JP2012076435A - 液滴吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インク供給管内の液体を顔料等の成分が均一な状態で良好に分散することが出来る液滴吐出装置の提供。
【解決手段】沈降し得る成分の含有液体の液体収容部と前記液体の液体供給管と前記液体供給管に接続される容器と前記容器と接続される被吐出媒体に対して前記液体を吐出させる吐出ヘッドと前記容器内の前記液体を攪拌させる攪拌手段と所定の命令が入力される入力手段と、を備え、前記吐出ヘッドから前記液体を排出させる第1動作と前記容器内の攪拌を行わせる第2動作と前記被吐出媒体に前記液体を吐出させる第3動作と、を制御する制御手段と、第1動作、置換動作の後に行う攪拌動作、印刷動作、から選択されるいずれかの動作が終了してから所定の命令入力までの第1経過時間t1を計測する第1計時手段と、前記容器の前記第2動作の実行終了から所定の命令入力までの第2経過時間t2を計測する第2計時手段と、を有する液滴吐出装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、液滴吐出装置に関する。
従来から、インクを収容するインクタンクからインク供給管を介して、インクを吐出可能な吐出ヘッドに供給するインク供給システムについて知られている。このようなインク供給システムを用いた場合、吐出ヘッドにインクの供給が行われた後、インクの供給が長時間行われないと、インク供給管の流路内に残留したインクに含まれる成分が沈降することがある。インクに含まれる成分が沈降すると、再度吐出ヘッドにインクを供給する際に、吐出ヘッドにインクの安定供給ができないことがある。
特に、インクの成分として無機顔料(例えば酸化チタン等)や金属顔料(例えばアルミニウム)等を含む場合には、溶媒との比重差の点から、これらの顔料が沈降しやすいという問題がある。
この問題に対して、例えば、特許文献1には、インク流路内に常に一定量のインクを保持させるサブタンクを設けたインク供給システムについて記載されている。また、特許文献1には、サブタンク内のインクを攪拌するためにサブタンク内に攪拌球を設けることについて記載されている。このようなサブタンクを設けることによって、インクに含まれる顔料等の成分の沈降を低減させることができる。
特開2006−272648号公報
しかしながら、特許文献1において、インク供給システムが長時間停止した場合に、インク収容部とサブタンクとをつなぐインク供給管内で顔料が沈降し、サブタンクを設けてもインク供給管内のインクの濃度を戻すことができないという問題点があった。
そこで、インク供給管内の液体を顔料等の成分が均一な状態で分散された良好な状態にすることが出来る液滴吐出装置を提供する。
本発明は、少なくとも上述の課題の一つを解決するように、下記の形態または適用例として実現され得る。
〔適用例1〕本適用例による液滴吐出装置は、沈降し得る成分を含有する液体を収容する液体収容部と、前記液体収容部から前記液体を供給する液体供給管と、前記液体供給管を介して接続される容器と、前記容器と接続され前記容器から前記液体が供給され、被吐出媒体に対して前記液体を吐出させる吐出ヘッドと、前記容器内の前記液体を攪拌させる攪拌手段と、所定の命令が入力される入力手段と、を備えた液滴吐出装置であって、前記被吐出媒体以外に前記吐出ヘッドから前記液体の排出を行わせる第1動作と、前記攪拌手段により前記容器内の攪拌を行わせる第2動作と、前記被吐出媒体に前記液体の吐出を行わせる第3動作と、を制御する制御手段と、前記第1動作、攪拌動作であって置換動作の後に行う動作、印刷動作、の中から選択されるいずれかの動作が最後に終了してから前記入力手段に所定の命令が入力されるまでの経過時間の第1経過時間t1を計測する第1計時手段と、前記容器の前記第2動作の実行終了から前記入力手段に所定の命令が入力されるまでの経過時間の第2経過時間t2を計測する第2計時手段と、を有することを特徴とする。
上述の適用例によれば、沈降し得る成分の沈降の程度を、液体供給管内は第1経過時間によって、容器内は第2経過時間によって判断することができ、液体供給管内および容器内の沈降の程度によって第1動作および第2動作の実行を判断し、最小の第1動作によって液体収容部から吐出ヘッドまでの間にある液体濃度を適切に維持することができ、最適な液体濃度状態によって第3動作を実行することができる。
〔適用例2〕上述の適用例において、前記第1経過時間t1と、前記第1経過時間t1に対応する第1閾値時間TAとを比較する第1比較手段と、前記第2経過時間t2と、前記第2経過時間t2に対応する第2閾値時間TBとを比較する第2比較手段と、を有することを特徴とする。
上述の適用例によれば、第1経過時間が第1閾値時間を経過した場合に液体供給管内の液体を良好な濃度に置換することが出来る。第2経過時間が第2閾値時間を経過した場合に容器内の液体を良好な濃度まで攪拌することが出来る。そして、液体供給管内および容器内の液体濃度を良好な状態にすることができる。第1閾値時間および第2閾値時間の例としては、詳細は後述するが、管内および容器内において液体に含まれる成分が完全に沈降するまでの時間等がある。
〔適用例3〕上述の適用例において、前記制御手段は、前記第1経過時間t1が前記第1閾値時間TAを経過したと判定した場合には前記第1動作を行わせることを特徴とする。
上述の適用例によれば、第1経過時間が第1閾値時間を経過した場合に、迅速に液体収容部からの良好な濃度の液体が液体供給管内の液体を置換する。これによって、液体供給管内の液体を良好な濃度にすることができる。
〔適用例4〕上述の適用例において、前記制御手段は、前記第2経過時間t2が前記第2閾値時間TBを経過したと判定した場合には前記第2動作を行わせる、ことを特徴とする。
上述の適用例によれば、第2経過時間が第2閾値時間を経過した場合に、迅速に攪拌手段によって容器内の液体を攪拌する。これによって、容器内の液体を良好な濃度にすることができる。
〔適用例5〕上述の適用例において、前記第1経過時間t1と前記第2経過時間t2とを比較する時間比較手段を有し、前記第1経過時間t1が前記第1閾値時間TAを経過したと判定した場合、前記時間比較手段における比較結果がt1>t2である場合、前記制御手段は前記第1動作を行わせないことを特徴とする。
上述の適用例によれば、第1動作実行の条件ではあるが、同時に容器内の液体濃度は第2動作を必要とするまで低下していないと判断でき、この状態で第1動作を実行することで容器内の適正濃度の液体を吐出ヘッドから排出することで、沈降し得る成分の無駄な廃棄となってしまうことを抑制することができる。
〔適用例6〕上述の適用例において、前記第1経過時間t1と前記第2経過時間t2とに対応する、前記容器内及び前記液体供給管内の濃度データを含む濃度テーブルと、前記濃度テーブルから取り出した前記容器内の濃度と前記液体供給管内の濃度とを比較する濃度比較手段と、を有し、前記制御手段は、前記第1比較手段の比較結果、前記第1経過時間t1が前記第1閾値時間TAを経過した場合に、前記濃度比較手段により濃度比較を行い、前記濃度比較手段による比較の結果、前記液体供給管の濃度の方が高いと判断した場合には、前記第1動作を行うことを特徴とする。
上述の適用例によれば、容器内の液体濃度の低下を抑制することができ、適正濃度の液体を吐出ヘッドから吐出できる。すなわち、被吐出媒体への記録品質を維持することができる。
実施形態に係る液滴吐出装置の概略斜視図。 実施形態に係る第1動作を説明する概略断面図。 実施形態に係る第2動作を説明する概略断面図。 実施形態に係る液滴吐出機器の概略斜視図。 実施形態に係る制御部を示すブロック図。 実施形態に係る制御方法を示すフローチャート。 実施形態に係る制御方法を示すフローチャート。
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る液滴吐出装置の概略を示す斜視図である。図1に示す液滴吐出装置100は、吐出すべき液体が収容される収容部10と、内部に攪拌子20aを備える容器20と、収容部10と容器20とを接続し収容部10から容器20へ内部に液体を流す第1供給管30aと容器20から吐出ヘッド40へ液体を流す第2供給管30bとを有する液体供給管30と、を備えている。容器20はキャリッジ50に図示しない固定手段により固着され、キャリッジ50に備える液体供給管30を構成する第2供給管30bにより接続される吐出ヘッド40に液体を供給する。
本明細書における「液体」とは、沈降し得る成分を含んでいればよく、沈降し得る成分として、例えば、サスペンジョン、エマルジョン等の分散体等を挙げることができる。収容部10に収容されている液体としては、例えば、インク組成物、有機ELディスプレイ用材料、液晶ディスプレイ等のカラーフィルター用材料、FED(面発光ディスプレイ)用材料、電気泳動ディスプレイ等の電極やカラーフィルター用材料、バイオチップ製造に用いられる生体有機材料等が挙げられる。
また、「沈降」とは、一定期間液体を放置しておいた場合に、含有されていた成分が沈殿し、含有されていた成分が液体の下層に積もることをいう。例えば、溶媒に対する比重が高い成分であって、インク組成物にあっては、無機顔料、金属顔料、および中空樹脂粒子や、それらに結合または吸着した成分を含むことができる。
無機顔料としては、例えば、二酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、カーボンブラックなどを挙げることができる。金属顔料としては、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、チタン等の単体、またはそれらの合金などを挙げることができる。中空樹脂粒子としては、例えば、米国特許第4880465号明細書や特許第3562754号公報などの明細書に記載されている中空樹脂粒子を挙げることができる。なお、中空樹脂粒子とは、その内部に空洞を有しており、その外殻が液体透過性を有する樹脂から形成されているものである。中空樹脂粒子は、白色顔料として使用することができる。
以下、収容部10に収容される液体として代表的に使用される白色インク組成物について説明する。白色インク組成物は、顔料を定着させる樹脂を含むことができる。樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリウレタン、ポリアクリルアミド、セルロース誘導体等が挙げられる。製品名でいうとアクリル系樹脂(例えば、「アルマテックス(三井化学社製)」)、ウレタン系樹脂(例えば、「WBR−022U(大成ファインケミカル社製)」)等が挙げられる。
白色インク組成物は、アルカンジオールおよびグリコールエーテルから選択される1種を含有することが好ましい。アルカンジオールやグリコールエーテルは、被吐出媒体などの被吐出面への濡れ性を高めてインクの浸透性を高めることができる。
アルカンジオールとしては、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオールなどの炭素数が4以上8以下の1,2−アルカンジオールであることが好ましい。これらの中でも炭素数が6以上8以下の1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオールは、被吐出媒体への浸透性が特に高いためより好ましい。
グリコールエーテルとしては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどの多価アルコールの低級アルキルエーテルを挙げることができる。これらの中でも、トリエチレングリコールモノブチルエーテルを用いると良好な品質を得ることができる。
また、白色インク組成物は、アセチレングリコール系界面活性剤またはポリシロキサン系界面活性剤を含有することが好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤またはポリシロキサン系界面活性剤は、被吐出媒体などの被吐出面への濡れ性を高めてインクの浸透性を高めることができる。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、2,4−ジメチル−5−ヘキシン−3−オールなどが挙げられる。また、アセチレングリコール系界面活性剤は、市販品を利用することもでき、例えば、オルフィンE1010、オルフィンSTG、オルフィンY(以上、日信化学社製)、サーフィノール104、82、465、485、TG(以上、Air Products and Chemicals Inc製)が挙げられる。
ポリシロキサン系界面活性剤としては、市販品を利用することができ、例えば、BYK−347、BYK−348(ビックケミー・ジャパン社製)などが挙げられる。
さらに、白色インク組成物には、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤などのその他の界面活性剤を含有することもできる。
白色インク組成物は、多価アルコールを含有することが好ましい。多価アルコールは、例えば、白色インク組成物をインクジェット記録装置に適用した場合に、インクの乾燥を抑制し、吐出ヘッド部分におけるインクの目詰まりを防止することができる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。
白色インク組成物は、溶媒として水を含有することができる。水は、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水などの純水または超純水を用いることが好ましい。特に、これらの水を紫外線照射または過酸化水素添加などにより滅菌処理した水は、長期間に亘りカビやバクテリアの発生を抑制することができるので好ましい。
さらに、白色インク組成物は、必要に応じて、水溶性ロジンなどの定着剤、安息香酸ナトリウムなどの防黴剤・防腐剤、アロハネート類などの酸化防止剤・紫外線吸収剤、キレート剤、トリエタノールアミン等のpH調整剤、酸素吸収剤などの添加剤を含有させることができる。これらの添加剤は、1種単独で用いることもできるし、2種以上組み合わせて用いることもできる。
図1に示すように、液滴吐出装置100は液体供給管30を備え、第1供給管30aは収容部10と容器20とを、第2供給管30bは容器20と吐出ヘッド40とを、接続している。容器20には攪拌子20aが収納されており、後述する手段により攪拌子20aを揺動させ容器20の内部の液体を攪拌する。従って、液体供給管30の太さ(内径)は、攪拌子20aが液体供給管30の内部に移動しない内径であれば、特に限定されない。
また、液体供給管30における第1供給管30aの内容積(管内の体積)は、容器20の容積以下であることが好ましい。これにより、吐出ヘッド40に成分組成比のばらつきの少ない液体を供給することができる。すなわち、第1供給管30aの容積が容器20の容積以上であると、後述する置換動作後に第1供給管30aの上澄み液体が吐出ヘッド40に供給され、被吐出媒体上に所望の記録を形成できなくなる虞がある。なお、本明細書において、第1供給管30aの容積とは、液体が供給される第1供給管30a内部の体積のことをいい、容器20の容積とは、液体が供給される容器20内部の体積のことをいう。
なお、図1の液滴吐出装置100では、容器20および吐出ヘッド40は、第2供給管30bを介して接続されているが、これに限定されず、容器20および吐出ヘッド40が第2供給管30bを介さずに直接接続されていてもよい。
容器20は内部に攪拌子20aを収納している。攪拌子20aは、容器20が揺動させられることにより、容器20の内部を自由に移動するように、例えば球体であることが好ましい。他の移動可能な攪拌子20aの形状として、例えば、楕円体(ラグビーボール型)、円柱体、楕円柱体、多角柱体、直方体、立方体、多面体等が挙げられる。
また、容器20内部に収納されている液体は沈降しうる成分を含んでいることから、沈降しうる成分に対して十分に重い、すなわち十分に大きい比重の材料により形成されることが望ましい。例えば、ケイ酸塩を主成分とするガラス、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、金属(例えば、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、鉄、およびこれらのいずれかを含む合金)等を挙げることができる。
図1に示す液滴吐出装置100において、容器20はキャリッジ50に図示しない固定手段によって固定されている。キャリッジ50とは、後述する本適用例を用いたインクジェットプリンター(以下、プリンターという)において、吐出ヘッド40を装着し、被吐出媒体に対して相対的に移動可能にプリンターに組み付けられており、液滴吐出の際にキャリッジ50の移動と、被吐出媒体の移動の組み合わせによって被吐出媒体上に記録(印刷)する。すなわち、キャリッジ50は少なくとも印刷動作時には、プリンター内において移動している部位であり、印刷動作時以外であっても可動させることができる部位である。
この可動部位のキャリッジ50に容器20が固定されていることによって、容器20はキャリッジ50の移動に伴って揺動させられ、その結果、攪拌子20aは容器20の内部を自由に移動し、容器20の底部に沈降した成分を攪拌し、容器20内における液体の濃度を所定の濃度とし、維持する。
本願明細書では、上述の実施形態のようにプリンターに備え、印刷動作において稼動するキャリッジ50に容器20を固定し、キャリッジ50の動作により容器20を揺動させ、攪拌子20aを移動させることで容器20内の沈降した成分を容器内に攪拌、分散させる形態を説明したが、このような揺動手段に限定されるものではない。容器20が固定され、容器20ごと前後左右に移動させて内部の液体を攪拌させる機構、超音波等によって容器20内の液体を振動させて攪拌させる機構、容器20を傾けることによって容器20内の液体を移動させて攪拌させる機構、容器20の外部から磁石を移動させることによって容器20内に配置された磁性体を移動させて容器内の液体を攪拌させる機構、ポンプ等を用いて容器20内に空気を送ることにより容器20内の液体を攪拌させる機構等が挙げられる。攪拌手段が上記のような機構を有していれば、液滴吐出装置100がライン型の吐出ヘッドであったとしても、容器20内の液体を攪拌することができる。
次に、本明細書における第1動作ならびに第2動作について説明する。図2は第1動作である置換動作を説明する概略断面図、図3は第2動作である攪拌動作を説明する概略断面図である。
図2(a)に示すように、収容部10には沈降し得る成分を含んだ液体Lが収容されている。収容部10は、少なくとも液滴吐出装置100の液体吐出動作時においては所定の濃度に沈降し得る成分が分散媒中に略均一に分散し所定の液体濃度ρAが維持されている。しかし、液体吐出動作が実行されない時間経過によって、第1供給管30aでは管内の液体は、沈降し得る成分を主体とする沈降物Mが第1供給管30aの重力方向底部に沈降堆積し、沈降物Mの上方には沈降し得る成分が少ない低い濃度ρLの上澄みの液体LW1の層に分離される。
このような第1供給管30a内における分離状態の液体LW1を、図2(b)に示すように例えば吐出ヘッド40より液体を吐出させる動作を実行することにより、第2供給管30b内の液体LW2が吐出ヘッド40より排出され、容器20内の液体LW3が第2供給管30bへ供給され、そして第1供給管30a内の液体LW1が容器20内に流入する。第1供給管30aには、収容部10から所定濃度ρAの液体Lが流入し、図2(c)に示すように第1供給管30a内は液体Lで満たされる。このように、図2(a)に示す第1供給管30a内の液体LW1と沈降物Mとを、図2(c)に示すように液体Lに置き換える動作を、第1動作としての置換動作という。
次に図3により、第2動作としての攪拌動作について説明する。図2(a)の状態において、容器20の内部は液体吐出動作が実行されない時間経過によって、沈降物Mと上澄みの液体LW3に分離した状態になってしまう。この状態から図3(a)に示すようにキャリッジ50が例えば図示する矢印P方向に移動動作が実行されることにより、容器20の内部に収容された攪拌子20aは図示する矢印Q方向に揺動させられる。この攪拌子20aの揺動により沈降物Mが攪拌され、液体LW3中に沈降し得る成分が分散され、徐々に液体Lの濃度ρAに近付く液体L´になる。
十分に攪拌子20aによって液体LW3が攪拌されると、図3(b)に示すように容器20の内部は少なくとも被吐出媒体への記録(印刷)可能な濃度ρR以上にまで沈降し得る成分が分散された液体LRとなる。この様に、容器20の揺動によって攪拌子20aを揺動させて沈降物Mを液体LW3に分散させて記録可能な液体濃度にすることを、第2動作としての攪拌動作という。
上述した第1動作および第2動作の制御方法について説明する。図4は上述の液滴吐出装置100を含む液滴吐出機器1000を模式的に示す斜視図である。図4において、インクジェットプリンターを用いて液滴吐出機器1000を説明する(以下、プリンター1000という)。
図4に示すようにプリンター1000は、制御手段としての制御部500と、収容部10と、液体供給管30(第1供給管30a、第2供給管30b)と、駆動部600と、搬送部700と、を備える。
駆動部600は、キャリッジ50と、駆動ベルト60と、キャリッジモーター70と、を備える。また、駆動部600はフレキシブルケーブル500aを介して制御部500に接続され、キャリッジ50の駆動が制御されている。具体的には、キャリッジ50の駆動源となるキャリッジモーター70の動力が制御され、キャリッジ50とキャリッジモーター70とを接続している駆動ベルト60を介して、キャリッジ50を往復運動させている。
被吐出媒体Sは搬送部700により搬送され、搬送の過程でキャリッジ50に搭載された吐出ヘッド40により収容部10からの液体が吐出される。被吐出媒体Sへの記録吐出が終了すると図示しない排出部によりプリンター1000の外に排出される。
制御部500は図5に示すブロック図のように、プリンター1000の制御手段を備えている。制御手段は例えばCPUとメモリー(RAM、ROM等)を備えるコンピューターによって構成することができる。
制御部500は、図示されない入力手段からの入力信号を受け付けて、後述する各手段を連携させたり、実行する順序を制御したりして、収容部10、吐出ヘッド40、キャリッジ50、吸引手段(キャップ)800などの動作制御を行う。入力手段としては、例えば、プリンター1000の本体に設けられた図示しない操作ボタンや、プリンター1000に接続されるPC等を用いる入力手段が挙げられる。このような入力手段をユーザーが操作することによって、入力信号が制御部500に送られる。ユーザーが入力する命令の種類としては、例えば、後述するメンテナンス命令や吐出命令等種々の動作命令が挙げられる。
制御部500は、入力手段からの入力信号を受け付けて、収容部10、吐出ヘッド40、キャリッジ50、吸引手段800の動作制御を行う。具体的には、制御部500は、受信した命令に応じて、後述する各手段を連携させたり、実行する順序を制御したりする。制御部500に対する命令を行わせる入力手段としては、例えば、プリンター1000の本体に設けられた操作ボタンや、プリンター1000に接続されるPC等を用いた手段が挙げられる。このような入力手段をユーザーが操作することによって、入力信号が制御部500に送られる。ユーザーが入力する命令の種類としては、例えば、後述するメンテナンス命令や吐出命令等種々の動作が挙げられる。
制御部500は、命令判定手段510を有することができる。命令判定手段510は、制御部500が受け付けた命令の種類を判断して、命令内容に基づいて制御部500に各動作を行わせる。
制御部500は、液体供給動作制御手段520を有することができる。液体供給動作制御手段520は、後述する置換動作や吐出動作等によって液体が消費されると、収容部10から第1供給管30aに液体を供給させ、液体の供給タイミングや液体の供給量等を制御する。
制御部500は、液体吐出動作制御手段530を有することができる。液体吐出動作制御手段530は、吐出命令を受信すると、吐出データに応じて液体の吐出タイミングや吐出量を判断して、吐出ヘッド40から液体を吐出させる。
制御部500は、第1動作制御手段540を有する。第1動作制御手段540は、メンテナンス命令や、吐出命令等を受信すると、吸引手段800を作動させて吐出ヘッド40を介して容器20内の液体を排出させ、容器20内の液体の置換量等を制御する。なお、本明細書において、「第1動作」を「置換動作」ともいう。なお、置換動作は第1供給管30a内の全て液体を置換する必要は無く、一部を置換する動作であってもよい。
また、置換動作を行う置換手段は、例えば、真空ポンプ、チューブポンプ等によって、ヘッドにキャップ装置を接続してヘッドの液体の吐出面を密閉した後、キャップ装置に接続されたポンプローラーによってホース(チューブ)内の空気を排出することにより、液体を排出するものがある(吸引手段)。また、その他の例としては、従来から行われている液体吸収パッドに液体の吐出を行い、吐出ヘッド40のノズル口のメンテナンス行う手段(フラッシング)であっても良い。その他、置換動作は被吐出媒体に液体の吐出を行わない公知の液体を置換する他の手段を採用出来る。
制御部500は、第2動作制御手段550を有する。第2動作制御手段550は、メンテナンス命令や、吐出命令を受信すると、キャリッジ50を所定の図4に示す方向MSDに往復移動させ、キャリッジ50の移動速度や移動回数等を制御する。キャリッジ50が所定の方向に往復移動すると、キャリッジ50の移動に伴って攪拌子20aが容器20内を移動するので、容器20内の液体を攪拌することができる。なお、本発明において、「第2動作」を「攪拌動作」ともいう。また、本実施形態のようにキャリッジ50に容器20が搭載されているので、後述する吐出動作を行うと同時に容器20内の攪拌も行われるが、本発明における「攪拌動作」には、吐出動作に付随する容器20内の攪拌は含まない。
制御部500は、第3動作制御手段560を有する。第3動作制御手段560は、印刷(吐出)命令を受信すると、受信した印刷データに基づき被吐出媒体上へ吐出ヘッド40から液滴を吐出させる動作を制御する。また、印刷動作の前に吐出ヘッド40内の液体残滓を吐出させる動作を制御する。制御部500は、第3動作制御手段560と液体吐出動作制御手段530とを連携させることにより、被吐出媒体上に吐出データに基づいた画像を形成させる。なお、本発明において、「第3動作」を「吐出動作」、すなわち被吐出媒体への「印刷動作」ともいう。
制御部500は、第1動作終了からの経過時間を計時する第1計時手段571と、第2動作終了からの経過時間を計時する第2計時手段572と、を含む計時手段570を有することができる。計時手段570は、時間を記憶することができるものであれば特に限定されず、タイマー等を用いることができる。計時手段570は、プリンター1000の電源オフ時においても時間を記憶できるものであることが好ましく、例えば充電式のバッテリーが組み込まれていてもよい。計時手段570は計時の開始や積算された時間のリセットが行えるものであっても良い。
なお、計時手段570は、リセット式のタイマーを用いた手段に限定されない。例えば、装置内で回転を行うギアがあり、そのギアの回転数をカウントしてそのギアの回転回数を経過時間と相関させて計時する手段であっても良い。その他の機械機構を利用した計時手段でも良い。また、総積算時間を記憶するタイマー手段があり、以前動作の時の総積算時間を記憶し、次の動作の時に総積算時間からその記憶した総積算時間との差を求めて、経過時間を判断しても良い。
制御部500は、記憶手段580を有することができる。記憶手段580は、種々の情報を記憶できるメモリー機能を備えることができ、後述する所定の時間を記憶したり、計時手段570によって計時された積算時間等を読み出して記憶したりすることができる。また、予め設定された所定の第1閾値時間(以下、時間TAという。)、第2閾値時間(以下、時間TBという。)を記憶することができる。この場合、時間TAは、任意に設定されるが、印刷可能な濃度ρRを下回る時間や、第1供給管30a内の液体に含有される成分が沈降し、第1動作(置換動作)が必要な時間等で設定される。また、時間TBは、任意に設定されるが、印刷可能な濃度ρRを下回る時間や、容器20内の液体に含有される成分が沈降し、第2動作(攪拌動作)が必要な時間等で設定される。
比較手段590は、計時手段570により計時された経過時間が、時間TA、時間TBを超えているか否かを判定する。なお、時間TAと比較する手段を第1比較手段、時間TBと比較する手段を第2比較手段とする。そして、その結果によって制御部500は予め設定された動作を行うように設定されている。
次に本実施形態に係る制御フローについて説明する。図6、図7は本実施形態に係る制御方法を示すフローチャートである。図6、図7に示すフローチャートは、プリンター1000の電源投入(ON)がスタート、切断(OFF)が終了としたフローである。
電源が投入(スタート)されると、プリンター1000に対する動作命令指示が出されたかを判断するS10が実行される。S10において、命令を受けていない(NO)と判断された場合には、命令を受けるまで待機する状態となる。S10において命令を受けた(YES)と判断された場合、次に受けた命令の種類を判定するS11に移行する。
命令の種類を判定するS11では、「管内メンテナンス命令」「所定の命令」[所定の命令以外の命令」の何れかであるかを判定する。
所定の命令としては、管内メンテナンス命令を除く命令、例えば、制御部500に対する、置換動作を行わせる命令、置換動作を行わせその動作の後に攪拌動作を行わせる命令、印刷動作を行わせる印刷命令、液滴吐出装置100の電源が切られている場合において電源を入れる命令、液滴吐出装置100の電源が入れられている場合において電源を切る命令等があり、事前に設定がされている。
なお、本実施形態では「所定の命令」として、最も好ましい例である「印刷命令」を例示して説明する。従って、「所定の命令」は以降「印刷命令」とする。
S11において「管内メンテナンス命令」と判定された場合、次に、前の第1動作の終了からの経過時間t1と第1動作の閾値時間TAとの比較(S100)に移行する。なお、経過時間t1は、具体的には、置換動作、攪拌動作であって置換動作の後に行う動作、印刷動作、の中から選択されるいずれかの動作が終了してから、入力手段を介したユーザーからの命令が、命令判定手段510によって所定の命令と判断された場合までの時間をいう。
経過時間t1と第1動作の閾値時間TAとの比較(S100)では、計時手段570の第1計時手段571から、S100実行前の第1動作(置換動作)が終了してからの経過時間t1を取得する。前述の通り、計時手段570における第1計時手段571はプリンター1000の電源がOFFの状態であっても経過時間を計測できる電源手段を備えており、S100の実行前の第1動作が終了した後、プリンター1000が電源OFFとなっても、経過時間t1はS100の実行前の第1動作が終了した時点で計時をスタートし、S100までの間の計時を継続している。
S100において、t1とTAとの比較の結果が、
t1<TA
であった場合、次に、前の第2動作の終了からの経過時間t2と第2動作の閾値時間TBとの比較(S110)に移行する。第2動作の終了からの経過時間t2と第2動作の閾値時間TBとの比較(S110)では、計時手段570の第2計時手段572から、S100もしくはS110実行前の第2動作(攪拌動作)が終了してからの経過時間t2を取得する。また、第1計時手段571同様に、計時手段570における第2計時手段572はプリンター1000の電源がOFFの状態であっても経過時間を計測できる電源手段を備えており、S110の実行前の第2動作が終了した後、プリンター1000が電源OFFとなっても、経過時間t2はS110の実行前の第2動作が終了した時点で計時をスタートし、S110までの間の計時を継続している。
S110において、t2とTBとの比較結果が、
t2<TB
であった場合、第1供給管30aおよび容器20の内部に収容されている液体の濃度は、記録(印刷)可能な濃度ρR以上に維持されていると判断し、プリンター1000は待機(S130)状態となり、経過時間t1およびt2は継続して計時される。待機(S130)状態において、電源のオンオフを判断するS140に移行する。S140において、継続して電源が投入(ON)されている場合には、プリンター1000の動作命令を受け付ける(S10)まで待機状態が維持される。但し、プリンター1000の動作命令を受け付ける(S10)以前に、S140において電源が切断(OFF)されればフローは終了する。
経過時間t2と第2動作の閾値時間TBとの比較(S110)において、t2とTBとの比較結果が、
t2>TB
であった場合、第1供給管30aの内部の液体は記録(印刷)可能な濃度ρR以上であり、容器20の内部の液体は記録(印刷)可能な濃度ρR未満であると判断でき、第2動作(攪拌動作)(S111)に移行し、容器20内の液体を攪拌手段により攪拌し、記録(印刷)可能な濃度ρR以上の液体とする。第2動作(S111)が終了した時点で、第2計時手段572は経過時間t2をリセットし、再度、t2の計時をスタートさせる(S112)。但し、第1動作の経過時間t1は継続して計時される。
S112実行後、プリンター1000は待機(S130)状態となり、電源のオンオフを判断するS140に移行する。S140において、継続して電源が投入(ON)されている場合には、プリンター1000の動作命令を受け付ける(S10)まで待機状態が維持される。但し、プリンター1000の動作命令を受け付ける(S10)以前に、S140において電源が切断(OFF)されればフローは終了する。
第1動作の経過時間t1と閾値時間TAとの比較(S100)において、
t1>TA
であった場合、第2動作の経過時間t2と閾値時間TBとの比較(S120)に移行する。S120において、
t2<TB
であった場合、第1供給管30aの内部の液体は記録(印刷)可能な濃度ρR以下ではある。しかし、容器20の内部に収容されている液体の濃度が記録(印刷)可能な濃度ρR以上に維持されているので、例えば第3動作(吐出動作)において、記録(印刷)可能な濃度ρRの液体が吐出ヘッド40から吐出され、容器20内に第1供給管30aから記録(印刷)可能な濃度ρR以下の液体が導入されても、容積が大きい容器20の内部の液体濃度の低下は少なく、印刷可能な濃度を維持できると判断し、プリンター1000は待機(S130)状態となり、経過時間t1およびt2は継続して計時される。
S120実行後、プリンター1000は待機(S130)状態となり、電源のオンオフを判断するS140に移行する。S140において、継続して電源が投入(ON)されている場合には、プリンター1000の動作命令を受け付ける(S10)まで待機状態が維持される。但し、プリンター1000の動作命令を受け付ける(S10)以前に、S140において電源が切断(OFF)されればフローは終了する。
S120において、
t2>TB
であった場合、第1供給管30aおよび容器20の内部の液体は、記録(印刷)可能な濃度ρR以下の濃度であると判断し、第1動作(置換動作)(S121)を実行し、第1供給管30aの低い濃度の液体を収容部10に収容された液体に置換する。次に、第2動作(攪拌動作)(S122)へ移行し、容器20内の液体を攪拌手段により攪拌し、記録(印刷)可能な濃度ρR以上の液体とする。なお、本実施形態において好ましい例として、第1動作を行った後に第2動作を行っているが、第1動作のみで第1供給管30a内は良好な濃度の液体に置換されるので、第2動作は必須の動作ではない。また、第2動作を行う場合は、第2動作を行った後に第1動作を行うと、尚一層好ましい。これにより、第2供給管30bも良好な濃度の液体に置換が可能になる。
次に、計時手段570の第1計時手段571はt1を、第2計時手段572はt2を、リセットし計時を再スタートさせる(S123)。S123実行後、プリンター1000は待機(S130)状態となり、電源のオンオフを判断するS140に移行する。S140において、継続して電源が投入(ON)されている場合には、プリンター1000の動作命令を受け付ける(S10)まで待機状態が維持される。但し、プリンター1000の動作命令を受け付ける(S10)以前に、S140において電源が切断(OFF)されればフローは終了する。
なお、本実施形態において、比較の結果t1=TAと判定された場合、及びt2=TBと判定された場合、どのように制御するかは設定者によって任意に定められる。
次に、命令の種別を判断するS11において、「所定の命令」と判断した場合のフローを説明する。なお、本実施形態では所定の命令の一般的な命令として、「印刷命令」を例示して説明する。図7は命令の種別を判断するS11において印刷命令(所定の命令)と判断した場合のフローを示す。
S11において印刷命令と判定されると、第1動作の経過時間t1と閾値時間TAとの比較(S200)に移行する。S200において、
t1<TA
であった場合、第2動作の経過時間t2と閾値時間TBとの比較(S210)に移行する。更に、S210において、
t2<TB
であった場合、第1供給管30aおよび容器20の内部に収容されている液体の濃度は、記録(印刷)可能な濃度ρR以上に維持されていると判断し、印刷動作となる第3動作(吐出動作)(S211)へ移行する。
印刷命令によって指示された印刷、すなわち第3動作が終了(S212)し、計時手段570の第1計時手段571はt1を、リセットし計時を再スタートさせる(S213)。なお、第3動作と同時に第2動作も実行されるよう装置が構成されている場合は、第2計時手段572はt2をリセットし計時を再スタートさせることとなる。また、第3動作において非常に多くの液体を消費した場合は、容器20内の液体も高い濃度となっていると判断をして、第3動作終了(S212)を、第1動作の終了、および第2動作の終了として、第1計時手段571による経過時間t1と第2計時手段572により経過時間t2の計時をリセットし再スタートさせてもよい。
次に、電源のオンオフを判断するS230に移行する。S230において、継続して電源が投入(ON)されている場合には、プリンター1000の動作命令を受け付ける(S10)まで待機状態が維持される。但し、プリンター1000の動作命令を受け付ける(S10)以前に、S230において電源が切断(OFF)されればフローは終了する。
S210において、
t2>TB
であった場合、第1供給管30aの内部に収容されている液体の濃度は、記録(印刷)可能な濃度ρR以上に維持されているが、容器20の内部に収容されている液体の濃度は、記録(印刷)可能な濃度ρR以下であると判断され、容器20内の濃度を記録(印刷)可能な濃度ρR以上にするように、第2動作(攪拌動作)(S214)へ移行する。S214を実行することで、第1供給管30aの内部および容器20の内部の液体は、記録(印刷)可能な濃度ρR以上になるので、第3動作(吐出動作)(S215)へ移行する。
第3動作の終了(S216)以降は、上述のS213以降と同じであるので、説明は省略する。
以上、第1動作の経過時間t1が閾値時間TAを超えない場合は、第1動作(置換動作)を実行しなくても所定の記録品質を維持できる液体を吐出ヘッド40から吐出することができ、無駄な液体の廃棄を抑制することが出来る。
次に、S200において、
t1>TA
であった場合、第1供給管30a内の液体は沈降し得る成分が十分に沈降した状態、すなわち記録(印刷)可能な濃度ρR以下であると判断できるが、第2動作の経過時間t2と閾値時間TBとの比較(S220)に移行し、更に、S220において、
t2<TB
であった場合、第2動作(攪拌動作)(S221)へ移行する。
すなわち、容器20内の液体濃度は記録(印刷)可能な濃度ρR以上に維持されていると判断できる。しかし、第1供給管30aから記録(印刷)可能な濃度ρR以下の液体が導入されるため、容器20内の液体濃度は低下し、印刷可能な濃度を維持できない虞がある。この場合の一例としては、何ら動作を行わずに第3動作へ移行する。利点としては、第2動作を行わないことで、次回の印刷動作時にT2>TBとなっている可能性がある。一方、他の例としては、容器20内の液体を攪拌し、第1供給管30aから記録(印刷)可能な濃度ρR以下の液体が導入されても、容器20内の液体が記録(印刷)可能な濃度ρR以上の濃度を可能な限り維持するために第2動作(攪拌動作)(S221)を実行してもよい。
次に、第3動作(吐出動作)(S222)へ移行する。第3動作(S222)以降は上述のS211以降と同じであるので、説明は省略する。
次に、S220において、
t2>TB
であった場合、第1動作(置換動作)(S225)に移行する。第1動作(S225)実行の後、第2動作(攪拌動作)(S226)へ移行し、第3動作(吐出動作)(S227)へ移行し、印刷が実行される。第3動作(S227)以降は上述のS211以降と同じであるので、説明は省略する。なお、本実施形態において好ましい例として、第1動作を行った後に第2動作を行っているが、第1動作のみで第1供給管30a内は良好な濃度の液体に置換されるので、第2動作は必須の動作ではない。また、第2動作を行う場合は、第2動作を行った後に第1動作を行うと、尚一層好ましい。これにより、第2供給管30bも良好な濃度の液体に置換が可能になる。
上述のS200においてt1>TA、S220においてt2>TBであった場合、第1供給管30aおよび容器20の内部の液体は、記録(印刷)可能な濃度ρR以下の濃度であると判断される。そこで、第1供給管30a内の低い濃度の液体を排出させ収容部10の液体と置換動作を実行させる。すなわち、第1供給管30aの内容積と同じ量の液体を容器20から排出させることで実行される。この場合、容器20内の液体濃度も記録(印刷)可能な濃度ρR以下の濃度であるため、置換動作によって液滴吐出装置100から排出される液体には、含まれる沈降し得る成分は少なく抑制することができる。
なお、本実施形態において、上述と同様、比較の結果t1=TAと判定された場合、及びt2=TBと判定された場合、どのように制御するかは任意に定められる。
(変形形態1)
以下、上述の実施形態の変形形態について述べる。変形形態1では、経過時間t1とt2を比較し、第1動作(置換動作)の要否を判断する。すなわち、経過時間t1が第1閾値時間TAを超えていた場合、上述の実施形態では、次に経過時間t2と第2閾値時間TBとを比較し、第1動作もしくは第2動作を行うように制御されるが、本変形形態では、経過時間t1とt2を比較する。経過時間t1が第1閾値時間TAを超えていた場合、次に経過時間t1とt2を時間比較手段により比較する。比較結果がt1>t2であった場合、次のように制御される。
経過時間t1は第1閾値時間TAを超えているため、第1供給管30a内の液体は収容部10に収容された適正濃度の液体と置換される第1動作を実行することが望ましい。しかし、第1動作を頻繁に実行すると、第3動作に供されない液体、すなわち無駄に廃棄される液体が多くなり、被吐出媒体への記録可能な量が減少してしまう。しかし、t1>t2であることが判定されると、容器20の経過時間t2は、第1供給管30a内の液体が沈降してしまっている時間、すなわち第1閾値時間TAより短い時間であると判定することができ、容器20内の液体は、沈降が途中の適正濃度に近い濃度と考えられる。
従って、適正濃度の近い容器20内の液体を排出させないために、経過時間t1が第1閾値時間TAを超えていた場合、次に経過時間t1とt2を時間比較手段により比較し、比較結果がt1>t2であると判定されると第1動作を行わないように制御しても良い。こうすることで、無駄な液体の排出を抑制し、被吐出媒体への吐出量を多くすること、例えば印刷枚数を多くすることができる。
(変形形態2)
変形形態2では、時間TAは第1供給管30a内の液体に含有される成分が沈降し、第1動作(置換動作)が必要な時間で設定されている。また、時間TBは、容器20内の液体に含有される成分が沈降し、第2動作(攪拌動作)が必要な時間で設定されている。この場合、S120及びS220が、上述の実施形態に対して異なってくる。なお、本形態では上述のように設定を行っているが、時間の設定をどのように行うかは、設定者によって任意に定められる。
本形態では、装置は経過時間t1、t2に対応する濃度を取り出す、濃度テーブルを有している。具体的には、経過時間t1が例えば12時間であった場合、現在(12時間経過)の第1供給管30aの濃度(第1濃度ρA)に相当するデータを濃度テーブルから取り出すことが可能である。また、経過時間t2においても同様の濃度テーブルから容器20内の濃度(第2濃度ρB)を取り出すことが可能に構成されている。
図6のS120では、t2>TBより、置換動作が必要と判断されている。この場合、変形形態2では、それぞれ対応する濃度テーブルから第1濃度ρAと第2濃度ρBを取り出し、両者を比較する図示しない濃度比較手段を有している。そして、ρA<ρBと判断された場合、置換動作を行うと容器20内の液体の濃度がさらに低くなってしまうので、何ら動作を行わずに、待機状態に入る(図6のS130に相当)。
一方、ρA>ρBと判断された場合、置換動作を行っても容器20内の液体の濃度は低くならないので、第1動作を行い、第2動作を行うよう構成されている。これにより、より一層精密に現状の濃度に応じた動作を取ることが可能になる。なお、この場合、容器20内の濃度が必ずしも印刷出来ない濃度であるとは限らないので、第2動作は必須の動作ではない。
また、図7のS220では、濃度比較手段による比較の結果、t2>TBより、置換動作が必要と判断されている。この場合、変形形態では、それぞれ対応する濃度テーブルから第1濃度ρAと第2濃度ρBを取り出し、両者を比較する。そして、ρA<ρBと判断された場合、置換動作を行うと容器20内の液体の濃度がさらに低くなってしまうので、上述のように何ら動作を行わないか、攪拌動作を行って印刷動作に入る(図7のS222に相当)。
一方、濃度比較手段による比較の結果、ρA>ρBと判断された場合、置換動作を行っても容器20内の液体の濃度は低くならないので、第1動作を行い、第2動作を行うよう構成されている。そして、この後第3動作が行われる(図7のS227に相当)。これにより、より一層精密に現状の濃度に応じた動作を取ることが可能になる。また、上述と同様、第2動作は必須の動作ではない。
なお、上述と同様、ρA=ρBと判断された場合の動作は、設定者によって任意に設定された動作を行う。
また、上述の実施形態では、所定の命令に付随させて経過時間を比較しているが、必ずしもこの態様には限定されない。具体的には、経過時間がそれぞれ対応する閾値時間を超えた場合に、自動的に第1動作または第2動作を行っても良い。また、電源が入力されていない場合は、自動的に電源を入れて上述の動作を行っても良い。
10…収容部、20…容器、30…液体供給管、40…吐出ヘッド、50…キャリッジ、100…液滴吐出装置。

Claims (6)

  1. 沈降し得る成分を含有する液体を収容する液体収容部と、
    前記液体収容部から前記液体を供給する液体供給管と、
    前記液体供給管を介して接続される容器と、
    前記容器と接続され前記容器から前記液体が供給され、被吐出媒体に対して前記液体を吐出させる吐出ヘッドと、
    前記容器内の前記液体を攪拌させる攪拌手段と、
    所定の命令が入力される入力手段と、を備えた液滴吐出装置であって、
    前記被吐出媒体以外に前記吐出ヘッドから前記液体の排出を行わせる第1動作と、前記攪拌手段により前記容器内の攪拌を行わせる第2動作と、前記被吐出媒体に前記液体の吐出を行わせる第3動作と、を制御する制御手段と、
    前記第1動作、攪拌動作であって置換動作の後に行う動作、印刷動作、の中から選択されるいずれかの動作が最後に終了してから前記入力手段に所定の命令が入力されるまでの経過時間の第1経過時間t1を計測する第1計時手段と、
    前記容器の前記第2動作の実行終了から前記入力手段に所定の命令が入力されるまでの経過時間の第2経過時間t2を計測する第2計時手段と、を有する、
    ことを特徴とする液滴吐出装置。
  2. 前記第1経過時間t1と、前記第1経過時間t1に対応する第1閾値時間TAとを比較する第1比較手段と、
    前記第2経過時間t2と、前記第2経過時間t2に対応する第2閾値時間TBとを比較する第2比較手段と、を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出装置。
  3. 前記制御手段は、前記第1経過時間t1が前記第1閾値時間TAを経過したと判定した場合には前記第1動作を行わせる、
    ことを特徴とする請求項2に記載の液滴吐出装置。
  4. 前記制御手段は、前記第2経過時間t2が前記第2閾値時間TBを経過したと判定した場合には前記第2動作を行わせる、
    ことを特徴とする請求項2に記載の液滴吐出装置。
  5. 前記第1経過時間t1と前記第2経過時間t2とを比較する時間比較手段を有し、
    前記第1経過時間t1が前記第1閾値時間TAを経過したと判定した場合、前記時間比較手段における比較結果がt1>t2である場合、前記制御手段は前記第1動作を行わせない、
    ことを特徴とする請求項2に記載の液滴吐出装置。
  6. 前記第1経過時間t1と前記第2経過時間t2とに対応する、前記容器内及び前記液体供給管内の濃度データを含む濃度テーブルと、
    前記濃度テーブルから取り出した前記容器内の濃度と前記液体供給管内の濃度とを比較する濃度比較手段と、を有し、
    前記制御手段は、前記第1比較手段の比較結果、前記第1経過時間t1が前記第1閾値時間TAを経過した場合に、前記濃度比較手段により濃度比較を行い、
    前記濃度比較手段による比較の結果、前記液体供給管の濃度の方が高いと判断した場合には、前記第1動作を行う、
    ことを特徴とする請求項2に記載の液滴吐出装置。
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