JP2010158868A - 液体供給システム、記録装置、液体を供給する方法 - Google Patents

液体供給システム、記録装置、液体を供給する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】沈降し得る成分の濃度の、所定の濃度からの過剰な低下を抑制することができる技術を提供する。
【解決手段】鉛直方向の高さが局所的に高い第1部分(HP)、と鉛直方向の高さが局所的に低い第2部分(LP)とが、交互に繰り返される高低部分を含む液体流路を用いて、液体を供給する。この構成によれば、第1部分(HP)と第2部分(LP)とを液体が流れることによって、液体流路内の濃い液体と薄い液体とが混合されるので、沈降し得る成分の濃度の、所定の濃度からの過剰な低下を抑制することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、液体供給システム、記録装置、液体を供給する方法に関するものである。
インク供給チューブ及びパイプを介してインクタンクからインクをインクジェット記録ヘッドに供給するインク供給機構が知られている。また、活性エネルギーの照射により硬化するインクを貯留するインクカートリッジであって、貯留されているインク内部にその貯留インク攪拌部材を備えるインクカートリッジが知られている。
特開2001−80088号公報 特開2006−326929号公報
ところで、インクに含まれる成分としては、溶解する成分(例えば、染料)に限らず、分散する成分(例えば、顔料)も利用され得る。ここで、分散すべき成分が流路の中で沈降する場合がある。例えば、白色顔料として、二酸化チタンが知られている。二酸化チタンを含む白インクを利用する場合には、二酸化チタンが沈降する場合がある。このような沈降によって、記録媒体に吐出される白インクの濃度が、所定の濃度から過剰に低下する場合があった。なお、このような問題は、二酸化チタンを含むインクに限らず、沈降し得る種々の成分を含むインクの供給に共通する問題であった。また、このような問題は、インクに限らず、沈降し得る成分を含む種々の液体の供給に共通する問題であった。
本発明は、上記の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、沈降し得る成分の濃度の、所定の濃度からの過剰な低下を抑制することができる技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]液体を吐出する吐出ヘッドに液体を供給する液体供給システムであって、沈降し得る成分を含む液体を収容する液体収容部と、前記液体収容部から前記吐出ヘッドへ前記液体を供給する液体流路と、を備え、前記液体流路は、鉛直方向の高さが局所的に高い第1部分と、鉛直方向の高さが局所的に低い第2部分とが、交互に繰り返される高低部分を含む、液体供給システム。
この構成によれば、第1部分と第2部分とを液体が流れることによって、液体流路内の濃い液体と薄い液体とが混合されるので、沈降し得る成分の濃度の、所定の濃度からの過剰な低下を抑制することができる。
[適用例2]適用例1に記載の液体供給システムであって、前記高低部分は、前記第1部分によって形成される山と前記第2部分によって形成される谷を繰り返す波状の部分を含む、液体供給システム。
この構成によれば、高低部分が波状の部分を含むので、適切に、沈降し得る成分の濃度の、所定の濃度からの過剰な低下を抑制することができる。
[適用例3]適用例1または適用例2に記載の液体供給システムであって、前記高低部分は、複数のループ状の部分が連結された部分を含む、液体供給システム。
この構成によれば、高低部分は、複数のループが連結された部分を含むので、適切に、沈降し得る成分の濃度の、所定の濃度からの過剰な低下を抑制することができる。
[適用例4]適用例1ないし適用例3のいずれかに記載の液体供給システムであって、さらに、前記液体流路は、前記液体を撹拌する撹拌部を含む、液体供給システム。
この構成によれば、撹拌部によって、適切に、沈降し得る成分の濃度の、所定の濃度からの過剰な低下を抑制することができる。
[適用例5]適用例1ないし適用例4のいずれかに記載の液体供給システムであって、さらに、前記液体流路の中の液体のうちの、前記成分の沈降によって濃度の低下した液体の少なくとも一部を廃棄する、廃棄処理部を含む、液体供給システム。
この構成によれば、廃棄処理部が、濃度の低下した液体の少なくとも一部を廃棄するので、濃度の低下した液体が利用されることを抑制できる。
[適用例6]記録装置であって、沈降し得る成分を含むインクを収容する液体収容部と、前記インクを記録媒体に吐出する吐出ヘッドと、前記液体収容部から前記吐出ヘッドへ前記インクを供給する液体流路と、を備え、前記液体流路は、鉛直方向の高さが局所的に高い第1部分と、鉛直方向の高さが局所的に低い第2部分とが、交互に繰り返される高低部分を含む、記録装置。
[適用例7]液体を供給する方法であって、沈降し得る成分を含む液体を、鉛直方向の高さが局所的に高い第1部分と、鉛直方向の高さが局所的に低い第2部分とが、交互に繰り返される高低部分を含む液体流路を介して、吐出ヘッドに供給し、前記液体流路内の前記液体の流れによって、前記第2部分に存在する濃度の高い液体と、前記第1部分に存在する濃度の低い液体とを混合する、方法。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、液体供給システム、液体の供給方法、液体供給システムと吐出ヘッドとを有する記録装置、それらのシステムあるいは装置を制御する制御方法または制御装置、制御方法または制御装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、等の態様で実現することができる。
次に、この発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
B.第2実施例:
C.第3実施例:
D.変形例:
A.第1実施例:
A1.構成:
図1は、本発明の一実施例としての印刷装置を示す説明図である。印刷装置1000は、副走査送り機構と、主走査送り機構と、印刷ヘッド5とを有している。副走査送り機構は、図示しない紙送りモータと、その紙送りモータによって駆動される紙送りローラ10と、を含んでいる。副走査送り機構は、紙送りローラ10を用いて記録媒体Pを副走査方向に搬送する。主走査送り機構は、キャリッジモータ2と駆動ベルト1とを含んでいる。キャリッジモータ2の動力によって、駆動ベルト1に接続されたキャリッジ3は、主走査方向MSDに沿って往復動する。キャリッジ3は、ホルダ4と印刷ヘッド5とを含んでいる。印刷ヘッド5は、インクを吐出する複数のノズルを有している。吐出されたインクによって、記録媒体Pにドットが形成(記録)される。印刷装置1000は、さらに、上述した各要素を制御する制御部40を備えている。制御部40は、CPUとメモリとを有するコンピュータを利用して構成されている。制御部40は、フレキシブルケーブル37を介してキャリッジ3と接続されている。また、印刷装置1000には、廃インク受け部15が設けられている。廃インク受け部15は、ノズルのクリーニング等のために吐出されるインクを受ける。廃インク受け部15には、受けたインクの飛散を抑えるために、スポンジ等の吸収部材が配置されている。
ホルダ4は、印刷ヘッド5の上面に配置されており、印刷ヘッド5にインクを供給するための流路接続部6を有している。図1に示す例では、印刷装置1000は、8種類のインクを利用可能であり、ホルダ4には、8つの流路接続部6が設けられている。例えば、ブラック、グレー、シアン、マゼンタ、イエロ、淡シアン、淡マゼンタ、ホワイトの8種類のインクを利用してよい。流路接続部6には、インク供給チューブ110(以下「インク流路110」とも呼ぶ)の一端が接続されている。インク流路110の他端は、インク収容部100に接続されている。インク流路110は、可撓材料(例えば、シリコンやゴムやプラスチック)によって、形成されている。なお、インク収容部100とインク流路110との全体は、特許請求の範囲における「液体供給システム」に相当する。また、図1には、インク収容部100とインク流路110との1つのセットのみが示されている。他の流路接続部6にも、それぞれ、インク収容部100とインク流路110とのセットが接続される。
図2は、本実施例のインク流路110の概略図である。図中の矢印VDは、鉛直方向の下向き示している。図示するように、本実施例では、インク流路110は、局所的に高い第1部分HPと局所的に低い第2部分LPとが交互に繰り返される部分を含んでいる。具体的には、インク流路110は、第1部分HPによって形成される山と、第2部分LPによって形成される谷を繰り返す波状の部分を含んでいる。第1部分HPでは、鉛直方向に沿った高さが局所的に最高である。第2部分LPでは、鉛直方向に沿った高さが局所的に最低である。そして、第1部分HPと第2部分LPとが周期的に交互に繰り返されている。本実施例では、インク流路110の全体が、特許請求の範囲における「高低部分」相当する。以下、このインク流路110を「波型(波状)のインク流路110」とも呼ぶ。
本実施例では、インク流路110は、ベルト領域BAに沿って、山と谷とを繰り返しながら、インク収容部100側から印刷ヘッド5側へ延びている。ベルト領域BAは、幅方向が鉛直方向VDとほぼ平行なベルト状の仮想的な領域である。ベルト領域BA(すなわち、インク流路110)は、印刷ヘッド5(図1)の往復動に従って、鉛直方向VDと垂直な任意の方向へ自由に曲がる。
図3(A)−3(D)は、インク流路110中の濃度の変化を示している。これらの図では、インク流路110内を、顔料(二酸化チタン)を含む白インクが流れることとしている。これらの図中において、濃いハッチングは、顔料濃度が高い部分を示し、薄いハッチングは、顔料濃度が低い部分を示している。
図3(A)は、白インクを利用した印刷の終了後の、印刷装置1000(図1)を静置した状態を示している。この状態では、インク流路110の内部で、顔料が沈降する。その結果、第1部分HPでは、顔料濃度が低くなり、第2部分LPでは、顔料濃度が高くなる。以下、濃度の低いインクを低濃度インクLIと呼び、濃度の高いインクを高濃度インクHIと呼ぶ。図3(A)では、第1部分HPが低濃度インクLIで満たされ、第2部分LPが高濃度インクHIで満たされている。
図3(B)は、白インクを利用した印刷の開始直後の状態を示している。この印刷開始は、図3(A)の状態で行われる。インク消費によって、インクがインク流路110内を流れる。ここで、沈降した顔料の比重は溶媒(例えば、水)の比重よりも大きいので、沈降した顔料は、溶媒と比べて、移動し難い。従って、インクが流れる場合に、第2部分LPに顔料が残存し得る。また、本実施例では、第1部分HPと第2部分LPとが交互に繰り返されている。従って、第1部分HPの低濃度インクLIが、第2部分LPに流入する。そして、第2部分LPへ流入した低濃度インクLIは、第2部分LPに残存する高濃度インクHI(顔料)と、混合される。
また、インクの流れによって、第2部分LPから一部の高濃度インクHI(顔料)が流出する。流出した高濃度インクHIは、第1部分HPに流入する。そして、高濃度インクHI(顔料)は、第1部分HPに残存する低濃度インクLIと混合される。
図3(C)は、図3(B)の状態から、白インクが更に消費された状態を示している。図示するように、第1部分HPに到達した高濃度インクHI(顔料)は、再び、第2部分LPに向かって流れる。この際、高濃度インクHIに含まれる顔料は、溶媒中を、重力によって落下し得る。その結果、顔料は、溶媒中で拡散し得る。これにより、インク流路110内での濃度差(顔料の偏り)が、さらに、緩和される。
なお、図3(B)、3(C)では図示が省略されているが、高濃度インクHIと低濃度インクLIとのそれぞれは、インク流路110中を流れることによって、周囲のインクと混合される。その結果、高濃度インクHIの濃度は徐々に低下し、低濃度インクLIの濃度は徐々に上昇する。
図3(D)は、図3(C)の状態から、白インクが更に消費された状態を示している。図3(B)、3(C)で説明したプロセスを経て、インク流路110中の濃度差は、さらに、緩和される。
以上のように、インク流路110内のインクの流れによって、第2部分LPに存在する高濃度インクHIと、第1部分HPに存在する低濃度インクLIとが混合される。これにより、インク流路110内での濃度差が低減される。そして、印刷ヘッド5から吐出される白インクにおける顔料濃度の、所定の濃度からの過剰な低下を、抑制できる。なお、所定の濃度は、顔料が均等に分散された状態での濃度である。
なお、本実施例では、図1、図2に示すように、インク流路110は、第1部分HPと第2部分LPとを繰り返しながら、ほぼ水平方向に延びている。ここで、インク流路110が、第1部分HPと第2部分LPとを繰り返しながら、上昇、あるいは、下降してもよい。例えば、図1に示す印刷装置1000において、インク収容部100が、印刷ヘッド5よりも低い位置に配置されてもよい。この場合は、インク収容部100から印刷ヘッド5(ホルダ4)まで、インク流路110が上昇する。この場合も、第1部分HPが、その周辺と比較して高く、第2部分LPが、その周辺と比較して低ければ、図3(A)−3(D)で説明した効果を奏することができる。この場合、印刷ヘッド5に近い部分の第2部分LPが、インク収容部100に近い部分の第1部分HPよりも、高い位置に配置されていてもよい。
図4は、インク流路の別の実施例を示す説明図である。このインク流路110aは、上述のインク流路110の代わりに利用することができる。図2のインク流路110との差違は、このインク流路110aが、波状の部分の代わりに、局所的に高い第1部分HPaから局所的に低い第2部分LPaを経由して別の第1部分HPaへ至る複数のループ状の部分が連結された部分を含んでいる点だけである。本実施例では、インク流路110aは、ベルト領域BAに沿って、ループを描きながら、インク収容部100側から印刷ヘッド5側へ延びている。また、本実施例では、インク流路110aの全体が、「高低部分」に相当する。以下、このインク流路110aを、「ループ型(ループ状)のインク流路110a」とも呼ぶ。
このインク流路110aを利用する場合にも、図3(A)に示す実施例と同様に、第2部分LPaが高濃度インクHIで満たされ、第1部分HPaが低濃度インクLIで満たされ得る。この場合も、図3(B)−3(D)に示す実施例と同様に、インク流路110a内をインクが流れることによって、インクの混合が生じる。そして、第1部分HPaから第2部分LPaへ顔料が流れる際に、顔料の拡散も生じ得る。これらの結果、このインク流路110aを利用する場合にも、インクの流れによって、インク流路110a内での濃度差が低減される。そして、印刷ヘッド5から吐出される白インクにおける顔料濃度の、所定の濃度からの過剰な低下を、抑制できる。
図5は、インク流路の比較例を示す概略図である。図2のインク流路110との差違は、このインク流路110Sが、ほぼ水平に(鉛直方向と垂直に)延びる直線状の流路である点である。以下、このインク流路110Sを「直線型のインク流路110S」とも呼ぶ。
図6(A)−6(D)は、インク流路110Sを利用した場合の図3(A)−3(D)と同じ状態を、それぞれ示している。図6(A)に示すように、インク流路110Sの内部では、顔料が沈降する。比較例では、インク流路110Sは、ほぼ水平に延びている。従って、インク流路110Sの全体に亘って、鉛直方向の下側の顔料濃度が、上側と比べて、高くなる。すなわち、インク流路110Sの上側は低濃度インクLIによって満たされ、インク流路110Sの下側は高濃度インクHIによって満たされる。
図6(B)−6(D)は、図6(A)の状態で白インクを利用した印刷を開始した場合の、濃度変化を示している。沈降した顔料は溶媒と比べて移動し難い。従って、インク流路110S内をインクが流れる場合には、上側の低濃度インクLIは流れやすく、下側の高濃度インクHIは流れにくい、と推定される。その結果、インク流路110S内での濃度差が、解消され難い。そして、印刷ヘッド5からは、濃度の低い白インクが吐出され得る。
A2.評価:
図7は、実施例のインク流路110(図2)、110a(図4)と比較例のインク流路110S(図5)との、それぞれの評価結果を示す表である。これらの評価結果は、後述する白色度の変化に基づいている。なお、この表には、後述する別の実施例の評価結果も合わせて示されている。
図8は、白インクを用いた印刷結果の白色度の変化を示すグラフである。図中には、上述の3種類のインク流路110、110a、110Sを用いて得られる結果が、それぞれ、示されている。白丸は波型のインク流路110の結果を示し、黒丸はループ型のインク流路110aの結果を示し、三角は直線型のインク流路110Sの結果を示している。なお、これらの結果は、図7の表の3〜5行目に相当する。
縦軸は、印刷ヘッド5(図1)から吐出される白インクの白色度の低下率を示している。横軸は、白インクの消費量を示している。このグラフは、図3(A)のように印刷装置1000(図1)を静置した状態から印刷を開始した場合の、低下率の変化を示している。
