JP2012056361A - 車両挙動制御装置 - Google Patents
車両挙動制御装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012056361A JP2012056361A JP2010199242A JP2010199242A JP2012056361A JP 2012056361 A JP2012056361 A JP 2012056361A JP 2010199242 A JP2010199242 A JP 2010199242A JP 2010199242 A JP2010199242 A JP 2010199242A JP 2012056361 A JP2012056361 A JP 2012056361A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rear wheel
- vehicle
- turning
- steering angle
- control device
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Automatic Cycles, And Cycles In General (AREA)
- Steering Devices For Bicycles And Motorcycles (AREA)
Abstract
【解決手段】後輪18が内側基準線L*上を、回転軸線LRが平面視において内側基準線L*と直交する姿勢を保持しつつ、移動するように、後輪舵角δが制御される。また、後輪舵角δは、目標舵角δrefに近づくまで漸増させられる。そのため、車両がUターンする場合において、Uターンに利用できるスペースの基準線L*からの距離Wが小さくても、後輪18が基準線L*を超えないように、Uターンさせることができる。
【選択図】図6
Description
特許文献2には、前2輪、後1輪を備えた車両において、前2輪が駆動輪とされ、後1輪が操舵輪とされ、旋回時に、前2輪に加えられる駆動力差が制御されることが記載されている。例えば、後輪舵角が大きい場合に、前2輪の駆動力差を大きくすることにより、小さい半径での旋回が可能となる。
特許文献3には、前後左右の4輪を備えた車両に、後輪を前輪と逆相、あるいは、同相に転舵させる後輪転舵機構を設けることが記載されている。
後輪の転舵により旋回する車両においては、後輪が旋回外側に移動するが、運転者は後輪あるいは車体の後部の動きを認識し難い場合がある。そのため、自動で、後輪あるいは車体の後部縁部等が、第1状態で決まる基準線より旋回外側へ移動しないようにすることは望ましいことである。
前記少なくとも1つの後輪の転舵により前記車両を第1状態から旋回させるとともに、前記車両の予め定められた部分である着目部が、平面視において前記車両の第1状態で決まる基準線より旋回外側へ移動しないように、前記少なくとも1つの後輪の転舵角度である後輪舵角を制御する後輪舵角制御装置を含むことを特徴とする車両挙動制御装置。
平面視とは、車両の真上から見ることをいうが、車両の真上から、路面に垂直な方向に見る場合や、鉛直方向に見る場合がある。
第1状態とは、本発明が適用される旋回のスタート状態であり、車両が停止状態にある場合や走行状態にある場合がある。
旋回外側とは、第1状態から旋回する場合の、その旋回外側を表す。具体的には、第1状態において後輪が転舵されている場合には、その後輪の転舵方向で旋回方向が決まる。また、第1状態から運転者によって操舵部材が操作されて後輪が転舵される場合には、その転舵方向で旋回方向が決まる。
基準線は、路面に想定される線であっても、車両が存在する3次元空間に想定される線であってもよいが、3次元空間に想定される線は、平面視において、路面に想定される線であると考えることができる(路面に投影された線となる場合がある)。
(2)前記基準線が、前記車両の第1状態において、前記車両の最も旋回外側に位置する部分を通り、かつ、前記左右前輪の各々の、回転中心軸線の幅方向の中点同士を結ぶ左右線と直交し、前記車両の前後方向に延びる前後線と平行な線である(1)項に記載の車両挙動制御装置。
基準線は、3次元空間に想定される線とされる場合がある。第1状態において、車両が道路と平行に停止している場合には、道路と平行な線となる。
(3)前記着目部が、前記車両の前記第1状態における車体の旋回外側の後部縁部であり、前記後輪舵角制御装置が、前記後部縁部が前記基準線から前記旋回外側に移動しないように、前記後輪舵角を制御する車体対応制御部を含む(2)項に記載の車両挙動制御装置。
本項に記載の車両において、車体の後部の縁部は、後輪より幅方向の外方にある。
