JP2012050926A - 水蒸気移動制御装置 - Google Patents

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JP2012050926A JP2010195416A JP2010195416A JP2012050926A JP 2012050926 A JP2012050926 A JP 2012050926A JP 2010195416 A JP2010195416 A JP 2010195416A JP 2010195416 A JP2010195416 A JP 2010195416A JP 2012050926 A JP2012050926 A JP 2012050926A
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Kunitaka Mizobe
都孝 溝部
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Abstract

【課題】 異物(例えば、火炎、粉塵、蟻等の虫、ホコリ等)の侵入を防止させるための異物侵入防止用通気膜を設けると共にこの異物侵入防止用通気膜の破損を防止させ、かつ水蒸気の処理能力を超える水が侵入した場合等に対処すべく、多孔質シール体を利用した非常時排水構造を備えた水蒸気移動制御装置の提供。
【解決手段】 箱体9内から外部に至る排水経路6が形成され、外部通気口38を塞ぐように難燃性フェルトによる異物侵入防止用通気膜5が取り付けられ、この異物侵入防止用通気膜は上下の補強用メッシュプレート50、51によってサンドウイッチ状態に挟持され、補強用メッシュプレートの外周には排水経路6を連通させるための多数の切欠部53が一定ピッチPで形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、特殊な膜体とその配列で水蒸気の移動方向を制御することによって、主に除湿装置として利用される水蒸気移動制御装置に関する。
水蒸気移動制御装置は外筒ケーシングの内部に小室ユニットが嵌合され、この小室ユニットに、通気性及び透湿性を有する膜体によって区画された少なくとも2室以上の小室が形成された構造になっている。
そして、前記外筒ケーシングの一方を外気に開放し、他方を箱体(密閉箱体)の内部に開放する状態にして使用されるもので、前記各膜体の通気度及び透湿度を使用して、外気と箱体の温度変動速度により、箱体内部の水蒸気の移動を制御するものである(特許文献1参照)。
このような水蒸気移動制御装置の特徴は、水蒸気の移動量が大きい膜体を使用することで、電気箱や容器などの電気機器を収容する箱体のシールに異常が発生した場合でも、可及的に水蒸気の排出を促進し、機器を収容する箱体の内部の湿度調整を行うことができることである。
除湿システム機能は外気の湿度上昇が高い湿度状態にあるときには、点検時などの高湿度の箱内封鎖に対して膜体特有の選択的な水蒸気の透過性を用いて外気への排出を促進する機構を備え、かつ外気が高い湿度環境にある場合には、箱内への侵入を抑制する機構を膜体で離隔された空間の間の濃度勾配による拡散速度差を用いて可能としていた。
また、温度の周期的変化や水蒸気圧の周期的変化を活用し、移動遅れの現象を活用し、箱内部の微弱な与圧状態を生成し、結露予防のためにシステム化されたものであった。
この水蒸気移動制御装置に必要な機構として非常時排水構造を備える必要がある。
即ち、水蒸気移動制御装置では、水蒸気の処理能力を超える水が、湿度調整の対象となる箱体内に侵入した場合には、排水ができず、水が滞る結果を招いてしまうことがあり、どのように排水路を確保するかという問題がある。
なお、本出願人において、水蒸気の処理能力を超える水が侵入した場合等に対処すべく、非常時排水構造を備えた水蒸気移動制御装置を本願に先行して出願している(特許文献1参照)。
又、この水蒸気移動制御装置の弱点としては異物(例えば、火炎、粉塵、蟻等の虫、ホコリ等)の侵入による膜体の溶融、破損、汚損等がある。
このような異物の侵入を防止させる膜体(異物侵入防止用通気膜)としては、シリカやガラス繊維の難燃性フェルトが好適に使用できるが、この難燃性フェルトは破損し易く、組立作業中の指当りによって破れたり、設置場所の環境、例えばトンネル内の風圧などによって破損したりすることがあり、その対策が必要になる。
特開2005−291544号公報
本発明は、異物(例えば、火炎、粉塵、蟻等の虫、ホコリ等)の侵入を防止させるための異物侵入防止用通気膜を設けると共に、温度や湿度の急激な変化、又は外気側の圧力変化などが生じてもこの異物侵入防止用通気膜の破損を防止させて結露予防の機能を維持させ、かつ水蒸気の処理能力を超える水が侵入した場合等に対処すべく、多孔質シール体を利用した非常時排水構造を備えた水蒸気移動制御装置を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明(請求項1)の水蒸気移動制御装置は、
通気性及び透湿性を有する膜体(21)によって区画された少なくとも2室以上の小室(23)が内部に形成されている小室ユニット(2)と、
上基面(31)に突出させた上端雄ネジ筒部(32)が箱体(9)の底壁(91)に形成した取付け穴(92)に挿入される外筒ケーシング(3)と、
前記上端雄ネジ筒部(32)に螺合することで前記外筒ケーシング(3)を箱体(9)の底壁(91)に取り付けるための上端取付ナット(33)と、
外筒ケーシング(3)の内部に前記小室ユニット(2)を嵌合保持させる状態に外筒ケーシング(3)の下部に螺合される下端組立ナット(35)と、
この下端組立ナット(35)の下端面に形成された外気通気口(38)と前記外筒ケーシング(3)の上端雄ネジ筒部(32)の上面に形成された内部通気口(39)との間に前記小室(23)を介して形成された通気経路と、
前記箱体(9)の内部に溜まった水が、前記上端取付ナット(33)の底面に形成した排水溝(62)から外筒ケーシング(3)の上端雄ネジ筒部(32)に形成したスリット(61)を経て外筒ケーシング(3)の内周面と小室ユニット(2)の外周面の間に形成された通水間隙(63)に流入して外部に排水するように形成した排水経路(6)と、
外筒ケーシング(3)の上部内面に形成した段部(3a)と小室ユニット(2)の上端との間に介装されて常時は閉塞され、水に濡れると排水経路(6)を開通させるように形成された多孔質シール体(4)とを備えた水蒸気移動制御装置(1)において、
前記外部通気口(38)を塞ぐと共に最外側の膜体(22)との間に空間部(26)を保持して前記下端組立ナット(35)の底壁内面(37b)と前記小室ユニット(2)の下端面との間に難燃性フェルトによる異物侵入防止用通気膜(5)が挟持状態で取り付けられ、
この異物侵入防止用通気膜(5)は上下の補強用メッシュプレート(50)、(51)によってサンドウイッチ状態に挟持され、
かつ前記補強用メッシュプレート(50)、(51)の外周には前記排水経路(6)を連通させるための多数の切欠部(53)が一定ピッチ(P)で形成されている構成とした。
又、本発明(請求項2)の水蒸気移動制御装置は、
請求項1記載の水蒸気移動制御装置(1)において、下端組立ナット(35)の周壁内面(37b)と底壁内面(37a)との隅部に環状溝(64)が形成され、この環状溝(64)の底面に外部への排水孔(65)が形成され、
かつ前記補強用メッシュプレート(50)、(51)の外周に形成した切欠部(53)が前記環状溝(64)に重なるように形成されている構成とした。
本発明(請求項1)の水蒸気移動制御装置は、非常時排水構造と、異物侵入防止用通気膜を備えている。
従って、水蒸気移動制御装置の処理能力を超える水が不測に侵入した場合、多孔質シール体が水に濡れると毛細管現象によって多孔質シール体を水が通過して排水経路が開通し、この排水経路を通して水を外部に排水することができる。
又、排水経路は多孔質シール体によって常時は閉塞されているため、排水経路から水蒸気や空気が侵入することは無く、正常な水蒸気移動制御を行うことができる。
また、下端通気口を塞ぐように難燃性フェルトによる異物侵入防止用通気膜を取り付けているため、下端通気口から異物としての粉塵や蟻等の虫やホコリ等が侵入するのを防止できるし、難燃性を有しているため火災時の火炎による熱によって小室ユニットの膜体が溶融するのを抑制でき、通気経路が火炎の火道となってしまうのを抑制し、その耐火性を向上させて箱体内の機器を火災から保護することができる。
又、異物侵入防止用通気膜を配置するに当たって、空間部を設けているため、輻射による直接的な膜体損傷を予防するとともに、外気からの水蒸気の微弱な吸着を異物侵入防止用通気膜で行い、水蒸気移動経路である通気経路の膜体の機能を補助することができる。
又、トンネル内などの急激な圧力変化を緩和し、膜体や通気経路への悪作用を軽減できる。
このように異物侵入防止用通気膜として難燃性フェルトを使用すると、この難燃性フェルトが破損し易いため、これを補強する必要が生じる。
そこで、本発明では難燃性フェルトによる異物侵入防止用通気膜を上下の補強用メッシュプレートによってサンドウイッチ状態に挟持させ、この補強用メッシュプレートで異物侵入防止用通気膜に加わる外力を受け止めて破損防止を図っている。
ただ、このように補強用メッシュプレートを用いると、この補強用メッシュプレートが下端組立ナットの底壁内面と小室ユニットの下端面との間に挟持状態に取り付けられるため、この補強用メッシュプレートによって前記した非常時排水構造の排水経路が遮断されてしまう。
そこで、本発明では補強用メッシュプレートの外周に多数の切欠部を一定ピッチで形成させたもので、この切欠部を通して排水経路を連通させることができるため、非常時排水構造を確保させることができる。
又、本発明の水蒸気移動制御装置(請求項2)は、前記補強用メッシュプレートの切欠部を通過した水を確実に外部に排水させるためのもので、下端組立ナットの周壁内面と底壁内面との隅部に前記切欠部に重なるように環状溝を形成させ、この環状溝の底面に外部への排水孔を形成させている。
従って、切欠部を通過した水は環状溝内に流入するため。ここから排水孔を通して外部に確実に排水させることができる。
本発明の実施例にかかる水蒸気移動制御装置を示す縦断面図。 この水蒸気移動制御装置を分解した状態の縦断面図。 異物侵入防止用通気膜を上下の補強用メッシュプレートで挟持させた状態を示す一部切欠平面図。 補強用メッシュプレートに形成した切欠部を示す平面説明図。 緩み止め座金を示す平面図。 外筒ケーシングに形成したスリットの他例を示す断面図。 スリットの変形防止構造の例を示す断面図。 スリットの変形防止構造の例を示す断面図。
本実施例の水蒸気移動制御装置1は、小室ユニット2が外筒ケーシング3の内部に嵌合されたもので、下端通気口38を外気に開放し、上端通気口39を箱体(密閉箱体)9の内部に開放する状態にして使用される。
前記小室ユニット2は、複数の円筒体20の間に通気性及び透湿性を有する膜体21及び導電性多孔体としての銅製のメッシュプレート22が挟持されたもので、その内部に膜体21によって区画された小室23が形成されている。
実施例では、外筒25内に4個の円筒体20と、3枚の膜体21とによって2個の小室23が区画形成され、小室23,23を介して下端通気口38と上端通気口39との間に通気経路を形成する状態に前記外筒ケーシング2が箱体9の底壁91に取り付けられている。
なお、前記各膜体21は通気性及び透湿性を有する膜体で、プレスによる打ち抜き加工等で所定直径の円形膜に形成され、その通気度及び透湿度を使用して、外気と箱体9内の温度変動速度により、箱体9の内部を除湿するように水蒸気の移動を制御するものである。
導電性多孔体としてのメッシュプレート22は、膜体21に近接又は接触して配置され、表面温度による影響を利用して通過する水蒸気の温度勾配及び湿度勾配を調整するためと、膜体21を補強する膜体支持部材として機能する。
