつ、舵角センサ24が検出する操舵角の絶対値が異常判定操舵角(第2閾値)以上であることを判定条件として、舵角センサ24の異常を判定する。
しかしながら、前輪1および後輪2との摩擦力が低下する低μ路(凍結路等)ではタイヤグリップが低下し、通常の路面(ここでは、凍結していない舗装道路など一般的な路面摩擦係数μの路面を通常の路面と称する)の場合に比べて、ステアリングホイール3の操舵にともなって発生する操舵トルクが低下する。また、低μ路では駆動輪(前輪駆動の場合は前輪1)がスリップするため、駆動輪の車輪速に基づいて検出される車体速が高くなる。したがって、車両Vが低μ路を走行している場合には、車速センサSが検出する車体速と舵角センサ24が検出する操舵角に基づいて判定する舵角センサ24の異常が誤判定となる場合がある。
車両Vが低μ路を走行してタイヤグリップが低下している場合、ステアリングホイール3の操舵角に対して発生する操舵トルクが小さくなる。つまり、車両Vが通常の路面を走行する場合に発生する操舵トルクと低μ路を走行する場合に発生する操舵トルクが等しい場合、低μ路を走行する場合の操舵角のほうが通常の路面を走行する場合の操舵角より大きくなる。
例えば図2の(a)に示すように、ステアリングホイール3(図1参照)の操舵角の増加にともなって操舵トルクは上昇する。車両V(図1参照)が通常の路面を走行する場合、図2の(a)に実線で示すように操舵トルクは上昇する。
そして、図2の(a)において異常判定操舵角をθに設定すると、異常判定操舵角θに対応する操舵トルクT1が操舵トルク閾値になる。
このとき、トルクセンサS(図1参照)が検出する操舵トルクの検出値の絶対値が操舵トルク閾値T1以下で、舵角センサ24(図1参照)が検出する操舵角の検出値の絶対値が異常判定操舵角θ以上のときに舵角センサ24に異常が発生したと判定するように操舵制御ECU130(図1参照)が構成される。つまり操舵制御ECU130は、トルクセンサSが検出する操舵トルクの絶対値が操舵トルク閾値T1以下で、舵角センサ24が検出する操舵角の絶対値が異常判定操舵角θ以上であることを判定条件として舵角センサ24の異常を判定する。
しかしながら、車両V(図1参照)が低μ路を走行する場合、図2の(a)に破線で示すように、ステアリングホイール3(図1参照)の操舵角の増加にともなう操舵トルクの変化は、車両Vが通常の路面を走行する場合よりも上昇の仕方が小さくなる。
例えば、トルクセンサS(図1参照)が検出する操舵トルクの検出値がT2(T2<T1)であり、舵角センサ24(図1参照)が検出する操舵角の検出値がθ1(θ<θ1)の場合、トルクセンサSが検出する操舵トルクの検出値T2が操舵トルク閾値T1以下で、舵角センサ24が検出する操舵角の検出値θ1が異常判定操舵角θ以上であるため、操舵制御ECU130(図1参照)は舵角センサ24に異常が発生したと判定する。しかしながら、図2の(a)に破線で示すように、車両Vが低μ路を走行している場合は操舵角がθ1のとき操舵トルクがT2になるため舵角センサ24に異常は発生していない。このように、車両Vが低μ路を走行する場合、操舵制御ECU130が舵角センサ24の異常を誤判定する場合がある。
このような誤判定を防止するため、本実施形態に係る操舵制御ECU130は、車両V(図1参照)が低μ路を走行していることを判定するとともに、車両Vが低μ路を走行しているときは、異常判定操舵角を変更することで判定条件を好適に変更して舵角センサ24の異常を判定するように構成される。
そのため、本実施形態に係る操舵制御ECU130は、図3に示すように、車速平均算出部131、操舵角平均算出部132、操舵トルク平均算出部133、操舵角変化量算出部134、グリップ判定部135、操舵トルク閾値判定部136、操舵角変化量閾値判定部137、舵角センサ異常判定部138の各機能ブロックを含んで構成される。
