JP2012053830A - 故障診断装置 - Google Patents

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Koki Yamamoto
公樹 山本
Kazuo Ohashi
一夫 大橋
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Abstract

【課題】故障データを優先順に並べ、故障発生要因を迅速に究明する。
【解決手段】運転データの基準モデルとして予め記憶する運転基準ファイル10と、システムの運転データを収集する運転手段2と、収集された運転データと前記基準モデルとを比較して異常を検出する故障発生検出手段3と、検出された故障データを予め設定された優先順位の基準を参照して優先順に並べ直す故障ソートテーブル作成手段4と、当該故障データの優先順位順に対応する故障発生要因を故障発生要因ファイル13から抽出する発生要因テーブル作成手段5と、当該故障発生要因について、運転手段2により収集された運転データにより挙動を確認する発生要因データ挙動確認手段6と、挙動の大きい順に故障発生要因を並べ直す発生要因ソートテーブル作成手段7と、並べ直した故障発生要因を表示する発生要因表示手段8とを備えている。
【選択図】図1

Description

この発明は故障診断装置に関し、特に、制御装置によって制御されているシステム(機器を含む)の故障を診断するための故障診断装置に関するものである。
従来の制御装置の故障診断装置は、デジタルの出力信号の状態、その遷移の順序および遷移時間を異常判定用基準データと比較し、出力信号における異常を検知していた(例えば、特許文献1参照)。この異常判定用基準データは、シーケンス制御のように、一義的に入力と出力の対比が確定する動作を対象としていた。
特開平6−314117号公報
従来の制御装置の故障診断装置は、デジタル入出力信号の対比によるものであり、シリンダーへの出力信号とその動作のフィードバックであるリミットスイッチの入力信号との組合せや、コンベヤの駆動出力信号と近接スイッチ等の位置検出信号との組合せ等により、制御装置によって制御されるシステムの診断を行っていた。フィードバック制御等の動的な制御系では、デジタル信号の入出力のみならず、数値データの制御があるため、一義的な入出力の定義が難しかった。そのため、各部の数値データを収集し、ログファイルとして保存し、故障発生状況を人が判断するための支援に使われる程度であった。たとえば、従来の故障診断装置では、故障が発生した場合、関係するログファイルを見て運転状況に対して外れたデータを探しだして、その故障に対する要因か否かを検討して、故障を想定して復旧操作をしていた。しかし、故障発生時に発生した故障の二次的な要因にて複数個の故障が発生することがあり、その場合、どの故障が一次要因かの判断がつかず、二次的要因で発生した不具合に着目してしまう場合があった。そのため、本来の要因とは違った箇所の調査を行ってしまい、原因究明に時間を要する場合があるなどの問題点があった。
この発明はかかる問題点を解決するためになされたものであり、動的な制御系のシステムの運転データの正常性を判断するとともに、二次的な要因で複数個の故障が発生した場合でも発生した複数の故障内容により、故障要因の優先順位を付けて、優先順位の高い順番に並び替えることにより、装置の故障原因を迅速に究明して、装置の早期復旧を図ることを可能にする故障診断装置を得ることを目的とする。
この発明は、制御装置によって制御されるシステムの故障診断装置であって、前記システムの正常時の運転データを運転状況のパターンに基づきパターン化して、基準モデルとして予め記憶する運転基準ファイル記憶手段と、前記システムの運転中に、前記システムの運転データを収集し、運転データログファイルに記憶する運転データ収集手段と、前記運転データ収集手段により収集された前記運転データの運転状況のパターンに応じて、前記運転基準ファイル記憶手段の中から該当するパターンの基準モデルを選択し、選択した基準モデルと前記システムの運転データとを比較し、それらの偏差が所定の閾値よりも大きくなったときに異常と判定する故障発生検出手段と、前記故障発生検出手段により異常と判定された運転データを故障データとして、予め設定された優先順位の基準を参照して、前記故障データを優先順に並べ直す故障ソート手段と、各故障の種別ごとにその故障発生要因を記憶する故障発生要因ファイル記憶手段と、前記故障ソート手段によって優先順に並べ直された前記故障データの優先順位順に、当該故障データに対応する故障発生要因を前記故障発生要因ファイル記憶手段から抽出する発生要因抽出手段と、前記発生要因抽出手段により抽出された前記故障要因を表示する表示手段とを備えたことを特徴とする故障診断装置である。
この発明は、制御装置によって制御されるシステムの故障診断装置であって、前記システムの正常時の運転データを運転状況のパターンに基づきパターン化して、基準モデルとして予め記憶する運転基準ファイル記憶手段と、前記システムの運転中に、前記システムの運転データを収集し、運転データログファイルに記憶する運転データ収集手段と、前記運転データ収集手段により収集された前記運転データの運転状況のパターンに応じて、前記運転基準ファイル記憶手段の中から該当するパターンの基準モデルを選択し、選択した基準モデルと前記システムの運転データとを比較し、それらの偏差が所定の閾値よりも大きくなったときに異常と判定する故障発生検出手段と、前記故障発生検出手段により異常と判定された運転データを故障データとして、予め設定された優先順位の基準を参照して、前記故障データを優先順に並べ直す故障ソート手段と、各故障の種別ごとにその故障発生要因を記憶する故障発生要因ファイル記憶手段と、前記故障ソート手段によって優先順に並べ直された前記故障データの優先順位順に、当該故障データに対応する故障発生要因を前記故障発生要因ファイル記憶手段から抽出する発生要因抽出手段と、前記発生要因抽出手段により抽出された前記故障要因を表示する表示手段とを備えたことを特徴とする故障診断装置であるので、動的な制御系のシステムの運転データの正常性を判断するとともに、二次的な要因で複数個の故障が発生した場合でも発生した複数の故障内容により、故障要因の優先順位を付けて、優先順位の高い順番に並び替えることにより、装置の故障原因を迅速に究明して、装置の早期復旧を図ることできる。
この発明の実施の形態1に係る故障診断装置の構成を示したブロック図である。 この発明の実施の形態2に係る故障診断装置の構成を示したブロック図である。 この発明の実施の形態3に係る故障診断装置の構成を示したブロック図である。 この発明の実施の形態4に係る故障診断装置の構成を示したブロック図である。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1に係る故障診断装置について、図1に基づいて説明する。本実施の形態に係る故障診断装置1は、制御装置よって制御されるシステムに発生する故障の診断を行うためのものである。制御装置が制御するシステムの例としては、主に、プログラムに従って動作する制御装置によって制御されるシステム(機器を含む)が挙げられ、特に、プログラマブル・ロジック・コントローラ(以下、単にPLCという)によって制御されるシステム(機器を含む)などが挙げられる。その場合、本実施の形態に係る故障診断装置1は、PLCに内蔵される。
本実施の形態1に係る故障診断装置1は、図1に示すように、故障診断の対象となるシステム(以下、対象システムという)を制御する制御装置の運転を行うとともに、対象システムの運転ログデータを収集する運転手段2と、対象システムの故障発生時に運転ログデータから当該故障の検出を行う故障発生検出手段3と、予め用意された故障優先順位設定ファイル12に従い、優先順位順に、検出された故障データのソートを行って、故障ソートテーブルを作成する故障ソートテーブル作成手段4と、故障ソートテーブルと予め用意された故障発生要因ファイル13とにより発生要因テーブルを作成する発生要因テーブル作成手段5と、発生要因の挙動の確認を行う発生要因データ挙動確認手段6と、発生要因の挙動確認結果により、発生要因のソートを行う発生要因ソートテーブル作成手段7と、発生要因ソートテーブル順に発生要因の表示を行う発生要因表示手段8と、対象システムの運転データを蓄積する運転データログファイル9と、対象システムの正常時の運転データを複数の運転パターン別に時間区分した基準モデルとして蓄積する運転基準ファイル10と、故障発生時の故障ログを蓄積する故障ログファイル11と、故障の優先順位を設定した故障優先順設定ファイル12と、故障内容毎に想定される故障発生要因を設定した故障発生要因ファイル13とから構成されている。なお、各々の手段2〜7はプログラムで実現されることも含む。手段8は、ディスプレイ等の表示装置か、あるいは、プリンタ等の印刷装置などで実現される。また、各ファイル9〜13は、ハードディスクやメモリなどの記憶装置で実現される。
次に動作について説明する。
故障診断装置1は、前もって、故障診断の対象となる対象システムの正常時の運転データを収集し、運転状況のパターン(運転パターン)ごとにそれを一定時間に区切った個別の基準モデルとして、運転基準ファイル10に記憶する。この運転基準ファイル10は、正常時の運転データを、例えば、例えば、定常運転時(たとえば定格回転数での運転中)、中負荷運転時(たとえば1/2のトルクでの運転中)、軽負荷運転時(たとえばアイドリング運転中)、各状態からの加速開始時、加速中、加速完了時、減速開始時、減速中、減速完了時、等の多種類の一定時間の運転パターンに区分けし、その運転パターンでの正常な運転データを基準モデルとして記憶している。
対象システムの運転中は、対象システムの運転状態が、運転手段2にて、一定収集間隔で、常に計測され、計測により得られたそれらの運転データは、運転データログファイル9に収集され、運転基準ファイル10に記憶されている基準モデルとの比較の対象とされる。なお、運転データログファイル9には、対象システムの逐次の運転状態を示す運転ログ(履歴データ(時刻や、運転モード、トルク、電流値、電圧値、偏差量等)や警告データなど)が含まれる。
次に、故障発生検出手段3が、対象システムの現在の運転状況に応じて、運転基準ファイル10で規定される複数の運転パターンの中から該当する運転パターンを1つ選択し、その運転パターンに対応する基準モデルを運転基準ファイル10から読み出す。故障診断の対象となる要素は複数あるが、通常、対象システムの回転速度を監視すれば運転状態が把握できる。したがって、故障発生検出手段3は、基準となる回転速度データの運転基準モデルと計測した回転速度の運転データとを比較するために、まず、時間軸方向の相関をとって、時間軸をずらして(移動(増減))、互いの時間軸を合わせる。そうして、当該時間軸を元に、運転データログファイル9のその時刻における対象システムの運転データ(たとえば、トルク、電流値、電圧値、偏差量等)と、運転基準ファイル10の運転基準モデルとを比較し、それらの値の偏差が所定の閾値よりも大きくなったときに、故障(異常)と判定する。
このようにして故障発生検出手段3にて故障検出を行っていくが、複数個の故障が発生した場合のために、故障ログファイル11にすべての故障ログファイルを収集しておく。すなわち、故障ログファイル11に収集されるデータは、故障発生検出手段3にて故障と判定された時点の運転データログファイルである。
故障ソートテーブル作成手段4は、故障ログファイル11に複数個の故障ログファイルが収集された場合、すなわち、複数個の故障が発生した場合に、予め故障の優先順位(または優先順位の基準)が故障の種別ごとに設定されている故障優先順設定ファイル12を参照して、故障の優先順に故障ログファイルを並び直し、故障ソートテーブルとして出力する。故障優先順設定ファイル12に予め設定する故障の優先順位の付け方としては、例えば、故障の深刻度(重大度)順にしてもよく、または、故障の発生頻度順や、発生確率の高い順にしてもよく、あるいは、他の基準により設定してもよいこととする。
次に、発生要因テーブル作成手段5は、故障ソートテーブルとして優先順に並び直された各故障ログファイルについて、当該優先順位順に、それらの故障内容に対応する故障要因を故障発生要因ファイル13から読み出し、発生要因テーブルを作成する。発生要因テーブルでは、同時に発生した別々の故障でも同一の要因の場合は、1個の要因にまとめる。ただし、優先順位は一番高い優先順位を継承する。なお、故障発生要因ファイル13には、故障の種別毎に、想定できる故障発生要因が記憶されている。なお、記憶される故障発生要因は1つでもよく、あるいは、複数でもよい。また、複数記憶する場合には、可能性の高い順に記憶することが望ましい。
次に、発生要因データ挙動確認手段6が、そうしてできた発生要因テーブルの一番高い優先順位の故障発生要因の項目の挙動を、運転時にロギングした運転データログファイル9の運転データにて確認する。
次に、発生要因ソートテーブル作成手段7が、発生要因データ挙動確認手段6による確認結果に基づいて、挙動が大きく変化した故障発生要因の項目を抽出して、すなわち、挙動の変化量が所定の閾値を超えていた故障発生要因の項目を抽出して、挙動の変化の大きい順に、当該故障要因の項目を並べ直して、発生要因ソートテーブルを作成する。
次に、こうして発生要因ソートテーブル作成手段7により作成された発生要因ソートテーブルを発生要因表示手段8にて表示する。こうすることにより、ユーザは、故障発生要因を把握でき、効率よく故障復旧を行うことができる。
以上のように、本実施の形態によれば、対象システムの正常運転状態をあらかじめパターン化して基準モデルとして運転基準ファイル10に記憶しておき、制御装置による対象システムの運転中に現状の運転状態に応じて基準モデルを選択し、選択した基準モデルと運転データ(実データ)とを比較し、偏差が過大となったときに異常(故障)と判断する故障発生検出手段3と、異常(故障)として収集した運転データを故障の優先順に並び直す故障ソートテーブル作成手段4と、当該運転データにつき、当該優先順に、故障要因を故障発生要因ファイル13から読み出して、発生要因テーブルを作成する発生要因テーブル作成手段5と、その中で一番高い優先順位の要因項目の挙動を運転データログファイル9にて確認する発生要因データ挙動確認手段6と、当該確認の結果に基づき、挙動が大きく変化した項目を抽出して、挙動の変化が大きい順に並べ直した発生要因ソートテーブルを作成する発生要因ソートテーブル作成手段7と、発生要因ソートテーブルを表示する表示手段8とを備えるようにしたので、優先順位の高い故障要因の抽出を行うことができ、さらに、それらを優先順位順に並び替えるようしたので、最も確率の高い故障要因から調査を行うことができ、早期の故障復旧を行うことができるという効果が得られる。
また、本実施の形態によれば、対象システムの運転状況を一定時間に区切った個別の基準モデルに区分けして記憶して、当該基準モデルと運転ログとを比較する故障発生検出手段3を設けるようにしたので、任意の運転状況でも、故障状態を精密に診断できる。
また、複数個の故障が発生した場合、故障ソートテーブル作成手段4が故障データを故障の優先順に並び直し、発生要因テーブル作成手段5が当該優先順に故障発生要因ファイル13から故障要因を読み出して発生要因テーブルを作成するようにし、発生した故障の組み合わせにより、発生要因を優先順位付けするように構成したので、優先順位の高い故障要因の抽出を行うことができる。
さらに、発生要因ソートテーブル作成手段7により、優先順位順に並び替えるようしたので、最も確率の高い故障要因から調査を行うことができ、早期の故障復旧を行うことができる。
実施の形態2.
以下、この発明の実施の形態2に係る故障診断装置について、図2に基づいて説明する。本実施の形態における構成は、対象システムの運転条件を変更した場合(たとえば、回転速度や加減速時間の変更等)でも診断できるように、上述の実施の形態1の構成に対して、さらに、正規化手段14、運転データ比較手段15、相違点警報表示手段16、運転正規化ログファイル17、過去の運転ログファイル18、および、相違点抽出ファイル19を追加した構成となっている。なお、各々の手段14〜15はプログラムで実現されることも含む。手段16は、ディスプレイ等の表示装置か、あるいは、プリンタ等の印刷装置などで実現されか、あるいは、プログラムで実現することも含む。また、各ファイル17〜19は、ハードディスクやメモリなどの記憶装置で実現される。他の構成については、上記の実施の形態1と同様であるため、ここでは、その説明を省略する。
上記の実施の形態1では、事前に登録した正常運転時と同様の運転パターンで運転を行う時しか診断できない。例えば回転速度や加減速時間などが変更された、異なる運転パターンでの運転を行う場合、その運転パターンに合わせた基準モデルの登録が必要となる。しかし、実際の運転では、回転速度を変更したり、加減速時間を変更する場合が多々あり、診断のための基準モデルと判定値の数量が膨大になったり、あるいは、診断可能な運転パターンが限定されることがある。
そのため、本実施の形態では、対象システムが事前に登録された正常運転時の運転パターンとは異なる運転パターンで運転されていて、正常運転時の基準モデルが運転基準ファイル10内に無かった場合には、以下の動作を行う。
まず、故障診断装置1は、対象システムが、運転基準ファイル10内に登録されている運転パターンとは異なる運転パターン(例えば、回転速度や加減速時間が変更された運転パターン)で運転されていると判定した場合、対象システムの正常時の運転データを、当該運転パターンにおける正常時の過去の運転データとして過去の運転ログファイル18に複写し記憶する。この過去の運転ログファイル18には、定常運転(たとえば定格回転数での運転中)、中負荷運転(たとえば1/2のトルクでの運転中)、軽負荷運転(たとえばアイドリング運転中)、各状態からの加速開始時、加速中、加速完了時、減速開始時、減速中、減速完了時、等の多種類の一定時間のパターンに区分けし、そのパターンでの正常な運転データを、正常時の過去の運転データとして複写し記憶する。
次に、実施の形態1と同様に、運転手段2にて、対象システムの運転状態を常に計測し、計測により得られたそれらの運転データを、運転データログファイル9に収集する。次に、本実施の形態においては、こうして運転手段2にて収集した運転データログファイル9を、正規化手段14にて正規化する。当該正規化は、当然ながら、運転データの各項目(例えば、トルク、電流値、電圧値、偏差量等)ごとに行うこととし、演算方法としては、例えば、伸縮・加減・乗除などの演算を行うことにより正規化する。正規化を行った後の正規化運転データログファイルは、運転正規化ログファイル17に格納される。運転データ比較手段15は、運転正規化ログファイル17を、過去の運転ログファイル18に記憶されている正常時の過去の運転データと比較し、相違点を抽出して、相違点抽出ファイル19を生成する。その相違点抽出ファイル19の表示を相違点警報表示手段16にて行い、ユーザに対して不具合を事前に表示する。このときに、相違点の種別または相違の度合い等により、予め用意した警告メッセージを同時に表示したり、あるいは、警報音を鳴らすようにしてもよい。こうすることにより、運転基準ファイル10内に基準モデルを持たない異なる運転パターンでも故障診断が可能になるとともに、判定値の管理点数も少なくなる。
なお、本実施の形態においても、対象システムが、運転基準ファイル10に事前に登録された運転パターンで運転をされていて、基準モデルが運転基準ファイル10内にある場合には、上記の実施の形態1と同じ動作を行う。
以上のように、本実施の形態においては、上記の実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さらに、本実施の形態においては、対象システムが、運転基準ファイル10に事前に登録された運転パターン以外の異なる運転パターンで運転をされていて、基準モデルが運転基準ファイル10内に無い場合にも、正常時の過去の運転データと比較できるように、収集した運転データを伸縮・加減・乗除して正規化する正規化手段14と、過去に収集した正常時の運転データと正規化した運転データとを比較する運転データ比較手段15と、その相違点を検出して不良箇所の推測を行う相違点警報表示手段16とを備えるようにしたので、運転基準ファイル10内に基準モデルを持たない異なる運転パターンでも故障診断が可能になるとともに、判定値の管理点数も少なくなるという効果が得られる。
実施の形態3.
以下、この発明の実施の形態3に係る故障診断装置について、図3に基づいて説明する。図3に示すように、本実施の形態の構成は、上記の実施の形態2の構成における相違点警報表示手段16の代わりに、運転ログ収集内容変更手段16Aが設けられているものである。他の構成については、実施の形態1または実施の形態2と同じであるため、ここでは、その説明を省略する。
運転ログ収集内容変更手段16Aは、相違点抽出ファイル19の内容に基づいて、運転ログの収集内容を厳選するための手段である。なお、運転ログ収集内容変更機構16Aは、プログラムで実現することも含む。
上記の実施の形態1では、故障発生後に発生要因テーブルの一番高い優先順の要因項目の挙動の確認を行うが、徐々に挙動が変化して故障となった場合には、前後の挙動では判断できない。そのため、本実施の形態においては、まず、上記の実施の形態2と同様に、運転手段2で常に収集した運転データログファイル9を、正規化手段14にて正規化する。次に、運転データ比較手段15にて、正規化を行った後の運転正規化ログファイル17と過去の運転ログファイル18の正常時の過去の運転データとの比較を行い、相違点抽出ファイル19を生成する。ここまでの動作は実施の形態2と同じである。次に、本実施の形態においては、運転ログ収集内容変更手段16Aが、相違点抽出ファイル19の内容に基づいて、運転手段2によるその後の運転ログの収集の項目を厳選するように変更する。具体的には、運転ログ収集内容変更手段16Aが、相違点抽出ファイル19の相違点を確認し、各項目について、その相違の度合いに基づいて(その差異の値が閾値を超えるか否かで)、正常か異常かを判定する。運転ログ収集内容変更手段16Aが、相違点抽出ファイル19の内容に基づいて、運転データのうちのある項目の値が異常と判定した場合には、運転ログ収集内容変更手段16Aは、運転データログファイル9から正常時の運転データを削除するとともに、異常と判定した項目に関連した項目の運転ログのデータだけを残し、さらに、運転手段2によるその後の運転ログの収集につき、異常と判定した項目に関連した項目の運転ログの収集だけを行うように、運転手段2に指令を送る。これにより、運転データログファイル9に収集される項目が厳選されることにより、同じ収集容量でも、長い期間のデータの収集が可能となり、その中から、収集開始時と故障発生時の挙動の変化の大きい項目を抽出することにより、徐々に挙動が変化して発生した異常の抽出も可能となる。一方、運転ログ収集内容変更手段16Aは、相違点抽出ファイル19の内容に基づいて正常運転時の運転データと判定した場合には、何もせずに、そのまま処理を終える。これにより、運転手段2は、現在収集している項目と同じ項目で運転ログの収集を続ける。
なお、本実施の形態においても、対象システムが、運転基準ファイル10に事前に登録された運転パターンで運転をされていて、基準モデルが運転基準ファイル10内にある場合には、上記の実施の形態1と同じ動作を行う。
以上のように、本実施の形態においては、上記の実施の形態1および2と同様の効果が得られるとともに、さらに、本実施の形態においては、相違点抽出ファイル19の内容に基づいて、運転データログファイル9から正常時のデータと判定されるデータは廃棄し、異常と判定した時に、その異常に関連する運転データの項目のみを保存するように切り替える運転ログ収集内容変更手段16Aを備えるようにしたので、同じ収集容量でも、長い期間の運転データの収集が可能となり、その中から、収集開始時と故障発生時の挙動の変化の大きい項目を抽出することにより、徐々に挙動が変化して発生した異常の抽出も可能となるという効果が得られる。
実施の形態4.
以下、この発明の実施の形態4に係る故障診断装置について、図4に基づいて説明する。図4に示すように、本実施の形態の構成は、上記の実施の形態3の構成において、運転ログ収集内容変更手段16Aの代わりに、運転ログ収集間隔変更手段16Bが設けられているものである。他の構成については、実施の形態1ないし3と同じであるため、ここでは、その説明を省略する。
運転ログ収集間隔変更手段16Bは、相違点抽出ファイル19より運転ログの収集間隔を短くするための手段である。本実施の形態においては、正常時に運転状態を示す運転データを一定期間ごとに収集して運転データログファイル9に記憶させ、当該運転データについて運転データ比較手段15にて異常と判断した場合に、運転データの収集間隔を、運転ログ収集間隔変更手段16Bにより、自動的に短い間隔に変更する。なお、運転ログ収集間隔変更手段16Bは、プログラムで実現することも含む。
上記の実施の形態1では、故障発生後に発生要因テーブルの一番高い優先順の要因項目の挙動の確認を行うが、短い時間で挙動が変化して故障となった場合には、挙動の変化を捉えることができない場合がある。そのため、本実施の形態においては、まず、上記の実施の形態2と同様に、運転手段2で常に収集した運転データログファイル9を、まず、正規化手段14にて正規化する。次に、運転データ比較手段15にて、正規化を行った後の運転正規化ログファイル17と過去の運転ログファイル18の正常時の過去の運転データとの比較を行い、相違点抽出ファイル19を生成する。ここまでの動作は実施の形態2と同じである。次に、本実施の形態においては、相違点抽出ファイル19の内容により、運転ログ収集間隔変更手段16Bが異常と判定した場合には、運転ログ収集間隔変更手段16Bが運転手段2に指令を送り、その後の運転ログの収集間隔を短い間隔に変更させる。具体的には、運転ログ収集間隔変更手段16Bが、相違点抽出ファイル19の相違点を確認し、その相違の度合いに基づいて(その差異の値が閾値を超えるか否かで)、正常運転か異常かを判定する。運転ログ収集間隔変更手段16Bが相違点抽出ファイル19の内容に基づいて運転データの値が異常と判定した場合には、運転ログ収集間隔変更手段16Bは、運転手段2によるその後の運転ログの収集につき、その後の運転ログの収集間隔を短い間隔に変更するように運転手段2に指令を送る。これにより、運転手段2による運転ログの収集間隔が短い間隔に変更されることにより、短時間に発生する挙動の変化の収集が可能となる。一方、運転ログ収集間隔変更手段16Bが、相違点抽出ファイル19の内容に基づいて正常運転時の運転データと判定した場合には、何もせずに、そのまま処理を終える。これにより、運転手段2は、現在運転ログを収集している収集間隔と同じ収集間隔で運転ログの収集を続ける。
なお、本実施の形態においても、対象システムが、運転基準ファイル10に事前に登録された運転パターンで運転をされていて、基準モデルが運転基準ファイル10内にある場合には、上記の実施の形態1と同じ動作を行う。