白色度は、印刷ヘッド5(図1)から吐出される白インクの顔料濃度と相関がある。顔料濃度が低いほど、白色度は低い。グラフには、所定の白色度からの低下率が示されている。所定の白色度は、顔料が均等に分散された状態での白色度である。
図8のグラフは、以下の条件に従って測定された結果を示している。
(1)印刷装置1000(図1)として、セイコーエプソン社製のPX−G930を用いる。
(2)記録媒体Pとして、コクヨ社製のOHPフィルム(インクジェットプリンタ用)を用いる。
(3)白インクの組成は、以下の通りである。
二酸化チタン(平均粒径200nm):10質量%
分散剤(スチレン-アクリル酸共重合体):2質量%
1,2-ヘキサンジオール:5質量%
グリセリン:10質量%
トリエタノールアミン:0.9質量%
BYK-348(ビックケミー・ジャパン株式会社):0.5質量%
超純水:残分
合計 100質量%
(4)測定方法は以下の通りである。
印刷装置を用いて、透明メディア(OHPフィルム)に、白インクのDutyが100%のベタ画像を、印刷する。2時間以上の乾燥後、印刷されたベタ画像を、測色器(Spectrolino(GretagMacbeth社製))で測色する。測色時には、印刷物(OHPフィルム)の下に、黒色用紙を敷いた。黒色用紙は、セイコーエプソン社製の印刷装置(PM−A700)を用いて、セイコーエプソン社製の写真用紙(クリスピア)に、黒ベタ画像を印刷して得られたものである。この測色で得られるL*の値を白色度の基準として採用する。その後、印刷装置を使用せずに静置して、白インクの顔料を沈降させる。そして、10日後に、同様に、白のベタ画像を印刷して測色する。測色で得られるL*の値が、白色度として採用される。ここで、静置後の印刷によるインク消費量の複数の値に関して、測色を行ってL*の低下率を算出した。例えば、L*の値の基準が100であり、得られたL*の値が70である場合には、低下率は30%である。なお、インク流路内での顔料の沈降の影響を調べるために、静置後の印刷開始時に、インク収容部100の中のインクを撹拌した。また、印刷による単位時間当たりのインクの消費量は、0.27mL/分である。
さらに、図8のグラフは、以下の条件に従って測定された結果を示している。
(5)インク流路内の流路の直径は、2mmである。
(6)各インク流路110、110S、110aの実際の長さは、230cmに統一されている。ここで、実際の長さは、図2、図4、図5の長さTL、TLa、TLSに相当する。この実際の長さは、インク流路(チューブ)を真っ直ぐに伸ばして測定したチューブの長さと同じである。なお、インク収容部100と印刷ヘッド5との間の距離は、インク流路の縮れに応じて、異なる。波型のインク流路110に関しては、距離AL(図2)は、おおよそ130cmである。ループ型のインク流路110aに関しては、距離ALa(図4)は、おおよそ65cmである。直線型のインク流路110Sに関しては、距離ALS(図5)は、実際の長さTLSと同じである(230cm)。この距離は、インク流路のミクロな構造(例えば、山谷パターンや、ループパターン)を省略した場合のチューブに沿った距離に相当する。
(7)波型のインク流路110に関して、変動幅(高低差)PA(図2)は、おおよそ3cmであり、1周期の長さCLは、おおよそ5.5cmである。
(8)ループ型のインク流路110aに関して、1つのループの直径RD(図4)は、おおよそ3cmである。
図8に示すように、インクの消費によって、白色度が低下する。この理由は、インク流路内に生じた濃度の低い白インクが、印刷ヘッド5から吐出されるからである。その後、さらにインクを消費することによって、白色度が回復する。
なお、図8の実施例では、8mLのインクが消費されることによって、インク流路の種類に拘わらずに、白色度が回復している(低下率がほぼゼロ)。また、図8の実施例では、インク流路内の流路の体積が、ほぼ7.2mLである。このように、インク流路内の流路体積とほぼ同じ量のインクを吐出することによって、白色度を回復させることができる。
また、図8に示すように、直線型のインク流路110Sに関しては、白色度の最大低下率が43.4%である。一方、波型のインク流路110に関しては、白色度の最大低下率は9.6%である。ループ型のインク流路110aに関しては、白色度の最大低下率は7.9%である。このように、インク流路の長さが同じ場合であっても、実施例の構成(図2、図4)を採用することによって、白色度の低下率(すなわち、濃度の低下率)を、大幅に改善することができる。特に、白色度の最大低下率が10%以下であれば、見た目の違和感も小さい。従って、実施例の構成を採用すれば、見た目の違和感を小さくすることができる。そして、インク収容部100と印刷ヘッド5との間のインク流路110における顔料の沈降の影響を抑えることができる。
なお、印刷ヘッド5には、所定の濃度よりも高い濃度のインクが供給され得る(所定の濃度は、顔料が均等に分散された状態での濃度である)。ただし、本実施例では、所定の濃度は、十分に高い白色度が得られるように、決定されている。従って、所定の濃度よりも高い濃度のインクが吐出された場合であっても、白色度の過剰な上昇は、抑制される。また、実施例では、白色度の低下(すなわち、濃度の低下)が抑制されるので、白色度の上昇(すなわち、濃度の上昇)も抑制される。
図9は、インク収容部100と印刷ヘッド5との間の距離を統一した場合の、白色度の変化を示すグラフである。図9の結果は、図7の表の1〜3行目に相当する。ここでは、上述の条件(6)の代わりに、以下の条件(6a)が採用されている。他の条件は、図8のグラフの条件と同じである。
(6a)インク収容部100(図1)と印刷ヘッド5との間の距離は、130cmに統一されている。この距離は、図2、図4、図5の距離AL、ALa、ALSに相当する。波型のインク流路110の実際の長さTL(図2)は、230cmであり、ループ型のインク流路110aの実際の長さTLa(図4)は、480cmである。直線型のインク流路110Sの実際の長さTLSは、インク収容部100と印刷ヘッド5との間の距離と同じである(130cm)。
