JP2012049732A - 円偏波アンテナ - Google Patents
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【解決手段】円偏波を送受信する円偏波アンテナにおいて、多層構造の絶縁性基板と、前記基板の層上に個別に形成された2以上のアンテナ素子と、グランド板とを有している。前記2以上のアンテナ素子は、円錐螺旋の一部をなす線分であって、且つ前記基板の層上に平面構造として形成されたものであり、上下に配置された前記アンテナ素子のうち下層アンテナ素子の終端と上層アンテナ素子の始端とが、前記基板のビアにより電気的に接続されている。さらに、最下層の前記アンテナ素子の始端側が給電点であり、前記グランド板は、前記給電点側の前記絶縁性基板の端面に装備されている。
【選択図】図1
Description
前記2以上のアンテナ素子は、円錐螺旋の一部をなす線分であって、且つ前記基板の層上に平面構造として形成されたものであり、
上下に配置された前記アンテナ素子のうち下層アンテナ素子の終端と上層アンテナ素子の始端とが、前記基板のビアにより電気的に接続され、
最下層の前記アンテナ素子の始端側が給電点であり、前記グランド板は、前記給電点側の前記絶縁性基板の端面に装備された構造であることを特徴とするものである。
なお、図1及び図3に示す例では、絶縁性基板1を2層構造としたが、これに限られるものではなく、2以上のアンテナ素子21,22・・・2nを個別に支持すると共にこれらのアンテナ素子21,22・・・2nの相互間を電気的に絶縁可能な積層構造であれば、その層数に制限を受けるものではない。
前記2個のアンテナ素子21,22は図2(a),(b)に示す様に、円錐螺旋の一部をなす線分21a,22aであって、且つ前記絶縁性基板1の下層11と上層12とに平面構造として形成されている。ここで、前記平面構造について説明する。前記円錐螺旋は、螺旋が円錐形をなす立体構造であり、前記円錐螺旋の一部をなす線分が立体構造、すなわち図1及び図3において、xy面を起点としてz方向に円錐形状をなす構造であるが、前記平面構造は、前記円錐螺旋の一部をなす線分を水平面であるxy面上に投影する等の技法を駆使してxy面上での線分とした構造を意味している。ここで、前記線分21a,22aは帯状とすることにより平面構造としたが、これに限られるものではない。
さらに、前記絶縁性基板1には図2(a)(b)及び図3に示すように、上層のアンテナ素子22の始端2a2と下層のアンテナ素子21の終端2b1との位置にアンテナの高さ方向(図のz方向)に向けたビア4が形成され、最下層となるアンテナ素子21の始端2a1の位置にアンテナの高さ方向(図のz方向)に向けたビア5が形成されている。ここで、前記ビア4,5は、狭義でのビア構造ばかりでなく、スルーホール構造或いは金属ピン構造なども含み、前記ビア4,5は基板1の層構造を貫通して形成された電気的な接続構造であれば、いずれのものであってもよいものである。
さらに図2(a)(b)及び図3に示すように、前記上層のアンテナ素子22の始端2a2と前記下層のアンテナ素子21の終端2b1とは、前記基板1のビア4により電気的に接続されている。さらに、前記下層のアンテナ素子21の始端2a1、特に直線状の線分21bの始端2a1には、前記基板1のビア5が電気的に接続され、前記ビア5が給電点として機能する。前記給電点(ビア5)には、アンテナの可逆性により、送信アンテナとして用いる際に送信信号が入力し、受信アンテナとして用いる際に受信信号が出力される。
さらに図2(a)(b)に示す様に、前記上層のアンテナ素子22の線幅W2と、前記下層のアンテナ素子21の線幅W1とを異ならせる(W1≠W2)、或いは等しく(W1=W2)させている。
図2(a)(b)の例では、前記上層のアンテナ素子22の線幅W2と、前記下層のアンテナ素子21の線幅W2との関係を、W1≦W2に設定しているが、W1≧W2に設定してもよいものである。図2(a)(b)においては、上層のアンテナ素子22の線幅W2と下層のアンテナ素子21の線幅W1とを異ならせることにより、給電点側に対するアンテナ素子21,22のインピーダンスマッチングを容易にしているが、前記アンテナ素子21,22の線分21a,22aの長さ調整などにより、給電点側に対するアンテナ素子21,22のインピーダンスマッチングが容易にとれる場合には、前記上層のアンテナ素子22の線幅W2と、前記下層のアンテナ素子21の線幅W2との関係を、W1=W2に設定してもよいものである。
図4に示す様に、周波数が11GHz付近では、軸比が3dB以上となり楕円偏波であるが、11.5GHz〜13.3GHzまでの周波数帯域では、軸比が3dB以下に抑えられており、真円偏波であることの結果を得た。
図5からすると、周波数が11.5GHz〜13.3GHzまでの帯域におけるVSWRが2以下であることの結果を得た。
図6から明らかなように、周波数が11.5GHz〜13.3GHzまでの帯域において、ゲインが7dBから6dBの範囲内にあることの結果を得た。
図4から明らかなように、使用周波数の下限側で楕円偏波になるが、11.5GHz〜13.3GHzの範囲において真円偏波となる特性を示している。
さらに、図5から明らかなように、使用周波数の全域でVSWRが2以下であり、図6から明らかなように、使用周波数のほぼ全域でゲインがほぼ一定しており、このことからしても、広い使用周波数の帯域で必要以上の利得を確保できることを示している。
本実施形態において、最下層のアンテナ素子21を形成する円錐螺旋の一部をなす線分21aに給電点側に向かう直線状の線分21bを有している。2以上のアンテナ素子21,22を円錐螺旋の一部をなす線分21a,22aで形成した場合、最下層のアンテナ素子21の電気長が短縮されることとなるが、本実施形態では上述した様に、最下層アンテナ素子21の線分21aでの電気長の不足分を直線状の線分21bで補っているため、最下層アンテナ素子21の電気長として必要な長さを確保することができる。
したがって、図4から明らかなように、11.5GHz〜13.3GHzまでの使用周波数の帯域では、軸比が3dB以下に抑えられており、真円偏波による送受信を行う事ができるものである。
これに対して、本実施形態では、2以上のアンテナ素子21,22を円錐螺旋の一部をなす線分21a,21b,22aによって形成し、それらの線分21a,21b,22aを基板1の層11,12に平面構造として形成し、且つビア4,5により接続することにより、2以上のアンテナ素子21,22を擬似的な円錐螺旋として構築している。
従って、本実施形態では、アンテナ素子21,22の相互間を接近させて配置することができ、アンテナの低姿勢化を容易に実現することができる。
さらに、本実施形態では、2以上のアンテナ素子21,22のなす伝送線路が擬似的な円錐螺旋であって、給電点(ビア5)に対するアンテナ素子21,22のインピーダンスマッチングをとってVSWRを図5に示す様に2以下に抑えることができる。
更に、上層のアンテナ素子22の線幅W2と下層のアンテナ素子21の線幅W1とを異ならせることにより、給電点側に対するアンテナ素子21,22のインピーダンスマッチングを容易にして、図5から明らかなように、使用周波数が11.5GHz〜13.3GHzまでの帯域におけるVSWRを2以下にして、使用帯域を広帯域にすることができるとともに、その使用帯域を広帯域化したとしても、図6に示す様に、使用周波数が11.5GHz〜13.3GHzまでの帯域において、ゲインが7dBから6dBの範囲内に維持することができ、使用帯域を広帯域化したことによる問題が生じることはないものである。
さらに、IEEE TRANSACTION ON ANTENAS AND PROPAGATION, VOL., NO.11,NOVEMBER 1993に発表されたカールアンテナでは、使用帯域が7%であったが、本実施形態の円偏波アンテナでは、その使用帯域が16%まで拡大されていることが分かったのである。
21,22・・・2n アンテナ素子
3 グランド板
4 ビア
5 ビア(給電点)
Claims (3)
- 円偏波を送受信する円偏波アンテナにおいて、
多層構造の絶縁性基板と、
前記基板の層上に個別に形成された2以上のアンテナ素子と、
グランド板とを有し、
前記2以上のアンテナ素子は、円錐螺旋の一部をなす線分であって、且つ前記基板の層上に平面構造として形成されたものであり、
上下に配置された前記アンテナ素子のうち下層アンテナ素子の終端と上層アンテナ素子の始端とが、前記基板のビアにより電気的に接続され、
最下層の前記アンテナ素子の始端側が給電点であり、前記グランド板は、前記給電点側の前記絶縁性基板の端面に装備された構造であることを特徴とする円偏波アンテナ。 - 前記最下層のアンテナ素子は、前記円錐螺旋の一部をなす線分に、前記始端側で前記給電点に接続した直線状の線分を含む請求項1に記載の円偏波アンテナ。
- 前記上層のアンテナ素子の線幅と、前記下層のアンテナ素子の線幅とを異ならせた請求項1に記載の円偏波アンテナ。
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Family Applications (1)
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