水蒸気移動制御装置1は、膜体21を用いて水蒸気の移動速度の調整を行うもので、この膜体21を通過する水蒸気は通過する膜体21の温度によって透過速度が変化する。
熱設計を容易にさせ、かつ動作を安定化させるためには、できるだけ膜体21の表面温度を均質にして温度分布幅を小さくする必要がある。
もしも膜体21内において、ある部分の温度が高く、それ以外の部分が低くなると、その温度分布の平面が接触する空間で熱交換を行うメッシュプレート22(導電性多孔体)が無ければ、空気との熱交換の結果、対流が発生し、水蒸気の移動速度にむらが発生してしまい、水蒸気移動の方向性の秩序が乱されてしまうことが考えられる。
そこで、導電性多孔体のメッシュプレート22を用いることにより熱分布の分散を最小限にさせ、水蒸気の移動境界面の温度変化に同一の平面が均質な温度に早く変化することができるように構成するのが好ましい。
前記円筒体20及び外筒25はアクリル樹脂等の透明合成樹脂により形成され、内部に組み込んだ膜体21及びメッシュプレート22を目視で確認できるようにしている。
前記外筒ケーシング3は、本体円筒部30と、この本体円筒部30の上基面31に上向き突出させた上端雄ネジ筒部32と、この上端雄ネジ筒部32に螺合させる上端取付ナット33と、前記本体円筒部30の下部外周に形成した下側雄ネジ部34に螺合させる下端組立ナット35を備えている。
そして、前記本体円筒部30の内部に、後述する多孔質シール体4及び前記小室ユニット2を嵌合することで、水蒸気移動制御装置1が組立てられる。
この場合、本体円筒部30内に多孔質シール体4、小室ユニット2、後述する上側の補強用メッシュプレート50、異物侵入防止用通気膜5、下側の補強用メッシュプレート51を順に挿入したのち、下端組立ナット35を下側雄ネジ部34に螺合させて組み立てるものである。
尚、外筒ケーシング3、下端組立ナット35、上端取付ナット33などは、加熱硬化性樹脂(実施例ではPVC)で形成されているが、この他、耐熱性フッ素系樹脂やその他のプラスチック耐火物などを用いて形成してもよい。
上記のようにして、本体円筒部30の内部に小室ユニット2を嵌合した水蒸気移動制御装置1は、これを箱体9に取り付けて、前記各膜体21の通気度及び透湿度を使用して、両通気口38、39間における通気経路での水蒸気の移動を制御することで、外気と箱体9内の温度変動速度により、箱体9の内部を除湿するように水蒸気の移動を制御する。
この場合、箱体9の底壁91に形成した取り付け穴92に、クロロプレンゴムによる第1パッキン81、シリコンゴムによる第2パッキン82を介して上端雄ネジ筒部32を箱体9の外部から内部に貫通するように挿入させ、この上端雄ネジ筒部32に箱体9の内部から緩み止め座金7を介して上端取付ナット33を螺合させることで箱体9に水蒸気移動制御装置1(外筒ケーシング3)を取り付けるようにしている。
前記第1パッキン81及び第2パッキン82は、耐熱シールとしても機能するもので、この部分に熱が加わった場合の底壁91の熱膨張を予防し、又、水蒸気移動制御装置1の底壁91への取り付け部分に侵入した水の凍結膨張を緩衝し、固定力の減弱と上端雄ネジ筒部32への応力集中を予防する。
前記緩み止め座金7は、図5に示すように、内周に複数個(実施例では12個)の係止爪70が等間隔(30度間隔)で突設され、この係止爪70は上端取付ナット33の緩み方向(矢印A方向)に対向する辺(上向辺)71を上に向け、上端取付ナット32の緩み方向の辺(下向辺)72を下に向けるように傾斜して形成されている。
尚、係止爪70の配設ピッチは上端取付ナット33に形成された排水溝62の配設ピッチとズラして設けており、これにより上端取付ナット33を強く締め付けても波状に隙間が開いて排水を妨げることはない。
又、水蒸気移動制御装置1には、下端組立ナット35の中央部に形成した前記下端通気口38を塞ぐように異物侵入防止用通気膜5が最外側の膜体22との間に空間部26を保持して下端組立ナット35の内部に取り付けられている。
この異物侵入防止用通気膜5は、前記下端組立ナット35の底壁内面37bと前記小室ユニット2の下端面との間に挟持状態で取り付けられる。
そして、前記異物侵入防止用通気膜5は、難燃性フェルトにより円形に形成され、ただ、この難燃性フェルトは破れ易いという問題がある。
そこで、この異物侵入防止用通気膜5の上面に上側の補強用メッシュプレート50を当て、下面に下側の補強用メッシュプレート51を当てて、異物侵入防止用通気膜5を上下の補強用メッシュプレート50、51によってサンドウイッチ状態に挟持させることで、破損に対する補強をしている。
この補強用メッシュプレート50、51は制菌作用(オリゴジナミー効果)を有する銅板により形成され、図3に示すように、その中央部分がメッシュ52に形成され、その外周には後述する排水経路Wを連通させるための多数の切欠部53が一定ピッチPで形成されている。
熱伝導には、輻射、伝導、対流の3種類があり、また、熱交換は熱交換にかかわる表面積に比例して大きくなる。
そこで、異物侵入防止用通気膜5を配置するにあたって、この異物侵入防止用通気膜5の上方、即ち最外側の膜体22との間に空間部26を設けることにより、輻射による直接的な膜損傷を予防すると共に、外気からの水蒸気の微弱な吸着を異物侵入防止用通気膜5が行い、水蒸気移動経路である通気経路の膜体21の機能を補助することができる。
又、異物侵入防止用通気膜5を下端組立ナット35の下端面より上方に設置させて空間38aを設けることにより、側方からの風力が異物侵入防止用通気膜5に当たらないようにさせて風圧による悪作用を軽減させている。
又、上下の補強用メッシュプレート50、51により異物侵入防止用通気膜5をサンドウイッチさせることで、異物侵入防止用通気膜5が補強用メッシュプレート50、51によって冷却されるため外気の湿度が上昇しても箱体9内の湿度下降を継続し易くなる。
本実施例の水蒸気移動制御装置1では、箱体9に穴が明いたりして、不測に箱体9の内部に水が侵入した場合、その水を箱体9の外部に排水するための非常時排水構造が形成されている。
水蒸気移動制御装置1の理想的な機能発揮のためには、外部環境の温度変化に伴う湿度調整空間の内部と外気側との呼吸現象が必要であり、シール性は少なくとも水蒸気移動制御装置が調整することが可能な20〜30%RHの除湿に相当する水蒸気圧に室温近辺でほぼ等しい10cm水柱圧程度の気密性に耐える微弱なシール性が必要である。
しかし、ひとたび大きなシール性の破損や破壊、事故による水の侵入が発生してしまった場合等や、呼吸性が失われた条件下では排水が困難である。
そこで、水の侵入が発生するまでは、湿度調整の対象となる箱体9内の気密性を確実に確保すると共に、湿度調整機能を十分に発揮させる。
一方、シールなどの箱体9側の不測の破損などが原因で水が侵入した場合には、湿度調整による水蒸気移動量を超える状況にあり、この状態が自然に復旧することは、電気機器などを収容する箱体では考えにくい。
そこで、水の侵入が発生した場合には、排水構造によって排水を確保することとした。この段階では、呼吸性よりも排水経路Wの確保が重要であり、湿度調整の能力は望めない。
その非常時排水構造は、外筒ケーシング3に形成した上端雄ネジ筒部32にスリット61を形成させると共に、上端取付ナット33の底面に排水溝62を形成させ、かつ外筒ケーシング3の内周面と小室ユニット2の外周面の間に通水間隙63を形成させ、更に、前記下端組立ナット35の周壁内面37aと底壁内面37bとの隅部に環状溝64を形成させ、この環状溝64の底面に外部への排水孔65を形成させた排水経路6を形成させている。
尚、前記スリット61は上端雄ネジ筒部32に等間隔で複数箇所(2〜6個所程度)に形成されている。実施例では4個のスリット61を90度間隔で配設しているが、3個のスリット61を120度間隔で配設させても良い。
前記上端取付ナット33には底面及び上面に排水溝62を形成させて、上端取付ナット33の天地を無くして便利に使用できるようにしている。
又、前記排水経路6には、外筒ケーシング3の上部内面に形成した段部3aと小室ユニット2の上端との間に介装され、常時は、その介装状態での圧迫力により気密性を持たせて通気経路の水蒸気移動制御、空気の移動制御の能力を下回る通気性を持たせるように閉塞させ、一方、水に濡れると毛細管現象によって排水経路6を開通させる多孔質シール体4を設けている。
この多孔質シール体4はポリエステルのフェルトによりリング状に形成され、その内周部分を前記段部3aよりも内側に延長させ、この延長部40で水が小室ユニット2の膜体21上に滴下するのを受け止めるようにしている。
また前記スリット61は、図6に示すように、上端雄ネジ筒部32の上端面に開放するように形成しても良いが、この場合、外筒ケーシング3に大きな外力が加わると、スリット61の上端側が外力Nによって狭まるような変形が生じ、この結果、上端取付ナット33の螺合状態にネジ飛びが生じて脱落が生じるといったトラブルが懸念される。
そこで、図1及び図2で示すように、スリット61の上端を開放させずにスリット61の上端を連結部69によって連結させることで外力Nによる変形を防止させている。
又、上記スリット61の変形防止手段としては、図7及び図8に示すように、上端雄ネジ筒部32の上端内部にキャップ68を嵌合させる構造を用いても良い。
尚、図7はキャップ68にスリット61内に嵌め込む爪67を設けた例、図8は爪を設けていない例である。
又、変形防止手段として、前記キャップ68や上端取付ナット33を接着剤により外筒ケーシング3に固定させることもできる。
上記したスリット61の変形が懸念される設置場所としては、例えば、高速列車が通過するトンネル内等が考えられる。
このような場所では、列車通過に伴う大きな風圧や乱流を繰り返し受けることからスリット61の変形防止手段を設けることが必要になる。
従って、箱体9の内部に溜まった水は、前記上端取付ナット33の底面に形成した排水溝62から外筒ケーシング3の上端雄ネジ筒部32に形成したスリット61を通り、多孔質シール体4を経て通水間隙63に流入し、さらに下端組立ナット35に形成した環状溝64に流入したのち排水孔65から外部に排水される。
このとき、前記異物侵入防止用通気膜5の上下に設けた補強用メッシュプレート50、51により非常時排水構造の排水経路6が遮断されてしまうおそれがある。
そこで、前記補強用メッシュプレート50、51の外周に多数の切欠部53を一定ピッチPで形成させて、この切欠部53を通して排水経路6を連通させるようにしている。
この場合、切欠部53は前記環状溝64に重なるように形成される。
又、上下の補強用メッシュプレート50、51は、製作容易性を考慮して同形同大で切欠部53のピッチも同一の共通部品に形成されている。
このように同一ピッチPの共通部品にすると、上下の補強用メッシュプレート50、51は、その重なり具合によっては切欠部53が非切欠部54によって塞がれてしまうことがある。
そこで、切欠部53のピッチPと幅Sとの関係を次のように設定している。
即ち、図4に示すように、切欠部53の幅S(実施例では半円弧の直径)を切欠部53のピッチPの1/2以上に形成させた(S>1/2P)。
このように切欠部53の幅SとピッチPを設定することにより、上下の補強用メッシュプレート50、51間に円周方向の位置ズレがあっても切欠部53が非切欠部54によって塞がれるといったことが無くなり、切欠部53を通した排水経路6を確保することができる。
以上のように本発明では、水蒸気の濃度勾配の配列に準じた水蒸気移動制御装置の除湿特性や通気特性として外気方向への水蒸気の水蒸気移動制御装置内部の通気経路にとって外気側方向への水蒸気の移動を促進するために有利である吸湿性物質の外気側位置への配置を行い、箱内から箱外への移動を促進するとともに、外気から箱内への水蒸気の移動は効率的に抑制されるとともに、水蒸気移動制御装置内部への異物の侵入を防止するとともに、非常時排水構造の機能を確保することができる。
1 水蒸気移動制御装置
2 小室ユニット
21 膜体
23 小室
26 空間部
3 外筒ケーシング
3a 段部
31 上基面
32 上端雄ネジ筒部
33 上端取付ナット
35 下端組立ナット
38 外気通気口
39 内部通気口
4 多孔質シール体
5 異物侵入防止用通気膜
50 補強用メッシュプレート
51 補強用メッシュプレート
53 切欠部
6 排水経路
61 スリット
62 排水溝
63 通水間隙
64 環状溝
65 排水孔
9 箱体
91 底壁
92 取付け穴

Claims (2)

  1. 通気性及び透湿性を有する膜体(21)によって区画された少なくとも2室以上の小室(23)が内部に形成されている小室ユニット(2)と、
    上基面(31)に突出させた上端雄ネジ筒部(32)が箱体(9)の底壁(91)に形成した取付け穴(92)に挿入される外筒ケーシング(3)と、
    前記上端雄ネジ筒部(32)に螺合することで前記外筒ケーシング(3)を箱体(9)の底壁(91)に取り付けるための上端取付ナット(33)と、
    外筒ケーシング(3)の内部に前記小室ユニット(2)を嵌合保持させる状態に外筒ケーシング(3)の下部に螺合される下端組立ナット(35)と、
    この下端組立ナット(35)の下端面に形成された外気通気口(38)と前記外筒ケーシング(3)の上端雄ネジ筒部(32)の上面に形成された内部通気口(39)との間に前記小室(23)を介して形成された通気経路と、
    前記箱体(9)の内部に溜まった水が、前記上端取付ナット(33)の底面に形成した排水溝(62)から外筒ケーシング(3)の上端雄ネジ筒部(32)に形成したスリット(61)を経て外筒ケーシング(3)の内周面と小室ユニット(2)の外周面の間に形成された通水間隙(63)に流入して外部に排水するように形成した排水経路(6)と、
    外筒ケーシング(3)の上部内面に形成した段部(3a)と小室ユニット(2)の上端との間に介装されて常時は閉塞され、水に濡れると排水経路(6)を開通させるように形成された多孔質シール体(4)とを備えた水蒸気移動制御装置(1)において、
    前記外部通気口(38)を塞ぐと共に最外側の膜体(22)との間に空間部(26)を保持して前記下端組立ナット(35)の底壁内面(37b)と前記小室ユニット(2)の下端面との間に難燃性フェルトによる異物侵入防止用通気膜(5)が挟持状態で取り付けられ、
    この異物侵入防止用通気膜(5)は上下の補強用メッシュプレート(50)、(51)によってサンドウイッチ状態に挟持され、
    かつ前記補強用メッシュプレート(50)、(51)の外周には前記排水経路(6)を連通させるための多数の切欠部(53)が一定ピッチ(P)で形成されていることを特徴とする水蒸気移動制御装置。
  2. 請求項1記載の水蒸気移動制御装置(1)において、下端組立ナット(35)の周壁内面(37b)と底壁内面(37a)との隅部に環状溝(64)が形成され、この環状溝(64)の底面に外部への排水孔(65)が形成され、
    かつ前記補強用メッシュプレート(50)、(51)の外周に形成した切欠部(53)が前記環状溝(64)に重なるように形成されている水蒸気移動制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018501106A (ja) * 2014-12-23 2018-01-18 ビーエフジー エンバイロメンタル テクノロジーズ バイオリアクタ式の廃水の生物処理のための移動可能型装置
JP2021005615A (ja) * 2019-06-26 2021-01-14 ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツングRobert Bosch Gmbh 呼吸栓及び呼吸栓を備える電子制御装置

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