JP2012054459A - 圧電・焦電素子用多孔質樹脂シート及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い圧電率を有し、圧電性能に優れる圧電・焦電素子用多孔質樹脂シート、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】多孔質樹脂シートに電子線照射処理又はコロナ放電処理を施すことにより気泡内部を帯電させる帯電処理工程を含む圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートの製造方法であって、下記式にて表わされるキャパシタンス指標Xが0.2以上であるカバー層を多孔質樹脂シートの片面又は両面に積層した状態で前記帯電処理工程を行う。キャパシタンス指標X=(カバー層の比誘電率εr)/(カバー層の厚みd[μm])
【選択図】なし
【解決手段】多孔質樹脂シートに電子線照射処理又はコロナ放電処理を施すことにより気泡内部を帯電させる帯電処理工程を含む圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートの製造方法であって、下記式にて表わされるキャパシタンス指標Xが0.2以上であるカバー層を多孔質樹脂シートの片面又は両面に積層した状態で前記帯電処理工程を行う。キャパシタンス指標X=(カバー層の比誘電率εr)/(カバー層の厚みd[μm])
【選択図】なし
Description
本発明は、タッチパネル、超音波診断装置、超音波発生装置、発電装置、探査装置、マイク、音響変成器、計測機器、圧電振動子、機械的フィルター、圧電トランス、遅延装置、及び温度センサーなどに設けられる圧電素子又は焦電素子用の多孔質樹脂シート及びその製造方法に関する。
圧電・焦電素子を作製するための高分子材料としては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、多孔質ポリプロピレン(E−PP)などが用いられており、例えば、PVdFを圧電素子に用いた場合、その圧電定数d33は20pC/N程度を示すことが知られている。これら高分子材料で作製された圧電・焦電素子は、無機材料で作製された圧電・焦電素子にはない可とう性、柔軟性、耐摩耗性を有しているため広く用いられている。
例えば、特許文献1では、ポリフッ化ビニリデン系樹脂(PVdF)からなる結晶性極性高分子シートを延伸する際に分極電圧を印加して、結晶性極性高分子シートを分極処理することにより高分子圧電体フィルムを製造する方法が提案されている。
特許文献2では、ポリフッ化ビニリデン等の熱可塑性樹脂に扁平状あるいは鱗片状充填剤を添加し、フィルムあるいはシートに成形加工した後に、場合によりフィルムあるいはシートを延伸処理を行った後に、直流高電圧を印加することで帯電処理を行って圧電素子材料を製造する方法が提案されている。
また、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)は、無極性のポリマーであるが、ポリマー表面に電荷がトラップされることによって圧電・焦電素子になることが知られている。
しかしながら、PVdF及びFEPからなる圧電・焦電素子は、無機材料からなる圧電・焦電素子に比べて圧電率が低いという問題があった。一方、圧電率を向上させるために、多孔質ポリプロピレン(EMFI:Electro Mechanical FIlm)からなる圧電・焦電素子が開発されている。
例えば、特許文献3では、引張りにより約0.25μmの高さ、80μmの長さ、および50μmの幅の平偏化された気泡を有する多孔構造の発泡ポリプロピレンフィルム層を含む誘電性フィルムが提案されている。
また、特許文献4では、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体からなり、独立気泡を有するシートに電荷をトラップすることにより生成される圧電・焦電素子が提案されている。
多孔質ポリプロピレンフィルムは、多数の空孔が巨大な双極子を構成し、フィルム面に圧力が加わると空孔が容易に圧縮されるため双極子の値が大きく変化するという特性を有している。双極子の値が大きく変化すると、フィルムの両面の電極に誘導される電荷も大きく変化するため、多孔質ポリプロピレンフィルムからなる圧電・焦電素子は、高い圧電率を有している。
従来、これら多孔質フィルムからなる圧電・焦電素子は、多孔質フィルムにコロナ放電等の帯電処理を施して気泡内部に電荷をトラップさせ、その後、帯電した多孔質フィルムの両面に電極を蒸着又は接着することによって製造していた。
例えば、成形加工した多層フィルム又はシートを、回転シリンダーの上を連続的に移動させ、その間約15〜30mm離れた位置に設置した針状電極との間で30kVのDC電圧を2〜5秒加えて帯電させ、帯電させた多層フィルム又はシート表面に電極層として蒸着フィルム又は電極フィルムを導電性接着剤で接着してタッチパネル用シートを製造することが記載されている(特許文献5)。
上記のような多孔質フィルムの帯電方法の場合、多孔質フィルムの材料特性に依存して帯電量とそれに伴う圧電性能が決まるため、帯電量を増加させて圧電性能を向上させるには限界があった。
本発明の目的は、高い圧電率を有し、圧電性能に優れる圧電・焦電素子用多孔質樹脂シート、及びその製造方法を提供することにある。
即ち本発明は、多孔質樹脂シートに電子線照射処理又はコロナ放電処理を施すことにより気泡内部を帯電させる帯電処理工程を含む圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートの製造方法において、下記式にて表わされるキャパシタンス指標Xが0.2以上であるカバー層を多孔質樹脂シートの片面又は両面に積層した状態で前記帯電処理工程を行うことを特徴とする圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートの製造方法、に関する。
キャパシタンス指標X=(カバー層の比誘電率εr)/(カバー層の厚みd[μm])
キャパシタンス指標X=(カバー層の比誘電率εr)/(カバー層の厚みd[μm])
本発明者らは、キャパシタンス指標Xが0.2以上であるカバー層を多孔質樹脂シートの片面又は両面に積層した状態で帯電処理を行うことにより、多孔質樹脂シート単独で帯電処理を行う場合に比べて、帯電量を大幅に増加させることができ、高い圧電率を有する圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートを製造することができることを見出した。
キャパシタンス指標Xが0.2以上であるカバー層は、帯電処理を行ったときに電荷を溜め込む量が多孔質樹脂シートよりも多い。そのため、直列のコンデンサのように、カバー層に接続した多孔質樹脂シート表面にはカバー層とほぼ同量の電荷が誘起されて存在することになり、その電荷量は多孔質樹脂シート単独で帯電処理したときよりも多くなる。多孔質樹脂シートの表面と裏面の間の電圧が上昇することにより、気泡内部で火花放電が発生する確率が上昇し、気泡内部にトラップされる電荷量も増えるため、高い圧電率を有する圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートが得られる。
カバー層の比誘電率εrは、2〜1000000であることが好ましい。比誘電率εrが2未満のカバー層は、通常空孔率が数十%以上の多孔体であり、キャパシタンス指標Xが0.2以上という条件を満たすためには厚みdが10μm未満でなければならないが、空孔率が数十%以上の多孔体で、厚みが10μm未満のものはほとんど存在しない。また、比誘電率εrが100万を超えるカバー層もほとんど存在せず、存在しても非常に高価であるため工業的に使用できない。
また、カバー層の比誘電率εrは、多孔質樹脂シートの比誘電率よりも1以上大きいことが好ましい。多孔質樹脂シートの比誘電率との差が1以上であれば、帯電量をさらに増加させることができ、非常に高い圧電率を有する圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートを製造することができる。
カバー層の形成材料は、高誘電率樹脂、高誘電率セラミックス、又は高誘電率コンポジットであることが好ましい。また、多孔質樹脂シートの形成材料は、ポリマーと無機材料とのコンポジットであることが好ましい。
帯電処理工程後にカバー層は除去することが好ましいが、積層したまま使用することもできる。
さらに、本発明は、前記方法によって製造される圧電・焦電素子用多孔質樹脂シート、に関する。
本発明の製造方法によると、多孔質樹脂シートの材料特性に依存することなく、高い圧電率を有し、圧電性能に優れる圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートを簡易な方法で製造することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明の製造方法に用いられる多孔質樹脂シートは、公知のものを特に制限なく使用可能である。
多孔質樹脂シートの材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロオレフィンコポリマー、ポリエーテルイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、及びテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)などのポリマー、及びこれらポリマーとアルミナ、酸化チタン、マイカなどの無機材料とのコンポジットなどが挙げられる。これらポリマーや無機材料は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらポリマーのうち、ポリオレフィン系ポリマーなどの極性の低いポリマー、ポリテトラフルオロエチレンなどの帯電しやすいフッ素系ポリマーを用いることが好ましい。
多孔質樹脂シートの厚みは用途により異なるが、通常1〜500μmであり、好ましくは10〜150μmであり、より好ましくは30〜150μmである。多孔質樹脂シートの厚みが500μmを超える場合には、カバー層と多孔質樹脂シートとからなる積層体の上下面にかかる電圧密度が低くなり、十分な帯電を行うことが困難になる。一方、厚みが1μm未満の場合には、ハンドリング性が低下するため、積層体の作製や帯電処理が困難になる。
多孔質樹脂シートの両面には、カバー層を積層する前に電極を設けておいてもよく、帯電処理を行った後に電極を設けてもよい。電極の材料は電気を十分に通すものであればよく、公知の材料を特に制限なく使用できる。例えば、カーボンブラックなどの有機導電体、金、銅、及びアルミニウムなどの金属が挙げられる。電極は、例えば、金属を蒸着又はスパッタ等することにより多孔質樹脂シートの表面に形成することができる。
本発明で用いるカバー層は、下記式にて表わされるキャパシタンス指標Xが0.2以上のものであり、好ましくは0.5以上のもの、より好ましくは1以上のものである。また、キャパシタンス指標Xは通常43000以下である。キャパシタンス指標Xが43000を超えるようなカバー層はほとんど存在しない。存在しても、非常に高価であるか、厚みが非常に薄くハンドリング性が悪いため工業的に使用できない。
キャパシタンス指標X=(カバー層の比誘電率εr)/(カバー層の厚みd[μm])
キャパシタンス指標X=(カバー層の比誘電率εr)/(カバー層の厚みd[μm])
カバー層の比誘電率εrは、2〜1000000であることが好ましく、より好ましくは4〜800000、さらに好ましくは10〜500000である。また、カバー層の比誘電率εrは、多孔質樹脂シートの比誘電率よりも1以上大きいことが好ましく、2以上大きいことがより好ましい。
カバー層の厚みdは、2〜23μmであることが好ましく、より好ましくは3〜20である。厚みdが2μm未満の場合には、ハンドリング性が低下するため、積層体の作製や帯電処理が困難になる。一方、厚みdが23μmを超える場合には、多孔質樹脂シートが帯電しにくくなり、多孔質樹脂シートの圧電率が向上しにくくなる。
上記特性を満たすカバー層の形成材料としては、高誘電率樹脂、高誘電率セラミックス、又は高誘電率コンポジットが挙げられる。
高誘電率樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフェニレンスルフィド、フェノール樹脂、ポリエチレンオキサイド、ポリウレタン、ポリスルホン、及び塩化ビニリデンなどの比誘電率が4以上のポリマーが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
高誘電率セラミックスとしては、例えば、チタン酸バリウム、及びチタン酸ジルコン酸鉛などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
高誘電率コンポジットとしては、例えば、前記ポリマーと、アルミナ、酸化チタン、及びマイカなどの無機材料との混合物が挙げられる。これらポリマーや無機材料は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カバー層は、前記多孔質樹脂シートの片面又は両面に積層される。コロナ放電により帯電処理を行う場合には、電荷が降り積もる側である上部針電極側の多孔質樹脂シート表面にカバー層を積層することが必要である。カバー層を積層する方法は特に制限されないが、プレスにより圧着する方法、粘着剤で貼り付ける方法、塗布方法、又は蒸着方法などが挙げられる。
その後、カバー層と多孔質樹脂シートとからなる積層体に電子線照射処理又はコロナ放電処理を施して気泡内部を帯電させることにより圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートを作製する。帯電処理の方法は特に制限されず、従来公知の方法を採用することができる。例えば、アースをつないだ金属板上に積層体を粘着テープで固定し、該積層体の中心部の上空5〜15mm程度の位置に針の先端を設置する。そして、常温、湿度20%の環境下で、5〜15kV程度の直流高電圧を針の先端に印加する。印加時間は通常0.5〜3分程度である。帯電処理後にカバー層を除去してもよい。
本発明の製造方法により得られる圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートは、従来のものに比べて高い圧電率を有し、圧電性能に優れており、圧電素子または焦電素子の材料として好適に用いられる。
以下に実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例によりなんら限定されるものではない。
〔測定及び評価方法〕
(比誘電率の測定)
真空蒸着装置(ULVAC社製、VPC410)を用いて多孔質樹脂シート(3cm×3cm)の片面に12mmφの円形金電極、及び他面に全面金電極を形成してサンプルを得た。比誘電率測定装置(ヒューレットパッカード社製、Precision LCR meter HP4284A)を用いてサンプルの比誘電率を測定した。同様にして、カバー層の比誘電率を測定した。
(比誘電率の測定)
真空蒸着装置(ULVAC社製、VPC410)を用いて多孔質樹脂シート(3cm×3cm)の片面に12mmφの円形金電極、及び他面に全面金電極を形成してサンプルを得た。比誘電率測定装置(ヒューレットパッカード社製、Precision LCR meter HP4284A)を用いてサンプルの比誘電率を測定した。同様にして、カバー層の比誘電率を測定した。
(圧電性能の評価)
圧電性能測定装置を用い、作製した圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートをおもりの下に設置し、室温雰囲気下、湿度20%の条件で、多孔質樹脂シートの厚み方向に一定の交流加速度α(周波数:90−300Hz、大きさ:2−10m/s2)を与え、そのときの応答電荷を測定し、圧電定数d33を求めた。帯電処理直後、帯電処理から24時間後、及び帯電処理から48時間後における圧電定数d33を求めた。
圧電性能測定装置を用い、作製した圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートをおもりの下に設置し、室温雰囲気下、湿度20%の条件で、多孔質樹脂シートの厚み方向に一定の交流加速度α(周波数:90−300Hz、大きさ:2−10m/s2)を与え、そのときの応答電荷を測定し、圧電定数d33を求めた。帯電処理直後、帯電処理から24時間後、及び帯電処理から48時間後における圧電定数d33を求めた。
実施例1
ポリフッ化ビニリデン(PVdF、クレハ製、KFポリマー#1100)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解して20重量%の透明溶液を調製した。100μmのクリアランスを持つアプリケーターを用いて、該透明溶液をPETフィルム(三菱化学ポリエステル製、厚み50μm)上に乾燥後の膜厚が20μmになるように塗布し、その後、90℃の恒温乾燥機内で30分間乾燥してNMPを蒸発除去してカバー層を作製した。
ポリフッ化ビニリデン(PVdF、クレハ製、KFポリマー#1100)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解して20重量%の透明溶液を調製した。100μmのクリアランスを持つアプリケーターを用いて、該透明溶液をPETフィルム(三菱化学ポリエステル製、厚み50μm)上に乾燥後の膜厚が20μmになるように塗布し、その後、90℃の恒温乾燥機内で30分間乾燥してNMPを蒸発除去してカバー層を作製した。
カバー層をPETフィルムから剥離した。真空加熱プレス機(井元製作所製、IMC−11FD)を用いて40℃、6MPa、1minの条件で、カバー層を架橋ポリエチレン発泡体(積水化学製、ボラーラ(超薄物100μm))の片面に圧着させて積層体を得た。積層体を3cm×3cmの大きさに切断し、カバー層を設けていない面側に2.5cm×2.5cmのアルミ電極(三菱アルミ製、FOIL、厚み11μm)を設けた。その後、アースにつないだ金属板上に前記積層体を粘着テープで固定した。室温および湿度20%の環境下で、積層体上8mmの位置に設置した針の先端に、直流高電圧(−7kV)を1分間印加してカバー層側から帯電処理を行い、積層体の気泡内部を帯電させた。その後、カバー層を積層体から剥離除去し、剥離面に2.5cm×2.5cmのアルミ電極(三菱アルミ製、FOIL、厚み11μm)を設けて圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートを作製した。
実施例2
ポリスルホン(PSF、バスク製)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解して20重量%の透明溶液を調製した。100μmのクリアランスを持つアプリケーターを用いて、該透明溶液をPETフィルム(三菱化学ポリエステル製、厚み50μm)上に乾燥後の膜厚が20μmになるように塗布し、その後、90℃の恒温乾燥機内で30分間乾燥してNMPを蒸発除去してカバー層を作製した。その後、実施例1と同様の方法で圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートを作製した。
ポリスルホン(PSF、バスク製)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解して20重量%の透明溶液を調製した。100μmのクリアランスを持つアプリケーターを用いて、該透明溶液をPETフィルム(三菱化学ポリエステル製、厚み50μm)上に乾燥後の膜厚が20μmになるように塗布し、その後、90℃の恒温乾燥機内で30分間乾燥してNMPを蒸発除去してカバー層を作製した。その後、実施例1と同様の方法で圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートを作製した。
実施例3
カバー層としてポリフェニレンスルフィド(PPS、東レ製、1×00、厚み3μm)を用いた以外は実施例1と同様の方法で圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートを作製した。
カバー層としてポリフェニレンスルフィド(PPS、東レ製、1×00、厚み3μm)を用いた以外は実施例1と同様の方法で圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートを作製した。
実施例4
カバー層としてポリフェニレンスルフィド(PPS、東レ製、1×00、厚み12μm)を用いた以外は実施例1と同様の方法で圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートを作製した。
カバー層としてポリフェニレンスルフィド(PPS、東レ製、1×00、厚み12μm)を用いた以外は実施例1と同様の方法で圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートを作製した。
実施例5
ポリフッ化ビニリデン(PVdF、クレハ製、KFポリマー#1100)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解して20重量%の透明溶液を調製した。25μmのクリアランスを持つアプリケーターを用いて、該透明溶液をPETフィルム(三菱化学ポリエステル製、厚み50μm)上に乾燥後の膜厚が5μmになるように塗布し、その後、90℃の恒温乾燥機内で30分間乾燥してNMPを蒸発除去してカバー層を作製した。その後、実施例1と同様の方法で圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートを作製した。
ポリフッ化ビニリデン(PVdF、クレハ製、KFポリマー#1100)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解して20重量%の透明溶液を調製した。25μmのクリアランスを持つアプリケーターを用いて、該透明溶液をPETフィルム(三菱化学ポリエステル製、厚み50μm)上に乾燥後の膜厚が5μmになるように塗布し、その後、90℃の恒温乾燥機内で30分間乾燥してNMPを蒸発除去してカバー層を作製した。その後、実施例1と同様の方法で圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートを作製した。
実施例6
ポリフッ化ビニリデン(PVdF、クレハ製、KFポリマー#1100)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解して20重量%の透明溶液を調製した。60μmのクリアランスを持つアプリケーターを用いて、該透明溶液をPETフィルム(三菱化学ポリエステル製、厚み50μm)上に乾燥後の膜厚が12μmになるように塗布し、その後、90℃の恒温乾燥機内で30分間乾燥してNMPを蒸発除去してカバー層を作製した。その後、実施例1と同様の方法で圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートを作製した。
ポリフッ化ビニリデン(PVdF、クレハ製、KFポリマー#1100)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解して20重量%の透明溶液を調製した。60μmのクリアランスを持つアプリケーターを用いて、該透明溶液をPETフィルム(三菱化学ポリエステル製、厚み50μm)上に乾燥後の膜厚が12μmになるように塗布し、その後、90℃の恒温乾燥機内で30分間乾燥してNMPを蒸発除去してカバー層を作製した。その後、実施例1と同様の方法で圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートを作製した。
実施例7
カバー層としてポリフェニレンスルフィド(PPS、東レ製、1×00、厚み3μm)を用いた。真空加熱プレス機(井元製作所製、IMC−11FD)を用いて40℃、6MPa、1minの条件で、カバー層をポリプロピレン発泡体(日東電工製、SCF、厚み200μm)の片面に圧着させて積層体を得た。その後、実施例1と同様の方法で圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートを作製した。
カバー層としてポリフェニレンスルフィド(PPS、東レ製、1×00、厚み3μm)を用いた。真空加熱プレス機(井元製作所製、IMC−11FD)を用いて40℃、6MPa、1minの条件で、カバー層をポリプロピレン発泡体(日東電工製、SCF、厚み200μm)の片面に圧着させて積層体を得た。その後、実施例1と同様の方法で圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートを作製した。
比較例1
真空加熱プレス機(井元製作所製、IMC−11FD)を用いて40℃、6MPa、1minの条件で、ポリエチレン(PE、三共ポリエチレン製、厚み18.5μm)を架橋ポリエチレン発泡体(積水化学製、ボラーラ(超薄物100μm))の片面に圧着させて積層体を得た。その後、実施例1と同様の方法で圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートを作製した。
真空加熱プレス機(井元製作所製、IMC−11FD)を用いて40℃、6MPa、1minの条件で、ポリエチレン(PE、三共ポリエチレン製、厚み18.5μm)を架橋ポリエチレン発泡体(積水化学製、ボラーラ(超薄物100μm))の片面に圧着させて積層体を得た。その後、実施例1と同様の方法で圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートを作製した。
比較例2
真空加熱プレス機(井元製作所製、IMC−11FD)を用いて40℃、6MPa、1minの条件で、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP、デュポン製、100A、厚み25μm)を架橋ポリエチレン発泡体(積水化学製、ボラーラ(超薄物100μm))の片面に圧着させて積層体を得た。その後、実施例1と同様の方法で圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートを作製した。
真空加熱プレス機(井元製作所製、IMC−11FD)を用いて40℃、6MPa、1minの条件で、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP、デュポン製、100A、厚み25μm)を架橋ポリエチレン発泡体(積水化学製、ボラーラ(超薄物100μm))の片面に圧着させて積層体を得た。その後、実施例1と同様の方法で圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートを作製した。
