JP2012051149A - 空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】空気入りタイヤの耐候性を向上する。
【解決手段】ジエン系ゴムを含むゴム組成物からなるサイドウォールゴム部を備えた空気入りタイヤを加硫成形し、加硫成形後のサイドウォールゴム部の表面に電子線を照射し、電子線照射されたサイドウォールゴム部の表面に、ラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合(ビニル基、イソプロペニル基、アリル基等)を分子内に有する化合物を付与することにより、該化合物をサイドウォールゴム部表面のジエン系ゴムに反応させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤに関するものである。
空気入りタイヤは、長期間使用中に大気中の酸素やオゾンにより劣化されることで、サイドウォール部等に亀裂が生じる。そこで、耐候性を向上するためにサイドウォールゴム部を構成するゴム組成物には、老化防止剤やワックスが添加されているが、耐候性が必ずしも十分なレベルとは言えない。また、老化防止剤として一般に用いられているアミン系老化防止剤は、ゴム表面を茶色あるいは茶褐色に変色させていくため、外観性の低下を伴うという問題がある。
特開平04−045114号公報 特開平10−025358号公報 特開2001−233020号公報 特開2009−166712号公報 特開2009−173048号公報
本発明者は、タイヤの耐候性を向上するべく鋭意検討する中で、加硫した空気入りタイヤのサイドウォールゴム部に対して、特定の化合物を、電子線照射を用いて結合させることを考えた。
電子線照射を利用してゴムポリマーに化合物を付与する技術として、上記特許文献1には、架橋されたシリコーンゴムにラジカル重合性モノマーを含浸させた後、電子線照射により該モノマーを重合させることが開示されている。また、上記特許文献2では、天然ゴムラテックスフィルムにモノマーを塗布し、電子線照射により重合体膜を形成することが開示されている。しかしながら、特許文献1ではシリコーンゴムの硬度を高めることを目的としており、また特許文献2ではゴム製品の粘着性を改善することを目的としたものであり、いずれも空気入りタイヤとは無関係の技術である。
一方、空気入りタイヤに関連するものとして、上記特許文献3には、加硫成形後のタイヤのトレッド表面に電子線を照射することで、氷雪路面でのグリップ性を維持しつつ、ブロック端部近傍での剛性を高めることが開示されている。同様に、上記特許文献4,5にも、グリップ性を保持しつつ、ブロック剛性を高めたり、操縦安定性や耐摩耗性を向上するために、タイヤ表面に電子線を照射することが開示されている。しかしながら、これらの文献にはいずれも、特定の化合物を塗布し、電子線を照射することについては開示も示唆もされていない。
本発明は、耐候性を向上することができる空気入りタイヤ及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る空気入りタイヤの製造方法は、ジエン系ゴムを含むゴム組成物からなるサイドウォールゴム部を備えた空気入りタイヤを加硫成形する工程と、加硫成形後の前記サイドウォールゴム部の表面に電子線を照射する工程と、ラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合を分子内に有する化合物を加硫成形後の前記サイドウォールゴム部の表面に付与する工程とを含むものである。
本発明に係る空気入りタイヤは、ジエン系ゴムを含むゴム組成物からなるサイドウォールゴム部を備えた空気入りタイヤであって、前記サイドウォールゴム部の表面への電子線照射により、ラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合を分子内に有する化合物を、当該サイドウォールゴム部の表面に反応させたものである。
本発明によれば、加硫した空気入りタイヤのサイドウォールゴム部に対して特定の化合物を電子線照射により結合させたことにより、サイドウォールゴム部表面の耐候性を向上することができる。
実施形態に係る空気入りタイヤの半断面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、実施形態に係る空気入りラジアルタイヤの一例を示したものである。このタイヤは、トレッド部(1)と、左右一対のビード部(2)と、トレッド部(1)とビード部(2)との間に介在する左右一対のサイドウォール部(3)とよりなり、トレッド部(1)の径方向内側に配されたカーカス層(4)が、そこから両側のサイドウォール部(3)を経てビード部(2)でビードコア(5)の内側から外側に巻き上げられることにより係止されている。
トレッド部(1)におけるカーカス層(4)の外周側にはベルト層(6)が配されており、該ベルト層(6)の外周側に接地面を構成するトレッドゴム部(7)が設けられている。トレッドゴム部(7)の表面には、周方向に延びる縦溝やこれに交差する方向に延びる横溝などの複数の溝(8)が設けられている。また、サイドウォール部(3)におけるカーカス層(4)の外面側には、サイドウォールゴム部(9)が設けられている。このような構造を持つ空気入りタイヤは、常法に従い、グリーンタイヤ(未加硫タイヤ)を作製した後、加硫成形することにより製造することができる。
サイドウォールゴム部(9)を形成するゴム組成物としては、ジエン系ゴムを含むものを用いることができる。すなわち、ゴム成分として、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合体、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム等の各種ジエン系ゴムを用いることができ、これらはそれぞれ単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。ゴム成分は、より好ましくは、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、又はこれらの2種以上のブレンドであり、特に好ましくは、ゴム成分100質量部中、天然ゴム及び/又はイソプレンゴム30〜80質量部と、ブタジエンゴム70〜20質量部のブレンドである。
該ゴム組成物には、充填剤として、カーボンブラック及び/又はシリカを配合することができる。該充填剤の配合量は、特に限定されないが、上記ゴム成分100質量部に対して10〜150質量部であることが好ましく、より好ましくは20〜100質量部である。カーボンブラックとしては、特に限定するものではないが、HAFクラス(N300番台)、FEF(N500番台)、GPF(N600番台)(ともにASTMグレード)のものが好ましく用いられる。また、上記シリカとしては、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカ、沈降シリカなどが挙げられ、特に含水珪酸を主成分とする湿式シリカを用いることが好ましい。なお、充填剤としてシリカを配合する場合、スルフィドシランやメルカプトシランなどのシランカップリング剤を併用することが好ましく、シランカップリング剤は、通常、シリカ100質量部に対して2〜25質量部にて用いることができる。
該ゴム組成物には、その他に、オイル、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤、ワックス、加硫剤、加硫促進剤など、ゴム組成物において一般に使用される各種添加剤を適宜配合することができる。
老化防止剤としては、アミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤などを用いることができる。アミン系老化防止剤としては、例えば、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンなどのp−フェニレンジアミン系老化防止剤、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、スチレン化ジフェニルアミンなどのジフェニルアミン系老化防止剤、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤などの芳香族第2級アミンが好ましく用いられる。老化防止剤の配合量は、上記ゴム成分100質量部に対して0.5〜6質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜4質量部である。
加硫剤としては、硫黄、硫黄含有化合物等が挙げられ、特に限定するものではないが、その配合量は上記ゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。また、加硫促進剤の配合量としては、上記ゴム成分100質量部に対して0.1〜7質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。
上記ゴム組成物は、通常のバンバリーミキサーやニーダーなどのゴム用混練機を用いて混練することで調製され、常法に従い、例えば140〜180℃で加硫成形することにより、空気入りタイヤのサイドウォールゴム部(9)を形成することができる。
以上のようにして加硫成形した後、本実施形態では、そのサイドウォールゴム部(9)の表面に電子線を照射する。電子線を照射することにより、サイドウォール表面に存在する上記ジエン系ゴムの炭素−炭素二重結合(C=C)部分やC−H結合部分等においてラジカルを発生させることができる。
電子線の照射条件としては、特に限定されないが、加速電圧が150〜1000kV、より好ましくは200〜500kVであり、照射線量が10〜400kGy、より好ましくは50〜250kGyであることが好ましい。
このようにして電子線照射したサイドウォールゴム部(9)の表面に対し、発生したラジカルが存在している段階で(即ち、ラジカルが消失する前に)、モノマーを付与する。ここで、モノマーとは、ラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合を分子内に有する低分子化合物をさす。
該モノマーとしては、分子末端に炭素−炭素二重結合を有するものが好ましい。すなわち、炭素−炭素二重結合としてHC=CR−(但し、Rは水素原子又はメチル基)で表される不飽和基を少なくとも1つ有することが好ましい。より好ましくは、少なくとも2つの炭素−炭素二重結合を有し、その内の少なくとも1つが末端に炭素−炭素二重結合を有すること(即ち、少なくとも1つが上記不飽和基であること)であり、更に好ましくは、炭素−炭素二重結合を両末端に有すること(即ち、上記不飽和基を少なくとも2つ有すること)である。より詳細には、好ましいモノマーは、下記一般式(1)で表される。
Figure 2012051149
式中、R、Rはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基、Aは酸素原子、珪素原子を含んでもよい炭素数1〜30の2価の有機基、nは0又は1を表す。Aは、より好ましくは、エステル結合(−COO−)、エーテル結合(−O−)及びシロキサン結合(−SiO−)のいずれか1種以上を含んでもよい炭素数1〜30の2価の有機基である。
より詳細には、モノマーとしては、ラジカル重合に必要なビニル基(HC=CH−)、イソプロペニル基(HC=C(CH)−)、アリル基(HC=CH−CH−)のいずれかを両末端に有する化合物であり、例えば、1,3−ブタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、イソプレンなどの脂肪族炭化水素系のジエン化合物(上記nが0、又はn=1かつAが炭素数1〜10のアルキレン基)、ジビニルベンゼンなどの芳香族系ジエン化合物(上記Aが芳香環を含む2価の基)、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、ビニルポリジメチルシロキサンなどの珪素含有ジエン化合物(上記Aがシロキサン結合を含む2価の基)、メタクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、アクリル酸2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル、ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレートなどの(メタ)アクリロイル基を末端又は両端に有するジエン化合物(上記Aがエステル結合を含む2価の基)などが挙げられる。これらは、いずれか1種、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
該モノマーのサイドウォールゴム部(9)表面への付与方法としては、特に限定されず、例えば、モノマーが液体の場合、そのまま又は水などの溶媒で希釈し、あるいはまた、モノマーが固体の場合、水などの溶媒に溶解することにより、モノマー液(モノマーを含有する液体)を調製し、該モノマー液をサイドウォールゴム部(9)の表面に塗布すればよい。塗布方法としては、特に限定されず、例えば、刷毛塗りや、スプレー噴霧、更には、モノマー液を入れた槽内にサイドウォールゴム部(9)を浸ける等、種々の方法を採用することができる。モノマーが気体の場合、該モノマーを充填した雰囲気内に空気入りタイヤを置くことによっても、モノマーを付与することができる。
モノマーを付与した後、所定時間放置させる。なお、放置させる際に、オーブンなどに入れて加温(例えば、30〜80℃)してもよい。
サイドウォールゴム部(9)の表面に付与されたモノマーは、分子内に有する炭素−炭素二重結合部分が、ラジカル重合反応により、サイドウォールゴム部(9)の表面のジエン系ゴムに反応する。すなわち、電子線照射により発生した上記ジエン系ゴムのラジカルに対し、モノマーの炭素−炭素二重結合が反応することにより、モノマーが上記ジエン系ゴムポリマーに結合される。なお、ラジカル重合反応によりモノマーが順次に連結していくことにより、ジエン系ゴムポリマーを幹とし、該モノマーが連結してなる重合体部分を側鎖とするグラフト重合体が形成されてもよい。
これにより、サイドウォールゴム部(9)の表面に上記モノマーからなる膜を形成したような構造をとることができる(なお、かかるモノマーによる表面処理部(被膜)を図1において符号10で示した。)。そのため、サイドウォールゴム部(9)を構成する上記ジエン系ゴムの二重結合を、該被膜によりオゾンや紫外線などの攻撃からブロックすることができるものと推測され、耐候性を向上することができる。特に、該モノマーが両末端に上記不飽和基(即ち、ラジカル重合活性基)を有する場合、モノマー同士、またモノマーとジエン系ゴムとの反応率が高くなって、該モノマーによる重合体膜の形成が促進されるものと考えられ、耐候性をより向上することができる。
また、このようなモノマー付与による耐候性向上効果により、サイドウォールゴム部(9)を構成するゴム組成物中に含まれる老化防止剤の配合量を減量することが可能になるので、耐候性を維持したまま、外観性を向上することができる。なお、モノマーはサイドウォールゴム部(9)の内部には浸透していかないため、モノマーが結合するのは、サイドウォールゴム部(9)の表面のみである。そのため、サイドウォールゴム部(9)を構成するゴム組成物による本来の特性を損なうことなく、耐候性を向上することができる。
サイドウォールゴム部(9)の表面に対するモノマーの付与量は、特に限定されず、例えば、100〜10000g/mとすることができる。
上記実施形態では、電子線を照射した後にモノマーを付与したが、モノマーを付与してから電子線照射しても構わない。すなわち、本発明では、加硫成形後のサイドウォールゴム部の表面に電子線を照射してから、電子線照射されたサイドウォールゴム部の表面に上記モノマーを付与してもよく、あるいはまた、加硫成形後のサイドウォールゴム部の表面に上記モノマーを付与してから、該サイドウォールゴム部の表面に電子線を照射してもよく、更には、電子線照射とモノマー付与を同時に行ってもよく、いずれによっても上記モノマーをサイドウォールゴム部の表面に反応させることができる。
また、上記実施形態では、サイドウォールゴム部(9)の表面のみを処理する場合について説明したが、サイドウォールゴム部(9)だけでなく、トレッドゴム部(7)にも同様の処理を施すことができる。トレッドゴム部(7)についても耐候性が要求される場合があり、特に摩耗後における溝(8)の側面部や底面部において、外観上耐候性が要求される場合があるので、そのような場合には、サイドウォールゴム部(9)とともにトレッドゴム部(7)についても同様に電子線照射とモノマー付与を行うことが好ましい。
なお、本発明を適用できる空気入りタイヤは、特に限定されず、乗用車用タイヤ、トラックやバスなどの重荷重用タイヤなど、各種の空気入りタイヤに適用することができる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
バンバリーミキサーを使用して常法に従いサイドウォール用ゴム組成物を調製した。ゴム組成物の配合は下記表1の通りである。老化防止剤の配合量については、下記表2の通りに変量した。
Figure 2012051149
得られたサイドウォール用ゴム組成物を用いて、195/65R15の空気入りラジアルタイヤを常法に従い加硫成形し、次いで、表2に示す条件に従い、電子線照射、モノマー塗布を行って空気入りタイヤを製造した。
詳細には、実施例1では、加硫成形後のタイヤに対し、電子線照射装置を用いて、サイドウォールゴム部の表面に、温度:室温、加速電圧:200kV、照射線量:200kGyの条件で、電子線を照射した。照射後直ちに、該タイヤのサイドウォールゴム部をモノマ−液に浸けて、サイドウォールゴム部表面にモノマーを付与した。モノマー液としては、モノマーA:1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン(CH2=CH-Si(CH3)2-O-Si(CH3)2-CH=CH2)を用いた。その後、サイドウォールゴム部をモノマー液から出し、室温で4時間放置することにより、モノマーをサイドウォールゴム部表面には反応させて、該モノマーからなる重合体膜をサイドウォールゴム部表面に形成した空気入りタイヤを得た。
実施例2は、実施例1に対してゴム組成物中の老化防止剤を減量した例であり、その他は実施例1と同様にして空気入りタイヤを得た。実施例3ではモノマー液として、モノマーB:1,7−オクタジエンを用い、その他は実施例1と同様にして空気入りタイヤを得た。実施例4ではモノマー液として、モノマーC:ヘキサンジオールジアクリレート(CH2=CHCOO(CH2)6OCOCH=CH2)を用い、その他は実施例1と同様にして空気入りタイヤを得た。
比較例1は、コントロールとして、電子線照射とモノマー塗布を行わなかった例である。比較例2は、電子線照射をせずにモノマー液を付与した例であり、電子線照射していないことを除いて実施例1と同様にした。比較例3は、電子線は照射したがモノマー液を付与しなかった例であり、モノマー液を付与していないことを除いて実施例1と同様にした。比較例4は、比較例1に対してゴム組成物中の老化防止剤を減量した例であり、その他は比較例1と同様にして空気入りタイヤを得た。比較例5は、比較例1に対してゴム組成物中の老化防止剤を増量した例であり、その他は比較例1と同様にして空気入りタイヤを得た。
得られた各空気入りタイヤについて、耐候性と外観性を評価した。各評価方法は以下の通りである。
・耐候性:乗用車にタイヤを装着し、5万km走行後のサイドウォールゴム部の表面の状態を、JIS K6259の基準に照合して評価した。評価は、亀裂の数について、少ない方から順にA、B、Cの3段階と、亀裂の大きさについて、小さい方から順に1〜5の5段階を組み合わせて表示するものである。
・外観性:タイヤを屋外に4ヶ月間放置し、サイドウォールゴム部の表面を目視にて観察して、「3:ほとんど変色せず、2:わずかに変色、1:大きく変色」との3段階にて評価した。
結果は表2に示す通りであり、コントロールである比較例1に対し、特定のモノマーを電子線照射によりサイドウォールゴム表面に付与した実施例1及び3、4であると、外観性を損なうことなく、耐候性を向上することができた。また、実施例2では、比較例1に対して老化防止剤を減量したものの耐候性を同等以上に維持することができ、また、老化防止剤を減量したことにより、外観性が向上していた。
これに対し、電子線照射を実施していない比較例2や、電子線照射を実施したもののモノマーを付与していない比較例3では、耐候性の向上効果は見られなかった。また、比較例1に対し、老化防止剤を減量した比較例4では、外観性は向上したものの耐候性が悪化した。また、比較例1に対し、老化防止剤を増量した比較例5では、耐候性は向上したものの外観性が悪化した。
Figure 2012051149
1…トレッド部、2…ビード部、3…サイドウォール部、4…カーカス層、5…ビードコア、6…ベルト層、7…トレッドゴム部、8…溝、9…サイドウォールゴム部、10…表面処理部

Claims (4)

  1. ジエン系ゴムを含むゴム組成物からなるサイドウォールゴム部を備えた空気入りタイヤを加硫成形する工程と、
    加硫成形後の前記サイドウォールゴム部の表面に電子線を照射する工程と、
    ラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合を分子内に有する化合物を加硫成形後の前記サイドウォールゴム部の表面に付与する工程と、
    を含む空気入りタイヤの製造方法。
  2. 前記化合物が、前記炭素−炭素二重結合としてHC=CR−(但し、Rは水素原子又はメチル基)で表される基を少なくとも2つ有するものであることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤの製造方法。
  3. 前記化合物が、下記一般式(1)で表されるものであることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤの製造方法。
    Figure 2012051149
    (式中、R、Rはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基、Aは酸素原子、珪素原子を含んでもよい炭素数1〜30の2価の有機基、nは0又は1を表す。)
  4. ジエン系ゴムを含むゴム組成物からなるサイドウォールゴム部を備えた空気入りタイヤであって、前記サイドウォールゴム部の表面への電子線照射により、ラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合を分子内に有する化合物を、当該サイドウォールゴム部の表面の前記ジエン系ゴムに反応させたことを特徴とする空気入りタイヤ。
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