JP5669264B2 - 作業用油圧制御装置 - Google Patents

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本発明は、油圧アクチュエータの動作を制御する作業用油圧制御装置に関する。
例えば特許文献1に記載のように、油圧アクチュエータを駆動させる作業用油圧制御装置がある。この作業用油圧制御装置では、自重落下方向に負荷が動くように油圧アクチュエータを駆動させる場合がある。特許文献1には、巻き下げ方向に吊荷(負荷)が動くように油圧モータ(油圧アクチュエータ)を駆動させる、巻き下げ操作用油圧回路が記載されている。
この作業用油圧制御装置では、吊荷の巻き下げ時にキャビテーションが生じるおそれがある。さらに詳しくは、吊荷の巻き下げ時には吊荷の自重により油圧モータの回転速度が増速する場合がある。この増速により、油圧ポンプから油圧モータへの供給流量を油圧モータの吸収流量が超える場合がある。この場合、油圧モータの作動油供給側の油路(メータイン油路)の圧力(メータイン圧)が低下し、メータイン油路内でキャビテーションが発生するおそれがある。このキャビテーションにより、油圧モータが失速して(油圧モータにブレーキ力が発生せず)吊荷が落下するおそれがある。
メータイン油路でのキャビテーションの抑制を図るため、油圧モータの作動油吐出側の油路(メータアウト油路)に外部パイロット式カウンタバランス弁(以下、単に「カウンタバランス弁」という)を設けた技術がある(特許文献1の図1のカウンタバランス弁11)。さらに詳しくは、カウンタバランス弁は、メータイン圧をパイロット圧として導入するとともに、バネ等により設定圧P1が設定されている。カウンタバランス弁は、メータイン圧が設定圧P1より大きくなると弁開度が開き、メータイン圧が設定圧P1より小さくなると弁開度が閉じる。弁開度が閉じると、メータアウト油路が絞られ、油圧モータにブレーキ力が発生して油圧モータが減速し、油圧モータの吸収流量が抑制される。このように、カウンタバランス弁によりメータイン圧が設定圧P1以下とならないように制御される。その結果、メータイン油路でのキャビテーションが抑制される。
なお、特許文献2には、メータアウト油路からメータイン油路へ作動油を戻すための再生回路が記載されている(詳細は後述)。
特開2000−310201号公報 特開平10−2670007号公報
図16に従来の作業用油圧制御装置701を示す。上述した外部パイロット式カウンタバランス弁784は、計測点(メータイン油路30上)と制御点(メータアウト油路40上)とが異なるという不安定な制御方式をとっている。その結果、油圧モータ13の回転速度がハンチングしやすい。
さらに詳しくは、時刻T0において、操作レバー16を中立位置から巻き下げ位置に操作したとする。この操作に応じて、方向切り替え弁20から油圧モータ13に供給される作動油が増加し、メータイン油路30のメータイン圧が増加する。この圧力の増加を検出したカウンタバランス弁784は、弁が閉じた状態から開いた状態に移行する。しかし、カウンタバランス弁784は、メータイン圧の計測点(メータイン油路30上)と弁の制御点(メータアウト油路40上)とで位置が異なる制御方式、すなわち制御理論上コロケーション(Co-location)がとれていない制御方式(本質的に不安定な制御方式)をとっている。計測点と制御点とが異なるので、メータイン圧の変化と、カウンタバランス弁784の弁の作動時期とにずれが生じやすい。このずれにより、図17(a)に示すようにカウンタバランス弁784の弁開度は開閉を繰り返し、図17(b)に示すようにメータイン圧も振動する。その結果、油圧モータ13(図16参照)の回転速度が振動する(ハンチングする)おそれがある。
図16に示すように、上述したハンチングの問題を抑制するために、カウンタバランス弁784のパイロットライン785に絞り786を設けた技術がある。この絞り786により、メータイン圧が増加したときにカウンタバランス弁784が徐々に開く(弁の応答を緩やかにしている、弁が閉じた状態から開いた状態へ動作する方向に減衰を与えている)(図18(a)参照)。
上記の絞り786を設けた技術では、カウンタバランス弁784が適切な弁開度A1になるまで、カウンタバランス弁784による絞り抵抗が発生する。よって、図18(b)に示すようにメータイン油路30に不要なブースト圧(図18(b)の斜線部参照)が発生して燃費が悪化する問題がある。
また、特許文献1には、上述したハンチングの問題を抑制するために、流量調整弁(特許文献1の図1の符号18参照)を設けた技術が記載されている。この流量調整弁は、メータイン油路とメータアウト油路との差圧が小さくなる方向にメータイン油路の流量を制御するものである。
特許文献1に記載の技術には、吊荷(負荷)の質量によって油圧モータの動作速度(巻き下げ速度)が変化するという問題がある。
さらに詳しくは、一般に作業用油圧制御装置で負荷を巻き下げるときには、負荷の質量に見合った保持圧がメータアウト油路に発生する。この保持圧は、軽負荷の場合に比べて高負荷の場合に高くなる。特許文献1に記載の技術では、この保持圧が高くなるほど、上述した流量調整弁の弁開度が開く方向に動作する。流量調整弁の弁開度が開くと、メータイン油路の流量(メータイン流量)が増加し、油圧モータの動作速度が増加する。すなわち、重負荷の場合は軽負荷の場合よりも巻き下げ速度が大きくなる。したがって、同じレバー操作量にもかかわらず、負荷の大小によって油圧モータの動作速度が変わるので、操作性が悪くなる。
また、特許文献2には再生回路が記載されている(特許文献2の例えば図5)。この回路は、メータアウト油路に設けられた絞り、及び、この絞りの上流とメータイン油路とを連通する再生油路を備える。そして、メータアウト油路の流量(メータアウト流量)を再生油路を介してメータイン油路に戻すことで、油圧アクチュエータの(アタッチメントの)増速を図っている。
特許文献2に記載の再生回路を、例えば油圧モータで吊荷を巻き下げ操作するような(特許文献1に記載のような)回路に適用すると、吊荷の重量が増加するにしたがって再生油路の流量(再生流量)が増加する。よって、吊荷が重いほど巻き下げ速度が増速し、安全性や操作性が損なわれる問題がある。なお、特許文献2に記載の技術では、メータイン油路の最低圧を補償していない。よって、メータイン油路でキャビテーションが発生し、油圧モータが失速して吊荷が落下する問題がある。
そこで本発明は、メータイン油路でのキャビテーションを抑制でき、かつ、油圧アクチュエータの回転速度のハンチングを抑制でき、かつ、ハンチングを抑制するための応答性の悪化および燃費の悪化を抑制でき、かつ、負荷の重量に応じて油圧アクチュエータの速度が変わることを抑制できる作業用油圧制御装置を提供することを目的とする。
本発明の作業用油圧制御装置は、油圧ポンプと、前記油圧ポンプから供給される圧油により駆動されて負荷を動かす油圧アクチュエータと、前記油圧アクチュエータの動作速度を操作する操作手段と、を備え、自重落下方向に前記負荷が動くように前記油圧アクチュエータを駆動させる。この作業用油圧制御装置は、前記油圧アクチュエータのメータイン油路の流量を制御するメータイン流量制御手段と、前記油圧アクチュエータのメータアウト油路に設けられ、前記操作手段の操作量に応じて開度が変わるメータアウト絞りと、前記メータアウト絞りの前後差圧を検出し当該前後差圧を一定の設定差圧に保持するように前記メータアウト油路の流量を制御するメータアウトフロコンと、前記メータアウト絞りの下流側かつ前記メータアウトフロコンの下流側に設けられた弁であって当該弁の上流側に設定背圧を発生させる背圧弁と、前記背圧弁の上流側で前記メータアウト油路から分岐するとともに前記メータイン油路に合流する再生油路と、前記再生油路に設けられ前記メータアウト油路から前記メータイン油路に流れる方向のみに圧油を通すチェック弁と、を備える。前記メータイン流量制御手段は、前記メータイン油路のうち前記再生油路との合流点の上流側のメータイン流量を制御する。前記メータアウトフロコンは、前記メータアウト油路のうち前記再生油路との分岐点の上流側のメータアウト流量を制御する。そして、前記メータアウト流量が前記メータイン流量より大きくなるように制御される。
本発明では、メータイン油路でのキャビテーションを抑制でき、かつ、油圧アクチュエータの回転速度のハンチングを抑制でき、かつ、ハンチングを抑制するための応答性の悪化および燃費の悪化を抑制でき、かつ、負荷の重量に応じて油圧アクチュエータの速度が変わることを抑制できる。
第1実施形態の作業用油圧制御装置を示す油圧回路図である。 図1に示す作業用油圧制御装置の巻き下げ時における油圧回路図である。 メータイン絞り61及びメータアウト絞り71の開口面積とレバー操作量との関係を示すグラフである。 メータイン流量およびメータアウト流量とレバー操作量との関係を示すグラフである。 図1に示すブリードオフ絞り21a及びメータイン絞り61の開口面積とレバー操作量との関係を示すグラフである。 メータイン圧と時間との関係を示すグラフである。 燃料消費量と時間との関係を示すグラフである。 第2実施形態の図1相当図である。 図8に示す方向切り替え弁20及びメータアウト弁271の開口面積とレバー操作量との関係を示すグラフである。 第3実施形態および第6実施形態の図1相当図である。 図10に示す背圧弁81の設定背圧とメータイン圧との関係を示すグラフである。 第4実施形態の図1相当図である。 図12に示す電磁減圧弁493の2次圧と巻き下げパイロット圧との関係を示すグラフである。 図13に示す関係の変形例である。 第5実施形態の図1相当図である。 従来の作業用油圧制御装置を示す油圧回路図である。 図16に示す従来の作業用油圧制御装置でのハンチングの説明図である。 図16に示す従来の作業用油圧制御装置でのブースト圧等の説明図である。
(第1実施形態)
図1〜図7を参照して第1実施形態の作業用油圧制御装置1を説明する。
作業用油圧制御装置1は、図1に示すように、油圧モータ13(油圧アクチュエータ)を駆動させる装置である。作業用油圧制御装置1は、自重落下方向に吊荷15(負荷)が動くように(巻き下げ方向に)油圧モータ13を駆動させる、または、自重落下方向とは逆向きに吊荷15が動くように(巻き上げ方向に)油圧モータ13を駆動させる装置である。作業用油圧制御装置1は、クレーン等の作業機械に設けられる。作業用油圧制御装置1は、エンジン11(動力源)と、エンジン11により駆動される油圧ポンプ12と、油圧ポンプ12から供給される圧油により駆動される油圧モータ13と、油圧ポンプ12と油圧モータ13との間に設けられた方向切り替え弁20と、方向切り替え弁20に接続されたリモコン弁17と、リモコン弁17に接続された操作レバー16とを備える。また、図1及び図2に示すように、作業用油圧制御装置1は、油圧モータ13のメータイン油路30とメータアウト油路40とを連通する再生油路50と、メータイン油路30に設けられたメータイン絞り61及びメータインフロコン62(メータイン流量制御手段)と、メータアウト油路40に設けられたメータアウト絞り71、メータアウトフロコン72、及び背圧弁81とを備える。
エンジン11(動力源)は、図1に示すように、油圧ポンプ12の動力源である。油圧ポンプ12の動力源は例えば電動機などでも良い。
油圧ポンプ12は、方向切り替え弁20を介して油圧モータ13に圧油を供給する。油圧ポンプ12は、例えば可変容量式である。
油圧モータ13(油圧アクチュエータ)は、油圧ポンプ12から供給される圧油により駆動されて吊荷15(負荷)を動かす。油圧モータ13にはウインチドラム14が連結される。ウインチドラム14に巻かれたケーブルにより吊荷15が吊り下げられる。そして、油圧モータ13が駆動すると、ウインチドラム14が駆動され、ケーブルを介して吊荷15が上下に動く。
なお、前記「油圧アクチュエータ」は油圧シリンダでも良い。また前記「負荷」は吊荷15である必要はない。具体的には例えば、作業用油圧制御装置1は、ブーム等のアタッチメント(負荷)(図示なし)を油圧シリンダ(図示なし)により駆動する装置等でも良い。この場合、油圧シリンダはアタッチメントを、自重下げ方向に下げる、または、その逆方向に上げる。
操作レバー16(操作手段)は、油圧モータ13の動作速度(回転の向き及び大きさ)を操作(指示)する手段である。操作レバー16は、作業用油圧制御装置1の操作者に操作されるレバーである。
リモコン弁17は、操作レバー16のレバー操作量(操作量)に応じてパイロット圧を発生させる。リモコン弁17は、巻き上げパイロットライン27及び巻き下げパイロットライン28を介して、方向切り替え弁20のパイロット油室にパイロット圧を作用させる。
方向切り替え弁20は、油圧ポンプ12から油圧モータ13へ流れる圧油の方向を切り替える弁である。方向切り替え弁20は、油圧ポンプ12から油圧モータ13へ流れる圧油の流量を、操作レバー16のレバー操作量に応じて(パイロット圧に応じて)制御する弁(メインスプール)である。方向切り替え弁20は、油圧ポンプ12と油圧モータ13(入口側)との間、かつ、油圧モータ13(出口側)とタンクTa1との間に配置される。方向切り替え弁20は、ブリードオフ流路26を介してタンクTa2に接続される。
この方向切り替え弁20は、3種類の切り替え位置(ポジション)を備える。方向切り替え弁20は、中立位置21と、巻き上げ位置22と、巻き下げ位置23とを備える。
ここで、油圧ポンプ12と方向切り替え弁20とをつなぐ配管を配管31、方向切り替え弁20と合流点52(後述)とをつなぐ配管を配管32、及び、合流点52と油圧モータ13とをつなぐ配管を配管33とする。また、油圧モータ13と方向切り替え弁20とをつなぐ配管を配管41、方向切り替え弁20と分岐点51(後述)とをつなぐ配管を配管42、及び、分岐点51とタンクTa1とをつなぐ配管を配管43とする。
中立位置21は、油圧モータ13を駆動させないときの切り替え位置である。操作レバー16が中立(レバー操作量がゼロ)のときに方向切り替え弁20は中立位置21となる。このときは、油圧ポンプ12と油圧モータ13とをつなぐ配管31と配管32とが遮断される。また、このときは、油圧ポンプ12から方向切り替え弁20へ流入した圧油がブリードオフ流路26を介してタンクTa2へ戻る。
巻き上げ位置22は、吊荷15を巻き上げる方向に油圧モータ13を駆動させるときの切り替え位置である。操作レバー16に巻き上げレバー操作が与えられると、リモコン弁17は巻き上げパイロットライン27にパイロット圧を発生させ、方向切り替え弁20の切り替え位置は巻き上げ位置22となる。このときは、油圧ポンプ12から吐出された圧油は配管31及び41を介して油圧モータ13に供給され、油圧モータ13は巻き上げ方向に駆動される。油圧モータ13から吐出された圧油は、配管33、32、42、及び43を介してタンクTa1に戻る。
巻き下げ位置23は、吊荷15を巻き下げる方向に油圧モータ13を駆動させるときの切り替え位置である。操作レバー16に巻き下げレバー操作が与えられると、リモコン弁17は巻き下げパイロットライン28にパイロット圧を発生させ、方向切り替え弁20の切り替え位置は巻き下げ位置23となる。このときは、油圧ポンプ12から吐出された圧油は配管31、32、及び33を介して油圧モータ13に供給され、油圧モータ13は巻き下げ方向に駆動される。油圧モータ13から吐出された圧油は、配管41、42及び43を介してタンクTa1に戻る。
また、方向切り替え弁20は、操作レバー16のレバー操作量に応じて弁開度が変化する絞りの機能を持つ。さらに詳しくは、操作レバー16のレバー操作量が大きいほど、方向切り替え弁20の中立位置21からの変化量(スプールのストローク量)が大きくなる。この変化量が大きいほど、油圧ポンプ12から配管32(巻き下げ時)又は配管41(巻き上げ時)に供給される圧油の流量が増え、油圧モータ13の回転速度が大きくなる。また、この変化量が大きいほど、ブリードオフ流路26を介してタンクTa2へ戻る圧油の流量が減る。
ここで、方向切り替え弁20が巻き下げ位置23のときの、油圧ポンプ12から油圧モータ13への圧油供給側の油路を「メータイン油路30」とする。具体的には、メータイン油路30は、配管31、方向切り替え弁20の巻き下げ位置23内の油路、配管32、及び配管33で構成される。また、方向切り替え弁20が巻き下げ位置23のときの油圧モータ13からタンクTa1への圧油吐出側の油路を「メータアウト油路40」とする。具体的には、メータアウト油路40は、配管41、方向切り替え弁20の巻き下げ位置23内の油路、配管42、及び配管43で構成される。以下では、方向切り替え弁20が巻き下げ位置23であることを前提として説明する(後述する第2実施形態以降を除く)。
また、上述したように方向切り替え弁20は絞りの機能を持つ。すなわち、方向切り替え弁20は巻き下げ位置23内に、メータイン絞り61(後述)、メータアウト絞り71(後述)、及びブリードオフ絞り21aを備える。ブリードオフ絞り21aは、油圧ポンプ12から吐出された流量のうち、ブリードオフ流路26を介してタンクTa2にバイパスさせる流量を制御する絞りである。
再生油路50は、図2に示すように、背圧弁81(後述)の上流側の分岐点51でメータアウト油路40から分岐するとともに、合流点52でメータイン油路30に合流する油路である。
チェック弁53は、再生油路50に設けられ、メータアウト油路40(分岐点51)からメータイン油路30(合流点52)に流れる方向のみに作動油を通す弁である。チェック弁53は、油圧モータ13を通らずにメータイン油路30からメータアウト油路40へ圧油が流れることを防ぐ。
(メータイン側)
メータイン絞り61は、メータイン油路30に設けられた絞りであり、操作レバー16(図1参照)のレバー操作量に応じて弁開度(開度)が変わる。なお、メータイン絞り61は、方向切り替え弁20(図1参照)とは別個に設けても良い。
メータインフロコン62(メータイン流量制御手段)は、図2に示すように、メータイン絞り61の前後差圧(上流側と下流側との差圧)を検出する。メータインフロコン62は、この前後差圧を一定の設定差圧ΔPmiに保持するように、メータイン油路30の流量を制御する。メータインフロコン62は、メータイン油路30のうち再生油路50との合流点52の上流側のメータイン流量Qmiを制御する。
さらに詳しくは、メータインフロコン62は、合流点52より上流側に設けられる。メータインフロコン62は、メータイン絞り61の例えば上流側(下流側でも良い)の配管31に設けられ、メータイン油路30に対して例えば並列に(直列でも良い)設けられる。メータインフロコン62には、メータイン絞り61の上流側および下流側からパイロットライン63及び64を介してパイロット圧が導入される。メータインフロコン62の設定差圧ΔPmiは例えばバネ力によって設定される。メータインフロコン62は、検出した前後差圧が設定差圧ΔPmiと一致するように弁開度を制御する。メータインフロコン62は、検出した前後差圧が大きくなろうとするとメータイン流量Qmiを減らす(タンクTa3へ戻る流量を増やし)。メータインフロコン62は、前記前後差圧が小さくなろうとするとメータイン流量Qmiを増やす(タンクTa3へ戻る流量を減らす)。
(メータアウト側)
メータアウト絞り71は、油圧モータ13のメータアウト油路40に設けられ、操作レバー16(図1参照)のレバー操作量に応じて弁開度(開度)が変わる。なお、メータアウト絞り71は、方向切り替え弁20(図1参照)とは別個に設けても良い。
メータアウトフロコン72は、図2に示すように、メータアウト絞り71の前後差圧を検出して、この前後差圧を一定の設定差圧ΔPmoに保持するようにメータアウト油路40の流量を制御する。メータアウトフロコン72は、メータアウト油路40のうち再生油路50との分岐点51の上流側のメータアウト流量Qmoを制御する。
さらに詳しくは、メータアウトフロコン72は、分岐点51より上流側に設けられる。メータアウトフロコン72は、メータアウト絞り71の例えば下流側(上流側でも良い)に設けられ、メータアウト油路40に対して例えば直列に(並列でも良い)設けられる。メータアウトフロコン72には、メータアウト絞り71の上流側および下流側からパイロットライン73及び74を介してパイロット圧が導入される。メータアウトフロコン72の設定差圧ΔPmoは例えばバネ力によって設定される。メータアウトフロコン72は、検出した前後差圧が設定差圧ΔPmoと一致するように弁開度を制御する。メータアウトフロコン72は、検出した前後差圧が大きくなろうとするとメータアウト流量Qmoを減らし(弁開度を閉じ)、前記前後差圧が小さくなろうとするとメータアウト流量Qmoを増やす(弁開度を開く)。
背圧弁81は、メータアウト絞り71の下流側かつメータアウトフロコン72の下流側に設けられた弁であり、背圧弁81上流側に設定背圧Pbk(例えば一定の圧力P1)を発生させる。背圧弁81の設定背圧Pbkは、例えばバネ力により設定され、従来の外部パイロット式カウンタバランス弁784(図16参照)の設定圧P1と同程度(約1MPaなど)とする。背圧弁81は例えばリリーフ弁と同じ構造の弁である。背圧弁81がリリーフ弁と同じ構造の場合、背圧弁81上流側の圧力が設定背圧Pbk未満のときは背圧弁81は弁開度(開度)を閉じ、検出した圧力が設定背圧Pbkより大きいときは背圧弁81は弁開度を開く。
この背圧弁81はリリーフ弁と同じ構造である必要はない。背圧弁81は、例えば操作レバー16(図1参照)のレバー操作量の増加に応じて弁開度(絞り開度)が次第に増加するような絞りでも良い。この場合、背圧弁81の開口面積Abkを[数1]のように設定する。なお、Cvは流量係数、ΔPbkは背圧弁81の設定背圧PbkとタンクTa1の圧力(大気圧など)との差圧、Qbkは背圧弁81での通過流量である。流量Qbkは、リーク分(油圧モータ13等での圧油の漏れ)を無視すれば、流量バランスよりメータイン流量Qmiと一致する。
Figure 0005669264
(作業用油圧制御装置1の動作)
次に、作業用油圧制御装置1の動作を説明する。この動作の概略は以下の通りである。作業用油圧制御装置1は、従来の外部パイロット式カウンタバランス弁784(図16参照)と同様の機能を備える。すなわち、メータイン油路30でのキャビテーションを防止するために、メータイン油路30のメータイン圧Pmi(メータイン絞り61より下流の圧力、油圧モータ13入口の圧力、配管32及び33の圧力)が所定の圧力未満にならないように制御される。そのために作業用油圧制御装置1は次の(1)〜(4)のように動作する。(1)背圧弁81上流側の圧力を設定背圧Pbk(=圧力P1)とする(圧力を立てる)。(2)メータアウト流量Qmoがメータイン流量Qmiより多くなるように制御する。(3)メータアウト油路40からメータイン油路30へ再生油路50を介して圧油が流れる。(4)メータイン圧Pmiは背圧弁81の設定背圧Pbkが確保される(背圧弁81で立てた圧力がメータイン油路30に乗る)。以下、詳細に説明する。
(流量の条件およびメータイン圧の確保)
メータアウト流量Qmoはメータイン流量Qmiより大きくなるように制御される。すなわち、Qmo>Qmiとなるように、メータアウトフロコン72及びメータインフロコン62を制御する(具体的な動作は後述)。
上記の流量制御(Qmo>Qmi)により、再生油路50を通る圧油の流量(再生流量Qr)が確保される。さらに詳しくは、油圧モータ13が吸収する流量と、油圧モータ13が吐出する流量とは、リーク分を除いて同じである。よって、メータアウト流量Qmoとメータイン流量Qmiとの差異分(Qmo−Qmi)に相当する再生流量Qrが、メータアウト油路40から再生油路50を介してメータイン油路30に流入する(流量が自動的にバランスする)。
メータイン圧Pmiは設定背圧Pbk(=圧力P1)となる。さらに詳しくは、背圧弁81の作用により背圧弁81の上流側の圧力は設定背圧Pbkである。また、再生油路50を圧油が流れる(再生流量Qrが確保される)。よって、メータイン圧Pmiは、背圧弁81の設定背圧Pbkとなる。これによりメータイン油路30でのキャビテーションが抑制される。
(流量制御の動作)
次に、メータイン流量Qmiとメータアウト流量Qmoの制御の動作をさらに説明する。メータイン流量Qmiは[数2]、メータアウト流量Qmoは[数3]に示す式を満たすように制御される。
Figure 0005669264
Figure 0005669264
上記数式のCvは流量係数である。ΔPmiはメータイン絞り61の前後差圧であるとともにメータインフロコン62の設定差圧である。ΔPmoはメータアウト絞り71の前後差圧であるとともにメータアウトフロコン72の設定差圧である。Amiはメータイン絞り61の開口面積である。Amoはメータアウト絞り71の開口面積である。図3に示すように、開口面積Amiおよび開口面積Amoは、操作レバー16のレバー操作量に応じて増減する。その結果、図4に示すように、メータイン流量Qmi及びメータアウト流量Qmoは、操作レバー16のレバー操作量に応じて増減する。具体的にはレバー操作量が多くなるほど流量Qmi及び流量Qmoが多くなる。
上記の流量制御の条件(Qmo>Qmi)を満たすようにするには、メータイン絞り61の開口面積Amiとメータアウト絞り71の開口面積Amoとを調整すれば良い(弁開度を調整すれば良い)。例えば、設定差圧ΔPmi([数2]参照)と設定差圧ΔPmo([数3]参照)とが同程度である場合、図3に示すようにメータイン絞り61の開口面積Amiがメータアウト絞り71の開口面積Amoよりも小さくなるように設定する。具体的には、上記の条件を満たすような方向切り替え弁20(図1参照)を用いる。
(メータイン流量Qmiの制御の変形例)
メータイン流量Qmiは次のように制御しても良い。
例えば、図2に示す油圧ポンプ12の吐出流量を制御することでメータイン流量Qmiを制御しても良い。さらに詳しくは、油圧ポンプ12を可変容量ポンプとする。そして、操作レバー16(図1参照)のレバー操作量が大きくなるほど、油圧ポンプ12の容量を増やして油圧ポンプ12の吐出流量を増やす。その結果、図4に示すように、レバー操作量が大きくなるほどメータイン流量Qmiが多くなるように制御される。
また例えば、図1に示すブリードオフ絞り21aを制御することでメータイン流量Qmiを制御しても良い。さらに詳しくは、レバー操作量が大きくなるほど油圧ポンプ12からタンクTa2へ戻る圧油が少なくなるようにブリードオフ絞り21aを制御する。具体的には図5に示すように、レバー操作量が大きくなるほどブリードオフ絞り21aの開口面積Aboが小さくなるようにブリードオフ絞り21aを制御する。これにより、レバー操作量が大きくなるほど、メータイン流量Qmiが多くなるように制御される。
(効果)
次に、図1に示す作業用油圧制御装置1の効果を説明する。作業用油圧制御装置1は、油圧ポンプ12と、油圧ポンプ12から供給される圧油により駆動されて吊荷15(負荷)を動かす油圧モータ13(油圧アクチュエータ)と、油圧モータ13の動作速度を操作する操作レバー16(操作手段)と、を備える。作業用油圧制御装置1は、自重落下方向に吊荷15が動くように(巻き下げるように)油圧モータ13を駆動させる。
(効果1−1)
また、図2に示すように、この作業用油圧制御装置1は、再生油路50とチェック弁53とを備える。再生油路50は、背圧弁81の上流側(の分岐点51)でメータアウト油路40から分岐するとともに、(合流点52で)メータイン油路30に合流する。チェック弁53は、再生油路50に設けられ、メータアウト油路40からメータイン油路30に流れる方向のみに圧油を通す。
この構成により、メータアウト油路40からメータイン油路30に圧油が流れ得る。
また、作業用油圧制御装置1は、油圧モータ13のメータイン油路30の流量を制御するメータイン流量制御手段(例えばメータインフロコン62等)を備える。メータイン流量制御手段は、メータイン油路30のうち再生油路50との合流点52の上流側のメータイン流量Qmiを制御する。メータアウトフロコン72は、メータアウト油路40のうち再生油路50との分岐点51の上流側のメータアウト流量Qmoを制御する。そして、メータアウト流量Qmoが、メータイン流量Qmiより大きくなるように制御される。
よって、メータイン油路30とメータアウト油路40との流量バランスより、メータアウト油路40から再生油路50を介してメータイン油路30に圧油が確実に流れる(再生流量Qrが確保される)。
また、作業用油圧制御装置1は背圧弁81を備える。背圧弁81は、メータアウト油路40に設けられたメータアウト絞り71の下流側、かつ、メータアウトフロコン72の下流側に設けられる。背圧弁81は、背圧弁81上流側に設定背圧Pbkを発生させる。
上記のように、メータアウト油路40から再生油路50を介してメータイン油路30に圧油が流れるので、メータイン油路30の圧力(メータイン圧Pmi)は背圧弁81の設定背圧Pbkになる。すなわち、メータイン油路30の最低圧が補償される。したがって、メータイン油路30でのキャビテーションを抑制できる。その結果、キャビテーションにより油圧モータ13が失速し吊荷15が落下する問題を抑制できる。
(効果1−2)
また、作業用油圧制御装置1は、メータアウトフロコン72を備える。メータアウトフロコン72は、メータアウト絞り71の前後差圧を検出し、この前後差圧を一定の設定差圧ΔPmoに保持するようにメータアウト油路40の流量Qmoを制御する。
すなわち、メータアウトフロコン72は、計測点および制御点がメータアウト油路40である(制御理論上コロケーションがとれている、計測点と制御点が言わば一致している)。よって、メータアウトフロコン72を設けることによる弁開度や圧力のハンチング(図17参照)が抑制される。
また、背圧弁81は、メータアウト油路40に設けられ、背圧弁81上流側に設定背圧Pbkを発生させる。すなわち、背圧弁81の計測点および制御点はメータアウト油路40である。よって、背圧弁81を設けることによる弁開度や圧力のハンチング(図17参照)が抑制される。
このように作業用油圧制御装置1では、弁開度や圧力のハンチング(図17参照)が生じやすい弁を用いる必要なく、メータイン油路30でのキャビテーションを抑制できる。その結果、油圧モータ13の回転速度のハンチングを抑制できる。
(効果1−3)
上述したように作業用油圧制御装置1では、弁開度や圧力のハンチングの発生を抑制できる。よって、メータイン油路30の圧力が増加したときにメータアウト油路40に設けた弁(メータアウトフロコン72および背圧弁81)が徐々に開くように弁の応答を緩やかにする対策を行ってハンチングを抑制する必要がない。したがって、上記対策による弁の応答性の悪化を抑制でき、上記対策による無駄なブースト圧(図18(b)参照)の発生を抑制でき、この無駄なブースト圧による燃費の悪化を抑制できる(図7参照)。
この効果をさらに詳細に説明する。図16に示す従来の作業用油圧制御装置701では、上述したハンチングを抑制するために、外部パイロット式カウンタバランス弁784のパイロットライン785に絞り786を設けている。この作業用油圧制御装置701は次のように動作する。時刻T0に、メータイン圧Pmiが上昇したとする。具体的には例えば、時刻T0に操作レバー16を中立位置から巻き下げ位置に操作する。すると、メータイン圧Pmiがカウンタバランス弁784の設定圧P1になるように、カウンタバランス弁784は弁開度を開く。しかし、絞り786の作用により、カウンタバランス弁784の弁開度が適切な弁開度A1になるまでには長い時間(時刻T0〜T1)を要する(図18(a)参照)。この時刻T0〜T1の間、カウンタバランス弁784で圧損が生じる(絞り抵抗が生じる)。よって、図18(b)に示すように、時刻T0〜T1の間、カウンタバランス弁784の設定圧P1よりもメータイン圧Pmiは高圧となる。すなわち、図18(b)中の斜線で示すような無駄なブースト圧が発生する。その結果、作業用油圧制御装置701(図16参照)の燃費が悪化するおそれがある。
一方、図1に示す本発明の作業用油圧制御装置1では、上述したハンチングを抑制できるので、絞り786(図16参照)のような対策が不要である。このような対策を設けていない作業用油圧制御装置1は次のように動作する。上記同様、時刻T0に操作レバー16を中立位置から巻き下げ位置に操作したとする。すると、図6に示すように、直ちに(ほぼ時刻T0直後に)、メータイン圧Pmiが背圧弁81の設定背圧Pbk(=圧力P1)になるように制御される。よって、従来技術に比べ、時刻T0〜T1の間、メータイン圧Pmiは大幅に低下する。ここで、図1に示す油圧ポンプ12の駆動に必要な動力(パワー)は吐出油の圧力と流量との積に比例する。作業用油圧制御装置1ではメータイン圧Pmiが従来技術よりも低下するので、油圧ポンプ12の駆動に必要な動力も従来技術よりも低下し、油圧ポンプ12を駆動するエンジン11の動力も従来技術よりも低下する。その結果、図7に示すように、エンジン11の燃料消費量を従来技術に比較して大幅に低減できる(例えば、時刻T0〜T1の間で約半分に低減できる)。
(効果1−4)
また、図2に示すように、作業用油圧制御装置1は再生油路50を備える。よって、メータイン流量Qmiと再生流量Qrとが油圧モータ13に供給される。よって、再生油路50を備えない場合に比べ、油圧ポンプ12が吐出する流量は再生流量Qrの分、低下する。よって、油圧ポンプ12の駆動に必要な動力が低下する。したがって、エンジン11の燃料消費量を低減できる(図7に示すグラフの特に時刻T1以後の部分を参照)。
(効果1−5)
また、作業用油圧制御装置1は、操作レバー16のレバー操作量に応じて弁開度(開度)が変わるメータアウト絞り71を備える。すなわち、操作レバー16のレバー操作量が同じであれば、メータアウト絞り71の弁開度([数3]の開口面積Amoに比例)は同じである。また、メータアウト絞り71の前後差圧は、メータアウトフロコン72により一定の設定差圧ΔPmo([数3]参照)に保持される。よって、操作レバー16のレバー操作量が同じであれば、メータアウト流量Qmo([数3]参照)も同じである。すなわち、レバー操作量が同じであれば、図1に示す吊荷15の重量が変わっても油圧モータ13の速度は変わらない。したがって、吊荷15の重量に応じて油圧モータ13の速度が変わる問題を抑制でき、その結果、操作性や安全性の悪化を抑制できる。
(効果2)
また、作業用油圧制御装置1は、メータイン油路30に設けられたメータイン絞り61を備える。前記「メータイン流量制御手段」は、メータインフロコン62を備える。メータインフロコン62は、メータイン絞り61の前後差圧を検出し、この前後差圧を一定の設定差圧ΔPmoに保持するようにメータイン油路30の流量Qmiを制御する。
この構成により、メータイン流量Qmiを確実に制御できる。
(第2実施形態)
図8〜図9を参照して第2実施形態の作業用油圧制御装置201を説明する。
図1に示す作業用油圧制御装置1では、メータアウトフロコン72及び背圧弁81は方向切り替え弁20の下流側に設けられた。また、作業用油圧制御装置1では、メータアウト絞り71は方向切り替え弁20の一部であった。
図8に示す作業用油圧制御装置201では、メータアウト弁271(メータアウト絞り)、メータアウトフロコン72、及び背圧弁81が方向切り替え弁20の上流側に設けられる。また、作業用油圧制御装置201では、メータアウト弁271がメータアウト絞り71(図1参照)の機能を備える。なお、油圧モータ13と方向切り替え弁20とをつなぐ配管であって、メータアウト弁271、メータアウトフロコン72、及び背圧弁81が設けられた配管を配管241とする。また、配管241には、配管241に対して並列に巻き上げ用バイパス油路255が設けられる。以下、上記相違点をさらに説明する。
巻き上げ用バイパス油路255は、巻き上げ時(方向切り替え弁20が巻き上げ位置22の時)に、メータアウト弁271、メータアウトフロコン72、及び背圧弁81(これらの弁を「弁271、72、及び81」とする)を通さずに、油圧ポンプ12から油圧モータ13に圧油を供給するための油路である。巻き上げ用バイパス油路255は、弁271、72、及び81の前後の分岐点256及び合流点257で、配管241から分岐及び合流する。巻き上げ用バイパス油路255にはチェック弁258が設けられる。また、分岐点256と背圧弁81との間(配管241上)にはチェック弁244が設けられる。
操作レバー16により巻き上げレバー操作を行うと、圧油は次のように流れる。チェック弁244及び258の作用により、油圧ポンプ12から、配管31、巻き上げ用バイパス油路255を介して油圧モータ13へ圧油が供給される。油圧モータ13から排出された圧油は、配管33、32、及び43を介してタンクTa1へ戻る。なお、以下では巻き下げを前提として説明する。
メータアウト弁271(メータアウト絞り)は、方向切り替え弁20とは別個に設けられ、上述したメータアウト絞り71(図2参照)と同じ機能を備える。メータアウト弁271には、リモコン弁17弁が発生させたパイロット圧がパイロットライン228を介して作用する。パイロットライン228は、例えば巻き下げパイロットライン28から分岐する。メータアウト弁271は、巻き下げ位置271aと非巻き下げ位置271bとを備える。
(作業用油圧制御装置201の動作)
作業用油圧制御装置201は次のように動作する。操作レバー16のレバー操作量がゼロのときは、方向切り替え弁20は中立位置21であるとともに、メータアウト弁271は非巻き下げ位置271bである。操作レバー16により巻き下げレバー操作が入力されると、巻き下げパイロットライン28及びパイロットライン228にパイロット圧が発生する。すると、方向切り替え弁20は巻き下げ位置23に切り替わるとともに、メータアウト弁271は巻き下げ位置271aに切り替わる。
また、図9に、メータアウト弁271の開口面積および方向切り替え弁20の開口面積と、操作レバー16(図8参照)のレバー操作量との関係を示す。メータアウト弁271は、レバー操作量が大きくなるほど弁開度が開くように(図8に示す巻き下げ位置271a側へ動くように)制御される。一方、図9に示すように、方向切り替え弁20は、巻き下げレバー操作が入力されるとただちに全開になるように設定される。この結果、巻き下げ時のメータアウト流量Qmoの制御は、図8に示す方向切り替え弁20ではなく、メータアウト弁271によって行われる。
(第2実施形態の効果)
次に、作業用油圧制御装置201の効果を説明する。作業用油圧制御装置201では、メータアウト弁271およびメータアウトフロコン72が方向切り替え弁20の上流側に設けられる。よって、方向切り替え弁20と油圧モータ13との距離に比べて、メータアウト弁271及びメータアウトフロコン72と油圧モータ13との距離を小さくできる。よって、メータアウト弁271及びメータアウトフロコン72を油圧モータ13の直近に配置することができる。その結果、油圧モータ13の動作速度の操作の応答性の悪化を抑制できる。
さらに詳しくは、油圧モータ13と方向切り替え弁20との間の配管長さは機器の配置上長くなる場合が多い。よって、図1に示す作業用油圧制御装置1のように、方向切り替え弁20内または方向切り替え弁20の下流側にメータアウト絞り71及びメータアウトフロコン72を設けた場合、メータアウト絞り71及びメータアウトフロコン72と油圧モータ13との配管の長さが長くなる場合がある。その結果、操作レバー16で巻き下げレバー操作がなされ、メータアウト絞り71及びメータアウトフロコン72で流量が制御され、油圧モータ13の回転速度が制御される、という動作の応答性が悪くなる場合がある。一方で、図8に示す作業用油圧制御装置201では、メータアウト絞り71及びメータアウトフロコン72と、油圧モータ13と、をつなぐ配管長を短く取ることができるので、前記応答性の悪化を抑制できる。
(第3実施形態)
図10〜図11を参照して第3実施形態の作業用油圧制御装置301を説明する(図10中の安全確保用圧力制御弁682については第6実施形態で説明する)。図1に示す作業用油圧制御装置1では、背圧弁81の設定背圧Pbkを一定の圧力P1とした。図10に示す作業用油圧制御装置301では、図11に示すように、設定背圧Pbkを所定の場合に圧力P1よりも小さくする(背圧弁81の弁開度を開くように制御する)。以下、上記相違点を説明する。
まず、巻き上げ用の回路について説明する。図10に示すように、方向切り替え弁20が巻き上げ位置22のときの、油圧ポンプ12から油圧モータ13への圧油供給側の油路を「巻き上げ用メータイン油路330」とする。具体的には、配管31、方向切り替え弁20の巻き上げ位置22内の油路、及び配管41を、巻き上げ用メータイン油路330とする。また、方向切り替え弁20は、巻き上げ位置22内に、巻き上げ用メータイン絞り365を備える。巻き上げ用メータイン絞り365は、巻き下げ用のメータイン絞り61と同様に、操作レバー16のレバー操作量に応じて弁開度が変わる。
背圧弁81には、パイロットライン364が接続される。
巻き下げ時には、パイロットライン364を介して、メータイン圧Pmiがパイロット圧として背圧弁81に作用する。パイロットライン364は、方向切り替え弁20の巻き下げ位置23内、かつ、メータイン絞り61よりも下流側でメータイン油路30から分岐する。
巻き上げ時には、パイロットライン364を介して、巻き上げ時におけるメータイン圧Pmi’がパイロット圧として背圧弁81に作用する。巻き上げ時におけるメータイン圧Pmi’とは、巻き上げ用メータイン絞り365よりも下流側の巻き上げ用メータイン油路330の圧力(巻き上げ時における油圧モータ13入口の圧力、巻き上げ時における配管41の圧力)である。パイロットライン364は、方向切り替え弁20の巻き上げ位置22内、かつ、巻き上げ用メータイン絞り365よりも下流側で、巻き上げ用メータイン油路330から分岐する。
(作業用油圧制御装置301の動作)
(無負荷等巻き下げ時)
次に作業用油圧制御装置301の動作を説明する。
巻き下げ時にメータイン圧Pmiが上昇した場合は、背圧弁81の弁開度を開く(設定背圧Pbkを下げる)ように制御する。以下、詳細を説明する。
通常の巻き下げ時(有負荷巻き下げ時)には、上述したように、メータイン圧Pmiが背圧弁81の設定背圧Pbk(=圧力P1)となる。すなわち、有負荷巻き下げ時にはメータイン圧Pmiは常に一定であり上昇しない。
一方、吊荷15が無い状態(空フック)で油圧モータ13を巻き下げ方向に駆動させる時(無負荷巻き下げ時)には、メータイン圧Pmiが上昇する場合がある。さらに詳しくは、無負荷巻き下げ時は、吊荷15の自重が油圧モータ13に作用しないのでメータアウト油路40に保持圧が発生しない。また、油圧モータ13を駆動するために、メータアウト圧Pmoよりメータイン圧Pmiが大きくなる。よって、再生油路50のチェック弁53の作用により、再生油路50を圧油が流れない。したがって、メータイン圧Pmiは、少なくとも背圧弁81の設定背圧Pbkの最大値(=圧力P1)以上となる(メータイン圧Pmiは、メータアウトフロコン72の上流側の圧力以上、メータアウト絞り71上流側の圧力以上となる)。メータイン圧Pmiは、油圧モータ13の吐出圧やメータイン絞り61の動作に応じて上昇または低下する。
なお、吊荷15が無い状態で巻き下げする場合だけでなく、メータアウト油路40に保持圧が発生しないほど軽い吊荷15を巻き下げする場合にも同様に、メータイン圧Pmiが上昇する場合がある。
メータイン圧Pmiが上昇すると、背圧弁81の弁開度が開くように制御される。さらに詳しくは、メータイン圧Pmiが上昇すると、パイロットライン364を介して、上昇したメータイン圧Pmiがパイロット圧として背圧弁81に作用する。すると、例えば、背圧弁81の設定背圧Pbkを設定するバネが押し戻される等により、背圧弁81の設定背圧Pbkが下がる。図11に、背圧弁81の設定背圧Pbkとメータイン圧Pmiとの関係を示す。図11に示すように、メータイン圧Pmiが大きくなるほど、背圧弁81の設定背圧Pbkが小さくなるように設定する(比例的に減らす)。なお、設定背圧Pbkとメータイン圧Pmiとの関係は適宜変更しても良い。
(巻き上げ時)
巻き上げ時(図面10に示すように、自重落下方向に吊荷15が動くように油圧モータ13を駆動させることに代えて、自重落下方向とは逆向きに吊荷15が動くように油圧モータ13を駆動させる)場合、背圧弁81の弁開度を開くように制御する。以下、詳細を説明する。
巻き上げ時は、作業用油圧制御装置301は次のように動作する。操作レバー16で巻き上げレバー操作を行うとする。すると、油圧ポンプ12及び巻き上げ用メータイン絞り365の動作に応じて、巻き上げ用メータイン油路330の配管41の圧力(巻き上げ時におけるメータイン圧Pmi’)が上昇する。この、巻き上げ時におけるメータイン圧Pmi’がパイロット圧としてパイロットライン364を介して背圧弁81に作用する。そして、無負荷等巻き下げ時と同様に、背圧弁81が開くように制御される。なお、巻き上げ時におけるメータイン圧Pmi’と設定背圧Pbkとの関係は、無負荷巻き下げ時のメータイン圧Pmiと設定背圧Pbkとの関係(図11参照)と例えば同様に設定する(異なる設定としても良い)。また、図8に示す作業用油圧制御装置201のように、巻き上げ時に圧油が背圧弁81を通らない場合は、巻き上げ時に背圧弁81の設定背圧Pbkを減らす必要はない。
(効果3)
次に、図10に示す作業用油圧制御装置301の効果を説明する。巻き下げ時にメータイン油路30の圧力が上昇した場合(場合a)、または、巻き上げ時(自重落下方向に吊荷15が動くように油圧モータ13を駆動させることに代えて、自重落下方向とは逆向きに吊荷15が動くように油圧モータ13を駆動させる)場合(場合b)、油圧モータ13の上流及び下流の圧力が十分高いので、キャビテーションが生じる問題は生じない。
また、作業用油圧制御装置301では、上記(場合a)または(場合b)の場合、背圧弁81の弁開度(開度)を開くように制御する。よって、油圧モータ13の上流および下流の圧力を低減できる。したがって、油圧モータ13の上流および下流の圧力が背圧弁81の圧損により上昇することを抑制でき、その結果、油圧ポンプ12の動力が増加してエンジン11の燃費が悪化することを抑制できる。
上記の効果をさらに説明する。有負荷巻き下げ時には、油圧モータ13が吊荷15の自重により勝手に回される状態になり、メータイン圧Pmiが低下し、上記のキャビテーションの問題が生じうる。一方で、巻き上げ時(場合b)には、油圧モータ13を巻き上げ方向に駆動させるので、油圧モータ13の前後の圧力が十分高くなる。よって巻き上げ時は、上記のキャビテーションの問題は生じない。また、無負荷等巻き下げ時(場合a)にも、上述したようにメータイン油路30でのキャビテーションの問題が生じない。
上記(場合a)及び(場合b)のように、キャビテーションの問題が生じないにもかかわらず、背圧弁81の弁開度を閉じると、背圧弁81により回路圧が上昇する。具体的には、巻き下げ時には、メータイン油路30およびメータアウト油路40の圧力が上昇する。巻き上げ時には、配管31、41、33、32、42、及び43の圧力が上昇する。その結果、油圧ポンプ12の動力が増加し、エンジン11の燃費が悪化する。
一方、作業用油圧制御装置301は、キャビテーションの問題が生じない状態のときに背圧弁81の弁開度を開くように制御するので、燃費の悪化を抑制できる。
(第4実施形態)
図12〜図14を参照して第4実施形態の作業用油圧制御装置401を説明する。図1に示す作業用油圧制御装置1との相違点は次の通りである。図12に示す作業用油圧制御装置401は、エンジン11等の回転数が減少した場合、メータアウト絞り71の弁開度を減少させる。作業用油圧制御装置401は、各種信号の入出力などを行うコントローラ491を備える。コントローラ491には、エンジン回転数センサ492、電磁減圧弁493、及びパイロット圧センサ494が接続される。以下、上記相違点をさらに説明する。
エンジン回転数センサ492は、エンジン11(油圧ポンプ12の動力源)の回転数を検出する。なお、油圧ポンプ12の回転数を検出するセンサ(図示なし)を設けても良い。
電磁減圧弁493は、巻き下げパイロットライン28上に設けられ、リモコン弁17が発生させた巻き下げパイロット圧を減圧する弁である。前記「巻き下げパイロット圧」は、巻き下げパイロットライン28の、電磁減圧弁493よりもリモコン弁17側(1次側)のパイロット圧とする。
パイロット圧センサ494は、リモコン弁17が発生させた巻き下げパイロット圧を検出するセンサである。
(作業用油圧制御装置401の動作)
作業用油圧制御装置401では、油圧ポンプ12の動力源であるエンジン11または油圧ポンプ12の回転数が減少した場合、メータアウト絞り71の弁開度([数3]の開口面積Amoに比例)を減少させる。その結果、メータアウト流量Qmo([数3]参照)が減少し、油圧モータ13の速度が減少する。以下、詳細に説明する。
エンジン回転数センサ492で検出したエンジン11の回転数が減少した場合、または、油圧ポンプ12の回転数が減少した場合、作業用油圧制御装置401は次のように動作する。コントローラ491は、パイロット圧センサ494により検出した巻き下げパイロット圧よりも、電磁減圧弁493の2次圧(方向切り替え弁20側の圧力)が低くなるように制御する。すると、方向切り替え弁20は中立位置21側に近づく。すなわち、メータアウト絞り71の弁開度が減少する(なお、メータイン絞り61の弁開度も減少する)。つまり、操作レバー16を中立側に戻す(レバー操作量を減らす)のと同じように、作業用油圧制御装置401は動作する。その結果、油圧モータ13の速度が低下する。上記とは逆に、エンジン11の回転数が増加した場合は、メータアウト絞り71の弁開度を増加させ、油圧モータ13の速度を増加させる。
図13に、巻き下げパイロット圧と電磁減圧弁493の2次圧との関係を示す。図12に示すコントローラ491は、巻き下げパイロット圧が大きくなるほど、電磁減圧弁493による減圧の量が大きくなる(比例的に減圧する)ように制御する。
また、図14に、巻き下げパイロット圧と電磁減圧弁493の2次圧との関係の変形例を示す。図12に示すコントローラ491は、巻き下げパイロット圧が所定値以上の場合は、電磁減圧弁493の2次圧を一定の圧力にする。また、巻き下げパイロット圧が所定値未満のときは、電磁減圧弁493による減圧を行わない。なお、巻き下げパイロット圧と電磁減圧弁493の2次圧との関係は適宜変更しても良い。
(効果4−1)
次に、図12に示す作業用油圧制御装置401の効果を説明する。作業用油圧制御装置401では、油圧ポンプ12の動力源のエンジン11、または、油圧ポンプ12の回転数が減少した場合、メータアウト絞り71の弁開度([数3]の開口面積Amoに比例)を減少させる。これにより、メータアウト油路40の流量Qmo([数3]参照)が減少し、油圧モータ13の速度が減少する。したがって、エンジン11または油圧ポンプ12の回転数を減少させて油圧モータ13を低速で駆動させる操作の操作性が向上する。
この効果をさらに詳しく説明する。従来の作業用油圧制御装置では、エンジン11の回転数を減少させて油圧モータ13の巻き下げ速度を減少させ、吊荷15を微操作する場合があった。しかし、図1に示す作業用油圧制御装置1では、エンジン11の回転数を減少させても油圧モータ13の巻き下げ速度は減少しない。すなわち、エンジン11の回転数が減少して、油圧ポンプ12の吐出量(=メータイン流量Qmi)が減少しても、メータアウト流量Qmoに対するメータイン流量Qmiの不足分は再生流量Qrで補われ、油圧モータ13が減速しない(吊荷15の自重のみで油圧モータ13が回される)。よって、上記の吊荷15の微操作性が悪化するおそれがある。一方、図12に示す作業用油圧制御装置401では、エンジン11の回転数を減少させると油圧モータ13の速度が減少するので、微操作性の悪化の問題を解消でき、従来の作業用油圧制御装置と同様のフィーリングで吊荷15の微操作を行える。
(第5実施形態)
図15を参照して第5実施形態の作業用油圧制御装置501を説明する。
図12に示す作業用油圧制御装置401では、エンジン11等の回転数が減少したときにメータアウト絞り71の弁開度を減少させることで、メータアウト流量Qmoを減少させた。図15に示す作業用油圧制御装置501では、エンジン11等の回転数が減少したときにメータアウト絞り71の前後差圧(=メータアウトフロコン72の設定差圧ΔPmo)を減少させることでメータアウト流量Qmoを減少させる。
また、図12に示す作業用油圧制御装置401では、巻き下げパイロットライン28に電磁減圧弁493を設けた。図15に示す作業用油圧制御装置501では、パイロット油圧源595と、メータアウトフロコン72とをつなぐパイロットライン575上に電磁減圧弁593を設ける。以下、上記相違点をさらに説明する。
電磁減圧弁593は、メータアウトフロコン72の設定差圧ΔPmoを制御する。電磁減圧弁593は、メータアウトフロコン72の例えばバネ室側に、電磁減圧弁593の2次圧を作用させる。そして、コントローラ491で電磁減圧弁593の2次圧を制御する。これにより、メータアウトフロコン72の設定差圧ΔPmoを制御する(バネ力を制御する)ことと等価になる。
(作業用油圧制御装置501の動作)
(効果4−2)
図15に示す作業用油圧制御装置501では、油圧ポンプ12の動力源のエンジン11または油圧ポンプ12の回転数が減少した場合、メータアウトフロコン72の設定差圧ΔPmo([数3]参照)を減少させる。これにより、メータアウト油路40の流量Qmo([数3]参照)が減少し、油圧モータ13の速度が減少する。したがって、エンジン11または油圧ポンプ12の回転数を減少させて油圧モータ13を低速で駆動させる操作の操作性が向上する(詳細は効果4−1参照)。
(第6実施形態)
図10を参照して第6実施形態の作業用油圧制御装置601を説明する。図1の作業用油圧制御装置1との相違点は、図10に示すようにメータアウト油路40に安全確保用圧力制御弁682を設けている点である。なお、作業用油圧制御装置601は、巻き上げ用バイパス油路655を備える。以下、上記相違点を説明する。
巻き上げ用バイパス油路655は、巻き上げ時に安全確保用圧力制御弁682を通さずに、油圧ポンプ12から油圧モータ13に圧油を供給するための油路である。巻き上げ用バイパス油路655には、チェック弁658が設けられる。
安全確保用圧力制御弁682は、メータイン油路30が破損した場合などの非常時に弁開度(開度)を閉じる安全装置である。安全確保用圧力制御弁682は、メータアウト油路40のうち再生油路50との分岐点51の上流側に設けられる。安全確保用圧力制御弁682は、メータイン圧Pmiが、この安全確保用圧力制御弁682の設定圧力P3より低い場合に弁開度を閉じる。安全確保用圧力制御弁682には、パイロットライン683を介してメータイン圧Pmiがパイロット圧として作用する。すなわち、安全確保用圧力制御弁682のみに着目すれば、安全確保用圧力制御弁682は従来の外部パイロット式カウンタバランス弁784(図16参照)と同様の構成を備える。パイロットライン683には、従来技術の絞り786(図16参照)を設けない。すなわち、安全確保用圧力制御弁682は、メータイン圧Pmiが設定圧力P3より低くなると直ちに弁開度を開く。
この安全確保用圧力制御弁682の設定圧力P3(クラッキング設定圧)は、背圧弁81の設定背圧Pbk(=圧力P1など)よりも(若干)高い。なお、設定背圧Pbkが可変の場合(図11参照)は、設定背圧Pbkの最大値である圧力P1より設定圧力P3を高く設定する。
(作業用油圧制御装置601の動作)
通常時は、安全確保用圧力制御弁682は開いた状態となる。さらに詳しくは、上述したように、操作レバー16で巻き下げ操作を行うと、メータイン圧Pmiは直ちに背圧弁81の設定背圧Pbkになる。この設定背圧Pbkは設定圧力P3より大きい。よって、安全確保用圧力制御弁682は巻き下げ操作中は常に開いた状態(全開)となる。すなわち、通常の巻き下げ操作時は、安全確保用圧力制御弁682は、従来の外部パイロット式カウンタバランス弁784(図16)と同様の動作を行わない。
メータイン油路30が破裂する等の非常時には、メータイン圧Pmiが背圧弁81の設定背圧Pbk以下となりうる。このときに、メータイン圧Pmiが安全確保用圧力制御弁682の設定圧力P3以下となった場合、安全確保用圧力制御弁682は弁開度を閉じる。すると、メータアウト流量Qmoが減少する(ゼロになる)。その結果、油圧モータ13は減速する(緊急停止する)。
(効果5)
次に図15に示す作業用油圧制御装置501の効果を説明する。作業用油圧制御装置501は、メータアウト油路40のうち再生油路50との分岐点51の上流側に設けられた安全確保用圧力制御弁682を備える。安全確保用圧力制御弁682は、メータイン油路30の圧力(さらに詳しくはメータイン圧Pmi)が安全確保用圧力制御弁682の設定圧力P3より低い場合に弁開度を閉じる。また、背圧弁81の設定背圧Pbkは、安全確保用圧力制御弁682の設定圧力P3より高い。
よって、メータイン油路30が破損した場合などの非常時や故障時に、メータイン油路30の圧力(メータイン圧Pmi)が安全確保用圧力制御弁682の設定圧力P3より低くなると、安全確保用圧力制御弁682は弁開度を閉じる。すると、メータアウト油路40の流量が減少し、油圧モータ13が減速(または停止)する。その結果、上記の非常時や故障時の安全性を向上できる。
なお、安全確保用圧力制御弁682は、メータアウト油路40のうち再生油路50との分岐点51の上流側に設けられる。よって、安全確保用圧力制御弁682が弁開度を閉じた場合は再生油路50に圧油が流れない。よって、油圧モータ13は確実に減速する。
(その他の変形例)
作業用油圧制御装置1等は様々に変形できる。
例えば、図1等に示した回路中の各構成要素の配置や配管の接続は、図に示す通りとしても良く、また、適宜変更しても良い。例えば、図1では、パイロットライン64及び73は、方向切り替え弁20内でメータイン油路30及びメータアウト油路40から分岐するように示しているが、パイロットライン64又は73が方向切り替え弁20の外で分岐しても良い。
また例えば、上記の各実施形態では、油圧ポンプ12から油圧モータ13へ供給された圧油がタンクTa1へ戻った。しかし、油圧モータ13から排出された圧油が、さらに別の油圧アクチュエータ等(図示なし)に供給されるようにしても良い。具体的には例えば、油圧ポンプ12から主巻き用モータ(油圧モータ13)に供給された圧油が、さらに補巻き用モータ(図示なし)に供給された後、タンクTa1に戻るような回路(シリーズ回路)としても良い。
1、201、301、401、501、601 作業用油圧制御装置
11 エンジン(動力源)
12 油圧ポンプ(メータイン流量制御手段)
13 油圧モータ(油圧アクチュエータ)
15 吊荷(負荷)
16 操作レバー(操作手段)
21a ブリードオフ絞り(メータイン流量制御手段)
30 メータイン油路
40 メータアウト油路
50 再生油路
51 分岐点
52 合流点
53 チェック弁
61 メータイン絞り
62 メータインフロコン(メータイン流量制御手段)
71 メータアウト絞り
72 メータアウトフロコン
81 背圧弁
271 メータアウト弁(メータアウト絞り)
682 安全確保用圧力制御弁

Claims (5)

  1. 油圧ポンプと、
    前記油圧ポンプから供給される圧油により駆動されて負荷を動かす油圧アクチュエータと、
    前記油圧アクチュエータの動作速度を操作する操作手段と、を備え、
    自重落下方向に前記負荷が動くように前記油圧アクチュエータを駆動させる作業用油圧制御装置であって、
    前記油圧アクチュエータのメータイン油路の流量を制御するメータイン流量制御手段と、
    前記油圧アクチュエータのメータアウト油路に設けられ、前記操作手段の操作量に応じて開度が変わるメータアウト絞りと、
    前記メータアウト絞りの前後差圧を検出し、当該前後差圧を一定の設定差圧に保持するように前記メータアウト油路の流量を制御するメータアウトフロコンと、
    前記メータアウト絞りの下流側かつ前記メータアウトフロコンの下流側に設けられた弁であって、当該弁の上流側に設定背圧を発生させる背圧弁と、
    前記背圧弁の上流側で前記メータアウト油路から分岐するとともに前記メータイン油路に合流する再生油路と、
    前記再生油路に設けられ、前記メータアウト油路から前記メータイン油路に流れる方向のみに圧油を通すチェック弁と、
    を備え、
    前記メータイン流量制御手段は、前記メータイン油路のうち前記再生油路との合流点の上流側のメータイン流量を制御し、
    前記メータアウトフロコンは、前記メータアウト油路のうち前記再生油路との分岐点の上流側のメータアウト流量を制御し、
    前記メータアウト流量が前記メータイン流量より大きくなるように制御される、作業用油圧制御装置。
  2. 前記メータイン油路に設けられたメータイン絞りを備え、
    前記メータイン流量制御手段は、前記メータイン絞りの前後差圧を検出して当該前後差圧を一定の設定差圧に保持するように前記メータイン油路の流量を制御するメータインフロコンを備える、請求項1に記載の作業用油圧制御装置。
  3. 前記メータイン油路の圧力が上昇した場合、または、
    自重落下方向に前記負荷が動くように前記油圧アクチュエータを駆動させることに代えて、自重落下方向とは逆向きに当該負荷が動くように当該油圧アクチュエータを駆動させる場合、
    前記背圧弁の開度を開くように制御する、請求項1または2に記載の作業用油圧制御装置。
  4. 前記油圧ポンプの動力源または当該油圧ポンプの回転数が減少した場合、
    前記メータアウト絞りの開度を減少させる、または、前記メータアウトフロコンの前記設定差圧を減少させる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の作業用油圧制御装置。
  5. 前記メータアウト油路のうち前記再生油路との分岐点の上流側に設けられた安全確保用圧力制御弁を備え、
    前記安全確保用圧力制御弁は、当該安全確保用圧力制御弁の設定圧力より前記メータイン油路の圧力が低い場合に開度を閉じ、
    前記背圧弁の前記設定背圧は、前記安全確保用圧力制御弁の前記設定圧力より高い、請求項1〜4のいずれか1項に記載の作業用油圧制御装置。
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