JP2012052568A - 可変容量型油圧モータの制御装置 - Google Patents

可変容量型油圧モータの制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ウインチ速度の低下、およびウインチ速度のレバー追従応答性の悪化を防止しつつ、ハンチングの発生を防止できる可変容量型油圧モータの制御装置を提供すること。
【解決手段】第1ピストン室2aおよび第2ピストン室2bが両側に設けられ油圧モータ1の斜板の傾転角を変化させるピストン2と、一方の第1パイロット油室5aが巻上側流路6−2に連通されているとともに他方の第2パイロット油室5cが巻下側流路7に連通された圧力補償弁5と、ピストン2と圧力補償弁5との間に配置されたスプール弁3と、を備える可変容量型油圧モータの制御装置101である。巻上側流路6−2と第1ピストン室2aとを接続する流路12に、隙間絞り50および逆止弁51を相互に並列に設けている。逆止弁51は、傾転角が大きくなる方向の圧油の流れは許容し、傾転角が小さくなる方向の圧油の流れは遮断する向きに設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、クレーンのウインチを駆動する可変容量型油圧モータの制御装置に関する。
斜板の傾転角を変化させることで容量を変化させて回転速度を変更する可変容量型油圧モータで駆動されるウインチで吊荷を巻下げるとき、油圧モータの回転速度が変動して安定せずハンチングが発生する場合がある。ハンチングの発生を防止するための技術としては、例えば、特許文献1、2に記載されたものが知られている。なお、ハンチング発生の原因については、特許文献1、2に記載されているので必要に応じて参照されたい。
特許文献1では、油圧モータに必要なトルクを確保するために、油圧モータの吸収量(容量)が制限吸収量よりも小さい場合は、油圧モータの容量を電気的に制御して、当該容量を制限吸収量に置き換える制御を行っている。
特許文献2では、圧力補償弁の両側のパイロット油室に、それぞれ、巻上側流路から巻上側パイロット流路、巻下側流路から巻下側パイロット流路を連通させ、かつ巻下側パイロット流路に圧力補償方式切換弁を介装させるという構成を採用している。そして、巻上側流路の圧力と巻下側流路の圧力との差圧が圧力補償弁の設定値以下の所定圧に達すると、圧力補償方式切換弁を作動させて、巻下側パイロット流路を遮断し、かつ圧力補償弁のパイロット油室をタンクに連通させる制御を行っている。簡潔に言えば、巻上側流路の圧力と巻下側流路の圧力との差圧が圧力補償弁の設定値に達する前に、差圧制御型から絶対圧制御型に切換えている。
特開2002−114488号公報 特開2008−82488号公報
特許文献1、2に記載されたいずれの制御によってもハンチングの発生を防止できる。しかしながら、特許文献1に記載された制御によると、吊荷の荷重の広い範囲において油圧モータの容量を制限することになり、結果として、吊荷の荷重の広い範囲においてウインチ速度が低下してしまう。
一方、特許文献2に記載された制御によると、圧力一定制御範囲内では絶対圧制御型となり吊荷の挙動は安定するが、ウインチ速度のレバー追従応答性が悪化するという問題がある。レバー追従応答性とは、レバー操作後、そのレバー操作量に見合っただけのウインチ速度に達するまでの時間の程度のことをいう。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ウインチ速度の低下、およびウインチ速度のレバー追従応答性の悪化を防止しつつ、ハンチングの発生を防止できる可変容量型油圧モータの制御装置を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、ピストンの一方に設けた第1ピストン室と油圧モータの巻上側流路とを接続する流路、または第1ピストン室とは反対側の第2ピストン室と油圧モータの巻上側流路とを接続する流路に、絞りおよび逆止弁を相互に並列に設けることで、前記課題を解決することができた。