JP2018184299A - 旋回駆動装置、およびこれを備えた作業機械 - Google Patents

旋回駆動装置、およびこれを備えた作業機械 Download PDF

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貴幸 伊賀上
直人 堀
Naoto Hori
直人 堀
仁士 櫻井
Hitoshi Sakurai
仁士 櫻井
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Abstract

【課題】旋回体の旋回速度が変化する場合であっても、操作レバーの操作量に応じた所望のブレーキ力を旋回モータに付与することが可能であり、旋回ブレーキ動作における操作性が向上した旋回駆動装置、およびこれを備えた作業機械を提供する。【解決手段】旋回駆動装置100は、旋回体10を旋回させる旋回モータ20と、油圧ポンプ52と、操作レバー56と、コントロールバルブ54と、ブレーキバルブ60と、ブレーキ弁制御部83と、を備える。ブレーキ弁制御部83は、操作レバー56が旋回モータ20のブレーキ操作を受けた場合に、旋回モータ20の差圧が、操作レバー56がうける操作量に応じた所定の目標圧Ptとなるように、ブレーキバルブ60の位置を切換え、ブレーキバルブ60において作動油に圧力損失を発生させる。【選択図】図2

Description

本発明は、旋回駆動装置、およびこれを備えた作業機械に関する。
クレーンなどの作業機械は、一般に、下部走行体と、当該下部走行体の上方に配置される上部旋回体と、下部旋回体に対して上部旋回体を旋回駆動する旋回駆動装置と、を備える。
旋回駆動装置は、油圧式の旋回モータと、油圧ポンプと、コントロールバルブと、操作レバーと、を備える。旋回モータは、下部走行体と上部旋回体との間に配置され、作動油の供給を受けて上部旋回体が旋回するように作動する。旋回モータは、作動油の吸排のための第1ポートおよび第2ポートを備える。油圧ポンプは、旋回モータに作動油を供給する。コントロールバルブは、旋回モータと油圧ポンプとの間に介在し、旋回モータへの作動油の供給流量を調整するとともに、作動油の供給路を切り替える。コントロールバルブは、たとえばパイロット操作式の方向切換弁によって構成される。コントロールバルブは、操作レバーに与えられる操作に応じて、中立位置と、正回転駆動位置と、逆回転駆動位置との間で切り替わることが可能とされている。コントロールバルブが正回転駆動位置に設定されると、油圧ポンプから吐出された作動油は、第1ポートから旋回モータに流入するとともに、第2ポートから吐出される。この結果、旋回モータが正方向に回転され、上部旋回体が右方向に旋回駆動される。一方、コントロールバルブが逆回転駆動位置に設定されると、油圧ポンプから吐出された作動油は、第2ポートから旋回モータに流入するとともに、第1ポートから吐出される。この結果、旋回モータが逆方向に回転され、上部旋回体が左方向に旋回駆動される。
作業機械には、コントロールバルブの中立位置において旋回モータに負荷トルクがかからない、いわゆる中立フリー仕様の油圧回路がしばしば採用される。具体的には、コントロールバルブが中立位置に設定されると、旋回モータから吐出された作動油がコントロールバルブを介して旋回モータに戻されるため、上部旋回体は慣性によって回転し続ける。この際、一部の作動油は、ブリードオフ回路を介して、タンクに排出される。このような中立フリー仕様の油圧回路では、旋回モータに対して、以下のようにブレーキ力が付与される。コントロールバルブが正回転駆動位置に設定され旋回モータが右旋回した状態において、操作レバーのブレーキ操作に応じてコントロールバルブが中立位置を経由して逆回転駆動位置に切り替えられる。この結果、旋回モータから吐出される作動油と、油圧ポンプから供給される作動油とが合流する。この際に生じる圧力がブレーキ力として旋回モータに作用し、旋回モータの旋回速度が低下していく。このようなブレーキ制御技術では、作業者の操作性の向上のために、操作レバーに与えられる操作量に応じて、旋回モータにかかるブレーキ力を調整することが望まれる。
特許文献1には、コントロールバルブのブリードオフ回路に、ブリードオフ制御弁が設けられた技術が開示されている。当該技術では、操作レバーに与えられる操作量に応じて、ブリードオフ制御弁の開口面積が調整される。操作レバーに与えられる操作量が大きい場合には、ブリードオフ制御弁の開口面積が小さく設定される。この結果、ブリードオフ回路を通じてタンクに排出される際の圧力が上昇し、旋回モータに大きなブレーキ力が付与される。
特開2008−143635号公報
上記のような技術では、作業者が操作レバーにあたえる操作量と、旋回モータにかかるブレーキ力とが相関しにくく、旋回ブレーキ動作における操作レバーの操作性が充分確保できないという問題があった。具体的には、上記の技術では、ブリードオフ制御弁における作動油の圧力損失に応じて、旋回モータにかかるブレーキ力の大きさが決定される。作動油の圧力損失は、制御弁の開口面積および開口を通過する作動油の通過流量によって変化する。この場合、旋回モータの回転速度(上部旋回体の旋回速度)に応じてモータ吐出流量が変化するため、操作レバーに与えられる操作量が同じであっても、旋回モータの回転速度に応じて旋回モータにかかるブレーキ力が変化してしまう。この結果、作業者が操作レバーにあたえる操作量と、旋回モータにかかるブレーキ力とが相関しにくく、旋回ブレーキ動作における操作レバーの操作性が充分確保できなくなる。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、旋回体の旋回速度が変化する場合であっても、被操作部がうける操作量に応じた所望のブレーキ力を旋回モータに付与することが可能であり、旋回ブレーキ動作における操作性が向上した旋回駆動装置、およびこれを備えた作業機械を提供することを目的とする。
本発明の一の局面に係る旋回駆動装置は、機体と、前記機体の上方に配置される旋回体とを備える作業機械に設けられ、前記機体に対して前記旋回体を相対的に旋回駆動する旋回駆動装置であって、前記機体と前記旋回体との間に介在し、前記旋回体を旋回駆動する油圧式の旋回モータであって、当該旋回モータは第1ポートおよび第2ポートを有しており、前記第1ポートを通じて作動油の供給を受けることにより前記旋回体を第1方向に旋回させるとともに前記第2ポートを通じて作動油を排出する一方、前記第2ポートを通じて作動油の供給を受けることにより前記旋回体を第1方向とは反対の第2方向に旋回させるとともに前記第1ポートを通じて作動油を排出する、旋回モータと、前記旋回モータに供給されるための作動油を吐出する油圧ポンプと、前記油圧ポンプと前記旋回モータの前記第1ポートとを連通する第1油路と、前記油圧ポンプと前記旋回モータの前記第2ポートとを連通する第2油路と、前記第1油路および前記第2油路に連通可能とされ、作動油をタンクに導く排出用油路と、前記旋回体の旋回動作のために操作される被操作部であって、前記旋回体を前記第1方向に旋回させる第1操作領域と、前記旋回体を前記第2方向に旋回させる第2操作領域と、前記第1操作領域と前記第2操作領域との間の中立操作領域とに選択的に操作されることが可能であり、前記第1操作領域および前記第2操作領域における当該被操作部の操作量が可変とされている、被操作部と、前記油圧ポンプと前記旋回モータとの間に介在するコントロールバルブであって、前記油圧ポンプから吐出される作動油を前記第1油路を通じて前記第1ポートに供給するとともに前記第2ポートから排出される作動油を前記排出用油路を通じてタンクに導く油路を形成する第1旋回用位置と、前記油圧ポンプから吐出される作動油を前記第2油路を通じて前記第2ポートに供給するとともに前記第1ポートから排出される作動油を前記排出用油路を通じてタンクに導く油路を形成する第2旋回用位置と、前記第1油路と前記第2油路とを互いに連通することで前記第1ポートと前記第2ポートとの間で作動油が循環することを許容する中立旋回用位置とに切換わることが可能であるコントロールバルブと、前記旋回モータと前記コントロールバルブとの間に介在するブレーキバルブであって、前記第1油路における作動油の流通を許容する第1開口部および前記第2油路における作動油の流通を許容する第2開口部をそれぞれ形成し、前記第1開口部および前記第2開口部を通過する作動油の流量をそれぞれ変化させるように作動するブレーキバルブと、前記旋回体が前記第1方向に旋回している状態で前記被操作部が前記第1操作領域から前記中立操作領域を経由して前記第2操作領域に至る第1ブレーキ操作を受けた場合に、前記旋回モータの差圧が、前記被操作部がうける操作量に応じた所定の目標圧となるように、前記第2開口部を通過する作動油の流量を調整し前記ブレーキバルブにおいて作動油に圧力損失を発生させる一方、前記旋回体が前記第2方向に旋回している状態で前記被操作部が前記第2操作領域から前記操作中間領域を経由して前記第1操作領域に至る第2ブレーキ操作を受けた場合に、前記旋回モータの差圧が、前記被操作部がうける操作量に応じた所定の目標圧となるように、前記第1開口部を通過する作動油の流量を調整し前記ブレーキバルブにおいて作動油に圧力損失を発生させる、ブレーキ制御部と、を備える。
本構成によれば、旋回体が第1方向に旋回している状態で被操作部が第1操作領域から中立操作領域を経由して第2操作領域に至る第1ブレーキ操作を受けた場合、または、旋回体が第2方向に旋回している状態で被操作部が第2操作領域から中立操作領域を経由して第1操作領域に至る第2ブレーキ操作を受けた場合に、コントロールバルブおよびブレーキバルブの位置変更によって、旋回モータにブレーキ圧が付与される。この際、ブレーキ制御部は、旋回モータの差圧が、被操作部がうける操作量に応じた所定の目標圧となるように、ブレーキバルブにおける作動油の流量を調整しブレーキバルブにおいて作動油に圧力損失を発生させる。この結果、作業機械の作業中に、旋回モータの回転速度に応じて旋回モータの吐出流量が変化することや、油圧ポンプの吐出流量が変化することがあっても、被操作部の操作量に応じた所望のブレーキ力を旋回モータに付与することができる。
上記の構成において、前記ブレーキバルブは、前記第1開口部および前記第2開口部における作動油の流量をそれぞれ調整可能な少なくとも1つの流量制御弁を有し、前記ブレーキ制御部は、前記被操作部が前記第1ブレーキ操作または前記第2ブレーキ操作をうけた場合に、前記旋回モータの差圧が前記目標圧となるように、前記流量制御弁を制御して前記第1開口部または前記第2開口部における作動油の流量を調整することが望ましい。
この場合、ブレーキ制御部が、流量制御弁の第1開口部または第2開口部における作動油の流量を調整することによって、被操作部の操作量に応じた所望のブレーキ力を旋回モータに付与することができる。
更に、前記少なくとも一つの流量制御弁は、移動可能なスプールを有する流量制御弁であって、前記スプールは、前記第1開口部および前記第2開口部の開口面積をそれぞれ最大の面積に設定し、作動油が前記第1開口部および前記第2開口部を流通することを許容する中立ブレーキ用位置と、前記第1開口部の開口面積を前記最大の面積よりも小さく設定し、作動油が前記第1開口部および前記第2開口部を流通することを許容する第1ブレーキ用位置と、前記第2開口部の開口面積を前記最大の面積よりも小さく設定し、作動油が前記第1開口部および前記第2開口部を流通することを許容する第2ブレーキ用位置と、の間で移動することが可能であって、前記ブレーキバルブは、前記スプールのストローク量に応じて、前記第1開口部および前記第2開口部を通過する作動油の流量を調整することが可能であり、前記ブレーキ制御部は、前記旋回体の旋回動作が停止した状態で、前記被操作部が前記中立操作領域から前記第1操作領域に至る第1旋回操作または前記中立操作領域から前記第2操作領域に至る第2旋回操作をうけた場合に、前記スプールを前記中立ブレーキ用位置に設定し、前記被操作部が前記第1ブレーキ操作をうけた場合に、前記旋回モータの差圧が前記目標圧となるように、前記流量制御弁の前記スプールの前記中立ブレーキ用位置から前記第2ブレーキ用位置までのストローク量を調整し、前記被操作部が前記第2ブレーキ操作をうけた場合に、前記旋回モータの差圧が前記目標圧となるように、前記流量制御弁の前記スプールの前記中立ブレーキ用位置から前記第1ブレーキ用位置までのストローク量を調整することが望ましい。
本構成によれば、単一のブレーキ弁によって、第1ブレーキ操作および第2ブレーキ操作の両方向のブレーキ力の制御が可能となる。
前記ブレーキバルブは、あるいは、前記第1油路のうち前記コントロールバルブと前記第1ポートとの間の部分において前記第1開口部を形成するように配置され、前記コントロールバルブから前記第1ポートへの作動油の流通を許容するとともに、前記第1ポートから前記コントロールバルブへの作動油の流通を遮断する、第1逆止弁と、前記第1油路のうち前記コントロールバルブと前記第1ポートとの間の部分において前記第1開口部を形成するように前記第1逆止弁と並列に配置され、前記第1油路のうち当該第1開口部と前記第1ポートとの間の圧力を所定のリリーフ圧以下に保持するように開弁動作を行う、第1可変リリーフ弁と、前記第2油路のうち前記コントロールバルブと前記第2ポートとの間の部分において前記第2開口部を形成するように配置され、前記コントロールバルブから前記第2ポートへの作動油の流通を許容するとともに、前記第2ポートから前記コントロールバルブへの作動油の流通を遮断する、第2逆止弁と、前記第2油路のうち前記コントロールバルブと前記第2ポートとの間の部分において前記第2開口部を形成するように前記第2逆止弁と並列に配置され、前記第2油路のうち当該第2開口部と前記第2ポートとの間の圧力を所定のリリーフ圧以下に保持するように開弁動作を行う、第2可変リリーフ弁と、を有し、前記ブレーキ制御部は、前記被操作部が前記第1ブレーキ操作をうけた場合に、前記旋回モータの差圧が前記目標圧となるように、前記第2可変リリーフ弁のリリーフ圧を調整する一方、前記被操作部が前記第2ブレーキ操作をうけた場合に、前記旋回モータの差圧が前記目標圧となるように、前記第1可変リリーフ弁のリリーフ圧を調整するものであってもよい。
本構成によれば、可変リリーフ弁のリリーフ圧が調整されることによって、被操作部の操作量に応じた所望のブレーキ力を旋回モータに付与することができる。
上記の構成において、前記油圧ポンプは、可変容量型油圧ポンプであって、前記被操作部が前記第1ブレーキ操作または前記第2ブレーキ操作をうけた場合、前記旋回体を前記第1方向または前記第2方向に旋回させる場合に比べて前記油圧ポンプの容量を小さくするポンプ制御部を更に備えることが望ましい。特に、前記ブレーキ制御部は、前記油圧ポンプの容量の低下に伴う前記旋回モータに対するブレーキ力の低下を補うように、前記目標圧を設定することが望ましい。
本構成によれば、積極的な作動油の供給が不要なブレーキ操作時には、油圧ポンプのポンプ容量が小さく設定され油圧ポンプが消費するエネルギーが低減されることで、旋回駆動装置の省エネ化が実現される。この際、ブレーキバルブの作動によって、油圧ポンプの容量の低下に伴う旋回モータに対するブレーキ力の低下を抑止しながら、被操作部の操作量に応じたブレーキ力を付与することができる。
上記の構成において、前記ブレーキ制御部は、前記被操作部が前記第1ブレーキ操作後に前記第2操作領域から前記中立操作領域に至る第1ブレーキ解除操作を受けると、または、前記被操作部が前記第2ブレーキ操作後に前記第1操作領域から前記中立操作領域に至る第2ブレーキ解除操作を受けると、前記第1ブレーキ操作または前記第2ブレーキ操作をうけた場合に小さくされた前記油圧ポンプの容量を大きくするポンプ容量復帰動作を開始するとともに、前記第1開口部または前記第2開口部を通過する作動油の流量を調整することで前記ブレーキバルブにおいて発生させている前記作動油の圧力損失を前記ポンプ容量復帰動作の開始から所定の時間経過後に消失させるようなブレーキ解除動作を実行することが望ましい。
本構成によれば、ポンプ容量復帰動作においてポンプ容量の増大に所定の時間がかかる場合であっても、ポンプ容量が増大する前に、ブレーキバルブにおいて発生されていた圧力損失が消失することが抑止される、換言すればブレーキバルブが全開となることが抑止される。この結果、ブレーキ圧力が過渡的に低下する現象を防止することができる。
本発明の他の局面に係る作業機械は、機体と、前記機体の上方に配置される旋回体と、上記の何れかに記載の旋回駆動装置と、を備える。
本構成によれば、作業機械の作業中に、旋回モータの回転速度に応じて旋回モータの吐出流量が変化することや、油圧ポンプの吐出流量が変化することがあっても、被操作部の操作量に応じて旋回モータに所望のブレーキ力を付与することができる。
本発明によれば、旋回体の旋回速度が変化する場合であっても、被操作部がうける操作量に応じて旋回モータに所望のブレーキ力を付与することが可能であり、旋回ブレーキ動作における操作性が向上した旋回駆動装置、およびこれを備えた作業機械が提供される。
本発明の一実施形態に係る作業機械の側面図である。 本発明の第1実施形態に係る作業機械の旋回駆動装置の油圧回路図である。 本発明の第1実施形態に係る旋回駆動装置の制御部の電気的なブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る作業機械の旋回体がブレーキ動作をうけた場合の図2の旋回駆動装置の油圧回路図の一部を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る作業機械の旋回体がブレーキ動作をうけた場合の図2の旋回駆動装置の油圧回路図の一部を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る作業機械の旋回体がブレーキ動作をうける場合のフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る旋回駆動装置において、レバー操作量およびモータ回転速度と目標圧との関係を示すグラフである。 本発明の第1実施形態に係る旋回駆動装置において、レバー操作量と目標圧との関係を示すグラフである。 本発明の第1実施形態に係る旋回駆動装置において、レバー操作量と目標圧との関係を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係る作業機械の旋回駆動装置の油圧回路図の一部を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る作業機械の旋回駆動装置の油圧回路図の一部を示す図である。 本発明の第4実施形態に係る作業機械の旋回体がブレーキ動作をうける場合のフローチャートである。 本発明の第5実施形態に係る作業機械の旋回体がブレーキ動作をうける場合のフローチャートである。 本発明の第5実施形態に係る作業機械の旋回体がブレーキ動作をうける場合のフローチャートの一部である。 本発明の第6実施形態に係る作業機械の旋回駆動装置の油圧回路図である。 本発明の第6実施形態に係る作業機械の旋回体がブレーキ動作をうけた場合の図15の旋回駆動装置の油圧回路図の一部を示す図である。 本発明の第6実施形態に係る作業機械の旋回体がブレーキ動作をうけた場合の図15の旋回駆動装置の油圧回路図の一部を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るクレーン1(作業機械)の側面図である。なお、図1には、「上」、「下」、「前」および「後」の方向が示されているが、当該方向は、本実施形態に係るクレーン1の構造を説明するために便宜上示すものであり、本発明に係る作業機械の使用態様などを限定するものではない。
クレーン1は、地面上で走行可能な走行体11(機体)と、走行体11の上方に配置される旋回体10と、起伏部材としてのブーム13と、を備える。また、旋回体10の前端部には、キャブ12が備えられている。キャブ12は、クレーン1の運転席に相当する。キャブ12には、後記の操作レバー56およびブレーキ調整装置90(図2、図3)が備えられている。
図1に示されるブーム13は、いわゆるラチス型であり、下部ブーム13Aと、一または複数(図例では1個)の中間ブーム13Bと、上部ブーム13Cとから構成される。ブーム13は、下端部に備えられたブームフット13Sを支点として旋回体10に回動可能に軸支(支持)されている。また、ブーム13の先端部には、シーブ132が備えられている。
クレーン1は、上部スプレッダ131と、下部スプレッダ133と、ガントリを構成するコンプレッションメンバ14およびテンションメンバ15と、ブーム起伏用ウインチ16と、ブーム起伏用ロープ17と、を更に備える。上部スプレッダ131および下部スプレッダ133は、それぞれ複数のシーブからなる。また、上部スプレッダ131は、ブームガイライン(ガイリンク)によってブーム13の先端部に接続されている。コンプレッションメンバ14は、旋回体10の略中央部から上方かつ後方に向かって立設された支柱である。同様に、テンションメンバ15は、旋回体10の後端部から鉛直上方に立設された支柱であって、コンプレッションメンバ14の上端部に接続されている。ガントリの先端部には、ガントリシーブ141が備えられている。ブーム起伏用ロープ17は、ブーム起伏用ウインチ16から引き出され、ガントリのガントリシーブ141に掛けられた後、下部スプレッダ133と上部スプレッダ131との間で複数回掛け回される。ブーム起伏用ウインチ16は、旋回体10に配置される。なお、図1では、説明のためにブーム起伏用ウインチ16がコンプレッションメンバ14とテンションメンバ15との間に配置されているが、実際には、ブーム起伏用ウインチ16はキャブ12よりも旋回中心側の不図示のセンターセクション(旋回フレーム)上に配置されている。ブーム起伏用ウインチ16は、ブーム起伏用ロープ17の巻き取りおよび繰り出しを行うことで、ブーム13をガントリに対して相対的に回動させながらブーム13を起伏させる。
クレーン10は、更に、吊り荷(被吊り上げ体)の巻上げ及び巻下げを行うための主巻用ウインチ18を備えている。本実施形態に係るクレーン1では、主巻用ウインチ18は、旋回体10に備え付けられている。主巻用ウインチ18から引き出された主巻用ロープ19の先端部19Aには、吊荷用の主フック19Fが備え付けられる。そして、主巻ロープ19は、ブーム13の先端部のシーブ132と、主フックに設けられた不図示のシーブブロックのシーブとの間に掛け渡される。従って、主巻用ウインチ18が主巻ロープ19の巻き取りや繰り出しを行うと、シーブ132と主フック19Fのシーブとの間の距離が変わって、ブーム13の先端部から垂下されたロープ先端部19Aに連結された主フック19Fの巻上げ及び巻下げが行われる。
<第1実施形態>
クレーン1は、更に旋回駆動装置100を備える。図2は、本実施形態に係るクレーン1の旋回駆動装置100の油圧回路図である。旋回駆動装置100は、走行体11に対して旋回体10を相対的に旋回駆動する。
旋回駆動装置100は、旋回モータ20と、回転速度センサ20S(回転検出部)と、油圧ポンプ52と、第1供給ライン55A(第1油路)と、第2供給ライン55B(第2油路)と、ブリードオフライン55C(排出用油路)と、圧力センサ52P(圧力検出部)と、コントロールバルブ54と、操作レバー56(被操作部)と、リリーフ弁59と、ブレーキバルブ60と、コントローラ80と、ブレーキ調整装置90と、を備える。
旋回モータ20は、図1の走行体11と旋回体10との間に介在するように配置されている。具体的に、旋回モータ20は、ピニオンを含むモータ軸を備え、旋回体10に固定されている。一方、走行体11は、円周状に形成された不図示の旋回ギアを備える。旋回モータ20のピニオンと旋回ギアとが噛み合うことで、旋回モータ20の回転に応じて旋回体10が旋回する。このため、旋回モータ20は、旋回ギアの円周付近に位置するように配置されている。旋回モータ20は、旋回体10を旋回駆動する油圧式の旋回モータである。旋回モータ20は、モータ第1ポート20A(第1ポート)およびモータ第2ポート20B(第2ポート)を有する。旋回モータ20は、モータ第1ポート20Aを通じて作動油の供給を受けることにより旋回体10を第1方向(たとえば左方向)に旋回させるとともに、モータ第2ポート20Bを通じて作動油を排出する。一方、旋回モータ20は、モータ第2ポート20Bを通じて作動油の供給を受けることにより旋回体10を第1方向とは反対の第2方向(たとえば右方向)に旋回させるとともにモータ第1ポート20Aを通じて作動油を排出する。
回転速度センサ20Sは、旋回モータ20の回転速度(または回転数)を検出する。また、回転速度センサ20Sは、旋回モータ20の回転方向(第1方向、第2方向)を検出する。
油圧ポンプ52は、不図示のエンジン(駆動源)の駆動力をうけ、旋回モータ20に供給されるべき作動油をタンクから吸い込んで吐出する。この実施形態に係る油圧ポンプ52は、可変容量型油圧ポンプからなり、当該油圧ポンプ52に含まれる図示されないレギュレータへのポンプ指令信号の入力により油圧ポンプ52の容量qp(押しのけ容積)が変化し、これにより油圧ポンプ52から吐出される作動油の流量であるポンプ吐出流量Qpが変化する。なお、上記のポンプ指令信号は、後記の油圧ポンプ制御部82(図3)から出力される。
第1供給ライン55Aおよび第2供給ライン55Bは、それぞれ図2に示すように、油圧ポンプ52と旋回モータ20のモータ第1ポート20Aおよびモータ第2ポート20Bとを連通する油路である。ブリードオフライン55Cは、コントロールバルブ54のバルブ位置に応じて第1供給ライン55Aおよび第2供給ライン55Bに連通可能とされ、作動油をタンクに導く油路である。
圧力センサ52Pは、作動油の油路において油圧ポンプ52とコントロールバルブ54との間に配置され、作動油の圧力(ポンプ吐出圧Pp)を検出する。
コントロールバルブ54は、油圧ポンプ52と旋回モータ20との間に介在するように、作動油の油路に配置されている。コントロールバルブ54は、油圧ポンプ52から旋回モータ20への作動油の供給の方向を切換えるとともに、作動油の流量を調整するように作動する。コントロールバルブ54は、第1供給ライン55Aを介して旋回モータ20のモータ第1ポート20Aに接続され、かつ、第2供給ライン55Bを介して旋回モータ20のモータ第2ポート20Bに接続される。
コントロールバルブ54は、本実施形態では電磁切換式の方向切換弁(電磁弁)により構成され、当該コントロールバルブ54に入力される切換信号に応じて左旋回位置54A(第1旋回用位置)、中立位置54B(中立旋回用位置)および右旋回位置54C(第2旋回用位置)の間で切換わるように作動する。コントロールバルブ54は、一対のパイロットポート、すなわち左旋回パイロットポート53Aおよび右旋回パイロットポート53Bを有する。コントロールバルブ54は、左旋回パイロットポート53Aおよび右旋回パイロットポートBのいずれにもパイロット圧が入力されない場合には中立位置54Bに保たれる。コントロールバルブ54は、左旋回パイロットポート53Aにパイロット圧が入力されると左旋回位置54Aに切換えられ、右旋回パイロットポート53Bにパイロット圧が入力されると右旋回位置54Cに切換えられる。そして、コントロールバルブ54は、前記パイロット圧に応じた開口面積で開弁し、作動油の流量を変化させる。
左旋回位置54Aでは、コントロールバルブ54は、油圧ポンプ52から吐出される作動油を第1供給ライン55Aを通じてモータ第1ポート20Aに供給するとともに、モータ第2ポート20Bから排出される作動油をブリードオフライン55Cを通じてタンクに導く油路を形成する。左旋回位置54Aには、開口A1、A2、A3が形成されている。右旋回位置54Cでは、コントロールバルブ54は、油圧ポンプ52から吐出される作動油を第2供給ライン55Bを通じてモータ第2ポート20Bに供給するとともに、モータ第1ポート20Aから排出される作動油をブリードオフライン55Cを通じてタンクに導く油路を形成する。右旋回位置54Cには、開口C1、C2、C3が形成されている。また、中立位置54Bでは、コントロールバルブ54は、第1供給ライン55Aと第2供給ライン55Bとを互いに連通することでモータ第1ポート20Aとモータ第2ポート20Bとの間で作動油が循環することを許容する。中立位置54Bには、開口B1、B2、B3が形成されている。
操作レバー56は、キャブ12(図1)内に配置され、旋回体10の旋回動作のために作業者によって操作される。操作レバー56は、旋回体10を前記第1方向に旋回させる第1操作領域S1と、旋回体10を前記第2方向に旋回させる第2操作領域S2と、第1操作領域と第2操作領域との間の中立操作領域SSとに選択的に操作されることが可能である。また、第1操作領域S1および第2操作領域S2における当該操作レバー56の操作量は可変とされている。
操作レバー56が作業者によって第1操作領域S1に操作されると(第1旋回操作)、操作レバー56がうける操作量に応じて図2の左旋回指令ライン57Aを通じてコントロールバルブ54の左旋回パイロットポート53Aへのパイロット圧が変化(減圧)される。また、操作レバー56が作業者によって第2操作領域S2に操作されると(第2旋回操作)、操作レバー56がうける操作量に応じて図2の右旋回指令ライン57Bを通じて、コントロールバルブ54の右旋回パイロットポート53Bへのパイロット圧が変化(減圧)される。なお、操作レバー56がうける操作情報(操作領域、操作量)は、コントローラ80にも送信される。
リリーフ弁59は、ブリードオフライン55Cの圧力が所定の圧力を超えないように作動する。
ブレーキバルブ60は、旋回モータ20とコントロールバルブ54との間に介在するように配置される。ブレーキバルブ60は、旋回モータ20による旋回体10の旋回動作が行われる際には、旋回モータ20とコントロールバルブ54との間における作動油の流通を許容する。一方、旋回体10に対するブレーキ動作が行われる際には、ブレーキバルブ60は、必要に応じて旋回モータ20とコントロールバルブ54との間における作動油の流通を一部制限することで、旋回モータ20に対するブレーキ圧を調整する。
ブレーキバルブ60は、第1供給ライン55Aにおける作動油の流通を許容する第1開口部(D1、E1、F1)および第2供給ライン55Bにおける作動油の流通を許容する第2開口部(D2、E2、F2)をそれぞれ形成している。そして、ブレーキバルブ60は、前記第1開口部および前記第2開口部の開口面積をそれぞれ変化させることで、各開口部を通過する作動油の流量を変化させるように作動する。
本実施形態では、ブレーキバルブ60は、図2に示すように3ポート流量制御弁(電磁比例弁)である。ブレーキバルブ60は、第1供給ライン55Aおよび第2供給ライン55Bのうち旋回モータ20とコントロールバルブ54との間の部分における作動油の流量を調整するように作動する。ブレーキバルブ60は、本実施形態ではパイロット操作式の方向切換弁により構成され、内部に移動可能なスプールを備えている。当該スプールは、ブレーキバルブ60に入力されるパイロット圧に応じて右旋回ブレーキ位置60D(第1ブレーキ用位置)と、左旋回ブレーキ位置60F(第2ブレーキ用位置)と、中立ブレーキ位置60E(中立ブレーキ用位置)との間で移動することが可能である。右旋回ブレーキ位置60Dでは、ブレーキバルブ60は、前記第1開口部の開口面積を最大の面積よりも小さく設定するとともに、前記第2開口部を中立ブレーキ位置60Eと同等に開放し、作動油が第1開口部および第2開口部を流通することを許容する。左旋回ブレーキ位置60Fでは、ブレーキバルブ60は、前記第1開口部を中立ブレーキ位置60Eと同等に開放するとともに、前記第2開口部の開口面積を最大の面積よりも小さく設定し、作動油が第1開口部および第2開口部を流通することを許容する。中立ブレーキ位置60Eでは、ブレーキバルブ60は、第1開口部および第2開口部をともに開放し、各開口部の開口面積を最大とすることで、作動油が第1開口部および第2開口部を流通することを許容する。
ブレーキバルブ60は、一対のパイロットポート、すなわち右ブレーキパイロットポート61Aおよび左ブレーキパイロットポート61Bを有する。ブレーキバルブ60は、右ブレーキパイロットポート61Aおよび左ブレーキパイロットポート61Bのいずれにもパイロット圧が供給されない場合には中立ブレーキ位置60Eに保たれる。ブレーキバルブ60は、右ブレーキパイロットポート61Aにパイロット圧が供給されると右旋回ブレーキ位置60Dに切換えられ、左ブレーキパイロットポート61Bにパイロット圧が供給されると左旋回ブレーキ位置60Fに切換えられる。ブレーキバルブ60は、前記パイロット圧に応じた開口面積で開弁し、第1開口部および第2開口部における作動油の流量(通過量)を変化させる。
旋回駆動装置100は、更に、パイロット油圧源70と、第1比例弁71と、第2比例弁72と、を備える。第1比例弁71および第2比例弁72は、後記のコントローラ80のブレーキ弁制御部83から与えられる指令信号に応じて、ブレーキバルブ60に入力されるパイロット圧を調整する。具体的に、第1比例弁71および第2比例弁72は、パイロット油圧源70とブレーキバルブ60の右ブレーキパイロットポート61Aおよび左ブレーキパイロットポート61Bとの間に介在し、右ブレーキパイロットポート61Aおよび左ブレーキパイロットポート61Bにそれぞれ第1パイロットライン73Aおよび第2パイロットライン73Bを介して接続されている。第1比例弁71は、ブレーキ弁制御部83(図3)から指令信号が与えられると右ブレーキパイロットポート61Aに供給されるパイロット圧を減圧するように開弁する。また、第2比例弁72は、ブレーキ弁制御部83から指令信号が与えられると左ブレーキパイロットポート61Bに供給されるパイロット圧を減圧するように開弁する。この際、右ブレーキパイロットポート61Aおよび左ブレーキパイロットポート61Bに入力されるパイロット圧の変化に応じて、ブレーキバルブ60のスプールのストローク量が変化する。
ブレーキ調整装置90は、作業者の好みの操作感覚に応じた、旋回モータ20にかかるブレーキ力を調整する調整量をコントローラ80に出力する機能を備える。ブレーキ調整装置90は、キャブ12(図1)内に配置されており、不図示の操作ダイヤル、トリマなどを含む。
図3は、本実施形態に係る旋回駆動装置100のコントローラ80(制御部)の電気的なブロック図である。コントローラ80は、クレーン1の動作を統括的に制御するもので、制御信号の送受先として、回転速度センサ20S、操作レバー56、圧力センサ52P、ブレーキ調整装置90、油圧ポンプ52、第1比例弁71および第2比例弁72などに電気的に接続されている。なお、コントローラ80は、クレーン1に備えられたその他のユニットにも電気的に接続されている。
コントローラ80は、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)等から構成され、CPUが前記制御プログラムを実行することにより、ブレーキ状態判定部81、油圧ポンプ制御部82(ポンプ制御部)、ブレーキ弁制御部83、ブレーキ量演算部84および記憶部85を機能的に有するよう動作する。
ブレーキ状態判定部81は、回転速度センサ20Sと操作レバー56を通じて、旋回モータ20に対するブレーキ動作が入力された否かを判定する。
油圧ポンプ制御部82は、可変容量型の油圧ポンプ52のレギュレータにポンプ指令信号を出力することで、油圧ポンプ52の容量(押しのけ容積)を変化させる。これにより、油圧ポンプ52から吐出される作動油の流量であるポンプ吐出流量Qpが変化する。
ブレーキ弁制御部83は、操作レバー56を通じて旋回モータ20に対する第1旋回操作(左旋回)、第2旋回操作(右旋回)、第1ブレーキ操作(左旋回ブレーキ)および第2ブレーキ操作(右旋回ブレーキ)が入力されることに対応して、ブレーキバルブ60の位置(スプールのストローク量)を切換える。
ブレーキ量演算部84は、操作レバー56に入力される操作量、圧力センサ52Pによって検出されたポンプ吐出圧Ppなどに応じて、旋回モータ20に対するブレーキ圧(ブレーキ量)を演算する。
記憶部85は、ブレーキ状態判定部81、油圧ポンプ制御部82、ブレーキ弁制御部83、ブレーキ量演算部84によって参照される各種のパラメータなどを予め記憶している。
図4および図5は、本実施形態に係るクレーン1の旋回体10がブレーキ動作をうけた場合の図2の油圧回路図の一部を示す図である。なお、図4では、主に、各弁の開閉状態について示し、図5では、主に、各弁における作動油の圧力(差圧)について示している。
<ポンプ吐出圧Ppに応じたブレーキ力の調整について>
図2および図4、図5を参照して、旋回モータ20が所定の方向に回転されている状態において、旋回モータ20にブレーキ指示が発せられた場合の旋回駆動装置100の動作について説明する。前述のように、旋回駆動装置100は、回転速度センサ20S(図2)を備えている。このため、回転速度センサ20Sが検出する旋回モータ20の回転方向と、操作レバー56(図2)が受ける操作方向(操作領域)とが異なる場合、コントローラ80のブレーキ状態判定部81は、旋回モータ20(旋回体10)に対するブレーキ操作が入力されたと判定することができる。
より詳しくは、図2において、旋回体10の旋回動作が停止した状態で、操作レバー56が旋回体10を左方向に旋回させる第1操作領域S1に操作されると、操作レバー56から左旋回指令ライン57Aを介して左旋回パイロットポート53Aに指令信号が出力される。当該指令信号は、コントローラ80のブレーキ状態判定部81にも出力される。そして、コントロールバルブ54が左旋回位置54Aに切換えられる。この際、回転速度センサ20Sが検出する旋回モータ20の回転方向(旋回方向)が左方向の場合、ブレーキ状態判定部81は旋回モータ20が通常の駆動操作(旋回操作)を受けていると判定する。一方、旋回モータ20の回転方向が右方向の場合、ブレーキ状態判定部81は、旋回モータ20がブレーキ操作を受けていると判定する。すなわち、ブレーキ状態判定部81は、操作レバー56が受ける操作の方向と旋回モータ20の回転方向とが逆の場合に、ブレーキ状態(減速状態)と判定する。
上記のようなブレーキ状態判定部81によるブレーキ状態の判定について、ノイズ等により当該判定が振動的となり制御の不安定化を招くことを抑止するために、それぞれの検出値に対する判定閾値にヒステリシスを設けてもよい。具体的に、回転速度センサ20Sを用いた旋回状態の判定においては、旋回モータ20の回転速度0(ゼロ)が閾値とされ、ブレーキ状態判定部81が、回転速度センサ20Sの検出速度と当該閾値とを比較することで、旋回モータ20の回転方向を判定しても良い。また、予め任意の回転速度の閾値が設定され、回転速度センサ20Sの検出速度が当該閾値以下の場合、ブレーキ状態判定部81は中立状態であると判定し、回転速度センサ20Sの検出速度が当該閾値を超えた場合に、ブレーキ状態判定部81は旋回モータ20が所定の方向に回転していると判定しても良い。また、当該閾値は中立状態から回転状態に切り替わる場合と、回転状態から中立状態に切り替わる場合とで異なる値に設定されてもよい。
更に、操作レバー56の操作方向の判定においても、ブレーキ状態判定部81は、操作レバー56の操作量0(ゼロ)を閾値として操作方向を判定しても良いし、予め任意の操作量の閾値が設定され、操作レバー56が受ける操作量が当該閾値以下の範囲では非操作状態であると判定し、操作レバー56が受ける操作量が当該閾値を超えた場合に特定方向に操作されていると判定しても良い。また、当該閾値は非操作状態から操作状態に切り替わる場合と、操作状態から非操作状態に切り替わる場合とで異なる値に設定されてもよい。
なお、旋回体10の通常の旋回動作では、たとえば操作レバー56が中立操作領域SSから第1操作領域S1に操作され旋回体10が左方向に旋回している場合、コントロールバルブ54は左旋回位置54Aに設定され、ブレーキバルブ60は中立ブレーキ位置60Eに設定されている。この状態から旋回体10にブレーキをかけるために、作業者は、操作レバー56を第1操作領域S1から中立操作領域SSを経由して第2操作領域S2に操作する。旋回体10が左方向に旋回している場合、第1供給ライン55Aからモータ第1ポート20Aに作動油が供給され、旋回モータ20のモータ第2ポート20Bから作動油が吐出される。ブレーキ操作の過程において、操作レバー56が一時的に中立操作領域SSに位置すると、コントロールバルブ54は中立位置54Bに設定される。この場合、旋回モータ20から吐出された作動油は、第2供給ライン55Bからブレーキバルブ60の開口E2、コントロールバルブ54の開口B2、B1およびブレーキバルブ60の開口E1を経由して、旋回モータ20のモータ第1ポート20Aに流入する。この際、作動油の一部は、開口B3およびブリードオフライン55Cを経由してタンクに排出されることが可能である。しかしながら、開口B1、B2およびB3の開口面積はブリードオフライン55Cの断面積よりも大きく設定されているため、作動油の圧力損失は小さく、旋回モータ20に大きなブレーキ力が作用することはない。この結果、旋回モータ20は惰性によって回転し続ける。この際、ブレーキバルブ60は、開口面積が最大となる中立ブレーキ位置60Eに設定されているため、旋回モータ20の回転に対するブレーキバルブ60の影響も少ない。以下では、特に言及しない限り、ブレーキバルブ60は中立ブレーキ位置60Eに設定されているとする。
ブレーキ操作の過程において、作業者によって、操作レバー56が中立操作領域SSから第2操作領域S2に更に操作されると、コントロールバルブ54が右旋回位置54Cに設定される。この結果、左方向に旋回されている旋回体10に対するブレーキ動作が実行される。なお、コントロールバルブ54は、中立位置54Bから右旋回位置54Cに徐々に切換る。この際、図2の旋回モータ20と油圧ポンプ52との間の各油路を、図4のようにモデル化することができる。すなわち、図4を参照して、操作レバー56の操作に応じて、コントロールバルブ54の開口B1は閉じていき、開口B2は開口C2に切換る。また、開口B3は開口C3に切換り、開口C1は開いていく。
旋回モータ20から吐出された作動油は、第2供給ライン55Bから開口B2(C2)を通過して油圧ポンプ52の吐出ラインに流入した後、油圧ポンプ52が吐出した作動油と合流する。合流した作動油の一部は、開口B1を通過して第1供給ライン55Aから旋回モータ20に流入する。また、合流した作動油の残りは、開口B3(C3)を通過してブリードオフライン55Cからタンクに排出される。
ここで、図4において、開口B1、B2、B3、C1、E1およびE2における作動油の差圧が、それぞれ、ΔPb1、ΔPb2、ΔPb3、ΔPc1、ΔPE1およびΔPE2(MPa)と定義される(図5参照)。同様に、開口B1、B2、B3、C1、E1およびE2の開口面積が、それぞれ、Ab1、Ab2、Ab3、Ac1、AE1およびAE2(mm)と定義される。また、旋回モータ20の作動油の吐出流量がQm(L/min)と定義され、油圧ポンプ52の作動油の吐出流量がQp(L/min)と定義される。そして、開口B1およびB3を通過する作動油の流量がそれぞれ、Qb1およびQb3(L/min)と定義される。また、第1供給ライン55Aにおいて旋回モータ20に流入する作動油の圧力がP1(MPa)、旋回モータ20から吐出された作動油の圧力がP2(MPa)、ブリードオフライン55Cにおける作動油の圧力がPr(MPa)、圧力センサ52Pによって検出される油圧ポンプ52の吐出圧がPp(MPa)と定義される(図4、図5参照)。図5を参照して、下記の式1、式2が満たされる。
Figure 2018184299
Figure 2018184299
また、開口B1を通過する作動油の流量Qb1は、下記の式3によって導出される。なお、Cvは、作動油の流量係数である。
Figure 2018184299
更に、開口B3を通過する作動油の流量Qb3は、下記の式4によって導出される。ここで、圧力P1、Prは、ブレーキ動作時において圧力P2、Ppと比較して低圧であり、その変動量も小さい。このため、これらの圧力は、予め設定された定数とみなされてもよく、また、ゼロに近似されてもよい。
Figure 2018184299
更に、ブレーキ動作中に、旋回モータ20が吸入する作動油の圧力P1はほぼゼロと仮定することができる。この結果、下記の式5が満たされる。
Figure 2018184299
したがって、旋回モータ20のモータ第1ポート20A側とモータ第2ポート20B側との間の差圧(モータ差圧ΔPm)は、下記の式6のように導かれる。
Figure 2018184299
なお、開口B2の面積Ab2は充分に大きいため、式6において、ΔPb2≒0とみなすことができる。この結果、旋回モータ20にかかるトルク、すなわちブレーキ力Tm(N・m)は、下記の式7のように導かれる。
Figure 2018184299
式6および式7から、ΔPmの値を変化させることによって、旋回モータ20にかかるブレーキ力Tmを制御することが可能となる。ここで、圧力センサ52Pによって測定されるポンプ圧Ppに対し、モータ差圧の目標圧がPt(Pt>Pp)(MPa)と定義されると、ブレーキバルブ60において、下記の式8を満たすΔPE2が生じるように、ブレーキバルブ60の開口(図2、図4では、開口F2)の面積を調整することで、旋回モータ20に対して所望のブレーキ力を与えることができる。
Figure 2018184299
この際、開口F2の面積Ak(mm)は、下記の式9のように導出される。
Figure 2018184299
以上のように、ブレーキバルブ60の開口面積(スプールのストローク量)を調整することによってポンプ吐出圧Ppを目標圧Ptに設定し、旋回モータ20に狙いのブレーキ力を付与することができる。ここで、式9には、旋回モータ20の吐出流量Qmが含まれているため、ブレーキ力に対する旋回モータ20の回転速度の影響を打ち消すように、ブレーキバルブ60の開口面積を設定することができる。なお、ブレーキバルブ60の開口D1の開口面積の導出についても、上記と同様である。
<ブレーキ処理フローについて>
図6は、本実施形態に係るクレーン1の旋回体10がブレーキ動作をうける場合のフローチャートである。図6を参照して、旋回モータ20のブレーキ動作の処理フローについて説明する。クレーン1の使用時に、コントローラ80のブレーキ状態判定部81(図3)は、旋回モータ20のブレーキ状態を判定する(ステップS1)。すなわち、旋回モータ20が左方向(第1方向)に旋回している状態で操作レバー56が第1操作領域S1から中立操作領域SSを経由して第2操作領域S2に至る操作(第1ブレーキ操作)を受けた場合、または、旋回モータ20が右方向(第2方向)に旋回している状態で操作レバー56が第2操作領域S2から操作中間領域SSを経由して第1操作領域S1に至る操作(第2ブレーキ操作)を受けた場合に、ブレーキ状態判定部81は、旋回モータ20がブレーキ状態であると判定する(ステップS1でYES)。
次に、コントローラ80のブレーキ量演算部84が、下記の式10を参照して旋回モータ20の回転速度(回転数N(rpm))から旋回モータ20の吐出流量Qm(L/min)を演算する(ステップS2)。なお、qはモータ容量(cm/rev)であり、ηVは容積効率である。
Figure 2018184299
次に、ブレーキ量演算部84は、ブレーキバルブ60において発生させるブレーキ弁制御圧ΔPk(式8のΔPE2に相当)を算出する(図6のステップS3)。この際、ブレーキ量演算部84は、まず圧力センサ52Pから現在のポンプ吐出圧力Pp(MPa)を取得する。更に、ブレーキ量演算部84は、記憶部85に格納された目標圧Ptを取得する。図7は、操作レバー56の操作量(レバー操作量R)およびモータ回転速度Mと目標圧Ptとの関係を示すグラフである。図7に示されるような目標圧Ptの情報が、記憶部85に予め格納されている。目標圧Ptは操作レバー56の操作量Rおよび旋回モータ20の回転速度M(または回転数N)に応じて設定されている。特に、図7に示すように、旋回モータ20の回転速度が大きいほど、目標圧Ptが大きく設定されているため、旋回モータ20に過剰なブレーキ力がかかることが抑止される。そして、ブレーキ量演算部84は、取得された圧力Pp、目標圧Ptをもとに、前記式8からブレーキバルブ60において発生させるブレーキ弁制御圧ΔPk(式8のΔPE2に相当、差圧)を算出する。
次に、ブレーキ量演算部84は、式9に基づいて、ブレーキバルブ60の開口面積(ブレーキ弁開口面積Ak)を演算する(ステップS4)。この結果、ブレーキ弁制御部83が、第1比例弁71または第2比例弁72(図2)を制御して、ブレーキバルブ60のスプールのストローク量を調整することでブレーキバルブ60の開口面積をブレーキ弁開口面積Akに調整する(ステップS5)。なお、図6のステップS1において、旋回モータ20のブレーキ状態ではないと判定された場合(ステップS1でNO)、ブレーキ弁制御部83はブレーキバルブ60を中立ブレーキ位置60Eに設定する。この結果、ブレーキバルブ60の第1開口部(開口E1)および第2開口部(開口E2)が全開とされる(ステップS6)。
以上のように、本実施形態では、ブレーキ弁制御部83は、油圧ポンプ52とコントロールバルブ54との間の油路における作動油の圧力(ポンプ吐出圧Pp)に対し、旋回モータ20の差圧が、操作レバー56がうける操作量に応じた所定の目標圧Ptとなるように、ブレーキバルブ60の第1開口部(D1、E1、F1)または第2開口部(D2、E2、F2)の開口面積を調整しブレーキバルブ60において作動油に圧力損失を発生させる。この結果、クレーン1の作業中に、旋回モータ20の回転速度に応じて旋回モータ20の吐出流量Qmが変化することや、油圧ポンプ52の吐出流量Qpが変化することがあっても、操作レバー56の操作量に応じて旋回モータ20に所望のブレーキ力を付与することができる。
特に、本実施形態では、ブレーキバルブ60が、右旋回ブレーキ位置60D、左旋回ブレーキ位置60Fおよび中立ブレーキ位置60Eの間で切換ることが可能な流量制御弁からなる。そして、ブレーキ弁制御部83は、操作レバー56がブレーキ操作をうけた場合に、圧力Ppが目標圧Ptとなるようにブレーキバルブ60を右旋回ブレーキ位置60Dまたは左旋回ブレーキ位置60Fに切換える。このため、操作レバー56の操作に応じて、旋回モータ20のブレーキ力をスムーズに調整することが可能となる。なお、ブレーキ弁制御部83は、操作レバー56が第1ブレーキ操作をうけた場合に、旋回モータ20の差圧が目標圧Ptとなるように、ブレーキバルブ60のスプールの中立ブレーキ位置60Eから左旋回ブレーキ位置60Fまでのストローク量を調整し、操作レバー56が第2ブレーキ操作をうけた場合に、旋回モータ20の差圧が目標圧Ptとなるように、ブレーキバルブ60のスプールの中立ブレーキ位置60Eから右旋回ブレーキ位置60Dまでのストローク量を調整する。このような構成によれば、単一のブレーキ弁によって、第1ブレーキ操作および第2ブレーキ操作の両方向のブレーキ力の制御が可能となる。
なお、上記では、図7のように予め記憶部85(図3)に格納された目標圧Ptに応じて旋回モータ20のブレーキ力が調整される態様にて説明したが、作業者によって当該ブレーキ力が好みの大きさに更に調整されてもよい。図8および図9は、それぞれ、旋回駆動装置100において、操作レバー56のレバー操作量Rと目標圧Ptとの関係を示すグラフである。作業者がキャブ12においてブレーキ調整装置90を操作すると、ブレーキ操作時に目標圧Ptの値が補正される。図8では、作業者が、ブレーキ調整装置90をブレーキ力アップ側に調整すると、レバー操作量Rが大きいほど目標圧Ptが増大される。一方、作業者が、ブレーキ調整装置90をブレーキ力ダウン側に調整すると、レバー操作量Rが大きいほど目標圧Ptが減少される。一方、図9では、レバー操作量Rの中央付近において、ブレーキ力を大きく補正することができる。このように補正された目標圧Ptは、図6のステップS3において、参照される(式8)。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図10は、本実施形態に係るクレーン1の旋回駆動装置100の油圧回路図の一部(ブレーキバルブ60A)を示す図であって、図2のブレーキバルブ60の部分に対応している。本実施形態では、第1実施形態と比較して、ブレーキバルブ60Aの制御態様において相違するため、当該相違点について説明する。
本実施形態では、図10に示すように、ブレーキバルブ60Aは電磁切換式の方向切換弁(電磁弁)により構成され、ブレーキバルブ60Aに入力される切換信号に応じて、右旋回ブレーキ位置60D(第1ブレーキ用位置)と、左旋回ブレーキ位置60F(第2ブレーキ用位置)と、中立ブレーキ位置60E(中立ブレーキ用位置)とに切換ることが可能である。
ブレーキバルブ60Aは、右ブレーキソレノイド62Aおよび左ブレーキソレノイド62Bを備えている。右ブレーキソレノイド62Aおよび左ブレーキソレノイド62Bには、コントローラ80のブレーキ弁制御部83(図3)から、右ブレーキ指令ライン74Aおよび左ブレーキ指令ライン74Bを通じて、動作信号が入力される。この結果、操作レバー56がうけるブレーキ操作に応じて、ブレーキバルブ60Aの位置(ストローク)が切換え可能とされる。これにより、ブレーキバルブ60Aの第1開口部および第2開口部を通過する作動油の流量が変化する。このような構成であっても、クレーン1の作業中に、旋回モータ20の回転速度に応じて旋回モータ20の吐出流量Qmが変化することや、油圧ポンプ52の吐出流量Qpが変化することがあっても、操作レバー56の操作量に応じた所望のブレーキ力を旋回モータ20に付与することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図11は、本実施形態に係るクレーン1の旋回駆動装置100の油圧回路図の一部(ブレーキバルブ60B)を示す図であって、図2のブレーキバルブ60の部分に対応している。本実施形態では、第1実施形態と比較して、ブレーキバルブ60Bの構造において相違するため、当該相違点について説明する。
本実施形態では、ブレーキバルブ60Bは、第1可変リリーフ弁76と、第2可変リリーフ弁77と、第1逆止弁78と、第2逆止弁79と、を備える。第1可変リリーフ弁76および第1逆止弁78は、第1供給ライン55Aのうちコントロールバルブ54とモータ第1ポート20Aとの間の部分に互いに並列に配置され、本発明の第1開口部を形成する。一方、第2可変リリーフ弁77および第2逆止弁79は、第2供給ライン55Bのうちコントロールバルブ54とモータ第2ポート20Bとの間の部分に互いに並列に配置され、本発明の第2開口部を形成する。
第1可変リリーフ弁76は、第1供給ライン55Aのうち第1開口部と旋回モータ20のモータ第1ポート20Aとの間の圧力を所定のリリーフ圧以下に保持するように開弁動作を行う。具体的には、第1可変リリーフ弁76は、一次圧がリリーフ圧に達すると開弁することにより、当該一次圧をリリーフ圧以下の圧力に保つとともに、外部からの指令信号の入力によってリリーフ圧を変化させることが可能に構成されている。第1逆止弁78は、コントロールバルブ54からモータ第1ポート20Aへの作動油の流通を許容するとともに、モータ第1ポート20Aからコントロールバルブ54への作動油の流通を遮断する。同様に、第2可変リリーフ弁77は、第2供給ライン55Bのうち第2開口部と旋回モータ20のモータ第2ポート20Bとの間の圧力を所定のリリーフ圧以下に保持するように開弁動作を行う。具体的には、第2可変リリーフ弁77は、一次圧がリリーフ圧に達すると開弁することにより、当該一次圧をリリーフ圧以下の圧力に保つとともに、外部からの指令信号の入力によってリリーフ圧を変化させることが可能に構成されている。また、第2逆止弁79は、コントロールバルブ54からモータ第2ポート20Bへの作動油の流通を許容するとともに、モータ第2ポート20Bからコントロールバルブ54への作動油の流通を遮断する。
本実施形態では、コントローラ80のブレーキ弁制御部83(図3)は、操作レバー56が前記第1ブレーキ操作または前記第2ブレーキ操作をうけた場合に、旋回モータ20の差圧が目標圧Ptとなるように、第1可変リリーフ弁76または第2可変リリーフ弁77のリリーフ圧を調整する。詳しくは、ブレーキ弁制御部83は、操作レバー56が第1ブレーキ操作をうけた場合に第2可変リリーフ弁77のリリーフ圧を調整する一方、操作レバー56が第2ブレーキ操作をうけた場合に第1可変リリーフ弁76のリリーフ圧を調整する。このとき、前述の式8のΔPE2と同じ差圧が、第1可変リリーフ弁76または第2可変リリーフ弁77において形成されればよい。この結果、クレーン1の作業中に、旋回モータ20の回転速度に応じて旋回モータ20の吐出流量Qmが変化することや、油圧ポンプ52の吐出流量Qpが変化することがあっても、操作レバー56の操作量に応じた所望のブレーキ力を旋回モータ20に付与することができる。
なお、本実施形態では、旋回モータ20(旋回体10)が左旋回動作を行う場合には、コントロールバルブ54を通過した作動油は、第1逆止弁78を通じて旋回モータ20に供給される。また、旋回モータ20から吐出された作動油は、第2可変リリーフ弁77を通じてコントロールバルブ54に流入する。この際、ブレーキ弁制御部83は、第2可変リリーフ弁77のリリーフ圧を最小に設定する。右旋回動作の場合も、同様である。すなわち、通常旋回動作時は、第1、第2可変リリーフ弁76、77のリリーフ圧は最小に設定される。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図12は、本実施形態に係るクレーン1の旋回体10がブレーキ動作をうける場合のフローチャートである。本実施形態では、第1実施形態と比較して、ブレーキ動作の処理フローのうち油圧ポンプ52の容量低下制御において相違するため、当該相違点について説明する。
本実施形態では、コントローラ80のブレーキ状態判定部81(図3)が、旋回モータ20がブレーキ状態であると判定すると(ステップS11でYES)、油圧ポンプ制御部82(図3)が、旋回体10を第1方向または第2方向に旋回させる場合(第1旋回操作、第2旋回操作)に比べて油圧ポンプ52のポンプ容量qpを小さくする(ステップS12)。ここで、油圧ポンプ52を駆動するエンジンへの負荷動力Wは、下記の式11によって導かれる。ここで、Npは、油圧ポンプ52の回転数(rpm)である。
Figure 2018184299
したがって、積極的な作動油の供給が不要なブレーキ操作時には、ポンプ容量qpを低下させることで、クレーン1の省エネ化を実現することができる。なお、図12のステップS13からステップS16までは、図6のステップS2からステップS5までと同様である。なお、ステップS11において、ブレーキ状態判定部81が旋回モータ20のブレーキ状態ではないと判定すると、ブレーキバルブ60が中立ブレーキ位置60E(図2)に切換えられ、ブレーキバルブ60の第1開口部および第2開口部が全開とされる(ステップS18)。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態について説明する。図13は、本実施形態に係るクレーン1の旋回体10がブレーキ動作をうける場合のフローチャートであり、図14は図13のステップS24の内容を詳細に示したフローチャートである。本実施形態では、第4実施形態と比較して、ブレーキ動作の処理フローのうち目標圧Ptの設定方法において相違するため、当該相違点を中心に説明する。
上記の第4実施形態では、旋回モータ20のブレーキ動作に際して、油圧ポンプ52のポンプ容量qpが小さく設定されることで、クレーン1の省エネ化が実現される。しかしながら、ポンプ容量qpが小さく設定されると、ブリードオフライン55Cにおける作動油の流量(図5のQb3)が低下する。この結果、ブリードオフライン55Cにおいて発生する作動油の圧力損失が低下することで、圧力Ppが下がり、旋回モータ20に付与されるブレーキ力が低下する。本実施形態では、このブレーキ力の低下を補うように高い目標圧Pt(アシスト目標圧Pta)が設定される。図13のステップS22において、油圧ポンプ制御部82が油圧ポンプ52のポンプ容量qpを低下させると、図6のステップS2と同様に、旋回モータ20の吐出容量Qmが演算された後(ステップS23)、アシスト目標圧Ptaが演算される(ステップS24)。アシスト目標圧Ptaが演算された後、ステップS25からステップS27において、ブレーキバルブ60の開口面積が演算された後、ブレーキバルブ60の開口が調整される。
図14を参照して、アシスト目標圧Ptaの設定フローについて説明する。ここでは、一例として、旋回駆動装置100がブレーキバルブ60を備えない場合であって、ポンプ容量qpが低下されない場合と同等のブレーキ力が旋回モータ20に設定されるための、アシスト目標圧Ptaが演算される。
アシスト目標圧Ptaの演算フローが開始されると(ステップS24)、ブレーキ量演算部84(図3)は、前述の式3に基づいて、旋回モータ20への作動油の戻り流量Qb1を演算する(ステップS241)。この際、式3の圧力P1はゼロとみなされてもよく、不図示の圧力計によって測定されてもよい。また、圧力Ppは、圧力センサ52Pによって測定される。また、開口b1の開口面積Ab1は既知のため、予め記憶部85(図3)に格納されている。
次に、ブレーキ量演算部84は、前述の式4に基づいて、ブリードオフライン55Cにおける作動油の流量Qb3を演算する(ステップS242)。この際、モータ吐出流量Qmは、図13のステップS23において演算されている。また、油圧ポンプ52のポンプ容量qpは、図13のステップS22において低下された後の値が参照される。また、旋回モータ20への戻り流量Qb1は、ステップS241において演算されている。
次に、ブレーキ量演算部84は、基準ブリードオフライン流量Qb3’を演算する(ステップS243)。ここで、基準ブリードオフライン流量Qb3’とは、ステップS22において低下される前のポンプ容量qp’に応じた油圧ポンプ52の吐出流量Qp’に対する、ブリードオフライン55Cに流れる作動油の流量である。基準ブリードオフライン流量Qb3’は、下記の式12によって算出される。
Figure 2018184299
吐出流量Qm、Qb1は、それぞれステップS23およびステップS241の演算結果が参照される。また、式12のQp’は、以下の式13によって算出される。なお、Np(rpm)は油圧ポンプ52の回転数である。
Figure 2018184299
次に、ブレーキ弁制御部83は、アシスト目標圧Ptaを演算する(ステップS244)。当該アシスト目標圧Ptaは、油圧ポンプ52がポンプ容量qp’に設定された場合の開口B3(ブリードオフ開口)において生じる圧力損失に相当する。アシスト目標圧Ptaは、下記の式14によって算出される。
Figure 2018184299
基準ブリードオフライン流量Qb3’は、ステップS243の演算結果が参照される。また、流量係数Cvおよび開口面積Ab3’は、予め記憶部85(図3)に格納されている。また、前述のように、ブリードオフライン55Cの圧力Prは、ゼロとみなされてもよい。
ステップS24(S241〜S244)においてアシスト目標圧Ptaが演算されると、図13のステップS25において、ブレーキバルブ60において発生させる圧力(ブレーキ弁制御圧ΔPk)が演算される。この際、ブレーキ弁制御部83は、下記の式15を用いて上記圧力ΔPkを演算する。
Figure 2018184299
式15においてアシスト目標圧Ptaは、ステップS244の算出結果が参照される。また、圧力Ppは、圧力センサ52Pによって検出される。その後、先の実施形態と同様に、ステップS26、S27においてブレーキバルブ60の開口部の開口面積が演算されるとともに、当該開口部の開度が調整される。
このように、本実施形態では、旋回モータ20のブレーキ動作に際して、油圧ポンプ52のポンプ容量qpの低下に伴うブレーキ力の低下を防止するまたは補うように、アシスト目標圧Ptaが設定されるとともに、ブレーキバルブ60の開口部の開口面積が調整される。このため、クレーン1の省エネ化と操作レバー56の操作量に応じたブレーキ動作とが両立可能とされる。
なお、本実施形態のように油圧ポンプ52のポンプ容量qpの低下に伴うブレーキ力の低下が抑止された後、操作レバー56におけるブレーキ操作が解除されたことがブレーキ状態判定部81によって判定されると、油圧ポンプ制御部82が油圧ポンプ52のポンプ容量qpを復帰(増大)させるとともに、ブレーキ弁制御部83がブレーキバルブ60を中立ブレーキ位置60Eに設定する(ブレーキバルブ60を全開にする)。この際、油圧ポンプ52とブレーキバルブ60との間で応答性の違いがあると、油圧ポンプ52のポンプ容量qpが戻りきる前に、ブレーキバルブ60が全開となり、ブレーキバルブ60におけるブレーキ力が過渡的に低下する可能性がある。したがって、旋回モータ20における減速状態(ブレーキ操作)の判定が解除された場合に、油圧ポンプ52に対する容量増大指令よりも、ブレーキバルブ60の開放動作に所定の遅れ(時間差)を生じさせることが望ましい。
具体的に、操作レバー56が前記第1ブレーキ操作後に第2操作領域S2から中立操作領域SSに至る操作を受けると、ブレーキ状態判定部81は、第1ブレーキ解除操作が実行されたと判定する。同様に、操作レバー56が前記第2ブレーキ操作後に第1操作領域S1から中立操作領域SSに至る操作を受けると、ブレーキ状態判定部81は、第2ブレーキ解除操作が実行されたと判定する。この結果、油圧ポンプ制御部82は、前記第1ブレーキ操作または前記第2ブレーキ操作をうけた場合に小さくされた油圧ポンプ52の容量を大きくするポンプ容量復帰動作を開始する。更に、ブレーキ弁制御部83は、前記第1開口部または前記第2開口部を通過する作動油の流量を調整することでブレーキバルブ60において発生させている作動油の圧力損失を前記ポンプ容量復帰動作の開始から所定の時間(たとえば0.1sec)経過後に消失させるようなブレーキ解除動作を実行する。この際、ブレーキ弁制御部83は、前記ポンプ容量復帰動作の開始から所定の時間経過後に、第1比例弁71または第2比例弁72に対する指令信号を出力する。当該指令信号を出力するまでの時間差は、各機器の応答性のバランスに応じて設定されればよく、たとえば1次遅れ特性に基づいて設定されてもよく、レートリミッタのように時間当たりの変化量を線形に制限する特性に基づいて設定されてもよい。いずれの場合であっても、油圧ポンプ52の容量が復帰され始めてから所定の時間経過後に、ブレーキバルブ60が完全に開放されるような制御が実行される。
このような制御によって、ポンプ容量復帰動作において油圧ポンプ52のポンプ容量qpの増大に所定の時間(応答遅れ)がかかる場合であっても、ポンプ容量qpが増大する前に、ブレーキバルブ60において発生されていた圧力損失が消失することが抑止される、換言すれば、ブレーキバルブ60が全開となることが抑止される。この結果、ブレーキバルブ60のブレーキ圧力が過渡的に低下する現象を防止することができる。なお、ブレーキ状態判定部81は、旋回モータ20の旋回速度の変化に基づいて、ブレーキ操作が解除されたことを判定してもよい。
なお、上記の第4実施形態および第5実施形態では、油圧ポンプ52のポンプ容量qpの低下に伴って旋回体10に対するブレーキ力が低下するが、言い換えれば、旋回体10に対するブレーキ力の設定領域(下限)を広げることが可能となる。したがって、旋回体10に対するブレーキ力を小さく設定することが望まれる場合(図8、図9のブレーキ力ダウン参照)に、油圧ポンプ制御部82が油圧ポンプ52のポンプ容量qpを低下させる制御を行ってもよい。
<第6実施形態>
次に、本発明の第6実施形態について説明する。図15は、本実施形態に係る作業機械の旋回駆動装置の油圧回路図である。図16は、本実施形態に係る作業機械の旋回体がブレーキ動作をうけた場合の図15の旋回駆動装置の油圧回路図の一部を示す図である。図17は、本実施形態に係る作業機械の旋回体がブレーキ動作をうけた場合の図15の旋回駆動装置の油圧回路図の一部を示す図である。なお、図16では、主に、各弁の開閉状態について示し、図17では、主に、各弁における作動油の圧力(差圧)について示している。本実施形態では、第1実施形態と比較して、コントロールバルブ54の構造および図2の圧力センサ52Pが備えられていない点において相違するため、当該相違点を中心に説明する。
先の第1実施形態と同様に、コントロールバルブ54は、本実施形態では電磁切換式の方向切換弁(電磁弁)により構成され、当該コントロールバルブ54に入力される切換信号に応じて左旋回位置54A(第1旋回用位置)、中立位置54B(中立旋回用位置)および右旋回位置54C(第2旋回用位置)の間で切換わるように作動する。コントロールバルブ54は、一対のパイロットポート、すなわち左旋回パイロットポート53Aおよび右旋回パイロットポート53Bを有する。コントロールバルブ54は、左旋回パイロットポート53Aおよび右旋回パイロットポートBのいずれにもパイロット圧が入力されない場合には中立位置54Bに保たれる。コントロールバルブ54は、左旋回パイロットポート53Aにパイロット圧が入力されると左旋回位置54Aに切換えられ、右旋回パイロットポート53Bにパイロット圧が入力されると右旋回位置54Cに切換えられる。そして、コントロールバルブ54は、前記パイロット圧に応じた開口面積で開弁し、作動油の流量を変化させる。
左旋回位置54Aでは、コントロールバルブ54は、油圧ポンプ52から吐出される作動油を第1供給ライン55Aを通じてモータ第1ポート20Aに供給するとともに、モータ第2ポート20Bから排出される作動油をブリードオフライン55Cを通じてタンクに導く油路を形成する。左旋回位置54Aには、開口A1、A2、A3に加えA4が形成されている。右旋回位置54Cでは、コントロールバルブ54は、油圧ポンプ52から吐出される作動油を第2供給ライン55Bを通じてモータ第2ポート20Bに供給するとともに、モータ第1ポート20Aから排出される作動油をブリードオフライン55Cを通じてタンクに導く油路を形成する。右旋回位置54Cには、開口C1、C2、C3に加えC4が形成されている。また、中立位置54Bでは、コントロールバルブ54は、第1供給ライン55Aと第2供給ライン55Bとを互いに連通することでモータ第1ポート20Aとモータ第2ポート20Bとの間で作動油が循環することを許容する。中立位置54Bには、開口B1、B2、B3に加えB4およびB5が形成されている。また、前述のように、本実施形態では、図2の圧力センサ52Pが備えられていない。図16、図17では、圧力Ppが図示されているが、当該圧力Ppは後記の演算のために仮想的に示されているものである。なお、その他の旋回駆動装置100の構造については、図2と同様である。
先の第1実施形態では、コントロールバルブ54が左旋回位置54Aに設定されると、右旋回位置54Cに形成されているC1ラインが閉じられる。同様に、コントロールバルブ54が右旋回位置54Cに設定されると、左旋回位置54Aに形成されているA2ラインが閉じられる。また、コントロールバルブ54が中立位置54Bに設定されると、上記のC1ラインおよびA2ラインが閉じられる。一方、本実施形態では、コントロールバルブ54が左旋回位置54Aに設定されると、A4ラインを通じて上記のC1ラインが開いた状態とされる。同様に、コントロールバルブ54が右旋回位置54Cに設定されると、C4ラインを通じて上記のA2ラインが開いた状態とされる。更に、コントロールバルブ54が中立位置54Bに設定されると、B4およびB5ラインを通じて、上記のC1ラインおよびA2ラインが開いた状態とされる。
また、先の第1実施形態では、式9に示すように、圧力センサ52P(図2)が検出する圧力Ppを用いて、ブレーキバルブ60の開口F2の面積Akが導出された。一方、本実施形態のように圧力センサ52Pが備えられていない場合であっても、ブレーキバルブ60の開口面積を導出することが可能である。以下では、本実施形態において、ブレーキ弁制御部83によって、ブレーキバルブ60の開口F2の面積Akが導出される過程について説明する。
第1実施形態と同様に、操作レバー56が中立操作領域SSから第1操作領域S1に操作され旋回体10が左方向に旋回している場合、コントロールバルブ54は左旋回位置54Aに設定され、ブレーキバルブ60は中立ブレーキ位置60Eに設定されている。この状態から旋回体10にブレーキをかけるために、作業者は、操作レバー56を第1操作領域S1から中立操作領域SSを経由して第2操作領域S2に操作する。ブレーキ操作の過程において、操作レバー56が一時的に中立操作領域SSに位置すると、コントロールバルブ54は中立位置54Bに設定される。この場合、旋回モータ20から吐出された作動油は、第2供給ライン55Bからブレーキバルブ60の開口E2、コントロールバルブ54の開口B2、B1およびブレーキバルブ60の開口E1を経由して、旋回モータ20のモータ第1ポート20Aに流入する。この際、作動油の一部は、開口B5、B3およびブリードオフライン55Cを経由してタンクに排出されることが可能である。そして、旋回モータ20は惰性によって回転し続ける。
ブレーキ操作の過程において、作業者によって、操作レバー56が中立操作領域SSから第2操作領域S2に更に操作されると、コントロールバルブ54が右旋回位置54Cに設定される。この結果、左方向に旋回されている旋回体10に対するブレーキ動作が実行される。なお、コントロールバルブ54は、中立位置54Bから右旋回位置54Cに徐々に切換る。この際、図15の旋回モータ20と油圧ポンプ52との間の各油路を、図16のようにモデル化することができる。すなわち、図16を参照して、操作レバー56の操作に応じて、コントロールバルブ54の開口B1は閉じていき、開口B2は開口C2に切換る。また、開口B3は開口C3に切換り、開口B4は開口C1に切換り、開口B5は開口C4に切換る。
そして、旋回モータ20から吐出された作動油は、第2供給ライン55Bから開口B2(C2)を通過して油圧ポンプ52の吐出ラインに流入した後、油圧ポンプ52が吐出した作動油と合流する。合流した作動油の一部は、開口B1を通過して第1供給ライン55Aから旋回モータ20に流入する。また、合流した作動油の残りは、開口B3(C3)を通過してブリードオフライン55Cからタンクに排出される。なお、本実施形態では、第2供給ライン55Bからコントロールバルブ54に流入した作動油の一部は、開口B5を通じても開口B3に流入することができる。また、コントロールバルブ54が右旋回位置54Cに至ると、前述のように開口B1が閉じられるため、第1供給ライン55Aから旋回モータ20への作動油の流入はやがて遮断される。
図16および図17において、先の図4および図5の各符号に加え、開口C4における作動油の差圧がΔPc4(Mpa)、開口C4の開口面積がAc4(mm)、開口C4を通過する作動油の流量がQc4(L/min)と定義される。また、本実施形態でも、第1供給ライン55Aにおいて旋回モータ20に流入する作動油の圧力がP1(MPa)、旋回モータ20から吐出された作動油の圧力がP2(MPa)、ブリードオフライン55Cにおける作動油の圧力がPr(MPa)、油圧ポンプ52の吐出圧がPp(MPa)と定義される。
図15に示すように、ブレーキ操作の途中で旋回モータ20から吐出された作動油がコントロールバルブ54を通じてタンクに導かれる油路が開いているとする。この場合、図17を参照して、油圧ポンプ52の吐出圧Ppの釣り合いから、下記の式16が満たされる。
Figure 2018184299
ここで、先の第1実施形態と同様に、P1=Pr=0とみなすことができるため、式16は、下記の式17のようにみなすことができる。
Figure 2018184299
ここで、式17の各開口に公知のオリフィスの式を適用すると、下記の式18、式19が導かれる。
Figure 2018184299
Figure 2018184299
なお、式18および式19において、Ab1_newは、開口B1および開口E1を仮想的に一つの開口とみなした合成開口B1_newの開口面積に相当する。この場合、開口面積Ab1_newは、開口面積Ab1、AE1を用いて、下記の式20のように表すことができる。
Figure 2018184299
ここで、開口b1を通過する作動油の流量Qb1は、図17をもとに下記の式21で表すことができる。
Figure 2018184299
すなわち、ポンプ吐出流量Qpから開口B3側に分流する流量Qb3を引いた流量と、旋回モータ20からの戻り流量Qmから開口C4側に分流する流量Qc4を引いた流量とが、それぞれ流量Qb1に含まれる。更に、式20を式19に代入した上で、流量Qb3について整理すると、下記の式22が導かれる。
Figure 2018184299
次に。図17を参照して、タンクから開口C4を経由して圧力P2に至る油路と、タンクから開口B3およびB2を経由して圧力P2に至る油路との圧力バランスから、式23が導かれる。
Figure 2018184299
ここで、先の第1実施形態と同様に、ΔPb2=0と仮定すると、下記の式24が成立する。
Figure 2018184299
ここでも、公知のオリフィスの式を用いて、式24を置換するとともに、流量Qb3について整理すると、式25が導かれる。
Figure 2018184299
式22および式25は、いずれも流量Qb3に関するため、各式の右辺を等号で結ぶと、式26が成立する。
Figure 2018184299
式26を、流量Qc4について解くと、式27が導かれる。
Figure 2018184299
そして、式27を、式22または式25に代入して整理すると、式28が導かれる。
Figure 2018184299
式28において、流量Qpは前述の式13を援用して算出され、流量Qmは式10から算出される。また、各開口面積Ab3、Ac4は既知であり、開口面積Ab1_newは式20から算出される。式28から流量Qb3が算出されると、式19の右辺からΔPb3が算出される。一方、旋回モータ20の差圧ΔPmは、式6、式17に加え、ΔPb2=0とみなすことができるため、下記の式29によって示される。
Figure 2018184299
式29において、モータ差圧ΔPmを任意に設定される目標圧Ptaに置き換え、式29の右辺と左辺とを整理すると、式30が導かれる。
Figure 2018184299
式30において、ΔPb3は前述のように式19、式28から算出されるため、式30で算出される圧力ΔPE2を形成するように、開口E2の面積AE2(=Ak)が設定されればよい。ここで、面積Akは、式31によって算出される。
Figure 2018184299
以上のように、本実施形態では、ブレーキ弁制御部83は、圧力センサ52Pを備えずとも、上記の式を用いた演算によって、旋回モータ20の差圧が、操作レバー56がうける操作量に応じた所定の目標圧Ptとなるように、ブレーキバルブ60の第1開口部(D1、E1、F1)または第2開口部(D2、E2、F2)の開口面積を調整しブレーキバルブ60において作動油に圧力損失を発生させることができる。なお、ブレーキバルブ60の開口E1の開口面積の導出については上記の開口E2の場合と同様である。
更に、本実施形態では、先の第4実施形態と同様に、省エネ化を目的として油圧ポンプ52のポンプ容量qpが低下される。更に、第5実施形態と同様に、ポンプ容量qpが低下されない場合と同等のブレーキ力が旋回モータ20に設定される。この際、圧力センサ52Pを備えずとも、アシスト目標圧Ptaが演算可能とされる。以下に、その導出過程について説明する。
当該過程においても、図15に示すように、ブレーキ操作の途中で旋回モータ20から吐出された作動油がコントロールバルブ54を通じてタンクに導かれる油路が開いているとする。この場合、図17を参照して、油圧ポンプ52の吐出圧Ppの釣り合いから、下記の式32が満たされる。
Figure 2018184299
ここでも、圧力Δpb1’、ΔPE1’、ΔPb3’は、それぞれ油圧ポンプ52のポンプ容量qpが小さく設定される前の状態における開口B1、E1およびB3における差圧に相当する。式32においても、先の第1実施形態と同様に、P1=Pr=0とみなすことができるため、式32から式33が導かれる。
Figure 2018184299
先と同様に、式33に公知のオリフィスの式を適用すると、式34、式35が導かれる。
Figure 2018184299
Figure 2018184299
なお、式35に代入されるAb1_newは式20から算出可能である。この際、式20の開口面積Ae1は、開口E1の最大開口時の面積とされる。ここで、開口B1を通過する作動油の流量Qb1’は、式36から導かれる。
Figure 2018184299
そして、式36を式35に代入し、Qb3’について整理すると、式37が導かれる。
Figure 2018184299
次に、図17を参照して、タンクから開口C4を経由して圧力P2に至る油路と、タンクから開口B3およびB2を経由して圧力P2に至る油路との圧力バランスから、式38が導かれる。
Figure 2018184299
ここで、先の第1実施形態と同様に、ΔPb2’=0と仮定すると、下記の式39が成立する。
Figure 2018184299
ここでも、公知のオリフィスの式を用いて、式39を置換するとともに、流量Qb3’について整理すると、式40が導かれる。
Figure 2018184299
式37および式40は、いずれも流量Qb3’に関するため、各式の右辺を等号で結ぶと、式41が成立する。
Figure 2018184299
式41を、流量Qc4’について解くと、式42が導かれる。
Figure 2018184299
そして、式42を、式37または式40に代入して整理すると、式43が導かれる。
Figure 2018184299
式43においても、流量Qp’は前述の式13から算出され、流量Qmは式10から算出される。また、各開口面積Ab3、Ac4は既知であり、開口面積Ab1_newは式20から算出される。油圧ポンプ52のポンプ容量qpが低減される前に開口B3を流れる作動油の流量Qb3’が式43から算出されると、式35の右辺からΔPb3’が算出される。一方、油圧ポンプ52のポンプ容量qpが低減される前の旋回モータ20の差圧ΔPm’は、式6、式33に加え、ΔPb2=0とみなすことができるため、下記の式44によって示される。
Figure 2018184299
式44において、ΔPE2’は開口E2が最大開口状態における差圧であり、下記の式45によって算出される。
Figure 2018184299
式44によって算出されるΔPm’を目標圧Ptaに置き換えることで、油圧ポンプ52のポンプ容量qpが低減される前の状態と同等のブレーキ力を生成することができる。
以上、本発明の各実施形態に係る旋回駆動装置を備えた作業機械について説明した。なお、本発明はこれらの形態に限定されるものではない。本発明では、以下のような変形実施形態が可能である。
(1)上記の実施形態では、旋回体10が左方向に旋回している状態で、操作レバー56が第1操作領域S1から中立操作領域SSを経由して第2操作領域S2に操作された場合に、旋回体10に対してブレーキ操作が入力されたと判定される態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。旋回体10が左方向に旋回している状態で、操作レバー56が第2操作領域S2に操作されることで、旋回体10に対してブレーキ操作が入力されたと判定されてもよい。また、不図示のセンサによって、コントロールバルブ54につながるパイロットラインの油の流れやソレノイドに対する入力信号が検知されることで、ブレーキ操作の入力が判定されてもよい。
(2)上記の第5実施形態では、アシスト目標圧Ptaが演算される態様にて説明したが、図7のように、アシスト目標圧Ptaは予め記憶部85に記憶されている態様でもよい。
(3)また、上記の第1実施形態では、ブレーキバルブ60が図2に示すように3ポート流量制御弁(電磁比例弁)からなる態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。図11に示される可変リリーフ弁の場合と同様に、第1供給ライン55Aおよび第2供給ライン55Bにそれぞれ流量制御弁が配置される態様でもよい。
(4)また、上記の第5実施形態では、図14のステップS241における、旋回モータ20への作動油の戻り流量Qb1の演算には、式3を用いて行う態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない、戻り流量Qb1の演算には、下記の式46が用いられてもよい。
Figure 2018184299
式46のPta(n−1)は、前回実行されたステップS24において導出されたアシスト目標圧Ptaに相当する((n−1)は1つ前のフローを意味する)。当該アシスト目標圧PtaはステップS24が実行される度に記憶部85に格納され、次のステップS24において式46のPta(n−1)として参照されればよい。
(5)また、上記の第6実施形態では、図15に示されるコントロールバルブ54を含む旋回駆動装置100において、圧力センサ52P(図2)を備えない態様で説明した。ここで、図2に示されるコントロールバルブ54を含む旋回駆動装置100において、圧力センサ52Pを備えずとも、ブレーキバルブ60の開口における開口面積の導出およびアシスト目標圧Ptaの導出が可能である。図2のコントロールバルブ54は、図15のコントロールバルブ54の開口C4が閉じられていることに等しい。
したがって、第6実施形態の式21および式22において流量Qc4が削除されると、式28において開口面積Ac4が削除される。この結果、式29から式31において、同様に、開口面積Akを導出することができる。また、アシスト目標圧Ptaについては、先の第4実施形態および第5実施形態と同じの式に基づいて導出可能である。ただし、圧力センサ52Pが備えられていないため、戻り流量Qb1は、上記の式46によって演算される。
(6)また、上記の第6実施形態の図15に示されるコントロールバルブ54を含む旋回駆動装置100において、圧力センサ52P(図2)が備えられる態様でも、ブレーキバルブ60の開口における開口面積の導出およびアシスト目標圧Ptaの導出が可能である。
この場合、圧力センサ52Pが圧力Ppを検出可能であるため、前述の式16〜式28までが不要となる。そして、圧力センサ52Pによって検出された圧力Ppが式29の差圧ΔPb3に代入されることで、式30、式31において、同様に、開口面積Akを導出することができる。また、アシスト目標圧Ptaについては、上記の第6実施形態と同様に導出可能である。
1 クレーン
10 旋回体
11 走行体(機体)
20 旋回モータ
20A モータ第1ポート(第1ポート)
20B モータ第2ポート(第2ポート)
20S 回転速度センサ
52 油圧ポンプ
52P 圧力センサ(圧力検出部)
53A 左旋回パイロットポート
53B 右旋回パイロットポート
54 コントロールバルブ
54A 左旋回位置(第1旋回用位置)
54B 中立位置(中立旋回用位置)
54C 右旋回位置(第2旋回用位置)
55A 第1供給ライン(第1油路)
55B 第2供給ライン(第2油路)
55C ブリードオフライン(排出用油路)
56 操作レバー(被操作部)
60 ブレーキバルブ
60D 右旋回ブレーキ位置(第1ブレーキ用位置)
60E 中立ブレーキ位置(中立ブレーキ用位置)
60F 左旋回ブレーキ位置(第2ブレーキ用位置)
76 第1可変リリーフ弁
77 第2可変リリーフ弁
78 第1逆止弁
79 第2逆止弁
80 コントローラ
81 ブレーキ状態判定部
82 油圧ポンプ制御部
83 ブレーキ弁制御部(ブレーキ制御部)
84 ブレーキ量演算部
85 記憶部
90 ブレーキ調整装置
100 旋回駆動装置

Claims (8)

  1. 機体と、前記機体の上方に配置される旋回体とを備える作業機械に設けられ、前記機体に対して前記旋回体を相対的に旋回駆動する旋回駆動装置であって、
    前記機体と前記旋回体との間に介在し、前記旋回体を旋回駆動する油圧式の旋回モータであって、当該旋回モータは第1ポートおよび第2ポートを有しており、前記第1ポートを通じて作動油の供給を受けることにより前記旋回体を第1方向に旋回させるとともに前記第2ポートを通じて作動油を排出する一方、前記第2ポートを通じて作動油の供給を受けることにより前記旋回体を第1方向とは反対の第2方向に旋回させるとともに前記第1ポートを通じて作動油を排出する、旋回モータと、
    前記旋回モータに供給されるための作動油を吐出する油圧ポンプと、
    前記油圧ポンプと前記旋回モータの前記第1ポートとを連通する第1油路と、
    前記油圧ポンプと前記旋回モータの前記第2ポートとを連通する第2油路と、
    前記第1油路および前記第2油路に連通可能とされ、作動油をタンクに導く排出用油路と、
    前記旋回体の旋回動作のために操作される被操作部であって、前記旋回体を前記第1方向に旋回させる第1操作領域と、前記旋回体を前記第2方向に旋回させる第2操作領域と、前記第1操作領域と前記第2操作領域との間の中立操作領域とに選択的に操作されることが可能であり、前記第1操作領域および前記第2操作領域における当該被操作部の操作量が可変とされている、被操作部と、
    前記油圧ポンプと前記旋回モータとの間に介在するコントロールバルブであって、前記油圧ポンプから吐出される作動油を前記第1油路を通じて前記第1ポートに供給するとともに前記第2ポートから排出される作動油を前記排出用油路を通じてタンクに導く油路を形成する第1旋回用位置と、前記油圧ポンプから吐出される作動油を前記第2油路を通じて前記第2ポートに供給するとともに前記第1ポートから排出される作動油を前記排出用油路を通じてタンクに導く油路を形成する第2旋回用位置と、前記第1油路と前記第2油路とを互いに連通することで前記第1ポートと前記第2ポートとの間で作動油が循環することを許容する中立旋回用位置とに切換わることが可能であるコントロールバルブと、
    前記旋回モータと前記コントロールバルブとの間に介在するブレーキバルブであって、前記第1油路における作動油の流通を許容する第1開口部および前記第2油路における作動油の流通を許容する第2開口部をそれぞれ形成し、前記第1開口部および前記第2開口部を通過する作動油の流量をそれぞれ変化させるように作動するブレーキバルブと、
    前記旋回体が前記第1方向に旋回している状態で前記被操作部が前記第1操作領域から前記中立操作領域を経由して前記第2操作領域に至る第1ブレーキ操作を受けた場合に、前記旋回モータの差圧が、前記被操作部がうける操作量に応じた所定の目標圧となるように、前記第2開口部を通過する作動油の流量を調整し前記ブレーキバルブにおいて作動油に圧力損失を発生させる一方、前記旋回体が前記第2方向に旋回している状態で前記被操作部が前記第2操作領域から前記操作中間領域を経由して前記第1操作領域に至る第2ブレーキ操作を受けた場合に、前記旋回モータの差圧が、前記被操作部がうける操作量に応じた所定の目標圧となるように、前記第1開口部を通過する作動油の流量を調整し前記ブレーキバルブにおいて作動油に圧力損失を発生させる、ブレーキ制御部と、を備える、旋回駆動装置。
  2. 前記ブレーキバルブは、前記第1開口部および前記第2開口部における作動油の流量をそれぞれ調整可能な少なくとも1つの流量制御弁を有し、
    前記ブレーキ制御部は、前記被操作部が前記第1ブレーキ操作または前記第2ブレーキ操作をうけた場合に、前記旋回モータの差圧が前記目標圧となるように、前記流量制御弁を制御して前記第1開口部または前記第2開口部を通過する作動油の流量を調整する、請求項1に記載の旋回駆動装置。
  3. 前記少なくとも一つの流量制御弁は、移動可能なスプールを有する流量制御弁であって、
    前記スプールは、
    前記第1開口部および前記第2開口部の開口面積をそれぞれ最大の面積に設定し、作動油が前記第1開口部および前記第2開口部を流通することを許容する中立ブレーキ用位置と、
    前記第1開口部の開口面積を前記最大の面積よりも小さく設定し、作動油が前記第1開口部および前記第2開口部を流通することを許容する第1ブレーキ用位置と、
    前記第2開口部の開口面積を前記最大の面積よりも小さく設定し、作動油が前記第1開口部および前記第2開口部を流通することを許容する第2ブレーキ用位置と、の間で移動することが可能であって、前記ブレーキバルブは、前記スプールのストローク量に応じて、前記第1開口部および前記第2開口部を通過する作動油の流量を調整することが可能であり、
    前記ブレーキ制御部は、
    前記旋回体の旋回動作が停止した状態で、前記被操作部が前記中立操作領域から前記第1操作領域に至る第1旋回操作または前記中立操作領域から前記第2操作領域に至る第2旋回操作をうけた場合に、前記流量制御弁の前記スプールを前記中立ブレーキ用位置に設定し、
    前記被操作部が前記第1ブレーキ操作をうけた場合に、前記旋回モータの差圧が前記目標圧となるように、前記流量制御弁の前記スプールの前記中立ブレーキ用位置から前記第2ブレーキ用位置までのストローク量を調整し、前記被操作部が前記第2ブレーキ操作をうけた場合に、前記旋回モータの差圧が前記目標圧となるように、前記流量制御弁の前記スプールの前記中立ブレーキ用位置から前記第1ブレーキ用位置までのストローク量を調整する、請求項2に記載の旋回駆動装置。
  4. 前記ブレーキバルブは、
    前記第1油路のうち前記コントロールバルブと前記第1ポートとの間の部分において前記第1開口部を形成するように配置され、前記コントロールバルブから前記第1ポートへの作動油の流通を許容するとともに、前記第1ポートから前記コントロールバルブへの作動油の流通を遮断する、第1逆止弁と、
    前記第1油路のうち前記コントロールバルブと前記第1ポートとの間の部分において前記第1開口部を形成するように前記第1逆止弁と並列に配置され、前記第1油路のうち当該第1開口部と前記第1ポートとの間の圧力を所定のリリーフ圧以下に保持するように開弁動作を行う、第1可変リリーフ弁と、
    前記第2油路のうち前記コントロールバルブと前記第2ポートとの間の部分において前記第2開口部を形成するように配置され、前記コントロールバルブから前記第2ポートへの作動油の流通を許容するとともに、前記第2ポートから前記コントロールバルブへの作動油の流通を遮断する、第2逆止弁と、
    前記第2油路のうち前記コントロールバルブと前記第2ポートとの間の部分において前記第2開口部を形成するように前記第2逆止弁と並列に配置され、前記第2油路のうち当該第2開口部と前記第2ポートとの間の圧力を所定のリリーフ圧以下に保持するように開弁動作を行う、第2可変リリーフ弁と、
    を有し、
    前記ブレーキ制御部は、前記被操作部が前記第1ブレーキ操作をうけた場合に、前記旋回モータの差圧が前記目標圧となるように、前記第2可変リリーフ弁のリリーフ圧を調整する一方、前記被操作部が前記第2ブレーキ操作をうけた場合に、前記旋回モータの差圧が前記目標圧となるように、前記第1可変リリーフ弁のリリーフ圧を調整する、請求項1に記載の旋回駆動装置。
  5. 前記油圧ポンプは、可変容量型油圧ポンプであって、
    前記被操作部が前記第1ブレーキ操作または前記第2ブレーキ操作をうけた場合、前記旋回体を前記第1方向または前記第2方向に旋回させる場合に比べて前記油圧ポンプの容量を小さくするポンプ制御部を更に備える、請求項1乃至4の何れか1項に記載の旋回駆動装置。
  6. 前記ブレーキ制御部は、前記油圧ポンプの容量の低下に伴う前記旋回モータに対するブレーキ力の低下を補うように、前記目標圧を設定する、請求項5に記載の旋回駆動装置。
  7. 前記ブレーキ制御部は、前記被操作部が前記第1ブレーキ操作後に前記第2操作領域から前記中立操作領域に至る第1ブレーキ解除操作を受けると、または、前記被操作部が前記第2ブレーキ操作後に前記第1操作領域から前記中立操作領域に至る第2ブレーキ解除操作を受けると、前記第1ブレーキ操作または前記第2ブレーキ操作をうけた場合に小さくされた前記油圧ポンプの容量を大きくするポンプ容量復帰動作を開始するとともに、前記第1開口部または前記第2開口部を通過する作動油の流量を調整することで前記ブレーキバルブにおいて発生させている前記作動油の圧力損失を前記ポンプ容量復帰動作の開始から所定の時間経過後に消失させるようなブレーキ解除動作を実行する、請求項5または6に記載の旋回駆動装置。
  8. 機体と、
    前記機体の上方に配置される旋回体と、
    請求項1乃至7の何れか1項に記載の旋回駆動装置と、
    を備える、作業機械。
JP2018081327A 2017-04-24 2018-04-20 旋回駆動装置、およびこれを備えた作業機械 Pending JP2018184299A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7444672B2 (ja) 2020-03-26 2024-03-06 住友重機械建機クレーン株式会社 クレーン

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