車速平均算出部131は、車速センサSから入力される車体速信号に基づいて単位時間当たりの車体速の移動平均値(平均車体速)を算出する。例えば、車速平均算出部131は、平均車体速を単位時間間隔で算出して、常に最新の平均車体速を算出するように構成される。
操舵角平均算出部132は、舵角センサ24から入力されるラック軸8(図1参照)の動作量に基づいてステアリングホイール3(図1参照)の操舵角を算出するとともに単位時間当たりの移動平均値(平均操舵角)を算出する。
例えば、操舵角平均算出部132は、平均操舵角を単位時間間隔で算出して、常に最新の平均操舵角を算出するように構成される。
なお、平均操舵角が特許請求の範囲に記載される、操舵角の絶対値の単位時間当たりの平均値に相当する。
操舵トルク平均算出部133は、トルクセンサSから入力されるトルク信号に基づいて単位時間当たりの移動平均値(平均操舵トルク)を算出する。
例えば、操舵トルク平均算出部133は、平均操舵トルクを単位時間間隔で算出して、常に最新の平均操舵トルクを算出するように構成される。
なお、平均操舵トルクが特許請求の範囲に記載される、操舵トルクの絶対値の単位時間当たりの平均値に相当する。
操舵角変化量算出部134は、舵角センサ24から入力されるラック軸8の動作量に基づいて、単位時間における操舵角の最大値と最小値を求め、最大値から最小値を減算した値を操舵角変化量として算出する。つまり操舵角変化量算出部134は、舵角センサ24が検出するラック軸8の相対的な動作量から操舵角変化量を算出する。
例えば、操舵角変化量算出部134は、操舵角変化量を単位時間間隔で算出して、常に最新の操舵角変化量を算出するように構成される。
なお、例えば、操舵角平均算出部132が、舵角センサ24が検出するステアリングホイール3(図1参照)の操舵方向(左右方向)を取得し、操舵角の大きさの単位時間あたりの移動平均値を操舵方向の成分を含んで算出し、算出された移動平均値の絶対値を平均操舵角とする構成であってもよい。このように算出された平均操舵角は、特許請求の範囲に記載される、操舵角の単位時間当たりの平均値の絶対値に相当する。
操舵方向の成分を含んだ移動平均値とは、左方向の操舵角と右方向の操舵角を互いに反する成分として算出する移動平均値を示し、例えば左方向を正とした場合に右方向を負として算出する移動平均値を示す。
また、例えば、舵角センサ24はステアリングホイール3の操舵方向を、操舵角平均算出部132に入力する信号の正負で示す構成とすれば、操舵角平均算出部132は、舵角センサ24から入力する信号の正負を判定することによって、ステアリングホイール3の操舵方向を取得できる。
また、例えば、操舵トルク平均算出部133が、トルクセンサSが検出する操舵トルクの左右方向を取得し、操舵トルクの大きさの単位時間あたりの移動平均値を左右方向の成分を含んで算出し、算出された移動平均値の絶対値を平均操舵トルクとする構成であってもよい。このように算出された平均操舵トルクは、特許請求の範囲に記載される、操舵トルクの単位時間当たりの平均値の絶対値に相当する。
左右方向の成分を含んだ移動平均値とは、左方向の操舵トルクと右方向の操舵トルクを互いに反する成分として算出する移動平均値を示し、例えば左方向を正とした場合に右方向を負として算出する移動平均値を示す。
また、例えば、トルクセンサSは操舵トルクの左右方向を、操舵トルク平均算出部133に入力する信号の正負で示す構成とすれば、操舵トルク平均算出部133は、トルクセンサSから入力する信号の正負を判定することによって、操舵トルクの左右方向を取得できる。
車速平均算出部131が平均車体速を算出する単位時間、操舵角平均算出部132が平均操舵角を算出する単位時間、操舵トルク平均算出部133が平均操舵トルクを算出する単位時間、および操舵角変化量算出部134が操舵角変化量を算出する単位時間は、バネ上共振周期の2倍であることが好ましい。これは、バネ上共振周期で前輪1(図1参照)および後輪2(図1参照)にかかる荷重が変動し、その荷重の変動が操舵トルクに影響を与えるためである。なお、バネ上共振周期は、前輪1および後輪2が図示しないサスペンションで支持する車体部の共振周期であり、車両V(図1参照)に固有の特性値である。
グリップ判定部135は、例えば、以下の5つの条件(条件1〜5)のうちの少なくとも1つが成立した場合に、車両V(図1参照)が低μ路を走行して、前輪1(図1参照)および後輪2(図1参照)と路面の間の摩擦力が所定値以下であると判定する。
なお、ここでいう摩擦力の所定値は、例えば、舵角センサ24の異常を誤判定しないタイヤグリップが確保できる摩擦力の最小値とし、車両Vの特性値として予め実験等で設定されることが好ましい。
《条件1》
単位時間における操舵トルクの最大値から最小値を減算した操舵トルク変化量が所定の閾値を超えることを条件1とする。
これは、路面摩擦係数μが変化する路面を車両V(図1参照)が走行すると操舵トルクが大きく変化することから、操舵トルク変化量が所定の閾値を超えた場合、グリップ判定部135は、路面摩擦係数μが変化する路面を車両Vが走行してタイヤグリップが低下していると判定する。
条件1における操舵トルク変化量の閾値は、例えば、路面摩擦係数μが変化する路面での走行テストで計測される操舵トルク変化量から、前輪1(図1参照)および後輪2(図1参照)と路面の間の摩擦力が前記した所定値以下のときの操舵トルク変化量を決定し、その値を閾値とすればよい。また、条件1における単位時間は、バネ上共振周期の2倍であることが好ましい。
《条件2》
駆動輪と転舵輪が同一の場合(例えば、駆動輪と転舵輪がともに前輪1(図1参照)の場合)、駆動輪の加速度の絶対値が所定の閾値を超えることを条件2とする。
車両V(図1参照)が低μ路を走行する場合は、前輪1および後輪2(図1参照)と路面の間の摩擦力が低下してタイヤグリップが低下するため、通常の路面に比べて駆動輪の加速度が急変化する。
そこでグリップ判定部135は、駆動輪の加速度の絶対値が所定の閾値を超えて急変化したときに、前輪1および後輪2と路面の間の摩擦力が前記した所定値以下であると判定する。
条件2における駆動輪の加速度の閾値は、例えば、低μ路における走行テストで駆動輪の加速度を計測し、好適なタイヤグリップが得られているときの駆動輪の加速度の最大値を閾値とすればよい。
《条件3》
前輪1(図1参照)および後輪2(図1参照)の全輪の加速度の絶対値が所定の閾値を超えることを条件3とする。
車両V(図1参照)が低μ路を走行する場合にブレーキ操作されると、前輪1および後輪2はスリップし、前輪1および後輪2の回転速度は通常の路面に比べて急激に減速する。そこでグリップ判定部135は、前輪1および後輪2の加速度の絶対値が所定の閾値を超えて急変化したときに、前輪1および後輪2と路面の間の摩擦力が前記した所定値以下であると判定する。
条件3における、前輪1および後輪2の加速度の閾値は、例えば、低μ路における走行テストでブレーキ操作された前輪1および後輪2の加速度を計測し、好適なタイヤグリップが得られているときの、前輪1および後輪2の加速度の最大値を閾値とすればよい。
《条件4》
駆動輪と非駆動輪の車輪速の差に基づいて算出されるスリップ率が所定の閾値を超えることを条件4とする。
車両V(図1参照)が低μ路を走行する場合、駆動輪(前輪駆動の場合は前輪1(図1参照))の回転速度と非駆動輪(前輪駆動の場合は後輪2(図1参照))の回転速度に差が生じることから、グリップ判定部135は駆動輪の回転速度と非駆動輪の回転速度の差に基づいて算出されるスリップ率が所定の閾値を超える場合に、前輪1および後輪2と路面の間の摩擦力が前記した所定値以下であると判定する。
条件4におけるスリップ率の閾値は、例えば、低μ路における走行テストで、好適なタイヤグリップが得られているときのスリップ率の最大値を閾値とすればよい。
《条件5》
ABS装置(アンチロックブレーキシステム)が備わる場合はABS装置が作動すること、TCS装置(トラクションコントロールシステム)が備わる場合はTCS装置が作動すること、横滑り防止装置が備わる場合は横滑り防止装置が作動すること、を条件5とする。
ABS装置は車両Vが低μ路を走行中にブレーキ操作された時に作動することが多く、TCS装置は車両Vが低μ路を走行中に左右の駆動輪のタイヤグリップを維持するために作動することが多い。また、横滑り防止装置は車両Vが低μ路を走行中に発生する横滑りを防止するために作動することが多い。したがってグリップ判定部135は、ABS装置、TCS装置、横滑り防止装置の少なくとも1つが作動するとき、車両Vが低μ路を走行していると判定し、前輪1(図1参照)および後輪2(図1参照)と路面の間の摩擦力が前記した所定値以下であると判定する。
以上のように、グリップ判定部135は条件1〜5に基づいて、前輪1(図1参照)および後輪2(図1参照)と路面の間の摩擦力が前記した所定値以下であることを判定するため、グリップ判定部135には、車速センサSからの車体速信号、トルクセンサSからのトルク信号、車輪速センサ1RS、1LS、2RS、2LSからの入力信号(車輪速度)が入力される。
また、図示しないABS装置、TCS装置、横滑り防止装置が備わる場合、それぞれの装置の状態(起動または停止)を示す状態信号がグリップ判定部135に入力される構成が好ましい。
そして、グリップ判定部135は、前記した条件1〜5のうちの少なくとも1つが成立した場合に、車両V(図1参照)が低μ路を走行して、前輪1(図1参照)および後輪2(図1参照)と路面の間の摩擦力が前記した所定値以下になったと判定する。
つまり、グリップ判定部135は、車両Vの車輪(前輪1および後輪2)と路面との間の摩擦力が前記した所定値以下か否かを判定するグリップ判定手段である。
操舵トルク閾値判定部136は、操舵トルク平均算出部133が算出する平均操舵トルクと操舵トルク閾値を比較する機能を有し、操舵角変化量閾値判定部137は、操舵角変化量算出部134が算出する操舵角変化量と所定の閾値(第3閾値)を比較する機能を有する。操舵角変化量閾値判定部137が操舵角変化量と比較する第3閾値は、ステアリングホイール3(図1参照)の操舵角変化が小さく、車両V(図1参照)が安定して直進走行すると認められる閾値であることが好ましく、走行テスト等によって決定される特性値である。
舵角センサ異常判定部138は、例えば前記の条件1〜5に基づいて、車両V(図1参照)が低μ路を走行していることをグリップ判定部135が判定すると、舵角センサ24の異常を判定するための判定条件を変更して舵角センサ24の異常を判定する。つまり舵角センサ異常判定部138は、舵角検出手段である舵角センサ24の異常を判定する異常判定手段になる。
例えば図2の(a)に示すように、車両Vが低μ路を走行しているときの操舵トルクの検出値がT2の場合に、操舵制御ECU130の舵角センサ異常判定部138(図3参照)による舵角センサ24(図1参照)の異常の誤判定を防止するためには、操舵トルクがT1(操舵トルク閾値)のときの操舵角θB2を異常判定操舵角とすればよい。
すなわち、車両Vが低μ路を走行する場合、異常判定操舵角を大きくするように変更すればよい。
また、車両V(図1参照)の車体速が高くなると、転舵輪に作用するセルフアライニングトルクが大きくなってトルクセンサS(図1参照)による操舵トルクの検出値が大きくなる。
例えば図2の(b)に示すように、車体速が高速の場合(実線)は、破線で示す低速時に比べて同じ操舵トルクに対する操舵角が小さくなる。したがって、高速時の異常判定操舵角を、低速時の異常判定操舵角であるθB2より小さなθB3に設定する。
このように、車両V(図1参照)が低μ路を走行する場合、舵角センサ24(図1参照)の異常を判定するための異常判定操舵角を、車両Vが通常の路面を走行する場合の異常判定操舵角より大きくする。また、車体速が高くなるにしたがって、異常判定操舵角が小さくなるように設定する。
例えば、操舵制御ECU130の舵角センサ異常判定部138(図3参照)は、図4に実線で示すように、一定値の異常判定操舵角が設定されるマップ(通常路走行時参照マップMP1)と、図4に破線で示すように、通常路走行時参照マップMP1より大きく、且つ、車体速が高くなるに従って小さくなるように異常判定操舵角が設定されるマップ(低μ路走行時参照マップMP2)を有する。
このような通常路走行時参照マップMP1および低μ路走行時参照マップMP2は、走行テスト等によって予め設定しておくことが好ましい。
そして、舵角センサ異常判定部138(図3参照)は、トルクセンサS(図1参照)が検出する操舵トルクの絶対値が操舵トルク閾値以下の場合に、グリップ判定部135(図3参照)が前記した条件1〜5に基づいて車両V(図1参照)が低μ路を走行していると判定したとき、つまり、車両Vの車輪(前輪1(図1参照)および後輪2(図1参照))と路面との間の摩擦力が前記した所定値以下のとき、舵角センサ24(図1参照)が検出する操舵角の絶対値と車速センサSが検出する車体速とに基づいて図4に示す低μ路走行時参照マップMP2を参照し、舵角センサ24の異常を判定する。
一方、グリップ判定部135(図3参照)が前記した条件1〜5に基づいて車両V(図1参照)が通常の路面を走行していると判定したとき、つまり、車両Vの車輪(前輪1(図1参照)および後輪2(図1参照))と路面との間の摩擦力が前記した所定値より大きいとき、舵角センサ異常判定部138(図3参照)は、通常路走行時参照マップMP1を参照して舵角センサ24(図3参照)の異常を判定する。
なお、本実施形態において、舵角センサ異常判定部138(図3参照)は、トルクセンサS(図1参照)が検出する操舵トルクの絶対値として操舵トルク平均算出部133(図3参照)が算出する平均操舵トルクを用いる。また、舵角センサ24(図1参照)が検出する操舵角の絶対値として操舵角平均算出部132(図3参照)が算出する平均操舵角を用いる。
具体的に、舵角センサ異常判定部138(図3参照)は、操舵トルク平均算出部133(図3参照)が算出する平均操舵トルクが操舵トルク閾値T1以下であると操舵トルク閾値判定部136(図3参照)が判定した場合にグリップ判定部135(図3参照)が、前記した条件1〜5に基づいて車両Vが通常の路面を走行していると判定したときは通常路走行時参照マップMP1を参照する。そして、操舵角平均算出部132(図3参照)が算出する平均操舵角が通常路走行時参照マップMP1に設定される異常判定操舵角以上の場合、操舵制御ECU130は舵角センサ24に異常が発生していると判定する。
一方、操舵トルク平均算出部133(図3参照)が算出する平均操舵トルクが操舵トルク閾値T1以下であると操舵トルク閾値判定部136(図3参照)が判定した場合にグリップ判定部135(図3参照)が、前記した条件1〜5に基づいて車両V(図1参照)が低μ路を走行していると判定したとき、舵角センサ異常判定部138(図3参照)は、車速平均算出部131(図3参照)が算出する平均車体速に基づいて低μ路走行時参照マップMP2を参照する。そして、操舵角平均算出部132(図3参照)が算出する平均操舵角が、平均車体速に基づいて低μ路走行時参照マップMP2から求められる異常判定操舵角以上の場合、操舵制御ECU130は舵角センサ24に異常が発生していると判定する。
このように、舵角センサ異常判定部138(図3参照)は、平均操舵トルクが操舵トルク閾値T1以下で平均操舵角が異常判定操舵角以上であることを判定条件として舵角センサ24の異常を判定する。
