JP2012057053A - ポリエステルの製造方法 - Google Patents
ポリエステルの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012057053A JP2012057053A JP2010201761A JP2010201761A JP2012057053A JP 2012057053 A JP2012057053 A JP 2012057053A JP 2010201761 A JP2010201761 A JP 2010201761A JP 2010201761 A JP2010201761 A JP 2010201761A JP 2012057053 A JP2012057053 A JP 2012057053A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyester
- polyethylene terephthalate
- compound
- polycondensation
- glycol
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Abstract
【解決手段】溶融重縮合によって得られたポリエステルチップに有機化合物および/または無機化合物を付与させる工程を含むポリエステルの製造方法であって、ポリエステル重量に対する有機化合物および無機化合物の合計付着重量の(標準偏差値/平均値)が0.01〜1.20になる(試料数30点以上測定の結果による)ことを特徴とするポリエステルの製造方法によって上記課題を解決できる。
【選択図】図1
Description
そこで、特定の化合物を微量スプレーにより添加するという方法が提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
さらに、製造コストを考慮した場合、ポリエステルの生産方法として現在主流である、連続式重合設備に対応する必要がある。現在、ポリエステルの製造プラントは、その用途に応じ、様々な規模・様態のものが存在する。それらに、多様な設備に低コストで幅広く応用できなければならない。特許文献4に記載の製造方法を実施するにあたっては、数百トン/日の生産量を誇る、昨今の連続重合設備において、どのように剤を均一に付着させるかがポイントであった。
本発明のポリエステルは、通常用いられる製造方法である直接エステル化法またはエステル交換反応を行った後、触媒化合物存在下で重縮合して得ることができる。その、触媒化合物はアンチモン化合物、チタン化合物、ゲルマニウム化合物、アルミニウム化合物を主に、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、スズ化合物、マンガン化合物、亜鉛化合物、コバルト化合物、ジルコニウム化合物等を組合わせることができる。
更に本発明におけるポリエチレンテレフタレートの製造方法について詳細に説明する。上記の重縮合触媒を用いて、主にテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体と、エチレングリコールとを重縮合させてポリエチレンテレフタレートを製造することができる。
まず、ポリエチレンテレフタレートを製造するに際して、テレフタル酸とエチレングリコールをエステル化させる。具体的には、テレフタル酸と、エチレングリコールとを含むスラリーを調製する。このスラリーにはテレフタル酸1モルに対して、好ましくは1.2〜1.8モル、より好ましくは1.3〜1.6モルのエチレングリコールが含まれる。このスラリーは、エステル化反応工程に連続的に供給される。そのエチレングリコールには、後述のエステル化反応工程、液相重縮合工程で反応器から留去され、回収されたエチレングリコールを一部に用いても良い。
エステル化反応工程は、反応物をエステル化反応器内で自己循環させなから一段で実施する方法、または2つ以上のエステル化反応器を直列に連結し同様に反応物を自己循環させながら実施する方法が好ましい。いずれもエチレングリコールが還流する条件下で、エステル化反応によって生成した水を精留塔でエステル化反応器外に除去しながら行う。反応物を自己循環させながら一段で連続的にエステル化を行うときの反応条件は、通常、反応温度が240〜280℃であり、反応圧力は常圧〜0.3MPaの条件下で行われるのが好ましい。エステル化工程の反応温度は、最初はこの範囲内の低温度の領域で行っても良いが、最終のエステル化反応温度は250〜279℃にすることが好ましく、265〜276℃がより好ましく、273〜275℃が最も好ましい。ここで最終のエステル化反応温度とは、エステル化反応工程終了時点での反応温度を表す。
次に液相重縮合工程において、上記した重縮合触媒の存在下に、エステル化反応工程で得られたエチレンテレフタレートオリゴマーを、減圧下で且つポリエチレンテレフタレートの融点以上、ポリエチレンテレフタレートの分解温度以下の温度(通常240〜280℃)に加熱することにより重縮合させる。この重縮合反応では、未反応のエチレングリコール及び重縮合で発生するエチレングリコールを反応器外に留去させながら行われることが望ましい。
本発明においては、上記液相重縮合工程で得られるポリエチレンテレフタレートはさらに固相重縮合に供給されることが好ましい。固相重縮合工程に供給される粒状ポリエチレンテレフタレートは、予め、固相重縮合を行う場合の温度より低い温度に加熱して予備結晶化を行った後、固相重縮合工程に供給してもよい。
よって、本発明の製造方法で得られたポリエチレンテレフタレートは、色相及び透明性に優れ、且つ、アセトアルデヒドの含有量及びCy−3の含有量も少なく、ボトル、その他の飲料用途の成形体材料として有用である。成形体を製造する前には、ポリエチレンテレフタレートを充分乾燥させることが好ましく、120〜180℃の温度で空気雰囲気下、不活性ガス雰囲気下、または不活性ガス流通下で行うのが好ましい。
以下に、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明のポリエステルの製造方法においては、有機化合物および/または無機化合物を付与させる工程を含むポリエステルの製造方法であって、ポリエステル重量に対する有機化合物および無機化合物の合計付着重量の(標準偏差値/平均値)が0.01〜1.20になる(試料数30点以上測定の結果による)ことが必要がある。その一態様としてポリエステルチップを分散板に衝突させることにより平坦に配列させた後、有機化合物若しくは無機化合物を溶解・分散等した液体を噴霧することを本発明のポリエステルの製造方法がひとつの特徴としている。本発明の製造方法は、この平坦に配列等させる製造方法に限定されるものではない。
DP=(1.5×A×B×C)^(1/3)
ポリエチレンテレフタレートサンプル0.6gをo−クロロフェノール50cc中に加熱溶解した後、一旦冷却させ、ポリエチレンテレフタレートのo−クロロフェノール溶液を得た。ウベローデ式粘度計を用いて35℃の温度条件で測定したその溶液の溶液粘度から極限粘度を算出した。
ポリエチレンテレフタレートサンプルを1重量%のo−クロロフェノール溶液として、その2倍量の0.5モル%塩酸水溶液を加え振とうし、抽出処理した。得られた水相の溶液を日立ハイテクノロジーズ社のZ−2300型原子吸光光度分析計にて分析し定量した。
ポリエチレンテレフタレート中の他の元素濃度は、粒状のサンプルをアルミ板上で加熱溶融した後、圧縮プレス機で平面を有する成形体を作成し、蛍光X線装置(理学電機工業3270E型)にて、定量分析した。
定法によりエステル化反応、溶融重縮合、固相重縮合反応を行ったポリエチレンテレフタレートチップ(IV=0.76dL/g、DP=2.6)に対して図1,2,5に示した分散装置・噴霧装置を用いて0.3重量%の酢酸ナトリウム水溶液を、ポリエチレンテレフタレートチップに対して酢酸ナトリウムが20ppmになるように噴霧した。乾燥後、得られたポリエチレンテレフタレートチップから約1.0gのチップを1つの試料とし、試料数30の試料サンプルをサンプリングした。抽出した各試料サンプルのナトリウム濃度を測定し、その平均値と標準偏差を求めた。標準偏差値/平均値=0.96(ppm/ppm)であった。
図3,4,6に示した分散装置・噴霧装置を用いる他は実施例1と同様の操作を行った。標準偏差値/平均値=1.12(ppm/ppm)であった。
5−スルホイソフタル酸ナトリウムを2mol%、分子量2000のポリエチレングリコールを3mol%共重合したポリヘキサメチレンテレフタレート(IV=0.58dL/g)を定法に基づき製造した。その共重合ポリヘキサメチレンテレフタレートを一旦テトラヒドロフランに溶解した後、溶媒を水に置換し、共重合ポリヘキサメチレンテレフタレート濃度が1.5wt%の水分散体を得た。実施例1において0.3重量%の酢酸ナトリウム水溶液の代わりに、この共重合ポリヘキサメチレンテレフタレート濃度が0.2wt%の水分散体を用いるほかは実施例1と同様に操作を行った。但し、ポリエチレンテレフタレートチップに対して共重合ポリヘキサメチレンテレフタレートが75ppmになるように噴霧した。乾燥後、得られたポリエチレンテレフタレートチップから約10gのチップを1つの試料とし、試料数30の試料サンプルをサンプリングした。抽出した各試料サンプルから上記の様に圧縮プレス機で平面を有する成形体を作成した。その各成形体の硫黄元素濃度を測定する事により、共重合ポリヘキサメチレンテレフタレートの付与濃度を定量した。標準偏差値/平均値=0.72(ppm/ppm)であった。
実施例1において図に示したような分散装置、噴霧装置を用いずに、固相重縮合反応を行ったポリエチレンテレフタレートチップ一旦溶融し、固体状の酢酸ナトリウムを実施例1と同量の付与量となるように添加して溶融混練を行った。ナトリウム濃度の標準偏差値/平均値=3.68(ppm/ppm)であった。
実施例3において図に示したような分散装置、噴霧装置を用いずに、固相重縮合反応を行ったポリエチレンテレフタレートチップ一旦溶融し、固体状の共重合ポリヘキサメチレンテレフタレートを実施例3と同量の付与量となるように添加して溶融混練を行った。硫黄元素濃度から算出した共重合ポリヘキサメチレンテレフタレートの濃度の標準偏差値/平均値=1.51(ppm/ppm)であった。
2 本体
3 排出口
4 円錐状分散板
5 平板状分散板(3枚)
6 分散用突起
7 噴霧槽
8 スプレーノズル
a ポリエステルチップの幅方向の長さ
b ポリエステルチップの高さ方向の長さ
c ポリエステルチップの奥行き方向の長さ
Claims (3)
- 溶融重縮合によって得られたポリエステルチップに有機化合物および/または無機化合物を付与させる工程を含むポリエステルの製造方法であって、ポリエステル重量に対する有機化合物および無機化合物の合計付着重量の(標準偏差値/平均値)が0.01〜1.20になる(試料数30点以上測定の結果による)ことを特徴とするポリエステルの製造方法。
- 溶融重縮合によって得られたポリエステルチップを分散板に衝突させることより平坦に配列させた後に有機化合物または無機化合物を希釈、溶解もしくは分散した液体を噴霧することを特徴とする請求項1に記載のポリエステルの製造方法。
- ポリエステルがポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートであることを特徴とする請求項1または2に記載のポリエステルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010201761A JP5592209B2 (ja) | 2010-09-09 | 2010-09-09 | ポリエステルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010201761A JP5592209B2 (ja) | 2010-09-09 | 2010-09-09 | ポリエステルの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012057053A true JP2012057053A (ja) | 2012-03-22 |
JP5592209B2 JP5592209B2 (ja) | 2014-09-17 |
Family
ID=46054537
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010201761A Active JP5592209B2 (ja) | 2010-09-09 | 2010-09-09 | ポリエステルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5592209B2 (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06200044A (ja) * | 1992-09-30 | 1994-07-19 | Union Carbide Chem & Plast Technol Corp | ポリマーへのプラスチック添加剤のスプレー適用 |
JPH08239482A (ja) * | 1994-10-13 | 1996-09-17 | E I Du Pont De Nemours & Co | 添加剤、処理された高分子材料、該高分子材料を被覆および/または混合する方法および装置 |
JP2002201290A (ja) * | 2000-09-20 | 2002-07-19 | Nippon Shokubai Co Ltd | 吸水性樹脂およびその製造方法 |
JP2004169027A (ja) * | 2002-11-08 | 2004-06-17 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 添加剤を含有する熱可塑性樹脂ペレットの製造方法 |
-
2010
- 2010-09-09 JP JP2010201761A patent/JP5592209B2/ja active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06200044A (ja) * | 1992-09-30 | 1994-07-19 | Union Carbide Chem & Plast Technol Corp | ポリマーへのプラスチック添加剤のスプレー適用 |
JPH08239482A (ja) * | 1994-10-13 | 1996-09-17 | E I Du Pont De Nemours & Co | 添加剤、処理された高分子材料、該高分子材料を被覆および/または混合する方法および装置 |
JP2002201290A (ja) * | 2000-09-20 | 2002-07-19 | Nippon Shokubai Co Ltd | 吸水性樹脂およびその製造方法 |
JP2004169027A (ja) * | 2002-11-08 | 2004-06-17 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 添加剤を含有する熱可塑性樹脂ペレットの製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5592209B2 (ja) | 2014-09-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5139974B2 (ja) | ポリエチレンテレフタレートの製造方法 | |
KR100844304B1 (ko) | 폴리에스테르 수지, 이의 성형품 및 폴리에스테르 수지의제조방법 | |
US6451959B1 (en) | Catalyst for polyester production, process for producing polyester using the catalyst, polyester obtained by the process, and uses of the polyester | |
USRE40571E1 (en) | Catalyst for polyester production, process for producing polyester using the catalyst, polyester obtained by the process, and uses of the polyester | |
EP1541613B1 (en) | Polyester resin and method for production thereof | |
EP2730601A1 (en) | Ethylene terephthalate polyester resin for forming container, and method for producing same | |
TW593416B (en) | Method and apparatus for producing solid-state polycondensed polyesters | |
KR20130133787A (ko) | 폴리에스테르 수지 | |
JP5592209B2 (ja) | ポリエステルの製造方法 | |
JPH09221540A (ja) | ポリエチレンテレフタレート、中空容器および延伸フィルム | |
WO2021192962A1 (ja) | ポリエステル樹脂及びポリエステル樹脂製ブロー成形体の製造方法 | |
JP2007138156A (ja) | ポリエステル組成物、それからなるポリエステル成形体およびポリエステル中空成形体の製造方法 | |
JP2010235939A (ja) | 芳香族ポリエステル組成物及びそれからなる芳香族ポリエステル成形体 | |
JP2008063486A (ja) | チタン化合物触媒による低ホルムアルデヒド含有量ポリエチレンテレフタレート樹脂 | |
JPH05170884A (ja) | 共重合ポリエステルならびにそれより成る中空容器および延伸フィルム | |
JP3459431B2 (ja) | 共重合ポリエステルならびにそれにより成る中空容器および延伸フィルム | |
JP5215074B2 (ja) | ポリエステル製造用触媒およびその触媒を用いるポリエステルの製造 | |
JP2007002239A (ja) | ポリエステル組成物及びそれからなるポリエステル成形体 | |
JP2006083401A (ja) | ポリエステル及びその製造法 | |
JP2000226445A (ja) | ポリエステル樹脂 | |
JPH05155992A (ja) | 共重合ポリエステルならびにそれより成る中空容器および延伸フィルム | |
JP2005325201A (ja) | ポリエステル製造用触媒およびそれを用いたポリエステル | |
JP2021155550A (ja) | ポリエステル樹脂及びポリエステル樹脂製ブロー成形体 | |
JP2005325202A (ja) | ポリエステル製造用触媒およびそれを用いたポリエステル | |
JPH05339351A (ja) | 共重合ポリエステルならびにそれより成る中空容器および延伸フィルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130710 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20131113 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20131126 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140123 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140401 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140428 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140708 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140731 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5592209 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |