JP2012058500A - 電子鍵盤楽器のスイッチ体 - Google Patents

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Abstract

【課題】スイッチ動作の安定化を図り、鍵操作の検出精度を高める。
【解決手段】スイッチ体SWは、基板12に取り付けられるベース部21から、鍵10によって駆動される弾性膨出部22が上方にドーム状に膨出して形成される。基板12の上面には、一対の櫛歯状電極で構成された固定接点部17A,17B,17Cが敷設され、3つずつの可動接点部25A,25B,25Cと固定接点部とがそれぞれ対向している。非押鍵状態において、可動接点部の基板12側への突出高さは、高い順に可動接点部25A、25C、25Bとなっていて、押鍵往行程においてオンとなる順序が決まっており、早くオンするものから順に、可動接点部25A、25C、25Bとなっている。前後方向の位置関係については、可動接点部25Bは、それより前にオンとなる可動接点部25Aと可動接点部25Cとの間の位置に配置されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、鍵の操作を検出する電子鍵盤楽器のスイッチ体に関する。
従来、電子鍵盤楽器において、押鍵操作により鍵自身やハンマ等の変位部材によって駆動されるスイッチ体が配設されたものが知られている(下記特許文献1)。この種のスイッチ体は、軟質の樹脂等で形成され、ベース部からドーム型に膨出した弾性膨出部に可動接点部が基板側に突出して設けられ、対応する基板上の固定接点部に当接することで導通(オン)状態となり、押鍵操作が検出される。
また、下記特許文献2に示されるように、1つのスイッチ体に可動接点部が3つ以上設けられるものでは、押鍵往行程においてオンとなる順序が決まっているものがある。そして、各可動接点部のオンにより、押鍵の有無や押鍵速度等が検出される。
この種のドーム型のスイッチ体は、その弾性により、駆動されて変形し、非押鍵状態となると元の形状に復帰する。その際、可動接点部も弾性膨出部にスカート部を介して弾性的に一体に設けられるので、固定接点部に当接すると弾性変形し、非押鍵状態となると元の形状に復帰する。
特許第3381604号公報 特公昭61−54234号公報
しかしながら、上記特許文献2のスイッチ体のように、可動接点部が3つ以上前後方向に一列に配置されたものでは、スイッチ体全体が縦長形状となり、横方向からの力に対しては不安定となりやすい。例えば、グリッサンド奏法のような鍵を斜め横方向に弾く場合は、可動接点部が傾きやすい。
スイッチ体全体が縦長であって、しかも押鍵往行程において奏者側の可動接点部から順にオンしていくため、駆動途中でスイッチ体に横方向の力が加わっていると、スイッチ体が変形しやすい。そのため、押鍵往行程において最後にオンする可動接点部が実際にオンする段階でその可動接点部が固定接点部に正対しないことが生じ得る。すると、固定接点部に適切に当接せず、スイッチ動作が不安定になる。例えば、接点時間差方式のタッチレスポンススイッチにおいては、同一の押鍵強さであってもベロシティデータの値がその時々で異なるという不都合が発生することがある。
一方、最初にオンする可動接点部は最も奏者側に位置するため、一時的に荷重バランスが奏者側に偏り、特に強押鍵時にスイッチ動作が不安定となる。また、最初にオンする可動接点部はストロークが長いこともあって、それ自体傾きやすく、スイッチ動作が不安定となる。
このようにスイッチ動作が不安定になると、チャタリングが生じやすく、鍵操作の正確な検出が困難となる場合がある。
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、スイッチ動作の安定化を図り、鍵操作の検出精度を高めることができる電子鍵盤楽器のスイッチ体を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の請求項1の電子鍵盤楽器のスイッチ体は、鍵に対応して設けられ、押鍵操作により変位する鍵自身または鍵に連動する部材である変位部材(10、15)によって駆動され、対応する鍵の操作を検出する電子鍵盤楽器のスイッチ体(SW)であって、基板(12)に取り付けられるためのベース部(21)と、前記ベース部から膨出し、前記変位部材によって駆動される弾性膨出部(22)と、前記基板に配設された固定接点部(17)に対向するように、前記弾性膨出部に弾性的に少なくとも3つ設けられ、対応する固定接点部に当接することでそれぞれオン状態となる複数の可動接点部(25)とを有し、前記複数の可動接点部は、押鍵往行程においてオンとなる順序が決まっており、押鍵往行程において最後にオンとなる可動接点部は、それより前にオンとなる可動接点部のうち少なくとも2つの可動接点部の間の位置に配置されていることを特徴とする。
上記目的を達成するために本発明の請求項2の電子鍵盤楽器のスイッチ体は、鍵に対応して設けられ、押鍵操作により変位する鍵自身または鍵に連動する部材である変位部材(10、15)によって駆動され、対応する鍵の操作を検出する電子鍵盤楽器のスイッチ体(SW)であって、基板に取り付けられるためのベース部(21)と、前記ベース部から膨出し、前記変位部材によって駆動される弾性膨出部(22)と、前記基板に配設された固定接点部(17)に対向するように、前記弾性膨出部に弾性的に少なくとも3つ設けられ、対応する固定接点部に当接することでそれぞれオン状態となる複数の可動接点部(25)とを有し、前記複数の可動接点部は、押鍵往行程においてオンとなる順序が決まっており、押鍵往行程において最初にオンとなる可動接点部は、それより後にオンとなる可動接点部のうち少なくとも2つの可動接点部の間の位置に配置されていることを特徴とする。
上記目的を達成するために本発明の請求項3の電子鍵盤楽器のスイッチ体は、鍵に対応して設けられ、押鍵操作により変位する鍵自身または鍵に連動する部材である変位部材(10、15)によって駆動され、対応する鍵の操作を検出する電子鍵盤楽器のスイッチ体(SW)であって、基板に取り付けられるためのベース部(21)と、前記ベース部から膨出し、前記変位部材によって駆動される弾性膨出部(22)と、前記基板に配設された固定接点部(17)に対向するように、前記弾性膨出部に弾性的に少なくとも3つ設けられ、対応する固定接点部に当接することでそれぞれオン状態となる複数の可動接点部(25)とを有し、前記複数の可動接点部は、押鍵往行程においてオンとなる順序が決まっており、押鍵往行程において最初にオンとなる可動接点部は、それより後にオンとなる可動接点部のいずれよりも、対応する固定接点部に対向する面の面積が大きいことを特徴とする。
好ましくは、押鍵往行程において最初にオンとなる可動接点部は、それより後にオンとなる可動接点部のいずれよりも、対応する固定接点部に対向する面の面積が大きい(請求項4)。好ましくは、押鍵往行程において後にオンとなる可動接点部ほど、対応する固定接点部に対向する面の面積が小さくなっている(請求項5)。
なお、上記括弧内の符号は例示である。
本発明の請求項1、2、3によれば、スイッチ動作の安定化を図り、鍵操作の検出精度を高めることができる。
請求項4によれば、ストロークの大きい最初にオンとなる可動接点部が傾くことなく安定して固定接点部に当接するので、動作が安定する。
請求項5によれば、スイッチ体を一層小型化することができる。
本発明の第1の実施の形態に係るスイッチ体が適用される電子鍵盤楽器の1つの鍵に着目した模式的な側面図である。 第1、第2の実施の形態に係るスイッチ体の縦断面図、裏面図である。 変形例における1つのスイッチ体における可動接点部の配置とオンの順番とを模式的に示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るスイッチ体が適用される電子鍵盤楽器の1つの鍵に着目した模式的な側面図である。
本電子鍵盤楽器には、基板12、鍵10、制御部19、楽音発生部9、スイッチ体SWが設けられている。全体の図示はしないが、鍵10には白鍵10Wと黒鍵10Bとがあり、奏者からみて左右方向に複数の鍵10が並列配置される。鍵10は、いずれも同様に構成され、後部の鍵支点11を中心に前端部(図1(a)の左端部)が上下方向(図1(a)の時計及び反時計方向)に揺動(回動)自在にされている。鍵10は、前端部が常に上方に付勢されると共に、非押鍵状態では不図示のストッパに係合して図1(a)に示す初期位置に規制される。鍵10は、初期位置において前端部が押下されると前端部が下方に変位する。
スイッチ体SWは、各鍵10に対応して基板12上に配設され、対応する鍵10によって駆動されて、検出信号を制御部19に供給する。制御部19及び楽音発生部9は鍵盤楽器に1つずつ設けられる。制御部19は、個々には図示しないが、CPU、ROM、RAM、タイマ、記憶装置、各種インターフェイス等を備え、ROMに記憶されたプログラムに従って、CPUが楽器全体の動作を制御する。楽音発生部9は、個々には図示しないが、音源回路、効果回路、サウンドシステム等を備え、制御部19による制御に従って、音響を発生させる。本実施の形態では、スイッチ体SWにより検出される押鍵操作された鍵10に対応する楽音が発生する。
本実施の形態では、スイッチ体SWが鍵10によって駆動される構成を例示するが、これに限られない。スイッチ体SWは、押鍵操作により変位する変位部材によって駆動されればよく、その変位部材は鍵10自身でもよいし、鍵10に連動する部材であってもよい。例えば、図1(b)に示すように、変位部材はハンマ15であってもよい。また、鍵10と変位部材との間に介在部材があってもよい。
すなわち、図1(b)に示す例では、鍵10の下方にはハンマ15が対応して配設される。ハンマ15は、鍵10の配列方向に並列に鍵数分配列される。各ハンマ15は、ハンマ支点14を中心に図1(b)の時計及び反時計方向に回動自在になっている。鍵支点11、ハンマ支点14の前後方向の位置はそれぞれ共通とする。
ハンマ15の前端部と鍵10の前端部とは回動軸13で回動自在に連結されている。従って、押離鍵操作により鍵10が回動するのに連動して対応するハンマ15が回動する。ハンマ15の後端部に質量が集中するようになっている。自由状態では、ハンマ15は、鍵10を図1(b)の時計方向に付勢するように配設されている。ハンマ15が有する質量によって、押鍵操作に対して慣性力が付与され、生ピアノのような押鍵感触が得られる。スイッチ体SWは、ハンマ15の駆動部16によって駆動される。
次に、スイッチ体SWの構成を説明する。各スイッチ体SWは同様に構成されるので、代表として1つのスイッチ体SWの構成を説明する。図2(a)、(b)は、スイッチ体SWの縦断面図、裏面図である。図2(a)、(b)において、図の上側が後方、すなわち、鍵支点11がある側であり、図の下側が奏者側(前方)である。以降、鍵10の長手方向を前後方向とも称し、奏者からみて鍵支点11がある側を後方と称する。
スイッチ体SWは、可動接点部と固定接点部との組み合わせが3つ以上である3メイク式以上の構成が採用されるが、図2(a)の例では3メイク式が例示されている。すなわち、スイッチ体SWは、ゴム等の弾性部材で一体に構成された接点時間差タイプの3メイク式タッチレスポンススイッチである。
図2(a)、(b)に示すように、スイッチ体SWは、ベース部21を有し、ベース部21が基板12に固着等によって取り付けられている。スイッチ体SWにおいて、ベース部21からは、上方にドーム状に膨出した弾性膨出部22が形成される。弾性膨出部22は、ベース部21から延設され弾性変形しやすいスカート部26を有する。弾性膨出部22の上面に鍵10が当接しており、押鍵操作されると弾性膨出部22が下方に駆動される。
弾性膨出部22の内側には、弾性膨出部22から下方(基板12側)にドーム状に膨出した可動接点部25(25A、25B、25C)が3つ設けられている。可動接点部25は、弾性膨出部22において、弾性変形しやすいスカート部24(24A、24B、24C)を介して弾性的に接続され、個々に変形できるようになっている。各可動接点部25の最下部には、基板12に平行な可動接点が設けられており、これら可動接点は、カーボンインク等の導電性材料でなる。
また、基板12の上面には、一対の櫛歯状電極(詳細は図示せず)で構成された固定接点部17(17A、17B、17C)が敷設され、可動接点部25A、25B、25Cと固定接点部17A、17B、17Cとがそれぞれ対向している。
非押鍵状態において、可動接点部25の基板12側への突出高さは、高い順に可動接点部25A、25C、25Bとなっている。つまり、可動接点部25Aが最も基板12に近い。可動接点部25の固定接点部17に対向する面は円形である。
各可動接点部25は、対応する固定接点部17に当接することでそれぞれオン状態となる。ここで、上記した突出高さの設定によって、可動接点部25は、押鍵往行程においてオンとなる順序が決まっており、早くオンするものから順に、可動接点部25A、25C、25Bとなっている。一方、離鍵行程においては、早くオフするものから順に、可動接点部25B、25C、25Aとなる。
各可動接点部25のオン、オフの検出信号による楽音制御の態様は問わない。一例としては、押鍵往行程において、可動接点部25Aのオンから可動接点部25Cのオンまでの時間で押鍵ベロシティを設定し、可動接点部25Bのオンを発音のトリガとする。離鍵行程においては、可動接点部25Bのオフから可動接点部25Cのオフまでの時間で離鍵ベロシティを設定し、可動接点部25Aのオフを消音のトリガとする。
ここで、前後方向の位置関係をみると、可動接点部25Bは、それより前にオンとなる可動接点部25Aと可動接点部25Cとの間の位置に配置されている。押鍵往行程において奏者側の可動接点部から順にオンしていくような従来の構成であるとすると、スイッチ体SW全体が縦長であることから、鍵を斜め横方向に弾く演奏等によって、駆動途中でスイッチ体SWに横方向の力が加わることで変形しやすい。その結果、最後にオンする可動接点部が実際にオンする段階でその可動接点部が固定接点部に正対せず、固定接点部に適切に当接しない場合があり得る。
しかし、本実施の形態では、押鍵往行程において最後にオンする可動接点部25Bが真ん中に位置するので、前側、後側の可動接点部25A、25Cがオンして状態が安定した段階で可動接点部25Bがオンする。従って、可動接点部25Bの挙動が安定し、固定接点部17Bに適切に当接する。
ところで、押鍵往行程において最初にオンとなる可動接点部25Aの面積(固定接点部17Aに対向する面の面積)は、可動接点部25B、25Cの面積よりも大きく設定されている。それに伴い、スカート部24についても、スカート部24Aが、スカート部24B、24Cよりも大きく設計されている。最初にオンとなる可動接点部25Aは、ストロークが長いことから、同じ面積でストロークが短い可動接点部に比べれば変形途中で傾きやすく、スイッチ動作が不安定となりがちである。しかし、可動接点部25Aは面積が大きいことで、動作が安定するという効果がある。
本実施の形態によれば、可動接点部25Bが可動接点部25A、25Cの間に配置されたので、スイッチ動作の安定化を図り、鍵操作の検出精度を高めることができる。
また、押鍵往行程において最初にオンとなる可動接点部25Aの面積が、それより後にオンとなる可動接点部25B、25Cよりも大きいので、この点からも、スイッチ動作の安定化を図り、鍵操作の検出精度を高めることができる。また、後にオンとなる可動接点部25B、25Cについては、スカート部24B、24Cの大きさをスカート部24Aよりも小さく設計できるので、無用に大きくなってしまうことがなく、スイッチ体SW全体の小型化に寄与する。
(第2の実施の形態)
図2(c)、(d)は、本発明の第2の実施の形態に係るスイッチ体の縦断面図、裏面図であり、図2(a)、(b)に対応している。
第1の実施の形態では、スイッチ体SWの可動接点部25は、押鍵往行程においてオンとなる順序が、早くオンするものから順に、可動接点部25A、25C、25Bとなっていた。これに対し、本第2の実施の形態では、図2(c)に示すように、早くオンするものから順に、可動接点部25B、25A、25Cとなっている。前後方向の配列順は第1の実施の形態と同じである。その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
従って、前後方向の位置関係をみると、最初にオンする可動接点部25Bが、それより後にオンとなる可動接点部25Aと可動接点部25Cとの間の位置に配置されている。また、可動接点部25の面積については、最初にオンとなる可動接点部25Bの面積が、それより後にオンとなる可動接点部25A、25Cよりも大きくなっている。それに伴い、スカート部24Bが、スカート部24A、24Cよりも大きく設計されている。
本実施の形態によれば、最初にオンする可動接点部25Bが真ん中に位置するため、押鍵往行程において荷重バランスが奏者側または後側に一時的に偏ることが回避される。すなわち、可動接点部25Bと固定接点部17Bとの当接によって、押鍵途中の状態で仮固定のような状態となり、その後の可動接点部25と固定接点部17とのスイッチング動作が正確になされるようになる。これにより、強押鍵時にもスイッチ動作が安定となる。また、押鍵往行程において最初にオンとなる可動接点部25Bの面積が、それより後にオンとなる可動接点部25A、25Cよりも大きい。よって、スイッチ動作の安定化を図り、鍵操作の検出精度を高めること、及びスイッチ体SW全体の小型化に関し、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
ところで、上記第1、第2の実施の形態では、可動接点部25が3つの構成を例示した。しかし、可動接点部25の数は4つ以上であってもよい。その場合、スイッチ動作の安定化を図る観点からは、押鍵往行程において最後にオンとなる可動接点部が、それより前にオンとなる可動接点部のうち少なくとも2つの可動接点部の間の位置に配置されればよい。あるいは、押鍵往行程において最初にオンとなる可動接点部が、それより後にオンとなる可動接点部のうち少なくとも2つの可動接点部の間の位置に配置されればよい。つまり、最初または最後にオンする可動接点部が、最前端または最後端のいずれの可動接点部にも該当しないように配設すればよい。
ここでいう「間の位置」とは、スイッチ体SWの形状の長手方向の位置関係における間の位置である。従って、必ずしも可動接点部が一直線に並んでいなくてもよい。例えば、前後方向に沿って、各可動接点部の鍵並び方向の位置が少しずれていてもよく、千鳥配置となっていてもよい。
図3(a)〜(e)は、1つのスイッチ体SWにおける可動接点部25の配置とオンの順番とを模式的に示す図である。可動接点部25が前後方向に直線上に配置される。これらの図において、番号は押鍵往行程においてオンする順番を表し、大きさは、可動接点部25の、対応する固定接点部17に対向する面の面積を表している。
例えば、図3(a)に示す例では、最後である4番目にオンする可動接点部25は、2番目と3番目にオンする可動接点部25の間に位置する。また、4番目にオンする可動接点部25は、1番目と2番目にオンする可動接点部25の間に位置するともいえる。図3(b)に示す例では、最後である5番目にオンする可動接点部25は、1番目(または3番目)と4番目(または2番目)にオンする可動接点部25の間に位置する。
また、図3(c)に示す例では、最初である1番目にオンする可動接点部25は、3番目と4番目(または2番目)にオンする可動接点部25の間に位置する。図3(d)に示す例では、1番目にオンする可動接点部25は、2番目(または4番目)と3番目(または5番目)にオンする可動接点部25の間に位置する。
図3(e)に示す例では、1番目にオンする可動接点部25は、2番目(または4番目)と3番目にオンする可動接点部25の間に位置する。
