JP2012049301A - 微細パターン形成用放射線硬化性樹脂組成物、及び該組成物を用いた微細構造体の製造方法 - Google Patents

微細パターン形成用放射線硬化性樹脂組成物、及び該組成物を用いた微細構造体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】放射線照射による微細パターン形成方法において、大型サイズの基材に微細パターンを一括で形成する簡便、且つ高スループットの微細構造体の製造方法を実現し、且つ、パターン形成後に干渉縞の発生しない均一な塗膜が得られる微細パターン形成用放射線硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】アルキレン基、アリーレン基、−COO−などと、放射線硬化性官能基と、環状エーテル基などから成る単位を有する感放射線硬化性ポリマー(P)と、放射線硬化性モノマー(M)と、放射線重合開始剤(I)とを有し、組成物中の放射線硬化性成分全量に対して、感放射線硬化性ポリマー(P)の割合が55〜95重量%、放射線硬化性モノマー(M)の割合が5〜45重量%である。
【選択図】なし

Description

本発明は、微細構造体作成をより簡便にすると共に大面積化が容易に実現でき、且つ、劇的にスループットを向上させるナノインプリント及び転写方法を可能にする微細パターン形成用放射線硬化性樹脂組成物ならびにその硬化物、該組成物を用いた微細構造体、及び該微細構造体の製造方法に関する。
半導体材料、マイクロレンズアレイ等の光学部品、バイオチップ、ディスプレイパネルやフラットスクリーン等の反射防止膜、LED部材、ホログラム、導波路、パターンドメディアやディスクリートメディア等のメディア用構造体、マイクロマシーン(MEMS)の部品およびセンサー等に使用される数十ナノメートルから数十ミクロンの微細構造を有する精密部品の作成方法として、フォトリソグラフやナノインプリント法がある。なかでもナノインプリント法は装置コストが安価でしかも大量で簡便に微細構造を形成できる方法として注目を浴びている。
通常のナノインプリントのプロセスは、大きく分け2種類の方法が提案されている。一つは熱ナノインプリントプロセスである。熱ナノインプリントプロセスは、硬い熱可塑性塗膜に熱をかけ、表面が柔らかくなったところでモールドを押し当てパターンを転写した後、室温まで冷却した後、モールドを剥離する工程を経て微細パターンを作製する方法である。このため、加熱・冷却に時間がかかり高スループットは望めない事が指摘されている。
二つ目は、UVナノインプリントプロセスである。UVナノインプリントプロセスは、低粘度で流動性を有する液状のUV硬化性樹脂の塗膜を作製し、モールドを押し当てパターンを転写した後、UVにて樹脂を硬化させ、ついでモールドを剥離する工程を経て微細パターンを作製する方法である。このため、加熱・冷却工程が不溶であり、一般的に、室温、低圧力、低コストでしかも極めて短時間に微細構造が得られ、高いスループットが望める。しかしながら、モールドを剥離する為には、液状塗膜をUV硬化させる必要があり、モールドはUVを透過する石英等が望まれる。半導体製造技術で知られるステップ&リピート方法が適用できるため、大面積化も可能ではあるが、UV光の漏れによって転写前の樹脂を硬化させるため、基本的にはシームレスの大面積化は不可能である。
また、UVナノインプリントプロセスでは、ディスプレイ用パネル部材の作成等の場合、部材のサイズが更に大型化すると、樹脂を塗布した基材とモールドを挟む上板または下板のどちらかに、圧力に耐えうるだけの厚さを有する硬い透明な大判の板を用意しなければならず、さらに透明な大判の板を通して均一に放射光を樹脂に照射する構造にしなければならず、装置が非常に複雑で高価なものなってしまうという問題があった。
また、UVナノインプリント法では、低粘度のアクリル硬化性樹脂またはカチオン硬化性樹脂が用いられるが、基板上に形成された薄膜にモールドを押し当てたときに、薄膜面に干渉縞が現れる。これは、インプリントされた膜、すなわち残膜に厚さのムラが生じていることを表し、実用上大きな問題となる。特に微細パターン形成後、エッチングにより残膜を除去する工程では残膜の厚い部分にエッチング条件を合わす必要があり、必要以上のエッチングにより基材を損傷することになる。また、永久膜として使用する場合では、干渉縞模様による膜厚さのムラによる機能上の問題が発生すると共に、外観上の問題が発生する。
UVナノインプリント法では、モールドの剥離性を容易にするために、モールド表面は剥離剤で処理され、表面自由エネルギーが非常に小さい状態にされている。一方、UV硬化性樹脂は表面自由エネルギーが相対的に大きく、剥離剤で処理されたモールド表面に樹脂が接触した時に、いくつかの微小部分で樹脂が排斥されることにより干渉縞として現れる膜厚のムラが生じていると考えられる。
特許文献1には、バインダー樹脂(ポリマー)を、硬化性化合物(硬化性モノマー)の総量100重量部に対して、例えば0〜100重量部(すなわち組成物中の放射線硬化性成分全量に対して0〜50重量部)用いた流動性のある樹脂組成物の塗膜に、ナノスタンパを押し当てた状態でUV硬化させて微細構造物を得る方法が記載されている。
特許文献2には、溶剤を除去乾燥した膜がタックフリーとなるネガ型レジスト組成物が提案されている。しかし、この組成物はネガ型現像に適したレジストであり、モールドを押し当てて微細パターンを形成するには樹脂が硬すぎて十分なパターン転写は困難である。
特開2008−052612 特開2005−250067
かかる事情に鑑み、本発明の目的は、放射線照射による微細パターン形成方法において、大型サイズの基材に微細パターンを一括で形成する簡便、且つ高スループットの微細構造体の製造方法を実現し、且つ、パターン形成後に干渉縞の発生しない均一な塗膜が得られる微細パターン形成用放射線硬化性樹脂組成物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記放射線硬化性樹脂組成物を硬化してなる、干渉縞の発生しない均一な硬化物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、所望のパターンが形成された上記硬化性樹脂組成物からなり、干渉縞の発生しない均一な薄膜を有する微細構造体を提供することにある。
さらにまた、本発明の他の目的は、放射線照射による微細パターン形成方法において、大型サイズの基材に微細パターンを一括で形成する簡便、且つ高スループット、且つ、干渉縞の発生しない均一な薄膜を有する微細構造体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために検討を重ねた結果、特定の感放射線硬化性ポリマー(P)を特定量含み、さらに1種類以上の放射線硬化性モノマー(M)と、放射線重合開始剤(I)とを含む放射線硬化性樹脂組成物によれば、基材に樹脂を塗布して形成された薄膜が流動性及びタック性を有しない状態にでき、さらに、薄膜が流動性を有しない状態にすることにより、微細パターンの形成工程において干渉縞の発生しない均一な塗膜が得られること、そのため、従来の微細パターン形成工程では実現が困難であった大型の基材に対して微細パターンの一括形成が可能となることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は、下記式(1)
Figure 2012049301
(上記式中、Aは、ヒドロキシル基を有していてもよいアルキレン基、アリーレン基、−COO−、−CO−、−NH−、−O−、又はこれらを組み合わせた基を示し、Zは放射線硬化性官能基であり、環状エーテル基、環状エステル基、環状カーボネート基、及びビニルエーテル基から選択されたカチオン重合性基、又はラジカル重合性不飽和基を有する基を示し、R1〜R3は、同一又は異なって水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜4のアルキル基、又は置換又は非置換のアリール基を示す)
で表される単位を有する感放射線硬化性ポリマー(P)と、放射線硬化性モノマー(M)と、放射線重合開始剤(I)とを有し、組成物中の放射線硬化性成分全量に対して、感放射線硬化性ポリマー(P)の割合が55〜95重量%、放射線硬化性モノマー(M)の割合が5〜45重量%であることを特徴とする、微細パターン形成用放射線硬化性樹脂組成物を提供する。
感放射線硬化性ポリマー(P)のうち、カチオン重合性の感放射線硬化性ポリマーは、上記式(1)中の−A−Zで表される基(式中、Zは環状エーテル基、環状エステル基、環状カーボネート基、及びビニルエーテル基から選択されたカチオン重合性基)を有するアクリル化合物および/またはビニル化合物(p1)と放射線によりカチオン重合性を有する官能基を含まないアクリル化合物および/またはビニル化合物(p2)との(p1)/(p2)のモル比が5/95〜60/40の共重合体であることが好ましい。
また、前記放射線重合開始剤(I)の含有量が、前記感放射線硬化性ポリマー(P)と前記放射線硬化性モノマー(M)との合計100重量部に対して0.1〜10重量部であること、さらに、前記感放射線硬化性ポリマー(P)の重量平均分子量が3000〜50000、融点又は軟化温度が25℃以上であることが好ましい。
好ましくは、上記式(1)中のZが脂環式エポキシ基であり、前記放射線硬化性モノマー(M)がカチオン硬化性モノマーを含む。
また、好ましくは前記アクリル化合物および/またはビニル化合物(p1)が3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートであり、さらに好ましくは、前記アクリル化合物および/またはビニル化合物(p2)が、スチレンおよび/または2−ビニルナフタレンを含んでいる。
また、本発明は、上記微細パターン形成用放射線硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物を提供する。
また、本発明は、基材と、該基材上に形成され、所望のパターンが形成された上記硬化性樹脂組成物からなる薄膜とを有することを特徴とする微細構造体を提供する。前記薄膜は放射線により硬化されていることが好ましい。
また、本発明は、基材上に、上記微細パターン形成用放射線硬化性樹脂組成物を用いて薄膜を形成する薄膜形成工程(1)と、微細パターンが形成されたモールドを該薄膜に押し付けて、該薄膜に微細パターンを転写するパターン転写工程(2)と、該モールドを該パターンが形成された薄膜から剥離する前又は剥離した後に、該パターンが形成された薄膜を放射線により架橋・硬化させる事により微細構造体を得る微細パターン形成工程(3)とを有することを特徴とする微細構造体の製造方法を提供する。
前記微細パターン形成工程(3)は、前記モールドを前記パターンが形成された薄膜から剥離した後に、該パターンが形成された薄膜を放射線により架橋・硬化させる事により微細構造体を得る工程であることが好ましい。
好ましくは、前記薄膜形成工程(1)は、前記硬化性樹脂組成物を、溶剤に溶解して基材上に塗布した後、加熱および/または減圧により溶剤を除去・乾燥して薄膜を形成する工程、又は、前記放射線硬化性樹脂組成物を50〜110℃にて加熱して基材上に塗布した後冷却して薄膜を形成する工程を含んでいる。
また、前記基材及び薄膜が連続したシート状であり、前記パターン転写工程(2)が、微細パターンが形成されたモールドをロールを介して該薄膜に押し付けて、該薄膜に微細パターンを連続的に転写する工程であることが好ましい。
特定の感放射線硬化性ポリマー(P)を特定量含み、さらに1種類以上の放射線硬化性モノマー(M)と、放射線重合開始剤(I)とを含む本発明の放射線硬化性樹脂組成物によれば、基材に樹脂を塗布して形成された薄膜が流動性及びタック性を有しない状態にすることができ、さらに、微細パターンの形成工程において干渉縞の発生しない均一な塗膜を得ることが出来る。本発明の放射線硬化性樹脂組成物によれば、従来の微細パターン形成工程では実現が困難であった大型の基材に対して微細パターンの一括形成を行うことができる。
[微細パターン形成用放射線硬化性樹脂組成物]
本発明の微細パターン形成用放射線硬化性樹脂組成物は、下記式(1)
Figure 2012049301
(上記式中、Aは、ヒドロキシル基を有していてもよいアルキレン基、アリーレン基、−COO−、−CO−、−NH−、−O−、又はこれらを組み合わせた基を示し、Zは放射線硬化性官能基であり、環状エーテル基、環状エステル基、環状カーボネート基、及びビニルエーテル基から選択されたカチオン重合性基、又はラジカル重合性不飽和基を有する基を示し、R1〜R3は、同一又は異なって水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜4のアルキル基、又は置換又は非置換のアリール基を示す)
で表される単位を有する感放射線硬化性ポリマー(P)と、放射線硬化性モノマー(M)と、放射線重合開始剤(I)とを有し、組成物中の放射線硬化性成分全量に対して、感放射線硬化性ポリマー(P)の割合が55〜95重量%、放射線硬化性モノマー(M)の割合が5〜45重量%であることを特徴とする。
ここで、放射線とは可視光、紫外線(UV)光、さらに短波長で高エネルギーを有する電子線やX線まで含めた広義の高エネルギー線のことであり、本発明の目的に沿うものであればいずれの光またはエネルギー線を使用してもよい。汎用的には、メタルハライドランプ、高圧水銀灯、LEDまたは真空紫外光を用いた紫外線(UV)光が使用可能である。
<感放射線硬化性ポリマー(P)>
本発明の微細パターン形成用放射線硬化性樹脂組成物に含まれる感放射線硬化性ポリマー(P)は、上記式(1)で表される単位を有する。上記式(1)中のAにおけるヒドロキシル基を有していてもよいアルキレン基としては、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン、t−ブチレン基などの炭素数1〜4のアルキレン基ならびにそれらの基に1以上のヒドロキシル基が置換している基が挙げられる。アリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基などが挙げられる。
Zにおける環状エーテル基としては、エポキシ基(オキシラニル基)、脂環式エポキシ基、オキセタニル基などが挙げられる。脂環式エポキシ基としては、脂環を構成する隣接する2つの炭素原子と酸素原子とで構成されるエポキシ基が挙げられ、具体的には、3,4−エポキシシクロヘキシル基、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−(又は9−)イル基(エポキシ化ジシクロペンタジエニル基)などが挙げられる。
環状エステル基は、環状エステル化合物から水素原子を1個除した基であり、環状エステル化合物としては、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどが挙げられる。環状カーボネート基は、環状カーボネート化合物から水素原子を1個除した基であり、環状カーボネート化合物としては、エチレンカーボネートなどが挙げられる。不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基などが挙げられる。
1〜R3における炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル基など;置換又は非置換のアリール基としては置換又は非置換のフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
感放射線硬化性ポリマー(P)の重量平均分子量は3000〜50000で、融点又は軟化温度が25℃以上であるのが好ましく、4000〜40000で、融点又は軟化温度が30〜100℃であるのが特に好ましい。
感放射線硬化性ポリマー(P)の重量平均分子量が3000を下回ると得られる本発明の放射線硬化性樹脂組成物の基板上に形成された薄膜の流動性が高まる場合がある。また、重量平均分子量が50000を超えると、得られる薄膜のパターン転写性が悪くなり、微細構造のパターン形成が困難となる場合がある。
感放射線硬化性ポリマー(P)の融点又は軟化温度が25℃を下回ると、硬化性樹脂組成物の流動性が発現し好ましくなく、また、100℃を超えると、硬化性樹脂組成物の溶融粘度が高くなりすぎて、硬化性樹脂組成物を基材上に薄膜として形成する工程で、硬化性樹脂組成物を加熱融解して基材上に塗布した後冷却する工程が実質的に出来なくなる場合がある。
微細パターン形成用放射線硬化性樹脂組成物中の感放射線硬化性ポリマー(P)の含有量は、組成物中の放射線硬化性成分全量に対して、55〜95重量%であり、60〜85重量%含有するのが好ましい。感放射線硬化性ポリマー(P)の含有量が55重量%を下回ると得られる放射線硬化性樹脂組成物は、薄膜を形成した際に、薄膜の流動性が発現したり、塗膜の表面タックが大きくなる。また、モールドによる転写工程において干渉縞が発生し、残膜が不均一になるため好ましくない。感放射線硬化性ポリマー(P)の含有量が95重量%を超えると、放射線硬化性樹脂組成物が硬くなりすぎて、モールドによる転写工程で、十分なパターン転写を完成するためには、大きな押し付け圧力で長時間の押し付け時間(圧力保持時間)が必要となる。
<放射線硬化性モノマー(M)>
本発明の微細パターン形成用放射線硬化性樹脂組成物に含まれる放射線硬化性モノマー(M)としては、放射線硬化性の官能基を有する化合物であれば、特に限定されないが、上記感放射線硬化性ポリマー(P)として、ラジカル重合性不飽和基を含有する感放射線硬化性ポリマーを選択するときは、ラジカル重合性の官能基を有する放射線硬化性モノマーを組み合わせて使用し、上記感放射線硬化性ポリマー(P)として、カチオン重合性官能基を含有する感放射線硬化性ポリマーを選択するときは、カチオン重合性の官能基を有する放射線硬化性モノマーを組み合わせて使用する。
微細パターン形成用放射線硬化性樹脂組成物中の放射線硬化性モノマー(M)の含有量は、組成物中の放射線硬化性成分全量に対して5〜45重量%であり、15〜40重量%含有するのが好ましい。放射線硬化性モノマー(M)の含有量が45重量%を上回ると得られる放射線硬化性樹脂組成物は、薄膜を形成した際に、薄膜の流動性が発現したり、塗膜の表面タックが大きくなる。放射線硬化性モノマー(M)の含有量が5重量%を下回ると、放射線硬化性樹脂組成物が硬くなりすぎて、モールドによる転写工程で、十分なパターン転写を完成するためには、大きな押し付け圧力で長時間の押し付け時間(圧力保持時間)が必要となる。
<カチオン硬化性の微細パターン形成用放射線硬化性樹脂組成物(カチオン硬化性樹脂組成物)>
本発明の微細パターン形成用放射線硬化性樹脂組成物において、カチオン重合性官能基を含有する感放射線硬化性ポリマー、カチオン重合性の放射線硬化性モノマー、カチオン重合開始剤の組み合わせを選択した場合、微細パターン形成用放射線硬化性樹脂組成物はカチオン硬化性樹脂組成物である。
<カチオン硬化性樹脂組成物における感放射線硬化性ポリマー>
カチオン硬化性樹脂組成物における感放射線硬化性ポリマーは、ラジカル重合性不飽和基とカチオン硬化性官能基を有するモノマーと、必要に応じて他の1種類以上のラジカル重合性不飽和基を有する化合物とを(共)重合(ラジカル重合)することにより得る事ができる。
ラジカル重合性不飽和基とカチオン硬化性官能基を有するモノマーの割合は、モノマー全量に対して、好ましくは5モル%以上であり、特に好ましくは、10モル%以上である。ラジカル重合性不飽和基とカチオン硬化性官能基を有するモノマーの割合が5モル%を下回ると、得られる放射線硬化性樹脂組成物中の硬化性官能基が少なすぎて、放射線による硬化が十分でない場合がある。
上記ラジカル重合性不飽和基とカチオン硬化性官能基を有するモノマーは、上記式(1)中の−A−Zで表される基(式中、Zは環状エーテル基、脂環式エポキシ基、環状エステル基、環状カーボネート基、および/またはビニルエーテル基である)を有するアクリル化合物および/またはビニル化合物(p1)とすることができる。他の1種類以上のラジカル重合性不飽和基を有する化合物は、放射線によりカチオン硬化性を有する官能基を含まないアクリル化合物および/またはビニル化合物(p2)とすることができる。
上記アクリル化合物および/またはビニル化合物(p1)は、下記式(2)
Figure 2012049301
(上記式中、A、Z、R1〜R3は、上記と同様である)
で表すことができる。
上記感放射線硬化性ポリマーは、好ましくは、上記アクリル化合物および/またはビニル化合物(p1)と、上記アクリル化合物および/またはビニル化合物(p2)とを共重合することにより得ることができる。
<アクリル化合物および/またはビニル化合物(p1)>
上記アクリル化合物および/またはビニル化合物(p1)としては、具体的には、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジルアクリレート、オキセタニル(メタ)アクリレートなどの環状エーテル基を有する(メタ)アクリレート;β−(メタ)アクロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、β−(メタ)アクロイルオキシ−δ−バレロラクトン、β−(メタ)アクロイルオキシ−ε−カプロラクトンなどの環状エステル基を有する(メタ)アクリレート;(メタ)アクロイルオキシエチルカーボネートなどの環状カーボネート基を有する(メタ)アクリレート;及び、2−ビニルオキシエチル(メタ)アクリレートなどのビニルエーテル基を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独でも複合しても使用することができる。これらの中で、環状エーテル基を有する(メタ)アクリレートが好ましく、脂環式エポキシ基を有する(メタ)アクリレートがさらに好ましい。特に3、4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートは脂環式エポキシ基を有し、グリシジルタイプのエポキシ基を有する化合物に比べてカチオン硬化性に優れており最も好都合である。上記アクリル化合物および/またはビニル化合物(p1)としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートであることが好ましい。
<アクリル化合物および/またはビニル化合物(p2)>
上記アクリル化合物および/またはビニル化合物(p2)は、単官能のラジカル重合可能な化合物が好ましい。例えば、アクリル化合物として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロカクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル類;メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソオクチルオキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどのエチレングリコール(メタ)アクリレート類等が挙げられる。また、ビニル化合物としてはスチレンが代表的であり、さらに2−ビニルナフタレンが挙げられる。これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの化合物の中では、特にスチレンおよび2−ビニルナフタレンが、基板上に形成された薄膜の流動性がなく、しかも低圧力でパターン形成ができ、さらにモールドの剥離性にも優れる硬化膜を得ることができるので特に好ましい。さらに、2−ビニルナフタレンは屈折率が高いという特徴を有しており、光学用途において、高屈折率の薄膜パターンが得られるという特徴を有する。上記アクリル化合物および/またはビニル化合物(p2)としては、スチレンおよび/または2−ビニルナフタレンを含むことが好ましい。
上記感放射線硬化性ポリマーは、上記アクリル化合物および/またはビニル化合物(p1)と(p2)との(p1)/(p2)のモル比が5/95〜60/40の共重合体であることが好ましい。(p1)/(p2)のモル比は、10/90〜60/40であることがさらに好ましい。アクリル化合物および/またはビニル化合物(p1)の割合が5モル%を下回ると、得られるカチオン硬化性樹脂組成物中の硬化性官能基が少なすぎて、放射線による硬化が十分でない場合がある。
カチオン硬化性樹脂組成物における感放射線硬化性ポリマーは、環状エーテル基を有する(メタ)アクリレートと、スチレンおよび/または2−ビニルナフタレンとの、(前者)/(後者)のモル比が5/95〜60/40の共重合体であることが好ましい。
上記カチオン硬化性樹脂組成物には、上記に加えて、内部にエポキシ基を持つオリゴマータイプの放射線硬化性樹脂を使用することもできる。例えば、エポキシ化ポリブタジエン(製品名:エポリードPB3600、PB4700、ダイセル化学工業株式会社)、エポキシ化スチレンブタジエンテレブロック共重合体(製品名 エポフレンドAT501、ダイセル化学工業株式会社)、末端にエポキシ基を有する脂環骨格のエポキシ樹脂(製品名:エポリード3150、ダイセル化学工業株式会社)等が挙げられる。また、ノボラック型エポキシ樹脂、例えば、フェノール、クレゾール、ハロゲン化フェノールおよびアルキルフェノール等のフェノール類とホルムアルデヒドとを酸性触媒下で反応して得られるノボラック類とエピクロルヒドリンおよび/またはメチルエピクロルヒドリンとを反応して得られるもの(製品名:EOCN−103、EOCN−104S、EOCN−1020、EOCN−1027、EPPN−201、BREN−S、日本化薬株式会社、製品名:DEN−431、DEN−439、ダウ・ケミカル社、および製品名:N−73,VH−4150、大日本インキ化学工業株式会社)等がある。また、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS及びテトラブロムビスフェノールA等のビスフェノール類とエピクロルヒドリンとを反応させて得られるビスフェノール型エポキシ樹脂、或いは、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルと前記ビスフェノール類の縮合物とエピクロルヒドリンとを反応させ得られるビスフェノール型エポキシ樹脂(製品名:エピコート1004、エピコート1002、油化シェル株式会社、製品名:DER−330,DER−337、ダウ・ケミカル社)等がある。これらのエポキシ樹脂は単独で用いても、混合して用いてもよい。これらのエポキシ樹脂の含有量は、感放射線硬化性ポリマー(P)100重量部に対し、好ましくは0〜50重量部、さらに好ましくは0〜10重量部とすることができる。
<カチオン硬化性樹脂組成物における放射線硬化性モノマー>
カチオン硬化性樹脂組成物における放射線硬化性モノマーとしては、環状エーテル化合物、環状エステル化合物、環状カーボネート化合物、およびビニルエーテル化合物などが挙げられる。
環状エーテル化合物としては、エポキシ化合物およびオキセタニル化合物が挙げられる。エポキシ化合物の具体例としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート、3,4,3’,4’−ジエポキシビシクロヘキシル、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ソルビトールのテトラグリシジルエーテル、ジペンタエルスリトールのヘキサグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコール、グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することによって得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖二塩基酸脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテルやフェノール、クレゾール、ブチルフェノール、またこれらにアルキレンオキサイドを付加することによって得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジルエーテル、高級脂肪酸のグリシジルエステル、エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシ化アマニ油、エポキシ化ポリブタジエン、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、スチレンオキサイド、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、エチレングリコールグリシジルフェニルエーテル、エチレングリコールベンジルグリシジルエーテル、ジエチレングリコールグリシジルテトラヒドロピラニルエーテル、グリシジルメタクリレート、グリシジルアセテート、特開平6−166752号公報や米国特許6706840号公報に記載のシリコーンエポキシ等が挙げられる。また、エポキシ基と重合性官能基を有するグリシジルメタクリレート、β−メチルグリシジルメタクリレート、グリシジルアリルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートを含む重合物は、造膜性向上の意味において非常に有用である。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。また、エポキシ化合物の水素原子の一部又は全てがフッ素で置換されたものも使用できる。
エポキシ化合物の市販品としては、ダイセル化学工業(株)製のセロキサイドCEL2021P、CEL3000,CEL8000などが入手可能である。
オキセタニル化合物の具体例としては、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−アリロキシメチル−3−エチルオキセタン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、4−フルオロ−〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、4−メトキシ−〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、イソブトキシメチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンタジエン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラヒドロフルフリル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−テトラブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−トリブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシプロピル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ブトキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタクロロフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ベンゼン、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)エチル]ベンゼン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ブタンジオールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ヘキサンジオールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールFビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カーボネートビスオキセタン、アジペートビスオキセタン、テレフタレートビスオキセタン、シクロヘキサンジカルボン酸ビスオキセタン、3−(3−メチル−3−オキセタンメトキシ)プロピルトリエトキシシラン、3−(3−エチル−3−オキセタンメトキシ)プロピルトリメトキシシラン、特開平6−16804号公報に記載のオキセタンシリコーン等が挙げられる。また、オキセタニル基と重合性官能基を有する3−エチル−3−(メタ)アクロイルメチルオキセタン等を含む重合物等は造膜性向上の意味から非常に有効である。これらオキセタン系化合物は単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
オキセタニル化合物の市販品としては、東亜合成(株)社製の3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン(OXT−212)、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(OXT−101)、1,4−ビス−{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン(OXT−121)、3−エチル−3−{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン(OXT−221)、及びオキセタニル−シルセスキオキサン(OX−SQ)などが入手可能である。
環状エステル化合物としては、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどが挙げられる。
環状カーボネート化合物としては、エチレンカーボネートなどが挙げられる。
ビニルエーテル化合物としては、例えばアルキルビニルエーテル類、芳香族ビニルエーテル類、α−置換ビニルエーテル類、β−置換ビニルエーテル類、及び分子内に2以上の官能基を有する多官能化合物(ジビニルエーテル類、トリビニルエーテル類等)などが挙げられる。
前記アルキルビニルエーテルには、炭化水素基を含有する単官能又は多官能のビニルエーテル化合物及びアリルエーテル化合物等が挙げられる。単官能ビニルエーテル化合物の具体例としては、例えば、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテル、i−ペンチルビニルエーテル、t−ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、i−ヘキシルビニルエーテル、t−ヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、n−ヘプチルビニルエーテル、i−ヘプチルビニルエーテル、t−ヘプチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、ノニルビニルエーテル、デカビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル類;フェニル、ベンジル、o−クレジル、p−クレジル、p−クロルフェニル、α−ナフチル、β−ナフチル等の芳香族性炭化水素基を分子内に有する芳香族ビニルエーテル類などが挙げられる。二官能のビニルエーテル化合物として、例えば、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、1,4−シクロサンジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジアリルエーテル、1,4−ジエチルシクロヘキシルジビニルエーテル、1,8−オクタンジビニルエーテル、1,8−オクタンジアリルエーテル、トリメチロールプロパンジビニルエーテル、イソソルバイトジビニルエーテル、オキソノルボルネンジビニルエーテルなどのジビニルエーテル類;ビスフェノール−Aジビニルエーテル、ビスフェノール−Fジビニルエーテルなどの芳香族ジビニルエーテル類等が挙げられる。分子内に三官能以上のビニルエーテルを含む化合物として、例えば、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテルなどのトリビニルエーテル類(三官能体);ペンタエリスリトールテトラビニルエーテルなどのテトラビニルエーテル類(四官能体);ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテルなどのペンタビニルエーテル類(五官能体);ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテルなどのヘキサビニルエーテル類(六官能体)などが挙げられる。前記α−置換ビニルエーテル類の例としては、α−メチルビニルエチルエーテル、α−エチルビニルエチルエーテル、α−フェニルビニルエチルエーテルなどが挙げられる。前記β−置換ビニルエーテル類の例としては、β−メチルビニルエチルエーテル、β−メチルビニルイソプロピルエーテル、β−メチルビニルn−ブチルエーテル、β−メチルビニルイソブチルエーテル、β−メチルビニルt−ブチルエーテルなどが挙げられる。
ビニルエーテル系化合物の市販品としては、丸善石油化学社製の2−ヒドロキシエチルビニルエーテル(HEVE)、ジエチレングリコールモノビニルエーテル(DEGV)、2−ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ISP社製 RAPI−CUREシリーズ、V−PYROL(登録商標)(N−Viny−2−Pyrrolidone)、V−CAPTM(N−Vinyl−2−Caprolactam)などが挙げられる。
<ラジカル硬化性の微細パターン形成用放射線硬化性樹脂組成物(ラジカル硬化性樹脂組成物)>
本発明の微細パターン形成用放射線硬化性樹脂組成物は、感放射線硬化性ポリマー(P)として上記式(1)においてZがラジカル重合性不飽和基を有する基であるポリマーを使用し、併用する放射線硬化性モノマー(M)としてラジカル硬化性モノマーを使用し、放射線重合開始剤(I)としてラジカル重合開始剤を使用して、ラジカル硬化性樹脂組成物とすることができる。
<ラジカル硬化性樹脂組成物における感放射線硬化性ポリマー>
ラジカル硬化性樹脂組成物に使用する感放射線硬化性ポリマーとしては、反応性官能基を有するアクリル系モノマーに、この反応性官能基に対して反応性を有する官能基とラジカル重合性不飽和基とを有する化合物を1種類以上反応させて共重合することにより得ることができる。反応性官能基としては、カルボキシル基などの酸基、ヒドロキシル基などが挙げられる。反応性官能基に対して反応性を有する官能基としては、エポキシ基、イソシアネート基などが挙げられる。なかでも、カルボキシル基とエポキシ基との組み合わせ、ヒドロキシル基とイソシアネート基との組み合わせが好ましく使用できる。反応性官能基を有するアクリル系ポリマーとしては、酸基を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。
酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、具体的には、(メタ)アクリル酸、ビニルフェノール、不飽和基とカルボン酸の間に鎖延長された変性不飽和モノカルボン酸、例えばβ−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2ーアクリロイルオキシエチルコハク酸、2ーアクリロイルオキシエチルフタル酸、2ーアクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ラクトン変性等エステル結合を有する不飽和モノカルボン酸、エーテル結合を有する変性不飽和モノカルボン酸などが挙げられる。または、マレイン酸等のカルボン酸基を分子中に2個以上含む物であってもよい。また、これらは単独で用いても混合して用いても良い。中でも、特に好ましくは、不飽和基とカルボン酸の間にラクトンで鎖延長された変性不飽和モノカルボン酸である。
ラジカル重合性不飽和基を有する化合物としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロカクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの、水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル類、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソオクチルオキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート類などが挙げられる。スチレン系化合物としては、スチレン等が挙げられる。
ラジカル重合性不飽和基とエポキシ基を有するモノマーとしては、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジルアクリレート等が挙げられる。これらは単独でも複合しても使用することができる。これらの中で、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートは脂環式エポキシであり、特に好ましい。
ラジカル硬化性樹脂組成物における感放射線硬化性ポリマーは、カルボン酸基を有する(メタ)アクリル樹脂にラジカル重合性不飽和基とエポキシ基を有する化合物を付加し、合成した側鎖にアクリロイル基を有する重合体であることが好ましく、側鎖にアクリロイル基とカルボキシル基を含有するアクリル共重合樹脂などが挙げられ、Cyclomer-P(ACA)250(ダイセル化学工業株式会社製)などの市販品が使用できる。
<ラジカル硬化性樹脂組成物における放射線硬化性モノマー>
上記ラジカル硬化性樹脂組成物に使用する感放射線硬化性ポリマーと同時に使う放射線硬化性モノマーとしては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリウレタンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性トリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート及び上記アクリレートに対応する各メタクリレート類、多塩基酸とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとのモノ−、ジ−、トリ−又はそれ以上のポリエステルなどがあり、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記化合物の市販品としては、ビスフェノールA EO付加物ジアクリレート[商品名V#700、大阪有機化学工業(株)製]、トリメチロールプロパントリアクリレート[商品名V#295、大阪有機化学工業(株)製]、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート[商品名DPHA、東亞合成化学工業(株)製]などが入手可能である。
本発明の微細パターン形成用放射線硬化性樹脂組成物としては、上記カチオン硬化性組成物とラジカル硬化性組成物の両者のタイプを組み合わせて使用する(以下、ハイブリッド型樹脂組成物)こともできる。特に膜の厚さがサブミクロンの薄膜領域では、カチオン硬化性樹脂組成物は、酸素障害がなく薄膜硬化性に優れ、さらにラジカル硬化性樹脂組成物およびハイブリッド型樹脂組成物に比べて硬化収縮率が小さいという点で特に好ましい。本発明の微細パターン形成用放射線硬化性樹脂組成物としては、上記式(1)中のZが好ましくは脂環式エポキシ基、さらに好ましくは3,4−エポキシシクロヘキシル基であり、前記放射線硬化性モノマーが、カチオン硬化性モノマーを含んでいる組成物が好ましい。
[放射線重合開始剤(I)]
本発明の放射線硬化性樹脂組成物に含まれる放射線重合開始剤(I)としては、ラジカル重合開始剤とカチオン重合開始剤がある。放射線硬化性樹脂組成物がアクリロイル基およびビニル基を主体として構成される場合には、ラジカル重合開始剤を使用し、組成物がエポキシ等のカチオン硬化性化合物を主体に構成される場合には、酸発生剤(PAG)などのカチオン重合開始剤を使用するのが好ましいが、両者のタイプを併用してもよい。
<ラジカル重合開始剤>
ラジカル重合開始剤の具体的な例としては、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ビス−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、ビス−N,N−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、イソプロポキシクロロチオキサントン等のチオキサントン類、エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノン、クロロアントラキノン、アントラキノン−2−スルホン酸塩、アントラキノン−2,6−ジスルホン酸塩等のアントラキノン類、アセトフェノン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル類、2,4,6−トリハロメチルトリアジン類、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,2−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体類、ベンジルジメチルケタール、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル〕2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、フェナントレンキノン、9,10−フェナンスレンキノン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等ベンゾイン類、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等、アクリジン誘導体、ビスアシルフォスフィンオキサイド、およびこれらの混合物等が挙げられる。ラジカル重合開始剤の市販品としては、Irg.907(チバスペシャルティケミカルズ社製)などが入手可能である。
上記のラジカル重合開始剤に加え、架橋促進剤等を併用することが出来る。架橋促進剤の例としては、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
<カチオン重合開始剤>
カチオン重合開始剤はカチオン部位とアニオン部位で構成される。アニオン部位の具体例としてはPF6 -、SbF6 -および/又は下記式(I)で表されるボレート類が挙げられる。さらに、ボレートの具体例としてはテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが挙げられる。
Figure 2012049301
(式中のそれぞれのxは0から5の整数を表し、全ての合計が1以上である。)
カチオン部位の具体例としては、スルホニウム塩およびヨードニウム塩が挙げられる。市場より容易に入手することができる感放射線性カチオン重合開始剤としては、例えば、ユニオンカーバイド社製のUVI−6990およびUVI−6974、旭電化工業(株)製のアデカオプトマーSP−170およびアデカオプトマーSP−172、サンアプロ社製のCPI−100A、CPI−200K、及びCPI−210S等のスルホニウム塩や、ローディア社製のPI2074等のヨードニウム塩を挙げることができる。これらのカチオン重合開始剤は1種類以上を組み合わせて使用することができる。
ラジカル重合開始剤および/またはカチオン重合開始剤の添加量は、感放射線硬化性ポリマー(P)および放射線硬化性モノマー(M)の合計100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、0.5〜7重量部が特に好ましい。0.1重量部を下まわると、開始剤としての効果が得られず好ましくなく、また、10重量部を超えると、放射線硬化性組成物の硬化性にさらなる効果が得られないだけでなく、開始剤の分解生成物による気泡等の欠陥が発生しやすくなり、また、余分な酸による部材への影響が発生しやすくなる場合がある。
前記放射線重合開始剤(I)の含有量は、前記感放射線硬化性ポリマー(P)と前記放射線硬化性モノマー(M)との合計100重量部に対して0.1〜10重量部であることが好ましい。
[光増感剤]
また、放射線重合開始剤(I)に加えて、開始剤の効果を促進する光増感剤を添加することも出来る。これらの具体的な例としては、アントラセン、フェノチアゼン、ぺリレン、チオキサントン、ベンゾフェノンチオキサントン等が挙げられる。更に、増感色素としては、チオピリリウム塩系色素、メロシアニン系色素、キノリン系色素、スチリルキノリン系色素、ケトクマリン系色素、チオキサンテン系色素、キサンテン系色素、オキソノール系色素、シアニン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム塩系色素等が例示される。
特に好ましいのは、アントラセン系の増感剤であり、カチオン硬化触媒と併用する事により、感度が飛躍的に向上すると共に、ラジカル重合開始機能も有しており、本発明のカチオン硬化システムとラジカル硬化システムを併用するハイブリッドタイプでは、触媒種をシンプルにできる。具体的なアントラセンの化合物としては、ジブトキシアントラセン、ジプロポキシアントラキノン(川崎化成社製 Anthracure(登録商標) UVS−1331、1221)等が有効である。増感剤は、組成物100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、0.2〜8重量部がさらに好ましい。
[溶剤]
本発明の微細パターン形成用放射線硬化性樹脂組成物は、溶剤を含んでいても良い。溶剤としては、樹脂組成物が溶解する溶剤であれば何でもよいが、具体的には、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの酢酸エステル類;エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類;オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサなどの石油系溶剤が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[他の成分]
本発明の放射線硬化性樹脂組成物には、他の成分として、フッ素化合物またはシリコン化合物からなる界面活性剤、無機および/または有機充填剤、可塑剤、顔料、染料、カップリング剤等、従来公知のものを必要に応じて配合できる。
[硬化物]
本発明の硬化物は、微細パターン形成用放射線硬化性樹脂組成物を硬化してなる。硬化は、上記微細パターン形成用放射線硬化性樹脂組成物を放射線により架橋・硬化させる事によりすることができる。照射する放射線としては特に制約はなく、上記放射線硬化性樹脂組成物を硬化できる光源であれば使用可能である。光源としては、メタルハライド、水銀灯等のランプ、UV−LED等を使用することもできる。本発明の硬化物は、特に薄膜とした場合に、干渉縞の発生しない均一な塗膜となる。放射線で硬化・架橋した後に加熱(ポストベーク)してもよい。
[微細構造体]
本発明の微細構造体は、基材と、該基材上に形成され、所望のパターンが形成された上記硬化性樹脂組成物からなる薄膜とを有する。前記薄膜は放射線により硬化されていることが好ましい。照射する放射線としては、上記と同様とすることができる。本発明の微細構造体は、干渉縞の発生しない均一な塗膜を有している。
[微細構造体の製造方法]
本発明の微細構造体の製造方法は、基材上に、上記の微細パターン形成用放射線硬化性樹脂組成物を用いて薄膜を形成する薄膜形成工程(1)と、微細パターンが形成されたモールドを該薄膜に押し付けて、該薄膜に微細パターンを転写するパターン転写工程(2)と、該モールドを該パターンが形成された薄膜から剥離する前又は剥離した後に、該パターンが形成された薄膜を放射線により架橋・硬化させる事により微細構造体を得る微細パターン形成工程(3)とを有することを特徴とする。
<薄膜形成工程(1)>
薄膜形成工程(1)は、基材上に、上記微細パターン形成用放射線硬化性樹脂組成物を用いて薄膜を形成する工程である。薄膜形成工程(1)は、好ましくは、前記硬化性樹脂組成物を、溶剤に溶解して基材上に塗布した後、加熱および/または減圧により溶剤を除去・乾燥して薄膜を形成するか、又は、前記放射線硬化性樹脂組成物を加熱して基材上に塗布した後冷却して薄膜を形成することができる。
硬化性樹脂組成物を、溶剤に溶解して基材上に塗布した後、加熱および/または減圧により溶剤を除去・乾燥して薄膜を形成する場合、溶剤に希釈することにより、樹脂溶液の粘度が低くなり、塗布工程が容易になると共に、その希釈の濃度により所望の膜厚さの薄膜を容易に得ることができる。使用する溶剤としては、前記例示のものが使用できる。
塗布方法は特に制限されないが、スクリーン印刷、カーテンコート、ブレードコート、スピンコート、スプレーコート、ディップコート、スリットコート等が適用される。
乾燥方法に制限はないが、加熱および/または減圧により行うことが出来る。加熱する場合は、ホットプレート、オーブン、赤外線等を用いることができるが、温度は60℃〜110℃で行うのが好ましく、70℃〜100℃で行うのが特に好ましい。乾燥温度が60℃を下回ると乾燥効率が悪く、乾燥に多大な時間を要するため好ましくなく、110℃を超える乾燥温度では、乾燥効率は良いものの、本発明の放射線硬化性樹脂組成物では、放射線硬化性モノマー(M)が揮発する場合がある。
放射線硬化性樹脂組成物を50〜110℃にて加熱して基材上に塗布した後冷却して薄膜を形成する場合、放射線硬化性樹脂組成物を加熱して基材上に塗布した後冷却することができる。放射線硬化性樹脂組成物を基板上に塗布する際の加熱温度は50℃〜110℃が好ましく、60〜90℃が特に好ましい。放射線硬化性樹脂組成物を、110℃を超える温度に加熱すると、内包する放射線硬化性官能基の反応が進み、放射線硬化性樹脂組成物が一部硬化する場合がある。また、加熱温度が50℃を下回ると放射線硬化性樹脂組成物を塗布するための粘度が高く、塗布が困難であると同時に、目的とする厚みの薄膜が得られない場合がある。加熱により、樹脂組成物を溶融するのが好ましい。
<パターン転写工程(2)>
パターン転写工程(2)では、微細パターンが形成されたモールドを該薄膜に押し付けて、該薄膜に微細パターンを転写する。モールドとしては、表面に微細パターン加工を施したモールドを使用する。モールドの材質としては、Ni電鋳スタンパー、Siスタンパー等、光を透過しない材質を使用することが可能である。また、樹脂製スタンパーを用いる事が出来る。具体的にはポリスチレン樹脂(PS)、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、フッ素樹脂、シリコン樹脂、シクロオレフィン樹脂(COP)、エポキシ樹脂等が挙げられる。
通常、モールドを押し付けた状態で薄膜にパターン転写する工程では、一般的には0.1〜10MPaの圧力で押し付けることによってモールド表面に施された微細パターンを薄膜側に転写することができる。これに対し、本発明の放射線硬化性樹脂を用いると、分子内に放射線硬化性官能基を有する樹脂に添加される5〜45重量%の放射線硬化性モノマー(M)が、押圧・転写過程の際に樹脂を可塑化する効果を発揮し、2MPa以下(0.1〜2MPa)、さらには1MPa以下(0.1〜1MPa)の圧力で薄膜上に微細パターンの形成が可能となる。
また、パターン転写工程(2)において、前記基材が連続したシート状とし、パターン転写を、ロールを介して連続的に行うこともできる。
<微細パターン形成工程(3)>
微細パターン形成工程(3)では、モールドをパターンが形成された薄膜から剥離する前又は剥離した後に、該パターンが形成された薄膜を放射線により架橋・硬化させる事により微細構造体を得る。微細パターン形成工程(3)は、モールドをパターンが形成された薄膜から剥離した後に、パターンが形成された薄膜を放射線により架橋・硬化させて行うことが好ましい。本発明の放射線硬化性樹脂組成物は、基材上に形成された薄膜は流動性が無いという特徴により、モールドを薄膜から剥離した後も、転写された微細パターンはその形状を保つことが出来るので、その後の工程で放射線を照射し、樹脂を硬化することができる。
モールドの薄膜からの剥離は、通常のナノインプリントと同様の剥離が可能である。モールドには、フッ素樹脂の場合を除いて、離型剤処理をするのが好ましい。離型剤処理をすることにより、パターン転写後のモールド剥離を容易にすることが出来る。
微細パターンを転写した薄膜に照射する放射線としては特に制約はなく、上記放射線硬化性樹脂を硬化できる光源であれば使用可能である。光源としては、メタルハライド、水銀灯等のランプ、UV−LED等を使用することもできる。
<ロールを介した連続工程>
本発明では、連続したシート状の基材を用いて、前記の(1)〜(3)の微細パターンを形成する工程を、ロールを介して連続的に行うことができる。好ましくは、基材及び薄膜が連続したシート状であり、前記パターン転写工程(2)が、微細パターンが形成されたモールドをロールを介して該薄膜に押し付けて、該薄膜に微細パターンを連続的に転写することができる。
シートに放射線硬化性樹脂組成物を塗布する方法としては、ダイコート、グラビアコート、リバースロールコート、ドクターコート等の方式を使用することが出来る。放射線硬化性樹脂組成物を有機溶剤で希釈して使用する場合は、塗布工程の後で連続乾燥炉により乾燥することが出来る。ロール方式の微細パターン形成は、主ロールに微細パターンを施したロールを使用するか、または、樹脂シートまたは金属の薄いシートに微細パターンを施したモールドを使用する。
従来のUVナノインプリントの工程では、ロールで基材とモールドを挟む極く短時間の間に放射線を照射して放射線硬化性樹脂を硬化しなければならず、しかも、ロールで挟まれた部分以外に放射線が漏れた光によって、微細パターンが転写される前に樹脂が硬化することを避けるための工夫が装置に必要であるが、本発明の放射線硬化性樹脂組成物は、基材上に形成された薄膜は流動性が無いという特徴により、ロールで基材とモールドを挟んで直ぐに剥離しても、転写された微細パターンはその形状を保つことが出来るので、その後の工程で放射線を照射し、樹脂を硬化することができる。
本発明は以下の実施例によって具体的に説明するが、本発明は、この実施例により限定されるものではない。
1.感放射線硬化性ポリマー(P)の合成
合成例1
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた2Lセパラブルフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(MMPG−AC、ダイセル化学工業社製)222gを導入し、90℃に昇温後、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート(製品名:サイクロマーM−100、ダイセル化学工業社製)26gとスチレン124gの混合溶液、および2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(ABN−E、日本ヒドラジン工業社製)28gのMMPG−AC 100g溶液を共に4時間かけて滴下した後、滴下後3時間熟成した。これをヘプタン溶媒中に攪拌しながら滴下し、沈殿物を洗浄、濾過、乾燥して、分子量約20000の白色固体の樹脂P−1を120g得た。
合成例2
サイクロマーM−100を98g、スチレンを52g、ABN−E28gのMMPG−AC100g溶液を使用した以外は合成例1と同様の方法で、分子量約4000の白色固体の樹脂P−2を118g得た。
合成例3
サイクロマーM−100を150g、ABN−E5.5gのMMPG−AC100g溶液を使用し、スチレンを使用しなかった以外は合成例1と同様の方法で、分子量約20000の白色固体の樹脂P−3を119g得た。
合成例4
サイクロマーA−200を84g、スチレンの代わりに2−ビニルナフタレンを66g、ABN−E5.5gのMMPG−AC100g溶液を使用した以外は合成例1と同様の方法で、分子量約10000の白色固体の樹脂P−4を115g得た。
合成例5
側鎖にアクリロイル基とカルボキシル基を含有するアクリル共重合樹脂[Cyclomer-P(ACA)250]の合成
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた2Lのセパラブルフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル(ダイセル化学工業社製、「MMPG」)300gを導入し、110℃に昇温後、メタクリル酸151g、メチルメタクリレート110g、MMPG200g及びt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(日本油脂社製、「パーブチルO」)28.7gを共に3時間かけて滴下した。滴下後4時間熟成してカルボキシル基を有する幹ポリマーを合成した。次に、上記幹ポリマー溶液に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート(ダイセル化学工業社製、「サイクロマーA−200」)239g、トリフェニルホスフィン2.4g、メチルハイドロキノン1.0gを加えて、100℃で10時間反応させた。反応は、空気/窒素の混合雰囲気下で行った。これにより、分子量約15000のポリマー(P−5)を得た。得られたポリマーのTgは105℃、酸価は50KOH−mg/g、二重結合当量(不飽和基1mol当りの樹脂重量)は381であった。
合成例6
サイクロマーM−100を111g、スチレンを39g、ABN−E5.5gのMMPG−AC100g溶液を使用した以外は合成例1と同様の方法で、分子量約20000の白色固体の樹脂P−6を120g得た。
合成例7
3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレートの代わりに3,4−エポキシシクロヘキシルアクリレート(製品名:サイクロマーA−200、ダイセル化学工業社製)を96g、スチレンを56g、ABN−E9gのMMPG−AC100g溶液を使用した以外は合成例1と同様の方法で、分子量約20000の白色固体の樹脂P−7を121g得た。
合成例8
サイクロマーM−100を67g、スチレンを83g、ABN−E2.2gのMMPG−AC100g溶液を使用した以外は合成例1と同様の方法で、分子量約50000の白色固体の樹脂P−8を120g得た。
合成例9
初期導入のMMPG−ACを191g、サイクロマーM−100を98g、スチレンを52g、ABN−E55gのMMPG−AC150g溶液を使用した以外は合成例1と同様の方法で、分子量約2000の白色固体の樹脂P−9を115g得た。
合成例10
サイクロマーM−100を98g、スチレンを52g、ABN−E1.9gのMMPG−AC100g溶液を使用した以外は合成例1と同様の方法で、分子量約60000の白色固体の樹脂P−10を123g得た。
合成例11
サイクロマーM−100を122g、スチレンを28g、ABN−E 1.9gのMMPG−AC 100g溶液を使用した以外は合成例1と同様の方法で、分子量約20000の白色固体の樹脂P−11を131g得た。
比較合成例1
スチレンを150g、ABN−E5.5gのMMPG−AC100g溶液を使用した以外は合成例1と同様の方法で、分子量約20000の白色固体の樹脂P−12を119g得た。
合成例1〜11および比較合成例1より得られた樹脂[放射線硬化性官能基を有するオリゴマーまたは高分子化合物{P−1〜P−11は、本発明の感放射線硬化性ポリマー(P)を示す}]は表―3に纏めた。
2.放射線硬化性樹脂組成物の調整、ならびに膜形成
実施例1〜15、18〜25、及び比較例1〜9
表―1及び表−2に示す割合で材料を調合し、溶剤MMPG−ACを加え、十分に攪拌・混合して溶解し、均一な放射線硬化性樹脂組成物溶液を作成した。なお、使用した放射線硬化性モノマー(M)、放射線重合開始剤(I)、増感剤、及び溶剤は表−4に纏めた。
得られた均一な放射線硬化性樹脂組成物溶液を20×20mmのシリコンウエハー上に数滴垂らし、スピンコーターにて1分間に2000回転で30秒間回転させた後、80℃のホットプレート上で1分間放置し、溶剤を除去して薄膜形成を行った(薄膜形成工程1−A)。
実施例16〜17
表―1及び表−2に示す割合で材料を調合し、90℃に加熱しながら十分に攪拌・混合した後、冷却して均一な溶剤を含まない放射線硬化性樹脂組成物を得た。なお、使用した放射線硬化性モノマー(M)、放射線重合開始剤(I)、及び増感剤は表−4に纏めた。
得られた均一な溶剤を含まない放射線硬化性樹脂組成物を90℃に加熱・溶融し、20×20mmのシリコンウエハー上に6〜8滴垂らし、スピンコーターにて1分間に5000回転で30秒間回転させた後放冷して薄膜形成を行った(薄膜形成工程1−B)。
3.薄膜形成後の樹脂の流動性
上記の方法にて作成した薄膜の表面を指触し、薄膜の流動の有無を調べ、以下の3段階で評価をした。
○:指に樹脂が付着せず、薄膜に指紋も着かず・・・流動性およびタック無し
△:薄膜表面に指紋が着く・・・流動性無し、僅かにタック有り
×:指に樹脂が付着・・・流動性有り
実施例1〜25、及び比較例1〜9の評価結果を表−1及び表−2に示す。本発明の実施例では、いずれも流動性およびタック性がないが、感放射線硬化性ポリマー(P)の含有量が55重量%を下回る比較例2〜9では基材上に形成された薄膜に流動性が生じ、その結果、モールドを押し当てて転写する工程で干渉縞が発生した。
4.微細パターンの形成
実施例1〜17,20〜25、及び比較例1〜9
ナノインプリント装置の下側金属プレートに薄膜を形成したシリコンウエハーを固定し、石英ガラスで構成された上側プレートに固定された幅500nmのライン&スペース(L/S)、ライン深さ300nmの微細パターンを設けた石英ガラスモールドに下側プレートを上昇させて押し付けて、表−1又は表−2に示すように1MPaの圧力で1分間保持した後、モールドを押し付けた状態で石英ガラス製の上側プレートとモールドを通して、インプリント装置に内蔵された超高圧水銀ランプにより、1〜3JのUV光を照射した。その後、下側プレートを下降させ、モールドを剥離することにより微細パターンが形成された試料を作成した(インプリント工程3−A)。
実施例18〜19
ナノインプリント装置の下側金属プレートに薄膜を形成したシリコンウエハーを固定し、ステンレス板で構成された上側プレートに固定された幅500nmのライン&スペース(L/S)、ライン深さ300nmの微細パターンを設けたニッケル電鋳モールドに下側プレートを上昇させて押し付けて、1MPaの圧力で1分間保持した後、下側プレートを下降させ、モールドを剥離し、微細パターンを転写した試料を取り出し、別の超高圧水銀ランプにより、1〜3JのUV光を照射し微細パターンが形成された試料を作成した(インプリント工程3−B)。
5.剥離性の評価
ナノインプリント装置の上側プレートには圧力センサーが設けられており、押し付け圧力の制御および剥離時の剥離力の記録が可能であり、剥離力の大きさにより剥離性の評価を行った。評価結果を表−1及び表−2に示す。
剥離力:
0〜5N未満:○ 剥離性良
5〜10N未満:△ 剥離性やや不良
10N〜または基板上の薄膜の一部がモールド側に付着:× 剥離性不良
6.転写性の評価
微細パターンが形成された試料は、AFM(マイクロプローブ顕微鏡)により微細パターンの形状を測定し、1MPaの押し付け圧力で転写した際のモールドのライン部深さ300nmに対する形成された微細パターンのライン高さの割合で転写性を評価した。評価結果を表−1及び表−2に示す。
ライン部高さ(モールドのライン深さに対する割合):
270nm〜(90%以上):○ 転写性良
240nm超〜270nm未満(80%超〜90%未満):△ 転写性やや不良
〜240nm(80%以下):× 転写性不良
7.干渉縞の有無(残膜均一性)
微細パターンが形成された試料を目視観察し、干渉縞の有無により評価した。評価結果を表−1及び表−2に示す。
干渉縞無し:○ 塗膜均一
斑点有り:△ 若干塗膜不均一
干渉縞有り:× 塗膜不均一
8.硬化性
パターン形成された基材を溶媒THF(テトラヒドロフラン)に浸漬し、2〜3度振って引き上げ、エアーガンにより表面の溶媒を除去・乾燥し、薄膜表面の状態をAFM(マイクロプローブ顕微鏡)により観察した。
○: パターン形成された薄膜が完全に残っている
△: パターンは消失しているが、薄膜は50%以上残っている
×: 薄膜が50%以上溶解し消失している
Figure 2012049301
Figure 2012049301
Figure 2012049301
Figure 2012049301

Claims (14)

  1. 下記式(1)
    Figure 2012049301
    (上記式中、Aは、ヒドロキシル基を有していてもよいアルキレン基、アリーレン基、−COO−、−CO−、−NH−、−O−、又はこれらを組み合わせた基を示し、Zは放射線硬化性官能基であり、環状エーテル基、環状エステル基、環状カーボネート基、及びビニルエーテル基から選択されたカチオン重合性基、又はラジカル重合性不飽和基を有する基を示し、R1〜R3は、同一又は異なって水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜4のアルキル基、又は置換又は非置換のアリール基を示す)
    で表される単位を有する感放射線硬化性ポリマー(P)と、放射線硬化性モノマー(M)と、放射線重合開始剤(I)とを有し、組成物中の放射線硬化性成分全量に対して、感放射線硬化性ポリマー(P)の割合が55〜95重量%、放射線硬化性モノマー(M)の割合が5〜45重量%であることを特徴とする、微細パターン形成用放射線硬化性樹脂組成物。
  2. 感放射線硬化性ポリマー(P)のうち、カチオン重合性の感放射線硬化性ポリマーが、上記式(1)中の−A−Zで表される基(式中、Zは環状エーテル基、環状エステル基、環状カーボネート基、及びビニルエーテル基から選択されたカチオン重合性基)を有するアクリル化合物および/またはビニル化合物(p1)と放射線によりカチオン重合性を有する官能基を含まないアクリル化合物および/またはビニル化合物(p2)との(p1)/(p2)のモル比が5/95〜60/40の共重合体である、請求項1記載の微細パターン形成用放射線硬化性樹脂組成物。
  3. 前記放射線重合開始剤(I)の含有量が、前記感放射線硬化性ポリマー(P)と前記放射線硬化性モノマー(M)との合計100重量部に対して0.1〜10重量部である、請求項1又は2記載の微細パターン形成用放射線硬化性樹脂組成物。
  4. 前記感放射線硬化性ポリマー(P)の重量平均分子量が3000〜50000、融点又は軟化温度が25℃以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の微細パターン形成用放射線硬化性樹脂組成物。
  5. 上記式(1)中のZが脂環式エポキシ基であり、前記放射線硬化性モノマー(M)がカチオン硬化性モノマーを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の微細パターン形成用放射線硬化性樹脂組成物。
  6. 前記アクリル化合物および/またはビニル化合物(p1)が3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートである、請求項2〜5のいずれか1項に記載の微細パターン形成用放射線硬化性樹脂組成物。
  7. 前記アクリル化合物および/またはビニル化合物(p2)が、スチレンおよび/または2−ビニルナフタレンを含む、請求項2〜6のいずれか1項に記載の微細パターン形成用放射線硬化性樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の微細パターン形成用放射線硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
  9. 基材と、該基材上に形成され、所望のパターンが形成された請求項1〜7のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物からなる薄膜とを有することを特徴とする微細構造体。
  10. 前記薄膜が放射線により硬化されている、請求項9記載の微細構造体。
  11. 基材上に、請求項1〜7のいずれか1項に記載の微細パターン形成用放射線硬化性樹脂組成物を用いて薄膜を形成する薄膜形成工程(1)と、微細パターンが形成されたモールドを該薄膜に押し付けて、該薄膜に微細パターンを転写するパターン転写工程(2)と、該モールドを該パターンが形成された薄膜から剥離する前又は剥離した後に、該パターンが形成された薄膜を放射線により架橋・硬化させる事により微細構造体を得る微細パターン形成工程(3)とを有することを特徴とする微細構造体の製造方法。
  12. 前記微細パターン形成工程(3)が、前記モールドを前記パターンが形成された薄膜から剥離した後に、該パターンが形成された薄膜を放射線により架橋・硬化させる事により微細構造体を得る工程である、請求項11記載の微細構造体の製造方法。
  13. 前記薄膜形成工程(1)が、前記硬化性樹脂組成物を、溶剤に溶解して基材上に塗布した後、加熱および/または減圧により溶剤を除去・乾燥して薄膜を形成する工程、又は、前記放射線硬化性樹脂組成物を50〜110℃にて加熱して基材上に塗布した後冷却して薄膜を形成する工程を含む、請求項11又は12記載の微細構造体の製造方法。
  14. 前記基材及び薄膜が連続したシート状であり、前記パターン転写工程(2)が、微細パターンが形成されたモールドをロールを介して該薄膜に押し付けて、該薄膜に微細パターンを連続的に転写する工程である、請求項11〜13のいずれか1項に記載の微細構造体の製造方法。
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