比較例3
カバー層としてポリフェニレンスルフィド(PPS、東レ製、1×00、厚み25μm)を用いた以外は実施例1と同様の方法で圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートを作製した。
カバー層としてポリフェニレンスルフィド(PPS、東レ製、1×00、厚み25μm)を用いた以外は実施例1と同様の方法で圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートを作製した。
比較例4
カバー層としてポリフェニレンスルフィド(PPS、東レ製、1×00、厚み25μm)を用いた。真空加熱プレス機(井元製作所製、IMC−11FD)を用いて40℃、6MPa、1minの条件で、カバー層をポリプロピレン発泡体(日東電工製、SCF、厚み200μm)の片面に圧着させて積層体を得た。その後、実施例1と同様の方法で圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートを作製した。
カバー層としてポリフェニレンスルフィド(PPS、東レ製、1×00、厚み25μm)を用いた。真空加熱プレス機(井元製作所製、IMC−11FD)を用いて40℃、6MPa、1minの条件で、カバー層をポリプロピレン発泡体(日東電工製、SCF、厚み200μm)の片面に圧着させて積層体を得た。その後、実施例1と同様の方法で圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートを作製した。
比較例5
カバー層を架橋ポリエチレン発泡体(積水化学製、ボラーラ(超薄物100μm))の片面に積層しなかった以外は実施例1と同様の方法で圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートを作製した。
カバー層を架橋ポリエチレン発泡体(積水化学製、ボラーラ(超薄物100μm))の片面に積層しなかった以外は実施例1と同様の方法で圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートを作製した。
比較例6
カバー層をポリプロピレン発泡体(日東電工製、SCF、厚み200μm)の片面に積層しなかった以外は実施例7と同様の方法で圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートを作製した。
カバー層をポリプロピレン発泡体(日東電工製、SCF、厚み200μm)の片面に積層しなかった以外は実施例7と同様の方法で圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートを作製した。
本発明の圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートは、可とう性を有する圧電素子または焦電素子の材料として利用可能である。このような圧電素子または焦電素子を備えた機器としては、例えば、計算機、コンピュータ、及び携帯電話などの電子機器が挙げられる。さらに、制御機器を狭小部に搭載する必要のある自動車及び飛行機等の機械の制御回路にも利用可能である。
Claims (7)
- 多孔質樹脂シートに電子線照射処理又はコロナ放電処理を施すことにより気泡内部を帯電させる帯電処理工程を含む圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートの製造方法において、下記式にて表わされるキャパシタンス指標Xが0.2以上であるカバー層を多孔質樹脂シートの片面又は両面に積層した状態で前記帯電処理工程を行うことを特徴とする圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートの製造方法。
キャパシタンス指標X=(カバー層の比誘電率εr)/(カバー層の厚みd[μm]) - カバー層の比誘電率εrが、2〜1000000である請求項1記載の圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートの製造方法。
- カバー層の比誘電率εrは、多孔質樹脂シートの比誘電率よりも1以上大きい請求項1又は2記載の圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートの製造方法。
- カバー層の形成材料が、高誘電率樹脂、高誘電率セラミックス、又は高誘電率コンポジットである請求項1〜3のいずれかに記載の圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートの製造方法。
- 多孔質樹脂シートの形成材料が、ポリマーと無機材料とのコンポジットである請求項1〜4のいずれかに記載の圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートの製造方法。
- 帯電処理工程後にカバー層を除去する工程を含む請求項1〜5のいずれかに記載の圧電・焦電素子用多孔質樹脂シートの製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の方法によって製造される圧電・焦電素子用多孔質樹脂シート。
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