JP2012051701A - 巻芯 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性に優れ、被巻回物との間の適度な摩擦係数を有し、かつ容易に製造されうる巻芯2の提供。
【解決手段】巻芯2は、内層4と外層6とからなる。内層4は、筒状である。外層6も、筒状である。外層6は、内層4の表面に積層されている。内層4は、ポリマー組成物からなる。このポリマー組成物の基材ポリマーの主成分は、熱可塑性樹脂である。外層6は、ポリマー組成物からなる。このポリマー組成物の基材ポリマーは、熱可塑性エラストマーである。特に好ましい熱可塑性エラストマーは、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーである。外層6の表面は、タック性を有する。この巻芯2に、マットが巻かれる。マットが含有する薬剤が外層6に移行しないような材質から、この外層6が形成されている。外層6が含有する薬剤がマットに移行しない材質から、この外層6が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、パイルマット、タフトマット、ゴムシート、合成樹脂シート等の被巻回物が巻き回される巻芯に関する。
パイルマット及びタフトマットのようなマットが、巻芯に巻かれて流通することがある。ゴムシート及び合成樹脂シートのようなシートが、巻芯に巻かれて流通することもある。一般的な巻芯は、紙からなる。紙製の巻芯が、特開2008−266001公報に開示されている。特開2003−40495公報には、紙管とこの紙管の表面に貼り付けられたラバーシートとを備えた巻芯が開示されている。
特開2008−266001公報 特開2003−40495公報
紙製の巻芯が水分を吸収すると、強度が低下する。特に、この巻芯が夜露や雨水に曝されると、容易に変形し、又は破損する。紙製の巻芯は、耐久性に劣る。この巻芯は、多数回の繰り返し使用には適さない。
紙製の巻芯とマットとの間の摩擦係数は、小さい。従って、マットが巻芯に巻かれようとするとき、マットが巻芯に対してスリップすることがある。スリップにより、巻き回しに支障が生じる。マットと巻芯との間には、適度な摩擦係数が必要である。シートが巻芯に巻き回されるときも、このシートと巻芯との間に適度な摩擦係数が必要である。
一般に、マットが巻芯に巻き回されて得られる巻物では、マットの幅よりも巻芯の長さの方が大きい。従って、巻芯の端部はマットに覆われることなく、露出している。巻芯の端面が地面に当接し、巻芯がほぼ鉛直方向に延在する状態で、巻物が保管されることがある。前述の通り、紙製の巻芯とマットとの間の摩擦係数は、小さい。従って、マットが巻芯に対してスリップし、ずり落ちてしまうことがある。ずり落ちが生じると、マットが地面と接触する。この接触により、マットが汚染される。地面と接触したマットが、自重によって永久歪みを起こすこともある。同様の問題は、シートが巻芯に巻き回されて得られる巻物でも生じうる。
表面にゴムライナーを備えた巻芯では、マットのスリップが抑制されうる。しかし、この巻芯の製造には手間がかかる。ライナーに含まれる薬剤がマットに移行することで、マットの品質が阻害されるおそれがある。マットに含まれる薬剤がライナーに移行することで、マットの品質が阻害されるおそれもある。同様の問題は、シートが巻芯に巻き回されて得られる巻物でも生じうる。
本発明の目的は、耐久性に優れ、被巻回物との間の大きな摩擦係数を有し、かつ容易に製造されうる巻芯の提供にある。
本発明に係る巻芯は、筒状の内層と、この内層の表側に積層された外層とを備える。内層は、ポリマー組成物からなる。内層のポリマー組成物の基材ポリマーの主成分は、熱可塑性樹脂である。外層は、ポリマー組成物からなる。外層のポリマー組成物の基材ポリマーの主成分は、熱可塑性エラストマーである。
好ましくは、外層の基材ポリマーの主成分は、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーである。好ましくは、外層は、内層に熱融着される。
本発明に係る巻物は、巻芯と、この巻芯に巻き回された被巻回物とを備える。この巻芯は、筒状の内層と、この内層の表側に積層された外層とを備える。内層は、ポリマー組成物からなる。内層のポリマー組成物の基材ポリマーの主成分は、熱可塑性樹脂である。外層は、ポリマー組成物からなる。外層のポリマー組成物の基材ポリマーの主成分は、熱可塑性エラストマーである。外層は、被巻回物のうち外層と当接している層が含有する薬剤がこの外層に実質的に移行しないような材質から形成されている。
他の観点によれば、本発明に係る巻物は、巻芯と、この巻芯に巻き回された被巻回物とを備える。巻芯は、筒状の内層とこの内層の表側に積層された外層とを備える。内層は、ポリマー組成物からなる。内層のポリマー組成物の基材ポリマーの主成分は、熱可塑性樹脂である。外層は、ポリマー組成物からなる。外層のポリマー組成物の基材ポリマーの主成分は、熱可塑性エラストマーである。外層は、被巻回物のうち外層と当接している層にこの外層から薬剤が実質的に移行しない材質から形成されている。
本発明に係る巻芯は、耐久性に優れる。この巻芯は、被巻回物との間の適度な摩擦係数を有する。しかもこの巻芯は、容易に製造されうる。
図1は、本発明の一実施形態に係る巻芯が示された斜視図である。 図2は、図1の巻芯の製造の様子が示された斜視図である。 図3は、図1の巻芯がマットと共に示された正面図である。 図4は、図3の巻芯の一部がマットと共に示された拡大断面図である。 図5は、本発明の他の実施形態に係る巻芯の一部がマットと共に示された断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1に示された巻芯2は、内層4と外層6とからなる。内層4は、筒状である。外層6も、筒状である。外層6は、内層4の表面に積層されている。巻芯2の全体形状は、長尺の棒状である。巻芯2の全長Lは、典型的には50cm以上300cm以下である。巻芯2の直径Dは、典型的には30mm以上400mm以下である。巻芯2が、内層4及び外層6と共に、他の層を備えてもよい。他の層の具体例としては、繊維強化樹脂層が挙げられる。巻芯2が他の層を有する場合も、最も外側には外層6が位置する。
内層4は、ポリマー組成物からなる。このポリマー組成物の基材ポリマーの主成分は、熱可塑性樹脂である。この内層4は、比較的硬質である。この内層4を備えているので、巻芯2の剛性は高い。この巻芯2は、自重によってはほとんど変形しない。この巻芯2は、被巻回物が巻かれた場合でも、この被巻回物の重みによってはほとんど変形しない。熱可塑性樹脂が主成分なので、この内層4の成形は容易である。
内層4の円筒形状の保形性を高める目的で、この内層4に螺旋状の線状補強体が埋設されてもよい。好ましくは、線状補強体は、内層4の樹脂と同種であって、かつこの樹脂よりも比較的硬質な樹脂からなる。
内層4に適した熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン及びポリプロピレンのようなオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル並びにポリアミドが例示される。剛性、耐久性、汎用性、軽量及びコストの観点から、オレフィン系樹脂が好ましく、ポリプロピレンが特に好ましい。2種以上の熱可塑性樹脂が併用されてもよい。
内層4のポリマー組成物は、ポリマーのみからなってもよく、ポリマーと添加剤とを含んでもよい。耐候性(特に耐光性)の観点から好ましい添加剤は、紫外線吸収剤及び着色剤である。着色剤によって内層4が灰色又は黒色を呈することにより、巻芯2の耐光性が向上する。
内層4のポリマー組成物が、基材として、熱可塑性樹脂と共に、他のポリマーを含んでもよい。他のポリマーとしては、熱可塑性エラストマーが挙げられる。熱可塑性樹脂と熱可塑性エラストマーとが併用される場合、巻芯2の剛性の観点から、基材ポリマー全量に対する熱可塑性樹脂の比率は60質量%以上が好ましく、80質量%以上が特に好ましい。
外層6は、ポリマー組成物からなる。このポリマー組成物の基材ポリマーの主成分は、熱可塑性エラストマーである。熱可塑性エラストマーは、熱可塑性を有し、かつゴム弾性を有する。この外層6は、比較的軟質である。従って、この外層6と被巻回物との摩擦係数は大きい。被巻回物が巻芯2に巻かれようとするときの、この被巻回物の巻芯2に対するスリップが、外層6によって抑制される。この巻芯2では、被巻回物を巻き始めるときの、被巻回物の端部の巻芯2への仮固定が容易になされうる。この巻芯2が用いられることにより、容易に巻物が得られうる。
熱可塑性エラストマーは、
(1)ハードセグメントとソフトセグメントとを有するブロック共重合体タイプ
及び
(2)ハードポリマーとソフトポリマーとの混合によって得られるブレンドタイプ
に大別できる。外層6には、いずれのタイプの熱可塑性エラストマーも用いられうる。
外層6に適した熱可塑性エラストマーとしては、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー及びポリアミド系熱可塑性エラストマーが例示される。2種以上の熱可塑性エラストマーが併用されてもよい。
摩擦係数、汎用性、軽量及びコストの観点から、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーが特に好ましい。ハードポリマーとしてのポリプロピレンとソフトポリマーとしてのEPMとが混合されたエラストマー、ハードポリマーとしてのポリプロピレンとソフトポリマーとしてのEPDMとが混合されたエラストマー等が、外層6に用いられうる。
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーの具体例としては、三井化学社の商品名「ノティオ」及び「ミラストマー」;AESジャパン社の商品名「サントプレーン」、「ジオラスト」及び「トレフシン」;住友化学社の商品名「住友TPE」;三菱化学社の商品名「サーモラン」及び「ゼラス」;日本ポリエチレン社の商品名「オレフレックス」;アプコ社の商品名「ミラプレーン」及び「サーモラン」;トクヤマ社の商品名「PER」;東洋紡社の商品名「サーリンク」;チッソ社の商品名「ニューコン」;プラス・テク社の商品名「アムゼル」;リケンテクノス社の商品名「マルチュースドレストマー」並びに出光石油化学社の商品名「出光TPO」が挙げられる。
摩擦係数の観点から、タック性を有する熱可塑性エラストマーが好ましい。タック性を有する熱可塑性エラストマーの具体例としては、前述の商品名「ノティオ」が挙げられる。このエラストマーは、ハードポリマーとしてのポリプロピレンとソフトポリマーとが混合され、かつその構造がナノオーダーで制御されて得られるエラストマーである。
外層6のポリマー組成物は、ポリマーのみからなってもよく、ポリマーと添加剤とを含んでもよい。耐候性(特に耐光性)の観点から好ましい添加剤は、紫外線吸収剤及び着色剤である。着色剤によって外層6が灰色又は黒色を呈することにより、巻芯2の耐光性が向上する。
外層6のポリマー組成物が、基材として、熱可塑性エラストマーと共に、他のポリマーを含んでもよい。他のポリマーとしては、熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性エラストマーと熱可塑性樹脂とが併用される場合、摩擦係数の観点から、基材ポリマー全量に対する熱可塑性エラストマーの比率は60質量%以上が好ましく、80質量%以上が特に好ましい。
この巻芯2は、内層4がポリマー組成物からなり、外層6もポリマー組成物からなるので、水に曝されても変形せず、破損もしない。この巻芯2は、耐久性に優れる。この巻芯2は、繰り返しの使用に耐えうる。
図2には、図1の巻芯2の製造の様子が示されている。この製造に用いられる装置8は、成形軸10を備えている。この成形軸10は、図示されない駆動手段により駆動されて、回転送り動作を行う。回転方向が、図2において符号Rで示されている。この製造装置は、既知である。この製造装置が用いられる製造方法は、「スパイラル法」と称されている。
図2に示された装置8が用いられた製造方法では、内層4のためのポリマー組成物が加熱され、溶融される。このポリマー組成物が押出機から押し出され、半溶融状態の第一テープ12が得られる。この第一テープ12が成形軸10の上に供給され、成形軸10に螺旋状に巻かれる。隣接する第一テープ12の側縁14同士は、重ね合わされるか、又は突き合わされる。これら側縁14同士は、熱融着される。この第一テープ12により、内層4が成形される。
一方、外層6のためのポリマー組成物が加熱され、溶融される。このポリマー組成物が押出機から押し出され、半溶融状態の第二テープ16が得られる。この第二テープ16が、成形軸10上に巻かれた第一テープ12の上に供給され、螺旋状に巻かれる。第二テープ16は、第一テープ12に積層される。隣接する第二テープ16の側縁18同士は、重ね合わされるか、又は突き合わされる。これら側縁18同士は、熱融着される。この第二テープ16により、外層6が成形される。第二テープ16は、押さえローラ20によって押圧される。この押圧により、外層6の表面が平滑とされる。平滑な外層6により、巻芯2の表面にタック性が付与されうる。タック性を有する巻芯2では、マット、シート等のスリップが生じにくい。
第二テープ16が第一テープ12と積層されることにより、両者が熱融着される。換言すれば、外層6が内層4と熱融着され、両者が堅固に接合される。第一テープ12及び第二テープ16は、矢印Rで示される方向に回転しつつ、矢印Aで示される方向に移動する。第二テープ16の表面には、冷却装置22から冷却水24が噴霧される。この噴霧により、第一テープ12及び第二テープ16が凝固する。この装置8により、長尺の母材が得られる。この母材が所定寸法に切断されて、巻芯2が得られる。
第一テープ12と第二テープ16とが共押出されて、両者が一体で成形軸10に供給されてもよい。
この巻芯2では、内層4及び外層6の両方が熱可塑性である。従って、この巻芯2は容易に成形されうる。内層4と外層6とが堅固に熱融着されるとの観点から、内層4の基材ポリマーの溶解度係数(SP値)と外層6の基材ポリマーの溶解度係数との差の絶対値が小さいことが好ましい。内層4の基材ポリマーがポリプロピレンであり、外層6の基材ポリマーがポリプロピレンを含む熱可塑性エラストマーである場合に、内層4と外層6とが特に堅固に熱融着されうる。熱融着に代えて、接着剤により、外層6が内層4に接合されてもよい。外層6のタック性によってこの外層6が内層4に付着してもよい。
外層6の材質がタック性を有する場合、押さえローラによる平滑化が省略されてもよい。外層6の材質がタック性を有する場合、外層6が表面に凹凸又は溝を有してもよい。
図3は、図1の巻芯2がマット26と共に示された正面図である。図4は、図3の巻芯2の一部がマット26と共に示された拡大断面図である。マット26は、巻芯2に巻き回されている。巻芯2とマット26とにより、巻物28が形成されている。マット26は、パイル層30とベース層32とからなる。図4では、便宜上、マット26が3重に巻かれた様子が示されている。実際の巻物28では、マット26の巻き回数はさらに多い。
図3に示されるように、マット26はバンド34で締結されている。巻物28は、巻芯2がほぼ鉛直方向に延在する状態で、保管される。保管時には、巻芯2の一方の端面36が地面38と当接する。前述の通り、外層6とマット26との摩擦係数は大きい。従って、マット26が外層6とスリップを起こしてずり落ちることが抑制される。この巻芯2により、マット26の汚染及び永久歪みが抑制されうる。
図4に示されるように、第一テープ12の断面形状は平行四辺形である。従って、第一テープ12の1つの側縁14aと、この側縁14aに隣接する他の側縁14bとは、半径方向(図4における左右方向)において重なり合っている。この重なりにより、側縁14同士の堅固な接合が達成されうる。前述の通り、側縁14同士は熱融着されるので、実際の内層4では側縁14は明確には視認され得ない。図4では、説明の便宜上、側縁14が実線で画かれている。
図4に示されるように、第二テープ16の断面形状は平行四辺形である。従って、第二テープ16の1つの側縁18aと、この側縁18aに隣接する他の側縁18bとは、半径方向において重なり合っている。この重なりにより、側縁18同士の堅固な接合が達成されうる。前述の通り、側縁18同士は熱融着されるので、実際の外層6では側縁18は明確には視認され得ない。図4では、説明の便宜上、側縁18が実線で画かれている。
図4に示されるように、外層6はパイル層30と接触している。パイル層30に含まれる薬剤(有機化合物)が外層6に移行すると、この薬剤が欠乏することに起因して、パイル層30の品質が阻害されるおそれがある。この移行が実質的に生じない材質から、外層6が成形されることが好ましい。
外層6に含まれる薬剤(有機化合物)がパイル層30に移行すると、この薬剤が存在することに起因して、パイル層30の品質が阻害されるおそれがある。この移行が実質的に生じない材質から、外層6が成形されることが好ましい。
外層6の基材ポリマーの溶解度係数とパイル層30(外層6に接触する層)の基材ポリマーの溶解度係数との差が大きな巻物28では、薬剤の移行が生じにくい。溶解度係数の差の絶対値は、1.0以上が好ましく、1.5以上がより好ましく、2.0以上が特に好ましい。
パイルマット26及びタフトマットには、ポリアミド繊維又はポリエステル繊維(PET繊維を含む)が用いられることが多い。ポリアミド及びポリエステルの溶解度係数は、大きい。ポリアミド繊維又はポリエステル繊維が用いられたマットが巻かれる巻芯2の外層6には、溶解度係数が小さなポリマーが用いられることが好ましい。具体的には、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーが用いられることが好ましい。
ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、ポリクロロプレン(CR)及びポリウレタン(PU)の溶解度係数は、大きい。被巻回物がPVCシート、NBRシート、CRシート又はPUシートである場合、巻芯2の外層6には、溶解度係数が小さなポリマーが用いられることが好ましい。具体的には、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーが用いられることが好ましい。
EPDMの溶解度係数は、小さい。被巻回物がEPDMシートである場合、巻芯2の外層6には、溶解度係数が大きなポリマーが用いられることが好ましい。具体的には、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー又はポリアミド系熱可塑性エラストマーが用いられることが好ましい。
パイル層30に移行しうる薬剤を外層6が実質的に含まないことが好ましい。具体的には、可塑剤、老化防止剤、加硫促進剤及び加工助剤を外層6が実質的に含まないことが好ましい。理想的には、外層6のポリマー組成物は、基材ポリマーと無機充填剤(着色剤等)とのみからなる。
巻芯2の剛性及び衝撃吸収性の観点から、内層4の曲げ剛性率は800MPa以上5000MPa以下が好ましく、1200MPa以上3000MPa以下が特に好ましい。曲げ剛性率は、「JIS K 7171」の規定に準拠して測定される。測定には、内層4のポリマー組成物と同一のポリマー組成物からなる試験片が用いられる。
摩擦係数の観点から、外層6の硬度は90以下が好ましく、85以下がより好ましく、80以下が特に好ましい。成形性及び形状保持性の観点から、硬度は20以上が好ましく、40以上がより好ましく、50以上が特に好ましい。硬度は、「JIS K 7215」の規定に準拠して、タイプAのデュロメータにて測定される。測定には、外層6のポリマー組成物と同一のポリマー組成物からなる試験片が用いられる。
図4において符号T1で示されているのは、内層4の厚みである。厚みT1は、巻芯2の口径が考慮され、巻芯2の剛性が維持されるように決定される。主要サイズである、口径が75mmである巻芯2の場合、厚みT1は1mm以上が好ましく、1.5mm以上が特に好ましい。巻芯2の軽量の観点から、口径が75mmである巻芯2の場合、厚みT1は4mm以下が好ましく、3mm以下が特に好ましい。
図4において符号T2で示されているのは、外層6の厚みである。厚みT2は、巻芯2の口径が考慮され、巻芯2の適度な摩擦係数が維持されるように決定される。主要サイズである、口径が75mmである巻芯2の場合、厚みT2は0.1mm以上が好ましく、0.2mm以上が特に好ましい。巻芯2の軽量の観点から、口径が75mmである巻芯2の場合、厚みT2は1.0mm以下が好ましく、0.7mm以下が特に好ましい。
図5は、本発明の他の実施形態に係る巻芯40の一部がマット26と共に示された断面図である。マット26は、巻芯40に巻き回されている。巻芯40とマット26とにより、巻物42が形成されている。この巻芯40も、図4に示された巻芯2と同様、内層4と外層6とからなる。内層4は第一テープ12から成形されており、外層6は第二テープ16から成形されている。図4に示された巻芯2では、第二テープ16の側縁18の位置が、第一テープ12の側縁14の位置と一致している。一方、図5に示された巻芯40では、第二テープ16の側縁44の位置が、第一テープ12の側縁46の位置と一致していない。第一テープ12の側縁46は、第二テープ16によって覆われている。この巻芯40は、強度に優れる。
本発明に係る巻芯は、種々のマット及びシートの保管及び運搬に用いられうる。
2、40・・・巻芯
4・・・内層
6・・・外層
10・・・成形軸
12・・・第一テープ
16・・・第二テープ
26・・・マット
28、42・・・巻物
30・・・パイル層
32・・・ベース層

Claims (5)

  1. 筒状の内層と、この内層の表側に積層された外層とを備えており、
    上記内層がポリマー組成物からなり、このポリマー組成物の基材ポリマーの主成分が熱可塑性樹脂であり、
    上記外層がポリマー組成物からなり、このポリマー組成物の基材ポリマーの主成分が熱可塑性エラストマーである巻芯。
  2. 上記外層の基材ポリマーの主成分が、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーである請求項1に記載の巻芯。
  3. 上記外層が上記内層に熱融着されている請求項1又は2に記載の巻芯。
  4. 巻芯と、この巻芯に巻き回された被巻回物とを備えており、
    上記巻芯が、筒状の内層とこの内層の表側に積層された外層とを備えており、
    上記内層がポリマー組成物からなり、このポリマー組成物の基材ポリマーの主成分が熱可塑性樹脂であり、
    上記外層がポリマー組成物からなり、このポリマー組成物の基材ポリマーの主成分が熱可塑性エラストマーであり、
    上記被巻回物のうち上記外層と当接している層が含有する薬剤がこの外層に実質的に移行しないような材質から、この外層が形成されている巻物。
  5. 巻芯と、この巻芯に巻き回された被巻回物とを備えており、
    上記巻芯が、筒状の内層とこの内層の表側に積層された外層とを備えており、
    上記内層がポリマー組成物からなり、このポリマー組成物の基材ポリマーの主成分が熱可塑性樹脂であり、
    上記外層がポリマー組成物からなり、このポリマー組成物の基材ポリマーの主成分が熱可塑性エラストマーであり、
    上記被巻回物のうち上記外層と当接している層にこの外層から薬剤が実質的に移行しない材質から、この外層が形成されている巻物。
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