JP2012050511A - 内視鏡用フード及びフード付き内視鏡 - Google Patents

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宏治 伊藤
Maki Saito
斎藤  牧
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Abstract

【課題】フードを位置ずれなく確実に内視鏡先端部に装着する。
【解決手段】フード本体50aは電子内視鏡の先端部16aに装着される。フード本体50aのうち観察窓42を覆う部分には、体腔内からの反射光のうち励起光または治療光をカットまたは減光する特定波長カットフィルタ51が設けられている。フード本体50aには、先端部16aの鉗子出口45を体腔内に露呈させる鉗子出口用開口部54が設けられている。この鉗子出口用開口部54よりも内側には、鉗子出口45を介して鉗子チャンネル19に嵌入される略円筒状の嵌入部55が設けられている。嵌入部55が鉗子チャンネル19内に嵌入することで、先端部16aに対するフード本体50aの位置が固定される。
【選択図】図4

Description

本発明は、内視鏡の先端部に対して装着される内視鏡用フード及びフード付き内視鏡に関する。
近年の医療分野では、電子内視鏡を用いた診断や治療が数多く行なわれている。電子内視鏡による診断等は、細長の挿入部を被検者の体腔内に挿入することにより行なわれる。この挿入部の先端部には、照明窓から体腔内に向けて照明光が照射される照明窓と、この照明窓からの照明により体腔内で反射した光を受光する観察窓が設けられている。観察窓で受光した光は、挿入部の先端部に設けられたCCDなどの撮像素子によって撮像される。撮像により得られた画像は、電子内視鏡に接続されたプロセッサ装置で各種処理が施された後、モニタに表示される。
体腔内に照射する照明光としては、一般的には、白色光などの広帯域光が使用される。しかしながら、白色光を照明したときの画像は、体腔内全体の状況を把握するのには適しているものの、患者の体腔内壁にできた腫瘍患部などを把握しにくい場合がある。そこで、近年では、薬剤投与によって腫瘍患部にフォトフィリンなどの光感受性物質を蓄積させた上で、その腫瘍患部に対して特定波長の励起光を照射することによって、腫瘍患部から蛍光を発生させることが行なわれている。これによって、腫瘍患部の位置、大きさ、範囲を容易に把握できるようになる。この薬剤蛍光による診断方法は、PDD(Photo Dynamic Diagnosis:光線力学的診断)と呼ばれている。
また、光感受性物質が蓄積された腫瘍患部に対しては、励起光とは波長が異なる特定波長の治療光を照射することで、その腫瘍患部を死滅させることができる。この治療光を用いた治療方法は、PDT(Photo Dynamic Therapy:光線力学的治療)と呼ばれている。PDTでは、治療光の照射によって光感受性物質から発生する活性酸素の殺細胞作用を利用することによって、腫瘍患部を死滅させている。
したがって、光感受性物質から活性酸素を発生させるためには、治療光のエネルギーを非常に高くしておく必要がある。しかしながら、このようにエネルギーが非常に高い治療光が撮像素子に入射すると、撮像素子における蓄積電荷が飽和しまうことがある。この蓄積電荷の飽和によって、モニタ上の画面が真っ白になるハレーションと呼ばれる現象が起きる。このハレーションによって、画面上に写し出される腫瘍患部や内視鏡の先端の視認性は非常に低下する。
このハレーションの問題を解決するために、特許文献1では、治療光をカットするカットフィルタを備えたフードを内視鏡先端部に装着している。このようなフードを装着することで、体腔内で反射した治療光が内視鏡先端部の観察窓に入らないようにしている。
特開2007−20759号公報
治療光は、照明窓から体腔内に照射する他、鉗子チャンネルに挿入されたPDT用プローブから照射することも行なわれている。PDT用プローブは、治療光が発せられる照射部と、この出射部と治療光用の光源装置とをつなぐ導光ケーブルとを備えている。治療光を照射する際には、内視鏡先端部の鉗子出口から照射部を一定の距離だけ突出させ、この状態で照射部から治療光を出射する。
特許文献1のフードには、鉗子出口に対応する位置に鉗子孔が設けられている。したがって、フードを内視鏡先端部に装着したとしても、PDT用プローブの照射部を突出させることができる。しかしながら、フードは内視鏡先端部に単に被せているだけであるため、フードの密着性等が低下すると、鉗子出口と鉗子孔との位置関係がずれてしまうことがある。このようなずれが起こってしまうと、フードが鉗子出口の一部によって塞がれてしまう。このような状況下では、PDT用プローブの照射部を内視鏡先端部から突出できなくなるおそれがある。
本発明は、内視鏡先端部に対して位置ずれなく確実に装着することができる内視鏡用フード及びフード付き内視鏡を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、特定波長の光を体腔内に向けて照射する特殊光用プローブが挿通される鉗子チャンネルと、この鉗子チャンネルの出口であり、特殊光用プローブの照射部が体腔内に向けて突出される鉗子出口、体腔内で反射した反射光を受光する観察窓、及び異物除去用の流体を供給するための流体吹付ノズルが設けられた先端部とを有する内視鏡に用いられる内視鏡用フードにおいて、内視鏡の先端部に対して装着されるフード本体と、前記フード本体のうち観察窓を覆う部分に設けられ、反射光のうち特定波長の光をカットまたは減光する特定波長カットフィルタと、前記フード本体に設けられ、前記鉗子出口を体腔内に露呈させる鉗子出口用開口部と、前記フード本体において前記鉗子出口用開口部よりも内側に設けられ、前記内視鏡の先端部に対する前記フード本体の位置を固定する位置固定部とを備えることを特徴とする。
前記位置固定部は、前記フード本体を前記内視鏡の先端部に装着したときに、前記鉗子出口を介して鉗子チャンネルに嵌入される略円筒状の嵌入部であることが好ましい。前記嵌入部を前記鉗子チャンネルに嵌入したときには、前記鉗子チャンネル内を吸引状態にすることが好ましい。前記嵌入部は、鉗子チャンネルの内径と略同径である円筒形状の弾性部材で形成することが好ましい。
前記フード本体において、前記流体吹付ノズルからの流体を特定波長カットフィルタにまで流すための開口部を備えることが好ましい。前記流体吹付ノズルと対向する部分に設けられ、特定波長カットフィルタの表面に向かって高さが徐々に高くなるように傾斜している傾斜部を備えることが好ましい。前記特定波長カットフィルタは、PDT用プローブから発せられる治療光をカットまたは減光することが好ましい。前記特定波長カットフィルタは、AFI用またはPDD用プローブから発せられる蛍光励起用の励起光をカットまたは減光することが好ましい。
本発明のフード付き内視鏡は、特定波長の光を体腔内に向けて照射する特殊光用プローブが挿通される鉗子チャンネルと、この鉗子チャンネルの出口であり、特殊光用プローブの照射部が体腔内に向けて突出される鉗子出口、体腔内で反射した反射光を受光する観察窓、及び異物除去用の流体を供給するための流体吹付ノズルが設けられた先端部とが設けられた先端部とを有する内視鏡と、内視鏡の先端部に対して装着されるフード本体と、前記フード本体のうち観察窓を覆う部分に設けられ、反射光のうち特定波長の光をカットまたは減光する特定波長カットフィルタと、前記フード本体に設けられ、前記鉗子出口を体腔内に露呈させる鉗子出口用開口部と、前記フード本体において前記鉗子出口用開口部よりも内側に設けられ、前記内視鏡の先端部に対する前記フード本体の位置を固定する位置固定部とを有するフードとを備えることを特徴とする。
前記フード及び前記特殊光用プローブには、特殊光用プローブの照射部が鉗子出口用開口部から一定距離以上突出することを阻止する突出阻止部が設けられていることが好ましい。前記特殊光用プローブは、特殊光用光源から発せられる特定波長の光を、導光ケーブルを介して先端の照射部にまで導光し、前記突出阻止部は、導光ケーブルのうち先端の照射部から一定距離だけ離れた位置に設けられた略ラッパ形状のプローブ側スカート部と、
前記フード本体において前記鉗子出口用開口から外側に設けられ、特殊光用プローブの照射部が鉗子出口用開口部から一定距離以上突出したときに、前記プローブ側スカート部が内部に入り込む中空のフード側スカート部とを備えることが好ましい。
前記プローブ側スカート部またはフード側スカート部は弾性部材で形成されていることが好ましい。前記位置固定部は、前記フード本体を前記内視鏡の先端部に装着したときに、前記鉗子出口を介して鉗子チャンネルに嵌入される略円筒状の嵌入部であることが好ましい。前記フード本体において、前記流体吹付ノズルからの流体を特定波長カットフィルタにまで流すための開口部を備えることが好ましい。
本発明によれば、フード本体を内視鏡の先端部に装着したときには、フード本体において鉗子出口用開口部よりも内側に設けられた位置固定部によって、前記内視鏡の先端部に対する前記フード本体の位置が固定されることから、フードの装着を位置ずれなく確実に行なうことができる。
電子内視鏡システムの概略図である。 本発明のフードと電子内視鏡の先端部との対応関係を示す斜視図である。 図2のフードが電子内視鏡の先端部に装着された状態を示す斜視図である。 図3のA―A断面図である。 電子内視鏡の先端部に装着された本発明のフードの平面図である。 図5のB−B断面図である。 「フォトフィリン」使用時における特定波長カットフィルタの透過スペクトルを示すグラフである。 「レザフィリン」使用時における特定波長カットフィルタの透過スペクトルを示すグラフである。 「5−ALAプロトポルフィリンIX」使用時における特定波長カットフィルタの透過スペクトルを示すグラフである。 生体組織と内視鏡先端部との距離を一定に保持する距離保持棒が取り付けられた本発明のフードの断面図である。 生体組織と内視鏡先端部との距離を一定に保持する円筒状の距離保持部が取り付けられた本発明のフードの断面図である。 生体組織と内視鏡先端部との距離を一定に保持する略ラッパ状の距離保持部が取り付けられた本発明のフードの断面図である。
図1に示すように、電子内視鏡システム10は、被検者の体腔内をCCDなどの撮像素子で撮像する電子内視鏡11と、撮像により得られた信号に基づいて体腔内の被写体組織の画像を生成するプロセッサ装置12と、体腔内の画像を表示するモニタ13と、体腔内を照明する光を発する光源装置14aと、体腔内の腫瘍患部を死滅させるための治療光を発する治療光光源14bと、洗浄用のエア・水を供給する送気・送水装置15とを備えている。
電子内視鏡11は、体腔内に挿入される可撓性の挿入部16と、挿入部16の先端部分に設けられた先端部16aと、挿入部16の基端部分に設けられた操作部17と、操作部17とプロセッサ装置12及び光源装置14aとの間を連結するユニバーサルコード18とを備えている。先端部16aにおいては、照明窓40(図2参照)から体腔内に光を照射するとともに、体腔内で反射した光を観察窓42で受光する。また、先端部16aからは、操作部17の鉗子口20から挿入されたPDT用プローブ39などの各種処置具が、鉗子チャンネル19を介して、鉗子出口45(図2参照)から突出される。
ユニバーサルコード18には、プロセッサ装置12および光源装置14a側にコネクタ24が取り付けられている。コネクタ24は、通信用コネクタと光源用コネクタからなる複合タイプのコネクタであり、電子内視鏡11は、このコネクタ24を介して、プロセッサ装置12および光源装置14aに着脱自在に接続される。
光源装置14a内には、白色光光源26と、励起光光源27とが設けられている。白色光光源26は、波長帯域が青色波長域から赤色波長域にまでおよぶ白色光を発する。励起光光源27は、光感受性物質が投与された体腔内で蛍光を励起するための励起光を発する。白色光光源26または励起光光源27から発せられた白色光または励起光は、ユニバーサルコード18及び挿入部16内のライトガイド30を介して、体腔内に照射される。一方、治療光光源14bから発せられる治療光は、PDT用プローブ39を介して、体腔内の腫瘍患部に照射される。
送気・送水装置15は、光源装置14a内に設けられた送気用ポンプ32と、光源装置14a外に設けられた洗浄水タンク33及び吸引ポンプ34とを備えている。送気用ポンプ32や洗浄水タンク33から供給されるエアや水は、ユニバーサルコード18及び挿入部16内の送気・送水チャンネル35を介して、観察窓42に吹き付けられる。また、吸引ポンプ34は、鉗子チャンネル19内を負圧状態にする。これにより、観察領域に溜まった水や体液などは、鉗子チャンネル19を介して、吸引される。なお、エアや水の供給またはその停止は、操作部17の送気・送水ボタン37を操作することによって行われ、吸引の開始またはその停止は、操作部17の吸引ボタン38を操作することによって行われる。
図2及び図3に示すように、先端部16aには、光源装置14a内から発せられた白色光または励起光を体腔内に向けて照明する照明窓40と、体腔内で反射した光を受光する観察窓42と、観察窓42にエアや水を吹き付ける送気・送水ノズル43と、各種処置具を体腔内に向けて突出させる鉗子出口45とが設けられている。
先端部16aに対しては、励起光や治療光を照射したときに生じるハレーション防止用のフード50が装着される。フード50は、フード本体50aと、体腔内で反射した光のうち励起光や治療光が観察窓42に入ることを阻止する特定波長カットフィルタ51と、照明窓40を体腔内に露呈させる照明窓用開口52と、送気・送水ノズル43から出るエアや水を特定波長カットフィルタ51に吹き付けるための送気・送水用開口53と、鉗子出口45を体腔内に露呈させる鉗子出口用開口54とを備えている。また、フード50は、鉗子出口用開口54の内側に設けられ、鉗子チャンネル19に嵌入される略円筒状の嵌入部55と、この鉗子出口用開口の外側に設けられる中空のフード側スカート部56と備えている。なお、本実施形態の特定波長カットフィルタは、励起光及び治療光の両方をカットするが、これに限らず、少なくともいずれか一方だけをカット又は減光してもよい。
PDT用プローブ39は、先端部16aの鉗子出口45およびフード50の鉗子出口用開口54を介して、体腔内に向けて突出する。このPDT用プローブ39は、治療光を腫瘍患部に向けて照射する照射部60と、この照射部60と治療光光源14bとをつなぐ導光ケーブル61と、導光ケーブル61のうち先端の照射部60から一定距離だけ離れた位置に設けられた略ラッパ状のプローブ側スカート部62とを備えている。
図4に示すように、フード50を先端部16aに装着したときには、嵌入部55は鉗子チャンネル19内に嵌め込まれる。これにより、先端部16aに対してフード本体50aの位置は固定されるため、フード本体50aは内視鏡の挿入部16の軸方向に対してずれることはない。このようにフード本体50aの位置を固定することによって、フード本体50aが先端部の鉗子出口45の一部を塞ぐようなことは完全に無くなる。したがって、フード50の装着時であっても、PDT用プローブの照射部60を体腔内に向けて確実に突出させることができる。
ここで、嵌入部55を鉗子チャンネル19内に嵌め込んだときには、鉗子チャンネル19内を吸引して、嵌入部55と鉗子チャンネル19の内壁とを密着(係止)させることが好ましい。また、嵌入部55は、生体適合性のある弾性部材(例えばゴムなど)で形成することが好ましい。また、嵌入部55は、鉗子チャンネル19の内壁との密着性を高めるために、鉗子チャンネル19の内径と略同径であることが好ましい。
また、PDT用プローブ39の照射部60がフード50の鉗子出口用開口54から一定距離突出すると、プローブ側スカート部62がフード側スカート部56内に入り込む。これにより、照射部60の更なる突出が阻止される。また、このようにプローブ側スカート部62がフード側スカート部56内に入り込むことで、照射部60の位置を含むPDT用プローブ39全体の位置が固定される。これにより、照射部60から照射される治療光の照射範囲は、先端部16aを動かさない限り、腫瘍患部がある目標エリアから外れるおそれはない。なお、フード側スカート部56及びプローブ側スカート部62ともに、生体適合性のある弾性部材(例えばゴム)で形成することが好ましい。
図4及び図5に示すように、特定波長カットフィルタ51は観察窓42を覆う一方、照明窓40や鉗子出口45は、照明窓用開口52や鉗子出口用開口54から体腔内に露呈する。したがって、フード50を先端部16aに装着したとしても、各種光や各種処置具を用いた内視鏡診断や治療に影響を与えることはない。即ち、フード50の装着によって、照明窓40から照射される白色光や励起光の光量は低下することがなく、また、鉗子出口45から出る各種処置具の操作性を低下させることもない。
また、図6に示すように、送気・送水ノズル43の吹出口43aと送気・送水用開口53との間には、隙間65が形成される。したがって、送気・送水ノズル43から供給されるエアや水は、隙間65及び送気・送水用開口53を介して、特定波長カットフィルタ51に吹き付けられる。このエアや水の吹き付けによって、特定波長カットフィルタ51に付着した体液や生体組織の一部などの異物は除去される。
また、フード50には、特定波長カットフィルタ51の表面に向かって高さが徐々に高くなるように傾斜する傾斜部67が設けられている。このような傾斜部67を設けることで、送気・送水ノズル43から出たエアや水は特定波長カットフィルタ51の表面にまでスムーズに流れるため、エアや水の吹き付けを確実に行なうことができる。
なお、患者に投与する薬剤によって、体腔内に照射する励起光や治療光の波長は異なることから、これに合わせて、特定波長カットフィルタ51で遮断する波長帯域を設定する必要がある。例えば、薬剤として「フォトフィリン」を使用した場合には、励起光の波長は「405nm」であり、治療光の波長は「630nm」である。そして、波長「405nm」の励起光によって励起される蛍光の波長は、治療光の波長と大きく異なる「660nm」である。したがって、薬剤が「フォトフィリン」である場合には、図7に示すように、体腔内で反射した光のうち、「405nm」の励起光と「630nm」の治療光を遮断する特定波長カットフィルタを用いる。なお、薬剤として「ビスダイン」を使用した場合も、蛍光の波長(660nm)と治療光の波長(689nm)とは大きく異なっているので、「405nm」の励起光と「689nm」の治療光を遮断する特定波長カットフィルタを用いる。
これに対して、薬剤が「レザフィリン」である場合には、治療光の波長は664nmであり、蛍光の波長は660nmであることから、両者はわずか「4nm」しか違わない。したがって、「レザフィリン」使用時の特定波長カットフィルタは、図8に示すように、体腔内で反射した光のうち、「405nm」の励起光は遮断する一方で、蛍光波長に近い「664nm」の治療光は完全に遮断するのではなく、一部減光することが好ましい。
さらに、薬剤が「5−ALAプロトポルフィリンIX」である場合には、蛍光は「635nm」と「670nm」とに2つのピークを有する。一方、この薬剤を使用したときの治療光の波長は「630nm」である。したがって、蛍光の一方のピーク波長(670nm)は治療光の波長と大きく異なる一方で、その他方のピーク波長(635nm)と治療光の波長とはわずか「5nm」しか違わない。したがって、「5−ALA プロトポルフィリンIX」使用時の特定波長カットフィルタは、図9に示すように、体腔内で反射した光のうち、「405nm」の励起光と蛍光の一方のピーク波長「670nm」を遮断する一方で、蛍光の他方のピーク波長に近い「630nm」の治療光は完全に遮断するのではなく、一部減光することが好ましい。
なお、上記実施形態で示したフード50に対しては、図10に示すように、腫瘍患部100aのある生体組織100と先端部16aとの距離を一定に保持するために、距離保持棒102を取り付けてもよい。この距離保持棒102によって、治療光の照射範囲A1や照射パワー(密度)を調節することができる。例えば、長さLを短くするほど治療光の照射範囲A1は狭くなるものの照射パワーは高くなる。これに対して、長さLを長くするほど照射パワーは低くなるものの治療光の照射範囲は広くなる。したがって、長さLは、腫瘍患部の症状や大きさに応じて決めることが好ましい。
なお、PDTを用いた治療では、所定の腫瘍患部を死滅させるためには、一定照射パワー(J/cm)の治療光を667秒の間、照射することが必要である。図10では、電子内視鏡の先端部16aに対して距離保持棒102を垂直に取り付けたが、これに代えて、距離保持棒102を斜めに取り付けてもよい。距離保持棒102を斜めに取り付けることで、治療光の照射範囲を広げることができる。
また、図10に示す距離保持棒102に代えて、図11に示すように、円筒状の距離保持部105をフード50に取り付けてもよい。図10の距離保持棒102では、生体組織100上の一点に接触して先端部16aとの距離を保持したが、距離保持部105は、生体組織100上の一点ではなく、生体組織100上の腫瘍患部100aの周囲全体と接触して距離を保持する。したがって、先端部16aとの距離をより確実に保持することができる。
また、図10の距離保持棒102や図11の円筒状の距離保持部105を使用したときには、腫瘍患部が極めて広範囲にわたる場合には、それら左右に動かし、数回に分けて治療光を照射する必要がある。このような場合には、図12に示すように、その広範囲の腫瘍患部100b全体を覆うことができように、開口部を円筒状の距離保持部105よりも更に拡げたラッパ状の距離保持部108を用いる。その上で、腫瘍患部100bが治療光の照射範囲A2内に入るように、PDT用プローブ39の位置を固定する。これにより、腫瘍患部に対する治療光の照射を1回で済ますことができる。
なお、本実施形態では、PDD時に使用する励起光を内視鏡先端部の観察窓から体腔内に照射したが、PDT用プローブと同様のPDD用プローブから、薬剤蛍光を励起させる励起光を照射してもよい。さらには、蛍光薬剤を用いないAFI(Auto Florence Imaging)時においても、PDT用プローブと同様のAFI用プローブから、自家蛍光を励起させる励起光を照射してもよい。
なお、本実施形態では、CCDなどの撮像素子によって画像を得る電子内視鏡に本発明を適用した例を説明したが、その他、撮像素子を用いない内視鏡、例えば、体腔内で反射した光をイメージガイドで導光し、その導光された光を接眼部で観察する内視鏡にも本発明を適用することができる。
11 電子内視鏡
16a 先端部
39 PDT用プローブ
42 観察窓
43 送気・送水ノズル
45 鉗子出口
50 フード
50a フード本体
51 特定波長カットフィルタ
53 送気・送水用開口
54 鉗子出口用開口
55 嵌入部
56 フード側スカート部
60 照射部
61 導光ケーブル
62 プローブ側スカート部
67 傾斜部

Claims (14)

  1. 特定波長の光を体腔内に向けて照射する特殊光用プローブが挿通される鉗子チャンネルと、この鉗子チャンネルの出口であり、特殊光用プローブの照射部が体腔内に向けて突出される鉗子出口、体腔内で反射した反射光を受光する観察窓、及び異物除去用の流体を供給するための流体吹付ノズルが設けられた先端部とを有する内視鏡に用いられる内視鏡用フードにおいて、
    内視鏡の先端部に対して装着されるフード本体と、
    前記フード本体のうち観察窓を覆う部分に設けられ、反射光のうち特定波長の光をカットまたは減光する特定波長カットフィルタと、
    前記フード本体に設けられ、前記鉗子出口を体腔内に露呈させる鉗子出口用開口部と、
    前記フード本体において前記鉗子出口用開口部よりも内側に設けられ、前記内視鏡の先端部に対する前記フード本体の位置を固定する位置固定部とを備えることを特徴とする内視鏡用フード。
  2. 前記位置固定部は、前記フード本体を前記内視鏡の先端部に装着したときに、前記鉗子出口を介して鉗子チャンネルに嵌入される略円筒状の嵌入部であることを特徴とする請求項1記載の内視鏡用フード。
  3. 前記嵌入部を前記鉗子チャンネルに嵌入したときには、前記鉗子チャンネル内を吸引状態にすることを特徴とする請求項2記載の内視鏡用フード。
  4. 前記嵌入部は、鉗子チャンネルの内径と略同径である円筒形状の弾性部材で形成することを特徴とする請求項2または3記載の内視鏡用フード。
  5. 前記フード本体において、前記流体吹付ノズルからの流体を特定波長カットフィルタにまで流すための開口部を備えることを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項記載の内視鏡用フード。
  6. 前記流体吹付ノズルと対向する部分に設けられ、特定波長カットフィルタの表面に向かって高さが徐々に高くなるように傾斜している傾斜部を備えることを特徴とする請求項5項記載の内視鏡用フード。
  7. 前記特定波長カットフィルタは、PDT用プローブから発せられる治療光をカットまたは減光することを特徴とする請求項1ないし6いずれか1項記載の内視鏡用フード。
  8. 前記特定波長カットフィルタは、AFI用またはPDD用プローブから発せられる蛍光励起用の励起光をカットまたは減光することを特徴とする請求項1ないし7いずれか1項記載の内視鏡用フード。
  9. 特定波長の光を体腔内に向けて照射する特殊光用プローブが挿通される鉗子チャンネルと、この鉗子チャンネルの出口であり、特殊光用プローブの照射部が体腔内に向けて突出される鉗子出口、体腔内で反射した反射光を受光する観察窓、及び異物除去用の流体を供給するための流体吹付ノズルが設けられた先端部とが設けられた先端部とを有する内視鏡と、
    内視鏡の先端部に対して装着されるフード本体と、前記フード本体のうち観察窓を覆う部分に設けられ、反射光のうち特定波長の光をカットまたは減光する特定波長カットフィルタと、前記フード本体に設けられ、前記鉗子出口を体腔内に露呈させる鉗子出口用開口部と、前記フード本体において前記鉗子出口用開口部よりも内側に設けられ、前記内視鏡の先端部に対する前記フード本体の位置を固定する位置固定部とを有するフードとを備えることを特徴とするフード付き内視鏡。
  10. 前記フード及び前記特殊光用プローブには、特殊光用プローブの照射部が鉗子出口用開口部から一定距離以上突出することを阻止する突出阻止部が設けられていることを特徴とする請求項9記載のフード付き内視鏡。
  11. 前記特殊光用プローブは、特殊光用光源から発せられる特定波長の光を、導光ケーブルを介して先端の照射部にまで導光し、
    前記突出阻止部は、
    導光ケーブルのうち先端の照射部から一定距離だけ離れた位置に設けられた略ラッパ形状のプローブ側スカート部と、
    前記フード本体において前記鉗子出口用開口から外側に設けられ、特殊光用プローブの照射部が鉗子出口用開口部から一定距離以上突出したときに、前記プローブ側スカート部が内部に入り込む中空のフード側スカート部とを備えることを特徴とする請求項10記載のフード付き内視鏡。
  12. 前記プローブ側スカート部またはフード側スカート部は弾性部材で形成されていることを特徴とする請求項11記載のフード付き内視鏡。
  13. 前記位置固定部は、前記フード本体を前記内視鏡の先端部に装着したときに、前記鉗子出口を介して鉗子チャンネルに嵌入される略円筒状の嵌入部であることを特徴とする請求項9ないし12いずれか1項記載のフード付き内視鏡。
  14. 前記フード本体において、前記流体吹付ノズルからの流体を特定波長カットフィルタにまで流すための開口部を備えることを特徴とする請求項9ないし13いずれか1項記載のフード付き内視鏡。
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