図9の実施例に関しても、図8の実施例と同様に、白インクの消費によって白色度が低下し、白インクの更なる消費によって、白色度が回復する。また、波型の流路長TL(230cm)は、ループ型の流路長TLa(480cm)と比べて短い。従って、波型に関しては、ループ型と比べて少ないインク消費量で、白色度が回復する。
また、図9に示すように、直線型のインク流路110Sに関しては、白色度の最大低下率が23.2%である。一方、波型のインク流路110に関しては、白色度の最大低下率は9.6%である。ループ型のインク流路110aに関しては、白色度の最大低下率は8.7%である。このように、実施例の構成(図2、図4)を採用することによって、流路の実際の長さが直線型のインク流路110Sと比べて長くなるにもかかわらず、白色度の低下率(すなわち、濃度の低下率)を大幅に改善することができる。特に、白色度の最大低下率が10%以下であれば、見た目の違和感も小さい。従って、実施例の構成を採用すれば、見た目の違和感を小さくすることができる。
図7の表の6、7行目には、形状の異なる波型のインク流路110を用いた結果が示されている。6行目の結果は、図7の表の3行目のインク流路110において、変動幅PA(図2)を3cmから1.5cmに変更した場合を示している。7行目の結果は、その表の3行目のインク流路110において、1周期の長さCLを5.5cmから11cmに変更した場合を示している。他の条件は、表の3行目(図8)の条件と同じである。例えば、インク収容部100と印刷ヘッド5との間の距離ALは130cmである。ただし、6行目の結果に関しては、変動幅PAが小さいので、インク流路110の実際の長さは、230cmよりも短い190cmである。7行目の結果に関しては、1周期の長さCLが長いので、インク流路110の実際の長さは、230cmよりも短い180cmである。
表の6行目に示すように、変動幅PAを小さくすることによって、白色度の最大低下率が11.5%に変化している。この場合も、直線型のインク流路110Sを利用する場合(1行目、4行目)と比べて、白色度の低下率(すなわち、濃度の低下率)が、大幅に改善されている。
表の7行目に示すように、1周期の長さCLを長くすることによって、白色度の最大低下率が13.1%に変化している。この場合も、直線型のインク流路110Sを利用する場合(1行目、4行目)と比べて、白色度の低下率(すなわち、濃度の低下率)が、大幅に改善されている。
以上のように、波型のインク流路110(図2)に関しては、形状の異なる種々の波パターンに関して、白色度の低下率(すなわち、濃度の低下率)を、大幅に改善することができる。なお、ループ型のインク流路110a(図4)に関しても、波型のインク流路110(図2、図3)と同様の作用が得られる。従って、形状の異なる種々のループパターンに関して、白色度の低下率(すなわち、濃度の低下率)を、改善することができる、と推定される。
B.第2実施例:
図10は、印刷装置の別の実施例を示す説明図である。図1に示す印刷装置1000との差違は、インク流路110と印刷ヘッド5(流路接続部6)との間にサブタンクSTが接続されている点だけである。他の構成は、図1に示す印刷装置1000と同じである。なお、図10に示す構成では、インク流路110とサブタンクSTとの全体が、インク収容部100から印刷ヘッド5へインクを供給する流路に相当する。また、インク収容部100とインク流路110とサブタンクSTとの全体が「液体供給システム」に相当する。
本実施例では、サブタンクSTは、ホルダ4に固定されている。サブタンクSTは、円筒形のインク流路である。このサブタンクSTの容量はおおよそ2mLである。直径は、おおよそ1cmであり、長さは、おおよそ3cmである。このサブタンクSTは、主走査方向MSDに沿って延びるように、配置されている。サブタンクSTは、内部に、撹拌球BLを含んでいる。本実施例では、この撹拌球BLは、直径が5mmのセラミックの球である。この撹拌球BLは、サブタンクSTの内部を自由に移動できる。印刷時には、印刷ヘッド5(ホルダ4)の往復移動によって、サブタンクSTも、主走査方向MSDに沿って、往復移動する。その結果、撹拌球BLは、サブタンクST内を主走査方向MSDに沿って往復移動する。そして、サブタンクST内において、インクが撹拌される。
図11は、サブタンクSTによる白色度の変化を示すグラフである。このグラフには、図9と同じ波型と直線型とのそれぞれの結果に加えて、「波型+サブタンク」の結果と、「直線型+サブタンク」の結果とが示されている。「波型+サブタンク」は、図9の測定に利用されたインク流路110(図2)に、サブタンクST(図10)を追加して得られた結果を示している。「直線型+サブタンク」は、図9の測定に利用されたインク流路110S(図6)に、サブタンクSTを追加して得られた結果を示している。他の条件は、図9のグラフの条件と同じである。追加された結果は、図7の表の8、9行目に相当する。
図示するように、波型のインク流路110にサブタンクSTを追加すると、最大低下率は4.2%に改善される。直線型のインク流路110SにサブタンクSTを追加すると、最大低下率は、6.2%に改善される。このように、インクを撹拌するサブタンクSTを利用することによって、白色度の低下率(すなわち、濃度の低下率)を、大幅に改善することができる。特に、白色度の最大低下率が5%以下であれば、見た目の判断では違いが認識され難い。従って、サブタンクSTを利用すれば、見た目の違いを適切に抑制できる。
C.第3実施例:
