JP2012054545A - Cmp研磨液及びその製造方法、並びにcmp研磨液を用いた研磨方法 - Google Patents

Cmp研磨液及びその製造方法、並びにcmp研磨液を用いた研磨方法 Download PDF

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Abstract

【課題】研磨速度の低下を抑制しつつ研磨傷の発生を抑制することが可能なCMP研磨液の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るCMP研磨液の製造方法は、酸化セリウム粒子と分散剤と水とを含む分散液を75L/min・m以下のろ過速度でフィルタを用いてろ過するろ過工程を備える。
【選択図】なし

Description

本発明は、CMP研磨液及びその製造方法、並びにCMP研磨液を用いた研磨方法に関する。特に、本発明は、半導体素子等の電子部品製造技術における基体表面の平坦化工程、例えば、層間絶縁膜の平坦化工程、STI(Shallow Trench Isolation:浅溝素子分離)の形成工程等において使用されるCMP研磨液及びその製造方法、並びにCMP研磨液を用いた研磨方法に関する。
半導体装置の超々大規模集積回路では、実装密度を高める傾向にあり、種々の微細加工技術が研究、開発されている。デザインルールは、既にサブハーフミクロンのオーダーになっている。このような厳しい微細化の要求を満足する技術として、CMP(ケミカルメカニカルポリッシング)技術が挙げられる。CMP技術は、半導体装置等の電子部品の製造工程において、露光が施される層の表面を平坦化し、露光工程における技術的負担を軽減し、歩留まりを安定させることができる。そのため、CMP技術は、例えば層間絶縁膜の平坦化、STIの形成等の際に必須となる技術である。
従来、半導体装置の製造工程において、プラズマ−CVD(Chemical Vapor Deposition、化学的蒸着法)、低圧−CVD等の方法で形成される酸化ケイ素膜等の無機絶縁膜を平坦化するためのCMP研磨液として、フュームドシリカを含むシリカ系のCMP研磨液が検討されている。シリカ系のCMP研磨液は、四塩化珪酸を熱分解する等の方法でシリカ粒子を粒成長させ、pH調整を行って製造される。しかしながら、このようなCMP研磨液では、被研磨膜である無機絶縁膜の研磨速度が低下してしまうという技術課題がある。
一方、フォトマスクやレンズ等のガラス表面に対するCMP研磨液として、酸化セリウム粒子を含有するCMP研磨液が用いられている。酸化セリウム粒子は、シリカ粒子やアルミナ粒子に比べ硬度が低いことから、研磨に用いても被研磨面に傷が入りにくい。したがって、酸化セリウム粒子は、仕上げ鏡面研磨に有用である。また、酸化セリウム粒子を含有するCMP研磨液は、シリカ粒子を含有するCMP研磨液に比べて研磨速度に優れるという利点がある。また、半導体用CMP研磨液として、高純度の酸化セリウム粒子を用いた研磨液が知られている(例えば特許文献1参照)。
酸化セリウム粒子は、シリカ粒子に比べ密度が高いため沈降しやすく、これにより研磨速度が低下する場合がある。そのため、研磨速度の低下を抑制する観点から、適当な分散剤を使用することにより酸化セリウム粒子の分散性を向上させたCMP研磨液が知られている(例えば特許文献2参照)。
また、2個以上の結晶子から構成され結晶粒界を有する酸化セリウム粒子を使用した研磨剤が知られている(例えば特許文献3参照)。特許文献3には、酸化セリウム粒子の結晶性をできるだけ上げないようにセリウム化合物を低温焼成して酸化セリウム粒子を得た後、結晶子サイズの小さい単結晶粒子と、結晶子サイズまで粉砕されていない粒子とが含まれるように酸化セリウム粒子を粉砕することで、研磨傷の発生を抑制可能な粒子が得られることが記載されている。
また、酸化セリウム粒子を含有するCMP研磨液をろ過することにより、粗大粒子を低減し、研磨傷を低減させることが知られている(例えば特許文献4、5参照)。
特開平10−106994号公報 特開平10−154672号公報 国際公開WO99/31195号パンフレット 国際公開WO2005/017989号パンフレット 特開2008−284679号公報
ところで、近年、集積回路の実装密度は更に高くなる傾向にあり、例えばSTI工程が適用される基板のトレンチ幅においては、より一層の微細化が進んでいる。このような微細化レベルの向上に伴い、半導体基板の表面に生じた研磨傷が半導体基板の信頼性や歩留まりに与える影響が大きくなっている。したがって、酸化セリウム粒子を含有するCMP研磨液は、上述のようにシリカ粒子を含有するCMP研磨液と比較して研磨傷が少ないという利点があるものの、従来の研磨傷の低減レベルでは充分でなく、研磨傷を低減する要求は更に厳しくなっている。
また、酸化セリウム粒子を含有するCMP研磨液において、研磨傷を低減する手法として、酸化セリウム粒子中の不純物を除去する手法や、酸化セリウム粒子の粒子径を微細化する手法、粗大粒子を除去する手法等が検討されている。しかし、従来の手法では、被研磨面の平坦性や研磨速度が低下する等の不具合が生じ、研磨傷の発生の抑制と他の特性との両立が難しい場合がある。特に、研磨速度の低下はスループットの低下を引き起こすため、研磨速度の低下を抑制しつつ研磨傷の発生を抑制することが望まれている。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、研磨速度の低下を抑制しつつ研磨傷の発生を抑制することが可能なCMP研磨液及びその製造方法、並びにCMP研磨液を用いた研磨方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、砥粒として酸化セリウム粒子を使用したCMP研磨液において、酸化セリウム粒子及び分散剤を含有する分散液を超低速のろ過速度でフィルタを用いてろ過することによって、研磨速度の低下を抑制しつつ研磨傷の発生を抑制することができることを見出した。
すなわち、本発明に係るCMP研磨液の製造方法の第1形態は、酸化セリウム粒子と分散剤と水とを含む分散液を75L/min・m[75L/(min・m)]以下のろ過速度でフィルタを用いてろ過するろ過工程を備える。このようにして得られるCMP研磨液は、研磨速度の低下を抑制しつつ研磨傷の発生を抑制することができる。
第1形態では、ろ過工程において得られるろ液と、水とを混合する工程を更に備えていてもよい。この場合、酸化セリウム粒子の含有量を所望の範囲に調整し易くなる。
また、本発明に係るCMP研磨液の製造方法の第2形態は、酸化セリウム粒子と分散剤と水とを含む分散液を75L/min・m[75L/(min・m)]以下のろ過速度でフィルタを用いてろ過するろ過工程と、ろ過工程において得られるろ液と、添加剤及び水を含む混合液とを混合する混合工程と、を備える。このようにして得られるCMP研磨液は、研磨速度の低下を抑制しつつ研磨傷の発生を抑制することができる上に、凹凸のある被研磨面の凸部を優先的に研磨することで被研磨面を高度に平坦化できる。
第2形態では、混合工程において、上記ろ液と水と上記混合液とを混合してもよい。この場合、酸化セリウム粒子の含有量を所望の範囲に調整し易くなる。
添加剤は、アニオン性置換基を有するビニル化合物を単量体成分として含む組成物を重合させて得られるアニオン性高分子化合物及びその塩から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。この場合、研磨速度の低下を更に抑制しつつ研磨傷の発生を更に抑制することができる。
ビニル化合物は、アクリル酸及びメタクリル酸から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。この場合、研磨速度の低下を更に抑制しつつ研磨傷の発生を更に抑制することができる。
添加剤の含有量は、CMP研磨液全質量基準で0.01〜2.0質量%であることが好ましい。この場合、研磨速度の低下を更に抑制しつつ研磨傷の発生を更に抑制することができる。
本発明に係るCMP研磨液の製造方法において、酸化セリウム粒子は、焼成工程及び粉砕工程を経て得られたものを使用することが好ましい。すなわち、本発明に係るCMP研磨液の製造方法は、セリウム化合物を焼成して焼成粉を得る焼成工程と、当該焼成粉を粉砕して酸化セリウム粒子を得る粉砕工程と、を更に備えることが好ましい。この場合、研磨速度に更に優れたCMP研磨液を得ることが可能となると共に、上記のとおり超低速でスラリーをろ過することによる研磨傷の低減効果を更に効果的に得ることができる。
本発明に係るCMP研磨液の製造方法では、焼成工程において、セリウム化合物を350〜900℃で1時間以上焼成することが好ましい。この場合、酸化セリウム粒子の結晶化の度合いを最適な範囲とすることができるため、研磨速度に更に優れたCMP研磨液を得ることができる。
結晶化の度合いに関して、線源をCuKα線とする焼成粉の粉末X線回折パターンにおいて酸化セリウム結晶の(111)面による回折ピークの半値幅は、0.20〜0.50°であることが好ましい。この条件を満たす酸化セリウム粒子は、結晶化の度合いが適度であり、適度な結晶子(最小の結晶単位)の大きさを有する酸化セリウム粒子を得ることができるため、研磨速度に更に優れたCMP研磨液を得ることができる。
ここで、工業的に販売されているセリウム化合物を前記の条件で焼成すると、複数の結晶子で構成され、結晶粒界を有する多結晶酸化セリウムが生成する。多結晶酸化セリウムは、通常、結晶子サイズ以下まで粉砕されるが、本発明に係るCMP研磨液の製造方法では、少なくとも一部の酸化セリウム粒子が、結晶粒界を有する多結晶酸化セリウムを含む程度に粉砕されることが好ましい。すなわち、本発明に係るCMP研磨液の製造方法では、粉砕工程において、複数の結晶子で構成されると共に結晶粒界を有する多結晶の酸化セリウム粒子が形成されるように焼成粉を粉砕することが好ましい。この場合、研磨速度に更に優れると共に研磨傷の発生を更に抑制可能なCMP研磨液を得ることができる。
本発明に係るCMP研磨液の製造方法では、粉砕工程において、酸化セリウム粒子の平均粒径が50〜1000nm(0.05〜1.0μm)になるまで焼成粉を粉砕することが好ましい。酸化セリウム粒子の平均粒径をこの範囲とすることによって、研磨速度低下の抑制効果と研磨傷低減効果のバランスを取ることが容易になる。
分散剤は、アクリル酸系単量体を含む組成物を重合させて得られる高分子化合物及びその塩から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。この場合、酸化セリウム粒子の分散性を特に向上させることができる。
また、本発明に係るCMP研磨液の製造方法において、フィルタの孔径は10μm以下であることが好ましい。この場合、当該フィルタによりろ過して得られたCMP研磨液を使用して研磨した際に、研磨傷の低減効果が得られやすい傾向がある。
本発明に係るCMP研磨液は、上記CMP研磨液の製造方法により得られる。本発明に係るCMP研磨液では、研磨速度の低下を抑制しつつ研磨傷の発生を抑制することができる。
本発明に係る研磨方法は、上記CMP研磨液を用いて、基体に形成された被研磨膜を研磨する。本発明に係る研磨方法では、上記CMP研磨液を用いているため、研磨速度の低下を抑制しつつ研磨傷の発生を抑制することができる。
本発明に係る研磨方法において、被研磨膜は無機絶縁膜であることが好ましい。
本発明に係る研磨方法において、無機絶縁膜は二酸化ケイ素を含むことが好ましい。上記CMP研磨液の製造方法により得られるCMP研磨液は、二酸化ケイ素を含む膜を研磨傷を抑制しつつ良好な研磨速度で研磨することができる。
本発明によれば、研磨速度の低下を抑制しつつ研磨傷の発生を抑制することができるCMP研磨液及びその製造方法、並びにCMP研磨液を用いた研磨方法を提供することができる。
酸化ケイ素膜が研磨されて半導体基板にシャロー・トレンチ分離構造が形成される過程を示す模式断面図である。
本発明に係るCMP研磨液の製造方法では、フィルタの孔(孔径)よりも大きな粒径の粗大粒子を含む被ろ過液を当該フィルタによりろ過して、粗大粒子が除去されたCMP研磨液を得る。以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明に係るCMP研磨液及びその製造方法、並びに当該CMP研磨液を用いた研磨方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
{第1実施形態}
<CMP研磨液の製造方法>
第1実施形態に係るCMP研磨液の製造方法は、酸化セリウム粒子と分散剤と水とを含む粗スラリー(分散液)を75L/min・m以下のろ過速度(ろ過される粗スラリーの流速)でフィルタを用いてろ過して、酸化セリウムスラリーをCMP研磨液として得るろ過工程を備える。第1実施形態に係るCMP研磨液の製造方法は、CMP研磨液製造工程として、例えば、酸化セリウム粒子と分散剤と水とを含む粗スラリーを調製する調製工程と、このようにして調製された粗スラリーを75L/min・m以下のろ過速度でフィルタを用いてろ過して酸化セリウムスラリーを得るろ過工程とを有している。このような工程を経て得られるCMP研磨液は、研磨速度の低下を抑制しつつ、研磨傷の発生を抑制することができる。
上記ろ過速度は、下記知見に基づき一般的なろ過速度と比較して極めて低速である。すなわち、上記特許文献4には、フィルタを用いてろ過する工程を備える研磨剤の製造方法について開示されているが、ろ過工程について詳細な記載がされておらず、一般的なろ過条件でろ過を行っていると考えられる。しかし、本発明者らは、フィルタのカタログ等で推奨されている一般的なろ過速度で上記粗スラリーをろ過した場合、微小な研磨傷の発生量を充分低減できないことを見出した。さらに、本発明者らは、CMP研磨液の製造工程においてろ過速度を制御することによって、具体的には、ろ過速度を極めて低速にすることによって、研磨速度の低下を抑制しつつ研磨傷の発生を抑制することができることを見出した。
このような効果が得られる原因は明らかではないが、本発明者らは次のように考えている。但し、原因が以下の内容に制限されるものではない。すなわち、ろ過速度を極めて低速にすることによって、ろ過工程においてフィルタ孔径が粗大粒子により大きくなることが抑制され、粗大粒子の捕捉効率が向上すると共に、捕捉した粗大粒子の再流出を防ぐことができる。これにより、研磨速度の低下を抑制しつつ研磨傷の発生を抑制することができると考えられる。
ろ過工程におけるろ過速度が75L/min・mを超えると、研磨速度の低下を抑制しつつ研磨傷の発生を抑制することが困難となる。この要因は、粗大粒子がフィルタ繊維を押しのけることでフィルタ孔径が粗大粒子より大きくなり、粗大粒子の流出を引き起こすことによると予想される。ろ過速度は、研磨傷の低減効果が更に効率的に得られる観点から、72L/min・m以下が好ましく、63L/min・m以下がより好ましく、54L/min・m以下が更に好ましい。
ろ過工程におけるろ過速度は、研磨に有効なサイズの粒子までが除去されることを抑制可能であると共に、ろ過速度が遅くなることを更に抑制可能であり、また、ポンプの安定制御(流速の安定化)を更に容易にする観点から、25L/min・m以上が好ましく、26L/min・m以上がより好ましく、29L/min・m以上が更に好ましく、30L/min・m以上が特に好ましい。
第1実施形態におけるCMP研磨液製造工程では、ろ過工程を経て得られた酸化セリウムスラリーを、いわゆる一液式のCMP研磨液としてそのまま使用することができる。また、第1実施形態におけるCMP研磨液製造工程は、酸化セリウム粒子の含有量を調整するために、ろ過工程の後に、ろ過により得られる酸化セリウムスラリー(ろ液)と、別途用意した適量の水とを混合してCMP研磨液を得てもよい。酸化セリウムスラリーと水とが研磨直前まで混合されない場合、酸化セリウムスラリーは、いわゆる濃縮タイプの酸化セリウムスラリーとして保存、運搬される。これにより、酸化セリウムスラリーの保存、運搬等に係るコストを低減することが可能となるため好ましい。
また、後述するように酸化セリウム粒子が焼成法により得られる場合には、第1実施形態に係るCMP研磨液の製造方法は、CMP研磨液製造工程の前に、セリウム化合物を焼成して焼成粉を得る焼成工程と、当該焼成粉を粉砕して酸化セリウム粒子を得る粉砕工程と、を含む砥粒作製工程を更に備える。
ろ過工程で使用するフィルタとしては、例えば、メンブレンフィルタ、プリーツフィルタ等の表面ろ過型のフィルタ、デプスフィルタ、デプスプリーツフィルタ等の深層ろ過型のフィルタなどのろ過フィルタを挙げることができる。中でも、ろ過効率に優れる点で、深層ろ過型のフィルタが好ましく、通常は円筒形状の濾過筒に前記深層ろ過型のフィルタが収納されたカートリッジタイプのフィルタであることがより好ましい。さらには入手のしやすさから、深層ろ過型のフィルタが収納されたカートリッジタイプでは、外径0.0700m、内径0.0256mのフィルタを用いることが好ましい。フィルタの長さは、例えば0.025〜0.762mである。
フィルタの孔径は、研磨傷の低減効果が得られやすい点で、10μm以下が好ましい。同様の観点から、フィルタの孔径は、5μm以下がより好ましく、3μm以下が更に好ましく、1.5μm以下が特に好ましく、1μm以下が極めて好ましい。孔径の下限としては特に制限はないが、孔径が小さすぎると研磨に有効なサイズの粒子までが除去される可能性があり、また、ろ過速度が極端に遅くなる傾向があるため、一般的には0.2μm以上が好ましい。
なお、フィルタに捕捉される粗大粒子としては、フィルタの孔(孔径)よりも大きな粒径の粒子であれば特に制限されるものではないが、例えば、フィルタの孔(孔径)が0.2〜1.0μm程度である場合には、粒度分布測定装置(例えば、Particle Sizing System社製の商品名「Accusizer780」)を用いて検出される1.0μm以上のサイズの粒子が挙げられる。
<CMP研磨液>
第1実施形態に係るCMP研磨液は、酸化セリウム粒子と分散剤と水とを少なくとも含む。以下、これらの含有成分について説明する。
(酸化セリウム粒子)
酸化セリウム粒子は、酸化セリウムからなり粒子状を有するものであれば特に制限されるものではない。酸化セリウム粒子の製造方法は特に制限されるものではなく、従来公知の製造方法を広く使用することができる。
酸化セリウム粒子の製造方法としては、例えば、焼成法、過酸化水素等による酸化法等が挙げられる。酸化セリウム粒子が焼成法により得られる場合、焼成工程では、セリウム化合物を350〜900℃で1時間以上焼成して焼成粉を得ることが好ましい。焼成温度は500〜900℃がより好ましく、600〜900℃が更に好ましい。焼成時間の上限は3時間程度とすることができる。
線源をCuKα線とする焼成粉の粉末X線回折パターンにおいて酸化セリウム結晶の(111)面による回折ピークの半値幅は、0.20〜0.50°が好ましく、0.20〜0.40°がより好ましい。この場合、結晶化の度合いが適度であり、且つ、適度な結晶子(最小の結晶単位)の大きさを有する酸化セリウム粒子を得ることができる。上記回折ピークの半値幅は、焼成工程における焼成温度、焼成時間により適宜調整することができる。
製造された酸化セリウム粒子が凝集している場合は、粉砕工程において、凝集した粒子を機械的に粉砕することが好ましい。粉砕方法としては、例えば、ジェットミル等による乾式粉砕や遊星ビーズミル等による湿式粉砕が好ましい。ジェットミルとしては、例えば、「化学工学論文集」、第6巻第5号、(1980)、527〜532頁に説明されている方法を使用することができる。
砥粒として使用する酸化セリウム粒子は、結晶粒界を有する多結晶酸化セリウム粒子を含むことが好ましく、粉砕工程において、複数の結晶子で構成されると共に結晶粒界を有する多結晶酸化セリウム粒子が形成されるように焼成粉を粉砕することが好ましい。結晶粒界を有する多結晶酸化セリウム粒子は、研磨中に細かくなると同時に、細かくなる前は媒体に触れていない新面(活性面)が次々と現れるため、酸化ケイ素膜等の無機絶縁膜に対する高い研磨速度を高度に維持できる。このような酸化セリウム粒子は、例えば特許文献3に記載されている。
酸化セリウム粒子の結晶子の直径を「結晶子径」と定義すると、酸化セリウム粒子の結晶子径の中央値は、30〜250nmが好ましい。なお、酸化セリウム粒子の結晶子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)で観測して得られたSEM画像から測定することができる。具体的には例えば、CMP研磨液に再分散処理を行った後、SEM観測に適した濃度(例えば、酸化セリウム粒子の含有量がCMP研磨液全質量基準で0.005質量%)にCMP研磨液を希釈する。得られた希釈液をガラス基板にマイクロピペットで10μL滴下し、空気を吹き付け乾燥させて測定試料とし、SEM((株)日立製作所製S−4800型、観察条件:観察倍率100K倍、加速電圧1.0kV)で観察し、5つの凝集粒子のSEM画像(合計5枚)を得る。得られた5つの凝集粒子のそれぞれの画像について、酸化セリウムの粒界に囲まれた酸化セリウムの一次粒子を、無作為に11個(合計55個)選び出す。選び出した合計55個の一次粒子について、SEMで表示される縮尺を基準に、一次粒子径を測定する。一次粒子径は、粒界に囲まれた粒子の最長径と、当該最長径の垂直二等分線の当該粒子における長さとの積の平方根として求めることができる。55個の測定値のうち、中央の値(28番目の値)を酸化セリウム粒子の結晶子径の中央値とする。
酸化セリウム粒子の平均粒径は特に制限はないが、一般的に平均粒径が小さいほど研磨速度が低下する傾向があり、平均粒径が大きいほど研磨傷が発生しやすくなる傾向がある。研磨速度を更に向上させる観点から、平均粒径は50nm(0.05μm)以上が好ましく、70nm(0.07μm)以上がより好ましい。研磨傷の発生を更に抑制する観点から、平均粒径は1000nm(1μm)以下が好ましく、400nm(0.4μm)以下がより好ましい。これらの観点から、粉砕工程では、酸化セリウム粒子の平均粒径が50〜1000nmになるまで焼成粉を粉砕することが好ましい。
酸化セリウム粒子の平均粒径は、酸化セリウム粒子を含む測定対象において、レーザー回折散乱式粒度分布計によって測定される酸化セリウム粒子の粒径の体積分布の平均値をいう。測定対象は、CMP研磨液を一液で保存する場合は、最終的なCMP研磨液であり、後述する第2実施形態に係るCMP研磨液を、いわゆる二液式の研磨液として保存する場合は、混合前における酸化セリウム粒子を含有する酸化セリウムスラリーである。
酸化セリウム粒子の平均粒径は、具体的には、測定対象のCMP研磨液又は酸化セリウムスラリーを、測定に適した濃度に希釈して測定サンプルとし、この測定サンプルをレーザー回折散乱式粒度分布計に投入することで測定できる。酸化セリウム粒子の平均粒径は、より具体的には、堀場製作所製のLA−920(光源:He−Neレーザー及びWレーザー)を用いて以下のようにして測定することができる。まず、He−Neレーザーに対する測定時透過率(H)が60〜70%になるように、測定対象のCMP研磨液又は酸化セリウムスラリーを、測定に適した濃度に希釈して測定サンプルを得る。そして、この測定サンプルをLA−920に投入し、その際に得られた算術平均径(meanサイズ)として平均粒径が得られる。
酸化セリウム粒子の含有量は特に制限されるものではないが、酸化セリウム粒子の含有量の下限は、良好な研磨速度が得られやすい観点から、CMP研磨液全質量基準で0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.2質量%以上が更に好ましい。酸化セリウム粒子の含有量の上限は、粒子の分散性を向上させ、研磨傷を更に低減する観点から、CMP研磨液全質量基準で5.0質量%以下が好ましく、3.0質量%以下がより好ましく、2.0質量%以下が更に好ましい。
(分散剤)
分散剤は、酸化セリウム粒子を水に分散させるためのものである。このような分散剤としては、従来公知の分散剤を広く使用することができ、具体的には例えば、アニオン性高分子化合物、カチオン性高分子化合物、両性高分子化合物等のイオン性高分子化合物、ノニオン性高分子化合物などが挙げられる。イオン性高分子化合物の場合は、塩であってもよい。イオン性高分子化合物の塩としては、例えば、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられ、中でも、被研磨面への悪影響が低減される点でアンモニウム塩が特に好ましい。これらの分散剤は、単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
上記分散剤の中でも、酸化セリウム粒子の分散性に優れる点では、アニオン性高分子化合物及びその塩から選ばれる少なくとも一種がより好ましい。酸化セリウム粒子の分散性に更に優れる点では、分散剤は、アクリル酸系単量体を含む組成物を重合させて得られる高分子化合物及びその塩であるアクリル酸系高分子化合物及びその塩が特に好ましい。ここで、「アクリル酸系高分子化合物」は、アクリル酸骨格を有する単量体を含む原料を重合して得られる高分子化合物ということもできる。上記アクリル酸系単量体としては、具体的には例えば、アクリル酸、アクリル酸アルキル等のアクリル酸エステル、アクリルアミド等のアクリルアミド系単量体、メタクリル酸、メタクリル酸アルキル等のメタクリル酸エステルが挙げられる。アクリル酸アルキル及びメタクリル酸アルキルにおけるアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、メチル基が好ましい。
また、アクリル酸系高分子化合物は、上記アクリル酸系単量体のホモポリマでもよく、複数のアクリル酸系単量体を重合して得られる共重合体であってもよい。アクリル酸系高分子化合物及びその塩の中でも、ポリアクリル酸、アクリル酸−メタクリル酸共重合体、アクリル酸−アクリル酸アルキルの共重合体、アクリル酸−アクリルアミドの共重合体及びこれらのアンモニウム塩は、入手容易性と分散性とのバランスの点でより好ましい。
カチオン性高分子化合物としては、ポリビニルピロリドン、ココナットアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等が挙げられる。両性高分子化合物としては、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
ノニオン性高分子化合物としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アルキルアルカノールアミド等が挙げられる。
分散剤の重量平均分子量は、100〜150000が好ましく、1000〜20000がより好ましい。なお、分散剤の重量平均分子量は、下記条件でGPCを用いて測定し、標準ポリオキシエチレン換算した値である。
(条件)
試料:10μL
標準ポリスチレン:東ソー株式会社製標準ポリスチレン(重量平均分子量:190000、17900、9100、2980、578、474、370、266)
検出器:株式会社日立製作所社製、RI−モニター、商品名「L−3000」
インテグレーター:株式会社日立製作所社製、GPCインテグレーター、商品名「D−2200」
ポンプ:株式会社日立製作所社製、商品名「L−6000」
デガス装置:昭和電工株式会社製、商品名「Shodex DEGAS」
カラム:日立化成工業株式会社製、商品名「GL−R440」、「GL−R430」、「GL−R420」をこの順番で連結して使用
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
測定温度:23℃
流速:1.75mL/分
測定時間:45分
分散剤の含有量は、酸化セリウム粒子や後述する平坦化剤の含有量に影響を与えない程度の少量とすることができる。分散剤の含有量は、酸化セリウム粒子100質量部に対して0.1〜5.0質量部が好ましく、0.1〜2.0質量部がより好ましい。分散剤の含有量が0.1質量部以上であると、砥粒の安定性を向上させることが可能であり、5.0質量部以下であると、砥粒の凝集を抑制することが可能である。
(媒体)
粗スラリーを調整する際、及び酸化セリウム粒子の含有量を調整する際の媒体である水としては、特に制限されないが、脱イオン水、イオン交換水、超純水等が挙げられる。CMP研磨液における水の含有量は、上記含有成分の含有量の残部でよく、CMP研磨液中に含有されていれば特に制限されない。また、必要に応じて水以外の溶媒、例えばエタノール、酢酸、アセトン等の極性溶媒などを更に含有してもよい。
(その他の成分)
CMP研磨液は、上記酸化セリウム粒子、分散剤、水及び後述する平坦化剤の他に、pH調整剤、着色剤等のように一般にCMP研磨液に使用される材料を、CMP研磨液の作用効果を損なわない範囲で含有してもよい。pH調整剤としては、例えば、硝酸、硫酸、酢酸等の酸成分、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム等のアルカリ成分などが挙げられる。
(CMP研磨液の特性)
CMP研磨液のpHは、CMP研磨液の保存安定性を向上させ研磨傷の発生を更に抑制する観点から、3〜10の範囲が好ましい。CMP研磨液のpHは、上記pH調整剤等により調整可能である。
CMP研磨液のpHは、pHメータ(例えば、電気化学計器社製、型番「PHL−40」)で測定することができる。より具体的には、pHは標準緩衝液(フタル酸塩pH緩衝液 pH:4.01(25℃)、中性リン酸塩pH緩衝液 pH:6.86(25℃))を用いて、2点校正した後、電極を研磨液に入れて、2分以上経過して安定した後の値をpHの値として測定することができる。
CMP研磨液の粘度は特に制限されるものではないが、CMP研磨液の保存安定性を向上させる観点から、0.5〜5mPa・sが好ましい。CMP研磨液の粘度は、例えばウベローデ粘度計により測定することができる。なお、後述する第2実施形態に係るCMP研磨液の場合には、優れた保存安定性を得る観点から、酸化セリウムスラリーの粘度が0.5〜5mPa・sであることが好ましい。
{第2実施形態}
<CMP研磨液の製造方法>
第2実施形態に係るCMP研磨液の製造方法は、CMP研磨液製造工程として、酸化セリウム粒子と分散剤と水とを含む粗スラリー(分散液)を75L/min・m以下のろ過速度でフィルタを用いてろ過するろ過工程と、当該ろ過工程において得られる酸化セリウムスラリー(ろ液)と、添加剤及び水を含む添加液(混合液)とを混合する混合工程と、を備える。すなわち、第2実施形態におけるCMP研磨液製造工程は、第1実施形態におけるCMP研磨液製造工程に加え、酸化セリウムスラリーと添加液とを混合する工程を更に備えている。以下の第2実施形態についての説明では、第1実施形態と重複する説明は割愛する。
第2実施形態におけるCMP研磨液製造工程では、酸化セリウムスラリーと添加液とを混合して得られた液をCMP研磨液としてそのまま使用することができる。第2実施形態におけるCMP研磨液製造工程は、添加剤を水に添加して添加液を得る工程を更に備えていてもよい。また、第2実施形態におけるCMP研磨液製造工程は、酸化セリウム粒子の含有量を調整するために、ろ過工程の後に、酸化セリウムスラリーと、別途用意した適量の水と、添加液とを任意の順番で混合してCMP研磨液を得てもよい。
<CMP研磨液>
(添加剤)
添加液に含まれる添加剤は、凹凸を有する被研磨面を研磨する際に凸部が優先的に研磨されるように作用する平坦化剤である。このような添加剤は、凹凸を有する被研磨面を研磨する際に、被研磨面に吸着して保護膜を形成すると考えられる。この場合、研磨パッドが接触しない凹部において研磨の進行は抑制され、研磨パッドが接触する凸部は優先的に研磨されるため、凹凸を有する被研磨面を平坦性よく研磨することができると考えられる。
このような添加剤としては、例えば、アニオン性化合物及びその塩、ノニオン性化合物、カチオン性化合物及びその塩等が挙げられ、中でも、アニオン性化合物及びその塩が、高度な平坦化作用を有する点で好ましい。上記塩としては、例えば、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。これらの添加剤は、単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
アニオン性化合物及びその塩は、アニオン性置換基を有するビニル化合物を単量体成分として含む組成物を重合させて得られる化合物及びその塩から選ばれる少なくとも一種が好ましい。ここで、アニオン性置換基としては、例えば、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、オキシラン環、酸無水物等が挙げられる。アニオン性置換基を有するビニル化合物としては、アクリル酸系単量体等が挙げられる。アクリル酸系単量体としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸アルキル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸アルキル等のメタクリル酸エステル等が挙げられ、アクリル酸及びメタクリル酸から選ばれる少なくとも一種が好ましい。アクリル酸アルキル及びメタクリル酸アルキルにおけるアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、メチル基が好ましい。なお、アニオン性化合物としては、分散剤と同一種の化合物を用いてもよく、分散剤と異なる化合物を用いてもよい。
アクリル酸系化合物は、上記アクリル酸系単量体のホモポリマでもよく、複数のアクリル酸系単量体を重合して得られる共重合体であってもよい。アクリル酸系化合物及びその塩の中でも、ポリアクリル酸、アクリル酸−メタクリル酸共重合体、メタクリル酸及びこれらのアンモニウム塩が好ましい。
アニオン性化合物としては、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン、特殊ポリカルボン酸型高分子分散剤等が挙げられる。
ノニオン性化合物としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アルキルアルカノールアミド等が挙げられる。
カチオン性化合物としては、ポリビニルピロリドン、ココナットアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等が挙げられる。
添加剤の重量平均分子量は、100〜150000が好ましく、1000〜20000がより好ましい。なお、添加剤の重量平均分子量は、下記条件でGPCを用いて測定し、標準ポリオキシエチレン換算した値である。
(条件)
試料:10μL
標準ポリスチレン:東ソー株式会社製標準ポリスチレン(重量平均分子量:190000、17900、9100、2980、578、474、370、266)
検出器:株式会社日立製作所社製、RI−モニター、商品名「L−3000」
インテグレーター:株式会社日立製作所社製、GPCインテグレーター、商品名「D−2200」
ポンプ:株式会社日立製作所社製、商品名「L−6000」
デガス装置:昭和電工株式会社製、商品名「Shodex DEGAS」
カラム:日立化成工業株式会社製、商品名「GL−R440」、「GL−R430」、「GL−R420」をこの順番で連結して使用
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
測定温度:23℃
流速:1.75mL/分
測定時間:45分
添加剤の含有量の下限は、平坦化特性を更に向上させる観点から、CMP研磨液全質量基準で0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.08質量%以上が更に好ましい。添加剤の含有量の上限は、研磨速度を更に向上させると共に砥粒の凝集の発生を更に抑制する観点から、2.0質量%以下が好ましく、1.0質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下が更に好ましい。なお、添加剤として分散剤と同一種の化合物を用いる場合には、添加剤の含有量及び分散剤の含有量の合計値が上記範囲であることが好ましい。
また、添加剤の含有量は、CMP研磨液中の砥粒の分散性の向上及び沈降防止、並びに優れた平坦性を維持する観点から、酸化セリウム粒子の含有量も勘案して決定されることが好ましい。具体的には例えば、添加剤の含有量は、酸化セリウム粒子100質量部に対して、10〜1000質量部が好ましく、20〜200質量部がより好ましい。
(保存形態)
第2実施形態に係るCMP研磨液は、酸化セリウムスラリーと添加液とが研磨直前まで混合されずに分けて二液式のCMP研磨液として保存することができる。これにより、酸化セリウムスラリーと添加液とを予め混合して長時間保存することにより懸念される酸化セリウム粒子の凝集を抑制することが可能となるため好ましい。
二液式の場合、これら二液の配合を任意に変えることにより、平坦化特性及び研磨速度を調整することができる。二液式の場合、酸化セリウムスラリーの配管とは別の配管で添加液を送液し、供給配管出口の直前でスラリーの配管と添加液の配管とを合流させて両液を混合しCMP研磨液を得た後に、CMP研磨液を研磨定盤上に供給する方法や、研磨直前に酸化セリウムスラリーと添加液とを混合する方法がとられる。
また、酸化セリウム粒子の含有量を調整するため、酸化セリウムスラリーと水とは、予め混合しておいてもよく、研磨直前まで混合しなくてもよい。研磨直前まで混合しない場合、酸化セリウムスラリーは、いわゆる濃縮タイプの酸化セリウムスラリーとして保存、運搬される。これにより、酸化セリウムスラリーの保存、運搬等に係るコストを低減することが可能となるため好ましい。
<研磨方法及び半導体基板の製造方法>
本実施形態に係る研磨方法は、上記CMP研磨液を用いて、基体に形成された被研磨膜を研磨する。本実施形態に係る半導体基板の製造方法は、上記CMP研磨液を用いて半導体基板に形成された被研磨膜を研磨する工程を備える。被研磨膜は、例えば無機絶縁膜である。無機絶縁膜は、例えば二酸化ケイ素(酸化ケイ素)を含む。
以下、図1を参照しながら、上記CMP研磨液を用いてシャロー・トレンチ分離(STI)構造を形成する研磨方法及び半導体基板の製造方法について具体的に説明する。CMP研磨液を用いた研磨方法及び半導体基板の製造方法は、半導体基板に形成された被研磨膜を高い速度で研磨する第1工程(荒削り工程)と、残りの被研磨膜を比較的低い速度で研磨して被研磨面が最終的に平坦になるように研磨する第2工程(仕上げ工程)とを有する。
図1は、被研磨膜が研磨されて半導体基板にシャロー・トレンチ分離構造が形成される過程を示す模式断面図である。図1(a)は、研磨前の基板を示す模式断面図である。図1(b)は、第1工程後の基板を示す断面図である。図1(c)は、第2工程後の基板を示す断面図である。
図1に示すように、STI構造を形成する過程では、シリコン基板(半導体基板)1上に成膜した酸化ケイ素膜3の段差Dを解消するため、部分的に突出した不要な箇所をCMPによって優先的に除去する。なお、表面が平坦化した時点で適切に研磨を停止させるため、酸化ケイ素膜3の下には、研磨速度の遅い窒化ケイ素膜(ストッパ膜)2を予め形成しておくことが好ましい。第1工程及び第2工程を経ることによって酸化ケイ素膜3の段差Dが解消され、埋め込み部分5を有する素子分離構造が形成される。
酸化ケイ素膜3を研磨するには、酸化ケイ素膜3の被研磨面と研磨パッドとが当接するように研磨パッド上にシリコン基板1を配置し、研磨パッドによって酸化ケイ素膜3の被研磨面を研磨する。より具体的には、酸化ケイ素膜3の被研磨面を研磨定盤の研磨パッドに押圧した状態で、被研磨面と研磨パッドとの間に研磨液を供給しながら、基板と研磨パッドを相対的に動かすことによって酸化ケイ素膜3を研磨する。
上記CMP研磨液は、第1工程及び第2工程のいずれにも好適に使用することができる。中でも、第2工程には、第2実施形態に係るCMP研磨液を使用することが好ましい。
これにより、更に良好な研磨速度と、研磨傷の更なる低減とを両立することが可能となる上、凹凸を有する被研磨面を平坦性よく研磨することができる。
また、第1工程及び第2工程を分けることなく、一段階で同一のCMP研磨液を用いて研磨することも可能である。この場合も、凹凸を解消し平坦な被研磨面を得る点で、第2実施形態に係るCMP研磨液を用いることが好ましい。
研磨に用いる研磨装置としては、例えば、基板を保持するホルダーと、研磨パッドが貼り付けられる研磨定盤と、研磨パッド上に研磨液を供給する手段とを備える装置が好適である。研磨装置としては、例えば、荏原製作所株式会社製の研磨装置(型番:EPO−111)、AMAT製の研磨装置(商品名:Mirra3400、Reflexion研磨機)等が挙げられる。
研磨部材として研磨パッドを例示したが、研磨部材はこれに限られるものではない。研磨パッドとしては、特に制限はなく、例えば、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂等を使用することができる。また、研磨パッドは、研磨液が溜まるような溝加工が施されたものが好ましい。また、研磨パッドは、CMP研磨液の表面張力が研磨パッド表面の臨界表面張力より小さくなるようなものが好ましい。これらの研磨パッドを用いることにより、CMP研磨液が研磨パッド上で均一に分散することができる。
研磨条件としては、特に制限はないが、基板が飛び出さないようにする見地から、研磨定盤の回転速度は200min−1以下が好ましい。また、基板にかける圧力(加工荷重)は、研磨面の傷の増加を更に抑制するという見地から、100kPa以下が好ましい。
加工荷重は、研磨速度の被研磨面内の均一性及びパターンの平坦性を満足するため、5〜50kPaがより好ましい。研磨中は、ポンプ等によって研磨パッドに研磨液を連続的に供給することが好ましい。研磨液の供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常に研磨液で覆われるようにすることが好ましい。具体的には、研磨パッドの面積1cm当たり0.005〜0.40ml/min供給されることが好ましい。
研磨終了後、流水中で基板を充分に洗浄し、更にスピンドライヤ等を用いて基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。このような処理により、基板表面の凹凸を解消し、基板全面にわたって平滑な面を得ることができる。また、膜の形成及びこれを研磨する工程を所定の回数繰り返すことによって、所望の層数を有する基板を製造することができる。
このようにして得られた基板は、種々の電子部品として使用することができる。具体例としては、半導体素子、フォトマスク・レンズ・プリズム等の光学ガラス、ITO等の無機導電膜、ガラス及び結晶質材料で構成される光集積回路・光スイッチング素子・光導波路、光ファイバーの端面、シンチレータ等の光学用単結晶、固体レーザー単結晶、青色レーザーLED用サファイヤ基板、SiC、GaP、GaAs等の半導体単結晶、磁気ディスク用ガラス基板、磁気ヘッド等が挙げられる。
以下、実施例により本発明を説明する。なお、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
<実施例1〜10、比較例1〜6>
[酸化セリウム粒子の作製]
酸化セリウム粒子を焼成法により作製した。すなわち、炭酸セリウム約6kgをアルミナ製容器に入れ、800℃で2時間空気中で焼成することにより黄白色の焼成粉末を約3kg得た。線源をCuKα線とするX線回折法でこの焼成粉末の相同定を行ったところ酸化セリウムであることを確認した。また、粉末X線回折パターンから求められる酸化セリウム結晶の(111)面による回折ピークの半値幅は0.31°であった。
上記により得られた酸化セリウム粉末3kgをジェットミルを用いて、複数の結晶子で構成され、結晶粒界を有する多結晶の酸化セリウム粒子が残存するように乾式粉砕した。
粉砕時間および粉砕圧力のいずれかまたは両方を調整し、平均粒径が150nm及び350nmの酸化セリウム粒子をそれぞれ得た。酸化セリウム粒子の平均粒径は、堀場製作所製のLA−920(光源:He−Neレーザー及びWレーザー)を用いて測定した。
酸化セリウム粒子の結晶子径の中央値は、それぞれ70nm、100nmであった。酸化セリウム粒子の結晶子径の中央値は、SEM((株)日立製作所製S−4800型、観察条件:観察倍率100K倍、加速電圧1.0kV)を用いてSEM画像中の合計55個の一次粒子に基づき測定した。
[CMP研磨液の調製]
表1及び表2に示すように、平均粒径が150nm又は350nmの酸化セリウム粒子を水に分散剤を使用して分散させ、分散液を得た。
得られた分散液を表1及び表2に示すろ過速度及びフィルタでろ過を行い、表1及び表2に示す含有量で各成分を含有するCMP研磨液を得た。ろ過は深層ろ過型のフィルタが収納されたカートリッジタイプで外径0.0700m、内径0.0256mのフィルタを用い、ろ過速度は外径ろ過面積(フィルタの外周部分の面積)から算出した。なお、表1及び表2中の「デプスフィルタ1」「デプスフィルタ2」「デプスフィルタ3」のフィルタ長さはいずれも0.762mであった。また、分散剤の含有量は、酸化セリウム粒子の含有量に影響を与えない程度の少量とした。
表1及び表2中の分散剤「A」で表される化合物は、下記の通りである。
A:アクリル酸とアクリルアミドとを共重合して得られた重量平均分子量10000のポリアクリル酸アンモニウム塩。
分散剤「A」の重量平均分子量は、下記の条件で求めた。
(条件)
試料:10μL
標準ポリスチレン:東ソー株式会社製標準ポリスチレン(重量平均分子量:190000、17900、9100、2980、578、474、370、266)
検出器:株式会社日立製作所社製、RI−モニター、商品名「L−3000」
インテグレーター:株式会社日立製作所社製、GPCインテグレーター、商品名「D−2200」
ポンプ:株式会社日立製作所社製、商品名「L−6000」
デガス装置:昭和電工株式会社製、商品名「Shodex DEGAS」
カラム:日立化成工業株式会社製、商品名「GL−R440」、「GL−R430」、「GL−R420」をこの順番で連結して使用
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
測定温度:23℃
流速:1.75mL/分
測定時間:45分
pHメータ(電気化学計器社製、型番「PHL−40」)を用いて、各CMP研磨液のpHを測定した。標準緩衝液(フタル酸塩pH緩衝液 pH:4.01(25℃)、中性リン酸塩pH緩衝液 pH:6.86(25℃))を用いて2点校正した後、電極をCMP研磨液に入れて、2分以上経過して安定した後の値をpHとした。pHの測定結果を表1及び表2に示す。
[ベアウエハの準備]
φ200mmのシリコン(Si)基板上に、プラズマ−CVD法で厚さ1000nmの酸化ケイ素(SiO)被膜を成膜して、被研磨膜として平坦な酸化ケイ素膜を有するベアウエハを得た。
[ベアウエハの研磨]
研磨装置(荏原製作所株式会社製研磨装置:型番EPO111)を用いてベアウエハの被研磨膜を以下のように研磨した。まず、基板取り付け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーに、上記ベアウエハをセットした。次に、上記研磨装置のφ600mmの研磨定盤に、多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッド(溝形状:パーフォレートタイプ、Rohm and Haas社製、型番IC1000)を貼り付けた。更に、被研磨膜が研磨パッドと対向するように上記ホルダーを設置した。加工荷重は34.3kPaに設定した。
各CMP研磨液を研磨定盤上に200ml/minの速度で滴下しながら、研磨定盤と、ベアウエハを50min−1で1分間回転させ、研磨パッドにより被研磨膜を研磨した。研磨後のウエハを純水で良く洗浄後、乾燥した。
[研磨特性評価]
研磨したベアウエハを用いて、研磨傷の数及び研磨速度を下記の条件で測定した。
(研磨傷数の測定)
研磨終了後のベアウエハについて、AMAT製のComplusを用いて、検出異物サイズを0.2μmに設定して異物を検出した。検出される異物には、傷以外の付着物が含まれるため、SEMで各異物を観察し、凹みを研磨傷と判断し、研磨傷数をカウントした。なお、測定には、死角面積3000mmのφ200mmベアウエハを使用した。研磨傷数の測定結果を表1及び表2に示す。
(研磨速度の測定)
SCREEN製のRE−3000を用いてベアウエハにおける被研磨膜の研磨前後の膜厚を測定し、1分当たりの研磨速度を算出した。研磨速度の測定結果を表1及び表2に示す。
Figure 2012054545
Figure 2012054545