ところで、上記各実施の形態では、可動接点部25の、固定接点部17に対向する面の面積は、最初にオンするものが他よりも大きい。図3(a)〜(e)の例でもそのようになっている。ただし、図3(e)に示すように、押鍵往行程において後にオンとなる可動接点部25ほど、対応する固定接点部17に対向する面の面積が小さくなるように設計してもよい。特に、図3(b)〜(e)の例では、前後方向における端ではなく中間で、可動接点部25と固定接点部17との当接によって、押鍵途中の状態で仮固定のような状態となるため、その後の可動接点部25と固定接点部17とのスイッチング動作が正確になされる。従って、後にオンする可動接点部25の面積が小さくても安定した動作が確保される。また、後にオンする可動接点部25ほどストロークが短くて済むので、スカート部24の寸法も最小限まで詰めて小さく設計できる。そのようにすれば、スイッチ体を一層小型化することができ、押鍵往行程後半の反力の急上昇を抑制して押鍵感触の向上にも繋がる。
10 鍵(変位部材)、 12 基板、 15 ハンマ(変位部材)、 17 固定接点部、 21 ベース部、 22 弾性膨出部、 25 可動接点部、 SW スイッチ体

Claims (5)

  1. 鍵に対応して設けられ、押鍵操作により変位する鍵自身または鍵に連動する部材である変位部材によって駆動され、対応する鍵の操作を検出する電子鍵盤楽器のスイッチ体であって、
    基板に取り付けられるためのベース部と、
    前記ベース部から膨出し、前記変位部材によって駆動される弾性膨出部と、
    前記基板に配設された固定接点部に対向するように、前記弾性膨出部に弾性的に少なくとも3つ設けられ、対応する固定接点部に当接することでそれぞれオン状態となる複数の可動接点部とを有し、
    前記複数の可動接点部は、押鍵往行程においてオンとなる順序が決まっており、押鍵往行程において最後にオンとなる可動接点部は、それより前にオンとなる可動接点部のうち少なくとも2つの可動接点部の間の位置に配置されていることを特徴とする電子鍵盤楽器のスイッチ体。
  2. 鍵に対応して設けられ、押鍵操作により変位する鍵自身または鍵に連動する部材である変位部材によって駆動され、対応する鍵の操作を検出する電子鍵盤楽器のスイッチ体であって、
    基板に取り付けられるためのベース部と、
    前記ベース部から膨出し、前記変位部材によって駆動される弾性膨出部と、
    前記基板に配設された固定接点部に対向するように、前記弾性膨出部に弾性的に少なくとも3つ設けられ、対応する固定接点部に当接することでそれぞれオン状態となる複数の可動接点部とを有し、
    前記複数の可動接点部は、押鍵往行程においてオンとなる順序が決まっており、押鍵往行程において最初にオンとなる可動接点部は、それより後にオンとなる可動接点部のうち少なくとも2つの可動接点部の間の位置に配置されていることを特徴とする電子鍵盤楽器のスイッチ体。
  3. 鍵に対応して設けられ、押鍵操作により変位する鍵自身または鍵に連動する部材である変位部材によって駆動され、対応する鍵の操作を検出する電子鍵盤楽器のスイッチ体であって、
    基板に取り付けられるためのベース部と、
    前記ベース部から膨出し、前記変位部材によって駆動される弾性膨出部と、
    前記基板に配設された固定接点部に対向するように、前記弾性膨出部に弾性的に少なくとも3つ設けられ、対応する固定接点部に当接することでそれぞれオン状態となる複数の可動接点部とを有し、
    前記複数の可動接点部は、押鍵往行程においてオンとなる順序が決まっており、押鍵往行程において最初にオンとなる可動接点部は、それより後にオンとなる可動接点部のいずれよりも、対応する固定接点部に対向する面の面積が大きいことを特徴とする電子鍵盤楽器のスイッチ体。
  4. 押鍵往行程において最初にオンとなる可動接点部は、それより後にオンとなる可動接点部のいずれよりも、対応する固定接点部に対向する面の面積が大きいことを特徴とする請求項1または2記載の電子鍵盤楽器のスイッチ体。
  5. 押鍵往行程において後にオンとなる可動接点部ほど、対応する固定接点部に対向する面の面積が小さくなっていることを特徴とする請求項3または4記載の電子鍵盤楽器のスイッチ体。
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