JP2012057670A - トルクコンバータの発進用スリップ制御装置 - Google Patents
トルクコンバータの発進用スリップ制御装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012057670A JP2012057670A JP2010199538A JP2010199538A JP2012057670A JP 2012057670 A JP2012057670 A JP 2012057670A JP 2010199538 A JP2010199538 A JP 2010199538A JP 2010199538 A JP2010199538 A JP 2010199538A JP 2012057670 A JP2012057670 A JP 2012057670A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- slip rotation
- rotation
- slip
- torque converter
- starting
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Abstract
【解決手段】マップを基にアクセル開度APOおよび車速VSP(但し、除算器34で補正したもの)から目標スリップ回転tΔNetを求める。演算部32は上記のtΔNetに乗じてこれを補正するための補正ゲインGainを、エンジン回転数Ne、タービン回転数Nt、およびtΔNetからGain=Ne/(Nt+tΔNet)の演算により求める。乗算器33は補正済目標スリップ回転cΔNetを、cΔNet=tΔNet×Gainにより求め、これをトルクコンバータの発進時スリップ制御時の目標スリップ回転とする。アイドル回転数が高くて実スリップ回転が大きい場合、この目標スリップ回転cΔNetも大きくなることから、両者間のスリップ回転偏差が大きくなることがない。
【選択図】図2
Description
このため、これらトルク変動吸収機能や、トルク増大機能が不要な走行条件のもとでは、トルクコンバータの入出力要素間をロックアップクラッチにより直結(ロックアップ)するロックアップ式のトルクコンバータが多用されている。
これによりスリップ回転の制限を、停車を含む一層低車速まで行い得るようにしたトルクコンバータのスリップ制御技術も多々提案されている。
トルクコンバータの流体伝動のみによる発進に比較して、ロックアップクラッチのスリップ伝動によっても発進が行われることから、原動機であるエンジンの回転上昇が抑制され、燃費の向上を実現し得る。
つまり、発進用スリップ制御の開始時におけるエンジンのアイドル回転数が、補機駆動中のアイドルアップなどにより通常よりも高くされている場合、トルクコンバータの入力回転数がその分だけ高くなるために、トルクコンバータの入出力回転数差である実スリップ回転が大きくなる。
この場合、実スリップ回転をステップ的に目標スリップ回転に近づけることとなり、エンジン回転数の急低下を生じさせる。
かかるエンジン回転数の急低下は、時としてエンジン回転数をアンダーシュートによりエンジンストール域まで低下させることがある。
しかし発進用スリップ制御の中止はエンジン回転数の上昇をもたらし、発進用スリップ制御による燃費向上効果を享受し得なくするだけでなく、エンジン回転数の上昇が運転者に違和感を与えるという問題をも生ずる。
前記応答性重視の制御が行われることがなくて、上記した諸々の問題を一挙に解消し得るとの事実認識に基づき、この着想を具体化したトルクコンバータの発進用スリップ制御装置を提供することを目的とする。
先ず、本発明の前提となる発進用スリップ制御装置は、トルクコンバータを経て原動機からの回転を伝達されて走行可能な車両に用いられ、
車両の発進に際し、トルクコンバータの入出力要素間における実スリップ回転を、少なくとも車速に応じ決定した目標スリップ回転に近づくよう制御するものである。
トルクコンバータの実スリップ回転および目標スリップ回転間のスリップ回転偏差を演算するスリップ回転偏差演算手段と、
該手段により求めたスリップ回転偏差に応じて、該スリップ回転偏差が所定以上にならないよう前記目標スリップ回転を補正する目標スリップ回転補正手段とを設けた構成に特徴づけられる。
車両発進時にトルクコンバータの実スリップ回転を目標スリップ回転に近づくよう制御するに際し
これら実スリップ回転および目標スリップ回転間のスリップ回転偏差が所定以上にならないよう目標スリップ回転を補正するため、
原動機のアイドル回転数が高くされ、その分だけトルクコンバータの実スリップ回転が大きくなる場合でも、目標スリップ回転との間におけるスリップ回転偏差が所定以上になることがない。