表1及び表2に示されるように、実施例1〜10のCMP研磨液では、研磨速度に優れると共に、研磨傷数が少ないことが確認された。これに対し、比較例1〜6では、実施例1〜10よりも研磨傷数が増加することが確認された。
<実施例11〜14、比較例7〜10>
実施例11〜14及び比較例7〜10では、酸化セリウムの平均粒径を150nmに固定して、研磨特性に対するろ過速度の影響を観察した。同時に、平坦化剤として機能する高分子化合物の研磨特性に対する影響を確認した。
[CMP研磨液の調製]
実施例1〜10と同様の平均粒径が150nmの酸化セリウム粒子を水に分散剤を使用して分散させ、最終的なCMP研磨液において表3及び表4に示すような酸化セリウム粒子の含有量となる分散液を得た。
得られた分散液を表3及び表4に示すろ過速度及びフィルタでろ過を行った。表3及び表4に示す高分子化合物を含有する添加液を調製した後、ろ液と添加液とを混合し、表3及び表4に示す含有量で各成分を含有するCMP研磨液を得た。ろ過は深層ろ過型のフィルタが収納されたカートリッジタイプで外径0.0700m、内径0.0256mのフィルタを用い、ろ過速度は外径ろ過面積から算出した。なお、表3及び表4中の「デプスフィルタ1」「デプスフィルタ2」のフィルタ長さはいずれも0.762mであった。また、分散剤の含有量は、酸化セリウム粒子の含有量に影響を与えない程度の少量とした。
表3及び表4中の高分子化合物としては、下記添加剤「B」及び「C」のアニオン性高分子化合物の塩を用いた。なお、添加剤「B」及び「C」の重量平均分子量は、分散剤「A」と同様の条件で測定した。
B:亜硫酸アンモニウムを開始剤にアクリルモノマーを重合して得られた重量平均分子量4000のポリアクリル酸アンモニウム塩。
C:2,2’−アゾビスイソブチロニトルを開始剤にアクリルモノマーを重合して得られた重量平均分子量4000のポリアクリル酸アンモニウム塩。
実施例1〜10と同様にpHを測定した。pHの測定結果を表3及び表4に示す。
[研磨特性評価]
(研磨傷数及び研磨速度の測定)
実施例1〜10と同様にしてベアウエハを研磨し、研磨傷数及び研磨速度を測定した。
研磨傷数及び研磨速度の測定結果を表3及び表4に示す。
(平坦性の評価:研磨後残段差の測定)
凹凸のある酸化ケイ素膜を被研磨膜として有するパターンウエハ(ADVANTECH製、商品名:SEMATECH864)を準備した。このパターンウエハは、φ200mmのシリコン基板上の一部にストッパ膜として窒化ケイ素膜を形成させ、窒化ケイ素膜の無い部分のシリコン基板を350nmエッチングして凹部を形成し、次いで、プラズマ−CVD法で600nmの酸化ケイ素被膜をストッパ膜上及び凹部内に成膜して得られたものである。パターンウエハは、線幅がLine/Spece=500/500μm、100/100μmのパターンを有している。
上記ベアウエハの研磨と同様の条件でパターンウエハを研磨後、Line/Spece=500/500μm、100/100μmの部分で、研磨後に残った段差(研磨後残段差)を測定した。結果を表3及び表4に示す。なお、表3及び表4では、Line/Spece=500/500μmの部分の段差を「段差500/500」として、Line/Spece=100/100μmの部分の段差を「段差100/100」として示した。
Figure 2012054545
Figure 2012054545
表3及び表4に示されるように、実施例11〜14では、平坦化剤を添加した系においても研磨傷の低減効果が確認され、研磨速度は高く維持されることが確認された。一方、比較例7〜10では、研磨傷数が増加することが確認された。
1…シリコン基板、2…窒化ケイ素膜、3…酸化ケイ素膜(無機絶縁膜)、5…埋め込み部分、D…酸化ケイ素膜の膜厚の標高差(段差)。

Claims (18)

  1. 酸化セリウム粒子と分散剤と水とを含む分散液を75L/min・m以下のろ過速度でフィルタを用いてろ過するろ過工程を備える、CMP研磨液の製造方法。
  2. 前記ろ過工程において得られるろ液と、水とを混合する工程を更に備える、請求項1に記載のCMP研磨液の製造方法。
  3. 酸化セリウム粒子と分散剤と水とを含む分散液を75L/min・m以下のろ過速度でフィルタを用いてろ過するろ過工程と、
    前記ろ過工程において得られるろ液と、添加剤及び水を含む混合液とを混合する混合工程と、を備える、CMP研磨液の製造方法。
  4. 前記混合工程において、前記ろ液と水と前記混合液とを混合する、請求項3に記載のCMP研磨液の製造方法。
  5. 前記添加剤が、アニオン性置換基を有するビニル化合物を単量体成分として含む組成物を重合させて得られるアニオン性高分子化合物及びその塩から選ばれる少なくとも一種である、請求項3又は4に記載のCMP研磨液の製造方法。
  6. 前記ビニル化合物が、アクリル酸及びメタクリル酸から選ばれる少なくとも一種である、請求項5に記載のCMP研磨液の製造方法。
  7. 前記添加剤の含有量が、CMP研磨液全質量基準で0.01〜2.0質量%である、請求項3〜6のいずれか一項に記載のCMP研磨液の製造方法。
  8. セリウム化合物を焼成して焼成粉を得る焼成工程と、当該焼成粉を粉砕して前記酸化セリウム粒子を得る粉砕工程と、を更に備える、請求項1〜7のいずれか一項に記載のCMP研磨液の製造方法。
  9. 前記焼成工程において、前記セリウム化合物を350〜900℃で1時間以上焼成する、請求項8に記載のCMP研磨液の製造方法。
  10. 線源をCuKα線とする前記焼成粉の粉末X線回折パターンにおいて酸化セリウム結晶の(111)面による回折ピークの半値幅が0.20〜0.50°である、請求項8又は9に記載のCMP研磨液の製造方法。
  11. 前記粉砕工程において、複数の結晶子で構成されると共に結晶粒界を有する多結晶の前記酸化セリウム粒子が形成されるように前記焼成粉を粉砕する、請求項8〜10のいずれか一項に記載のCMP研磨液の製造方法。
  12. 前記粉砕工程において、前記酸化セリウム粒子の平均粒径が50〜1000nmになるまで前記焼成粉を粉砕する、請求項8〜11のいずれか一項に記載のCMP研磨液の製造方法。
  13. 前記分散剤が、アクリル酸系単量体を含む組成物を重合させて得られる高分子化合物及びその塩から選ばれる少なくとも一種である、請求項1〜12のいずれか一項に記載のCMP研磨液の製造方法。
  14. 前記フィルタの孔径が10μm以下である、請求項1〜13のいずれか一項に記載のCMP研磨液の製造方法。
  15. 請求項1〜14のいずれか一項に記載のCMP研磨液の製造方法により得られる、CMP研磨液。
  16. 請求項15に記載のCMP研磨液を用いて、基体に形成された被研磨膜を研磨する、研磨方法。
  17. 前記被研磨膜が無機絶縁膜である、請求項16に記載の研磨方法。
  18. 前記無機絶縁膜が二酸化ケイ素を含む、請求項17に記載の研磨方法。
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