以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、一眼レフカメラ100の模式的断面図である。一眼レフカメラ100は、撮像装置であって、レンズユニット200およびカメラ本体300を備える。
レンズユニット200は、固定筒210、複数のレンズ220、230、240、レンズマウント250および鏡筒本体CPU260を有する。固定筒210の一端は、レンズマウント250を介してカメラ本体300のボディマウント360に結合される。
レンズマウント250およびボディマウント360の結合は特定の操作により解除できる。これにより、カメラ本体300には、同じ規格のレンズマウント250を有する他のレンズユニット200を装着できる。
レンズユニット200において、カメラ本体300から遠くに位置するレンズ220は、固定筒210から直接に支持される。これに対して、他のレンズ230、240は、固定筒210対して光軸OA方向に移動する。これにより、レンズユニット200の光学系は焦点距離または焦点位置を変化させる。
例えば、レンズ230は、レンズユニット200の倍率を変化させる場合に移動するズームレンズのひとつとなる。また、レンズ240は、レンズユニット200による焦点位置を変化させる場合に移動するフォーカシングレンズのひとつとなる。
鏡筒本体CPU260は、レンズユニット200の動作を制御すると共に、カメラ本体300との通信も担う。これにより、レンズユニット200がカメラ本体300に装着された場合に、カメラ本体300と連携して動作する。
カメラ本体300は、レンズユニット200に対してボディマウント360の背後に配されたミラーユニット400を備える。ミラーユニット400の下方には合焦光学系380が配される。また、ミラーユニット400の上方にはピント板352が配される。
ピント板352の更に上方にはペンタプリズム354が、ペンタプリズム354の後方にはファインダ光学系356が配される。ファインダ光学系356の後端は、ファインダ350としてカメラ本体300の背面に露出する。
ミラーユニット400の後方には、フォーカルプレンシャッタ370および撮像素子ユニット500が順次配される。撮像素子ユニット500の更に背後には、主基板320および表示部340が順次配される。主基板320には、本体CPU322、画像処理部324等が実装される。表示部340は、例えば、液晶表示板等を用いて形成され、カメラ本体300の背面に露出する。
ミラーユニット400は、メインミラー420およびサブミラー460を有する。メインミラー420は、メインミラー保持枠410に支持される。メインミラー保持枠410の一端は、メインミラー回動軸430により軸支される。
サブミラー460は、サブミラー保持枠450により保持される。サブミラー保持枠450の一端は、サブミラー回動軸470により、メインミラー保持枠410から軸支される。よって、サブミラー460は、メインミラー保持枠410に対して回動する。メインミラー保持枠410が回動する場合、サブミラー460およびサブミラー保持枠450もメインミラー保持枠410と共に移動する。
メインミラー保持枠410の前端が回動により降下した場合、メインミラー保持枠410は、前端付近で位置決めピン440に当接して停止する。これにより、メインミラー420は、レンズユニット200から入射した被写体光束に対して傾斜して停止する。こうして、メインミラー420は、レンズユニット200から入射した被写体光束上に斜めに配される斜設状態をとなる。
また、メインミラー保持枠410の前端が上昇した場合、メインミラー保持枠410は、前端付近でストッパ480に当接して停止する。これにより、メインミラー420は、被写体光束の光路から退避した退避状態になる。
斜設状態において、メインミラー420は、レンズユニット200を通じて入射した被写体光束を反射してピント板352に導く。ピント板352は、レンズユニット200の光学系が合焦した場合に被写体像を結ぶ位置に配されて当該被写体像を可視化する。
ピント板352に結像された被写体像は、ペンタプリズム354およびファインダ光学系356を通じてファインダ350から観察される。被写体像の光束がペンタプリズム354を通ることにより、ピント板352上の被写体像は、ファインダ350から正立正像として観察できる。
測光センサ390は、ファインダ光学系356の上方に配され、ペンタプリズム354において分岐されさた被写体光束の一部を受光する。測光センサ390は、受光した被写体光束の一部から被写体の明るさを検出する。本体CPU322は、測光センサ390の測光結果を参照して露光条件を算出する。また、測光センサ390は、受光した被写体光束の一部を三原色毎に測光する。本体CPU322は、三原色毎の測光結果を利用してオートホワイトバランス処理の精度を向上させる。
メインミラー420は、入射した被写体光束の一部を透過するハーフミラー領域を有する。サブミラー460は、ハーフミラー領域から入射した被写体光束の一部を、合焦光学系380に向かって反射する。合焦光学系380は、入射した被写体光束の一部を焦点検出素子382に導く。これにより、カメラ本体300は、レンズユニット200を合焦させるレンズ230の目標位置を決定できる。
更に、カメラ本体300の底部には、姿勢検出部310が配される。姿勢検出部310は、加速センサ、ジャイロセンサ等を用いて形成され、カメラ本体300が、重力の作用する方向に対してどのような姿勢、即ち、どのような傾きを有する状態にあるかを検出する。
上記のような一眼レフカメラ100においてレリーズボタンが半押しされると、焦点検出素子382および測光センサ390が有効になり、被写体像を適切な撮影条件で撮影できる状態になる。次いで、レリーズボタンが全押しされると、メインミラー420およびサブミラー460が退避位置に移動して、フォーカルプレンシャッタ370が開く。よって、レンズユニット200の光学系から入射した被写体光束は、ローパスフィルタ332を通過して撮像素子ユニット500に入射する。撮像素子ユニット500では、撮像素子330の受光面に被写体像が形成される。
撮像素子ユニット500は、ローパスフィルタ332および撮像素子330を支持する撮像素子基板520と、撮像素子基板520を支持するフレーム510を含む。撮像素子330は、CCDセンサ(Charge Coupled Device)、CMOSセンサ(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの光電変換素子により形成され、被写体像を電気信号に変換する。撮像素子基板520は、フレーム510に対して並進または揺動するが、この点については他の図を参照して説明する。
図2は、撮像素子ユニット500の側面図である。図3は、撮像素子ユニット500の正面図である。図1から図3までで共通の要素には同じ参照番号を付して重複する説明を省く。
撮像素子ユニット500は、フレーム510、撮像素子基板520および複数のアクチュエータ531〜536を有する。フレーム510は、図中上端および下端に水平なフランジ部512を有して、カメラ本体300に対して固定される。
撮像素子基板520は、複数のばね座522と複数のナイフエッジ524を有する。ばね座522は、フランジ部512との間に付勢部材514をそれぞれ挟む。付勢部材514は、フランジ部512およびばね座522にそれぞれ結合されている。
よって、付勢部材514は、撮像素子基板520が変位した場合も、撮像素子基板520およびフレーム510が結合した状態を維持する。また、アクチュエータ531〜536が撮像素子基板520を駆動しない場合は、付勢部材514が撮像素子基板520を当初の位置に戻す。
アクチュエータ531〜536は、それぞれ、ステッピングモータ542および送りねじ544を有する。送りねじ544は、ステッピングモータ542の回転に応じて、送りねじ544自体の長手方向に変位する。また、アクチュエータ531〜536の各々において、送りねじ544の先端は、撮像素子基板520に当接している。よって、ステッピングモータ542を個別に制御することにより、撮像素子基板520を並進または揺動させることができる。
なお、撮像素子330に対して背面側から撮像素子基板520に当接するアクチュエータ531、532、533は、送りねじ544の先端に円錐形のスパイク546を備え、スパイク546の鋭利な先端で撮像素子基板520に当接する。これにより、送りねじ544の撮像素子基板520に対する角度が変化した場合も、送りねじ544および撮像素子基板520の接触位置が変わることはない。
また、撮像素子基板520に対して、撮像素子基板520の面方向に当接するアクチュエータ534、535、536は、送りねじ544の先端に、送りねじ544の長手方向と直交するナイフエッジ548を有する。ナイフエッジ548は、撮像素子基板520の側端に装着されたナイフエッジ524に当接する。これにより、送りねじ544の撮像素子基板520に対する角度が変化した場合も、送りねじ544および撮像素子基板520の接触位置が変わることはない。
図4は、撮像素子330の構造を模式的に示す正面図である。撮像素子330は、矩形の受光面338に二次元的に配列された複数の撮像画素334を有する。撮像画素334は、稠密正方格子、稠密六方格子等に配列される。撮像画素334の各々は、単一の光電変換領域と、それに積層されたマイクロレンズとを有する。
また、撮像素子330の受光面338には、撮像画素334に混在して複数の焦点検出画素336が配される。焦点検出画素336の各々は、一対の光電変換領域と、それらの表面に積層されたマイクロレンズとを有する。
焦点検出画素336の一部は、水平な直線に沿って配列されて複数の焦点検出領域331、333、335を形成する。また、焦点検出画素336の他の一部は、垂直な直線に沿って配列されて、複数の焦点検出領域337、339を形成する。焦点検出画素336における一対の光電変換領域は、焦点検出画素336が水平に配された焦点検出領域331、333、335においては左右対称に配される。また、焦点検出画素336が垂直に配された焦点検出領域337、339においては上下対称に配される。
焦点検出画素336の光電変換部は、撮影光学系の射出瞳を通過する一対の光束を、マイクロレンズにより個別に受光する。即ち、焦点検出画素336の各々において、一方の光電変換部は、射出瞳を通過する光束のうち、撮影光学系の光軸にから一方に偏心した一部の光束を受光する。また、他方の光電変換部は、射出瞳を通過する光束のうち、撮影光学系の光軸にから他方に偏心した一部の光束を受光する。
これにより、撮影光学系の射出瞳上には一対の測距瞳が形成される。なお、射出瞳とは、レンズユニット200の予定焦点面に配された焦点検出画素336が、マイクロレンズの測距瞳距離に形成する像を意味する。測距瞳距離は、マイクロレンズの特性に応じて一義的に決まる。また、測距瞳は、焦点検出画素336のマイクロレンズにより投影された光電変換部の像をいう。
このような焦点検出画素336の光電変換部が出力する焦点検出信号に基づいて、瞳分割位相差検出方式に従って、撮影光学系の焦点を検出できる。即ち、焦点検出画素336の各々において、一方の光電変換部は一方の測距瞳を通過した焦点検出光束を受光し、他方の光電変換部は他方の測距瞳を通過した焦点検出光束を受光する。
焦点検出画素336は、直線上に複数配される。よって、各測距瞳に対応する焦点検出画素336出力をグループにまとめることにより、各測距瞳を通過する焦点検出光束が焦点検出画素列上に形成する像の強度分布が得られる。この強度分布を相関演算処理または位相差検出処理などの像ズレ検出演算処理することにより像ズレ量が検出される。
得られた像ズレ量に対して測距瞳の重心間隔に応じた変換演算を実行すると、予定焦点面に対する現在の焦点面の偏差、即ち、デフォーカス量が求められる。なお、複数の焦点検出領域331、333、335、337、339は、いずれかひとつを選択して機能させることも、複数を同時に機能させることもできる。
このように、一眼レフカメラ100は、焦点検出素子382とは別に、撮像素子330にも焦点検出領域331、333、335、337、339を備える。これにより、メインミラー420を退避状態にして、撮像素子330から取得したスルー画を観察しながら撮影するライブビューモードにおいても、焦点検出画素336の出力する焦点検出信号に基づいてレンズユニット200を合焦させることができる。
なお、図4は模式図であって、多くの撮像素子330は、数百万個から数千万個に及ぶ撮像画素334を有する。また、撮像画素334は、原色フィルタまたは補色フィルタにより、複数の撮像画素334によりひとつのカラー画素を形成する。しかしながら、図4では、図面を簡潔にする目的でカラーフィルタに関する記載は省いている。
一方、焦点検出画素336には、カラーフィルタは設けられていない。よって、焦点検出画素336の分光特性は、光電変換部を形成するフォトダイオード等の分光特性と、ローパスフィルタ332の分光特性とを併せたものとなる。
また、焦点検出画素336における光電変換部の形状は、半円形とは限らない。焦点検出画素336に一対の光電変換部が収まる形状であれば、楕円形、矩形、多角形等であってもよい。
図5は、一眼レフカメラ100の内部回路600を模式的に示すブロック図である。内部回路600は、本体CPU322に対して直接または間接に接続された要素により形成される。これにより、本体CPU322は、一眼レフカメラ100全体を包括的に制御する。
本体CPU322には、プログラムメモリ620およびメインメモリ630が接続される。プログラムメモリ620は、不揮発性記録媒体および読出専用記録媒体の少なくとも一方を含み、本体CPU322が実行するファームウエア等を格納する。メインメモリ630はRAMを含み、本体CPU322の作業領域として使用される。
また、本体CPU322は、読み込んだプログラムに応じて、測量演算部612、あおり角付与部614またはシフト量付与部616としても動作する。これらの機能については、他の図を参照して後述する。
本体CPU322には姿勢調整部650が接続される。姿勢調整部650は、本体CPU322の制御の下に、撮像素子ユニット500におけるステッピングモータ542の動作を個別に動作させて撮像素子330の姿勢を変化させる。
また、本体CPU322には撮像部660が接続される。撮像部660は、撮像素子330、撮像素子駆動部662、アナログ/デジタル変換部664および画像処理部324を含む。撮像素子330は、撮像素子駆動部662に特定のタイミングで駆動され、被写体像を光電変換して画像信号を出力する。
撮像素子330から出力された画像信号は、アナログ/デジタル変換部664により離散化され、画像処理部324において画像データに変換される。画像処理部324は、画像データを生成する過程で、画像のホワイトバランス、シャープネス、ガンマ、階調補正、圧縮等を調整する。
画像処理部324において生成された画像データは、二次記憶媒体670に格納して保存される。二次記憶媒体670としては、フラッシュメモリカード等の不揮発性記憶素子を備えた媒体が使用される。なお、二次記憶媒体670の少なくとも一部は、カメラ本体300から着脱して交換できる。
更に、本体CPU322には、焦点検出素子382、測光センサ390および姿勢検出部310が接続される。焦点検出素子382は、レンズユニット200の光学系が形成した被写体像から合焦位置を検出し、当該合焦位置に合焦すべく、レンズユニット200に指示を発信する。この過程で、焦点検出素子382は、受光面338と被写体との間の距離に相関を有する情報を獲得する。
測光センサ390は、カメラ本体300における被写体光束の光路の一部に配される。測光センサ390は、レンズユニット200を通じてカメラ本体300に入射した被写体光束の一部を受光して、被写体輝度を検出する。これにより、本体CPU322は、撮像素子330の感度、シャッタ速度、絞り開度、補助照明の有無等を算出し、一眼レフカメラ100の各部に指示を発信する。
姿勢検出部310は、カメラ本体300に対して固定されたジャイロセンサ等により形成される。姿勢検出部310は、カメラ本体300が、重力方向に対して傾いた場合に、傾斜角度を検出して本体CPU322に通知する。
また更に、本体CPU322には、入力部680および表示駆動部690が接続される。入力部680は、カメラ本体300の主に表面に配されたレリーズボタン、ダイアル、十字キー、押しボタン等の操作部682からの入力を受け付け、入力された指示、設定値等を保持する。本体CPU322は、入力部680を参照して動作条件を決定する。
表示駆動部690は、表示部340に表示する画像を生成して表示部340に表示する。表示部340は、一眼レフカメラ100が再生モードで動作している場合に、二次記憶媒体670から読み出した撮影画像を表示する。また、表示部340は、一眼レフカメラ100が撮影モードで動作している場合に、シャッタ速度、絞り値、撮像素子感度、露出補正等、設定されている撮影条件を表示する。
更に、表示部340は、一眼レフカメラ100がライブビューモードで動作する場合に、撮像素子330から得られたスルー画を表示する。この場合、表示部340はファインダとして使用される。また、ライブビューモードにおいても、スルー画に重ねて、あるいは、画面上の一部領域を分割して、撮影条件を併せて表示する場合もある。
また更に、表示部340は、操作部682および入力部680と連携して、一眼レフカメラ100に種々の設定をするモード選択部を形成する。即ち、モード選択部においては、表示部340に表示された複数の選択肢のいずれかを、操作部682を操作することにより特定して、特定した選択肢に対応する設定値を入力部680が保持することにより、一眼レフカメラ100に選択された設定値を設定する。
なお、この実施形態に係る一眼レフカメラ100の場合、操作部682は、少なくとも撮影モード選択部684と調整モード選択部686を備える。撮影モード選択部684は、あおり撮影モード、シフト撮影モードおよび通常撮影モードの少なくとも3つの選択肢を有する。
あおり撮影モードにおいては、レンズユニット200の光学系の光軸OAに対して撮像素子330が直交しない状態で撮影するあおり撮影が実行される。シフト撮影モードでは、撮像素子330の中心が光軸OAからずれた位置に撮像素子330を並進移動させた状態で撮影するシフト撮影が実行される。通常撮影モードは、あおり撮影モードでもシフト撮影モードでもない撮影モードをいう。即ち、通常撮影モードは、光軸OAと撮像素子330の受光面とが直交し、且つ、レンズユニット200の光軸OAが撮像素子330の中心を通る状態で撮影する撮影モードを意味する。
調整モード選択部686により選択できる調整モードでは、一眼レフカメラ100における撮像素子330の取付位置および取付姿勢が自動的に調整される。なお、シフト撮影モード、あおり撮影モードおよび調整モードについては、他の図を参照して後述する。
上記のような内部回路600において、姿勢調整部650は、本体CPU322の制御の下に、焦点検出信号に基づいて撮像素子ユニット500を駆動して、撮像素子330の姿勢を調整する。即ち、姿勢調整部650は、ステッピングモータ542の各々に、撮像素子基板520の移動量に応じた駆動パルスを供給する。
ステッピングモータ542は、供給された駆動パルスに応じた量で動作して送りねじ544を変位させる。これにより、撮像素子基板520に目的の姿勢または位置をとらせることができる。
図6は、撮像素子ユニット500の他の動作を説明する模式図である。図示の状態では、図2および図3に示した状態に比較すると、アクチュエータ535、536における送りねじ544が共に降下している。また、アクチュエータ534の送りねじ544が図中左方に移動している。
撮像素子基板520は、付勢部材514により付勢されているので、変位した送りねじ544に追従して並進する。これにより、撮像素子330は、図中下方および左方にシフトする。このように、姿勢調整部650は、アクチュエータ534、535、536を動作させることにより、図中に矢印で示すX方向およびY方向に撮像素子330を並進させることができる。
図7は、撮像素子ユニット500の他の動作を説明する模式図である。図示の状態では、図2および図3に示した状態に比較すると、アクチュエータ535における送りねじ544が上昇する一方、アクチュエータ536の送りねじ544は降下している。
撮像素子基板520は付勢部材514により付勢されているので、変位した送りねじ544に追従して揺動する。このように、姿勢調整部650は、アクチュエータ534、535、536を動作させることにより、図中に矢印で示すθ方向に撮像素子330を回動させることができる。
図8は、撮像素子ユニット500のまた他の動作を説明する模式図である。図示の状態では、図2および図3に示した状態に比較すると、撮像素子基板520に背後から当接するアクチュエータ532、533において送りねじ544が図中左方、即ち、一眼レフカメラ100の前方に向かって変位している。また、図中には現れないが、アクチュエータ531も同様に動作している。
これにより、撮像素子330は、図中左方に並進する。このように、姿勢調整部650は、アクチュエータ531、532、533を動作させることにより、図中に矢印で示すZ方向に撮像素子330を並進させることができる。
図9は、撮像素子ユニット500の更に他の動作を説明する模式図である。図示の状態では、図2および図3に示した状態と比較すると、撮像素子基板520に背後から当接する上側のアクチュエータ532において、送りねじ544が図中左方、即ち、一眼レフカメラ100の前方に向かって変位している。また、図中には現れないが、アクチュエータ531も同様に動作している。
これにより、撮像素子330は前傾している。なお、下側のアクチュエータ533の送りねじ544を前進させた場合、および、上側のアクチュエータ531、532の送りねじ544を後退させた場合には、撮像素子330は後傾する。このように、姿勢調整部650は、アクチュエータ531、532、533を動作させることにより、X軸の回りに、即ち、図中に矢印で示すα方向に撮像素子330を揺動させることができる。
同様に、姿勢調整部650は、撮像素子基板520に背後から当接するアクチュエータ531、532、533のうち、図中奥側のアクチュエータ531、533の送りねじ544と、図中手前側のアクチュエータ532の送りねじ544とに異なる変位を与えることにより、姿勢調整部650は、Y軸の回りに、即ち、図中に矢印で示すβ方向に撮像素子330を揺動させることができる。
上記のような撮像素子ユニット500の一連の動作を組み合わせることにより、姿勢調整部650は、撮像素子330を、X、Y、Z、α、β、θの各方向について並進または揺動させることができる。このような機能は、一眼レフカメラ100における撮像素子330の取付位置調整の他、前述のシフト撮影モードおよびあおり撮影モードを自動化できる。
図10は、調整モード選択部686において調整モードが選択された場合の、姿勢調整部650の制御手順の一部を示す流れ図である。調整モードにおいては、カメラ本体300に対する撮像素子330の取付位置を調整する。
調整モードの実行に先立って、撮像素子ユニット500を備えたカメラ本体300に、調整用レンズを装着する(ステップS101)。調整用レンズは、テストパターンを有するスクリーンと、カメラ本体300の予定焦点面上にテストパターンの像を結像するように調整された光学系とを有する。テストパターンは、例えば、予定焦点面の中心で直交する水平線と垂直線とを含む。
次に、姿勢調整部650は、撮像素子のX軸方向およびY軸方向の位置合わせをすべく、撮像素子330の中心画素位置をテストパターンの中心位置に一致させる調整をする(ステップS102)。図11に、ステップS102における処理手順の一例を示す。
図11に示すように、姿勢調整部650は、まず、撮像素子330により撮像されたテストパターンの撮影画像信号を読み出し、水平線の垂直方向の位置と垂直線の水平方向の位置から、テストパターンの中心位置を検出する(ステップS201)。テストパターンの水平線の位置は、垂直に並ぶ複数の画素を含む2列以上の画素列において、画素列の各々に現れる水平線の像の中心を検出することにより知ることができる。テストパターンの垂直線の位置は、水平に並ぶ複数の画素を含む2列以上の画素列において、画素列の各々に現れる垂直線の像の中心を検出することにより知ることができる。
続いて、姿勢調整部650は、検出したテストパターンの中心位置と、撮像素子330の中心画素位置との偏差を算出する(ステップS202)、算出した偏差が零の場合(ステップS203:YES)、姿勢調整部650は、テストパターンの中心位置と撮像素子330の中心画素位置が一致していると判断し、図10に示す流れ図における次の手順(ステップS103)に進む。
算出した偏差が有意な差を有する場合(ステップS203:NO)、姿勢調整部650は、中心位置および中心画素位置の偏差を解消すべく、アクチュエータ534、535、536を動作させて撮像素子330をX方向およびY方向の少なくとも一方に並進させる(ステップS204)。その後、姿勢調整部650は、テストパターンの中心位置の検出(ステップS205)、撮像素子330の中心画素との偏差の算出(ステップS206)を繰り返す。
ステップS206において算出された偏差が有意な差を有する場合(ステップS207:NO)、姿勢調整部650は、上記ステップS204、S205において検出された偏差を解消すべくアクチュエータ534、535、536を動作させた後、ステップS205、S206を繰り返す。算出された偏差が零の場合(ステップS207:YES)、姿勢調整部650は、図10に示したステップS102に係る処理を終了する。
再び図10を参照すると、姿勢調整部650は、次に、撮像素子330の光軸OA回り(Z軸回り)の傾きθを調整する(ステップS103)。図12に、ステップS103における処理手順の一例を示す。
図12に示すように、姿勢調整部650は、まず、撮像素子330により撮像されたテストパターンの撮影画像信号を読み出し、撮像素子330上におけるテストパターンの水平線を検出する(ステップS301)。次に、姿勢調整部650は、検出した水平線の傾きに基づいて、撮像素子330の傾きθを算出する(ステップS302)。ここで、算出された傾きθが零の場合(ステップS303:YES)、姿勢調整部650は、図10におけるステップS103を終了する。
算出した傾きθが有意な値を有する場合(ステップS303:NO)、姿勢調整部650は、傾きθを解消すべくアクチュエータ534、535、536を動作させて、撮像素子330をZ軸回り(光軸OA回り)に回動させる(ステップS304)。その後、姿勢調整部650は、撮像素子330上におけるテストパターンの水平線を再び撮検出する(ステップS305)。次に、姿勢調整部650は、検出した水平線の傾きに基づいて、撮像素子330の傾きθを算出する(ステップS306)。
ステップS306において算出された傾きθが有意な値を有する場合(ステップS307:NO)、姿勢調整部650は、傾きθを解消すべく、アクチュエータ534、535、536を動作させた後、ステップS305、S306を繰り返す。ステップS306において算出された傾きθが零の場合(ステップS307:YES)、姿勢調整部650は、図10に示したステップS103に係る処理を終了する。
再び図10を参照すると、次に、姿勢調整部650は、撮像素子330のX軸回りの傾きαを調整する(ステップS104)。図13に、ステップS104における処理手順の一例を示す。
図13に示すように、姿勢調整部650は、撮像素子330において垂直に離れた一対の焦点検出領域333、335により、テストパターンの像を検出する(ステップS401)。次に、姿勢調整部650は、焦点検出領域333、335の各々におけるデフォーカス量を算出する(ステップS402)。ここで、算出されたデフォーカス量が互いに等しい場合(ステップS403:YES)、姿勢調整部650は、図10におけるステップS104を終了する。
算出したデフォーカス量が有意な差を有する場合(ステップS404:NO)、姿勢調整部650は、算出したデフォーカス量を等しくすべく、アクチュエータ531、532、533を動作させて、撮像素子330をX軸回りに揺動させる(ステップS404)。その後、姿勢調整部650は、焦点検出領域333、335によるテストパターンの検出(ステップS405)と、焦点検出領域333、335の各々におけるデフォーカス量の算出(ステップS406)とを再び実行する。
ステップS406において算出されたデフォーカス量が有意な差を有する場合(ステップS407:NO)、姿勢調整部650は、再びデフォーカス量を等しくすべく、アクチュエータ531、532、533を動作させた後、ステップS405、S406を繰り返す。ステップS406において算出されたデフォーカス量が互いに等しい場合(ステップS407:YES)、姿勢調整部650は、図10に示したステップS104に係る処理を終了する。
再び図10を参照すると、次に、姿勢調整部650は、撮像素子330のY軸回りの傾きβを調整する(ステップS105)。ステップS105における処理手順は、ステップS104における処理手順と略同じなので図13に併せて示す。
即ち、ステップS105においては、姿勢調整部650は、撮像素子330において水平に離れた一対の焦点検出領域337、339により、テストパターンの像を検出する(ステップS401)。次に、姿勢調整部650は、焦点検出領域337、339の各々におけるデフォーカス量を算出する(ステップS402)。ここで、算出されたデフォーカス量が互いに等しい場合(ステップS403:YES)、姿勢調整部650は、図10におけるステップS105を終了する。
算出したデフォーカス量が有意な差を有する場合(ステップS404:NO)、姿勢調整部650は、算出したデフォーカス量を等しくすべく、アクチュエータ531、532、533を動作させて、撮像素子330をY軸回りに揺動させる(ステップS404)。その後、姿勢調整部650は、焦点検出領域337、339によるテストパターンの検出(ステップS405)と、焦点検出領域337、339の各々におけるデフォーカス量の算出(ステップS406)とを再び実行する。
ステップS406において算出されたデフォーカス量が有意な差を有する場合(ステップS407:NO)、姿勢調整部650は、デフォーカス量を等しくすべく、アクチュエータ531、532、533を動作させた後、ステップS405、S406を繰り返す。ステップS406において算出されたデフォーカス量が等しい場合(ステップS407:YES)、姿勢調整部650は、図10に示したステップS105に係る処理を終了する。
再び図10を参照すると、姿勢調整部650は更に、撮像素子330のZ方向の位置を調整する(ステップS106)。図14に、ステップS106における処理手順の一例を示す。
図14に示すように、姿勢調整部650は、撮像素子330において中心に配された焦点検出領域331により、テストパターンの像を検出する(ステップS501)。次に、姿勢調整部650は、焦点検出領域331におけるデフォーカス量を算出する(ステップS502)。ここで、算出されたデフォーカス量が零の場合(ステップS503:YES)、姿勢調整部650は、図10におけるステップS106を終了する。
算出したデフォーカス量が有意な値を有する場合(ステップS504:NO)、姿勢調整部650は、算出したデフォーカス量を解消すべく、アクチュエータ531、532、533を動作させて、撮像素子330をZ軸(光軸OA)方向に並進させる(ステップS504)。その後、姿勢調整部650は、焦点検出領域331によるテストパターンの検出(ステップS505)と、焦点検出領域331におけるデフォーカス量の算出(ステップS506)とを再び実行する。
ステップS506において算出されたデフォーカス量が有意な値を有する場合(ステップS507:NO)、姿勢調整部650は、デフォーカス量を解消すべく、アクチュエータ531、532、533を動作させた後、ステップS505、S506を繰り返す。ステップS506において算出されたデフォーカス量が零の場合(ステップS507:YES)、姿勢調整部650は、図10に示したステップS106に係る処理を終了する。
こうして、姿勢調整部650は、撮像素子330のカメラ本体300に対する取付位置を6軸の全てに対して調整される。また、姿勢調整部650は、撮像素子330自体で検出したデフォーカス量等を参照しつつアクチュエータ531〜536のステッピングモータ542を帰還制御して撮像素子330の取付位置を調節する。よって、調整精度を高く保ちつつ、上記の一連の手順を自動的に実行できる。
なお、上記の調整手順は、自動合焦機能を有する撮像装置であれば、焦点検出画素336を有していない撮像素子330を備えた一眼レフカメラ100であっても実行できる。また、焦点検出画素336または焦点検出素子382の検出機能を利用して、撮像装置の外部に配した調整装置により調整手順を実行することもできる。
また、上記の例では、図10に示したステップS102〜S106に係る調整手順を1回ずつ実行した。しかしながら、あるステップS102〜S106における調整で、他のステップS102〜S106における調整結果が変化する場合もあるので、ステップS102〜S106のいずれかまたは全てを複数回実行してもよい。また、ステップS106の後に、全ての焦点検出領域331、333、335、337、339において、テストパターンが合焦していることを確認してもよい。
更に、上記ステップS104、S106、S108において、デフォーカス量の検出に換えて、領域毎にテストパターンが合焦するように撮像素子330を変位させることにより、コントラスト方式の自動合焦機能を備えたミラーレスカメラまたはコンパクトカメラにおいても、上記調整手順を実行できる。
また、上記の一連の位置調整手順において、X方向、Y方向、Z方向、α方向、β方向およびθ方向について撮像素子330の位置を調整する順序は上記の順序に限らない。更に、上記の一連の調整手順を実行させるプログラムは、予め一眼レフカメラ100に実装しておいて実行させてもよいし、二次記憶媒体、通信回線等を通じて一眼レフカメラ100にインストールして実行させてもよい。
また更に、上記のような取付位置の調整は、カメラ本体300の工場出荷時にしてもよいし、整備サービスとして出荷後にしてもよい。また、カメラ本体300に取り付けるレンズユニット200毎に撮像素子330の取付位置を調整して、レンズユニット200毎の焦点位置ずれ補償をさせることもできる。
図15は、撮影モード選択部684においてシフト撮影モードが選択された場合の、姿勢調整部650の制御手順を示す流れ図である。シフト撮影モードにおいて、一眼レフカメラ100は、X方向およびY方向の少なくとも一方に撮像素子330をシフトさせながら画像を撮影する。
姿勢調整部650は、撮影モード選択部684において撮影モードが選択されるまで待機する(ステップS601:NO)。撮影モード選択部684においてシフト撮影モードが選択されると(ステップS601:YES)、姿勢調整部650は、表示部340に、撮像素子330により撮像されたスルー画を表示させる(ステップS602)。
次いで、姿勢調整部650は、スルー画のなかで平行に撮影されることが望まれる複数の直線をユーザに指定させる(ステップS603)。直線は、例えば、表示部340においてスルー画に重ねて表示したラインパターンを、カメラ本体300の十字キーにより移動させ、更に他のボタンにより確定させることにより指定される。
次に、姿勢調整部650は、指定された直線が平行になるように、撮像素子330を、受光面338の面方向に移動させる(ステップS604)。続いて、姿勢調整部650は、指定された直線が平行になったかどうかを調べる(ステップS605)。指定された直線が平行ではない場合(ステップS605:NO)、姿勢調整部650は、ステップS604に戻って撮像素子330を更に移動させる。
指定された直線が平行になった場合(ステップS605:YES)、姿勢調整部650は、一眼レフカメラ100に撮影を実行させる(ステップS606)。あるいは、ステップS606においては、撮影可能な状態になったことをユーザに知らせるようにしてもよい。
このように、姿勢調整部650は、撮像素子330をシフトさせることによる撮影効果を、ユーザの指定に従って自動的に実行する。よって、ユーザは、シフト撮影に関する知識がなくても、シフト撮影の効果を享受できる。
なお、上記の手順では、被写界内において平行に撮影する対象をユーザが指定するようにした。しかしながら、例えば、姿勢調整部650が、姿勢検出部310から取得した一眼レフカメラ100の姿勢から、撮像素子330のシフト量を自動的に算出するようにしてもよい。また、姿勢調整部650が算出したシフト量を、ユーザが更に修正できるようにしてもよい。
図16は、撮影モード選択部684においてあおり撮影モードが選択された場合の、姿勢調整部650の制御手順を示す流れ図である。あおり撮影モードにおいて、一眼レフカメラ100は、一眼レフカメラ100からの距離が異なる複数の被写体に対して同時に焦点を合わせて撮影する。
姿勢調整部650は、撮影モード選択部684において撮影モードが選択されるまで待機する(ステップS701:NO)。撮影モード選択部684においてあおり撮影モードが選択されると(ステップS701:YES)、姿勢調整部650は、表示部340に、撮像素子330により撮像されたスルー画を表示させる(ステップS702)。
次いで、姿勢調整部650は、スルー画のなかでピントを合わせることを望む複数の領域をユーザに指定させる(ステップS703)。領域は、例えば、既存の合焦領域のいくつかをカメラ本体300の十字キー等により特定することにより指定される。
次に、姿勢調整部650は、指定された領域のいずれにおいてもピントが合うように、撮像素子330のα方向およびβ方向の傾きを変化させる(ステップS704)。続いて、姿勢調整部650は、指定された領域において被写体に対してピントが合ったか否かを調べる(ステップS705)。指定された領域にピントがあっていない領域が含まれる場合(ステップS705:NO)、姿勢調整部650は、ステップS704に戻って撮像素子330を更に移動させる。
なお、指定された領域が3以上ある場合には、他の領域と同時にピントを合わせることができない領域が含まれる場合がある。そのような場合、姿勢調整部650は、いずれかの領域の指定を取り消すことをユーザに勧めてもよい。
すべての指定領域において被写体にピントがあった場合(ステップS705:YES)、姿勢調整部650は、一眼レフカメラ100に撮影を実行させる(ステップS706)。あるいは、ステップS306においては、撮影可能な状態になったことをユーザに知らせるようにしてもよい。
このように、姿勢調整部650は、撮像素子330をα方向またはβ方向に揺動させることによる撮影効果を、ユーザの指定に従って自動的に実行する。よって、ユーザは、あおり撮影に関する知識がなくても、あおり撮影の効果を享受できる。
なお、姿勢調整部650は、姿勢検出部310から取得した一眼レフカメラ100の傾斜に基づいて、撮像素子330の後傾または前傾を補償するように、あおり量を自動的に調整してもよい。また、広角レンズにより遠方の被写体を撮影する場合に、姿勢調整部650は、姿勢検出部310から取得した一眼レフカメラ100のθ方向の傾きを補償して、撮像素子330を自動的に水平にしてもよい。
なお、姿勢調整部650は、調整モードにおいて調整された撮像素子330の位置を記録しておくことが望ましい。これにより、シフト撮影モードおよびあおり撮影モードを実行した後に通常撮影モードが指定された場合に、撮像素子330を当初の位置に戻すことができる。また、シフト撮影モードおよびあおり撮影モードにおける上記のような姿勢調整部650の一連の制御手順は、焦点検出画素336を有していない撮像素子330を備えたミラーレスカメラまたはコンパクトカメラであっても実行できる。
図17は、一眼レフカメラ100で生成される画像ファイル700の構造を示す図である。画像ファイル700は、本画像データ710、サムネイル画像データ720およびタグデータ730を格納する。
本画像データ710は、カメラ本体300の撮像部660により撮影された撮影画像データに相当する。これに対して、サムネイル画像データ720は、本画像データ710よりも低い解像度、色深度等を有する。これにより、一眼レフカメラ100が格納した複数の本画像データ710を一覧表示する場合に、取り扱いを容易にしている。
タグデータ730は、本画像データ710を撮影した一眼レフカメラ100の仕様、撮影条件等を格納する。また、本画像データ710のファイルフォーマットとしてJPEG(Joint Photographic Experts Group)フォーマットが採用された場合、タグデータ付きの画像ファイルは、EXIFファイルとして規定された情報を含む。
より具体的には、本画像データ710を撮影した一眼レフカメラ100のメーカ、仕様、ファームウエアの版数、開放F値等の基本情報の他、撮影時の露出時間、F値、ISO値、焦点距離、撮影日時等の撮影情報が記録される。更に、例えば、一眼レフカメラ100がGPS機能等の付加機能を有する場合には、撮影した場所のGPS情報がタグデータ730に付加される場合もある。
一眼レフカメラ100において、レリーズボタンが半押しされ、撮影条件が固定された状態になった時点でタグデータ730が生成される。また、一眼レフカメラ100において、レリーズボタンが半押しから全押しにされた場合、生成されたタグデータ730は、本画像データ710と共に画像ファイル700に格納される。
ここで、あおり角付与部614は、レリーズボタンが半押しされた段階で、撮像素子ユニット500において撮像素子330に設定されているあおり角を、タグデータ730の一部であるあおり角情報740として用意する。更に、レリーズボタンが全押しされると、あおり角情報740を含むタグデータ730は撮影された本画像データに関連付けて二次記憶媒体670に格納される。
同様に、シフト量付与部616は、レリーズボタンが半押しされた段階で、撮像素子ユニット500において撮像素子330に設定されているシフト量を、タグデータ730の一部であるシフト量情報750として用意する。更にレリーズボタンが全押しされると、シフト量情報750を含むタグデータ730は、撮影された本画像データに関連付けて二次記憶媒体670に格納される。
こうして、撮影画像情報に、あおり角情報740およびシフト量情報750が格納されるので、撮影画像に関するあおり角およびシフト角を後から知ることができる。これにより、画像ファイル700は、単なる画像情報以上の情報を格納することになる。例えば、本体CPU322は、画像ファイル700から読み出したシフト量および被写体との距離情報に基づく測量演算を測量演算部612において実行して、被写体の高さを算出できる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加え得ることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。