JP2012051516A - ウェビング巻取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フレームを補強しなくてもフレームの変形を抑制する。
【解決手段】ウェビング巻取装置10では、フレーム12の脚板16及び脚板18にガイド70が支持されており、ガイド70にウェビング30が当接されることで、ウェビング30が曲げられてフレーム12から延出されている。ここで、スプール20の引出方向への回転が規制された際には、ウェビング30に作用する張力によりウェビング30がスプール20側へ変位することをガイド70が許容する。このため、ガイド70の第1当接片76及び第2当接片78からスプール20に向かう方向のウェビング30の張力と、第1当接片76及び第2当接片78からウェビング30が延出される方向のウェビング30の張力と、のなす角度が大きくなるため、ガイド70に作用される力が低減される。これにより、フレーム12を補強しなくてもフレーム12の変形を抑制できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の乗員に装着されるウェビングを巻取るウェビング巻取装置に関する。
下記特許文献1に記載されたリトラクタでは、ショルダベルトが、リトラクタの上部において曲げられて、リトラクタから延出されている。
ところで、リトラクタでは、一般に、巻取軸の両端側がフレームの一対の脚板に支持されている。
ここで、仮に、一対の脚板に支持された当接部材にショルダベルトが当接されることで、上述の如く、ショルダベルトが曲げられてリトラクタから延出されているとする。
この場合、巻取軸の引出方向への回転が規制された際に、フレームの回動が阻止された状態で、ショルダベルトの張力によって当接部材が押圧されると、フレームの脚板が互いに開く方向へ変形する。このため、フレームを補強する必要がある。
特開平8−192721号公報
本発明は、上記事実を考慮して、フレームを補強しなくてもフレームの変形を抑制できるウェビング巻取装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載のウェビング巻取装置は、車両の乗員に装着されるウェビングが巻取られ、前記ウェビングが引出されることで引出方向へ回転される巻取軸と、前記巻取軸の両端側を支持する一対の脚部を有するフレームと、前記一対の脚部に支持され、前記ウェビングが当接されることで前記ウェビングが曲げられて前記フレームから延出されると共に、前記巻取軸の引出方向への回転が規制された際に前記ウェビングに作用する張力により前記ウェビングが前記巻取軸側へ変位することを許容する当接部材と、を備えている。
請求項2に記載のウェビング巻取装置は、請求項1に記載のウェビング巻取装置において、前記当接部材は、前記ウェビングに作用する張力により変形されることで前記ウェビングが前記巻取軸側へ変位することを許容する。
請求項3に記載のウェビング巻取装置は、請求項1又は請求項2に記載のウェビング巻取装置において、前記当接部材は、前記フレームに係止される係止部と前記ウェビングが当接される当接部とを有し、前記ウェビングに作用する張力により前記フレームへの前記係止部の係止が解除されて前記当接部が移動されることで前記ウェビングが前記巻取軸側へ変位することを許容する。
請求項1に記載のウェビング巻取装置では、フレームは一対の脚部を有しており、一対の脚部には巻取軸の両端側が支持されている。また、巻取軸に巻き取られたウェビングが引出されることで、巻取軸が引出方向へ回転される。
一対の脚部には当接部材が支持されており、当接部材にウェビングが当接されることで、ウェビングが曲げられてフレームから延出されている。
ところで、巻取軸の引出方向への回転が規制された際には、当接部材のウェビングとの当接部分に、当接部分から巻取軸に向かう方向のウェビングの張力と、当接部分からウェビングが延出される方向のウェビングの張力と、が作用される。
ここで、巻取軸の引出方向への回転が規制された際には、ウェビングに作用する張力によりウェビングが巻取軸側へ変位することを当接部材が許容する。
このため、当接部分から巻取軸に向かう方向のウェビングの張力と、当接部分からウェビングが延出される方向のウェビングの張力と、のなす角度が大きくなるため、ウェビングに作用する張力により、当接部材が押圧される押圧力が低減される。これにより、フレームを補強しなくてもフレームの変形を抑制できる。
請求項2に記載のウェビング巻取装置では、巻取軸の引出方向への回転が規制された際に、ウェビングに作用する張力により、当接部材が変形されることで、ウェビングが巻取軸側へ変位することを当接部材が許容する。このため、ウェビングから当接部材に負荷される荷重を当接部材が吸収する。これにより、フレームの変形を効果的に抑制できる。
請求項3に記載のウェビング巻取装置では、当接部材が、フレームに係止される係止部とウェビングが当接される当接部とを有している。
ここで、巻取軸の引出方向への回転が規制された際には、ウェビングに作用する張力により、フレームへの係止部の係止が解除されて当接部が移動されることで、ウェビングが巻取軸側へ変位することを当接部材が許容する。
このため、ウェビングから当接部材に負荷される荷重を係止部が吸収する。これにより、フレームの変形を効果的に抑制できる。
(A)及び(B)は、本発明の第1の実施の形態に係るウェビング巻取装置のフレーム及びガイドを示す図であり、(A)は、正面図であり、(B)は、断面図である。 (A)及び(B)は、本発明の第1実施の形態に係るウェビング巻取装置において、所定時にスプールの引出方向への回転が規制された際を示す図であり、(A)は、正面図であり、(B)は、断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るウェビング巻取装置を示す斜視図である。 (A)及び(B)は、本発明の第2の実施の形態に係るウェビング巻取装置のフレーム及びガイドを示す図であり、(A)は、正面図であり、(B)は、断面図である。 (A)は、本発明の第2実施の形態に係るウェビング巻取装置において、所定時にスプールの引出方向への回転が規制された際を示す図であり、(A)は、正面図であり、(B)は、断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係るウェビング巻取装置のフレーム及びガイドを示す斜視図である。 (A)は、本発明の第3実施の形態に係るウェビング巻取装置のフレーム及びガイドを示す断面図であり、(B)は、当該ウェビング巻取装置において、所定時にスプールの引出方向への回転が規制された際を示す断面図である。
[第1の実施の形態]
図3には、本発明の第1の実施の形態に係るウェビング巻取装置10の全体的な構成が分解斜視図にて示されている。なお、図面では、車両前方を矢印FRで示し、車両右方を矢印RHで示し、車両上方を矢印UPで示す。
図1の(A)及び(B)と図3とに示す如く、ウェビング巻取装置10は、フレーム12を備えている。フレーム12は、板状の背板14と、この背板14の幅方向両端のそれぞれから一体に延出する脚部としての板状の脚板16及び脚板18とによって構成されている。背板14は車両上側に配置されて、脚板16及び脚板18は車両前後方向に沿って配置されると共に、脚板16及び脚板18が背板14の車両前側に配置されており、背板14がボルト等の図示しない締結手段によって車両のパッケージトレイ(図示省略)に固定される。これにより、ウェビング巻取装置10が車体に取付けられる。
脚板16及び脚板18には、それぞれ円状の配置孔16A及び配置孔18Aが貫通形成されており、配置孔16Aの外周全体には、ラチェット歯16B(内歯)が形成されている。脚板18には、配置孔18Aの外周の車両前側部において、ラチェット歯18B(内歯)が形成されている。
背板14の車両前側には、当接部材としての略C字形枠状のガイド70が配置されている。ガイド70は、樹脂により製作されて、背板14、脚板16、及び脚板18に固定(支持)されている。
ガイド70の中央部には、挿通部としての略矩形状の挿通孔72が貫通形成されている。ガイド70の車両前側部分には、ガイド70の車幅方向中央部において、開口部としてのスリット74が設けられており、挿通孔72は、スリット74の位置において、車両前側に開口されている。ガイド70のスリット74より脚板16側の部分は、当接部及び変形部としての第1当接片76とされており、第1当接片76は弾性変形可能にされている。さらに、ガイド70のスリット74より脚板18側の部分は、当接部及び変形部としての第2当接片78とされており、第2当接片78は弾性変形可能にされている。
脚板16の脚板18側の面には、ガイド70より車両前側の部分において、保護部材としての板状のプロテクタ80が設けられており、プロテクタ80は、樹脂により製作されて、脚板16に固定されている。プロテクタ80の外周部には、プロテクタ80の車両後側部を除いて、周壁部81が設けられており、周壁部81は、脚板16側に突出されて、脚板16の外周部の縁を被覆している。
脚板18の脚板16側の面には、ガイド70より車両前側の部分において、保護部材としての板状のプロテクタ82が設けられており、プロテクタ82は、樹脂により製作されて、脚板18に固定されている。プロテクタ82の外周部には、プロテクタ82の車両後側部を除いて、周壁部83が設けられており、周壁部83は、脚板18側に突出されて、脚板18の外周部の縁を被覆している。
脚板16と脚板18との間には、ガイド70の挿通孔72の車両下側において、ダイカスト等によって製作された巻取軸としてのスプール20が回転可能に配置されている。スプール20は全体として鼓形状をなしており、スプール20には、長尺帯状に形成されたウェビング30の基端部が連結固定されている。スプール20をその軸線周り一方(図3の矢印A方向であり、以下、この方向を「巻取方向」と称する)へ回転させると、ウェビング30がその基端側からスプール20の外周部に層状に巻取られ、一方、ウェビング30をその先端側から引張れば、これに伴いスプール20がその軸線周り他方(図3の矢印B方向であり、以下、この方向を「引出方向」と称する)へ回転しながらウェビング30が引出される。
ウェビング30はガイド70の挿通孔72に挿通されている。ウェビング30は、第1当接片76及び第2当接片78に当接されることで、第1当接片76及び第2当接片78で曲げられて、第1当接片76及び第2当接片78から車両前方へ延出されている。
図3に示す如く、スプール20の脚板16側の端面には、略円柱状の支持軸22が一体に設けられており、支持軸22は、フレーム12の脚板16外側へ突出されている。スプール20の脚板18側の端面には、略矩形柱状の支持軸24が一体に設けられており、支持軸24は、支持軸22と同軸上に配置されると共に、フレーム12の脚板18外側へ突出されている。
スプール20の脚板18側の端部の外周全体には、ラチェット歯23(外歯)が形成されており、ラチェット歯23は配置孔18A内に配置されている。スプール20が車両前側へ移動されることで、ラチェット歯23は脚板18のラチェット歯18Bに噛合可能にされている。
フレーム12の脚板18外側には、付勢手段としてのぜんまいばね(図示省略)が配置されており、ぜんまいばねの渦巻き方向外側端は、脚板18(フレーム12)に連結されている。ぜんまいばねの渦巻き方向内側端は、スプール20の支持軸24に固定されており、渦巻きばねは、スプール20を巻取方向へ付勢している。
フレーム12の脚板16外側には、ロック機構40が設けられている。ロック機構40は、脚板16に固定された図示しないセンサホルダを備えており、センサホルダに支持軸22が回転可能に支持されている。
スプール20の脚板16側の端部には、ロックベース41が一体に設けられており、ロックベース41は配置孔16A内に配置されている。ロックベース41には、収納室42が設けられており、収納室42はスプール20の径方向外側へ向けて開口されている。収納室42内には、ロック部材としての板状のロックプレート46が移動可能に設けられている。ロックプレート46の一端には、ラチェット歯46Aが形成されており、ラチェット歯46Aは、ロックプレート46がスプール20の径方向外側へ移動されることで、脚板16のラチェット歯16Bに噛合可能にされている。
ここで、車両が急減速した際及びウェビング30がスプール20から急激に引出されてスプール20が急激に引出方向へ回転された際(所定時)には、ロック機構40によって、ロックプレート46がロックベース41の径方向外側へ移動される。このため、ロックプレート46のラチェット歯46Aがフレーム12の脚板16のラチェット歯16Bに噛合される。これにより、スプール20(ロックベース41)の引出方向への回転が規制される(ロックプレート46及びスプール20の巻取方向への回転は許可される)。
さらに、この際には、ウェビング30のスプール20からの引出力によって、スプール20が車両前側へ移動されることで、スプール20のラチェット歯23がフレーム12の脚板18(配置孔18Aの外周の車両前側部)のラチェット歯18Bに噛合される。これにより、スプール20の引出方向への回転が確実に規制される。
次に第1の実施の形態の作用を説明する。
ウェビング巻取装置10では、フレーム12において、背板14が車両上側に配置されると共に脚板16及び脚板18が車両前後方向に沿って配置されている。また、ウェビング30がガイド70の挿通孔72に挿通されており、ウェビング30は、第1当接片76及び第2当接片78に当接されることで、第1当接片76及び第2当接片78で曲げられて、第1当接片76及び第2当接片78から車両前方へ延出されている。
スプール20に巻取られた状態のウェビング30をぜんまいばねの付勢力に抗して先端側へ引張ると、スプール20が引出方向へ回転されて、ウェビング30が、第1当接片76及び第2当接片78から車両前方へ引出される。
引出されたウェビング30は乗員の身体に掛け回されて、例えば、ウェビング30の長手方向中間部に設けられたタングプレートが車両の座席の側方に設けられたバックル装置に保持されることで、ウェビング30が乗員の身体に装着される。
車両が急減速した際及びウェビング30がスプール20から急激に引出されてスプール20が急激に引出方向へ回転された際には、ロック機構40によって、ロックプレート46がロックベース41の径方向外側へ移動される。このため、ロックプレート46のラチェット歯46Aがフレーム12の脚板16のラチェット歯16Bに噛合される。これにより、スプール20(ロックベース41)の引出方向への回転が規制される(ロックプレート46及びスプール20の巻取方向への回転は許可される)。
さらに、この際には、乗員の車両前方への慣性力等によりウェビング30に作用するスプール20からの引出力によって、スプール20が車両前側へ移動されることで、スプール20のラチェット歯23がフレーム12の脚板18(配置孔18Aの外周部の車両前側部)のラチェット歯18Bに噛合される。これにより、スプール20の引出方向への回転が確実に規制される。
ここで、図2(B)に示す如く、スプール20の引出方向への回転が規制された状態で、ウェビング30にスプール20からの引出力が作用されると、ウェビング30の張力によって、第1当接片76及び第2当接片78には、第1当接片76及び第2当接片78からウェビング30が延出される方向のウェビング30の張力f1と第1当接片76及び第2当接片78からスプール20へ向かう方向のウェビング30の張力f2とが作用される。このため、ウェビング30の張力f1とウェビング30の張力f2との合力Fが第1当接片76及び第2当接片78に押圧力として車両前斜め下方へ作用されて、第1当接片76及び第2当接片78が車両前斜め下方へ弾性変形される。
第1当接片76及び第2当接片78が車両前斜め下方へ弾性変形されると、ウェビング30がスプール20側へ変位される。
このため、ウェビング30の張力f1のベクトル方向とウェビング30の張力f2のベクトル方向とのなす角度θが大きくなるため、第1当接片76及び第2当接片78に作用される合力Fが小さくなる。これにより、第1当接片76及び第2当接片78を押圧する押圧力が低減されて、ウェビング30から第1当接片76及び第2当接片78を介してフレーム12に負荷される荷重が低減される。
したがって、例えば、補強板を脚板16と脚板18との間に掛け渡して、フレーム12を補強しなくても、フレーム12の脚板16及び脚板18が互いに開く方向へ変形することを抑制できる。
さらに、ウェビング30から第1当接片76及び第2当接片78に負荷される荷重は、第1当接片76及び第2当接片78が弾性変形されることで第1当接片76及び第2当接片78に吸収される。このため、ウェビング30から第1当接片76及び第2当接片78を介してフレーム12に負荷される荷重が効果的に低減される。これにより、フレーム12の変形を効果的に抑制できる。
また、合力Fにより第1当接片76及び第2当接片78がさらに弾性変形された際には、ウェビング30が、スリット74を通過して、挿通孔72から脱出されることで、ウェビング30がスプール20側へ一層変位される。この際には、ウェビング30が第1当接片76及び第2当接片78に当接しないため、ウェビング30はスプール20から曲がりを解除されて延出される(図2(B)のウェビング30Aで示される状態)。
このため、ウェビング30が張力によって第1当接片76及び第2当接片78を押圧しなくなるため、ウェビング30から第1当接片76及び第2当接片78を介してフレーム12に負荷される荷重が一層低減される。これにより、フレーム12の変形を一層抑制できる。
また、ウェビング30がスプール20側へ変位される際には、ウェビング30がフレーム12の脚板16と脚板18との間の車両前側部に侵入する。一方、プロテクタ80の周壁81が、脚板16の車両前側部において、脚板16の外周部の縁を被覆しており、プロテクタ82の周壁83が、脚板18の車両前側部において、脚板18の外周部の縁を被覆している。これにより、ウェビング30が脚板16及び脚板18の外周部の縁に当接されることを防止でき、ウェビング30をフレーム12に対して保護できる。
[第2の実施の形態]
図4(A)には、本発明の第2の実施の形態に係るウェビング巻取装置100のフレーム12及びガイド70が正面図にて示されている。なお、図面では、車両前方を矢印FRで示し、車両右方を矢印RHで示し、車両上方を矢印UPで示す。
第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の構成であるが、以下の点で異なる。
図4(A)及び(B)に示す如く、フレーム12の脚板16と脚板18との間には、脚板16及び脚板18の車両上側部かつ車両前側部において、ガイド70が掛け渡されており、ガイド70は第1の実施の形態におけるスリット74を備えていない。
ガイド70の脚板16側の面には、固定部としての矩形柱状の固定フック110が設けられており、固定フック110は、脚板16側へ突出されて、脚板16に固定(支持)されている。ガイド70の脚板18側の面には、固定部としての矩形柱状の固定フック112が設けられており、固定フック112は、脚板18側へ突出されて、脚板18に固定(支持)されている。
ガイド70の脚板16側部は、変形部としてのアーム114にされており、アーム114は弾性変形可能にされている。また、ガイド70の脚板18側部は、変形部としてのアーム116にされており、アーム116は弾性変形可能にされている。さらに、ガイド70の車両前側部は、変形部及び当接部としての当接片118にされており、当接片118は弾性変形可能にされている。このため、ガイド70の当接片118に車両下側への力が作用された際には、アーム114、アーム116及び当接片118が弾性変形されて、当接片118が下側へ変位される。
ここで、図5(B)に示す如く、スプール20の引出方向への回転が規制された状態で、ウェビング30にスプール20からの引出力が作用されると、ウェビング30の張力によって、ガイド70の当接片118には、当接片118からウェビング30が延出される方向のウェビング30の張力f1と当接片118からスプール20へ向かう方向のウェビング30の張力f2とが作用される。このため、ウェビング30の張力f1とウェビング30の張力f2との合力Fが当接片118に押圧力として車両前斜め下方へ作用されて、アーム114、アーム116及び当接片118が車両前斜め下方へ弾性変形される。
アーム114、アーム116及び当接片118が車両前斜め下方へ弾性変形されると、ウェビング30がスプール20側へ変位される。
また、合力Fによりアーム114、アーム116及び当接片118がさらに弾性変形された際には、ウェビング30はスプール20から曲がりを解除されて延出される(図5(B)の2点鎖線で示される状態)。
これにより、第2の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の作用効果を奏する。
[第3の実施の形態]
図6には、本発明の第3の実施の形態に係るウェビング巻取装置200のフレーム12及びガイド70が斜視図にて示されている。なお、図面では、車両前方を矢印FRで示し、車幅右方を矢印RHで示し、車両上方を矢印UPで示す。
第3の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の構成であるが、以下の点で異なる。
図6に示す如く、フレーム12の脚板16と脚板18とには、脚板16と脚板18との車両上側部において、円状の円孔210と円孔212とが車幅方向に沿って貫通形成されている。また、脚板16と脚板18とには、それぞれ円孔210と円孔212の車両前側において、摺動部としての長孔214と長孔216とが貫通形成されている。長孔214は配置孔16Aの周方向に沿って湾曲して配置されており、長孔216は配置孔18Aの周方向に沿って湾曲して配置されている。
ガイド70は、配置孔16A及び配置孔18Aの周方向に沿って湾曲されると共に、第1の実施の形態におけるスリット74を備えていない。ガイド70の車両前側部は、当接部としての当接片228にされており、ウェビング30が、当接片228に当接して、当接片228から車両前側へ延出されている(図7(A)参照)。
ガイド70の脚板16側の面には、ガイド70の車両後側部において、係止部としての略円錐状の第1係止ピン220が設けられており、第1係止ピン220は円孔210に係止されている。ガイド70の脚板16側の面には、第1係止ピン220の車両前側において、被摺動部としての略矩形柱状の第1摺動片222が設けられており、第1摺動片222は長孔214の長手方向に沿って湾曲されている。第1摺動片222は、長孔214に挿入されて、長孔214の長手方向に沿って円孔210とは反対側へ摺動可能にされている。
ガイド70の脚板18側の面には、ガイド70の車両後側部において、係止部としての略円錐状の第2係止ピン224が設けられており、第2係止ピン224は円孔212に係止されている。ガイド70の脚板18側の面には、第2係止ピン224の車両前側において、被摺動部としての略矩形柱状の第2摺動片226が設けられており、第2摺動片226は長孔216の長手方向に沿って湾曲している。第2摺動片226は、長孔216に挿入されて、長孔216の長手方向に沿って円孔212とは反対側へ摺動可能にされている。
ここで、スプール20の引出方向への回転が規制された状態で、ウェビング30にスプール20からの引出力が作用されると、ウェビング30の張力によって、ガイド70の当接片228には、当接片228からウェビング30が延出される方向のウェビング30の張力f1と当接片228からスプール20へ向かう方向のウェビング30の張力f2とが作用される。このため、ウェビング30の張力f1とウェビング30の張力f2との合力Fが当接片228に押圧力として車両前斜め下方へ作用される。
合力Fがガイド70の当接片228に作用された際には、第1係止ピン220及び第2係止ピン224が破断されて、第1係止ピン220と円孔210との係止が解除されると共に、第2係止ピン224と円孔212との係止が解除される。このため、ガイド70の第1摺動片222及び第2摺動片226がそれぞれ長孔214及び長孔216内を車両前側へ移動して、ガイド70が車両前側へ移動される。これにより、ウェビング30はスプール20から曲がりを解除されて延出される(図7(B)に示す状態)。
したがって、第3の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の作用効果を奏する。
さらに、スプール20の引出方向への回転が規制された際には、ウェビング30に作用する張力により、第1係止ピン220が円孔210によって破断されると共に、第2係止ピン224が円孔212によって破断される。このため、ウェビング30からガイド70に負荷される荷重を第1係止ピン220及び第2係止ピン224が吸収する。これにより、フレーム12の変形を効果的に抑制できる。
なお、第1の実施の形態では、第1当接片76及び第2当接片78が弾性変形され、第2の実施の形態では、アーム114、アーム116及び当接片118が弾性変形されることで、ウェビング30がスプール20側へ変位される構成とした。これに替えて、第1当接片76及び第2当接片78が塑性変形され、アーム114、アーム116、及び当接片118が塑性変形されて、ウェビング30がスプール20側へ変位される構成としてもよい。
また、第3の実施の形態では、第1係止ピン220及び第2係止ピン224が破断することで、ガイド70のフレーム12との係止が解除される構成とした。これに替えて、フレーム12の脚板16及び脚板18に凸状の爪を設けると共に、ガイド70に当該爪に係止する孔を設けて、ガイド70が変形されて当該孔が当該爪を乗り越えることでガイド70とフレーム12との係止を解除してもよい。
10 ウェビング巻取装置
12 フレーム
16 脚板(脚部)
18 脚板(脚部)
20 スプール(巻取軸)
30 ウェビング
70 ガイド(当接部材)
76 第1当接片(当接部)
78 第2当接片(当接部)
100 ウェビング巻取装置
118 当接片(当接部)
200 ウェビング巻取装置
220 第1係止ピン(係止部)
224 第2係止ピン(係止部)
228 当接片(当接部)

Claims (3)

  1. 車両の乗員に装着されるウェビングが巻取られ、前記ウェビングが引出されることで引出方向へ回転される巻取軸と、
    前記巻取軸の両端側を支持する一対の脚部を有するフレームと、
    前記一対の脚部に支持され、前記ウェビングが当接されることで前記ウェビングが曲げられて前記フレームから延出されると共に、前記巻取軸の引出方向への回転が規制された際に前記ウェビングに作用する張力により前記ウェビングが前記巻取軸側へ変位することを許容する当接部材と、
    を備えたウェビング巻取装置。
  2. 前記当接部材は、前記ウェビングに作用する張力により変形されることで前記ウェビングが前記巻取軸側へ変位することを許容する請求項1に記載のウェビング巻取装置。
  3. 前記当接部材は、前記フレームに係止される係止部と前記ウェビングが当接される当接部とを有し、前記ウェビングに作用する張力により前記フレームへの前記係止部の係止が解除されて前記当接部が移動されることで前記ウェビングが前記巻取軸側へ変位することを許容する請求項1又は請求項2に記載のウェビング巻取装置。
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