JP2012061657A - 液滴吐出装置、液滴吐出機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】インク供給管内の液体を顔料等の成分が均一な状態で分散された良好な状態にすることが出来る液滴吐出装置を提供する。
【解決手段】沈降し得る成分を含有する液体を収容する液体収容部と、一方の端部が前記液体収容部に接続され、前記液体収容部から前記液体が供給される液体供給管と、前記液体供給管の他方の端部に接続され、前記液体収容部から前記液体が供給される容器と、前記容器と接続され前記容器から前記液体が供給され、前記液体を吐出させる吐出ヘッドと、前記容器内の前記液体を攪拌させる攪拌手段と、前記液体供給管内の前記液体の濃度を計測する濃度計測手段と、前記濃度計測手段により得られた前記液体供給管内の前記液体の濃度データに基づき、少なくとも前記吐出ヘッドから前記液体を排出させる第1動作と、前記攪拌手段により前記容器内の前記液体を攪拌させる第2動作と、を制御する制御手段とを備える液滴吐出装置。
【選択図】図1
【解決手段】沈降し得る成分を含有する液体を収容する液体収容部と、一方の端部が前記液体収容部に接続され、前記液体収容部から前記液体が供給される液体供給管と、前記液体供給管の他方の端部に接続され、前記液体収容部から前記液体が供給される容器と、前記容器と接続され前記容器から前記液体が供給され、前記液体を吐出させる吐出ヘッドと、前記容器内の前記液体を攪拌させる攪拌手段と、前記液体供給管内の前記液体の濃度を計測する濃度計測手段と、前記濃度計測手段により得られた前記液体供給管内の前記液体の濃度データに基づき、少なくとも前記吐出ヘッドから前記液体を排出させる第1動作と、前記攪拌手段により前記容器内の前記液体を攪拌させる第2動作と、を制御する制御手段とを備える液滴吐出装置。
【選択図】図1
Description
本発明は、液滴吐出装置、液滴吐出機器に関する。
従来から、インクを収容するインクタンクからインク供給管を介して、インクを吐出可能な吐出ヘッドに供給するインク供給システムについて知られている。このようなインク供給システムを用いた場合、吐出ヘッドにインクの供給が行われた後、インクの供給が長時間行われないと、インク供給管の流路内に残留したインクに含まれる成分が沈降することがある。インクに含まれる成分が沈降すると、再度吐出ヘッドにインクを供給する際に、吐出ヘッドにインクの安定供給ができないことがある。
特に、インクの成分として無機顔料(例えば酸化チタン等)や金属顔料(例えばアルミニウム)等を含む場合には、溶媒との比重差の点から、これらの顔料が沈降しやすいという問題がある。
この問題に対して、例えば、特許文献1には、インク流路内に常に一定量のインクを保持させるサブタンクを設けたインク供給システムについて記載されている。また、特許文献1には、サブタンク内のインクを攪拌するためにサブタンク内に攪拌球を設けることについて記載されている。このようなサブタンクを設けることによって、インクに含まれる顔料等の成分の沈降を低減させることができる。
しかしながら、特許文献1において、インク供給システムが長時間停止した場合に、インク収容部とサブタンクとをつなぐインク供給管内で顔料が沈降し、サブタンクを設けてもインク供給管内のインクの濃度を戻すことができないという問題点があった。
そこで、インク供給管内の液体を顔料等の成分が均一な状態で分散された良好な状態にすることが出来る液滴吐出装置を提供する。
本発明は、少なくとも上述の課題の一つを解決するように、下記の形態または適用例として実現され得る。
〔適用例1〕本適用例による液滴吐出装置は、沈降し得る成分を含有する液体を収容する液体収容部と、一方の端部が前記液体収容部に接続され、前記液体収容部から前記液体が供給される液体供給管と、前記液体供給管の他方の端部に接続され、前記液体収容部から前記液体が供給される容器と、前記容器と接続され前記容器から前記液体が供給され、前記液体を吐出させる吐出ヘッドと、前記容器内の前記液体を攪拌させる攪拌手段と、前記液体供給管内の前記液体の濃度を計測する濃度計測手段と、前記濃度計測手段により得られた前記液体供給管内の前記液体の濃度データに基づき、少なくとも前記吐出ヘッドから前記液体を排出させる第1動作と、前記攪拌手段により前記容器内の前記液体を攪拌させる第2動作と、を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、液体供給管内の液体を液体収容部から導入される良好な液体に置換することが可能になる。そして、容器内の攪拌をその後に行うので、さらに容器内の液体も良好な濃度になる。従って、液体供給管内および容器内に沈降している沈降し得る成分を、適正濃度の液体に置換、または攪拌によって適正な液体濃度とすることで、被吐出媒体上への記録、すなわち印刷物の所定の品質を確保することが可能となる。また、液体供給管内の液体の置換は、液体供給管内の液体濃度に応じて動作実行が行われるため、第1動作である置換動作に伴う液体の廃棄量は抑制され、液体の無駄を削減することができる。
〔適用例2〕上述の適用例において、前記濃度計測手段により計測された前記液体の濃度値ρと、第1濃度閾値ρ0とを比較する比較手段を備え、前記制御手段は、前記濃度値ρが前記第1濃度閾値ρ0未満の場合に、前記第1動作を実行させることを特徴とする。
上述の適用例によれば、第1動作を実行するための判断を、測定された液体濃度と、被吐出媒体上への記録品質(印刷品質)を確保するための液体濃度より決められる濃度の閾値によって決定する。従って、第1動作である置換動作に伴う液体の廃棄量は抑制され、液体の無駄を削減することができる。
〔適用例3〕上述の適用例において、前記制御手段は、前記第1動作の後に、前記第2動作を実行させることを特徴とする。
上述の適用例によれば、液体供給管内の液体を第1動作によって置換させたことによる容器内の液体濃度の低下を、第2動作である攪拌動作により被吐出媒体上へ吐出される液体の濃度を適正にすることが出来る。
〔適用例4〕上述の適用例において、前記制御手段は、前記第2動作の後に、再度前記第1動作を実行させる、ことを特徴とする。
上述の適用例によれば、容器から吐出ヘッドへ液体を供給する供給管内の液体を、第2動作によって適正濃度となった容器内の液体と置換させ、被吐出媒体上へ吐出される液体の濃度を適正にすることが出来る。
〔適用例5〕上述の適用例において、前記比較手段は、前記濃度値ρと、前記第1濃度閾値ρ0より大きな値の第2濃度閾値ρRと、を比較し、前記制御手段は、前記濃度値ρが、前記第1濃度閾値ρ0超であって、前記第2濃度閾値ρR未満の場合、前記第2動作を実行させることを特徴とする。
上述の適用例によれば、液体供給管内の液体濃度が、沈降が進んではいるが、第1動作を実行させる第1濃度閾値ρ0より高い濃度である第2濃度閾値ρRである。従って、先に容器内の液体濃度を所定の濃度まで回復させる第2動作を実行させることで、被吐出媒体上への吐出可能濃度ではあるが初期の液体濃度より低い液体供給管内の液体が容器内に導入されても、容器内の液体濃度の低下は少なくすることが出来、被吐出媒体上への吐出可能濃度を維持することが出来る。従って、第1動作(置換動作)を実行させないことにより、無駄な液体の廃棄が抑制される。
〔適用例6〕本適用例の液滴吐出機器は、上述の液滴吐出装置を備える。
上述の適用例によれば、液体の廃棄量を抑制しながらも、被吐出媒体上への記録(印刷)品質が維持できる液滴吐出機器を得ることができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。
(実施形態)
図1は、本実施形態に係る液滴吐出装置の概略を示す斜視図である。図1に示す液滴吐出装置100は、吐出すべき液体が収容される収容部10と、内部に攪拌子20aを備える容器20と、収容部10と容器20とを接続し収容部10から容器20へ内部に液体を流す第1供給管30aと容器20から吐出ヘッド40へ液体を流す第2供給管30bとを有する液体供給管30と、を備えている。
図1は、本実施形態に係る液滴吐出装置の概略を示す斜視図である。図1に示す液滴吐出装置100は、吐出すべき液体が収容される収容部10と、内部に攪拌子20aを備える容器20と、収容部10と容器20とを接続し収容部10から容器20へ内部に液体を流す第1供給管30aと容器20から吐出ヘッド40へ液体を流す第2供給管30bとを有する液体供給管30と、を備えている。
容器20はキャリッジ60に図示しない固定手段により固着され、キャリッジ60に備える液体供給管30を構成する第2供給管30bにより接続される吐出ヘッド40に液体を供給する。また第1供給管30aには図示しない装着手段よって液体濃度検出部50aが装着されている。液体濃度検出部50aは、接続線50cによって液体濃度演算部50bと接続され、液体濃度測定手段50を構成する。
本明細書における「液体」とは、沈降し得る成分を含んでいればよく、沈降し得る成分として、例えば、サスペンジョン、エマルジョン等の分散体等を挙げることができる。収容部10に収容されている液体としては、例えば、インク組成物、有機ELディスプレイ用材料、液晶ディスプレイ等のカラーフィルター用材料、FED(面発光ディスプレイ)用材料、電気泳動ディスプレイ等の電極やカラーフィルター用材料、バイオチップ製造に用いられる生体有機材料等が挙げられる。
また、「沈降」とは、一定期間液体を放置しておいた場合に、含有されていた成分が沈殿し、含有されていた成分が液体の下層に積もることをいう。例えば、溶媒に対する比重が高い成分であって、インク組成物にあっては、無機顔料、金属顔料、および中空樹脂粒子や、それらに結合または吸着した成分を含むことができる。
無機顔料としては、例えば、二酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、カーボンブラックなどを挙げることができる。金属顔料としては、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、チタン等の単体、またはそれらの合金などを挙げることができる。中空樹脂粒子としては、例えば、米国特許第4880465号明細書や特許第3562754号公報などの明細書に記載されている中空樹脂粒子を挙げることができる。なお、中空樹脂粒子とは、その内部に空洞を有しており、その外殻が液体透過性を有する樹脂から形成されているものである。中空樹脂粒子は、白色顔料として使用することができる。
以下、収容部10に収容される液体として代表的に使用される白色インク組成物について説明する。白色インク組成物は、顔料を定着させる樹脂を含むことができる。樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリウレタン、ポリアクリルアミド、セルロース誘導体等が挙げられる。製品名でいうとアクリル系樹脂(例えば、「アルマテックス(三井化学社製)」)、ウレタン系樹脂(例えば、「WBR−022U(大成ファインケミカル社製)」)等が挙げられる。
白色インク組成物は、アルカンジオールおよびグリコールエーテルから選択される1種を含有することが好ましい。アルカンジオールやグリコールエーテルは、被吐出媒体などの被吐出面への濡れ性を高めてインクの浸透性を高めることができる。
アルカンジオールとしては、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオールなどの炭素数が4以上8以下の1,2−アルカンジオールであることが好ましい。これらの中でも炭素数が6以上8以下の1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオールは、被吐出媒体への浸透性が特に高いためより好ましい。
グリコールエーテルとしては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどの多価アルコールの低級アルキルエーテルを挙げることができる。これらの中でも、トリエチレングリコールモノブチルエーテルを用いると良好な品質を得ることができる。
また、白色インク組成物は、アセチレングリコール系界面活性剤またはポリシロキサン系界面活性剤を含有することが好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤またはポリシロキサン系界面活性剤は、被吐出媒体などの被吐出面への濡れ性を高めてインクの浸透性を高めることができる。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、2,4−ジメチル−5−ヘキシン−3−オールなどが挙げられる。また、アセチレングリコール系界面活性剤は、市販品を利用することもでき、例えば、オルフィンE1010、オルフィンSTG、オルフィンY(以上、日信化学社製)、サーフィノール104、82、465、485、TG(以上、Air Products and Chemicals Inc製)が挙げられる。
ポリシロキサン系界面活性剤としては、市販品を利用することができ、例えば、BYK−347、BYK−348(ビックケミー・ジャパン社製)などが挙げられる。
さらに、白色インク組成物には、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤などのその他の界面活性剤を含有することもできる。
白色インク組成物は、多価アルコールを含有することが好ましい。多価アルコールは、例えば、白色インク組成物をインクジェット記録装置に適用した場合に、インクの乾燥を抑制し、吐出ヘッド部分におけるインクの目詰まりを防止することができる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。
白色インク組成物は、溶媒として水を含有することができる。水は、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水などの純水または超純水を用いることが好ましい。特に、これらの水を紫外線照射または過酸化水素添加などにより滅菌処理した水は、長期間に亘りカビやバクテリアの発生を抑制することができるので好ましい。
さらに、白色インク組成物は、必要に応じて、水溶性ロジンなどの定着剤、安息香酸ナトリウムなどの防黴剤・防腐剤、アロハネート類などの酸化防止剤・紫外線吸収剤、キレート剤、トリエタノールアミン等のpH調整剤、酸素吸収剤などの添加剤を含有させることができる。これらの添加剤は、1種単独で用いることもできるし、2種以上組み合わせて用いることもできる。
図1に示すように、液滴吐出装置100は液体供給管30を備え、第1供給管30aは収容部10と容器20とを、第2供給管30bは容器20と吐出ヘッド40とを、接続している。容器20には攪拌子20aが収納されており、後述する手段により攪拌子20aを揺動させ容器20の内部の液体を攪拌する。従って、液体供給管30の太さ(内径)は、攪拌子20aが液体供給管30の内部に移動しない内径であれば、特に限定されない。
また、液体供給管30における第1供給管30aの内容積(管内の体積)は、容器20の容積以下であることが好ましい。これにより、吐出ヘッド40に成分組成比のばらつきの少ない液体を供給することができる。すなわち、第1供給管30aの容積が容器20の容積以上であると、後述する置換動作後に第1供給管30aの上澄み液体が吐出ヘッド40に供給され、被吐出媒体上に所望の記録を形成できなくなる虞がある。なお、本明細書において、第1供給管30aの容積とは、液体が供給される第1供給管30a内部の体積のことをいい、容器20の容積とは、液体が供給される容器20内部の体積のことをいう。
なお、図1の液滴吐出装置100では、容器20および吐出ヘッド40は、第2供給管30bを介して接続されているが、これに限定されず、容器20および吐出ヘッド40が第2供給管30bを介さずに直接接続されていてもよい。
容器20は内部に攪拌子20aを収納している。攪拌子20aは、容器20が揺動させられることにより、容器20の内部を自由に移動するように、例えば球体であることが好ましい。他の移動可能な攪拌子20aの形状として、例えば、楕円体(ラグビーボール型)、円柱体、楕円柱体、多角柱体、直方体、立方体、多面体等が挙げられる。
また、容器20内部に収納されている液体は沈降しうる成分を含んでいることから、沈降しうる成分に対して十分に重い、すなわち十分に大きい比重の材料により形成されることが望ましい。例えば、ケイ酸塩を主成分とするガラス、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、金属(例えば、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、鉄、およびこれらのいずれかを含む合金)等を挙げることができる。
図1に示す液滴吐出装置100において、容器20はキャリッジ60に図示しない固定手段によって固定されている。キャリッジ60とは、後述する本適用例を用いたインクジェットプリンター(以下、プリンターという)において、吐出ヘッド40を装着し、被吐出媒体に対して相対的に移動可能にプリンターに組み付けられており、液滴吐出の際にキャリッジ60の移動と、被吐出媒体の移動の組み合わせによって被吐出媒体上に記録(印刷)する。すなわち、キャリッジ60は少なくとも印刷動作時には、プリンター内において移動している部位であり、印刷動作時以外であっても可動させることができる部位である。
この可動部位のキャリッジ60に容器20が固定されていることによって、容器20はキャリッジ60の移動に伴って揺動させられ、その結果、攪拌子20aは容器20の内部を自由に移動し、容器20の底部に沈降した成分を攪拌し、容器20内における液体の濃度を所定の濃度とし、維持する。
液体濃度測定手段50について説明する。本実施形態に係る液滴吐出装置100において、液体濃度測定手段50は光学的手段によって濃度を測定する手段の例を示す。液体濃度測定手段50に備える液体濃度検出部50aは、濃度検出用発光部50A(以下、発光部50Aという)と濃度検出用受光部50B(以下、受光部50Bという)とを、第1供給管30aを挟んで対向配置されている。
第1供給管30aは、発光部50Aから出射される検出光が透過できる光透過性を備える材料、いわゆる透明材料により形成されている。例えば、光透過性を備えるシリコン系樹脂が好適に用いられる。なお、第1供給管30aの材料としてはこれの限定されるものではなく、例えば、ポリ塩化ビニル系、ポリスチレン系などの光透過性を備える樹脂を用いることができる。
本実施形態において、液体は沈降し得る成分を含むものであり、発光部50Aから第1供給管30a内の液体に検出光を出射すると、検出光は液体内の沈降し得る成分によって遮断され受光部50Bまで届かない。従って、出射光量と受光量との差によって、沈降し得る成分の割合、すなわち液体濃度を知ることができる。このように発光部50Aからの出射光量と、受光部50Bにおける受光量とから、液体濃度演算部50bにおいて液体濃度に演算し、濃度データを出力する。
上述で説明した液体濃度測定手段50は、測定対象の液体内を透過する光の減衰量により濃度を検出するものであるが、これに限定はされない。例えば、反射光を受光して、出射光量と反射光量との差によって濃度を演算する方法も適用することができる。すなわち、高い濃度では沈降し得る成分が多く溶媒中に分散しているため、反射光量は多くなり、低い濃度では沈降し得る成分が少なく溶媒中に分散しているために出射光の多くは透過し、反射光量は少なくなるので、出射光量と反射光量との差によって濃度を演算することができる。
あるいは、測色計を用いることもできる。すなわち、本実施形態における液体が、いわゆる被吐出媒体への記録、すなわち印刷に用いるインクで有る場合、例えば沈降し得る成分として酸化チタンを用いた場合には白色を呈している。この白色の濃さを測色計によって計測することにより、得られた色の濃さから濃度へ換算することができる。
次に、本明細書における第1動作ならびに第2動作について説明する。図2は第1動作である置換動作を説明する概略断面図、図3は第2動作である攪拌動作を説明する概略断面図である。
図2(a)に示すように、収容部10には沈降し得る成分を含んだ液体Lが収容されている。収容部10は、少なくとも液滴吐出装置100の液体吐出動作時においては所定の濃度に沈降し得る成分が分散媒中に略均一に分散し所定の液体濃度ρAが維持されている。しかし、液体吐出動作が実行されない時間経過によって、第1供給管30aでは管内の液体は、沈降し得る成分を主体とする沈降物Mが第1供給管30aの重力方向底部に沈降堆積し、沈降物Mの上方には沈降し得る成分が少ない低い濃度ρLの上澄みの液体LW1の層に分離される。
このような第1供給管30a内における分離状態の液体LW1を、図2(b)に示すように例えば吐出ヘッド40より液体を吐出させる動作を実行することにより、第2供給管30b内の液体LW2が吐出ヘッド40より排出され、容器20内の液体LW3が第2供給管30bへ供給され、そして第1供給管30a内の液体LW1が容器20内に流入する。第1供給管30aには、収容部10から所定濃度ρAの液体Lが流入し、図2(c)に示すように第1供給管30a内は液体Lで満たされる。このように、図2(a)に示す第1供給管30a内の液体LW1と沈降物Mとを、図2(c)に示すように液体Lに置き換える動作を、第1動作としての置換動作という。なお、置換動作は第1供給管30a内の全て液体を置換する必要は無く、一部を置換する動作であってもよい。
また、置換動作を行う置換手段は、例えば、真空ポンプ、チューブポンプ等によって、ヘッドにキャップ装置を接続してヘッドの液体の吐出面を密閉した後、キャップ装置に接続されたポンプローラーによってホース(チューブ)内の空気を排出することにより、液体を排出するものがある。また、その他の例としては、従来から行われている液体吸収パッドに液体の吐出を行い、吐出ヘッド40のノズル口のメンテナンス行う手段(フラッシング)であっても良い。その他、置換動作は被吐出媒体に液体の吐出を行わない公知の液体を置換する他の手段を採用出来る。
次に図3により、第2動作としての攪拌動作について説明する。図2(a)の状態において、容器20の内部は液体吐出動作が実行されない時間経過によって、沈降物Mと上澄みの液体LW3に分離した状態になってしまう。この状態から図3(a)に示すようにキャリッジ60が例えば図示する矢印P方向に移動動作が実行されることにより、容器20の内部に収容された攪拌子20aは図示する矢印Q方向に揺動させられる。この攪拌子20aの揺動により沈降物Mが攪拌され、液体LW3中に沈降し得る成分が分散され、徐々に液体Lの濃度ρAに近付く液体L´になる。
十分に攪拌子20aによって液体LW3が攪拌されると、図3(b)に示すように容器20の内部は少なくとも被吐出媒体への記録(印刷)可能な規定濃度ρR以上にまで沈降し得る成分が分散された液体LRとなる。この様に、容器20の揺動によって攪拌子20aを揺動させて沈降物Mを液体LW3に分散させて記録可能な液体濃度にすることを、第2動作としての攪拌動作という。
上述した第1動作および第2動作の制御方法について説明する。図4は上述の液滴吐出装置100を含む液滴吐出機器1000を模式的に示す斜視図である。図4において、インクジェットプリンターを用いて液滴吐出機器1000を説明する(以下、プリンター1000という)。
図4に示すようにプリンター1000は、制御部500と、収容部10と、液体供給管30(第1供給管30a、第2供給管30b)と、容器20と、液体濃度測定手段50と、駆動部600と、搬送部700と、を備える。
駆動部600は、キャリッジ60と、駆動ベルト70と、キャリッジモーター80と、を備える。また、駆動部600はフレキシブルケーブル500aを介して制御部500に接続され、キャリッジ60の駆動が制御されている。具体的には、キャリッジ60の駆動源となるキャリッジモーター80の動力が制御され、キャリッジ60とキャリッジモーター80とを接続している駆動ベルト70を介して、キャリッジ60を往復運動させている。
被吐出媒体Sは搬送部700により搬送され、搬送の過程でキャリッジ60に搭載された吐出ヘッド40により収容部10からの液体が吐出される。被吐出媒体Sへの記録吐出が終了すると図示しない排出部によりプリンター1000の外に排出される。
容器20は、キャリッジ60に図示しない固定手段によって固定されている。液滴吐出の際にキャリッジ60はキャリッジモーター80によって駆動ベルト70を介して移動し、被吐出媒体の移動を組み合わせて被吐出媒体上に記録(印刷)する。すなわち、キャリッジ60は少なくとも印刷動作時には、プリンター内において移動している部位であり、印刷動作時以外であっても可動させることができる部位であり、このキャリッジ60に固定されている容器20は、キャリッジ60の移動によって揺動され、容器20内に備える攪拌子20aが移動し、沈降し得る成分を含む液体を攪拌する。なお、本発明において「攪拌動作」とは、容器20内の液体の十分な攪拌のことを示し、プリンター1000の初期動作に伴うような弱い攪拌は含まない。
また、容器20の攪拌手段は本実施形態で説明したキャリッジ60に容器20を固定し、容器60の移動機構を利用した攪拌方法に限定されず、例えば、攪拌機構を備える容器20をプリンター1000に備えることもできる。その場合、揺動方法として、容器20の液体流動方向(長手方向)方向に往復させるだけではなく、流動方向に対して交差する方向、例えば上下方向に揺動させたり、容器20を水平方向に対して傾斜させて揺動したりすることでも良い。また、攪拌子20aを備える形態を説明したが、容器20の内部の液体を、上述した攪拌が十分に行われる(図3(a)参照)のであれば、攪拌子20aの有無、形状、材質は限定されない。
液体濃度測定手段50は図4ではキャリッジ60に備える例示をしているが、これに限定されずプリンター1000を構成する最適部位、位置に設定しても良い。
制御部500は図5に示すブロック図のように、プリンター1000の制御手段を備えている。制御手段は例えばCPUとメモリー(RAM、ROM等)を備えるコンピューターによって構成することができる。
制御部500は、液体濃度測定手段50からの液体濃度データ、あるいは、図示されない入力手段からの入力信号を受け付けて、後述する各手段を連携させたり、実行する順序を制御したりして、収容部10、吐出ヘッド40、キャリッジ60、吸引手段(キャップ)800、液体濃度測定手段50などの動作制御を行う。入力手段としては、例えば、プリンター1000の本体に設けられた図示しない操作ボタンや、プリンター1000に接続されるPC等を用いる入力手段が挙げられる。このような入力手段をユーザーが操作することによって、入力信号が制御部500に送られる。ユーザーが入力する命令の種類としては、例えば、後述するメンテナンス命令や吐出命令等種々の動作命令が挙げられる。
制御部500は、命令判定手段510を有することができる。命令判定手段510は、制御部500が受け付けた命令の種類を判断して、命令内容に基づいて制御部500は、収容部10、吐出ヘッド40、キャリッジ60、図示しない吸引ポンプなどの各動作を行わせる。
制御部500は、液体供給動作制御手段520を有することができる。液体供給動作制御手段520は、後述する置換動作や吐出動作等によって液体が消費されると、収容部10から第1供給管30aに液体を供給させ、液体の供給タイミングや液体の供給量等を制御する。
制御部500は、液体吐出動作制御手段530を有することができる。液体吐出動作制御手段530は、吐出命令を受信すると、吐出データに応じて液体の吐出タイミングや吐出量を判断して、吐出ヘッド40から液体を吐出させる。
制御部500は、第1動作制御手段540を有する。第1動作制御手段540は、メンテナンス命令や、吐出命令等を受信すると、吸引手段として、液体吐出動作制御手段530を作動させて吐出ヘッド40を介して容器20内の液体を図4に示すキャップ800に排出させ、第1供給管30a内の液体の置換量等を制御する。なお、前述の通り本明細書において、「第1動作」を「置換動作」ともいう。
制御部500は、第2動作制御手段550を有する。第2動作制御手段550は、メンテナンス命令や、吐出命令を受信すると、キャリッジ60を所定の図4に示す方向MSDに往復移動させ、キャリッジ60の移動速度や移動回数等を制御する。キャリッジ60が所定の方向に往復移動すると、キャリッジ60の移動に伴って攪拌子20aが容器20内を移動するので、容器20内の液体を攪拌することができる(図3参照)。なお、前述の通り本明細書において、「第2動作」を「攪拌動作」ともいう。また、本実施形態のようにキャリッジ60に容器20が備えられているので、後述する吐出動作を行うと同時に容器20内の攪拌も行われるが、本発明における「第2動作」「攪拌動作」とは、被吐出媒体上への吐出動作、すなわち印刷動作に付随して容器20内が攪拌される「攪拌動作」は含まない。
制御部500は、印刷動作制御手段560を有する。印刷動作制御手段560は印刷命令を受信すると、受信した印刷データに基づき被吐出媒体上へ吐出ヘッド40から液滴を吐出させる動作を制御する。また、印刷動作の前に吐出ヘッド40内の液体残滓の吸引、第2供給管30b内の低濃度液体を排出する吸引などの動作を制御することもできる。
制御部500は、記憶手段570を有することができる。記憶手段570は、種々の情報を記憶できるメモリー機能を備えることができ、後述する所定の液体濃度を記憶したり、液体濃度測定手段50によって測定された液体濃度を読み出して記憶したりすることができる。また、予め設定された所定の第1濃度閾値としての濃度閾値ρ0、被吐出媒体への記録(印刷)可能な濃度としての第2濃度閾値としての規定濃度ρR、収容部10に収容されている液体の濃度、すなわち初期濃度ρAを記憶することができる。
第1濃度閾値としての濃度閾値ρ0は、第1供給管30a内の液体に含有される沈降し得る成分が沈降し、被吐出媒体上への吐出、すなわち印刷に適さない濃度の限界値として規定される。また、第2濃度閾値としての規定濃度ρRは、沈降し得る成分が沈降を始め、初期濃度ρAに対して濃度は低くなっているが、この濃度であっても被吐出媒体上への吐出品質、すなわち印刷品質の維持が可能な限界濃度である。
ρ0およびρRは用いられる液体の種類、その液体に含有される成分の種類、液滴吐出装置100の仕様、などの諸条件から適宜決定され、記憶手段570に記憶させる。例えば、白色インクとして酸化チタンを白色成分とした場合、初期濃度ρAに対して、
ρR≧0.7ρA
ρ0≧0.35ρA
の範囲で、適宜決定することが好ましい。
ρR≧0.7ρA
ρ0≧0.35ρA
の範囲で、適宜決定することが好ましい。
比較手段580は、液体濃度測定手段50によって測定された液体濃度ρが、濃度閾値ρ0あるいは規定濃度ρR未満であるか否かを判定する。そして、その結果によって制御部500は予め設定された第1動作、もしくは第2動作を行うように設定されている。
液体濃度測定手段50は図6に示す構成を含むものである。本実施形態においては、第1供給管30a内における液体濃度を計測する手段として液体濃度測定手段50が備えられている。液体濃度は、第1供給管30a内の液体内に光を通過させ、入射光と出射光との光量の差、すなわち入射光からの減衰量を演算し、液体濃度値に換算する。具体的には、図6に示すように本実施形態に係る液体濃度測定手段50の液体濃度検出部50aとして第1供給管30aを挟んで発光部50Aと受光部50Bを対向配置し、第1供給管30a内の液体に計測光を通過させる。
液体濃度演算部50bは発光部50Aからの光の出射を制御する発光制御部50dと、制御部500からの計測の指示を受け、発光制御部50dへ発光指示する制御と、受光部50Bからの受光量データを受け取り、発光量との差から液体濃度を換算する演算と、を行う制御演算部50eと、を備えている。また、制御演算部50eは、演算した液体濃度データを制御部500へ送信する。
次に、本実施形態に係る制御フローについて説明する。図7は、本実施形態に係る制御方法を示すフローチャートである。図7に示す制御フローは、プリンター1000の電源投入(ON)がスタート、切断(OFF)が終了としたフローである。
電源が投入される(スタート)と、先ず液体濃度測定(S10)が実行され、濃度ρが測定される。液体濃度測定(S10)は、液体濃度測定手段50(図1、図6参照)によって、第1供給管30a内部の液体濃度を測定し、濃度ρを出力する。
次に、濃度ρのデータを制御部500における比較手段580によって、濃度閾値ρ0と比較する(S20)。濃度閾値ρ0は、予め記憶手段570に記憶され、比較手段580は記憶手段570から濃度閾値ρ0を呼び出す。比較の結果、ρがρ0超の場合、プリンター1000の動作命令を受けているか判定する(S110)。
また、比較結果としてρがρ0未満の場合には、第1動作である置換動作を実行し、第1供給管30aに所定濃度ρAの液体を収容部10より吸引により導入する(S410)。再度、液体濃度測定(S10)、濃度閾値ρ0との比較(S20)を実行し、ρがρ0超となるまで繰り返す。なお、電源入力時に濃度の比較を行うことが好ましいが、必ずしもこの態様に限定されず、他の動きに同期させたり、予め設定された所定の時間に基づいて濃度比較を行ったりしても良い。
動作命令を受けているか判定し(S110)、何らかの命令を受けていると判定された場合、その命令の種別を判定する(S120)。命令の種別としては、「第1供給管30a内メンテナンス命令」「所定の命令」「所定の命令以外の命令」のどれかを判定する。
所定の命令としては、メンテナンス命令を除く命令、例えば、制御部500に対する、置換動作を行わせる命令、置換動作を行わせその動作の後に攪拌動作を行わせる命令、印刷動作を行わせる印刷命令、液滴吐出装置100の電源が切られている場合において電源を入れる命令、液滴吐出装置100の電源が入れられている場合において電源を切る命令等があり、事前に設定がされている。
なお、本実施形態では「所定の命令」として、「印刷命令」を例示して説明する。従って、「所定の命令」は以降「印刷命令」とする。
命令の種別判定(S120)において、印刷命令と判定された場合、液体濃度測定(S130)が実行される。液体濃度測定(S130)は、上述の液体濃度測定(S10)と同じく、液体濃度測定手段50(図1、図6参照)によって、第1供給管30a内部の液体濃度を測定し、濃度ρを出力する。
次に、濃度閾値ρ0および規定濃度ρRと、測定された濃度ρと比較する(S140)。濃度閾値ρ0および規定濃度ρRと、測定された濃度ρと比較(S140)において、比較の結果ρがρR超と判定された場合、印刷動作(S150)に移行する。すなわち、第1供給管30aの内部の液体は被吐出媒体上に所定の品質を維持しながら吐出できる液体濃度である規定濃度ρR超であるので、吐出動作である印刷実行(S150)へ移行することが出来る。命令された印刷命令によって印刷が実行され、所定の印刷が終了する(S180)。印刷終了(S180)後に、電源のONまたはOFFを確認する(S190)ことで、電源が切断(OFF)されれば、制御フローは終了する。しかし、印刷終了(S180)後も継続して電源が投入(ON)されていれば、次の動作命令を受けるS110に戻る。なお、ρ=ρRの場合には印刷動作(S150)の前に第2動作(攪拌動作)を行っても良く、液滴吐出装置100の設計仕様によって決定すれば良い。
S140において、比較の結果ρがρR未満であってρ0超と判定された場合には、次に第2動作(攪拌動作)を実行する(S160)。ここでは、規定濃度ρRより低い濃度ではあるが、第1動作(置換動作)を実行させる濃度の濃度閾値ρ0までは濃度低下していないので、第2動作によって容器20内の容器を所定濃度ρAに出来るだけ近づけ、第1供給管30a内のρがρR未満であってρ0超の液体が容器20内に導入されても、容器20内の液体濃度をρR以上に維持できるようにする。なお、例えば制御部500にタイマー手段(時間計測手段)を備えて、上述のS20からS140までの経過時間を計測し、経過時間によってS160としての第2動作(攪拌動作)の実行の要否を判定する手段を備えても良い。なお、ρ=ρ0の場合には第2動作(S160)の前に第1動作(置換動作)を行っても良く、液滴吐出装置100の設計仕様によって決定すれば良い。
S160の第2動作(攪拌動作)の実行により、第1供給管30aは濃度閾値ρ0超、容器20には規定濃度ρR超の濃度の液体となり、印刷実行(S161)に移行する。命令された印刷命令によって印刷が実行され、所定の印刷が終了する(S180)。印刷終了(S180)後に、電源のONまたはOFFを確認する(S190)ことで、電源が切断(OFF)されれば、制御フローは終了する。しかし、印刷終了(S180)後も継続して電源が投入(ON)されていれば、次の動作命令を受けるS110に戻る。
上述の濃度閾値ρ0および規定濃度ρRと、測定された濃度ρと比較(S140)において、比較の結果ρがρ0未満と判定された場合には、先ず、第1動作(置換動作)を実行する(S170)。これにより、第1供給管30aに所定濃度ρAの液体を収容部10より吸引により導入し、第1供給管30a内の液体濃度を所定濃度ρAに置換させる。次に、第2動作(攪拌動作)を実行し(S171)、容器20内部の液体濃度を規定濃度ρR超とする。
これにより、印刷可能な濃度の液体を吐出ヘッド40から吐出可能となり、印刷実行(S172)に移行する。印刷実行(S172)以降は、上述の印刷終了(S180)、電源確認(S190)へ移行される。なお、本フローチャットでは第1動作に付随させて第2動作を行うことは好ましいが、第2動作は行わずとも第1供給管30a内は良好な濃度になるので、必ずしも一体として行う態様に限定はされない。
また、第1動作(S170)と第2動作(S171)を行った後に、再度第1動作を行うと一層好ましい。これによって良好な濃度となった容器20内の液体が第2供給管30b内を置換して、装置全体として良好な濃度に維持が可能になる。
第1供給管30a内メンテナンス命令を受けた場合、次のフローとなる。第1供給管30a内メンテナンス命令は、プリンター1000の使用者(ユーザー)が、予め沈降の程度が著しい沈降状態であると判断した場合、例えば、プリンター1000の無作動時間が長い場合や、印刷実行中に印刷品質から沈降度合が大きいと判断した場合などに、第1供給管30a内部のメンテナンスとして置換動作あるいは容器20内部の攪拌動作を実行させる命令である。
実行させる命令種別の判定(S120)において、受けた命令が第1供給管30a内メンテナンス命令であると判定された場合、先ず、液体濃度測定(S310)が実行される。このS310は上述のS10と同じである。
液体濃度(ρ)測定(S310)によって測定された濃度ρと、濃度閾値ρ0および規定濃度ρRとを比較する(S320)。比較結果として、ρがρR超であった場合、第1供給管30a内部は吐出動作可能状態の液体濃度であるので、待機(S330)のモードに移行する。待機(S330)において、電源のONまたはOFFを確認する(S360)。S360において電源がOFFであればフローは終了し、ONであれば次の命令を受けるS110まで待機する。
濃度ρと、濃度閾値ρ0および規定濃度ρRとを比較するS320における比較結果が、ρがρR未満であってρ0超であった場合、第2動作(攪拌動作)を実行する(S340)。ここでは、規定濃度ρRより低い濃度ではあるが、第1動作(置換動作)を実行させる濃度の濃度閾値ρ0までは濃度低下していないので、第2動作によって容器20内の容器を所定濃度ρAに出来るだけ近づけ、第1供給管30a内のρがρR未満であってρ0超の液体が容器20内に導入されても、容器20内の液体濃度をρR超に維持できるようにする。次に第2動作実行(S340)が適切に行われたかを、液体濃度測定(S310)により再度、濃度測定を行ない、S320へ進める。
濃度ρと、濃度閾値ρ0および規定濃度ρRとを比較するS320における比較結果が、ρがρ0未満であった場合、第1動作(置換動作)(S350)を実行し、その後、第2動作(攪拌動作)(S351)を実行する。第2動作の実行(S351)後、再度、液体濃度測定(S310)を実行し、S320へ進める。
また、上述のように第1動作に付随して第2動作を行っているが、必ずしも第2動作を行う必要は無い。さらに、第2動作を行う場合には、行った後に再度第1動作を行うと一層好ましい。
上述の動作命令の種別の判定(S120)において、「所定の命令(印刷命令)」「第1供給管内メンテナンス命令」以外の「所定の命令以外の命令」を受けた場合を説明する。動作命令の種別の判定(S120)において「所定の命令以外の命令」を受けた場合、命令を受けているかの判定(S110)に戻る。
上述の制御フローによって、印刷を実行する際には、沈降し得る成分を含む液体は十分に沈降し得る成分が溶媒中に分散され、所定の液体濃度に維持されて吐出することができる。従って、被吐出媒体上に形成される記録、すなわち印刷結果に求められる品質を確保することができ、更に、供給管内の液体の濃度を所定の濃度にするための置換動作を多く繰り返すことが無く、吐出液体の無駄を削減することが可能となる。
10…収容部、20…容器、30…液体供給管、40…吐出ヘッド、50…液体濃度測定手段、100…液滴吐出装置。
Claims (6)
- 沈降し得る成分を含有する液体を収容する液体収容部と、
一方の端部が前記液体収容部に接続され、前記液体収容部から前記液体が供給される液体供給管と、
前記液体供給管の他方の端部に接続され、前記液体収容部から前記液体が供給される容器と、
前記容器と接続され前記容器から前記液体が供給され、前記液体を吐出させる吐出ヘッドと、
前記容器内の前記液体を攪拌させる攪拌手段と、
前記液体供給管内の前記液体の濃度を計測する濃度計測手段と、
前記濃度計測手段により得られた前記液体供給管内の前記液体の濃度データに基づき、少なくとも前記吐出ヘッドから前記液体を排出させる第1動作と、前記攪拌手段により前記容器内の前記液体を攪拌させる第2動作と、を制御する制御手段と、を備える、
ことを特徴とする液滴吐出装置。 - 前記濃度計測手段により計測された前記液体の濃度値ρと、第1濃度閾値ρ0とを比較する比較手段を備え、
前記制御手段は、前記濃度値ρが前記第1濃度閾値ρ0未満の場合に、前記第1動作を実行させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出装置。 - 前記制御手段は、前記第1動作の後に、前記第2動作を実行させる、
ことを特徴とする請求項2に記載の液滴吐出装置。 - 前記制御手段は、前記第2動作の後に、再度前記第1動作を実行させる、
ことを特徴とする請求項3に記載の液滴吐出装置。 - 前記比較手段は、前記濃度値ρと、前記第1濃度閾値ρ0より大きな値の第2濃度閾値ρRと、を比較し、
前記制御手段は、前記濃度値ρが、前記第1濃度閾値ρ0超であって、前記第2濃度閾値ρR未満の場合、前記第2動作を実行させる、
ことを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の液滴吐出装置。 - 請求項1から5のいずれか一項に記載の液滴吐出装置を備える液滴吐出機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010206414A JP2012061657A (ja) | 2010-09-15 | 2010-09-15 | 液滴吐出装置、液滴吐出機器 |
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JP (1) | JP2012061657A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013208760A (ja) * | 2012-03-30 | 2013-10-10 | Seiko Epson Corp | 印刷装置および印刷方法 |
JP2014124824A (ja) * | 2012-12-26 | 2014-07-07 | Canon Inc | インクジェット記録方法、およびインクジェット記録装置 |
-
2010
- 2010-09-15 JP JP2010206414A patent/JP2012061657A/ja not_active Withdrawn
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