そのため、発進用スリップ制御が原動機回転数の急低下を生じさせることがなく、原動機回転数がアンダーシュートによりストール域まで低下されるのを回避することができ、原動機のストール防止のための発進用スリップ制御が中止されることもない。
<実施例の構成>
図1は、本発明の一実施例になる発進用スリップ制御装置を具えたトルクコンバータの制御系を示し、1は、原動機としてのエンジン、2は、トルクコンバータである。
エンジン1により駆動される入力要素としてのポンプインペラ2aと、自動変速機3の入力軸に結合された出力要素としてのタービンランナ2bと、これらポンプインペラ2aおよびタービンランナ2b間を結合可能なロックアップクラッチ2cとを具えた、所謂ロックアップ式トルクコンバータとする。
ディファレンシャルギヤ装置4は、自動変速機3からの変速後の動力を左右駆動輪5に分配出力し、これら左右輪5の駆動により車両を走行させることができる。
ロックアップクラッチ2cの締結時は、上記流体伝動によるトルク伝達に並行して、ロックアップクラッチ2cの締結力に応じたクラッチ伝動によってもトルク伝達を行うものである。
アプライ圧Pa がレリーズ圧Pr よりも低ければ、ロックアップクラッチ2cは解放されてポンプインペラ2aおよびタービンランナ2b間をクラッチ結合せず、
トルクコンバータ2を、スリップ制限しないコンバータ状態で流体伝動を行うよう機能させる。
トルクコンバータ2を、ロックアップクラッチ2cの締結力に応じてスリップ制限するスリップ制御状態で機能させる。
そして当該差圧が設定値よりも大きくなると、ロックアップクラッチ締結容量の増大で、ポンプインペラ2aおよびタービンランナ2b間の相対回転がなくなり、トルクコンバータ2を、スリップ回転が0のロックアップ状態で機械的伝動を行うよう機能させる。
図1におけるスリップ制御弁11は、変速機コントローラ12によりデューティ制御されるロックアップソレノイド13からの信号圧Ps に応じてアプライ圧Pa およびレリーズ圧Pr を決定するもので、
これらスリップ制御弁11およびロックアップソレノイド13はそれぞれ周知のものとする。
一方でスリップ制御弁11は、上記の信号圧Ps およびフィードバックされたレリーズ圧Pr を一方向に受けると共に、他方向にバネ11aのバネ力およびフィードバックされたアプライ圧Pa を受け、
信号圧Ps の上昇につれて、アプライ圧Pa とレリーズ圧Pr との間の差圧(Pa −Pr )で表されるロックアップクラッチ2cの締結圧を、負値から正値へと連続的に変化させるものとする。
逆にロックアップクラッチ締結圧(Pa −Pr )が正である時は、その値が大きくなるにつれて、ロックアップクラッチ2cの締結力が増大され、トルクコンバータ2のスリップ回転を大きく制限し、遂にはトルクコンバータ2をクラッチ2cの完全締結によりロックアップ状態にすることを意味する。
ポンプインペラ2aの回転速度(トルクコンバータ入力回転数)であるエンジン回転数Neを検出するエンジン回転センサ21からの信号と、
タービンランナ2bの回転速度(トルクコンバータ出力回転数)であるタービン回転数Ntを検出するタービン回転センサ22からの信号と、
自動変速機3の出力回転速度である車速VSPを検出する車速センサ23からの信号と、
エンジン1への要求負荷であるアクセル開度(アクセルペダル踏み込み量)APOを検出するアクセル開度センサ24からの信号と、
ブレーキペダルを踏み込む制動時にONとなるブレーキスイッチ25からの信号と、
自動変速機3の選択レンジ(P,R,N,D,Lレンジ)を検出するインヒビタスイッチ26からの信号とを入力する。
変速機コントローラ12は上記の入力情報をもとに、図2に示す機能別ブロック線図に沿った演算により、また図3,4に示す制御プログラムを実行して、ロックアップソレノイド13の駆動デューティDを決定し、本発明が狙いとするトルクコンバータ2の発進用スリップ制御を行う。
駆動デューティDは、図1のロックアップソレノイド13に供給され、そのデューティー駆動により、後で詳述するトルクコンバータ2の発進用スリップ制御を行う。
発進用スリップ制御は、停車状態でブレーキペダルを釈放するなどの発進準備操作があったとき開始される。
従来の場合、先ずトルクコンバータ2の実スリップ回転ΔNet=Ne−Ntを求め、
アクセル開度APOおよび車速VSPからトルクコンバータ2の目標スリップ回転tΔNetを予定マップから検索により求め、
これら実スリップ回転ΔNetおよび目標スリップ回転tΔNet間におけるスリップ回転偏差dΔNetの大きさに応じた応答で実スリップ回転ΔNetを目標スリップ回転tΔNetに一致させるように駆動デューティDを決定し、この駆動デューティーDをロックアップソレノイド13に指令して、実スリップ回転ΔNetを上記の応答で目標スリップ回転tΔNetに一致させる。
一方で発進用スリップ制御は前記のごとく、スリップ回転偏差dΔNetの大きさに応じた応答で実スリップ回転ΔNetを目標スリップ回転tΔNetに一致させるように行われる。
かかるエンジン回転数Neの急低下は、時としてエンジン回転数Neを図5に実線で示すごとくアンダーシュートにより、通常アイドル回転数未満のエンジンストール域まで低下させることがある。
しかし発進用スリップ制御の中止は、図5の瞬時t2以降に実線で示すようなエンジン回転数Neの上昇をもたらし、発進用スリップ制御による燃費向上効果を享受し得なくするだけでなく、エンジン回転数Neの上昇で運転者に違和感を与える。
そのため変速機コントローラ12は、図2に示す機能別ブロック線図に沿った演算により、また図3,4に示す制御プログラムを実行して、目標スリップ回転tΔNetを上記の狙いが達成されるよう補正し、発進用スリップ制御に資することとする。
目標スリップ回転演算部31は、予定の目標スリップ回転マップを基にアクセル開度APOおよび車速VSP(但し、除算器34で後述の補正を行ったもの)から目標スリップ回転tΔNetを検索して求める。
図3のステップS41においては、インヒビタスイッチ26で検出した自動変速機3の選択レンジが前進走行(D)レンジか否かをチェックし、
ステップS42においては、ブレーキスイッチ25がONの制動中、またはアクセル開度APOが開いているアクセルON状態か否かをチェックし、
ステップS43においては、車速VSPが0の停車中か否かをチェックする。
ステップS41で前進走行(D)レンジと判定し、且つステップS42でブレーキOFFのアイドル中と判定し、更にステップS43で車速VSP=0の停車中と判定するときは、目標スリップ回転補正ゲインGainを正確に算出可能であるため、制御をステップS44以降に進めて補正ゲインGainの算出を行う。
Gain=Ne/(Nt+tΔNet) ・・・(1)
上式における(Nt+tΔNet)は、目標スリップ回転tΔNetを実現するのに必要な目標エンジン回転数tNeを意味し、補正ゲインGainは、この目標エンジン回転数tNeに対する実エンジン回転数Neの比である。
ステップS46においては、自動変速機3の選択レンジがDレンジか否かをチェックし、
ステップS47においては、ブレーキスイッチ25がONの制動中、またはアクセル開度APOが開いているアクセルON状態か否かをチェックし、
ステップS48においては、前記トルクコンバータ2のロックアップを禁止する信号がON「ロックアップ禁止中」か否かをチェックし、
ステップS49においては、車速VSPが設定閾値V1未満の低車速か否かをチェックし、
ステップS51においては、補正ゲインGainが設定閾値Y1以下か否かをチェックし、
ステップS52においては、実スリップ回転ΔNetと、目標スリップ回転tΔNetとの間におけるスリップ回転偏差dΔNetが設定閾値Y2以下か否かをチェックする。
ステップS48でロックアップ禁止信号がOFF「ロックアップ禁止解除中」と判定している間において、
ステップS49で車速VSPが設定閾値V1以上であると判定したり、
ステップS51で補正ゲインGainが設定閾値Y1を超えていると判定したり、
ステップS52でスリップ回転偏差dΔNetが設定閾値Y2を超えていると判定するときは、
制御をそのまま終了して、ステップS45での補正ゲインGainの算出を終了させる。
ステップS48でロックアップ禁止信号がOFF「ロックアップ禁止解除中」と判定している間であっても、ステップS49で車速VSPが設定閾値V1未満と判定し、且つステップS51で補正ゲインGainが設定閾値Y1以下と判定し、更にステップS52でスリップ回転偏差dΔNetが設定閾値Y2以下と判定する場合は、
制御をステップS45に戻して、ここでの前記補正ゲインGainの算出を引き続き行わせる。
cΔNet=tΔNet×Gain ・・・(2)
ちなみに、かかる補正済目標スリップ回転cΔNetを実現するのに必要な補正済目標エンジン回転数cNeは、次式で求め得る。
cNe=Nt+cΔNet ・・・(3)
かかるエンジン回転数Neの低下は、運転者に違和感を与えると共に、ロックアップクラッチ2cの急締結を惹起し、その締結ショックを生じさせる。
かようにエンジン回転数Neが車速VSPの上昇に伴って低下することのないようにするため、図2の除算器34において車速VSPを前記の補正ゲインGainにより除算することで補正し、この補正した車速VSPを演算部31での目標スリップ回転tΔNetの算出に資する。
補正後の車速VSP(←VSP÷Gain)を用いて得られる補正済目標スリップ回転cΔNetは、車速VSPに対し図6の実線で示すごとくに変化し、補正済目標スリップ回転cΔNetをΔVSPの車速拡大域においても存在させることができ、発進用スリップ制御中にエンジン回転数Neが車速VSPの上昇に伴って低下するのを防止、若しくは緩和することができる。
ステップS61においては、既に発進用スリップ制御中か否かをチェックし、スリップ制御中でなければ、そのまま制御を終了してスリップ制御を行わせない。
ステップS61でスリップ制御中と判定する場合、ステップS62において補正ゲインGainが設定閾値Y1以下であると判定し、且つステップS63においてスリップ回転偏差dΔNetが設定閾値Y2以下であると判定するとき、ステップS64において発進用スリップ制御の許可を指令する。
従ってステップS66は、本発明におけるスリップ回転低下速度制限手段に相当する。
上記した実施例の発進用スリップ制御装置においては、図2の演算部31でアクセル開度APOおよび車速VSPから求めた目標スリップ回転tΔNetをそのまま発進用スリップ制御に用いず、
図2の演算部32で、図7の瞬時t1(車速VSPが0になった時)から瞬時t3(車速VSPが設定閾値V1以上になった時)までの間に、図3につき前述した通り前記(1)式の演算により補正ゲインGainを求め、
乗算器33で、上記の目標スリップ回転tΔNetにこの補正ゲインGainを乗じて得られる補正済目標スリップ回転cΔNetを発進用スリップ制御に用いるため、以下の効果が奏し得られる。
このため、図7に破線で示すようにエンジンアイドル回転数Neが、補機駆動時のアイドルアップなどにより通常のアイドル回転よりも高くされている場合、その分だけ補正済目標スリップ回転cΔNetも目標スリップ回転tΔNetから図7に矢印で示すごとくに増大される。
実スリップ回転ΔNetおよび補正済目標スリップ回転cΔNet間のスリップ回転偏差dΔNetは大きくなることがない。
このような場合、通常はエンジンストールを生ずることのないよう、その兆候が現れた図5のエンジンストール判定瞬時t2に、ロックアップクラッチ2cの解放によりトルクコンバータ2の発進用スリップ制御を中止するため、
これに伴うエンジン回転数Neの上昇で運転者に違和感を与えたり、発進用スリップ制御による燃費向上効果を享受し得なくなる。
図7につき上述した通り、実スリップ回転ΔNetと、補正後の目標スリップ回転cΔNetとの間におけるスリップ回転偏差dΔNetが大きくならず、エンジン回転数Neを図7に示すように、図5の実線で示す急低下なしに、滑らかに低下させることができる。
発進用スリップ制御の中止に伴うエンジン回転数Neの上昇で運転者に違和感を与えたり、発進用スリップ制御による燃費向上効果を享受し得なくなるという問題を解消することができる。
車速VSPを検出値のまま目標スリップ回転tΔNetの算出に用いた場合、エンジン回転数Neが発進(t2)後の車速上昇につれ、図8の破線cNe(車速補正無し)に沿って低下するのを避けられない。
かかる発進用スリップ制御中におけるエンジン回転数Neの低下は、運転者に違和感を与えるだけでなく、ロックアップクラッチ2cの急締結を惹起し、その締結ショックを生じさせる。
当該算出結果の目標スリップ回転tΔNetを前記(1)式により補正した補正済目標スリップ回転cΔNetの発生車速域を図6にΔVSPだけ拡大し得て、補正済目標スリップ回転cΔNetを図8に破線で示すごときものから、同図に実線で示すごときものへと修正することができ、発進(t2)後の車速上昇につれ低下する程度を弱めることができる。
エンジン回転数Neを発進(t2)後の車速上昇中、図8の実線cNe(車速補正有り)に沿って変化させることができ、エンジン回転数Neの低下を防止することができる。
従って、発進用スリップ制御中におけるエンジン回転数Neの低下で運転者が違和感を覚えることがないと共に、当該エンジン回転数Neの低下でロックアップクラッチ2cが急締結して締結ショックを発生することもない。
スリップ回転偏差dΔNetが設定値Y2未満である間は(ステップS52)、ステップS45での目標スリップ回転tΔNetの補正(補正済目標スリップ回転cΔNetの算出)を継続し、スリップ回転偏差dΔNetが設定値Y2以上である間に(ステップS52)、ステップS45での目標スリップ回転tΔNetの補正(補正済目標スリップ回転cΔNetの算出)を禁止するため、以下の効果が得られる。
発進用スリップ制御状態からスリップ回転を一層低下させる要求を実現することができる。
図9は、瞬時t1にステップS62およびステップS63(図4)の発進用スリップ制御開始条件が成立して、ステップS64で発進用スリップ制御が許可されたことにより、発進用スリップ制御が開始され、
瞬時t2に、図3のステップS48でロックアップ禁止信号がOFFになったと判定する場合、つまり発進用スリップ制御に係わる制御条件が変化してトルクコンバータを発進用スリップ制御状態から、スリップ回転を一層低下させるべきことになった場合のタイムチャートである。
しかして図9の瞬時t2におけるロックアップクラッチ締結圧(Pa−Pr)の上昇が図示のように急峻だと、ロックアップクラッチ2cの締結進行も急峻で、エンジン回転数Neを一気にタービン回転数Ntに一致させ、瞬時t2の直後における車両の前後加速度変化から明らかなように、大きなロックアップショックが発生するという問題を生ずる。
かかるロックアップクラッチ締結圧(Pa-Pr)のランプ上昇制御により、ロックアップクラッチ2cの締結がこの時間変化勾配ΔPに応じた速度で緩やかに進行し、エンジン回転数Neを図10に示すごとく徐々にタービン回転数Ntに接近させて、これら回転数Ne,Ntが相互に一致する瞬時t3にロックアップが完了する。
従って、瞬時t2の直後における車両の前後加速度変化も図10に示すように振動的とならず、大きなロックアップショックが発生するのを防止することができる。
2 トルクコンバータ
2a ポンプインペラ(入力要素)
2b タービンランナ(出力要素)
2c ロックアップクラッチ
11 スリップ制御弁
12 変速機コントローラ
13 ロックアップソレノイド
21 エンジン回転センサ
22 タービン回転センサ
23 車速センサ
24 アクセル開度センサ
25 ブレーキスイッチ
26 インヒビタスイッチ
31 目標スリップ回転演算部
32 補正ゲイン演算部
33 乗算器(補正済目標スリップ回転演算部)
34 除算器(車速補正部)
Claims (6)
- トルクコンバータを経て原動機からの回転を伝達されて走行可能な車両に用いられ、
該車両の発進に際し、前記トルクコンバータの入出力要素間における実スリップ回転を、少なくとも車速に応じ決定した目標スリップ回転に近づくよう制御するトルクコンバータの発進用スリップ制御装置において、
前記トルクコンバータの実スリップ回転および目標スリップ回転間のスリップ回転偏差を演算するスリップ回転偏差演算手段と、
該手段により求めたスリップ回転偏差に応じて、該スリップ回転偏差が所定以上にならないよう前記目標スリップ回転を補正する目標スリップ回転補正手段とを具備してなることを特徴とするトルクコンバータの発進用スリップ制御装置。 - 請求項1に記載されたトルクコンバータの発進用スリップ制御装置において、
前記目標スリップ回転補正手段は、トルクコンバータ出力回転数および前記目標スリップ回転の和値に対するトルクコンバータ入力回転数の比で表される補正ゲインを求め、この補正ゲインを前記目標スリップ回転に乗じて該目標スリップ回転を補正するものであることを特徴とするトルクコンバータの発進用スリップ制御装置。 - 請求項1または2に記載されたトルクコンバータの発進用スリップ制御装置において、
前記目標スリップ回転補正手段は、車速の上昇によっても前記原動機の回転数が上昇しないよう前記補正済目標スリップ回転を更に補正するものであることを特徴とするトルクコンバータの発進用スリップ制御装置。 - 請求項3に記載されたトルクコンバータの発進用スリップ制御装置において、
前記目標スリップ回転補正手段は、前記車速を前記補正ゲインで除算して前記目標スリップ回転の決定に資することにより前記補正済目標スリップ回転の更なる補正を行うものであることを特徴とするトルクコンバータの発進用スリップ制御装置。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載されたトルクコンバータの発進用スリップ制御装置において、
前記目標スリップ回転補正手段は、前記発進用スリップ制御に係わる制御条件が変化してトルクコンバータを発進用スリップ制御状態から、スリップ回転を一層低下させるべきことになった場合でも、前記スリップ回転偏差が設定値未満である間は前記目標スリップ回転の補正を継続し、スリップ回転偏差が設定値以上である間に前記目標スリップ回転の補正を禁止するものであることを特徴とするトルクコンバータの発進用スリップ制御装置。 - 請求項5に記載されたトルクコンバータの発進用スリップ制御装置において、
前記目標スリップ回転補正手段が前記目標スリップ回転の補正を禁止した時から、トルクコンバータの前記一層のスリップ回転低下を所定の時間変化勾配で徐々に行わせるスリップ回転低下速度制限手段を設けたことを特徴とするトルクコンバータの発進用スリップ制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010199538A JP5565221B2 (ja) | 2010-09-07 | 2010-09-07 | トルクコンバータの発進用スリップ制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010199538A JP5565221B2 (ja) | 2010-09-07 | 2010-09-07 | トルクコンバータの発進用スリップ制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012057670A true JP2012057670A (ja) | 2012-03-22 |
JP5565221B2 JP5565221B2 (ja) | 2014-08-06 |
Family
ID=46055023
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010199538A Expired - Fee Related JP5565221B2 (ja) | 2010-09-07 | 2010-09-07 | トルクコンバータの発進用スリップ制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5565221B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013145985A1 (ja) * | 2012-03-29 | 2013-10-03 | ジヤトコ株式会社 | 車両の発進制御装置及び発進制御方法 |
WO2017068718A1 (ja) * | 2015-10-23 | 2017-04-27 | 日産自動車株式会社 | 車両のロックアップ制御方法及び制御装置 |
CN114483355A (zh) * | 2022-01-28 | 2022-05-13 | 神龙汽车有限公司 | 基于液力变矩器转速差的发动机扭矩控制方法 |
WO2023138608A1 (zh) * | 2022-01-20 | 2023-07-27 | 长城汽车股份有限公司 | 车辆起步控制方法、装置及车辆 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02195072A (ja) * | 1988-12-28 | 1990-08-01 | Mazda Motor Corp | 流体継手のスリップ制御装置 |
JP2004144262A (ja) * | 2002-10-28 | 2004-05-20 | Nissan Motor Co Ltd | トルクコンバータのスリップ制御装置 |
JP2004324847A (ja) * | 2003-04-28 | 2004-11-18 | Nissan Motor Co Ltd | トルクコンバータのスリップ制御装置 |
JP2006132627A (ja) * | 2004-11-04 | 2006-05-25 | Nissan Motor Co Ltd | 自動変速機の制御装置 |
-
2010
- 2010-09-07 JP JP2010199538A patent/JP5565221B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02195072A (ja) * | 1988-12-28 | 1990-08-01 | Mazda Motor Corp | 流体継手のスリップ制御装置 |
JP2004144262A (ja) * | 2002-10-28 | 2004-05-20 | Nissan Motor Co Ltd | トルクコンバータのスリップ制御装置 |
JP2004324847A (ja) * | 2003-04-28 | 2004-11-18 | Nissan Motor Co Ltd | トルクコンバータのスリップ制御装置 |
JP2006132627A (ja) * | 2004-11-04 | 2006-05-25 | Nissan Motor Co Ltd | 自動変速機の制御装置 |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013145985A1 (ja) * | 2012-03-29 | 2013-10-03 | ジヤトコ株式会社 | 車両の発進制御装置及び発進制御方法 |
US9057435B2 (en) | 2012-03-29 | 2015-06-16 | Jatco Ltd | Vehicle startup control device and startup control method |
WO2017068718A1 (ja) * | 2015-10-23 | 2017-04-27 | 日産自動車株式会社 | 車両のロックアップ制御方法及び制御装置 |
JPWO2017068718A1 (ja) * | 2015-10-23 | 2018-04-19 | 日産自動車株式会社 | 車両のロックアップ制御方法及び制御装置 |
CN108138950A (zh) * | 2015-10-23 | 2018-06-08 | 日产自动车株式会社 | 车辆的锁止控制方法以及控制装置 |
US10415699B2 (en) | 2015-10-23 | 2019-09-17 | Nissan Motor Co., Ltd. | Vehicle lock-up control method and control device |
CN108138950B (zh) * | 2015-10-23 | 2020-01-07 | 日产自动车株式会社 | 车辆的锁止控制方法以及控制装置 |
WO2023138608A1 (zh) * | 2022-01-20 | 2023-07-27 | 长城汽车股份有限公司 | 车辆起步控制方法、装置及车辆 |
CN114483355A (zh) * | 2022-01-28 | 2022-05-13 | 神龙汽车有限公司 | 基于液力变矩器转速差的发动机扭矩控制方法 |
CN114483355B (zh) * | 2022-01-28 | 2023-12-15 | 神龙汽车有限公司 | 基于液力变矩器转速差的发动机扭矩控制方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5565221B2 (ja) | 2014-08-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5565468B2 (ja) | ハイブリッド車両の制御装置 | |
US20070246273A1 (en) | Method for operating a parallel hybrid powertrain of a vehicle with at least one internal combustion engine and at least one electric motor | |
JP6423895B2 (ja) | 車両用無段変速機の制御装置 | |
US9969397B2 (en) | Control device for vehicle | |
JP5187834B2 (ja) | ハイブリッド車両のクラッチ伝達トルク制御装置 | |
US10415699B2 (en) | Vehicle lock-up control method and control device | |
WO2013145985A1 (ja) | 車両の発進制御装置及び発進制御方法 | |
JP5565221B2 (ja) | トルクコンバータの発進用スリップ制御装置 | |
JP5727035B2 (ja) | 自動変速機の制御装置 | |
US10358138B2 (en) | Control apparatus and control method for vehicle | |
JP2004215402A (ja) | 車輌の制御装置 | |
JP6071918B2 (ja) | 無段変速機の制御装置 | |
JP5936572B2 (ja) | 車両制御装置 | |
JP6288279B2 (ja) | 車両のロックアップクラッチ制御装置 | |
JP3972905B2 (ja) | ハイブリッド車両の制御装置 | |
KR20110134285A (ko) | 차량의 토크 다운 제어 장치 | |
JP6660217B2 (ja) | 車両用制御装置 | |
JP6477177B2 (ja) | ハイブリッド車両の制御装置 | |
JP2022001765A (ja) | トルクコンバータのスリップ制御装置 | |
JP7095646B2 (ja) | 車両の制御装置 | |
JP6806910B2 (ja) | 車両の制御装置及び車両の制御方法 | |
JP6922071B2 (ja) | 自動変速機の制御装置および制御方法 | |
JP5696496B2 (ja) | ハイブリッド車両の制御装置 | |
JP2018154297A (ja) | 車両の制御装置 | |
JP2022112446A (ja) | 車両の制御装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130726 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140122 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140128 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140305 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140520 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140602 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5565221 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |