JP2012051352A - 液体噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】液体噴射ヘッド2a、2bのノズルに形成されるメニスカスを破壊しないで液体噴射ヘッド2a、2bの移動を高速化する。
【解決手段】第一液体噴射ヘッド2aを搭載した第一キャリッジ3aと、第二液体噴射ヘッド2bを搭載した第二キャリッジ3bと、第一キャリッジ3aと第二キャリッジ3bとを平行に互いに反対方向に往復移動させる移動機構6と、各液体噴射ヘッド2a、2bに液体を供給する第一及び第二液体供給管4a、4bと、第一及び第二液体供給管4a、4bに液体を供給する液体タンク5と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】第一液体噴射ヘッド2aを搭載した第一キャリッジ3aと、第二液体噴射ヘッド2bを搭載した第二キャリッジ3bと、第一キャリッジ3aと第二キャリッジ3bとを平行に互いに反対方向に往復移動させる移動機構6と、各液体噴射ヘッド2a、2bに液体を供給する第一及び第二液体供給管4a、4bと、第一及び第二液体供給管4a、4bに液体を供給する液体タンク5と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、液体噴射ヘッドを移動させて液体を吐出し、被記録媒体に記録する液体噴射装置に関する。
近年、記録紙等にインク滴を吐出し、文字、図形を描画する、あるいは素子基板の表面に液体材料を吐出して機能性薄膜のパターンを形成するインクジェット方式の液体噴射ヘッドが利用されている。この方式は、インクや液体材料を液体タンクから供給管を介して液体噴射ヘッドに供給し、液体噴射ヘッドに形成した微小空間にこのインクを充填し、駆動信号に応じて微小空間の容積を瞬間的に縮小し微小空間に連通するノズルから液滴を吐出させて記録紙等に記録する。
図4は、この種の液体噴射装置であるインクジェットプリンタ101の概略構成を示す斜視図である。インクジェットプリンタ101は4つのインクジェットヘッド102と、記録紙Pを搬送方向L1に搬送する搬送手段103と、これに直交する直交方向L2に4つのインクジェットヘッド102を往復移動させる移動手段104と、インクWを貯留する4つのインクタンク139と、各インクタンク139からインクを各インクジェットヘッド102に供給するための供給チューブ160等を備えている。
記録紙Pを搬送方向L1に搬送しながら4つのインクジェットヘッド102を直交方向L2に移動させて各インクジェットヘッド102からインクを吐出して記録紙Pに文字や図形を記録する。キャリッジ106は、基台106aの上に壁部106bに沿って立設した4つのインクジェットヘッド102を搭載し、直交方向L2に往復移動可能にガイドレール107に支持されている。キャリッジ106は一対のプーリ108に巻回わして支持された搬送ベルト109に連結している。一対のプーリ108のうちの一方はモータ110の出力軸に連結し、モータ110からの回転動力を受けて搬送ベルト109を回動させ、これに連結するキャリッジ106を往復移動させる。各インクジェットヘッド102には供給チューブ160を介してインクタンク139から異なる色のインクが供給される。搬送手段103は、一対の搬入ローラ115と一対の搬送ローラ116を備えている。一対の搬入ローラ115は記録紙Pを筺体105の背面側から搬入し、一対の搬送ローラ116は記録紙Pを筺体105の前面側に搬送する。
記録紙Pを搬入ローラ115及び搬送ローラ116により搬送方向L1に搬送し、キャリッジ106が直交方向L2に往復移動し、インクジェットヘッド102からインクを吐出して記録紙Pに文字や図形を記録する。キャリッジ106に搭載されたインクジェットヘッド102が直交方向L2に高速移動することにより、インクジェットヘッド102にインクを供給するための供給チューブ160も高速移動する。そのため、供給チューブ160内に充填されたインクには慣性に基づく圧力変動が発生する。インクに圧力変動が発生するとインクジェットヘッド102から吐出されるインク滴の吐出速度が変動し、記録紙に記録される画像等の品質が低下する。さらに、圧力変動によってノズルに形成されるメニスカスが破壊され、記録紙にインク滴が吐出されない“ドット抜け”と呼ばれる現象や、ノズルからインクが垂れて記録紙を汚してしまう現象が発生する虞がある。そこで、インクジェットヘッド102の往復移動に伴うインクの圧力変動を緩和させるために、インクジェットヘッド102のインク吐出ノズルの近傍に圧力緩衝器が設置されている。
図5は、圧力緩衝器120を搭載したインクジェットヘッド102の断面模式図である。圧力緩衝器120は、凹部が形成された基体121と、その凹部の開口端を覆うように封止する可撓性膜122を備えている。基体121の凹部と可撓性膜122により囲まれる空間が圧力緩衝機能を有するチャンバー123を構成している。上部に接続する供給チューブ160からインクが流入し、下部に設置されたヘッド部材124にインクを流出する。圧力緩衝器120は、駆動IC等が搭載される壁部材126に併設され、キャリッジ106の往復移動とともに移動する。例えば、供給チューブ160内のインクに圧力変動が発生すると、その圧力変動は圧力緩衝器120のチャンバー123に伝達される。チャンバー123内に圧力変動が伝達されると可撓性膜122が変位してインク内圧の変動が緩和される。その結果、流出するインクの圧力変動が緩和される。
図5(a)は、インクジェットヘッド102が右方向へ移動を開始した状態を表し、図5(b)は、インクジェットヘッド102が左方向に移動を開始した状態を表す。インクジェットヘッド102が右方向に移動を開始するとチャンバー123及び供給チューブ160に内在するインクの慣性によりインクには正圧が印加される。そのとき可撓性膜122は外側に変位してこの圧力変動を緩和させる。インクジェットヘッド102が左方向に移動を開始するとチャンバー123及び供給チューブ160に内在するインクの慣性によりインクには負圧が印加され、可撓性膜122は内側に変位してこの圧力変動を緩和させる。このように圧力緩衝器120は、インクジェットヘッド102の移動に伴うインクの圧力変動を緩和させて、ノズル125のインク吐出機能が損なわれないように作用する。
近年、液体噴射ヘッドや液体噴射装置の大型化、高速記録化が進んでいる。そのため、キャリッジ106の移動速度も高速化が求められている。キャリッジ106の高速化に伴い、チャンバー123や供給チューブ160に内在するインクの圧力変動も増大している。しかし、圧力緩衝器120でこの圧力変動を緩衝させることには限界がある。例えば、キャリッジ106の移動速度が2m/secを超えると、圧力緩衝器120を設置しても圧力変動を十分低減することができなくなり、ノズル125に形成されるメニスカスが破壊され、被記録媒体に記録することが困難となってきている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、インクジェットヘッドを高速移動しても被記録媒体に高品質の記録を行うことができる液体噴射装置を提供することを目的とするものである。
本発明による液体噴射装置は、第一液体噴射ヘッドを搭載した第一キャリッジと、第二液体噴射ヘッドを搭載した第二キャリッジと、前記第一キャリッジと前記第二キャリッジとを平行に互いに反対方向に往復移動させる移動機構と、前記各液体噴射ヘッドに液体を供給する液体供給管と、前記液体供給管に液体を供給する液体タンクと、を備える。
また、前記液体供給管は、前記第一液体噴射ヘッドに液体を供給する第一液体供給管と、前記第二液体噴射ヘッドに液体を供給する第二液体供給管と、前記第一液体供給管と前記第二液体供給管に液体を供給する共通配管部とを含み、
前記第一液体供給管と前記第二液体供給管は前記共通配管部において連通し、前記共通配管部は前記液体タンクに連通することとした。
前記第一液体供給管と前記第二液体供給管は前記共通配管部において連通し、前記共通配管部は前記液体タンクに連通することとした。
また、前記第一キャリッジと前記第二キャリッジの中間地点を対称点として前記第一キャリッジと前記第二キャリッジは互いに対称に移動することとした。
また、前記第一液体供給管は前記第一キャリッジの移動に追随して移動する第一移動部を備え、前記第二液体供給管は前記第二キャリッジの移動に追随して移動する第二移動部を備え、前記第一移動部と前記第二移動部は前記中間地点を対称点として互いに略対称に移動することとした。
また、前記移動機構は、複数のプーリにより往復移動が可能に設置される無端ベルトと、前記無端ベルトを往復移動させる駆動源から成り、前記第一キャリッジを前記無端ベルトの往路走行側に連結し、前記第二キャリッジを前記無端ベルトの復路走行側に連結することとした。
本発明の液体噴射装置は、第一液体噴射ヘッドを搭載した第一キャリッジと、第二液体噴射ヘッドを搭載した第二キャリッジと、上記第一キャリッジと第二キャリッジとを平行に互いに反対方向に往復移動させる移動機構と、各液体噴射ヘッドに液体を供給する液体供給管と、液体供給管に液体を供給する液体タンクと、を備える。これにより、第一液体噴射ヘッドや第一液体噴射ヘッドが移動することに伴って第一液体噴射ヘッドと第二液体噴射ヘッドに内在する液体の慣性に基づく圧力変動を相殺させ、第一及び第二液体噴射ヘッドの高速移動化を実現する。
本発明の液体噴射装置は、被記録媒体に液体を噴射して記録する第一液体噴射ヘッドと、この第一液体噴射ヘッドを搭載した第一キャリッジと、被記録媒体に液体を噴射して記録する第二液体噴射ヘッドと、この第二液体噴射ヘッドを搭載する第二キャリッジと、第一及び第二キャリッジを平行に互いに反対方向に往復移動させる移動機構と、第一及び第二液体噴射ヘッドに液体を供給する液体供給管と、この液体供給管に液体を供給する液体タンクとを備えている。
この構成により、第一液体噴射ヘッドと第二液体噴射ヘッドが互いに反対方向に移動するので、第一液体噴射ヘッドと第一液体噴射ヘッドに接続する液体供給管に内在する液体の慣性に伴う圧力と、第二液体噴射ヘッドと第二液体噴射ヘッドに接続する液体供給管に内在する液体の慣性に伴う圧力とが液体供給管を介して互いに相殺し、消失する。そのため、第一及び第二キャリッジを高速移動しても第一及び第二液体噴射ヘッドに内在する液体の内部圧力はほとんど変化せず、第一及び第二キャリッジを高速移動してもノズルの開口部近傍に形成されるメニスカスは破壊されず、高品質の記録を行うことができる。
第一及び第二液体噴射ヘッドはそれぞれ複数の液体噴射ヘッドから構成し、例えば複数の色のインクを複数の液体噴射ヘッドから独立して噴射させることができる。第一及び第二液体噴射ヘッドは、例えばチャンバー内に液体を充填し、熱によって液体内に気泡を発生させ、この気泡発生に伴う圧力によりノズルから液体を吐出させるサーマル方式の液体噴射ヘッドであってもよいし、チャンバーの壁に圧電体を設置し、圧電体の電歪効果を利用してチャンバー内の容積を変化させ、この容積変化に伴う圧力によりノズルから液体を吐出させる圧電体方式の液体噴射ヘッドであってもよい。
特に、第一キャリッジと第二キャリッジの中間地点を対称点として第一キャリッジと第二キャリッジを互いに対称に移動させることにより、第一液体噴射ヘッド及びその近傍の液体供給管と第二液体噴射ヘッド及びその近傍の液体供給管に内在する液体の慣性に伴う圧力は方向が逆で同じ大きさとなる。この圧力変動は第一液体噴射ヘッドと第二液体噴射ヘッドを連結する液体供給管又は液体タンクを介して相殺され、消失する。
また、第一液体噴射ヘッドに接続する液体供給管を第一液体供給管とし、第二液体噴射ヘッドに接続する液体供給管を第二液体供給管として、第一液体供給管は第一液体噴射ヘッドに追随して移動する第一移動部を備え、第二液体供給管は第二液体噴射ヘッドに追随して移動する第二移動部を備えている。そして、この第一移動部と第二移動部は上記中間点を対称点として互いに略対象に移動するように構成することができる。これにより、第一及び第二キャリッジの移動に伴って移動する第一及び第二移動部に内在する液体もほぼ等しい量が反対方向に移動するので、その慣性に基づく圧力は方向が逆で大きさがほぼ等しく、第一及び第二液体供給管を介して相殺され、消失する。これにより、第一及び第二キャリッジをノズルのメニスカスを破壊することなく高速に移動させることが可能となる。以下、本発明について図面を用いて具体的に説明する。
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態に係る液体噴射装置1の概念図である。液体噴射装置1は、第一液体噴射ヘッド2aと、第一液体噴射ヘッド2aを搭載する第一キャリッジ3aと、第二液体噴射ヘッド2bと、第二液体噴射ヘッド2bを搭載する第二キャリッジ3bと、第一液体噴射ヘッド2aに液体を供給する第一液体供給管4aと、第二液体噴射ヘッド2bに液体を供給する第二液体供給管4bと、第一液体供給管4aと第二液体供給管4bを連通する共通配管部8cと、共通配管部8cに液体を供給する液体タンク5と、第一及び第二キャリッジ3a、3bを互いに平行に反対方向に往復移動させる移動機構6を備えている。移動機構6は、一対のプーリ6bの間に張設した無端ベルト6cと、一方のプーリ6bを回動させるモータ等から成る駆動源6aを備える。第一キャリッジ3aは無端ベルト6cの復路側に連結し、第二キャリッジ3bは無端ベルトの往路側に連結している。
図1は、本発明の第一実施形態に係る液体噴射装置1の概念図である。液体噴射装置1は、第一液体噴射ヘッド2aと、第一液体噴射ヘッド2aを搭載する第一キャリッジ3aと、第二液体噴射ヘッド2bと、第二液体噴射ヘッド2bを搭載する第二キャリッジ3bと、第一液体噴射ヘッド2aに液体を供給する第一液体供給管4aと、第二液体噴射ヘッド2bに液体を供給する第二液体供給管4bと、第一液体供給管4aと第二液体供給管4bを連通する共通配管部8cと、共通配管部8cに液体を供給する液体タンク5と、第一及び第二キャリッジ3a、3bを互いに平行に反対方向に往復移動させる移動機構6を備えている。移動機構6は、一対のプーリ6bの間に張設した無端ベルト6cと、一方のプーリ6bを回動させるモータ等から成る駆動源6aを備える。第一キャリッジ3aは無端ベルト6cの復路側に連結し、第二キャリッジ3bは無端ベルトの往路側に連結している。
この構成により、駆動源6aが一方のプーリ6bを一方向に回転させると、無端ベルト6cに連結した第一キャリッジ3aと第二キャリッジ3bとは互いに反対方向に移動する。例えば、第一キャリッジ3aと第二キャリッジ3bの各中心部を結ぶ中間地点Qを対称点として、第一キャリッジ3aと第二キャリッジ3bとは互いに対称に移動する。従って第一液体噴射ヘッド2aに内在する液体と第二液体噴射ヘッド2bに内在する液体の体積が略等しいとすると、第一液体噴射ヘッド2aに内在する液体に加わる慣性による圧力と、第二液体噴射ヘッド2bに内在する液体に加わる慣性による圧力とは方向を逆にして略等しくなる。
また、第一及び第二液体噴射ヘッド2a、2bに接続する第一及び第二液体供給管4a、4bうち、第一液体噴射ヘッド2aの近傍に位置する第一液体供給管4aに内在する液体と、第二液体噴射ヘッド2bの近傍に位置する第二液体供給管4bに内在する液体とは、互いに反対方向に移動する。従って、第一及び第二液体噴射ヘッド2a、2bのそれぞれの近傍にあって第一及び第二液体噴射ヘッド2a、2bの移動に伴って移動する液体を考慮しても、液体の慣性による圧力変動は方向を逆にして略等しくなる。そして、第一及び第二液体噴射ヘッド2a、2bに連結する第一及び第二液体供給管4a、4bは液体タンク5の手前の共通配管部8cで合流する。上記第一液体噴射ヘッド2a側と第二液体噴射ヘッド2bで発生した圧力変動は、一方が正圧で他方が負圧となるので、第一及び第二液体供給管4a、4bを介して相殺され、消失する。このように液体の慣性に基づく圧力変動が相殺されるので、第一及び第二液体噴射ヘッド2a、2bから圧力緩衝器を省くことができる。そのために、第一及び第二液体噴射ヘッド2a、2bを小型軽量化することができ、また、コストダウンを図ることができる。
実際、第一液体噴射ヘッド2aと第二液体噴射ヘッド2bは同じ構造を有しているから、これに内在する液体も同じ量となる。また、第一又は第二キャリッジ3a、3bに搭載する第一又は第二液体噴射ヘッド2a、2bを複数設けた場合も同様である。なお、第一及び第二液体噴射ヘッド2a、2bの液体が充填される領域の構造がその移動方向に対して非対象である場合は、第一液体噴射ヘッド2aと第二液体噴射ヘッド2bは同じx方向又は−x方向を向くように設置するのが好ましい。一方の側の圧力変動を他方の側の圧力変動が補償するように相殺できるからである。また、移動機構6は一対のプーリ6bや無端ベルト6cを使用することに限定されない。歯車やギアを使用した他の構造を有する移動機構6であってもよい。また、第一液体噴射ヘッド2aと第二液体噴射ヘッド2bのy方向の距離は、ノズルヘッドのノズル列の長さのn/4倍(nは1以上の整数)とするのが好ましい。第一液体噴射ヘッド2aの記録位置と第二液体噴射ヘッド2bの記録位置を連続又は重複させることが容易となるからである。
(第二実施形態)
図2は、本発明の第二実施形態に係る液体噴射装置1の概念図である。第一及び第二液体噴射ヘッド2a、2b、第一及び第二キャリッジ3a、3b、移動機構6及び液体タンク5は第一実施形態と同様であり、液体供給管4の構成が第一実施形態と異なる。従って、以下液体供給管4について主に説明する。同一の部分または同一の機能を有する部分には同一の符号を付している。
図2は、本発明の第二実施形態に係る液体噴射装置1の概念図である。第一及び第二液体噴射ヘッド2a、2b、第一及び第二キャリッジ3a、3b、移動機構6及び液体タンク5は第一実施形態と同様であり、液体供給管4の構成が第一実施形態と異なる。従って、以下液体供給管4について主に説明する。同一の部分または同一の機能を有する部分には同一の符号を付している。
図2(a)は第一キャリッジ3aが左側(−X方向)に第二キャリッジ3bが右側(+X方向)に移動した状態であり、図2(b)は第一キャリッジ3aが右側に、第二キャリッジ3bが左側に移動した状態を表す。第一液体供給管4aは、第一キャリッジ3aの移動に追随して移動する第一移動部7aと、第一移動部7aに接続し、第一キャリッジ3aが移動してもほぼ静止している第一静止部8aを備える。第二液体供給管4bは、第二キャリッジ3bの移動に追随して移動する第二移動部7bと、第二移動部7bに接続し、第二キャリッジ3bが移動してもほぼ静止している第二静止部8bを備える。第一移動部7aは一端を第一液体噴射ヘッド2aに接続し、他端は第一静止部8aに接続する。第一静止部8aは第一移動部7aの反対側の端部が共通配管部8cに接続する。第二移動部7bは一端を第二液体噴射ヘッド2bに接続し、他端は第二静止部8bに接続する。第二静止部8bは第二移動部7bの反対側の端部が共通配管部8cに接続する。共通配管部8cは第一及び第二キャリッジ3a、3bの移動に対して静止し液体タンク5から第一及び第二静止部8a、8bに液体を分割供給する。
図2(a)、(b)に示すように、移動機構6により第一キャリッジ3aと第二キャリッジ3bが互いに反対方向に移動すると、第一移動部7aと第二移動部7bは中間地点Qを対称点として第一及び第二キャリッジ3a、3bの位置にかかわらず対称の形態を保って移動する。つまり、第一及び第二移動部7a、7bに内在する液体は中間地点Qを中心として対象となるので、第一移動部7aに内在する液体に加わる慣性に基づく圧力と、第二移動部7bに内在する液体に加わる慣性に基づく圧力とは方向を逆にして大きさが略等しい。第一及び第二静止部8a、8bは共通配管部8cの端部で合流するので、方向が逆で大きさの等しいこれらの圧力は相殺される。そのため、第一及び第二液体噴射ヘッド2a、2bの移動速度を高くしても、ノズルに形成されるメニスカスは破壊されず、大型の液体噴射装置1を高速で駆動することができる。このように液体の慣性に基づく圧力変動が相殺されるので、第一及び第二液体噴射ヘッド2a、2bから圧力緩衝器を省くことができる。その結果、第一及び第二液体噴射ヘッド2a、2bを小型軽量化することができ、またコストダウンを図ることができる。
なお、第一及び第二液体供給管4a、4bの形態は図2に示した形状に限定されない。要は、第一及び第二キャリッジ3a、3bに追随して移動する第一移動部7aと第二移動部7bが固定点である中間地点Qを中心として対称な形状を維持するものであればよい。
(第三実施形態)
図3は、本発明の第三実施形態に係る液体噴射装置1の模式的な斜視図である。同一の部分又は同一の機能を有する部分には同一の符号を付した。
図3は、本発明の第三実施形態に係る液体噴射装置1の模式的な斜視図である。同一の部分又は同一の機能を有する部分には同一の符号を付した。
液体噴射装置1は、紙等の被記録媒体21を主走査方向に搬送する一対の搬送手段22、23と、被記録媒体21に液体を吐出する第一液体噴射ヘッド2a、2a’及び第二液体噴射ヘッド2b、2b’と、第一液体噴射ヘッド2a、2a’を載置する第一キャリッジ3aと、第二液体噴射ヘッド2b、2b’を載置する第二キャリッジ3bと、第一キャリッジ3aと第二キャリッジ3bを主走査方向に直交する副走査方向の互いに反対方向に往復移動させる移動機構6と、各第一及び第二液体噴射ヘッド2a、2a’、2b、2b’に液体を供給する液体供給管4と、ポンプ26、26’を介して液体供給管4に液体を供給する液体タンク5、5’を備えている。
具体的に説明する。一対の搬送手段22、23は、それぞれ副走査方向に伸び、ローラ面を接触しながら回転するグリッドローラとピンチローラを備えている。図示しないモータによりグリッドローラとピンチローラを軸周りに回転させてローラ間に挟み込んだ被記録媒体21を主走査方向に搬送する。
移動機構6は、第一キャリッジ3aを副走査方向に摺動可能に保持する一対の第一ガイドレール24a、25aと、第二キャリッジ3bを副走査方向に摺動可能に保持する一対の第二ガイドレール24b、25bと、4つのプーリ6bにより張設され、被記録媒体21の下流側において第一キャリッジ3aに連結し、被記録媒体21の上流側において第二キャリッジ3bに連結する無端ベルト6cと、一つのプーリ6bを駆動するモータから成る駆動源6aとを備えている。駆動源6aが駆動用のプーリ6bを駆動して無端ベルト6cを回動させると、第一キャリッジ3aと第二キャリッジ3bは副走査方向を同じ速度で反対方向に移動する。
第一キャリッジ3aは、例えばイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの4種類のインクを噴射する第一液体噴射ヘッド2a、2a’を搭載している。第二キャリッジ3bも同様に、例えばイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの4種類のインクを噴射する第二液体噴射ヘッド2b、2b’を搭載している。各第一液体噴射ヘッド2a、2a’は、4本の第一液体供給管4aと4本の共通配管部8cを介して4種類の液体を貯留する液体タンク5、5’から液体を流入する。各第二液体噴射ヘッド2b、2b’も同様に、4本の第二液体供給管4bと4本の共通配管部8cを介して4種類の液体を流入する。ポンプ26、26’は各液体タンク5、5’に貯留された液体を各共通配管部8cに圧送する。第一液体供給管4aと第二液体供給管4bは共通配管部8cの液体タンク5、5’側とは反対側の端部で分岐する。
各第一液体噴射ヘッド2a及び第二液体噴射ヘッド2bは、図示しない制御回路からの駆動信号に応じて液体を吐出する。第一及び第二液体噴射ヘッド2a、2bから液体を吐出するタイミングと、駆動源6aを制御して第一及び第二キャリッジ3a、3bの移動速度及び位置と、被記録媒体21の搬送速度及び位置を制御することにより、被記録媒体21に液体の任意のパターンを記録することができる。この場合に、第一キャリッジ3aと第二キャリッジ3bは互いに逆方向に往復移動するので、第一液体噴射ヘッド2aと第一液体噴射ヘッド2aに近接する第一液体供給管4aに内在する液体の慣性による圧力は、第二液体噴射ヘッド2bと第二液体噴射ヘッド2bに近接する第二液体供給管4bに内在する液体の慣性による圧力と大きさがほぼ同じで反対向きとなり、第一液体供給管4aと第二液体供給管4bの合流点において相殺される。そのため、第一及び第二液体噴射ヘッド2a、3bの各ノズルに形成されるメニスカスは破壊され難くなり、第一及び第二キャリッジ3a、3bの高速移動が可能となる。
なお、第一液体噴射ヘッド2a、2a’と第二液体噴射ヘッド2b、2b’の液体が充填される領域の構造がその移動方向に対して非対象である場合は、第一液体噴射ヘッド2aと第二液体噴射ヘッド2bは副走査方向において同じ方向を向くように設置するのが好ましい。一方の側の液体の圧力変動を他方の側の圧力変動が補償するように相殺できるからである。また、第二実施形態で示したように、第一及び第二液体供給管4a、4bを第一及び第二移動部7a、7bと第一及び第二静止部8a、8bとの分離し、第一移動部7aと第二移動部7bが第一キャリッジ3aと第二キャリッジ3bの中間地点Qを対称点として、互いに対称に移動するようにすれば、液体の慣性に基づく液体内の圧力変動をより一層低減させることができるので、ノズルに形成されるメニスカスをより一層安定させることができる。
1 液体噴射装置
2a 第一液体噴射ヘッド、2b 第二液体噴射ヘッド
3a 第一キャリッジ、3b 第二キャリッジ
4a 第一液体供給管、4b 第二液体供給管
5 液体タンク
6 移動機構
6a 駆動源、6b プーリ、6c 無端ベルト
7a 第一移動部、7b 第二移動部
8a 第一静止部、8b 第二静止部
21 被記録媒体
22、23 搬送手段
24a、25a 第一ガイドレール、24b、25b 第二ガイドレール
26 ポンプ
2a 第一液体噴射ヘッド、2b 第二液体噴射ヘッド
3a 第一キャリッジ、3b 第二キャリッジ
4a 第一液体供給管、4b 第二液体供給管
5 液体タンク
6 移動機構
6a 駆動源、6b プーリ、6c 無端ベルト
7a 第一移動部、7b 第二移動部
8a 第一静止部、8b 第二静止部
21 被記録媒体
22、23 搬送手段
24a、25a 第一ガイドレール、24b、25b 第二ガイドレール
26 ポンプ
Claims (5)
- 第一液体噴射ヘッドを搭載した第一キャリッジと、
第二液体噴射ヘッドを搭載した第二キャリッジと、
前記第一キャリッジと前記第二キャリッジとを平行に互いに反対方向に往復移動させる移動機構と、
前記各液体噴射ヘッドに液体を供給する液体供給管と、
前記液体供給管に液体を供給する液体タンクと、を備える液体噴射装置。 - 前記液体供給管は、前記第一液体噴射ヘッドに液体を供給する第一液体供給管と、前記第二液体噴射ヘッドに液体を供給する第二液体供給管と、前記第一液体供給管と前記第二液体供給管に液体を供給する共通配管部とを含み、
前記第一液体供給管と前記第二液体供給管は前記共通配管部において連通し、前記共通配管部は前記液体タンクに連通している請求項1に記載の液体噴射装置。 - 前記第一キャリッジと前記第二キャリッジの中間地点を対称点として前記第一キャリッジと前記第二キャリッジは互いに対称に移動する請求項1又は2に記載の液体噴射装置。
- 前記第一液体供給管は前記第一キャリッジの移動に追随して移動する第一移動部を備え、前記第二液体供給管は前記第二キャリッジの移動に追随して移動する第二移動部を備え、
前記第一移動部と前記第二移動部は前記中間地点を対称点として互いに略対称に移動する請求項3に記載の液体噴射装置。 - 前記移動機構は、複数のプーリにより往復移動が可能に設置される無端ベルトと、前記無端ベルトを往復移動させる駆動源から成り、
前記第一キャリッジを前記無端ベルトの往路走行側に連結し、前記第二キャリッジを前記無端ベルトの復路走行側に連結した請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
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JP2010198086A JP2012051352A (ja) | 2010-09-03 | 2010-09-03 | 液体噴射装置 |
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