図12は、上述の各実施例に適用可能な印刷処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、制御部40(図1、図10)によって実行される。
本実施例では、制御部40(図1、図10)は、印刷指示を受信したことに応じて、図12の処理を開始する。なお、印刷指示の態様としては、任意の態様を採用可能である。例えば、印刷装置1000、1000Aに接続されたコンピュータが、制御部40に印刷指示を供給してもよい。また、印刷装置1000、1000Aの図示しない操作パネルに、ユーザによって、印刷指示が入力されてもよい。
ステップS100では、制御部40(図1、図10)は、一部の白インクを廃棄する。本実施例では、制御部40は、廃インク受け部15と対向する位置に印刷ヘッド5を移動させ、そして、印刷ヘッド5を駆動して所定量の白インクを廃インク受け部15に吐出する。白インクの廃棄量(所定量)は、顔料濃度(白色度)が一旦低下した後に、顔料濃度(白色度)の低下が目立たなくなるまで顔料濃度(白色度)が回復するような値に、予め実験的に決定される(図8、図9、図11)。これにより、制御部40は、インク流路の中の白インクのうちの、顔料の沈降によって濃度の低下した白インクの少なくとも一部を、廃棄することができる。なお、制御部40は、特許請求の範囲における「廃棄処理部」に相当する。
次のステップS110では、制御部40は、印刷を実行する。この段階では、顔料濃度の低い白インクが既に廃棄されている。従って、印刷時に印刷ヘッド5から吐出される白インクにおける顔料濃度の、所定の濃度からの過剰な低下を、抑制できる。そして、印刷結果において、白色度が過剰に低下することを抑制できる。
なお、白インクを廃棄するタイミングとしては、種々のタイミングを採用可能である。例えば、制御部40(図1、図10)は、印刷指示に応じて、最後に白インクを利用してから所定の時間が経過しているか否かを判定してよい。そして、制御部40は、所定の時間が経過している場合には、白インクの廃棄を実行し、白インクの廃棄の後に印刷を実行すればよい。所定の時間が経過していない場合には、制御部40は、白インクを廃棄せずに、印刷を実行すればよい。このような所定の時間は、インク流路内での顔料の沈降による白色度の低下が過剰とならないように、予め実験的に決定すればよい。
また、制御部40(図1、図10)は、印刷装置1000、1000Aの電源投入に応じて、最後に白インクを利用してから所定の時間が経過しているか否かを判定してよい。所定の時間が経過している場合には、制御部40は、印刷指示を待たずに、白インクを廃棄してもよい。また、制御部40は、印刷指示に応じて、印刷を実行する前に白インクを廃棄してもよい。所定の時間が経過していない場合には、制御部40は、白インクを廃棄せずに、印刷を実行してよい。
また、制御部40(図1、図10)は、経過時間に限らず、他の条件に従って、白インクを廃棄するタイミングを決定してもよい。また、制御部40は、ユーザの指示に応じて、白インクを廃棄してもよい。いずれの場合も、白インクを利用する印刷を実行する前に、白インクを廃棄することが好ましい。
なお、図10に示す実施例では、サブタンクSTによって白インクが撹拌されるので、白色度の低下が小さい。従って、このような撹拌部(サブタンクST)を利用する場合には、白インクの廃棄を省略しても、良好な印刷結果を得ることができる。また、白インクの廃棄を省略すれば、インクを節約することもできる。また、撹拌部を利用しない場合にも、白インクの廃棄を省略してよい。いずれの場合も、沈降し得る成分を含まないインクに関しては、インクの廃棄を省略することが好ましい。
D.変形例:
なお、上記各実施例における構成要素の中の、独立クレームでクレームされた要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。また、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
変形例1:
図13〜図16は、インク流路の別の実施例を示す説明図である。これらの流路は、上述の各実施例におけるインク流路110、110aの代わりに利用可能である。
図13の実施例では、インク流路110bの形状は、直線とコーナーとで波を表している。局所的に高い第1部分HPbによって形成される山と、局所的に低い第2部分LPbによって形成される谷とが繰り返されている。
図14の実施例では、インク流路110cの形状は、矩形波を表している。局所的に高い第1部分HPcによって形成される山と、局所的に低い第2部分LPcによって形成される谷とが繰り返されている。
図15の実施例では、インク流路110dは、局所的に低い第2部分LPdから局所的に高い第1部分HPdを経由して別の第2部分LPdへ至る複数のループ状の部分が連結された部分を含んでいる。この実施例では、ループの間が、高い位置ではなく低い位置で連結されている。なお、ループの間が、第1部分と第2部分との間の高さで連結されていてもよい。
図16の実施例では、インク収容部100が印刷ヘッド5よりも低い位置に配置されている。そして、インク流路110eの形状は、連結された複数のループを含んでいる。複数のループは、鉛直方向VDに沿って並んで連結している。各ループは、局所的に高い第1部分HPeと、局所的に低い第2部分LPeとを含んでいる。本実施例では、このような第1部分HPeと第2部分LPeとが、交互に繰り返されている。
以上説明した図13〜図16の各実施例においても、局所的に高い第1部分HPb、HPc、HPd、HPeと局所的に低い第2部分LPb、LPc、LPd、LPeとが、交互に繰り返されている。従って、これらの実施例においても、図2、図4に示す実施例と同様に、印刷ヘッド5から吐出される白インクにおける顔料濃度の、所定の濃度からの過剰な低下を、抑制できる。