この知見に基づき本発明が完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、圧油が供給される第1ピストン室および第2ピストン室が両側に設けられ、油圧モータの斜板の傾転角を変化させるピストンと、一方の第1パイロット油室が巻上側流路に連通されているとともに他方の第2パイロット油室が巻下側流路に連通され、当該第1パイロット油室と当該第2パイロット油室との圧力差により作動して前記第2ピストン室への圧油の給排を切換える圧力補償弁と、前記ピストンと前記圧力補償弁との間に配置され、パイロット圧により作動して前記第2ピストン室への圧油の給排を切換えるスプール弁と、を備え、前記第1ピストン室に圧油を供給することで前記傾転角を大きくし、前記第2ピストン室に圧油を供給することで前記傾転角を小さくする、可変容量型油圧モータの制御装置であって、前記巻上側流路と前記第1ピストン室とを接続する流路、または前記巻上側流路と前記第2ピストン室とを接続する流路に、絞りおよび逆止弁が相互に並列に設けられ、前記逆止弁は、前記傾転角が大きくなる方向の圧油の流れは許容し、前記傾転角が小さくなる方向の圧油の流れは遮断する向きに設けられていることを特徴とする可変容量型油圧モータの制御装置である。
この構成によると、圧力フィードバック系の圧力変動は絞りにより抑えられ、斜板の傾転角は変動しにくくなる。その結果、ハンチングの発生を防止できる。ここで、上記絞りおよび逆止弁によるハンチング防止は、特許文献1に記載された制御のように、吊荷の荷重の広い範囲において油圧モータの容量を制限するものではない。ハンチングは、油圧モータの回転速度変化ゲインが大きくなる領域で発生しやすく、この回転速度変化ゲインが大きくなる領域で上記絞りは大きな減衰効果を発揮する。また、傾転角が大きくなる方向の圧油の流れを許容する逆止弁を、絞りと並列に設けることで、圧力補償弁の定馬力機能の応答性を維持することができる。すなわち、特許文献1や2に記載された制御に比べて、ウインチ速度の低下、およびウインチ速度のレバー追従応答性の悪化を防止しつつ、ハンチングの発生を防止できる。
また本発明において、前記巻上側流路と前記圧力補償弁とを接続する流路に、前記絞りおよび前記逆止弁が相互に並列に設けられていることが好ましい。
この構成によると、巻上側流路と第1・第2ピストン室とを接続する流路のうち、圧力補償弁と第1・第2ピストン室とを接続する流路ではなく、巻上側流路と圧力補償弁とを接続する流路に絞りを設けることで、油圧モータの容量の応答性が向上する。すなわち、ウインチ速度のレバー追従応答性をより向上させることができる。
さらに本発明において、前記絞りは、絞り位置と連通位置とを有する切換弁の絞り位置として設けられ、ドラム軸のトルクを検出するトルク検出手段と、前記トルク検出手段からの信号によって前記切換弁を作動させる制御手段とをさらに備え、検出されたドラム軸のトルクがハンチング発生領域にある場合、前記制御手段により前記切換弁が前記連通位置から前記絞り位置に切換えられることが好ましい。
この構成によると、絞りによる減衰効果を、油圧モータの出力トルク範囲のうち問題となるハンチング発生領域のみの狭い範囲で効かすことが可能となる。この範囲以外では、切換弁は連通位置にあるため、ウインチ速度のレバー追従応答性は絞りを入れていない場合と同じである。すなわち、ウインチ速度のレバー追従応答性をより向上させることができる。
さらに本発明において、前記トルク検出手段は、クレーンのブーム長さの一つを選択するブーム長さ選択手段と、ブームの起伏角度を検出するブーム角度検出手段と、ブームにかかる負荷を検出する負荷検出手段と、前記ブーム長さ選択手段により選択されたブーム長さ、前記ブーム角度検出手段により検出されたブーム角度、および前記負荷検出手段により検出されたブーム負荷から、ドラム軸のトルクを演算する演算手段と、を有することが好ましい。
この構成によると、クレーンに設けられている既存のモーメントリミッタ装置(ML)を利用してドラム軸のトルクを検出することができる。
さらに本発明において、ドラムのロープ巻層を検出するロープ巻層検出手段をさらに有し、前記ロープ巻層検出手段により検出されたロープ巻層を、ドラム軸のトルクの演算に用いることが好ましい。この構成によると、ドラム軸のトルクをより精度よく検出することができる。
さらに本発明において、前記絞りは、隙間絞りによって形成されていることが好ましい。この構成によると、通常の固定絞りに比べてより大きな減衰効果を得ることができる。
本発明によれば、本発明の構成要件、特に、巻上側流路と第1ピストン室とを接続する流路、または巻上側流路と第2ピストン室とを接続する流路に、絞りおよび逆止弁を相互に並列に設けることにより、ウインチ速度の低下、およびウインチ速度のレバー追従応答性の悪化を従来よりも抑制しつつ、ハンチングの発生を防止することができる。
本発明の第1実施形態に係る可変容量型油圧モータの制御装置の油圧回路図である。 図1に示した可変容量型油圧モータにおいて、巻上側流路と巻下側流路との圧力差と、モータ容量との関係を示すグラフである。 図1に示した可変容量型油圧モータのモータ出力トルクとモータ回転速度との関係を示すグラフである。 図1に示した制御装置の変形例を示す油圧回路図である。 本発明の第2実施形態に係る可変容量型油圧モータの制御装置の油圧回路図である。 本発明の第3実施形態に係る可変容量型油圧モータの制御装置の油圧回路図である。 図6に示した制御装置を備えるクローラクレーンの模式図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。なお、本発明は、様々な形式のクレーンに適用することができる。例えば、クローラクレーンに適用することもできるし、ホイールクレーンに適用することもできる。ラチスブーム式のクレーンに適用することもできるし、伸縮ブーム式のクレーンに適用することもできる。
(第1実施形態)
(制御装置の構成)
本発明の第1実施形態に係る可変容量型油圧モータの制御装置101について、図1を参照しつつ説明する。制御対象である油圧モータ1は、斜板(不図示)の傾転角を変化させる方式の斜板形アキシャルピストンモータ、つまり可変容量型油圧モータである。ピストン2の両側に設けられた第1ピストン室2aおよび第2ピストン室2bへ圧油を給排することでピストン2が動き、ピストン2で押されて斜板の傾転角が変化する。斜板の傾転角が変化すると、油圧モータ1のモータ容量(モータ吸収流量)が変化して出力トルクおよび回転速度が変わる。第1ピストン室2aに圧油が供給されて第2ピストン室2bから圧油が抜けることで、ピストン2が第2ピストン室2b側に動いて斜板の傾転角が大きくなり、油圧モータ1の回転は、高トルク低回転側に変化する。逆に、第2ピストン室2bに圧油が供給されて第1ピストン室2aから圧油が抜けることで、ピストン2が第1ピストン室2a側に動いて斜板の傾転角が小さくなり、油圧モータ1の回転は、低トルク高回転側に変化する。この油圧モータ1の容量を制御する制御装置101は、油圧モータ1に組合されており、斜板を駆動するピストン2、スプール弁3、フィードバックレバー4(連結手段)、圧力補償弁5などから構成されている。
なお、油圧モータ1は、減速機(不図示)を介してウインチドラム20を駆動し、ロープ21・24およびシーブ22によって吊荷23の巻上げ・巻下げ操作を行う油圧モータである。また、油圧モータ1には、作動油供給源(不図示の油圧ポンプ)からモータ供給圧PaまたはPb(以下、モータ駆動圧という。)の作動油が切換え供給される、巻上側流路6と巻下側流路7とが接続されている。巻上側流路6から油圧モータ1を経由して巻下側流路7へ作動油が流れると、吊荷23は巻上がる。逆に、巻下側流路7から油圧モータ1を経由して巻上側流路6へ作動油が流れると、吊荷23は巻下がる。
(圧力補償弁)
圧力補償弁5は、一方の第1パイロット油室5aが巻上側流路6−2に連通されているとともに他方の第2パイロット油室5cが巻下側流路7に連通され、当該第1パイロット油室5aと当該第2パイロット油室5cとの圧力差により作動して第2ピストン室2bへの圧油の給排を切換える差圧制御型の弁である。
巻上側流路6−2と第1パイロット油室5aとの間は、流路8・11で接続されている。流路8は、巻上側流路6−2から分岐する流路であり、流路11は、流路8から分岐する流路であり、第1パイロット油室5aに接続されている。一方、巻下側流路7と第2パイロット油室5cとの間は、巻下側流路7から分岐する流路14で接続されている。また、圧力補償弁5のポンプポートには、流路8から分岐する流路16が接続され、圧力補償弁5のアクチュエータポートには、流路9が接続されている。
圧力補償弁5の第2パイロット油室5c側には、セットスプリング5bが設けられている。圧力補償弁5は、セットスプリング5bのバネ力によって流路16と流路9とを連通させるが、巻上側流路6−2と巻下側流路7との圧力差が定格値を超えると、セットスプリング5bのバネ力に抗して、流路16と流路9とを遮断するとともに流路9をタンクTに連通させる位置に切り換わる。
(スプール弁)
スプール弁3は、ピストン2と圧力補償弁5との間に配置され、パイロット圧Piにより作動して第2ピストン室2bへの圧油の給排を切換える弁である。スプール弁3のポンプポートには、圧力補償弁5からの流路9が接続され、スプール弁3のアクチュエータポートには、流路10が接続されている。流路10は、第2ピストン室2bとスプール弁3のアクチュエータポートとを連通させている。
また、スプール弁3は、パイロット圧Piの高さに応じてスプール3aが移動するように、スプール3aの一端部のパイロット油室に流路13が接続されているとともに、他方の端部にスプリング3cが設けられている。そして、揺動自在に取付けられたフィードバックレバー4によって、スプール弁3のスリーブ3bが油圧モータ1の斜板と連結されている。パイロット圧Piを高めると、スプール3aが移動し、第2ピストン室2bに作動油が供給されるので斜板の傾転角が小さくなるが、斜板の変位にともなってフィードバックレバー4を介してスリーブ3bが移動する。制御偏差がゼロになる位置までスリーブ3bが移動すると、流路10が遮断されて斜板の変位が停止する。
(絞りおよび逆止弁)
流路11からは流路12が分岐しており、この流路12は、ピストン2の第1ピストン室2aに接続されている。ここで、第1ピストン室2a側のピストン2の受圧部は、第2ピストン室2b側のピストン2の受圧部よりも受圧面積が小さく設定されている。第1ピストン室2aおよび第2ピストン室2bに作用する巻上側流路6−2からの作動油の圧力が同圧の場合、ピストン2は第1ピストン室2a側に押されて斜板の傾転角が小さくなるようになっている。
ここで、巻上側流路6−2と第1ピストン室2aとを接続する流路は、巻上側流路6−2側から順に、流路8、流路11、および流路12で構成されている。このうちの流路12には、隙間絞り50および逆止弁51が相互に並列に設けられている。なお、逆止弁51は、斜板の傾転角が大きくなる方向の圧油の流れは許容し、斜板の傾転角が小さくなる方向の圧油の流れは遮断する向きに設けられている。
なお、隙間絞り50の構造を図1に示している。図1に示したように、隙間絞り50とは、流路の中央に形成した部材50aの周囲を絞り流路50fとする固定絞りのことをいう。隙間絞り50によると、流路の中央を絞り流路とする通常の固定絞りに比べてより大きな減衰効果を得ることができる。なお、隙間絞り50ではなく、流路の中央を絞り流路とする通常の固定絞りを用いてもよい。
(その他構成バルブ)
巻上側流路6のうち作動油供給源(不図示の油圧ポンプ)側には、カウンタバランス弁6aが設けられている。また、巻上側流路6−2からの流路8の分岐ポイントと、カウンタバランス弁6aとの間の巻上側流路6−2には、オーバーロードリリーフ弁15aが介装されてなる流路15の一端が接続されている。流路15の他端は巻下側流路7に接続されている。
(作用・効果)
図1〜3を参照しつつ流路12に設けた隙間絞り50および逆止弁51の作用・効果について説明する。
まず、巻下げ荷重がハンチングが発生しない程度の軽荷重である場合を説明する。巻下げ操作の場合、作動油は、巻下側流路7から油圧モータ1へ流れ、油圧モータ1をでた作動油は巻上側流路6−2へ流れていく。この場合、巻下げ操作開始時にはしばらくの間、カウンタバランス弁6aのダンピング機能により、カウンタバランス弁6aのスプール開度が小さいままになっており、カウンタバランス状態となるまで時間がかかる。吊荷23の負荷に応じて発生する保持圧は低く、カウンタバランス弁6aのスプール開口部の前後差圧も小さいので、油圧ポンプ流量(モータ供給流量)とバランスする大きなスプール開度になるまでに時間を要し、その間、巻下側流路7・巻上側流路6−2の両方が高圧状態となる。
このとき、巻下側流路7の圧力は、圧力補償弁5の第2パイロット油室5cに流路14を介して導入されている。一方、巻上側流路6−2の圧力は、圧力補償弁5の第1パイロット油室5aに流路8・11を介して導入されている。巻下側流路7・巻上側流路6−2の両方が高圧状態であっても、巻上側流路6−2の圧力と巻下側流路7の圧力との差は、セットスプリング5bのバネ力(セット圧力Ps)よりも小さいため、圧力補償弁5は作動しない。圧力補償弁5が作動しないので、油圧モータ1のモータ容量は大容量化せず、油圧モータ1は最小容量(qa)で回転し続け(図2参照)、吊荷23は最高速度で巻下がる。
次に、巻下げ荷重がハンチングが発生しやすい荷重である場合を説明する。モータ出力トルクがTcとなる巻下げ荷重の場合、巻下げ操作開始時には、カウンタバランス弁6aはダンピングの影響を受けるが、吊荷23の負荷に応じて巻上側流路6−2に発生する保持圧が高いので、カウンタバランス弁6aのスプール開口部の前後差圧も大きく、油圧ポンプ流量(モータ供給流量)とバランスするスプール開度は小さくてよく、その開度になるまでの時間は短い。そして、カウンタバランス弁6aがカウンタバランス状態になると、巻下側流路7側の供給圧は低圧、巻上側流路6−2側の保持圧は高圧状態となる。
巻上側流路6−2が高圧になっているので、巻上側流路6−2の圧力と巻下側流路7の圧力との差がセットスプリング5bのバネ力(セット圧力Ps)に達すると、圧力補償弁5が作動する。圧力補償弁5の作動により油圧モータ1は圧力一定制御となる。図3に示したように、モータ出力トルクがTcとなるトルク領域は、油圧モータ1の回転速度変化ゲインが大きくなる領域であり、巻下時、圧力補償弁5への圧力フィードバックによりハンチングが発生しやすい。
しかしながら、本発明においては、圧力補償弁5の第1パイロット油室5aへの圧力フィードバック系の圧力変動は、流路12に設けられた隙間絞り50による減衰効果により抑えられ、斜板の傾転角は変動しにくくなる。その結果、ハンチングの発生は防止される。ここで、隙間絞り50および逆止弁51によるハンチング防止は、特許文献1に記載された制御のように、吊荷の荷重の広い範囲において油圧モータ1の容量を制限するものではない。前記したように、ハンチングは、油圧モータ1の回転速度変化ゲインが大きくなる領域で発生しやすく、この回転速度変化ゲインが大きくなる領域で隙間絞り50は大きな減衰効果を発揮する。また、傾転角が大きくなる方向の圧油の流れを許容する逆止弁51を、隙間絞り50と並列に設けたことで、圧力補償弁5の定馬力機能の応答性を維持することができる。その結果、油圧モータ1の傾転角が大から小に変動する応答性が少し低下するだけである。すなわち、本発明によると、ウインチ速度の低下、およびウインチ速度のレバー追従応答性の悪化を従来よりも防止しつつ、ハンチングの発生を防止することができる。
また、ウインチ速度の低下、およびウインチ速度のレバー追従応答性の悪化を従来よりも抑制しつつ、ハンチングの発生を防止することができる、という効果を、巻上側流路6−2と第1ピストン室2aとを接続する流路に、隙間絞り50および逆止弁51を設けるという安価な構成で得ることができている。すなわち、本実施形態によると、制御装置の製造コストを低く抑えることができるというメリットもある。
(変形例)
次に、図4を参照しつつ、第1実施形態の制御装置101の変形例について説明する。ここで、巻上側流路6−2と第2ピストン室2bとを接続する流路は、巻上側流路6−2側から順に、流路8、流路16、流路9および流路10で構成されている。図4に示したように、本変形例に係る制御装置101aでは、隙間絞り50および逆止弁51を相互に並列に流路10に設けている。なお、逆止弁51が、斜板の傾転角が大きくなる方向の圧油の流れは許容し、斜板の傾転角が小さくなる方向の圧油の流れは遮断する向きに設けられていることは、第1実施形態の制御装置101と同じである。
図示を省略するが、同様の変形例として、巻上側流路6−2と第2ピストン室2bとを接続する流路のうち、圧力補償弁5とスプール弁3との間の流路9に、隙間絞り50および逆止弁51を相互に並列に設けてもよい。この場合も、斜板の傾転角が大きくなる方向の圧油の流れは許容し、斜板の傾転角が小さくなる方向の圧油の流れは遮断する向きに逆止弁51を設けることは同じである。
(第2実施形態)
次に、図5を参照しつつ、第2実施形態に係る制御装置102について説明する。図5に示したように、本実施形態では、巻上側流路6−2と圧力補償弁5とを接続する流路8に、隙間絞り50および逆止弁51を設けている。逆止弁51が、斜板の傾転角が大きくなる方向の圧油の流れは許容し、巻上側流路6−2の圧力低下により斜板の傾転角が小さくなる方向の圧油の流れを遮断して圧力の降下を減衰する向きに設けられている。なお、巻上側流路6−2から分岐する流路8は、巻上側流路6−2と第1ピストン室2aとを接続する流路でもあるし、巻上側流路6−2と第2ピストン室2bとを接続する流路でもある。
本実施形態の制御装置102によると、第1実施形態の制御装置101とほぼ同様の効果が得られる。本実施形態では、さらに、圧力補償弁5と第1・第2ピストン室2a・2bとを接続する流路12・9・10ではなく、巻上側流路6−2と圧力補償弁5とを接続する流路8に絞りを設けることで、油圧モータ1の容量の応答性(斜板の傾転角の応答性)が向上する。結果として、ウインチ速度のレバー追従応答性をより向上させることができる。
第2実施形態の変形例として、流路8から分岐する流路11に、隙間絞り50および逆止弁51を設けてもよい。この場合も、斜板の傾転角が大きくなる方向の圧油の流れは許容し、巻上側流路6−2の圧力低下により斜板の傾転角が小さくなる方向の圧油の流れを遮断して圧力の降下を減衰する向きに逆止弁51を設けることは同じである。
(第3実施形態)
次に、図6および図7を参照しつつ、第3実施形態に係る制御装置103について説明する。本実施形態の制御装置103と、第2実施形態の制御装置102との相違点は、本実施形態では、絞り位置と連通位置とを有する切換弁54の絞り位置として隙間絞り50を設け、ドラム軸のトルクが所定の範囲になったときに切換弁54を作動させて絞り位置と連通位置とを切換えている点である。連通位置から絞り位置に切換弁54を切換えることで、第2実施形態と同様に本実施形態においても、巻上側流路6−2と圧力補償弁5とを接続する流路8に隙間絞り50が設けられることになる。なお、ドラム軸とは、ロープ21が巻かれるウインチドラム20の軸(筒形態)のことである。
切換弁54は、コントローラ30(制御手段)からの信号によって単動ソレノイド54aが励磁されて作動する。単動ソレノイド54aの励磁により、連通位置から絞り位置に切り換わり、励磁を止めると連通位置に戻る。コントローラ30には、クレーンの各所に設置された計器からの信号が入力される。切換弁54は、油圧モータ1が巻下げ操作されているときに、ドラム軸のトルクがハンチング発生領域になったときに作動して流路8を絞るようにコントローラ30で制御される。
ハンチング発生領域は、クレーンの設計段階で把握できるため、コントローラ30内にハンチング発生領域を予め記憶させておく。ハンチング発生領域は、図3に示したように、油圧モータ1のトルク特性においてモータ回転速度が急変する点であるトルクTcの近傍である。したがって、モータ出力トルクTmに対して、ハンチング発生領域を式(1)のように設定してコントローラ30内に記憶させておく。
a1×Tc<Tm<a2×Tc ・・・・・式(1)
Tc:ハンチング発生トルク
ここで、a1・a2は定数であり、例えば、a1=0.9、a2=1.1とする。
モータ出力トルクTmが、式(1)の範囲にある場合、コントローラ30により、連通位置から絞り位置に切換弁54が切り換わるように制御される。本実施形態によると、隙間絞り50による減衰効果を、油圧モータ1の出力トルク範囲のうち問題となるハンチング発生領域のみの狭い範囲で効かすことが可能となる。この範囲以外では、切換弁54は連通位置にあるため、ウインチ速度のレバー追従応答性は絞りを入れていない場合と同じである。すなわち、ウインチ速度のレバー追従応答性をより向上させることができる。
(モータ出力トルクTmの算出)
モータ出力トルクTmは、ドラム軸のトルクTdと、油圧モータ1とウインチドラム20との間に設けられた減速機(不図示)の減速比Rと、から式(2)により算出する。モータ出力トルクTmの算出は、コントローラ30内で行われる。
Tm=Td/R ・・・・・式(2)
ドラム軸のトルクTdの検出について図7を参照しつつ説明する。本実施形態では、トルクTdの検出手段は、クレーンのブーム41の長さの一つを選択するブーム長さ選択手段(不図示)と、ブーム41の起伏角度を検出するブーム角度計45と、ブーム41にかかる負荷を検出する荷重計46(負荷検出手段)と、ウインチドラム20のロープ巻層を検出するロープ巻層検出器47と、これらからの信号からトルクTdを演算する演算手段(不図示)とからなる。なお、演算手段は、プログラムとして例えばコントローラ30内に格納される。ブーム長さ選択手段は、例えばクレーンの運転室内にある。
ここで、ブーム41の長さLをブーム長さ選択手段で選択する。ブーム41の起伏角度θをブーム角度計45で検出する。ブーム起伏ロープ42の負荷F(張力)を荷重計46で検出する。また、ウインチドラム20のロープ巻層をロープ巻層検出器47で検出する。そして、これらからの信号から、演算手段に組み込まれた式(3)によりトルクTdを演算する。
Td=F×R3×R1(L、θ)/R2(L、θ) ・・・・・式(3)
R3は、ウインチドラム20のロープ巻取り半径であり、ロープ巻層検出器47で検出されたロープ巻層の値で補正されたものである。R1(L、θ)は、ブーム41の支点からブーム起伏ロープ42までの距離であり、ブーム41の長さLと起伏角度θとの関数である。また、R2(L、θ)は、ブーム41の支点から吊荷23までの水平距離であり、ブーム41の長さLと起伏角度θとの関数である。R3の算出式、R1(L、θ)、およびR2(L、θ)は、予め演算手段に組み込まれている。
ロープ巻層検出器47で検出されたロープ巻層を、ドラム軸のトルクTdの演算に用いることで、トルクTdをより精度よく演算により求めることができる。なお、ロープ巻層は必ずしもトルクTdの演算に用いる必要はない。この場合、ウインチドラム20のロープ巻取り半径R3を、例えば固定値として演算手段に組み込んでおく。
本実施形態によると、クレーンに設けられている既存のモーメントリミッタ装置(ML、不図示)を利用してドラム軸のトルクTdを検出することができる。この場合、モーメントリミッタ装置にコントローラ30を組み込んでもよい。
なお、トルクTd検出の変形例として、既存のクレーンに対して、計器が1つ増えることになるが、ウインチドラム20の軸にトルク計を取り付け、ドラム軸のトルクTdをトルク計で直接、検出してもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することが可能なものである。
1:油圧モータ(可変容量型油圧モータ)
2:ピストン
3:スプール弁
2a:第1ピストン室
2b:第2ピストン室
5:圧力補償弁
5a:第1パイロット油室
5b:セットスプリング
5c:第2パイロット油室
6、6−2:巻上側流路
7:巻下側流路
12:流路(巻上側流路と第1ピストン室とを接続する流路)
50:隙間絞り
51:逆止弁
101:制御装置

Claims (6)

  1. 圧油が供給される第1ピストン室および第2ピストン室が両側に設けられ、油圧モータの斜板の傾転角を変化させるピストンと、
    一方の第1パイロット油室が巻上側流路に連通されているとともに他方の第2パイロット油室が巻下側流路に連通され、当該第1パイロット油室と当該第2パイロット油室との圧力差により作動して前記第2ピストン室への圧油の給排を切換える圧力補償弁と、
    前記ピストンと前記圧力補償弁との間に配置され、パイロット圧により作動して前記第2ピストン室への圧油の給排を切換えるスプール弁と、を備え、
    前記第1ピストン室に圧油を供給することで前記傾転角を大きくし、前記第2ピストン室に圧油を供給することで前記傾転角を小さくする、可変容量型油圧モータの制御装置であって、
    前記巻上側流路と前記第1ピストン室とを接続する流路、または前記巻上側流路と前記第2ピストン室とを接続する流路に、絞りおよび逆止弁が相互に並列に設けられ、
    前記逆止弁は、前記傾転角が大きくなる方向の圧油の流れは許容し、前記傾転角が小さくなる方向の圧油の流れは遮断する向きに設けられていることを特徴とする、可変容量型油圧モータの制御装置。
  2. 請求項1に記載の可変容量型油圧モータの制御装置において、
    前記巻上側流路と前記圧力補償弁とを接続する流路に、前記絞りおよび前記逆止弁が相互に並列に設けられていることを特徴とする、可変容量型油圧モータの制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の可変容量型油圧モータの制御装置において、
    前記絞りは、絞り位置と連通位置とを有する切換弁の絞り位置として設けられ、
    ドラム軸のトルクを検出するトルク検出手段と、
    前記トルク検出手段からの信号によって前記切換弁を作動させる制御手段とをさらに備え、
    検出されたドラム軸のトルクがハンチング発生領域にある場合、前記制御手段により前記切換弁が前記連通位置から前記絞り位置に切換えられることを特徴とする、可変容量型油圧モータの制御装置。
  4. 請求項3に記載の可変容量型油圧モータの制御装置において、
    前記トルク検出手段は、
    クレーンのブーム長さの一つを選択するブーム長さ選択手段と、
    ブームの起伏角度を検出するブーム角度検出手段と、
    ブームにかかる負荷を検出する負荷検出手段と、
    前記ブーム長さ選択手段により選択されたブーム長さ、前記ブーム角度検出手段により検出されたブーム角度、および前記負荷検出手段により検出されたブーム負荷から、ドラム軸のトルクを演算する演算手段と、を有することを特徴とする、可変容量型油圧モータの制御装置。
  5. 請求項4に記載の可変容量型油圧モータの制御装置において、
    ドラムのロープ巻層を検出するロープ巻層検出手段をさらに有し、
    前記ロープ巻層検出手段により検出されたロープ巻層を、ドラム軸のトルクの演算に用いることを特徴とする、可変容量型油圧モータの制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の可変容量型油圧モータの制御装置において、
    前記絞りは、隙間絞りによって形成されていることを特徴とする、可変容量型油圧モータの制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104481941A (zh) * 2014-11-27 2015-04-01 徐州重型机械有限公司 超起卷扬液压控制方法和系统、及起重机
CN110296120A (zh) * 2019-06-14 2019-10-01 庆安集团有限公司 一种低功率需求的舱门瞬态作动装置

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