そして、グリップ判定部135(図3参照)が、車両V(図1参照)が低μ路を走行していると判定したとき、舵角センサ異常判定部138は、通常路走行時参照マップMP1に替えて低μ路走行時参照マップMP2を参照する。このことによって、舵角センサ24の異常を判定する第2閾値(異常判定操舵角)が大きくなり、判定条件が厳しくなる。したがって、舵角センサ異常判定部138は、舵角センサ24の異常を判定しにくくなる。
判定条件を厳しくして異常を判定しにくくすることで、舵角センサ異常判定部138(図3参照)は、舵角センサ24(図1参照)に確実に異常が発生しているときに、舵角センサ24の異常を判定できるようになる。したがって、舵角センサ24の異常の誤判定を防止できる。
または、平均操舵トルクが操舵トルク閾値T1以下で平均操舵角が異常判定操舵角以上であることに加え、操舵角変化量が第3閾値以下であることを判定条件として、舵角センサ異常判定部138(図3参照)が舵角センサ24(図1参照)の異常を判定する構成としてもよい。
具体的に、舵角センサ異常判定部138(図3参照)は、操舵トルク平均算出部133(図3参照)が算出する平均操舵トルクが操舵トルク閾値T1以下であると操舵トルク閾値判定部136(図3参照)が判定した場合、且つ、操舵角変化量が第3閾値以下であると操舵角変化量閾値判定部137(図3参照)が判定した場合に、前記した条件1〜5に基づいて車両Vが通常の路面を走行しているとグリップ判定部135(図3参照)が判定したとき、通常路走行時参照マップMP1を参照する。そして、操舵角平均算出部132(図3参照)が算出する平均操舵角が通常路走行時参照マップMP1に設定される異常判定操舵角以上の場合、操舵制御ECU130は舵角センサ24に異常が発生していると判定する。
一方、操舵トルク平均算出部133(図3参照)が算出する平均操舵トルクが操舵トルク閾値T1以下であると操舵トルク閾値判定部136(図3参照)が判定した場合、且つ、操舵角変化量が第3閾値以下であると操舵角変化量閾値判定部137(図3参照)が判定した場合に、グリップ判定部135(図3参照)が、前記した条件1〜5に基づいて車両V(図1参照)が低μ路を走行していると判定したとき、舵角センサ異常判定部138(図3参照)は、車速平均算出部131(図3参照)が算出する平均車体速に基づいて低μ路走行時参照マップMP2を参照する。そして、操舵角平均算出部132(図3参照)が算出する平均操舵角が、平均車体速に基づいて低μ路走行時参照マップMP2から求められる異常判定操舵角以上の場合、操舵制御ECU130は舵角センサ24に異常が発生していると判定する。
操舵角変化量算出部134(図3参照)が算出する操舵角変化量が第3閾値より小さい場合、操舵角の変化が小さく操舵角が安定していることになる。すなわち、操舵角変化量が第3閾値以下であることを判定条件に加えることは、前記した単位時間で操舵角が安定していることを判定条件に加えることになる。
舵角センサ24(図1参照)に異常が発生した場合、操舵角変化量算出部134(図3参照)は操舵角変化量を正確に算出できない場合がある。しかしながら、舵角センサ24に発生する異常がオフセット異常の場合、操舵角変化量算出部134は操舵角変化量を算出できる。
オフセット異常は、ラック軸8(図1参照)の位置に対する検出値がオフセットする異常であり、オフセット異常が発生した舵角センサ24であってもラック軸8の相対的な動作量は検出可能である。そして、操舵角変化量はラック軸8の相対的な動作量に基づいて算出可能であることから、舵角センサ24にオフセット異常が発生した場合であっても、操舵角変化量算出部134は操舵角変化量を算出できる。したがって、舵角センサ異常判定部138が検出対象とする舵角センサ24の異常がオフセット異常に限定される場合は、操舵角が安定していることを判定条件に加えることができる。
なお、判定条件における平均操舵トルクの替わりにトルクセンサS(図1参照)が検出する操舵トルクの絶対値を用い、平均操舵角の替わりに舵角センサ24(図1参照)が検出する操舵角の絶対値を用いる構成としてもよい。
この構成によると、舵角センサ異常判定部138(図3参照)は、トルクセンサSが検出する操舵トルクの絶対値が操舵トルク閾値以下になった場合、車両V(図1参照)が低μ路を走行しているとグリップ判定部135(図3参照)が判定したときは、舵角センサ24が検出する操舵角の絶対値が、低μ路走行時参照マップMP2を参照して得られる異常判定操舵角以上になったときに舵角センサ24の異常を判定する。
一方、トルクセンサS(図1参照)が検出する操舵トルクの絶対値が操舵トルク閾値以下になった場合に車両V(図1参照)が通常の路面を走行しているとグリップ判定部135(図3参照)が判定したとき、舵角センサ異常判定部138(図3参照)は、舵角センサ24が検出する操舵角の絶対値が、通常路走行時参照マップMP1を参照して得られる異常判定操舵角以上になったときに舵角センサ24(図1参照)の異常を判定する。
このように、判定条件における平均操舵トルクの替わりにトルクセンサS(図1参照)が検出する操舵トルクの絶対値を用い、平均操舵角の替わりに舵角センサ24(図1参照)が検出する操舵角の絶対値を用いることも可能である。
以上のように、車両V(図1参照)が低μ路を走行しているとき、操舵制御ECU130の舵角センサ異常判定部138(図3参照)は、参照するマップを通常路走行時参照マップMP1(図4参照)から低μ路走行時参照マップMP2(図4参照)に変更する。
図4に示すように、低μ路走行時参照マップMP2は通常路走行時参照マップMP1に比べて、異常判定操舵角(第2閾値)が大きく設定される。したがって、舵角センサ異常判定部138(図3参照)は、低μ路走行時参照マップMP2を参照して舵角センサ24(図1参照)の異常を判定する場合、通常路走行時参照マップMP1を参照する場合より大きな操舵角(絶対値)で異常を判定する。
換言すると、舵角センサ異常判定部138は、低μ路走行時参照マップMP2を参照することで、舵角センサ24の異常を判定する第2閾値(異常判定操舵角)を大きくして舵角センサ24の異常の判定するための判定条件を厳しくする。その結果、舵角センサ異常判定部138は舵角センサ24の異常を判定しにくくなる。
そして、車両V(図1参照)が低μ路を走行しているときに舵角センサ異常判定部138(図3参照)が舵角センサ24(図1参照)の異常を判定しにくくなることで、舵角センサ24の異常の誤判定を防止できる。
なお、グリップ判定部135(図3参照)が、前記した条件1〜5に基づいて車両V(図1参照)が低μ路を走行していると判定したときに、舵角センサ異常判定部138(図3参照)が、舵角センサ24(図1参照)の異常を判定しないように構成してもよい。
車両Vが低μ路を走行している場合、前記したように、通常の路面の場合に比べて、ステアリングホイール3(図1参照)の操舵にともなって発生する操舵トルクが低下することから、車両Vが低μ路を走行しているときは、舵角センサ24の異常を判定するのに好ましい状態ではないともいえる。そこで、車両Vが低μ路を走行しているときは、舵角センサ異常判定部138が、舵角センサ24の異常を判定しない構成によって、舵角センサ24の異常の誤判定を防止できる。
また、図4に示す通常路走行時参照マップMP1は、異常判定操舵角が一定値を示しているが、例えば、図5に示すように、車体速が高くなるにしたがって小さい異常判定操舵角が設定される通常路走行時参照マップMP1であってもよい。このような通常路走行時参照マップMP1は、走行テスト等によって得ることができる。
そして、車体速が高くなるにしたがって異常判定操舵角が小さくなる通常路走行時参照マップMP1であっても、異常判定操舵角は低μ路走行時参照マップMP2より小さな値になる。
なお、本発明は、図1に示すように構成される電動パワーステアリング装置100に限定することなく、舵角センサ24、トルクセンサS、車速センサS等を備えるステアリング装置に広く適用することができる。
1 前輪(転舵輪、車輪)
2 後輪(車輪)
3 ステアリングホイール(操舵手段)
24 舵角センサ(舵角検出手段)
100 電動パワーステアリング装置(ステアリング装置)
110 操舵力補助装置
130 操舵制御ECU
134 操舵角変化量算出部
135 グリップ判定部(グリップ判定手段)
138 舵角センサ異常判定部(異常判定手段)
トルクセンサ(操舵トルク検出手段)
車速センサ(速度検出手段)
V 車両

Claims (8)

  1. 操舵手段の操作に応じて車両の転舵輪を操舵するステアリング装置において、
    前記操舵手段に加えられる操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、
    前記操舵手段の操舵角を検出する舵角検出手段と、
    前記操舵トルク検出手段が検出する操舵トルクの絶対値が第1閾値以下でかつ前記舵角検出手段が検出する操舵角の絶対値が第2閾値以上であることを判定条件として前記舵角検出手段の異常を判定する異常判定手段と、
    前記転舵輪を含んだ車輪と路面との摩擦力が所定値以下か否かを判定するグリップ判定手段と、を備え、
    前記摩擦力が前記所定値以下と前記グリップ判定手段が判定した場合に、前記異常判定手段は、前記舵角検出手段の異常を判定しにくくすることを特徴とするステアリング装置。
  2. 前記異常判定手段は、前記摩擦力が前記所定値以下と前記グリップ判定手段が判定した場合に、前記舵角検出手段の異常を判定しないことを特徴とする請求項1に記載のステアリング装置。
  3. 前記異常判定手段は、前記摩擦力が前記所定値以下と前記グリップ判定手段が判定した場合、前記摩擦力が前記所定値より大きい場合より前記第2閾値を大きくして、前記判定条件を厳しくすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のステアリング装置。
  4. 前記車両の車体速を検出する速度検出手段を備え、
    前記異常判定手段は、前記速度検出手段が検出する前記車体速が高くなるほど、前記第2閾値を小さく設定することを特徴とする請求項3に記載のステアリング装置。
  5. 前記判定条件における前記操舵トルクの絶対値が、当該操舵トルクの絶対値の所定の単位時間当たりの平均値であり、
    前記判定条件における前記操舵角の絶対値が、当該操舵角の絶対値の前記単位時間当たりの平均値であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のステアリング装置。
  6. 前記判定条件における前記操舵トルクの絶対値が、当該操舵トルクの所定の単位時間当たりの平均値の絶対値であり、
    前記判定条件における前記操舵角の絶対値が、当該操舵角の前記単位時間当たりの平均値の絶対値であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のステアリング装置。
  7. 前記異常判定手段は、前記操舵角が前記単位時間で安定していることを前記判定条件に加えて前記舵角検出手段の異常を判定することを特徴とする請求項5または請求項6に記載のステアリング装置。
  8. 前記単位時間における前記操舵角の最大値と最小値の差である操舵角変化量を算出する操舵角変化量算出部を備え、
    前記異常判定手段は、前記操舵角変化量算出部が算出する前記操舵角変化量が第3閾値以下の場合に、前記操舵角が安定していると判定することを特徴とする請求項7に記載のステアリング装置。
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