なお、インク流路の構成としては、図2、図4、図13〜図16に示す構成に限らず、他の種々の構成を採用可能である。例えば、インク流路の波やループが、鉛直方向VDと交差する斜めの面に沿って、形成されていてもよい(例えば、図1の実施例において、ベルト領域BAの幅方向が、鉛直方向VDと交差する斜め方向であってもよい)。また、インク流路の形状が、立体的な螺旋形状であってもよい。この場合も、インク流路は、複数のループ状の部分が連結された部分を含むということができる。また、ループの代わりに渦巻き状の流路を採用してもよい。また、流路が、形状が異なる複数種類の高低部分を含んでもよい。
また、ループ状の部分の形状としては、種々のループ形状を採用可能である。例えば、真円や楕円といった曲線のループ形状を採用してもよく、矩形や多角形といった折れ線のループ形状を採用してもよい。いずれの場合も、各ループは、局所的に高い第1部分と局所的に低い第2部分との少なくとも一方を含むことが好ましい。
一般には、インク流路の構成としては、鉛直方向の高さが局所的に高い第1部分と、鉛直方向の高さが局所的に低い第2部分とが交互に繰り返される高低部分を含むような種々の構成を採用可能である。「第1部分の鉛直方向の高さが局所的に高い」とは、第1部分とその周辺(上流側と下流側)を含む一部の範囲において、第1部分の鉛直方向の高さが最も高いことを意味している。同様に、「第2部分の鉛直方向の高さが局所的に低い」とは、第2部分とその周辺(上流側と下流側)を含む一部の範囲において、第2部分の鉛直方向の高さが最も低いことを意味している。
なお、局所的に高い第1部分は、流路の途中の一点であってもよい(図2、図13、図15、図16)。また、第1部分は、長さがゼロよりも長い部分であってもよい(図4、図14)。同様に、局所的に低い第2部分は、流路の途中の一点であってもよい(図2、図4、図13、図16)。また、第2部分は、長さがゼロよりも長い部分であってもよい(図14、図15)。いずれの場合も、成分(例えば、顔料)の沈降によって、第2部分が、所定の濃度(成分が均等に分散された濃度)よりも高い濃度の液体で満たされるように、液体流路の形状(例えば、第1部分と第2部分とのそれぞれの長さ)を設定することが好ましい。そして、第1部分の周辺に生じ得る低濃度の液体の量が、第2部分の周辺に生じ得る高濃度の液体の量と比べて、過剰に多くならないように、液体流路の形状を設定することが好ましい。
いずれの場合も、インク流路における、第1部分と、その第1部分の隣の第2部分との間の高低差は、インク流路の断面の高さ(例えば、内径)よりも大きいことが好ましい。また、第1部分から、その第1部分の下流側の隣の第2部分へ至る流路の延びる方向と、鉛直方向VDとがなす角度が小さいことが好ましい。こうすれば、溶媒中の落下による顔料の拡散を促進することができる。
変形例2:
上述の各実施例において、インクの組成としては、上述の組成に限らず、種々の組成を採用可能である。例えば、溶媒として水の代わりに有機溶剤を採用してもよい。また、上述の各実施例において、沈降し得る成分としては、二酸化チタンに限らず、種々の成分を採用可能である。例えば、硫酸バリウムや酸化亜鉛を採用してもよい。また、白を表す成分に限らず、他の色を表す成分を採用してもよい。また、色に限らず、種々の質感を発現する成分を採用してもよい。例えば、アルミやアルミ合金等の金属顔料を採用すれば、印刷によって金属光沢を発現させることができる。
また、印刷に利用されるインクに限らず、沈降し得る成分を含む種々の液体の供給に、上述の各実施例を適用することができる。例えば、沈降し得る成分(例えば、金属顔料)を含む樹脂の供給に、上述の各実施例を適用してもよい。なお、複数種類の液体を利用するシステムに関しては、高低部分を含む液体流路を一部の液体のみに適用してもよい。液体の廃棄と撹拌部とのそれぞれに関しては、省略してもよく、一部の液体のみに適用してもよい。
いずれの場合も、比重が溶媒よりも大きい成分は、沈降し得る。従って、このような成分を含む液体の供給に関しては、上述の各実施例のような液体流路を利用することが好ましい。特に、溶媒との比重の差が1以上の場合には、その成分は特に沈降し易い。従って、溶媒との比重の差が1以上の成分を含む液体の供給に関しては、上述の各実施例のような液体流路を利用することの利点が顕著である。例えば、二酸化チタンを顔料として利用する場合には、顔料の比重は、おおよそ3.7〜4.2である。そして、溶媒として水を利用する場合には、溶媒の比重は、おおよそ1である。従って、これらを組み合わせたインクを利用する場合には、比重の差が1以上である。従って、上述の各実施例のような液体流路を利用することが好ましい。
変形例3:
図10に示す実施例において、サブタンクSTと撹拌球BLとのそれぞれのサイズとしては、種々のサイズを採用可能である。また、撹拌球の総数は、1以上の任意の数であってよい。また、液体(例えば、インク)を撹拌する撹拌部の構成としては、撹拌球BLを含むサブタンクSTの構成に限らず、種々の構成を採用可能である。例えば、回転する撹拌棒を内蔵する流路(サブタンク)を採用してもよい。
いずれの場合も、液体の吐出のために吐出ヘッドが移動する場合には、撹拌部が、吐出ヘッドと共に移動するように、吐出ヘッドに接続されていることが好ましい。こうすれば、吐出ヘッドの移動によって撹拌部も動くので、容易に液体を撹拌することができる。なお、吐出ヘッドに撹拌部を接続する方法としては、種々の方法を採用可能である。例えば、吐出ヘッドに撹拌部を固定してもよい。また、吐出ヘッドに固定された他の部材に撹拌部を固定してもよい。図1の実施例では、印刷ヘッド5が「吐出ヘッド」に相当し、キャリッジモータ2と駆動ベルト1とホルダ4との全体が「吐出ヘッドを移動させる移動モジュール」に相当する。そして、吐出ヘッドを保持するホルダ4に、撹拌部(サブタンクST)が固定されている。いずれの場合も、液体流路における撹拌部の位置が、吐出ヘッドに近いことが好ましい。例えば、図10の実施例のように、撹拌部(サブタンクST)が、液体流路の高低部分(インク流路110)と印刷ヘッド5とを接続することが好ましい。
