JP5669264B2 - 作業用油圧制御装置 - Google Patents
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Description
さらに詳しくは、時刻T0において、操作レバー16を中立位置から巻き下げ位置に操作したとする。この操作に応じて、方向切り替え弁20から油圧モータ13に供給される作動油が増加し、メータイン油路30のメータイン圧が増加する。この圧力の増加を検出したカウンタバランス弁784は、弁が閉じた状態から開いた状態に移行する。しかし、カウンタバランス弁784は、メータイン圧の計測点(メータイン油路30上)と弁の制御点(メータアウト油路40上)とで位置が異なる制御方式、すなわち制御理論上コロケーション(Co-location)がとれていない制御方式(本質的に不安定な制御方式)をとっている。計測点と制御点とが異なるので、メータイン圧の変化と、カウンタバランス弁784の弁の作動時期とにずれが生じやすい。このずれにより、図17(a)に示すようにカウンタバランス弁784の弁開度は開閉を繰り返し、図17(b)に示すようにメータイン圧も振動する。その結果、油圧モータ13(図16参照)の回転速度が振動する(ハンチングする)おそれがある。
さらに詳しくは、一般に作業用油圧制御装置で負荷を巻き下げるときには、負荷の質量に見合った保持圧がメータアウト油路に発生する。この保持圧は、軽負荷の場合に比べて高負荷の場合に高くなる。特許文献1に記載の技術では、この保持圧が高くなるほど、上述した流量調整弁の弁開度が開く方向に動作する。流量調整弁の弁開度が開くと、メータイン油路の流量(メータイン流量)が増加し、油圧モータの動作速度が増加する。すなわち、重負荷の場合は軽負荷の場合よりも巻き下げ速度が大きくなる。したがって、同じレバー操作量にもかかわらず、負荷の大小によって油圧モータの動作速度が変わるので、操作性が悪くなる。
図1〜図7を参照して第1実施形態の作業用油圧制御装置1を説明する。
なお、前記「油圧アクチュエータ」は油圧シリンダでも良い。また前記「負荷」は吊荷15である必要はない。具体的には例えば、作業用油圧制御装置1は、ブーム等のアタッチメント(負荷)(図示なし)を油圧シリンダ(図示なし)により駆動する装置等でも良い。この場合、油圧シリンダはアタッチメントを、自重下げ方向に下げる、または、その逆方向に上げる。
ここで、油圧ポンプ12と方向切り替え弁20とをつなぐ配管を配管31、方向切り替え弁20と合流点52(後述)とをつなぐ配管を配管32、及び、合流点52と油圧モータ13とをつなぐ配管を配管33とする。また、油圧モータ13と方向切り替え弁20とをつなぐ配管を配管41、方向切り替え弁20と分岐点51(後述)とをつなぐ配管を配管42、及び、分岐点51とタンクTa1とをつなぐ配管を配管43とする。
メータイン絞り61は、メータイン油路30に設けられた絞りであり、操作レバー16(図1参照)のレバー操作量に応じて弁開度(開度)が変わる。なお、メータイン絞り61は、方向切り替え弁20(図1参照)とは別個に設けても良い。
さらに詳しくは、メータインフロコン62は、合流点52より上流側に設けられる。メータインフロコン62は、メータイン絞り61の例えば上流側(下流側でも良い)の配管31に設けられ、メータイン油路30に対して例えば並列に(直列でも良い)設けられる。メータインフロコン62には、メータイン絞り61の上流側および下流側からパイロットライン63及び64を介してパイロット圧が導入される。メータインフロコン62の設定差圧ΔPmiは例えばバネ力によって設定される。メータインフロコン62は、検出した前後差圧が設定差圧ΔPmiと一致するように弁開度を制御する。メータインフロコン62は、検出した前後差圧が大きくなろうとするとメータイン流量Qmiを減らす(タンクTa3へ戻る流量を増やし)。メータインフロコン62は、前記前後差圧が小さくなろうとするとメータイン流量Qmiを増やす(タンクTa3へ戻る流量を減らす)。
メータアウト絞り71は、油圧モータ13のメータアウト油路40に設けられ、操作レバー16(図1参照)のレバー操作量に応じて弁開度(開度)が変わる。なお、メータアウト絞り71は、方向切り替え弁20(図1参照)とは別個に設けても良い。
さらに詳しくは、メータアウトフロコン72は、分岐点51より上流側に設けられる。メータアウトフロコン72は、メータアウト絞り71の例えば下流側(上流側でも良い)に設けられ、メータアウト油路40に対して例えば直列に(並列でも良い)設けられる。メータアウトフロコン72には、メータアウト絞り71の上流側および下流側からパイロットライン73及び74を介してパイロット圧が導入される。メータアウトフロコン72の設定差圧ΔPmoは例えばバネ力によって設定される。メータアウトフロコン72は、検出した前後差圧が設定差圧ΔPmoと一致するように弁開度を制御する。メータアウトフロコン72は、検出した前後差圧が大きくなろうとするとメータアウト流量Qmoを減らし(弁開度を閉じ)、前記前後差圧が小さくなろうとするとメータアウト流量Qmoを増やす(弁開度を開く)。
次に、作業用油圧制御装置1の動作を説明する。この動作の概略は以下の通りである。作業用油圧制御装置1は、従来の外部パイロット式カウンタバランス弁784(図16参照)と同様の機能を備える。すなわち、メータイン油路30でのキャビテーションを防止するために、メータイン油路30のメータイン圧Pmi(メータイン絞り61より下流の圧力、油圧モータ13入口の圧力、配管32及び33の圧力)が所定の圧力未満にならないように制御される。そのために作業用油圧制御装置1は次の(1)〜(4)のように動作する。(1)背圧弁81上流側の圧力を設定背圧Pbk(=圧力P1)とする(圧力を立てる)。(2)メータアウト流量Qmoがメータイン流量Qmiより多くなるように制御する。(3)メータアウト油路40からメータイン油路30へ再生油路50を介して圧油が流れる。(4)メータイン圧Pmiは背圧弁81の設定背圧Pbkが確保される(背圧弁81で立てた圧力がメータイン油路30に乗る)。以下、詳細に説明する。
メータアウト流量Qmoはメータイン流量Qmiより大きくなるように制御される。すなわち、Qmo>Qmiとなるように、メータアウトフロコン72及びメータインフロコン62を制御する(具体的な動作は後述)。
次に、メータイン流量Qmiとメータアウト流量Qmoの制御の動作をさらに説明する。メータイン流量Qmiは[数2]、メータアウト流量Qmoは[数3]に示す式を満たすように制御される。
メータイン流量Qmiは次のように制御しても良い。
次に、図1に示す作業用油圧制御装置1の効果を説明する。作業用油圧制御装置1は、油圧ポンプ12と、油圧ポンプ12から供給される圧油により駆動されて吊荷15(負荷)を動かす油圧モータ13(油圧アクチュエータ)と、油圧モータ13の動作速度を操作する操作レバー16(操作手段)と、を備える。作業用油圧制御装置1は、自重落下方向に吊荷15が動くように(巻き下げるように)油圧モータ13を駆動させる。
また、図2に示すように、この作業用油圧制御装置1は、再生油路50とチェック弁53とを備える。再生油路50は、背圧弁81の上流側(の分岐点51)でメータアウト油路40から分岐するとともに、(合流点52で)メータイン油路30に合流する。チェック弁53は、再生油路50に設けられ、メータアウト油路40からメータイン油路30に流れる方向のみに圧油を通す。
この構成により、メータアウト油路40からメータイン油路30に圧油が流れ得る。
よって、メータイン油路30とメータアウト油路40との流量バランスより、メータアウト油路40から再生油路50を介してメータイン油路30に圧油が確実に流れる(再生流量Qrが確保される)。
上記のように、メータアウト油路40から再生油路50を介してメータイン油路30に圧油が流れるので、メータイン油路30の圧力(メータイン圧Pmi)は背圧弁81の設定背圧Pbkになる。すなわち、メータイン油路30の最低圧が補償される。したがって、メータイン油路30でのキャビテーションを抑制できる。その結果、キャビテーションにより油圧モータ13が失速し吊荷15が落下する問題を抑制できる。
また、作業用油圧制御装置1は、メータアウトフロコン72を備える。メータアウトフロコン72は、メータアウト絞り71の前後差圧を検出し、この前後差圧を一定の設定差圧ΔPmoに保持するようにメータアウト油路40の流量Qmoを制御する。
すなわち、メータアウトフロコン72は、計測点および制御点がメータアウト油路40である(制御理論上コロケーションがとれている、計測点と制御点が言わば一致している)。よって、メータアウトフロコン72を設けることによる弁開度や圧力のハンチング(図17参照)が抑制される。
上述したように作業用油圧制御装置1では、弁開度や圧力のハンチングの発生を抑制できる。よって、メータイン油路30の圧力が増加したときにメータアウト油路40に設けた弁(メータアウトフロコン72および背圧弁81)が徐々に開くように弁の応答を緩やかにする対策を行ってハンチングを抑制する必要がない。したがって、上記対策による弁の応答性の悪化を抑制でき、上記対策による無駄なブースト圧(図18(b)参照)の発生を抑制でき、この無駄なブースト圧による燃費の悪化を抑制できる(図7参照)。
また、図2に示すように、作業用油圧制御装置1は再生油路50を備える。よって、メータイン流量Qmiと再生流量Qrとが油圧モータ13に供給される。よって、再生油路50を備えない場合に比べ、油圧ポンプ12が吐出する流量は再生流量Qrの分、低下する。よって、油圧ポンプ12の駆動に必要な動力が低下する。したがって、エンジン11の燃料消費量を低減できる(図7に示すグラフの特に時刻T1以後の部分を参照)。
また、作業用油圧制御装置1は、操作レバー16のレバー操作量に応じて弁開度(開度)が変わるメータアウト絞り71を備える。すなわち、操作レバー16のレバー操作量が同じであれば、メータアウト絞り71の弁開度([数3]の開口面積Amoに比例)は同じである。また、メータアウト絞り71の前後差圧は、メータアウトフロコン72により一定の設定差圧ΔPmo([数3]参照)に保持される。よって、操作レバー16のレバー操作量が同じであれば、メータアウト流量Qmo([数3]参照)も同じである。すなわち、レバー操作量が同じであれば、図1に示す吊荷15の重量が変わっても油圧モータ13の速度は変わらない。したがって、吊荷15の重量に応じて油圧モータ13の速度が変わる問題を抑制でき、その結果、操作性や安全性の悪化を抑制できる。
また、作業用油圧制御装置1は、メータイン油路30に設けられたメータイン絞り61を備える。前記「メータイン流量制御手段」は、メータインフロコン62を備える。メータインフロコン62は、メータイン絞り61の前後差圧を検出し、この前後差圧を一定の設定差圧ΔPmoに保持するようにメータイン油路30の流量Qmiを制御する。
この構成により、メータイン流量Qmiを確実に制御できる。
図8〜図9を参照して第2実施形態の作業用油圧制御装置201を説明する。
図1に示す作業用油圧制御装置1では、メータアウトフロコン72及び背圧弁81は方向切り替え弁20の下流側に設けられた。また、作業用油圧制御装置1では、メータアウト絞り71は方向切り替え弁20の一部であった。
図8に示す作業用油圧制御装置201では、メータアウト弁271(メータアウト絞り)、メータアウトフロコン72、及び背圧弁81が方向切り替え弁20の上流側に設けられる。また、作業用油圧制御装置201では、メータアウト弁271がメータアウト絞り71(図1参照)の機能を備える。なお、油圧モータ13と方向切り替え弁20とをつなぐ配管であって、メータアウト弁271、メータアウトフロコン72、及び背圧弁81が設けられた配管を配管241とする。また、配管241には、配管241に対して並列に巻き上げ用バイパス油路255が設けられる。以下、上記相違点をさらに説明する。
操作レバー16により巻き上げレバー操作を行うと、圧油は次のように流れる。チェック弁244及び258の作用により、油圧ポンプ12から、配管31、巻き上げ用バイパス油路255を介して油圧モータ13へ圧油が供給される。油圧モータ13から排出された圧油は、配管33、32、及び43を介してタンクTa1へ戻る。なお、以下では巻き下げを前提として説明する。
作業用油圧制御装置201は次のように動作する。操作レバー16のレバー操作量がゼロのときは、方向切り替え弁20は中立位置21であるとともに、メータアウト弁271は非巻き下げ位置271bである。操作レバー16により巻き下げレバー操作が入力されると、巻き下げパイロットライン28及びパイロットライン228にパイロット圧が発生する。すると、方向切り替え弁20は巻き下げ位置23に切り替わるとともに、メータアウト弁271は巻き下げ位置271aに切り替わる。
次に、作業用油圧制御装置201の効果を説明する。作業用油圧制御装置201では、メータアウト弁271およびメータアウトフロコン72が方向切り替え弁20の上流側に設けられる。よって、方向切り替え弁20と油圧モータ13との距離に比べて、メータアウト弁271及びメータアウトフロコン72と油圧モータ13との距離を小さくできる。よって、メータアウト弁271及びメータアウトフロコン72を油圧モータ13の直近に配置することができる。その結果、油圧モータ13の動作速度の操作の応答性の悪化を抑制できる。
図10〜図11を参照して第3実施形態の作業用油圧制御装置301を説明する(図10中の安全確保用圧力制御弁682については第6実施形態で説明する)。図1に示す作業用油圧制御装置1では、背圧弁81の設定背圧Pbkを一定の圧力P1とした。図10に示す作業用油圧制御装置301では、図11に示すように、設定背圧Pbkを所定の場合に圧力P1よりも小さくする(背圧弁81の弁開度を開くように制御する)。以下、上記相違点を説明する。
巻き下げ時には、パイロットライン364を介して、メータイン圧Pmiがパイロット圧として背圧弁81に作用する。パイロットライン364は、方向切り替え弁20の巻き下げ位置23内、かつ、メータイン絞り61よりも下流側でメータイン油路30から分岐する。
巻き上げ時には、パイロットライン364を介して、巻き上げ時におけるメータイン圧Pmi’がパイロット圧として背圧弁81に作用する。巻き上げ時におけるメータイン圧Pmi’とは、巻き上げ用メータイン絞り365よりも下流側の巻き上げ用メータイン油路330の圧力(巻き上げ時における油圧モータ13入口の圧力、巻き上げ時における配管41の圧力)である。パイロットライン364は、方向切り替え弁20の巻き上げ位置22内、かつ、巻き上げ用メータイン絞り365よりも下流側で、巻き上げ用メータイン油路330から分岐する。
(無負荷等巻き下げ時)
次に作業用油圧制御装置301の動作を説明する。
巻き下げ時にメータイン圧Pmiが上昇した場合は、背圧弁81の弁開度を開く(設定背圧Pbkを下げる)ように制御する。以下、詳細を説明する。
一方、吊荷15が無い状態(空フック)で油圧モータ13を巻き下げ方向に駆動させる時(無負荷巻き下げ時)には、メータイン圧Pmiが上昇する場合がある。さらに詳しくは、無負荷巻き下げ時は、吊荷15の自重が油圧モータ13に作用しないのでメータアウト油路40に保持圧が発生しない。また、油圧モータ13を駆動するために、メータアウト圧Pmoよりメータイン圧Pmiが大きくなる。よって、再生油路50のチェック弁53の作用により、再生油路50を圧油が流れない。したがって、メータイン圧Pmiは、少なくとも背圧弁81の設定背圧Pbkの最大値(=圧力P1)以上となる(メータイン圧Pmiは、メータアウトフロコン72の上流側の圧力以上、メータアウト絞り71上流側の圧力以上となる)。メータイン圧Pmiは、油圧モータ13の吐出圧やメータイン絞り61の動作に応じて上昇または低下する。
なお、吊荷15が無い状態で巻き下げする場合だけでなく、メータアウト油路40に保持圧が発生しないほど軽い吊荷15を巻き下げする場合にも同様に、メータイン圧Pmiが上昇する場合がある。
巻き上げ時(図面10に示すように、自重落下方向に吊荷15が動くように油圧モータ13を駆動させることに代えて、自重落下方向とは逆向きに吊荷15が動くように油圧モータ13を駆動させる)場合、背圧弁81の弁開度を開くように制御する。以下、詳細を説明する。
次に、図10に示す作業用油圧制御装置301の効果を説明する。巻き下げ時にメータイン油路30の圧力が上昇した場合(場合a)、または、巻き上げ時(自重落下方向に吊荷15が動くように油圧モータ13を駆動させることに代えて、自重落下方向とは逆向きに吊荷15が動くように油圧モータ13を駆動させる)場合(場合b)、油圧モータ13の上流及び下流の圧力が十分高いので、キャビテーションが生じる問題は生じない。
また、作業用油圧制御装置301では、上記(場合a)または(場合b)の場合、背圧弁81の弁開度(開度)を開くように制御する。よって、油圧モータ13の上流および下流の圧力を低減できる。したがって、油圧モータ13の上流および下流の圧力が背圧弁81の圧損により上昇することを抑制でき、その結果、油圧ポンプ12の動力が増加してエンジン11の燃費が悪化することを抑制できる。
一方、作業用油圧制御装置301は、キャビテーションの問題が生じない状態のときに背圧弁81の弁開度を開くように制御するので、燃費の悪化を抑制できる。
図12〜図14を参照して第4実施形態の作業用油圧制御装置401を説明する。図1に示す作業用油圧制御装置1との相違点は次の通りである。図12に示す作業用油圧制御装置401は、エンジン11等の回転数が減少した場合、メータアウト絞り71の弁開度を減少させる。作業用油圧制御装置401は、各種信号の入出力などを行うコントローラ491を備える。コントローラ491には、エンジン回転数センサ492、電磁減圧弁493、及びパイロット圧センサ494が接続される。以下、上記相違点をさらに説明する。
作業用油圧制御装置401では、油圧ポンプ12の動力源であるエンジン11または油圧ポンプ12の回転数が減少した場合、メータアウト絞り71の弁開度([数3]の開口面積Amoに比例)を減少させる。その結果、メータアウト流量Qmo([数3]参照)が減少し、油圧モータ13の速度が減少する。以下、詳細に説明する。
また、図14に、巻き下げパイロット圧と電磁減圧弁493の2次圧との関係の変形例を示す。図12に示すコントローラ491は、巻き下げパイロット圧が所定値以上の場合は、電磁減圧弁493の2次圧を一定の圧力にする。また、巻き下げパイロット圧が所定値未満のときは、電磁減圧弁493による減圧を行わない。なお、巻き下げパイロット圧と電磁減圧弁493の2次圧との関係は適宜変更しても良い。
次に、図12に示す作業用油圧制御装置401の効果を説明する。作業用油圧制御装置401では、油圧ポンプ12の動力源のエンジン11、または、油圧ポンプ12の回転数が減少した場合、メータアウト絞り71の弁開度([数3]の開口面積Amoに比例)を減少させる。これにより、メータアウト油路40の流量Qmo([数3]参照)が減少し、油圧モータ13の速度が減少する。したがって、エンジン11または油圧ポンプ12の回転数を減少させて油圧モータ13を低速で駆動させる操作の操作性が向上する。
図15を参照して第5実施形態の作業用油圧制御装置501を説明する。
図12に示す作業用油圧制御装置401では、エンジン11等の回転数が減少したときにメータアウト絞り71の弁開度を減少させることで、メータアウト流量Qmoを減少させた。図15に示す作業用油圧制御装置501では、エンジン11等の回転数が減少したときにメータアウト絞り71の前後差圧(=メータアウトフロコン72の設定差圧ΔPmo)を減少させることでメータアウト流量Qmoを減少させる。
また、図12に示す作業用油圧制御装置401では、巻き下げパイロットライン28に電磁減圧弁493を設けた。図15に示す作業用油圧制御装置501では、パイロット油圧源595と、メータアウトフロコン72とをつなぐパイロットライン575上に電磁減圧弁593を設ける。以下、上記相違点をさらに説明する。
(効果4−2)
図15に示す作業用油圧制御装置501では、油圧ポンプ12の動力源のエンジン11または油圧ポンプ12の回転数が減少した場合、メータアウトフロコン72の設定差圧ΔPmo([数3]参照)を減少させる。これにより、メータアウト油路40の流量Qmo([数3]参照)が減少し、油圧モータ13の速度が減少する。したがって、エンジン11または油圧ポンプ12の回転数を減少させて油圧モータ13を低速で駆動させる操作の操作性が向上する(詳細は効果4−1参照)。
図10を参照して第6実施形態の作業用油圧制御装置601を説明する。図1の作業用油圧制御装置1との相違点は、図10に示すようにメータアウト油路40に安全確保用圧力制御弁682を設けている点である。なお、作業用油圧制御装置601は、巻き上げ用バイパス油路655を備える。以下、上記相違点を説明する。
通常時は、安全確保用圧力制御弁682は開いた状態となる。さらに詳しくは、上述したように、操作レバー16で巻き下げ操作を行うと、メータイン圧Pmiは直ちに背圧弁81の設定背圧Pbkになる。この設定背圧Pbkは設定圧力P3より大きい。よって、安全確保用圧力制御弁682は巻き下げ操作中は常に開いた状態(全開)となる。すなわち、通常の巻き下げ操作時は、安全確保用圧力制御弁682は、従来の外部パイロット式カウンタバランス弁784(図16)と同様の動作を行わない。
次に図15に示す作業用油圧制御装置501の効果を説明する。作業用油圧制御装置501は、メータアウト油路40のうち再生油路50との分岐点51の上流側に設けられた安全確保用圧力制御弁682を備える。安全確保用圧力制御弁682は、メータイン油路30の圧力(さらに詳しくはメータイン圧Pmi)が安全確保用圧力制御弁682の設定圧力P3より低い場合に弁開度を閉じる。また、背圧弁81の設定背圧Pbkは、安全確保用圧力制御弁682の設定圧力P3より高い。
よって、メータイン油路30が破損した場合などの非常時や故障時に、メータイン油路30の圧力(メータイン圧Pmi)が安全確保用圧力制御弁682の設定圧力P3より低くなると、安全確保用圧力制御弁682は弁開度を閉じる。すると、メータアウト油路40の流量が減少し、油圧モータ13が減速(または停止)する。その結果、上記の非常時や故障時の安全性を向上できる。
作業用油圧制御装置1等は様々に変形できる。
例えば、図1等に示した回路中の各構成要素の配置や配管の接続は、図に示す通りとしても良く、また、適宜変更しても良い。例えば、図1では、パイロットライン64及び73は、方向切り替え弁20内でメータイン油路30及びメータアウト油路40から分岐するように示しているが、パイロットライン64又は73が方向切り替え弁20の外で分岐しても良い。
11 エンジン(動力源)
12 油圧ポンプ(メータイン流量制御手段)
13 油圧モータ(油圧アクチュエータ)
15 吊荷(負荷)
16 操作レバー(操作手段)
21a ブリードオフ絞り(メータイン流量制御手段)
30 メータイン油路
40 メータアウト油路
50 再生油路
51 分岐点
52 合流点
53 チェック弁
61 メータイン絞り
62 メータインフロコン(メータイン流量制御手段)
71 メータアウト絞り
72 メータアウトフロコン
81 背圧弁
271 メータアウト弁(メータアウト絞り)
682 安全確保用圧力制御弁
Claims (5)
- 油圧ポンプと、
前記油圧ポンプから供給される圧油により駆動されて負荷を動かす油圧アクチュエータと、
前記油圧アクチュエータの動作速度を操作する操作手段と、を備え、
自重落下方向に前記負荷が動くように前記油圧アクチュエータを駆動させる作業用油圧制御装置であって、
前記油圧アクチュエータのメータイン油路の流量を制御するメータイン流量制御手段と、
前記油圧アクチュエータのメータアウト油路に設けられ、前記操作手段の操作量に応じて開度が変わるメータアウト絞りと、
前記メータアウト絞りの前後差圧を検出し、当該前後差圧を一定の設定差圧に保持するように前記メータアウト油路の流量を制御するメータアウトフロコンと、
前記メータアウト絞りの下流側かつ前記メータアウトフロコンの下流側に設けられた弁であって、当該弁の上流側に設定背圧を発生させる背圧弁と、
前記背圧弁の上流側で前記メータアウト油路から分岐するとともに前記メータイン油路に合流する再生油路と、
前記再生油路に設けられ、前記メータアウト油路から前記メータイン油路に流れる方向のみに圧油を通すチェック弁と、
を備え、
前記メータイン流量制御手段は、前記メータイン油路のうち前記再生油路との合流点の上流側のメータイン流量を制御し、
前記メータアウトフロコンは、前記メータアウト油路のうち前記再生油路との分岐点の上流側のメータアウト流量を制御し、
前記メータアウト流量が前記メータイン流量より大きくなるように制御される、作業用油圧制御装置。 - 前記メータイン油路に設けられたメータイン絞りを備え、
前記メータイン流量制御手段は、前記メータイン絞りの前後差圧を検出して当該前後差圧を一定の設定差圧に保持するように前記メータイン油路の流量を制御するメータインフロコンを備える、請求項1に記載の作業用油圧制御装置。 - 前記メータイン油路の圧力が上昇した場合、または、
自重落下方向に前記負荷が動くように前記油圧アクチュエータを駆動させることに代えて、自重落下方向とは逆向きに当該負荷が動くように当該油圧アクチュエータを駆動させる場合、
前記背圧弁の開度を開くように制御する、請求項1または2に記載の作業用油圧制御装置。 - 前記油圧ポンプの動力源または当該油圧ポンプの回転数が減少した場合、
前記メータアウト絞りの開度を減少させる、または、前記メータアウトフロコンの前記設定差圧を減少させる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の作業用油圧制御装置。 - 前記メータアウト油路のうち前記再生油路との分岐点の上流側に設けられた安全確保用圧力制御弁を備え、
前記安全確保用圧力制御弁は、当該安全確保用圧力制御弁の設定圧力より前記メータイン油路の圧力が低い場合に開度を閉じ、
前記背圧弁の前記設定背圧は、前記安全確保用圧力制御弁の前記設定圧力より高い、請求項1〜4のいずれか1項に記載の作業用油圧制御装置。
Priority Applications (7)
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