以上のように、本実施の形態においては、上記の実施の形態1および2と同様の効果が得られるとともに、さらに、本実施の形態においては、相違点抽出ファイル19の内容に基づいて、運転データの値が異常と判定した時に、そのごの運転ログの収集間隔を短縮するように運転手段2を切り替える運転ログ収集間隔変更手段16Bを備えるようにしたので、運転手段2による運転ログの収集間隔が短い間隔に変更されることにより、短時間に発生する挙動の変化の収集が可能となり、短い時間で挙動が変化して故障となった場合にも、挙動の変化を捉えることができるという効果が得られる。
1 故障診断装置、2 運転手段、3 故障発生検出手段、4 故障ソートテーブル作成手段、5 発生要因テーブル作成手段、6 発生要因データ挙動確認手段、7 発生要因ソートテーブル作成手段、8 発生要因表示手段、9 運転データログファイル、10 運転基準ファイル、11 故障ログファイル、12 故障優先順位設定ファイル、13 故障発生要因ファイル、14 正規化手段、15 運転データ比較手段、16 相違点警報表示手段、16A 運転ログ収集内容変更手段、16B 運転ログ収集間隔変更手段、17 運転正規化ログファイル、18 過去の運転ログファイル、19 相違点抽出ファイル。

Claims (4)

  1. 制御装置によって制御されるシステムの故障診断装置であって、
    前記システムの正常時の運転データを運転状況のパターンに基づきパターン化して、基準モデルとして予め記憶する運転基準ファイル記憶手段と、
    前記システムの運転中に、前記システムの運転データを収集し、運転データログファイルに記憶する運転データ収集手段と、
    前記運転データ収集手段により収集された前記運転データの運転状況のパターンに応じて、前記運転基準ファイル記憶手段の中から該当するパターンの基準モデルを選択し、選択した基準モデルと前記システムの運転データとを比較し、それらの偏差が所定の閾値よりも大きくなったときに異常と判定する故障発生検出手段と、
    前記故障発生検出手段により異常と判定された運転データを故障データとして、予め設定された優先順位の基準を参照して、前記故障データを優先順に並べ直す故障ソート手段と、
    各故障の種別ごとにその故障発生要因を記憶する故障発生要因ファイル記憶手段と、
    前記故障ソート手段によって優先順に並べ直された前記故障データの優先順位順に、当該故障データに対応する故障発生要因を前記故障発生要因ファイル記憶手段から抽出する発生要因抽出手段と、
    前記発生要因抽出手段により抽出された前記故障要因を表示する表示手段と
    を備えたことを特徴とする故障診断装置。
  2. 前記運転基準ファイル記憶手段に記憶されている前記基準モデルとは異なるパターンで前記システムが運転され、前記運転データ収集手段によって当該パターンにおける運転データが収集されたときに、当該運転データを当該パターンにおける基準モデルとして予め記憶する異パターン基準ファイル記憶手段と、
    前記システムが前記基準モデルとは異なる前記パターンで運転されているときに前記運転データ収集手段によって収集された前記システムの運転データを正規化する正規化手段と、
    前記正規化手段により正規化された前記運転データと、前記異パターン基準ファイル記憶手段に記憶された当該パターンにおける基準モデルとを比較して、相違点を抽出する比較手段と、
    前記比較手段により抽出された前記相違点の表示を行う相違点表示手段と
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の故障診断装置。
  3. 前記比較手段により抽出された前記相違点に関連する項目についてのみ、前記運転データの収集を行うように切り替える収集内容変更手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の故障診断装置。
  4. 前記運転データ収集手段は前記運転データを一定の収集間隔で収集するものであって、
    前記比較手段により前記相違点が抽出されたときに、前記収集間隔を短い間隔に変更する収集間隔変更手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の故障診断装置。
JP2010197781A 2010-09-03 2010-09-03 故障診断装置 Pending JP2012053830A (ja)

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