変形例4:
上述の各実施例において、液体(例えば、インク)を廃棄する廃棄処理部の構成としては、種々の構成を採用可能である。例えば、吐出ヘッド(例えば、図1の印刷ヘッド5)のノズルから液体(例えば、インク)を吸引する吸引ポンプを、廃棄処理部として採用してもよい。いずれの場合も、廃棄処理部は、液体流路の中の液体のうちの、成分の沈降によって濃度の低下した液体の少なくとも一部を廃棄すればよい。
変形例5:
印刷装置の構成としては、図1、図10の構成に限らず、種々の構成を採用可能である。例えば、印刷ヘッド5が移動せずに、記録媒体Pのみが移動する構成を採用してもよい。また、上述の液体流路は、記録装置(例えば、印刷装置)に限らず、液体を消費する種々のシステムに適用可能である。
変形例6:
上記各実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部あるいは全部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、図1の制御部40を、論理回路を有する専用のハードウェア回路によって実現してもよい。
また、本発明の機能の一部または全部がソフトウェアで実現される場合には、そのソフトウェア(コンピュータプログラム)は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納された形で提供することができる。この発明において、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
本発明の一実施例としての印刷装置を示す説明図である。 本実施例のインク流路110の概略図である。 インク流路110中の濃度の変化を示す説明図である。 インク流路の別の実施例を示す説明図である。 インク流路の比較例を示す概略図である。 インク流路110S中の濃度の変化を示す説明図である。 評価結果を示す表である。 白色度の変化を示すグラフである。 白色度の変化を示すグラフである。 印刷装置の別の実施例を示す説明図である。 サブタンクSTによる白色度の変化を示すグラフである。 印刷処理の手順を示すフローチャートである。 インク流路の別の実施例を示す説明図である。 インク流路の別の実施例を示す説明図である。 インク流路の別の実施例を示す説明図である。 インク流路の別の実施例を示す説明図である。
1...駆動ベルト
2...キャリッジモータ
3...キャリッジ
4...ホルダ
5...印刷ヘッド
6...流路接続部
10...ローラ
15...廃インク受け部
37...フレキシブルケーブル
40...制御部
100...インク収容部
110、110a〜110e、110S...インク流路(インク供給チューブ)
1000、1000A...印刷装置
P...記録媒体
BA...ベルト領域
VD...鉛直方向
BL...撹拌球
ST...サブタンク
MSD...主走査方向

Claims (7)

  1. 液体を吐出する吐出ヘッドに液体を供給する液体供給システムであって、
    沈降し得る成分を含む液体を収容する液体収容部と、
    前記液体収容部から前記吐出ヘッドへ前記液体を供給する液体流路と、
    を備え、
    前記液体流路は、鉛直方向の高さが局所的に高い第1部分と、鉛直方向の高さが局所的に低い第2部分とが、交互に繰り返される高低部分を含む、
    液体供給システム。
  2. 請求項1に記載の液体供給システムであって、
    前記高低部分は、前記第1部分によって形成される山と前記第2部分によって形成される谷を繰り返す波状の部分を含む、
    液体供給システム。
  3. 請求項1または請求項2に記載の液体供給システムであって、
    前記高低部分は、複数のループ状の部分が連結された部分を含む、
    液体供給システム。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の液体供給システムであって、さらに、
    前記液体流路は、前記液体を撹拌する撹拌部を含む、
    液体供給システム。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の液体供給システムであって、さらに、
    前記液体流路の中の液体のうちの、前記成分の沈降によって濃度の低下した液体の少なくとも一部を廃棄する、廃棄処理部を含む、
    液体供給システム。
  6. 記録装置であって、
    沈降し得る成分を含むインクを収容する液体収容部と、
    前記インクを記録媒体に吐出する吐出ヘッドと、
    前記液体収容部から前記吐出ヘッドへ前記インクを供給する液体流路と、
    を備え、
    前記液体流路は、鉛直方向の高さが局所的に高い第1部分と、鉛直方向の高さが局所的に低い第2部分とが、交互に繰り返される高低部分を含む、
    記録装置。
  7. 液体を供給する方法であって、
    沈降し得る成分を含む液体を、鉛直方向の高さが局所的に高い第1部分と、鉛直方向の高さが局所的に低い第2部分とが、交互に繰り返される高低部分を含む液体流路を介して、吐出ヘッドに供給し、
    前記液体流路内の前記液体の流れによって、前記第2部分に存在する濃度の高い液体と、前記第1部分に存在する濃度の低い液体とを混合する、
    方法。
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