JP5621234B2 - 液体吐出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インク撹拌手段を前記キャリッジに設置することによって、沈殿によって濃度の低下したインクを印字ヘッドに供給することを軽減したインクジェットプリンターに関する。
図9は従来のインク供給機構を搭載したインクジェット印字装置であって、該インクジェットプリンターの印字機構(インクタンクと印字ヘッド及びインク供給チューブとの配置関係)としては以下の構成が知られている(特許文献1参照)。
図9において、インクジェット印字装置1は、印字機構内部に設けられ、かつ印字ヘッド(図示せず)を搭載したキャリッジ11上に設けられた、ダイヤフラムからなる圧力調整部12、印字機構外部に設けられた圧力調整部13、圧力調整部13及びインク供給チューブ14並びに圧力調整部12を介してキャリッジ11に搭載した印字ヘッドに供給するインクを貯蔵するインクタンク15、印字ヘッド及び圧力調整部12が搭載されたキャリッジ11をキャリッジガイド16に沿って駆動させるキャリッジ駆動ベルト17、キャリッジ駆動ベルト17を駆動するキャリッジ駆動用モーター18、印字用紙を印字位置に搬送するための印字用紙搬送ガイド部19を含んで構成されている。
キャリッジ駆動用モーター18が上位装置(図示せず)からの制御信号によって駆動してキャリッジ駆動ベルト17が駆動することにより、印字ヘッド及び圧力調整部12を搭載したキャリッジ11がキャリッジガイド16に沿って所定の印字位置に往復移動して印字用紙搬送ガイド部19から搬送された印字用紙上に印字が行われる。
その際、キャリッジ11に搭載した圧力調整部12に連結されたインク供給チューブ14は移動するキャリッジ11に伴って柔軟に屈曲する。圧力調整部12,13の大きさには違いがあり、キャリッジ11に設けられた圧力調整部12は軽量で小さく構成しており、圧力調整部13は大きくて圧力変動の抑制効果を最大限にとれるような構成になっている。
近年では、屋外向け印刷において、染料インクより耐久性が優れている顔料インクを用いることが主流となっている。例えば、上記図9に示す従来の印字装置(インクジェットプリンター)では、顔料等の色材を含んだインクが収容されているインクタンクから印字ヘッドまでインクを供給するために、供給チューブ(細管)を経由して、両者が結ばれているが、この両者の間隔をなるべく短く結ぶように、供給チューブは平坦に伸ばした状態で配置されるのが普通であった。
また、インクジェットプリンターは、連続的に使用されないで、数日若しくはそれ以上の休止期間を経て間歇的に使用されることがあるが、間隔があいてしまった場合には、インクジェットプリンターに使用される顔料インク(例えば、白色系インク)が沈降してしまい印刷濃度の不均一化や吐出不良、ノズル詰まりなどを生じる問題がある。特に白色系インクの顔料として使用される酸化チタンなどの無機顔料の場合においては、インクが流動していない期間(休止期間)に沈降しやすいという問題があった。
このような後者の問題、即ち、この白インクや金属光沢などの特色インクの場合、色材成分の粒子が重く沈降しやすい分散型のインクとなるのが一般的である。特にこのような分散型のインクであると、インクジェット装置が数時間稼動しない場合、インクジェット装置内に装着されたインク供給カートリッジ内で沈殿が顕在化して、吐出不良が発生する可能性を防止するものとして以下のものが知られている(特許文献2参照)。
「(1)活性エネルギーの照射により硬化するインクを貯留するインクカートリッジであって、
貯留されているインク内部にその貯留インク攪拌部材を備えるインクカートリッジ。
(2)前記貯留インク攪拌部材が磁性回転子である(1)に記載のインクカートリッジ。
(3)活性エネルギーの照射により硬化するインクをインクジェットにより記録媒体上で画像形成する活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置であって、前記インクを前記記録媒体上に吐出するインクジェットヘッドを有する画像記録部と、貯留されたインク内部に攪拌部材を備えるインクカートリッジが着脱自在で、このインクカートリッジ装着時に前記インクジェットヘッドへ前記インクを供給するカートリッジ装着部と、前記カートリッジ装着時に前記攪拌部材に対応する前記インクジェット記録装置側に配置され、前記攪拌部材を所定タイミングで稼動できる攪拌部材駆動部とを備える活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置。」
特開2001−80088 特開2006−326929
上記特許文献2に記載のものは、カートリッジ内におけるインク(白インクや金属光沢インク)の沈殿を撹拌するものであって、インクタンク(カートリッジ)と印字ヘッドとの間を水平に配置されたインク供給管内に沈殿した沈殿物に対する配慮は何等なされてはいないのが実情であった。
インク供給管内に顔料(この例では酸化チタン)が沈降した場合の問題点について図1を用いて説明する。図4(a)は、インクタンク(カセット)1とインクヘッド2との間を水平に配置された細管(インク供給管)3で接続した状態を模式的に示している。図4(a)に示すように、インクジェットプリンターが、長い期間の休止状態になると、インクに含まれる顔料が図4(a)の3aの如く沈降した状態になる。顔料3aの上部は、顔料の薄い状態のインク3bが上澄み状態になっている。
ここで、インクジェットプリンターが長い期間の休止状態から稼働状態になって、インクヘッド2からインクが排出(吐出)状態になると、しばらくの間、細管3内の上部の顔料濃度の薄い状態のインク3bが主に排出(吐出)される。
その後、顔料濃度の薄い状態のインク3bの排出及びインクタンクからの撹拌されたインクの供給に伴って、沈降した顔料に接している部分が徐々に撹拌されるが、沈降した顔料が全てインクに混合され、所望の顔料濃度に達するまでに多くの時間を要する。このことを、媒体のプリント結果からみると、意図した顔料濃度ではない、薄い濃度のプリントが所定時間続くことになるので、印刷状態としては好ましくなく、この期間(所望の顔料濃度となるインク状態に回復するまでの期間)はインクの無駄撃ちや排出をせざるを得ないという問題が生じる。
このような、インクジェットプリンターに使用する顔料インクの沈降に対する対策としては、インクを収容するインクタンクを振動させたり、タンク内を攪拌する等で、沈降した顔料を混合する対策があったが、インクタンクと印字ヘッド間のインク供給管における顔料の沈降に対しては、いままで何等有効な対策が講じられてはいなかった。
本発明の課題(目的)は、顔料等の沈降性物質を含む液体をインク供給管を介して間歇的にインクを供給するインクジェットプリンターにおける前記沈降性物質の濃度差を短時間で平準化することが可能なインクジェットプリンターに関する。
上記の課題を解決するため、本発明のインクジェットプリンターは、
印字ヘッドを搭載したキャリッジを主走査方向に往復移動し、印字媒体を主走査方向に対して鉛直方向に移動させて画像を印字媒体に記録するインクジェットプリンターにおいて、
インクタンクと前記印字ヘッドを結ぶインク供給管の前記印字ヘッド側近傍に挿入されたインク撹拌手段を前記キャリッジに設置したことを特徴とする。
また、前記撹拌手段は、容器内で移動可能な撹拌球を内蔵した撹拌容器であって、前記キャリッジの往復移動にともなって、インクの沈殿物を撹拌することができる。
また、前記撹拌容器は、底面部と、上面部と、前記インク供給管に接続された第1側面部と、第2側面部と、を備え、前記底面部は、凸曲面であることがことができる。
撹拌容器の底面部が凸曲面であると、撹拌容器内に供給されたインクの沈殿物が、底面部の凸部分に集まりやすい。また、撹拌球は、底面部の凸部分に位置しやすくなり、底面部の凸部分に沿って移動しやすくなる。このため、撹拌球が移動すると、インクの沈殿物をより効率的に撹拌することができる。
また、前記撹拌容器は、前記インク供給管に接続された第1側面部を備えた円筒形状または楕円筒形状であって、かつ、前記キャリッジの主走査方向と直交する断面形状が円形または楕円形であることができる。
撹拌容器が円筒形状または楕円筒形状であると、撹拌容器内に供給されたインクの沈殿物が、撹拌容器の底部の中央部に集まりやすい。また、撹拌球は、撹拌容器の底部の中央部に位置しやすくなり、底部の中央部に沿って移動しやすくなる。このため、撹拌球が移動すると、インクの沈殿物をより効率的に撹拌することができる。
また、前記第1側面部は、凸曲面であることができる。
撹拌容器の第1側面部が凸曲面であると、第1側面部と円筒形状を有する部分との接続部に、撹拌球が接触しやすくなる。そのため、第1側面部と円筒形状を有する部分との接続部に沈殿したインクは、撹拌球によって、より効率的に撹拌されることができる。
また、前記インク供給管は、管の少なくとも一部に当該管の内径よりも大きい幅の、前記液体を供給する方向で高低差を有する領域部として、らせん状又は円形状で形成されることができる。
また、前記インク供給管は、管の少なくとも一部に当該管の内径(r)よりも大きい幅(H)の、前記液体を供給する方向で高低差を有する領域部(D)として、サイン状又は波状で形成されることができる。
なお、上記波状には、単一周波数成分で形成されるサイン波(単調波)及び複数周波数成分で形成される複合波が含まれる。前記湾曲部又は波状の傾斜は、前記液体の上昇方向よりも下降方向が急峻であることが望ましい。そして、前記液体の流れ方向に沿った傾斜が上昇方向(下降方向)とは、液体が湾曲部又は波状部を通過する際の上昇又は下降ときの細管の傾きを意味し、液体は湾曲部又は波状部で緩やかに上昇して、急激に下降することになる。
また、前記液体の顔料として酸化チタンを含むことを特徴とする。
なお、本発明に用いられる沈降性物質を含むインクとは、一般的な顔料インクに比べて、溶媒と顔料との比重差が大きい液体(インク)を示す。具体的には、分散溶媒(水は比重1、有機溶剤は1以下)に対して、一般的な顔料であるカーボンブラックや有機顔料の比重程度であるが、酸化チタンは3.7〜4.2であり、溶媒と顔料の比重差が1以上の液体(インク)のことをしめす。
また、本発明では酸化チタンに限らず、亜鉛、鉛、バリウム、チタン、アンチモン等の酸化物、硫酸塩、炭酸塩などの白色系顔料や、アルミ及びアルミ合金などのメタリック系顔料(一例として特開2008−174712号公報)も使用できる。
なお、本発明に用いられるインクとしては、水系インクを例として説明しているが、紫外線硬化型インクにも適用できる。また、沈降性物質を含むものであれば、媒体は、水でも、溶剤でも、重合性モノマーでも良い。
本発明に用いられるインク組成物において、白色系顔料を含む場合、白色系顔料の含有量(固形分)は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは5〜20質量%であり、より好ましくは8〜15質量%である。白色系顔料の含有量(固形分)が20質量%を超えると、インクジェット式記録ヘッドの目詰まりなど信頼性を損なうことがある。一方、5質量%未満であると、白色度が不足する傾向にある。そして分散性向上のため、白色系顔料の粒径を、好ましくは2.0μm以下、さらに好ましくは0.2μm以下とする。
本発明に用いられるインク組成物は、本発明の顔料を定着させる樹脂を含む。係る樹脂としては、アクリル系樹脂(例えば、アルマテックス(三井化学社製))、ウレタン系樹脂(例えば、WBR−022U(大成ファインケミカル社製))が挙げられる。
これらの定着樹脂の含有量は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは0.5〜10質量%であり、より好ましくは0.5〜3.0質量%である。
本発明に用いられるインク組成物は、アルカンジオールおよびグリコールエーテルから選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。アルカンジオールやグリコールエーテルは、記録媒体などの被記録面への濡れ性を高めてインクの浸透性を高めることができる。
アルカンジオールとしては、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオールなどの炭素数が4〜8の1,2−アルカンジオールであることが好ましい。この中でも炭素数が6〜8の1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオールは、記録媒体への浸透性が特に高いため、より好ましい。
グリコールエーテルとしては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどの多価アルコールの低級アルキルエーテルを挙げることができる。この中でも、トリエチレングリコールモノブチルエーテルを用いると良好な記録品質を得ることができる。
これらのアルカンジオールおよびグリコールエーテルから選択される少なくとも1種の含有量は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは1〜20質量%であり、より好ましくは1〜10質量%である。
また、本発明に用いられるインク組成物は、アセチレングリコール系界面活性剤またはポリシロキサン系界面活性剤を含有することが好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤またはポリシロキサン系界面活性剤は、記録媒体などの被記録面への濡れ性を高めてインクの浸透性を高めることができる。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オール、2,4−ジメチル−5−ヘキシン−3−オールなどが挙げられる。また、アセチレングリコール系界面活性剤は、市販品を利用することもでき、例えば、オルフィンE1010、STG、Y(以上、日信化学社製)、サーフィノール104、82、465、485、TG(以上、Air Products and Chemicals Inc.製)が挙げられる。
ポリシロキサン系界面活性剤としては、市販品を利用することができ、例えば、BYK−347、BYK−348(ビックケミー・ジャパン社製)などが挙げられる。
さらに、本発明に用いられるインク組成物は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤などのその他の界面活性剤を含有することもできる。
上記界面活性剤の含有量は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは0.01〜5質量%であり、より好ましくは0.1〜0.5質量%である。
本発明に用いられるインク組成物は、多価アルコールを含有することが好ましい。多価アルコールは、本発明に用いられるインク組成物をインクジェット式記録装置に適用した場合に、インクの乾燥を抑制し、インクジェット式記録ヘッド部分におけるインクの目詰まりを防止することができる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。
上記多価アルコールの含有量は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは0.1〜30質量%であり、より好ましくは0.5〜20質量%である。
本発明に用いられるインク組成物は、溶媒として水を含有する。水は、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水などの純水または超純水を用いることが好ましい。特に、これらの水を紫外線照射または過酸化水素添加などにより滅菌処理した水は、長期間に亘りカビやバクテリアの発生を抑制することができるので好ましい。
さらに、本発明に用いられるインク組成物は、必要に応じて、水溶性ロジンなどの定着剤、安息香酸ナトリウムなどの防黴剤・防腐剤、アロハネート類などの酸化防止剤・紫外線吸収剤、キレート剤、酸素吸収剤などの添加剤を含有させることができる。これらの添加剤は、1種単独で用いることもできるし、もちろん2種以上組み合わせて用いることもできる。
本発明のインクジェットプリンターは、キャリッジの往復移動によって、撹拌手段が作用してインクを撹拌する。そのため、本発明のインクジェットプリンターは、長い休止期間後に沈降したインクを充分に撹拌できるので、通常の顔料濃度に達するまでの時間を短縮することができる。これにより、インクの無駄撃ち等に消費していたインク量を、節減することができる。
本発明のインク供給機構を搭載したインクジェット印字装置を模式的に示す図である。 本発明の撹拌容器4の詳細な例を示す図である。 本発明で、インクジェットプリンターの休止期間後における沈降した顔料が通常の顔料濃度に達するまでの時間を短縮可能な顔料の濃度平準化を実現する原理を説明する図である。 参考例のインク供給管の実施の形態を示す図である。 沈降した顔料が全てインクに溶融して通常の顔料濃度に達するまでのインクの消費量を少なくできることを説明するグラフである。 参考例のインク供給管の別の実施の形態を示す図である。 本発明の第2の実施の形態における沈降性物質の濃度差を短時間で平準化する作用を説明する図である。 第2の実施の形態において、沈降した顔料が全てインクに溶融して通常の顔料濃度に達するまでのインクの消費量を少なくできることを説明するグラフである。 従来のインク供給機構を搭載したインクジェット印字装置におけるインクタンクとヘッド及びインク供給チューブとの配置関係を示す図である。 本発明の撹拌容器を示す斜視図である。 本発明の撹拌容器を示す斜視図である。 本発明の撹拌容器を示す斜視図である。 本発明の撹拌容器を示す斜視図である。
図1は本発明のインク供給機構を搭載したインクジェット印字装置であって、該インクジェットプリンターの印字機構(インクタンクと印字ヘッド及びインク供給路に挿入されたインク撹拌手段との関係)を示す外観図である。
図1において、インクジェット印字装置1は、印字機構内部に設けられ、かつ印字ヘッド(図示せず)を搭載したキャリッジ11上に設けられた、インク供給チューブ14を介してキャリッジ11に搭載した印字ヘッドに供給するインクを貯蔵するインクタンク15、印字ヘッド及び圧力調整部(図示せず)が搭載されたキャリッジ11をキャリッジガイド16に沿って駆動させるキャリッジ駆動ベルト17、キャリッジ駆動ベルト17を駆動するキャリッジ駆動用モーター18、印字用紙を印字位置に搬送するための印字用紙搬送ガイド部19を含んで構成されている。
キャリッジ駆動用モーター18が上位装置(図示せず)からの制御信号によって駆動してキャリッジ駆動ベルト17が駆動することにより、印字ヘッド及び圧力調整部(図示せず)を搭載したキャリッジ11がキャリッジガイド16に沿って所定の印字位置に往復移動して印字用紙搬送ガイド部19から搬送された印字用紙上に印字が行われる。
なお、印字ヘッドとしては、字を記録媒体に印刷するものに限らず、例えば、字以外の絵やパターン等を記録媒体に印刷するものも含む。
図1において、インク供給路14の図示しない印字ヘッド側近傍には、本発明の特徴部分であるインク撹拌手段4がキャリッジの往復移動方向に沿って設置(固定)されている。
インク撹拌手段は、例えば、1例として、インク供給路に入力及び出力口が接続された横方向に長い容器(撹拌容器)であって、キャリッジに固定された容器内部には移動可能な撹拌球を1乃至複数個内蔵している。
撹拌手段の容器内のインクは、キャリッジの往復移動に伴って内蔵された撹拌球が移動することによって、インクが撹拌されてインク濃度が均一化される。
次に、図1の撹拌容器4の詳細な例を図2、図10、図11、および図12を用いて説明する。
図2において、撹拌容器4は、図示しないインクタンクと印字ヘッド2を結ぶインク供給管14の印字ヘッド側近傍に挿入されたインク撹拌容器(撹拌手段)であって、当該撹拌容器4内には、撹拌球4−1および撹拌球4−2の2個(必ずしも2個である必要はない)が移動可能に内蔵されている。
撹拌球は、インクの沈殿物が容器下部に蓄積するので、撹拌容器の底部に沿って移動するのが望ましい。
撹拌球は、撹拌容器4に供給されるインクの比重よりも高い比重の材質を用いることが好ましく、2.5g/cm以上の比重の材質を用いることがより好ましい。例えば、撹拌球の材質としては、ケイ酸塩を主成分とするガラスや、酸化ジルコニウム等を挙げることができる。撹拌球の比重が撹拌容器4に供給される液体の比重よりも高いことによって、撹拌容器4に沈降した成分の撹拌を効果的に行うことができる。
撹拌容器4の形状としては、例えば、以下の形状を挙げることができる。
本発明における撹拌容器4は、底面部と、上面部と、インク供給管に接続された第1側面部と、第2側面部と、を備え、底面部は、凸曲面であることが好ましい。
図10は、撹拌容器4の一例を示す斜視図である。図10における撹拌容器4aは、図2における撹拌容器4に相当する。図10に示すように、撹拌容器4aは、凸曲面を備えた底面部32と、上面部34と、インク供給管14に接続された第1側面部38と、第2側面部36と、を有している。また、図10に示すように、底面部32は、第1側面部38および第2側面部36と接続され、かつ、連続した面を有している。また、上面部34は、第1側面部38および第2側面部36と接続され、かつ、連続した面を有している。
撹拌容器4aの底面部32は凸曲面であるため、撹拌容器4a内に供給されたインクの沈殿物が底面部32の凸部分に集まりやすい。また、撹拌球4−1および撹拌球4−2は、底面部32の凸部分に位置しやすくなり、底面部32の凸部分に沿って移動しやすくなる。
つまり、インクの沈殿物は、撹拌球4−1および撹拌球4−2の移動する軌道に多く残留しているともいえる。したがって、撹拌球4−1および撹拌球4−2が移動することによって、インクの沈殿物をより効率的に撹拌することができる。
本発明における撹拌容器4は、インク供給管に接続された第1側面部を備えた円筒形状または楕円筒形状であって、かつ、キャリッジの主走査方向と直交する断面形状が円形または楕円形であることが好ましい。
図11は、撹拌容器4の1例を示す斜視図である。図11における撹拌容器4bは、図2おける撹拌容器4に相当する。図11の例では、撹拌容器4bは、円筒形状であるが、楕円筒形状であってもよい。具体的には、図11における撹拌容器4bは、円筒形状を有する部分42と、その側面(第1側面部48)と、が接続され、かつ、連続した面を有している。
撹拌容器4bは円筒形状または楕円筒形状であるため、撹拌容器4b内に供給されたインクの沈殿物が撹拌容器4bの底部の中央部に集まりやすい。また、撹拌球4−1および撹拌球4−2は、撹拌容器4bの底部の中央部に位置しやすくなり、底部の中央部に沿って移動しやすくなる。
つまり、インクの沈殿物は、撹拌球4−1および撹拌球4−2が移動する軌道に多く残留しているともいえる。したがって、撹拌球4−1および撹拌球4−2が移動することによって、インクの沈殿物をより効率的に撹拌することができる。
本発明における撹拌容器4は、さらに、前記第1側面部が、凸曲面であることがより好ましい。
図12は、撹拌容器4の一例を示す斜視図である。図12における撹拌容器4cは、図2おける撹拌容器4に相当する。図12における撹拌容器4cは、第1側面部58が凸曲面である以外は、図11における撹拌容器4bと同様の形状を有する。具体的には、図12における撹拌容器4cは、円筒形状を有する部分52と、その側面(第1側面部58)と、が接続され連続した面を有している。
図10に示すように、撹拌容器4aは、第1側面部38が凸曲面を有していない。このため、側面部38と底面部32との接続部分に沈殿したインク組成物は、撹拌球4−1および撹拌球4−2と接触しにくくなるため、撹拌されにくくなる。また、図11に示すように、撹拌容器4bも同様である。
これに対して、図12に示す撹拌容器4cのように、第1側面部58が凸曲面であると、第1側面部58と円筒形状を有する部分52との接続部分に撹拌球4−1および撹拌球4−2が接触しやすくなる。そのため、第1側面部58と円筒形状を有する部分52との接続部分に沈殿したインクは、撹拌球4−1および撹拌球4−2によって、より効率的に撹拌される。
図3は、本発明の第1の実施形態を本発明のインク撹拌手段(撹拌容器)を搭載したことによる効果を説明するためのグラフである。図3において、縦軸は、ヘッドから噴射されるインクの白色度であって、通常の使用状態の白色度を0とし、白色度の低下率を示している。また、横軸は、通常のインクの白色度になるまでの、インクの消費量を示している。白抜き三角は従来のインク撹拌手段(撹拌容器)のないものである。黒丸は、従来のプリンターに本発明のインク撹拌手段(撹拌容器)を搭載した場合である。
なお、撹拌容器4としては、図13に示す撹拌容器4dを用いた。図13に示すように、撹拌容器4dは、底面部62と、上面部64と、インク供給管14に接続された第1側面部68と、第2側面部66と、を有している。撹拌容器4dは、底面部62が平面形状である以外は、図10に示す撹拌容器4aと同様である。
図3では、インクに沈降の激しい酸化チタン顔料を使用し、10日間休止後に、透明メディアに印刷して、印刷物のL*値(白色度)を測定している。
図3の測定条件は下記のとおりである。
使用プリンター:EPSON PX−G930
使用メディア:KOKUYO OHPフィルム インクジェットプリンター用
インク組成:
二酸化チタン(平均粒径200nm) 10質量%
分散剤(スチレン−アクリル酸共重合体) 2質量%
1,2−ヘキサンジオール 5質量%
グリセリン 10質量%
トリエタノールアミン 0.9質量%
BYK−348(ビックケミー・ジャパン株式会社) 0.5質量%
超純水 残分
計 100質量%
評価方法
プリンター(EPSON PX−G930)でインクを透明メディアにDuty100%でベタ印刷を行い、2時間以上の乾燥後、測色器(製品名:Spectrolino,GretagMacbeth社製)で測色する。測色方法は印刷物の下に、プリンター(製品名:EPSON PM−A700,セイコーエプソン社製)で写真用紙(製品名:(クリスピア,セイコーエプソン社製)に黒ベタ印刷を行った黒色用紙を敷いて行った。その測色で得られたL*の値を白色度の値として規定して、そのL*値を基準の値とする。その後、プリンター(EPSON PX−G930)を未使用のまま放置してインクの顔料を沈降させ、10日間後に同様に印刷、測色を行った。そして、印刷物のインク消費量毎にL*値の低下率を求め、評価した。その結果を表1に示す。
Figure 0005621234
表1に示す如く、従来の撹拌容器なしの場合は、白色度の最大低下率は13%まで低下しているのに対して、本願の撹拌容器を搭載した場合では、白色度の最大低下率は7%であって、通常の白色度からの乖離が少なくなっていることが理解できる。
次に、撹拌容器の形状によるインクの吸光度を比較した。なお、インクの吸光度は、インクの濃度に比例することが知られている。例えば、沈降物を含むインク組成物の吸光度は、充分に撹拌が行われていれば、一定の値を示す。一方、インク組成物の撹拌が充分に行われていないと、インク組成物中の沈降物が沈降するので、吸光度が低下する。
撹拌容器の形状によるインクの沈降度の測定については、以下の手順で行った。まず、撹拌容器に、上記図3の測定時に用いたインク組成と同様のインク組成物を12g投入し、遠心分離器を用いて、インク組成物に含まれる沈降物と液体とを分離した。なお、遠心分離は、回転半径21cm、遠心加速度600rpmの条件下で、2時間行った。
その後、撹拌容器をプリンター(製品名:EPSON PX−G930,セイコーエプソン社製)のキャリッジに、キャリッジの主走査方向に平行となるように取り付けた。このとき、撹拌容器は、インクタンク15からのインクの供給や、印字ヘッド2へのインクの供給が行われないように、インク供給チューブ14が接続されないようにした。つまり、撹拌容器は、インク組成物の投入後、密閉されている。
次いで、プリンターのノズルチェックパターン動作によって、撹拌容器を撹拌した。その後、撹拌容器のインク組成物を1g取り出し、蒸留水を加えて1000倍に希釈した。
次いで、分光光度計(製品名:Spectrophotometer U−3300,日立製作所製)を用いて、希釈したインク組成物の波長500nmにおける吸光度(Abs値)を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 0005621234
表2におけるサンプルAでは、図12に示す撹拌容器4cを用いた。また、サンプルBでは、図13に示す撹拌容器4dを用いた。
表2における「ブランク」とは、上記の遠心分離操作前のインク組成物の吸光度を示すものである。なお、遠心分離操作前のインク組成物の吸光度は、上記の撹拌操作後のインク組成物の吸光度測定と同様の条件で行った。表2における「撹拌後」とは、上記の撹拌操作後のインク組成物の吸光度を示すものである。
表2における「低下率」とは、下記式(1)によって求められる値である。低下率は、「ブランク」において測定した吸光度から「撹拌後」において測定した吸光度の値の低下を示すものである。低下率が小さい程、インク組成物の撹拌効率が優れていることを示す。
低下率(%)=100×((ブランクの吸光度)−(撹拌後の吸光度))/(ブランクの吸光度)・・・(1)
表2の通り、サンプルAの低下率は5%であり、サンプルBの低下率は24%であった。このように、サンプルAの撹拌効率が優れていることが確認できた。サンプルAは、円筒形状を有する部分52と、凸曲面を有する第1側面部58と、が接続され、かつ、連続した面を有している。そのため、サンプルAのインク組成物は、サンプルBのインク組成物に比べて、より効率的に撹拌される。
次に、顔料等の沈降性物質を含む液体をインク供給管を介して間歇的にインクを供給するインクジェットプリンターにおける前記沈降性物質の濃度差による白色度の最大低下率の軽減のための別の方法として、上述のインク撹拌手段(撹拌容器)の搭載と併用可能な参考例について以下に詳述する。
第1の参考例を以下に示す。図4(a)、(b)を用いて、参考例であるインクジェットプリンターの休止期間後における沈降した顔料が全てインクに溶融して通常の顔料濃度に達するまでの時間を短縮可能な顔料の濃度平準化を実現する原理について説明する。
図4(b)は、図4(a)のインクタンク(カセット)1とヘッド2との間を水平に配置された細管3で接続した状態と同じ構成で、図4(a)と相違している点は、図4(b)では、細管が水平に配置されているのに対して、細管が上下方向(大地に対して)らせん状に3回湾曲(必ずしも3回である必要はない)している点である。図4(b)の細管は、直径2mmである。また、らせん(円形)の直径は、5cm以下であって、細管の直径以上であることが望ましい。
図4(b)では、図4(b)における沈降物質3aは、細管3が大地に対してらせん状に回転して配置されているので、細管のらせん状部の下部に細管の流路を閉鎖するように沈降する。また、顔料の薄い状態のインクは、らせん状細管の上部に存在している。したがって、細管の流路をインクタンク1からヘッド2の間で、顔料濃度の薄いインク部分と、沈降した顔料部分とが交互に配置された状態になっている。
この状態で、インクジェットプリンターが長い休止状態から稼働状態になって、ヘッド2からインクが排出状態になると、最初は顔料濃度の薄いインク部分によって、沈降した顔料部分が押し出して撹拌する形でヘッド2に供給されるので、インクジェットプリンターの休止期間後における沈降した顔料が全てインクに溶融して通常の顔料濃度に達するまでのインクの消費量を少なくすることが可能になる。
この沈降した顔料が全てインクに溶融して通常の顔料濃度に達するまでのインクの消費量を少なくできることを図5のグラフを用いて詳細に説明する。図5は、第1の参考例の効果を説明するためのグラフである。
図5において、縦軸は、ヘッドから噴射されるインクの白色度であって、通常の使用状態の白色度を0とし、白色度の低下率を示している。また、横軸は、通常のインクの白色度になるまでの、インクの消費量を示している。
白抜き三角は従来の平坦状に配置された細管(チューブ)(平坦状流路)であって、細管の長さは240cmである。黒丸は、本発明の円形状流路の場合であって、チューブの長さは同じく240cmである。
図5では、インクに沈降の激しい酸化チタン顔料を使用し、10日間休止後に、透明メディアに印刷して、印刷物のL*値(白色度)を測定している。図5の測定条件は、本発明の第1の実施の形態(図3の測定条件)と同じで下記のとおりである。
使用プリンター:EPSON PX−G930
使用メディア:KOKUYO OHPフィルム インクジェットプリンター用
インク組成:
二酸化チタン(平均粒径200nm) 10質量%
分散剤(スチレン−アクリル酸共重合体) 2質量%
1,2−ヘキサンジオール 5質量%
グリセリン 10質量%
トリエタノールアミン 0.9質量%
BYK−348(ビックケミー・ジャパン株式会社) 0.5質量%
超純水 残分
計 100質量%
評価方法
プリンター(EPSON PX−G930)でインクを透明メディアにDuty100%でベタ印刷を行い、2時間以上の乾燥後、測色器(製品名:Spectrolino,GretagMacbeth社製)で測色する。測色方法は印刷物の下、プリンター(製品名:EPSON PM−A700,セイコーエプソン社製)で写真用紙(製品名:クリスピア,セイコーエプソン社製)に黒ベタ印刷を行った黒色用紙を敷いて行った。その測色で得られたL*の値を白色度の値として規定して、そのL*値を基準の値とする。その後、プリンター(EPSON PX−G930)を未使用のまま放置してインクの顔料を沈降させ、10日間後に同様に印刷、測色を行った。そして、印刷物のインク消費量毎にL*値の低下率を求め、評価した。その結果を表3に示す。
Figure 0005621234
表3に示す如く、従来の平坦状流路では、白色度の最大低下率は30.4%まで低下して、ほぼ通常の白色度に復帰するまでに約7mlもインクが無駄に消費される。
これに対して、本願の円形状流路では、細管の長さが同じ240cmの場合で、図示する如く、白色度の最大低下率は8.3%であって、通常の白色度からの乖離が少なく、無駄なインクの消費が少ないことが理解できる。これは、図4(b)に示すように、細管内に沈降する顔料が複数のらせん状部の下部に分かれて細管を閉鎖する形態で沈降して、休止後のヘッドからのインクの射出に伴って、沈降した顔料を押し出す様に撹拌するので、再開時から通常のインクの白色度に近い白色度になるものと推量できる。
また、前記細管を、可撓性の材質で形成すると共に、前記ヘッドの移動に伴って微弱に振動するプリンター本体に固定すると、印字動作に伴って細管が振動する。このような振動によって、さらに、インクにおける沈殿した顔料の撹拌効率が向上するので、より短い時間で、通常のインクの顔料濃度にすることも可能である。
次に、第2の参考例及びその作用を以下に示す。参考例1の別の形態としては、原理を説明するために図4(b)に示す下方向のらせん状の細管以外にも、例えば、図6に示す以下のものでも良い。
・細管の長さ方向における上下方向の高低差が当該細管の内径以上ある図6(a)の如き、連続した多数の略円形状の細管。
・細管の長さ方向における上下方向の高低差が当該細管の内径以上ある図6(c)の如き多数の連続したサイン状又は波型に湾曲した細管。
・細管の長さ方向における上下方向の高低差が当該細管の内径以上ある図6(b)又は(d)の如き多数の連続した三角形又は矩形に湾曲した細管。
・上記略らせん状又は略円形状、サイン状又は波型若しくは三角形又は矩形の任意の組み合わせた細管。
図6(a)〜(d)では、インクタンク(カセット)とヘッドとが水平状態に配置されているが、インクジェットプリンターの設置時に、前記インクタンクとヘッドとが、垂直方向に高度差をもって配置され、前記インク供給管が両者の間を図6(e)又は(f)の如く、垂直若しくは斜めに接続していても良い。以上のように、細管内を流動する流動速度が、同一細管内で変化するように抵抗箇所を設置することで、撹拌効果を奏しながら供給できる構成であれば、上記した形態に限られない。
図6(c)は参考例の第2の実施の形態であって、図1のインクタンク(カセット)1とヘッド2との間を水平に配置された細管3で接続した状態と同じ構成で、図4(b)と相違している点は、図6(c)では、細管が水平に配置されているのに対して、細管が上下方向に波状に湾曲している点である。図6cの細管は直径2mmで、波状の上下差は3cm以下で、細管の直径以上が望ましい。
次に、第2の参考例における沈降性物質を含む液体を細管を介して間歇的に供給する液体供給システムにおける前記沈降性物質の濃度差を短時間で平準化する作用を図7を用いて説明する。
図6(c)では、図4(b)と同様に沈降物質7aは、細管7が大地に対して波状に配置されているので、細管の波状部の下部に細管の流路を閉鎖するように沈降する。また、顔料の薄い状態のインクは、波状細管の上部に存在している。したがって、図7(a)でも図4(b)と同様に細管の流路を図示しないインクタンク1からヘッド2の間で、顔料濃度の薄いインク部分と、沈降した顔料部分とが交互に配置された状態になっている。
この状態で、インクジェットプリンターが長い休止状態から稼働状態になって、インクヘッド2からインクが排出状態になると、最初は顔料濃度の薄いインク部分によって、図7(b)及び図7(c)に示すように沈降した顔料部分が押し上げられる。この状態から、更に、インクが排出状態になると、図7(d)に示すように、細管7の波状部の頂点から降下する際に、顔料部分が舞い散るように拡散することによって、顔料部分である沈降性物質の濃度差を短時間で平準化することができる。
このように、押し上げられた顔料部分が、波状に配置された細管の頂点から降下する際に拡散することを利用しているので、波状の形態としては、液体の流れ方向に沿った傾斜が上昇方向よりも下降方向が急峻であることが望ましい。(波状の上昇部分が急峻でも顔料の拡散に役立つが、上昇部分が押し上げの抵抗として働くので適さない。)
第2の実施の形態における波状流路が、沈降した顔料が全てインクに溶融して通常の顔料濃度に達するまでのインクの消費量を第1の実施の形態である円形流路よりも少なくできることを図8のグラフを用いて詳細に説明する。図8は、第2の参考例の効果を説明するためのグラフである。
図8において、図5と同様に、縦軸はヘッドから噴射されるインクの白色度であって、通常の使用状態の白色度を0とし、白色度の低下率を示している。また、横軸は、通常のインクの白色度になるまでの、インクの消費量を示している。白抜き三角は図3と同じ円形状流路の場合であって、チューブの長さは480cmである。
黒丸は、第2の実施の形態における波状流路の場合であって、チューブの長さは、波状
であるため短く210cmである。
図8では、図5と同じに、インクに沈降の激しい酸化チタン顔料を使用し、10日間休止後に、透明メディアに印刷して、印刷物のL*値(白色度)を測定している。図8の測定条件は図5と同じ、下記のとおりである。
使用プリンター:EPSON PX−G930
使用メディア:KOKUYO OHPフィルム インクジェットプリンター用
インク組成:
二酸化チタン(平均粒径200nm) 10質量%
分散剤(スチレン−アクリル酸共重合体) 2質量%
1,2−ヘキサンジオール 5質量%
グリセリン 10質量%
トリエタノールアミン 0.9質量%
BYK−348(ビックケミー・ジャパン株式会社) 0.5質量%
超純水 残分
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プリンター(EPSON PX−G930)でインクを透明メディアにDuty100%でベタ印刷を行い、2時間以上の乾燥後、測色器(製品名:Spectrolino,GretagMacbeth社製)で測色する。測色方法は印刷物の下に、プリンター(製品名:EPSON PM−A700,セイコーエプソン社製)で写真用紙(製品名:クリスピア,セイコーエプソン社製)に黒ベタ印刷を行った黒色用紙を敷いて行った。その測色で得られたL*の値を白色度の値として規定して、そのL*値を基準の値とする。その後、プリンター(EPSON PX−G930)を未使用のまま放置してインクの顔料を沈降させ、10日間後に同様に印刷、測色を行った。そして、印刷物のインク消費量毎にL*値の低下率を求め、評価した。その結果を表4に示す。
Figure 0005621234
表4に示す如く、円形流路では、白色度の最大低下率は8.3%まで低下して、ほぼ通常の白色度に復帰するまでに約22mlもインクが無駄に消費される。これに対して、波状流路では、細管の長さが210cmの場合で、白色度の最大低下率は5.0%であって、通常の白色度からの乖離が少なく、無駄なインクの消費も13mlと少ないことが理解できる。
顔料等の沈降性物質を含む液体をインク供給管を介して間歇的にインクを供給するインクジェットプリンターにおいて、前記沈降性物質の濃度差による白色度の最大低下率を軽減させるためには、上述の形態を組み合わせることで、相乗効果を達成することができる。
具体的には、図1に示すインク撹拌手段(撹拌容器)の搭載と、参考例に記載の「インク供給管の少なくとも一部に当該管の内径よりも大きい幅で、前記液体を供給する方向を中心基準に高低差を有する領域部として、らせん状又は円形状で形成されること」又は、「インク供給管の少なくとも一部に当該管の内径よりも大きい幅で、前記液体を供給する方向を中心基準に高低差を有する領域部として、サイン状又は波状で形成されること」を併用することによって、相乗的効果を得ることができる。
上記の説明では、顔料インクを用いるインクジェットプリンターの例で説明をしているが、本願発明は、必ずしも沈降性物質としては、インクの顔料である必要はなく、沈降性物質を含む液体を管を介して間歇的に供給する液体供給システムであれば、他の用途にも適用できることはいうまでもない。
1:インクタンク
2:ヘッド(印字ヘッド)
3,7,14:インク供給管(細管)
3a,7a:沈降性物質(顔料)
3b:上澄みインク(濃度の薄いインク)
4,4a,4b,4c,4d:撹拌手段(撹拌容器)
4−1,4−2:撹拌球
32,62:底面部
34,64:上面部
36,66:第2側面部
38,48,58,68:第1側面部
42,52:円筒形状を有する部分

Claims (2)

  1. 沈降性を有する液体を収容する液体タンクと、
    前記液体を吐出するヘッドと、
    前記液体タンクと前記ヘッドとの間を結ぶ液体供給管と、
    を備えた液体吐出装置において、
    前記液体タンクが前記ヘッドよりも、高い位置に配置され、
    前記液体供給管が、その延在方向において高度差を有する部分を含み、
    前記高度差を有する部分がらせん状を含むことを特徴とする、
    液体吐出装置。
  2. 前記液体が酸化チタンを含むことを特徴とする、請求項1に記載の液体吐出装置。
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