(4)前記基準線が、前記車両の第1状態において、前記車両が存在する路面の、前記左右前輪のうち旋回外側に位置する旋回外側前輪と接する面である路面側接面の最も旋回外側に位置する点を通り、かつ、前記左右前輪の各々の、回転中心軸線の幅方向の中点同士を結ぶ左右線と直交し、前記車両の前後方向に延びる前後線と平行な線である(1)項に記載の車両挙動制御装置。
基準線は、路面に想定される線であり、第1状態において路面の旋回外側前輪と接する面である路面側接平面の最も旋回外側に位置する部分を通り、かつ、車体の前後線と平行な線である。
(5)前記着目部が、前記少なくとも1つの後輪のうちの旋回外側に位置する旋回外側後輪の前記路面と接する面である車輪側接平面内の予め定められた点であり、前記後輪舵角制御装置が、前記旋回外側後輪の前記予め定められた点が、前記基準線上、または、基準線より旋回内側に位置し、かつ、前記旋回外側後輪の回転軸線が、平面視において、前記基準線と直交する姿勢となるように、前記後輪舵角を制御する後輪対応制御部を含む(4)項に記載の車両挙動制御装置。
着目部が、旋回外側後輪の路面と接する面である車輪側接平面の予め決められた点であり、その予め定められた点が基準線上、あるいは、基準線より旋回内側に位置するように、後輪舵角が制御される。予め定められた点は、例えば、(i)車輪側接平面の最も旋回外側に位置する点としたり、(ii)車輪側接平面の幅方向の中心線上の1点としたり、(iii)車輪側接平面の中心としたり、(iv)車輪側接平面内の、旋回外側後輪がフリーな状態(力が加えられていない状態)における幅方向の中心線上の点に対応する点としたり、(v)車輪側平面内の、旋回外側後輪の回転軸線の幅方向の中心点を投影した点としたりすること等ができる。
なお、基準線より旋回内側に、基準線と平行で、かつ、路面側接平面の幅方向の中心を通る線(内側基準線)を想定し、その内側基準線上を、その着目部が通るように、後輪舵角が制御されるようにすることができる。後輪舵角がこのように制御されれば、着目部が基準線より旋回外側に移動しないようにすることができる。
また、旋回外側後輪の回転軸線が平面視において基準線と直交する姿勢とされるため、後輪は基準線と平行に移動する。
(6)前記後輪舵角制御装置が、前記後輪舵角が、運転者による操舵部材の操作状態に基づいて決まる目標舵角に近づくように制御する目標舵角対応制御部を含む(1)項ないし(5)項のいずれか1つに記載の車両挙動制御装置。
(7)前記後輪舵角制御装置が、前記後輪舵角が、前記少なくとも1つの後輪を転舵する後輪転舵機構で決まる最大角度に達するまで制御する最大舵角対応制御部を含む(1)項ないし(6)項のいずれか1つに記載の車両挙動制御装置。
着目部が基準線から旋回外側に移動しないように、後輪舵角を目標舵角に近づくように制御すれば、旋回等に利用可能なスペースの幅が狭くても、そのスペース内で旋回等をすることが可能となる。また、最大舵角まで大きくすれば、さらに、狭いスペースにおいても旋回等をすることが可能となる。
(8)前記車両が、前記左右前輪と、それら左右前輪の各々の回転中心軸線の幅方向の中点を結ぶ左右線の中点を通り、かつ、その左右線に直交し、前記車両の前後方向に延びる前後線上に位置する1つの後輪とを備えた3輪車両である(1)項ないし(7)項のいずれか1つに記載の車両挙動制御装置。
(9)前記車両が、前記左右前輪と、左右後輪とを備え、前記左右前輪のトレッドより左右後輪のトレッドの方が小さい4輪車両である(1)項ないし(7)項のいずれか1つに記載の車両挙動制御装置。
本発明は、前2輪および後1輪を含む3輪車両、トレッドが後輪側の方が小さい4輪車両に適用することができる。
3輪車両においては、1つの後輪が旋回外側後輪に対応する。4輪車両においては、旋回方向によって旋回外側後輪が決まる。
また、後輪舵角の制御は、前輪、後輪がすべらないことが前提で行われる。
なお、左右前輪は駆動輪とされる場合があり、後輪舵角の制御に加えて、左右前輪の回転速度差の制御も行うことができる。
(10)前記車両の車体が、前部の幅方向の長さより後部の幅方向の長さの方が小さい形状を成し、かつ、前記車体の後部の縁部が、前記後輪の外側回転面より幅方向の外側に位置する形状を成したものである(1)項ないし(9)項のいずれか1つに記載の車両挙動制御装置。
(11)前記後輪が操舵輪とされた(1)項ないし(10)項のいずれか1つに記載の車両挙動制御装置。
本発明に係る車両挙動制御装置は、後輪が操舵輪である車両に適用されるのであり、前輪および後輪が操舵輪である車両に適用することも、前輪は操舵輪でない車両に適用することもできる。前輪および後輪が操舵輪である車両においては、後輪が前輪と逆相に転舵されることがある。
車両に1つの後輪が含まれる場合には、その後輪の転舵角が後輪舵角とされる。左右2つの後輪が含まれる場合には、左右後輪の転舵角は同じになるように制御されるのが普通であり、その共通の転舵角が後輪舵角とされる。
前記少なくとも1つの後輪の転舵により前記車両を第1状態から旋回させるとともに、前記少なくとも1つの後輪のうちの旋回外側に位置する旋回外側後輪が、前記車両の第1状態で決まる軌跡に沿って移動するように、前記少なくとも1つの後輪の転舵角度である後輪舵角を制御する後輪舵角制御装置を含むことを特徴する車両挙動制御装置。
旋回外側後輪が軌跡に沿って移動するように後輪舵角が制御されれば、例えば、後輪の旋回外方への移動を自動で制限することができる。
本項に記載の車両挙動制御装置には、(1)項ないし(11)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を採用することができる。
(13)前記軌跡が、路面の、前記車両の左右前輪のうち前記第1状態において旋回外側に位置する旋回外側前輪と接する部分の予め定められた点を通り、かつ、前記左右前輪の各々の回転中心軸線の幅方向の中点同士を結ぶ左右線に直交し、前記車両の前後方向に延びる前後線と平行な直線状の軌跡であり、前記後輪舵角制御装置が、前記旋回外側後輪が、前記直線状の軌跡に沿ってすべることなく移動するように、前記後輪舵角を制御する軌跡対応後輪舵角制御部を含む(12)項に記載の車両挙動制御装置。
軌跡は、直線状に延びたものであり、路面に想定される。軌跡は、路面の旋回外側前輪と接する部分である路面側接平面内の予め定められた点を通るが、予め定められた点は、路面側接平面の幅方向の中心線上の点としたり、中点としたり、最も旋回内側の点としたりすること等ができる。
旋回外側後輪は、旋回外側前輪で決まる直線状の軌跡に沿ってすべることなく移動するのであり、旋回外側後輪の回転軸線と直線状の軌跡とが平面視において直交する状態で、回転しつつ移動させられる。
車輪の回転面が路面の法線に対して傾斜していない場合には、回転面が軌跡と平行となる。
車両10は、図1(a)に示すように、3輪車両であり、左右2つの前輪14,16と1つの後輪18とを含む。後輪18は、左右前輪14,16の回転軸線の幅方向の中点同士を結ぶ左右線B1の中点において直交し、車両の前後方向に伸びる前後線B2上に位置する。
また、図1(a)に示すように、車体20の後部においては、車体20の方が、後輪18より幅方向の長さが大きく、後輪18の転舵角δが設定値より小さい場合には、後部縁部20RR、RLが後輪18の幅方向の外側に位置する。車体20の前部においては、車体20の幅方向の長さが左右前輪14,16の各々の外側回転面同士で決まる幅方向の長さより小さい。そのため、車輪14,16の各々の外側回転面14FA,16FAは、車体20の前部の縁部20FL、FRの幅方向の外側に位置する。
操舵量センサ32は、運転者によって操作可能な操舵部材38の操作方向および操作量を検出するものであり、転舵アクチュエータ24は、主として操舵量センサ32によって検出される操舵部材38の操作状態(操作方向および操作量で表される)に基づいて制御される。
また、車両10における場合と同様に、車体56の後部において、後部縁部56RL、RRが、それぞれ、後輪50,52の外側回転面50FA,52FAの幅方向の外側に位置する。車体56の前部において、車輪14,16の各々の外側回転面14FA,16FAは、車体56の前部縁部56FL、56FRの幅方向の外側に位置する。
車両10の挙動が図3に示すように制御されるのであり、後輪18の着目部Kが、平面視において、第1状態において決まる基準線Lより旋回外側へ移動しないように、後輪舵角δが制御される。
第1状態は、本実施例においては停止状態であり、例えば、車両10が道路に沿って駐車した状態等である。
基準線Lは、路面に想定される線であり、左右前輪14,16のうち、旋回外側に位置する旋回外側前輪と接する路面側接平面の最も旋回外側に位置する点を通り、かつ、車両の前後線B2と平行な線Lとされる。
着目部Kは、後輪18の路面と接する車輪側接平面内の、後輪18の回転軸線の中心点を投影した点とされる。
本実施例においては、基準線Lに平行で、かつ、路面の旋回外側前輪と接する路面側接平面の幅方向の中心線上の点を通る内側基準線L*を想定し、後輪18の回転軸線LRが内側基準線L*と直交する姿勢を維持しつつ、着目部Kが内側基準線L*上を移動するように、後輪舵角δが制御される。後輪18の回転面が路面の法線に対して傾斜していない場合には、内側基準線L*と回転面とが平行となる。
このように、着目部Kが内側基準線L*上を移動するように後輪舵角δが制御されるようにすれば、平面視において、着目部Kが基準線Lを超えないようにすることができる。また、本実施例において、内側基準線L*が軌跡に対応する。
<PART1>
PART1制御は、後輪舵角δの制御が行われないと仮定した場合に、後輪18の回転軸線LRが内側基準線L*と直交する姿勢になるまでの間に、後輪18の着目部Kが内側基準線L*を超える(内側基準線L*の旋回外側へ移動させられる)場合に行われる制御である。
そして、PART1制御は、後輪18の着目部Kが内側基準線L*に達するまでに、後輪舵角δを、後輪18の回転軸線LRが内側基準線L*と直交する姿勢となる大きさ、すなわち、後輪18の回転面が路面の法線に対して傾斜していない場合には、内側基準線L*と回転面とが平行となる大きさに変える制御である。
また、図4(a)に示すように、旋回半径rと、車両10のホイールベースBLと、後輪舵角δとの間には、式
sinδ=BL/r
が成立する。この式において、ホイールベースBLは既知であり、後輪舵角δは転舵角センサ36によって検出されるため、これらBL、δの値を代入すれば、旋回半径rがわかる。
さらに、車両10の走行速度V、旋回半径r、中心角θの間には、式
V=r・θ
が成立する。この式において、車両10の走行速度Vは車速センサ34によって検出されるため、旋回半径r、走行速度Vを代入すれば、中心角θがわかる。
以上のことから、第1状態からの車両10の位置、すなわち、第1状態からの後輪18の位置がわかる(移動方向、移動量がわかる)のであり、後輪18の位置等に基づいて後輪舵角δが制御される。
なお、後輪18の位置は、GPS(Global Positioning System)を利用して取得することもできる。
車両10の第1状態から、運転者は、Uターンして、あるいは、旋回して、走行車線に出ようとして、操舵部材38を操作するのが普通である。その場合に、図4(a),(b)が示すように、車両10の旋回により、後輪18の着目部Kが点Sから点Pcに至るまでに、後輪18の着目部Kが内側基準線L*の旋回外側へ移動する場合と移動しない場合とがある。点Pcは、後輪18の回転軸線LRが内側基準線L*と直交する点(位置)であり、換言すれば、後輪18の回転軸線LRが第1状態における左右前輪14,16の回転軸線(左右線B1)と平行となる点である。
第1状態から車両10が旋回する際の後輪18の転舵角δが検出される。そして、上述のように、転舵角δに基づいて旋回半径rが取得され、旋回半径rに基づいて、旋回中心Oが取得され、旋回中心Oから内側基準線L*までの距離Mが取得される。そして、旋回半径rと距離Mとが比較され、旋回半径rが距離M以下である場合には、PART1制御は不要である。後輪18の着目部Kが内側基準線L*を超えないで点Pcに達し得る場合であり、その場合の一例を図4(a)に示す(r≦M)。
それに対して、旋回半径rが距離Mより大きい場合には、PART1制御は必要である。後輪18の着目部Kが点Pcに達するまでの間に内側基準線L*を超える場合(点P)であり、その場合の一例を図4(b)に示す(r>M)。
PART1制御においては、図5(a),(b)に示すように、後輪18の着目部Kが内側基準線L*上に達した場合に、後輪18の回転軸線LRが内側基準線L*と直交するように後輪舵角δが制御される。
具体的には、図5(a)に示すように、点P(後輪18の着目部Kが内側基準線L*に達した点)に達する直前に、後輪舵角δを小さくして(δ→δc)、平面視において、後輪18の回転軸線LRを内側基準線L*と直交する姿勢とすることができる。この場合には、PART1制御において、点Pに達した場合に、後輪18の回転軸線LRが内側基準線L*と直交する姿勢とされるため、点Pは点Pcとなる。
なお、図5(b)に示すように、点Pに達するまでの間、後輪舵角δを徐々に小さくして(δs>δq>δp)、点Pに至る時点で回転軸線LRが内側基準線L*に直交するようにすることもできる。この場合には、旋回半径rは徐々に大きくなる(rs<rq<rp)のであり、旋回中心Oは、後退方向に移動させられる(So→Qo→Po)。
PART2制御は、後輪18が点Pcに達した場合(PART1制御によって後輪18の回転軸線LRが内側基準線L*と直交する姿勢にされたことにより、点Pが点Pcとされた場合と、PART1制御が行われることなく点Pcに達した場合とがある)から開始され、後輪18の実際の転舵角δ(以下、後輪舵角δと称する)を目標舵角δrefに近づける。
[制御の要否]
PART2の制御は、後輪18の着目部Kが点Pcに達した場合において、後輪舵角δの絶対値が運転者による操舵部材38の操舵量φで決まる目標舵角δrefより小さい場合(|δ|<|δref|)に行われるが、後輪舵角δの絶対値が目標舵角δref以上である場合(|δ|≧|δref|)には行われない。目標舵角δrefは、操舵部材28の操作量φにゲインGを掛けた値であるが、転舵の向きが逆になるため、式
δref=−G・φ
で求められる。
[制御の内容]
PART2制御において、図6に示すように、後輪18が、後輪18の着目部Kが内側基準線L*上を、回転軸線LRが内側基準線L*と直交する姿勢を保持して回転しつつ、後輪舵角δが大きくされる。後輪舵角δは目標舵角δrefと等しくなるまで漸増させられる(δp<δx<δy=δref)。旋回半径rは徐々に小さくされ、旋回中心が車体20に徐々に近づけられる(Po→Xo→Yo)。目標舵角δrefは、最大舵角である場合もある。後輪舵角δは、予め定められた勾配で(設定角度ずつ)増加させたり、予め定められた設定時間(設定回数)内に目標舵角δrefに達するように増加させたりすることができる。また、車両の前方のスペースが狭い場合は、広い場合より、大きな勾配で増加させるようにすることもできる。
S1において、車両が第1状態としての停止状態にあるか否かが判定される。停止状態にある場合には、S2において、内側基準線L*が取得される。
それに対して、車両が発進した場合には、S3において、後輪舵角δが検出され、S4においてPART2制御中であるか否か、S5において、Pc点に到達したか否か、S6において、PART1制御中であるか否かが判定される。発進してから、最初にS4〜6が実行される場合には、いずれのステップにおける判定もNOとなる。S7,8において、PART1制御が必要であるか否かが判定される。S7において、上述のように、距離M、後輪18の旋回半径rが取得されて、点Pあるいは点Pcが取得される。そして、S8において、旋回半径rが距離Mより大きいか否かが判定される。
旋回半径rが距離M以下である場合にはPART1制御は不要である。点Pcが、内側基準線L*上あるいは内側基準線L*より旋回内側に位置する点となる。
旋回半径rが距離Mより大きい場合にはPART1制御は必要である。着目部Kが内側基準線L*上に達した場合(点P)において、後輪18の回転軸線LRが内側基準線L*に対して傾斜する姿勢にある。
PART1制御が必要である場合には、S9において、PART1制御が行われる。具体的には、後輪18が点Pに達したか否かが判定され、点Pに達するまでに、回転軸線LRが内側基準線L*と直交するように、後輪舵角18が小さくされるのであり、PART1制御が終了すると、点Pは点Pcとされる。
S10において、操舵量φに基づいて目標舵角δrefが取得され、S11において、目標舵角δrefの絶対値が後輪舵角δの絶対値より大きいか否かが判定される。目標舵角δrefの絶対値の方が後輪舵角δの絶対値より大きい場合には、S12において、PART2制御が実行されるが、目標舵角δrefの絶対値が後輪舵角δの絶対値以下である場合には、PART2制御は行われず、S13において、終了処理が行われる。用いられたパラメータ等の初期化等が行われる。
PART2制御においては、後輪舵角δの絶対値が漸増させられ、目標舵角δrefと等しくされる。
PART2制御中には、S4の判定がYESとなり、S14において、後輪舵角(実際の転舵角)δの絶対値が目標舵角δrefの絶対値に達したか否かが判定される。目標舵角δrefの絶対値に達する前においては、S1,3,4,14,12が繰り返し実行され、PART2制御が継続して行われる。後輪舵角δの絶対値が目標舵角δの絶対値に達すると、S14の判定がYESとなり、S13において終了処理が行われる。
換言すれば、PART2の制御により、Uターンに利用できる道路の幅方向の距離(内側基準線L*からの幅)Wが小さくても(WS>W0)、車両10をUターンさせることが可能となる。
また、PART1制御が行われると、PART2制御が開始される点Pcが車両10の第1状態に近くなる。そのため、車両10の第1状態における位置からUターンに利用できる道路の前方の距離(第1状態の左右線B1からの距離)D(図3参照)が小さくても、Uターンできるという利点もある。
また、着目部Kが車体20の旋回外側の後部縁部(本実施例においては、後部縁部20RR)とされる。
本実施例においても、実施例1における場合と同様に後輪舵角δが制御されるのであり、原則として、PART1制御とPART2制御とが行われる。
車体20の後部縁部20RRと後輪18との間の相対位置関係は、車両10の構造、後輪舵角δによって決まる。平面視において、後部縁部20RR(K)と後輪18の回転軸線の幅方向の中心点Tとを結ぶ線TKの長さをβとし、線TKと車両10の前後線B2との成す角度をαとすると、三角形ΔOTKが一義的に決まる。すなわち、三角形ΔOTKの辺OTが後輪18の旋回半径rであり、実施例1における場合と同様に後輪舵角δから取得することができる。また、辺TKの長さはβであり、辺OTと辺TKの成す角度は、(90°+δ+α)となる。角度α、長さβは車両10の構造で決まる。そして、これらの値がわかれば、三角形ΔOTKが決まるのであり、辺OKの長さ、すなわち、着目部K(後部縁部20RR)の旋回半径r*がわかる。
このように、後輪18の軌跡に基づけば、後部縁部20RR(K)の軌跡がわかるのであり、後輪舵角δを制御することにより、後部縁部20RRの軌跡を制御することができる。
なお、後輪18,後部縁部20RRの軌跡は、GPSを利用して取得することもできる。
図8(a)に示すように、旋回中心Oから基準線Lまでの距離Mが後部縁部20RRの旋回半径r*以下である場合には、PART1制御を行う必要はないが、図8(b)に示すように、距離Mより旋回半径r*の方が大きい場合には、PART1制御を行う必要がある。
PART1制御を行う必要がある場合には、図9に示すように、後部縁部20RRが基準線L上に位置する点Pに達するまでに、後輪舵角δが、回転軸線LRが基準線Lにほぼ直交する姿勢となるように制御される(δ→δc)。PART1制御が行われた場合には、点Pが点Pcとされる。
PART1制御を行う必要がない場合には、PART1制御は行われないが、点Pcは、後部縁部20RRが基準線Lに最も近づいた点であり、この場合には、後輪18は、回転軸線LRが基準線Lとほぼ直交する姿勢にある。
<PART2>
PART2制御においては、図10に示すように、後部縁部20RRが基準線L上を通るように、後輪舵角δの絶対値が目標舵角δrefの絶対値に達するまで、後輪舵角δが漸増させられる(δp<δx<δy<δz=δref)。また、旋回半径rは、漸減させられるのであり、旋回中心は、徐々に車両10に近づけられる(Po→Xo→Yo→Zo)。
その結果、実施例2においても同様に、Uターン等に使用できるスペースが狭くても、(例えば、Uターンするのに利用できるスペースの基準線Lからの幅方向の距離Wが小さくても)Uターンすることができる。また、PART1制御が行われた場合には、第1状態における左右線B2からの前方の距離Dが小さくても、Uターンすることが可能となる。
本実施例においては、車両挙動ECU30の後輪舵角δを制御する部分等により車体対応制御部が構成される。
実施例3においては、操舵量φの絶対値が設定値より大きい場合には、PS機構60において助勢力が加えられないようにしたり、助勢力が小さくなるようにしたり、逆に、大きな反力が加えられるようにしたりすることができる。また、報知装置62により、操舵量φの絶対値が設定値より大きく、これ以上、操舵量φの絶対値を大きくする操作が行われることは望ましくないことを報知することができる。
そして、点Pcに達した後には、PS機構60の上述の制御が解除され、PART2制御が行われる。
なお、報知装置62は不可欠ではない。
図12(b)に示すように、4輪車両54において、前輪14,16に転舵機構82が設けられ、後輪50,52にARS(Active Rear Steering)機構84が設けられる。ARS機構84は、後輪50,52が前輪14,16と同相、あるいは、逆相に転舵される。
そして、後輪舵角δ(後輪50,52の転舵角は共通に制御される)の制御により、PART1制御、PART2制御を同様に行うことができる。
Claims (8)
- 左右2つの前輪と少なくとも1つの後輪とを備えた車両に設けられ、その車両の旋回挙動を制御する車両挙動制御装置であって、
前記少なくとも1つの後輪の転舵により前記車両を第1状態から旋回させるとともに、前記車両の予め定められた部分である着目部が、平面視において前記車両の第1状態で決まる基準線より旋回外側へ移動しないように、前記少なくとも1つの後輪の転舵角度である後輪舵角を制御する後輪舵角制御装置を含むことを特徴とする車両挙動制御装置。 - 前記基準線が、前記車両の第1状態において、前記車両の最も旋回外側に位置する部分を通り、かつ、前記左右前輪の各々の、回転中心軸線の幅方向の中点同士を結ぶ左右線と直交し、前記車両の前後方向に延びる前後線と平行な線である請求項1に記載の車両挙動制御装置。
- 前記着目部が、前記車両の前記第1状態における車体の旋回外側の後部縁部であり、前記後輪舵角制御装置が、前記後部縁部が前記基準線から前記旋回外側に移動しないように、前記後輪舵角を制御する車体対応制御部を含む請求項2に記載の車両挙動制御装置。
- 前記基準線が、前記車両の第1状態において、前記車両が損算する路面上の、前記左右前輪のうち旋回外側に位置する旋回外側前輪と接する面である路面側接平面の最も旋回外側に位置する点を通り、かつ、前記左右前輪の各々の、回転中心軸線の幅方向の中点同士を結ぶ左右線と直交し、前記車両の前後方向に延びる前後線と平行な線であり、前記着目部が、前記少なくとも1つの後輪のうちの旋回外側に位置する旋回外側後輪の前記路面と接する面である車輪側接平面内の予め定められた点であり、前記後輪舵角制御装置が、前記旋回外側後輪の予め定められた点が、前記基準線上、または、基準線より旋回内側に位置し、かつ、前記旋回外側後輪の回転軸線が平面視において前記基準線と直交する姿勢となるように、前記後輪舵角を制御する後輪対応制御部を含む請求項1に記載の車両挙動制御装置。
- 前記後輪舵角制御装置が、(a)前記後輪舵角が、運転者による操舵部材の操作状態に基づいて決まる目標舵角に近づくように制御する目標舵角対応制御部と、(b)前記後輪舵角が、前記少なくとも1つの後輪を転舵する後輪転舵機構で決まる最大角度に達するまで制御する最大舵角対応制御部との少なくとも一方を含む請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両挙動制御装置。
- 前記車両が、前記左右前輪と、それら左右前輪の各々の回転中心軸線の幅方向の中点を結ぶ左右線の中点を通り、かつ、その左右線に直交し、前記車両の前後方向に延びる前後線上に位置する1つの後輪とを備えた3輪車両である請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車両挙動制御装置。
- 左右2つの前輪と少なくとも1つの後輪とを備えた車両に設けられ、前記車両の旋回挙動を制御する車両挙動制御装置であって、
前記少なくとも1つの後輪の転舵により前記車両を第1状態から旋回させるとともに、前記少なくとも1つの後輪のうちの旋回外側に位置する旋回外側後輪が、前記車両の第1状態で決まる軌跡に沿って移動するように、前記少なくとも1つの後輪の転舵角度である後輪舵角を制御する後輪舵角制御装置を含むことを特徴する車両挙動制御装置。 - 前記軌跡が、路面の、前記車両の左右前輪のうち前記第1状態において旋回外側に位置する旋回外側前輪と接する部分の予め定められた点を通り、かつ、前記左右前輪の各々の回転中心軸線の幅方向の中点同士を結ぶ左右線に直交し、前記車両の前後方向に延びる前後線と平行な直線状の軌跡であり、前記後輪舵角制御装置が、前記旋回外側後輪が、前記直線状の軌跡に沿ってすべることなく移動するように、前記後輪舵角を制御する軌跡対応制御部を含む請求項7に記載の車両挙動制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010199242A JP5655444B2 (ja) | 2010-09-06 | 2010-09-06 | 車両挙動制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010199242A JP5655444B2 (ja) | 2010-09-06 | 2010-09-06 | 車両挙動制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012056361A true JP2012056361A (ja) | 2012-03-22 |
JP5655444B2 JP5655444B2 (ja) | 2015-01-21 |
Family
ID=46053998
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010199242A Expired - Fee Related JP5655444B2 (ja) | 2010-09-06 | 2010-09-06 | 車両挙動制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5655444B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018180754A1 (ja) * | 2017-03-31 | 2018-10-04 | 株式会社エクォス・リサーチ | 車両 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01202581A (ja) * | 1987-09-16 | 1989-08-15 | Honda Motor Co Ltd | 前後輪操舵車輌に於ける後輪転舵角制御方法 |
JP2001334951A (ja) * | 2000-03-23 | 2001-12-04 | Nissan Motor Co Ltd | 車両の前後輪舵角制御装置 |
JP2005306338A (ja) * | 2004-04-26 | 2005-11-04 | Honda Motor Co Ltd | 三輪自動車の操舵装置 |
-
2010
- 2010-09-06 JP JP2010199242A patent/JP5655444B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01202581A (ja) * | 1987-09-16 | 1989-08-15 | Honda Motor Co Ltd | 前後輪操舵車輌に於ける後輪転舵角制御方法 |
JP2001334951A (ja) * | 2000-03-23 | 2001-12-04 | Nissan Motor Co Ltd | 車両の前後輪舵角制御装置 |
JP2005306338A (ja) * | 2004-04-26 | 2005-11-04 | Honda Motor Co Ltd | 三輪自動車の操舵装置 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018180754A1 (ja) * | 2017-03-31 | 2018-10-04 | 株式会社エクォス・リサーチ | 車両 |
JP2018172071A (ja) * | 2017-03-31 | 2018-11-08 | 株式会社エクォス・リサーチ | 車両 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5655444B2 (ja) | 2015-01-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7100699B2 (ja) | 車両のステアリングシステムを制御する方法 | |
JP5077547B2 (ja) | 車両用駐車支援装置 | |
JP5224590B2 (ja) | 車輪操舵用アクチュエータ故障時の劣化運転モードを有する車両操縦システム | |
WO2014162860A1 (ja) | 車両の停車制御装置 | |
JP2003327146A (ja) | 車両操作装置 | |
WO2014171389A1 (ja) | ステアリング装置、そのステアリング装置を用いた車両、及び、4輪転舵機構を備えた車両 | |
JP6098352B2 (ja) | 車両用操舵制御装置及び車両用操舵制御方法 | |
US20210380165A1 (en) | Omnidirectional vehicle | |
JP5655444B2 (ja) | 車両挙動制御装置 | |
JP5262871B2 (ja) | 車両用舵角制御装置及び車両用舵角制御方法 | |
JP4470635B2 (ja) | 車両用操舵装置 | |
KR102275211B1 (ko) | 조향식 듀얼 드라이브 유닛을 구비한 3륜 전동 지게차 및, 그 구동방법 | |
JP3306353B2 (ja) | リーチ型フォークリフト | |
JP5992237B2 (ja) | 転舵アシスト制御装置 | |
JP5703189B2 (ja) | 制御装置 | |
JP2007210383A (ja) | 車両用ステアリングシステム | |
JPH11116200A (ja) | リーチ型フォークリフト | |
JP6098351B2 (ja) | 車両用操舵制御装置及び車両用操舵制御方法 | |
JP5971554B2 (ja) | 操舵補助装置 | |
JP5012520B2 (ja) | 4輪操舵機構を搭載した車両の操舵制御装置 | |
JP2009090820A (ja) | 回転可能な車両 | |
KR20240055301A (ko) | 4륜 조향 이동체의 안정적 회전을 위한 전륜과 후륜의 순차 조향 시스템 및 그 방법 | |
JP4811107B2 (ja) | 車両用ステアリングシステム | |
JPH11105731A (ja) | リーチ型フォークリフト | |
JP4283200B2 (ja) | 車両の操舵制御装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130516 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140327 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140408 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140602 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20141028 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20141110 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5655444 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |