JP2012048834A - 燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法 - Google Patents

燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2012048834A
JP2012048834A JP2010187027A JP2010187027A JP2012048834A JP 2012048834 A JP2012048834 A JP 2012048834A JP 2010187027 A JP2010187027 A JP 2010187027A JP 2010187027 A JP2010187027 A JP 2010187027A JP 2012048834 A JP2012048834 A JP 2012048834A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel cell
cooling medium
temperature
control
circulation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010187027A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5728850B2 (ja
Inventor
Yasushi Araki
康 荒木
Osamu Hamanoi
修 浜野井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2010187027A priority Critical patent/JP5728850B2/ja
Publication of JP2012048834A publication Critical patent/JP2012048834A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5728850B2 publication Critical patent/JP5728850B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、冷却媒体循環系の制御により燃料電池の温度に起因する不具合の発生を抑制する技術の向上を図ることを目的とする。
【解決手段】燃料電池システムは、燃料電池と、燃料電池の内部に冷却媒体を循環させる冷却媒体循環系と、燃料電池に供給される冷却媒体の温度である供給冷媒温度を検出する供給冷媒温度検出部と、燃料電池の内部の温度である燃料電池内部温度を推定する燃料電池内部温度推定部と、冷却媒体循環系を駆動させて、燃料電池の内部に冷却媒体を循環させる循環制御と、冷却媒体循環系を停止させて、燃料電池の内部における冷却媒体の循環を停止させる停止制御と、を交互に繰り返す制御部と、を備え、制御部は、停止制御を実行しているときに、燃料電池内部温度と供給冷媒温度との温度差が第1の閾値以上になると、実行する制御を循環制御に切り替える。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法に関する。
一般に、固体高分子型燃料電池等の燃料電池は、燃料電池に冷却媒体を循環させて燃料電池を冷却するための冷却媒体循環系を含む燃料電池システムの形態で利用される。この冷却媒体循環系は、例えば、燃料電池に冷却媒体を供給するための配管やポンプ、冷却媒体を冷却するためのラジエータ等を含んで構成されている。
この燃料電池システムにおいて、例えば、燃料電池の内部が氷点下となっている場合には、発電時であっても、一時的に燃料電池への冷却媒体の供給を停止させるなど、燃料電池システムの状態に応じて冷却媒体循環系を制御することで燃料電池の温度を調節する技術が知られている(特許文献1)。冷却媒体循環系を制御して燃料電池の温度を調節することで、燃料電池の温度に起因する発電効率の低下や破損などの不具合の発生を抑制することができる。
特開2005−276568号公報 特開2007−42417号公報 特開2006−114336号公報
しかし、燃料電池の温度に起因する不具合の発生を抑制するために冷却媒体循環系を制御する技術については、なお改善の余地があり、従来の技術では、必ずしも十分に不具合の発生が抑制されない虞があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、冷却媒体循環系の制御により燃料電池の温度に起因する不具合の発生を抑制する技術の向上を図ることを目的とする。
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本願発明は、以下の態様または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
燃料電池システムであって、
燃料電池と、
前記燃料電池に冷却媒体を供給するとともに、前記燃料電池から排出された冷却媒体を冷却して再度前記燃料電池に供給することにより、前記燃料電池の内部に前記冷却媒体を循環させる冷却媒体循環系と、
前記燃料電池に供給される冷却媒体の温度である供給冷媒温度を検出する供給冷媒温度検出部と、
前記燃料電池の内部の温度である燃料電池内部温度を推定する燃料電池内部温度推定部と、
前記冷却媒体循環系を駆動させて、前記燃料電池の内部に前記冷却媒体を循環させる循環制御と、前記冷却媒体循環系を停止させて、前記燃料電池の内部における前記冷却媒体の循環を停止させる停止制御と、を交互に繰り返す制御部と、を備え、
前記制御部は、停止制御を実行しているときに、前記燃料電池内部温度と前記供給冷媒温度との温度差が第1の閾値以上になると、実行する制御を前記循環制御に切り替える、燃料電池システム。
この構成によれば、燃料電池システムの制御部は、燃料電池内部温度と供給冷媒温度との温度差が第1の閾値以上となったときに、実行する制御を停止制御から循環制御に切り替えるため、燃料電池の温度に起因する不具合の発生を抑制することができる。
[適用例2]
適用例1に記載の燃料電池システムはさらに、
前記燃料電池から排出される冷却媒体の温度である排出冷媒温度を検出する排出冷媒温度検出部を備え、
前記制御部は、前記循環制御を実行しているときに、前記排出冷媒温度の単位時間当たりの変化量が第2の閾値以下となり、かつ、前記燃料電池内部温度が第3の閾値以下となると、実行する制御を前記停止制御に切り替える、燃料電池システム。
この構成によれば、燃料電池システムの制御部は、排出冷媒温度の単位時間当たりの変化量が第2の閾値以下となり、かつ、燃料電池内部温度が第3の閾値以下となると、実行する制御を循環制御から停止制御に切り替えるため、燃料電池の温度に起因する不具合の発生を抑制することができる。
[適用例3]
適用例1に記載の燃料電池システムはさらに、
前記燃料電池から排出される冷却媒体の温度である排出冷媒温度を検出する排出冷媒温度検出部を備え、
前記制御部は、前記循環制御を実行しているときに、前記排出冷媒温度の単位時間当たりの変化量が第2の閾値以下となり、かつ、前記排出冷媒温度が第4の閾値以下となると、実行する制御を前記停止制御に切り替える、燃料電池システム。
この構成によれば、燃料電池システムの制御部は、排出冷媒温度の単位時間当たりの変化量が第2の閾値以下となり、かつ、排出冷媒温度が第4の閾値以下となると、実行する制御を循環制御から停止制御に切り替えるため、燃料電池の温度に起因する不具合の発生を抑制することができる。
[適用例4]
適用例1に記載の燃料電池システムにおいて、
前記制御部は、前記循環制御を実行しているときに、前記冷却媒体循環系の駆動により、前記燃料電池に供給される冷却媒体の供給量が前記燃料電池の内部における冷却媒体の収容容量を超えると、実行する制御を前記停止制御に切り替える、燃料電池システム。
この構成によれば、燃料電池システムの制御部は、燃料電池に供給される冷却媒体の供給量が燃料電池の内部における冷却媒体の収容容量を超えると、実行する制御を循環制御から停止制御に切り替えるため、燃料電池の温度に起因する不具合の発生を抑制することができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、燃料電池、燃料電池システム、燃料電池および燃料電池システムの制御方法等の形態で実現することができる。
本発明の第1実施例における燃料電池システムの概略構成を示す説明図である。 第1実施例における停止制御の流れを示すフローチャートである。 停止制御時におけるセルの温度分布を説明するための説明図である。 第1実施例における循環制御の流れを示すフローチャートである。 冷却媒体間欠制御時における燃料電池の温度変化を説明するための説明図である。 停止制御時における燃料電池システムの状態を説明するための説明図である。 循環制御の初期段階における燃料電池システムの状態を説明するための説明図である。 循環制御から停止制御への切り替え時における燃料電池システムの状態を説明するための説明図である。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
A.第1実施例:
A−1.燃料電池システムの概略構成:
図1は、本発明の第1実施例における燃料電池システムの概略構成を示す説明図である。燃料電池システム10は、燃料電池100と、燃料電池100に水素ガスを供給する水素ガス供給排出系50と、燃料電池100に酸素を含む空気を供給する酸化ガス供給排出系60と、冷却媒体を循環させて燃料電池100を冷却する冷却媒体循環系70と、燃料電池システム10全体の制御をおこなう制御部80を含んでいる。
燃料電池100は、水素と酸素との電気化学反応によって発電をおこなう。燃料電池100としては種々の種類の燃料電池を用いることが可能であるが、本実施例では、燃料電池100として固体高分子型燃料電池を用いている。燃料電池100は、複数のセル140がセパレータを介して積層されたスタック構造を有している。セル140は燃料電池100における発電を行う単位モジュールであり、各セル140は、電解質膜の各面にアノードおよびカソードの電極が形成された膜電極接合体(MEAとも呼ばれる)を含んでいる。各セル140は、さらに、MEAを挟むように配置され、反応ガスとしての水素ガスおよび空気を拡散させつつMEAに供給するガス拡散層を含んでいる。燃料電池100の各セル140は、水素ガスと空気に含まれる酸素との電気化学反応により発電を行う。なお、本実施例において、各セル140の構成や仕様は互いに同一である。
本実施例の燃料電池100は、少なくとも一部のセル140において、セル140を流れる電流の電流値(以後「セル電流値Ic」とも呼ぶ)を検出する電流センサ151と、セル140に生じる電圧の電圧値(以後「セル電圧値Vc」とも呼ぶ)を検出する電圧センサ152とを備えている。電流センサ151は、セル140、および、セル140の両端と接続された抵抗値が既知の抵抗部153と直列に配置され、電圧センサ152は、セル140、および、抵抗部153と並列に配置されている。
水素ガス供給排出系50は、水素タンク51と、減圧弁52と、水素ガス供給路53と、圧力調整弁54と、アノード排ガス路55と、水素ポンプ56と、排ガス排出路57と、開閉弁58とを含んでいる。水素ガス供給排出系50は、水素タンク51に貯蔵された燃料ガスとしての水素を減圧弁52によって減圧した後に水素ガス供給路53に放出する。また、水素ガス供給排出系50は、水素ガス供給路53に放出された水素を水素ガス供給路53に設けられた圧力調整弁54によって所定の圧力に調整して、燃料電池100のアノードに供給する。一方、水素ガス供給排出系50は、アノード排ガス路55に排出されるアノード排ガスを水素ポンプ56によって再び水素ガス供給路53に供給する。また、水素ガス供給排出系50は、アノード排ガス路55から分岐した排ガス排出路57に設けられた開閉弁58を開状態とすることで、アノード排ガスの一部を外部に排出することができる。
酸化ガス供給排出系60は、エアコンプレッサ61と、酸化ガス供給路62と、カソード排ガス路63とを含んでいる。酸化ガス供給排出系60は、外部から取り込んだ酸化ガスとしての空気をエアコンプレッサ61により加圧し、酸化ガス供給路62を介して燃料電池100のカソードに供給する。また、酸化ガス供給排出系60は、カソード排ガス路63に排出されるカソード排ガスをカソード排ガス路63から燃料電池100の外部に排出する。
冷却媒体循環系70は、ラジエータ71と、冷却媒体循環ポンプ72と、冷却媒体供給流路73と、冷却媒体排出流路74と、バイパス流路75と、ロータリ弁76と、供給側温度センサ77と、排出側温度センサ78とを含んでいる。冷却媒体供給流路73は、上流側の端部がラジエータ71に接続され、下流側の端部が燃料電池100の図示しない冷却媒体供給口に接続されている。冷却媒体供給流路73には、上流側から下流側に向かって順に、ロータリ弁76、冷却媒体循環ポンプ72、供給側温度センサ77がこの順に配置されている。一方、冷却媒体排出流路74は、上流側の端部が燃料電池100の図示しない冷却媒体排出口に接続され、下流側の端部がラジエータ71に接続されている。冷却媒体排出流路74には、排出側温度センサ78が配置されている。バイパス流路75は、上流側の端部が冷却媒体排出流路74に接続され、下流側の端部がロータリ弁76と接続されている。
冷却媒体循環系70は、ラジエータ71により冷却された冷却媒体を冷却媒体循環ポンプ72により圧送し、冷却媒体供給流路73を介して燃料電池100に供給する。燃料電池100に供給された冷却媒体は、図示しない冷却媒体供給口から冷媒供給マニホールドMsを介して各セル140に導かれ、各セル140を冷却する。各セル140を冷却した後の冷却媒体は、冷媒排出マニホールドMeを介して集約され、図示しない冷却媒体排出口から冷却媒体排出流路74に排出される。
冷却媒体循環系70は、燃料電池100から冷却媒体排出流路74に排出された冷却媒体をラジエータ71に循環させる。冷却媒体循環系70は、ラジエータ71に循環された冷却媒体を再び燃料電池100に供給する。なお、冷却媒体循環系70は、ロータリ弁76の切り替えにより、燃料電池100から冷却媒体排出流路74に排出された冷却媒体を再び燃料電池100に供給するときに、ラジエータ71を経由させずに冷却媒体供給流路73から燃料電池100に供給することもできる。
供給側温度センサ77は、冷却媒体供給流路73の下流側端部付近、すなわち、燃料電池100の図示しない冷却媒体供給口付近に配置され、燃料電池100に供給される冷却媒体の温度(以後「供給冷却媒体温度TIN」とも呼ぶ)を検出する。排出側温度センサ78は、冷却媒体排出流路74の上流側端部付近、すなわち、燃料電池100の図示しない冷却媒体排出口付近に配置され、燃料電池100から排出される冷却媒体の温度(以後「排出冷却媒体温度TOUT」とも呼ぶ)を検出する。なお、本実施例で使用される冷却媒体としては、水のほか、水とエチレングリコールとの混合液などを用いることができる。
制御部80は、図示しないCPUやメモリ等を備えたコンピュータである。制御部80は、電流センサ151、電圧センサ152、供給側温度センサ77、排出側温度センサ78のほか、燃料電池システム10の各部に配された温度センサや圧力センサ、電圧計等からの信号を受領し、受領した信号に基づき燃料電池システム10全体の制御を行う。
本実施例における制御部80は、セル電流値Icとセル電圧値Vcから、燃料電池100の内部温度TFを推定する温度推定部81を備えている。また、制御部80は、冷却媒体循環系70の制御において、冷却媒体循環ポンプ72を駆動させて燃料電池100に冷却媒体を循環させる循環制御と、冷却媒体循環ポンプ72の駆動を停止させて燃料電池100への冷却媒体の循環を停止させる停止制御とを交互に繰り返す冷却媒体間欠循環制御をおこなう。制御部80は、この冷却媒体間欠循環制御において、温度推定部81により推定した燃料電池100の内部温度TFや、供給冷却媒体温度TINや、排出冷却媒体温度TOUTに応じて、循環制御と、停止制御との切り替えをおこなう。冷却媒体間欠循環制御の具体的な内容と、温度推定部による燃料電池の内部温度TFの推定方法について、以下で説明する。
A−2.冷却媒体間欠循環制御:
制御部80は、燃料電池100の起動とともに冷却媒体間欠循環制御を開始する。制御部80は、冷却媒体間欠循環制御を開始すると、まず、停止制御をおこなう。停止制御では、制御部80は、冷却媒体循環ポンプ72の駆動を停止させて燃料電池100への冷却媒体の循環を停止させるとともに、燃料電池100の内部温度TFの推定し、推定した内部温度TFと、供給冷却媒体温度TINを用いて、図2に示すように停止制御から循環制御への切り替えをおこなうか否かの判定をおこなう。また、制御部80は、燃料電池100の起動時に供給側温度センサ77から供給冷却媒体温度TINを取得する。以後、起動時の供給冷却媒体温度TINを「起動時供給冷却媒体温度TIN0」とも呼ぶ。起動時供給冷却媒体温度TIN0は、起動時の燃料電池100の内部温度TF0と等しい。
図2は、第1実施例における停止制御の流れを示すフローチャートである。制御部80の温度推定部81は、燃料電池100の内部の温度を推定するために、電流センサ151および電圧センサ152から、時間Tiにおけるセル電流値Iciとセル電圧値Vciを取得する(ステップS101)。
温度推定部81は、取得したセル電流値Iciとセル電圧値Vciを用いてセル140の単位時間当たりの発熱量Qci(J/s)を算出する(ステップS102)。発熱量Qciは、セル電流値Iciとセル電圧値Vciを用いて、以下の式(1)により算出することができる。
Qci={(1−0.798Vci)×241.82}×(Ici/96485/2)×1000 ・・・(1)
ここで、式(1)の算出根拠を以下に簡単に示す。まず、水素の持つ化学エネルギーは、LHV換算で241.82(kJ/mol)であることから、燃料電池において化学反応に用いられた水素1molあたりの発熱量Qmol(kJ/mol)は、燃料電池の変換効率ηcellを用いて以下の式(2)により表すことができる。
Qmol=(1−ηcell)×241.82 ・・・(2)
燃料電池の変換効率ηcellは、セル電圧値Vcを用いて以下の式(3)により算出することができる。
ηcell=0.798×Vc ・・・(3)
式(2)、(3)から以下の式(4)を導くことができる。
Qmol=(1−0.798×Vc)×241.82 ・・・(4)
また、燃料電池における単位時間あたりの水素の反応量H2(mol/s)は、セル電流値Icを用いて以下の式(5)により表すことができる。
H2=Ic/96485/2 ・・・(5)
式(4)と式(5)との積により式(1)を導くことができる。
温度推定部81は、セル140の熱容量Ccell(J/K)を取得する(ステップS103)。セル140の熱容量Ccellは、セル140の構成や材料、形状などにより決まるため、本実施例では、セル140の熱容量Ccellに相当する設定値が、制御部80の図示しないメモリに予め記憶されている。そのため、温度推定部81は、メモリからこの設定値を読み出すことにより、熱容量Ccellを取得する。
温度推定部81は、セル140の単位時間当たりの温度上昇値ΔTci(K/s)を算出する(ステップS104)。具体的には、温度推定部81は、セル140の単位時間当たりの発熱量Qciと、セル140の熱容量Ccellを用いて温度上昇値ΔTciを算出する。温度上昇値ΔTciは、セル140の単位時間当たりの発熱量Qciと、セル140の熱容量Ccellを用いて以下の式(6)により算出することができる。
ΔTci=Qci/Ccell ・・・(6)
温度推定部81は、積算温度上昇値ΔTTi(K)を算出する(ステップS105)。温度推定部81は、ステップS104において算出される温度上昇値ΔTci(i=1,2,・・・i)を積算することにより積算温度上昇値ΔTTiを算出する。具体的には、温度推定部81は、今回(時間Ti)のルーチンにおける積算温度上昇値ΔTTi(K)を算出するにあたり、起動後初回(時間T1)のルーチンにおいて算出された温度上昇値ΔTc1から、前回(時間Ti−1)のルーチンにおいて算出された温度上昇値ΔTci−1までを積算する。すなわち、積算温度上昇値ΔTTiは、前回(時間Ti−1)のステップS105で算出した積算温度上昇値ΔTTi−1と、今回(時間Ti)のステップS104で算出した温度上昇値ΔTciとを用いて、以下の式(7)により算出することができる。
ΔTTi=ΔTTi−1+ΔTci ・・・(7)
積算温度上昇値ΔTTiは、起動時における燃料電池100の内部温度TF0と、現在(時間Ti)の燃料電池100の内部温度TFiとの差に相当するため、積算温度上昇値ΔTTiに、起動時の燃料電池100の内部温度TF0(起動時供給冷却媒体温度TIN0)を足すことにより現在の燃料電池100の内部温度TFi(=TIN0+ΔTTi)(℃)を推定することができる。よって、温度推定部81による積算温度上昇値ΔTTiの算出は、燃料電池100の内部温度TFiの推定に相当する。以上により、温度推定部81による燃料電池100の内部の温度の推定が終了する。
続いて、制御部80は、セルの面内における温度差である面内温度差TDiが、許容範囲か否かの判定をおこなう(ステップS111)。図3は、停止制御時におけるセルの温度分布を説明するための説明図である。図3に示すように、セル140は、MEAを含む発電部の中央部付近の温度が上記で推定した燃料電池100の内部温度TFi(=TIN0+ΔTTi)に該当する。一方、セル140の冷媒供給マニホールドMs付近の温度は、供給冷却媒体温度TINにより推定することができる。よって、セル140の時間Tiにおける面内温度差TDiは、以下の式(8)により算出することができる。
TDi=(TIN0+ΔTTi)−TINi ・・・(8)
または、TDi=ΔTTi−(TINi―TIN0)
ここで、現在供給冷却媒体温度TINiは、時間Tiにおいて供給側温度センサ77から取得した供給冷却媒体温度をいう。
制御部80は、面内温度差TDiを算出すると、セル140の面内において許容可能な温度差である面内許容温度差TA(℃)との比較をおこなう。面内許容温度差TAは、例えば、60℃程度として予め設定可能な設定値であり、制御部80の図示しないメモリに予め記憶されている。本実施例における面内許容温度差TAは、特許請求の範囲における「第1の閾値」に該当する。
面内温度差TDiが面内許容温度差TA以上の場合には(ステップS111:NO)、面内の温度差により生じる歪みによりシール不良などの不具合が発生するおそれがあるため、制御部80は、停止制御から循環制御への切り替えをおこなう(ステップS115)。すなわち、制御部80は、冷却媒体循環ポンプ72を駆動させて燃料電池100に冷却媒体を循環させる。これにより、セル140は冷却され、面内温度差の低下により面内の歪みが緩和される。
一方、面内温度差TDiが面内許容温度差TAより小さい場合には(ステップS111:YES)、制御部80は、直ちには停止制御から循環制御への切り替えをおこなわない。しかし、面内温度差TDiが面内許容温度差TAより小さい場合であっても、燃料電池100の内部温度TFiが所定の温度より高い場合には、高温化による不具合が発生するおそれがある。よって、制御部80は、燃料電池の内部温度TFiが所定の温度より高いか否かを判定するために、まず、燃料電池100の内部温度TFi(℃)の推定をおこなう(ステップS112)。上述したように、内部温度TFiは以下の式(9)により推定することができる。
TFi=TIN0+ΔTTi ・・・(9)
制御部80は、燃料電池100の内部温度TFiを算出すると、燃料電池100の内部温度TFiが所定の温度まで上昇しているか否かの判定をおこなう(ステップS113)。具体的には、制御部80は、燃料電池100が許容可能な上限温度である許容上限温度TB(℃)と、内部温度TFiとの比較をおこなう。許容上限温度TBは、例えば、80℃程度として予め設定可能な設定値であり、制御部80の図示しないメモリに予め記憶されている。
内部温度TFiが許容上限温度TBよりも大きい場合には(ステップS113:NO)、燃料電池の高温化による不具合が発生するおそれがあるため、制御部80は、停止制御から循環制御への切り替えをおこなう(ステップS115)。すなわち、制御部80は、冷却媒体循環ポンプ72を駆動させて燃料電池100に冷却媒体を循環させる。これにより、燃料電池100は冷却され、燃料電池100の内部温度が低下する。
一方、内部温度TFiが許容上限温度TB以下の場合には(ステップS113:YES)、ステップS101に戻り、制御部80は、時間Ti+1におけるセル電流値Ici+1とセル電圧値Vci+1を取得する(ステップS101)。制御部80は、停止制御時において、停止制御から循環制御への切り替えをおこなうまで上記のルーチンを繰り返す。以上が制御部80による停止制御についての説明である。
次に、冷却媒体間欠循環制御において、停止制御から循環制御への切り替えの後になされる、制御部80による循環制御について説明する。循環制御では、制御部80は、冷却媒体循環ポンプ72を駆動させて燃料電池100に冷却媒体を循環させるとともに、供給冷却媒体温度TINと、排出冷却媒体温度TOUTとを用いて、図4に示すように循環制御から停止制御への切り替えをおこなうか否かの判定をおこなう。
図4は、第1実施例における循環制御の流れを示すフローチャートである。制御部80は、供給側温度センサ77および排出側温度センサ78から、時間Tjにおける供給冷却媒体温度TINjと排出冷却媒体温度TOUTjを取得する(ステップS201)。
制御部80は、取得した供給冷却媒体温度TINjと排出冷却媒体温度TOUTjを用いて、時間Tjにおける燃料電池100の内部温度TFjを推定する(ステップS202)。具体的には、制御部80は、以下の式(10)に示すように、供給冷却媒体温度TINjと排出冷却媒体温度TOUTjとの平均値から燃料電池100の内部温度TFjを推定する。
TFj=(TINj+TOUTj)/2 ・・・(10)
循環制御時には、燃料電池100の内部を循環した後の冷却媒体が図示しない冷却媒体排出口から排出されるため、排出冷却媒体温度TOUTのみから内部温度TFを推定できるとも考えられる。しかし、循環制御を開始した初期の段階では、冷却媒体排出口から排出される冷却媒体は停止制御時に燃料電池100の内部で加熱されているため、排出冷却媒体温度TOUTを燃料電池の内部温度TFとみなすことはできない。よって、供給冷却媒体温度TINjと排出冷却媒体温度TOUTjとの平均値を燃料電池100の内部温度TFjと推定することで、精度よく内部温度TFjを推定することができる。
制御部80は、排出冷却媒体温度TOUTが下降しているか否かを判定する(ステップS203)。すなわち、燃料電池100への冷却媒体の循環により、燃料電池100から排出される冷却媒体の温度が低下しているか否かを判定する。制御部80は、排出冷却媒体温度TOUTの単位時間あたりの変化量を示す排出冷却媒体温度変化量ΔTOUTを算出し、排出冷却媒体温度変化量ΔTOUTが負の値(<0)か否かを判定する。本実施例における、負の値(<0)は、特許請求の範囲における、「第2の閾値」に該当する。時間Tjにおける排出冷却媒体温度変化量ΔTOUTjは、今回(時間Tj)取得した排出冷却媒体温度TOUTjと、前回(時間Tj−1)取得した排出冷却媒体温度TOUTj−1とを用いて式(11)により算出される。
ΔTOUTj=TOUTj−TOUTj−1 ・・・(11)
排出冷却媒体温度TOUTが下降していない場合、すなわち、排出冷却媒体温度変化量ΔTOUTが正の値の場合には(ステップS203:NO)、ステップS201に戻り、制御部80は、時間Tj+1における供給冷却媒体温度TINj+1と排出冷却媒体温度TOUTj+1を取得する(ステップS201)。すなわち、排出冷却媒体温度TOUTが下降していない場合には、同じルーチンが再度実行されるため、冷却媒体の循環による燃料電池100の冷却が継続される。排出冷却媒体温度TOUTが下降していないときに冷却媒体の循環を継続する理由については後述する。
一方、排出冷却媒体温度TOUTが下降している場合、すなわち、排出冷却媒体温度変化量ΔTOUTが負の値の場合には(ステップS203:YES)、制御部80は、まず、ステップS202で推定した燃料電池100の内部温度TFjを、次回の停止制御時における当初の燃料電池100の内部温度TF0として用いるために図示しないメモリに記憶する(ステップS204)。
また、制御部80は、冷却媒体の循環により、燃料電池100の内部温度TFjが所定の温度まで低下しているか否かの判定をおこなう(ステップS205)。具体的には、制御部80は、燃料電池100の内部温度TFjが許容下限温度TC以下か否かについての判定をおこなう。許容下限温度TCは、例えば、5℃程度として予め設定可能な設定値であり、制御部80の図示しないメモリに予め記憶されている。本実施例における許容下限温度TCは、特許請求の範囲における「第3の閾値」に該当する。
内部温度TFjが許容下限温度TCより大きい場合には(ステップS205:NO)、ステップS201に戻り、制御部80は、時間Tj+1における供給冷却媒体温度TINj+1と排出冷却媒体温度TOUTj+1を取得する(ステップS201)。すなわち、内部温度TFjが許容下限温度TCより大きい場合には、冷却媒体の循環による燃料電池100の冷却が十分ではないため、同じルーチンが再度実行されて、冷却媒体の循環による燃料電池100の冷却が継続される。
一方、内部温度TFjが許容下限温度TC以下の場合には(ステップS205:YES)、冷却媒体の循環による燃料電池100の冷却が十分になされているため、制御部80は、循環制御から停止制御への切り替えをおこなう(ステップS206)。以上が制御部80による循環制御についての説明である。
A−3.効果例:
上記で説明した停止制御と循環制御とを含む冷却媒体間欠制御をおこなうことによる効果の一例について図5〜図8を用いて説明する。図5は、冷却媒体間欠制御時における燃料電池の温度変化を説明するための説明図である。図6は、停止制御時における燃料電池システムの状態を説明するための説明図である。図7は、循環制御の初期段階における燃料電池システムの状態を説明するための説明図である。図8は、循環制御から停止制御への切り替え時における燃料電池システムの状態を説明するための説明図である。図6〜図8では、燃料電池システム10の各部位おける温度を「極低温」「低温」「高温」「極高温」の4段階で示している。また、図6〜図8では、セルの面内の温度分布により生じる燃料電池100の変形状態が模式的に示されている。
停止制御時には、冷却媒体の循環が規制されているため、式(7)で示す積算温度上昇値ΔTTiは、時間の経過とともに上昇する。そのため、燃料電池100の内部温度TFi(=TIN0+ΔTTi)についても、図5に示すように、時間の経過とともに上昇する。一方、セル140の冷媒供給マニホールドMs付近の温度(=供給冷却媒体温度TIN)は、ほぼ一定である。よって、式(8)で示す面内温度差TDiは、時間の経過とともに増大する。面内温度差TDiが増大すると、燃料電池100は、図6に示すように、セルの中央部付近が熱膨張による荷重変化で変形してしまう。この変形により性能低下や耐久性悪化が生じる。しかし、本実施例の冷却媒体間欠制御では、制御部80は、面内温度差TDiが面内許容温度差TA以上となったときに停止制御から循環制御への切り替えをおこなうため、熱膨張による変形に伴う不具合が発生を抑制することができる。
循環制御時が開始された初期の段階では、停止制御時に燃料電池100の内部で加熱された冷却媒体が冷却媒体排出口から排出されるため、図5に示すように、排出冷却媒体温度TOUTが上昇する。また、冷却媒体供給口から供給される冷却媒体は、燃料電池100の一部のみを冷却するため、燃料電池100は、図7に示すように、セル140の冷媒供給マニホールドMs付近は極低温となる。一方、セル140の冷媒排出マニホールドMe付近は、供給された冷却媒体が到達せず高温のままとなる。これにより、燃料電池100は、冷媒供給マニホールドMs付近が膨張し、冷媒排出マニホールドMe付近が収縮した変形が生じる。
しかし、本実施例の冷却媒体間欠制御では、排出冷却媒体温度TOUTが下降していない場合や、燃料電池100の内部温度TFjが許容下限温度TCより大きい場合には、制御部80は循環制御を継続するため、循環制御が開始して冷却媒体供給口から供給された冷却媒体が燃料電池100の内部を循環して冷却媒体排出口から排出される前に、制御部80が実行する制御を停止制御に切り替えることを規制することができる。これにより、図7に示すように、燃料電池100の冷媒供給マニホールドMs付近が膨張し、冷媒排出マニホールドMe付近が収縮した状態で、冷却媒体間欠制御が循環制御から停止制御に切り替えられ、変形状態が解消されないままとなる不具合の発生を抑制することができる。
本実施例の冷却媒体間欠制御では、制御部80は、排出冷却媒体温度TOUTが下降し、かつ、燃料電池100の内部温度TFjが許容下限温度TC以下となったときに循環制御から停止制御への切り替えをおこなうため、十分に燃料電池100が冷却され、図8に示すように、熱膨張による変形が解消された状態において、冷却媒体間欠制御を循環制御から停止制御に切り替えることができる。
以上説明したように、本実施例の燃料電池システム10によれば、制御部80は、燃料電池100の内部温度TFiと供給冷却媒体温度TINとの温度差である面内温度差TDiが、面内許容温度差TA以上となったときに、実行する制御を停止制御から循環制御に切り替えるため、燃料電池の温度に起因する不具合の発生を抑制することができる。具体的には、図6を用いて上述したように、面内温度差TDiが増大すると、燃料電池100は、セルの中央部付近が熱膨張によって孕むように変形が生じる。しかし、本実施例の冷却媒体間欠制御では、制御部80は、面内温度差TDiが面内許容温度差TA以上となったときに停止制御から循環制御への切り替えをおこなうため、変形に伴う不具合が発生する前に変形を抑制することができる。
従来から、氷点下起動時に冷却媒体の循環を停止させて燃料電池の昇温を早める技術が知られている。しかし、従来の技術は、MEAの熱劣化を防止する観点から、燃料電池の内部温度に上限値を設定する技術であり、本発明のように、セルの面内に生じる温度差に起因する不具合については着目されていなかった。本発明は、セルの面内に生じる温度差を示す面内温度差TDiが、面内許容温度差TA以上となったときに、実行する制御を停止制御から循環制御に切り替えることにより、セルの温度分布に起因する不具合の発生を抑制することができる。セルの温度分布に起因する不具合とは、例えば、燃料電池を構成する構成部材の熱膨張率の差と、セルの面内の温度分布により、セル積層方向の荷重分布が変化することによる変形などの不具合が生じることをいう。
本実施例の燃料電池システム10によれば、制御部80は、排出冷却媒体温度変化量ΔTOUTが負の値(<0)となり、かつ、燃料電池の内部温度TFjが許容下限温度TC以下となると、実行する制御を循環制御から停止制御に切り替えるため、燃料電池の温度に起因する不具合の発生を抑制することができる。具体的には、図5、図7を用いて上述したように、排出冷却媒体温度変化量ΔTOUTが正の値(>0)の場合、燃料電池100は、冷媒供給マニホールドMs付近が膨張し、冷媒排出マニホールドMe付近が収縮した状態となる。本実施例の冷却媒体間欠制御では、制御部80は、排出冷却媒体温度変化量ΔTOUTが負の値(<0)となったときに、実行する制御を循環制御から停止制御に切り替えるため、図8に示すように、冷却媒体により十分に燃料電池100が冷却することができる。これにより、局所的に高温部が残ることによる不具合の発生を抑制することができる。局所的に高温部が残ることによる不具合とは、上述と同様にガスケットのリップ部のシール線圧が不足してガスの耐圧が低下するような不具合をいう。
B.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
B1.変形例1:
本実施例では、循環制御時に、排出冷却媒体温度TOUTが下降し(ステップS203:YES)、かつ、内部温度TFjが許容下限温度TC以下の場合には(ステップS205:YES)、制御部80は、循環制御から停止制御への切り替えをおこなう構成として説明したが、セルの面内において局所的な高温部の発生が抑制される構成であれば、循環制御から停止制御に切り替えるための条件は、上記以外に任意に設定することができる。例えば、循環制御時に、排出冷却媒体温度TOUTが下降し、かつ、排出冷却媒体温度TOUTjが排出冷却媒体下限温度TE以下の場合には、循環制御から停止制御に切り替える構成としてもよい。ここで、排出冷却媒体下限温度TEは、10℃程度として予め設定可能な設定値であり、制御部80の図示しないメモリに予め記憶されている構成としてもよい。なお、変形例1における、排出冷却媒体下限温度TEは、特許請求の範囲における、「第4の閾値」に該当する。
また、他の例として、循環制御が開始して冷却媒体供給口から供給された冷却媒体が燃料電池100の内部を循環して冷却媒体排出口から排出されるまで、循環制御を継続する構成としてもよい。具体的には、循環制御時に、制御部80は、冷却媒体循環系70を駆動させて、燃料電池100に供給した冷却媒体の供給量Csが、燃料電池100の内部における冷却媒体の収容容量Ccを超える(Cs>Cc)と、実行する制御を前記停止制御に切り替える構成としてもよい。このようにすることで、冷却媒体供給口から供給される冷却媒体が燃料電池100の一部のみを冷却し、図7に示すように、セル140の冷媒供給マニホールドMs付近は極低温となる一方で、セル140の冷媒排出マニホールドMe付近は、供給された冷却媒体が到達せず高温のままとなる状態の発生を抑制することができる。
また、他の例として、供給冷却媒体温度TINと排出冷却媒体温度TOUTとの温度差である供給排出温度差TGが供給排出温度差下限値TGBより小さくなる(TG<TGB)と、実行する制御を前記停止制御に切り替える構成としてもよい。このようにしても、冷却媒体供給口から供給される冷却媒体が燃料電池100の一部のみを冷却し、図7に示すように、セル140の冷媒供給マニホールドMs付近は極低温となる一方で、セル140の冷媒排出マニホールドMe付近は、供給された冷却媒体が到達せず高温のままとなる状態の発生を抑制することができる。
B2.変形例2:
本実施例では、循環制御時に、排出冷却媒体温度TOUTが下降し(ステップS203:YES)、かつ、内部温度TFjが許容下限温度TC以下の場合には(ステップS205:YES)、制御部80は、循環制御から停止制御への切り替えをおこなう構成として説明したが、排出冷却媒体温度TOUTが下降すれば、内部温度TFjに関係なく、制御部80は、循環制御から停止制御への切り替えをおこなう構成としてもよい、また、内部温度TFjが許容下限温度TC以下の場合には、排出冷却媒体温度TOUTが下降したか否かに関係なく、制御部80は、循環制御から停止制御への切り替えをおこなう構成としてもよい。図5に示すように、排出冷却媒体温度TOUTの下降と内部温度TFjには相関性があるため、これらの場合であっても、循環制御から停止制御への切り替え時に、セルに局所的な高温部が残る不具合の発生を抑制することができる。
B3.変形例3:
本実施例では、式(8)に示すように、面内温度差TDiは、TDi=(TIN0+ΔTTi)−TINiとしているが、起動時供給冷却媒体温度TIN0や、現在供給冷却媒体温度TINiを考慮せずに、TDi=ΔTTiとしてもよい。この場合であっても、面内の温度差により生じる不具合の発生を抑制することができる。
B4.変形例4:
上記実施例では、停止制御時における、停止制御から循環制御への切り替え判定と、循環制御時における、循環制御から停止制御への切り替え判定について説明したが、本発明は、上記2つの判定の一方のみを実施する燃料電池システムとしても実現することができる。この場合であっても、いずれか一方の実施により、面内の温度差により生じる不具合の発生を抑制することができる。
B5.変形例5:
上記各実施例では、燃料電池システム10のみについて説明したが、本発明は、燃料電池システム10を有する電気自動車や、燃料電池システム10を電気自動車用以外の他の装置に組み込んで実現することも可能である。また、上記各実施例における燃料電池システム10の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。
10…燃料電池システム
50…水素ガス供給排出系
51…水素タンク
52…減圧弁
53…水素ガス供給路
54…圧力調整弁
55…アノード排ガス路
56…水素ポンプ
57…排ガス排出路
58…開閉弁
60…酸化ガス供給排出系
61…エアコンプレッサ
62…酸化ガス供給路
63…カソード排ガス路
70…冷却媒体循環系
71…ラジエータ
72…冷却媒体循環ポンプ
73…冷却媒体供給流路
74…冷却媒体排出流路
75…バイパス流路
76…ロータリ弁
77…供給側温度センサ
78…排出側温度センサ
80…制御部
81…温度推定部
100…燃料電池
140…セル
151…電流センサ
152…電圧センサ
153…抵抗部

Claims (5)

  1. 燃料電池システムであって、
    燃料電池と、
    前記燃料電池に冷却媒体を供給するとともに、前記燃料電池から排出された冷却媒体を冷却して再度前記燃料電池に供給することにより、前記燃料電池の内部に前記冷却媒体を循環させる冷却媒体循環系と、
    前記燃料電池に供給される冷却媒体の温度である供給冷媒温度を検出する供給冷媒温度検出部と、
    前記燃料電池の内部の温度である燃料電池内部温度を推定する燃料電池内部温度推定部と、
    前記冷却媒体循環系を駆動させて、前記燃料電池の内部に前記冷却媒体を循環させる循環制御と、前記冷却媒体循環系を停止させて、前記燃料電池の内部における前記冷却媒体の循環を停止させる停止制御と、を交互に繰り返す制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記停止制御を実行しているときに、前記燃料電池内部温度と前記供給冷媒温度との温度差が第1の閾値以上になると、実行する制御を前記循環制御に切り替える、燃料電池システム。
  2. 請求項1に記載の燃料電池システムはさらに、
    前記燃料電池から排出される冷却媒体の温度である排出冷媒温度を検出する排出冷媒温度検出部を備え、
    前記制御部は、前記循環制御を実行しているときに、前記排出冷媒温度の単位時間当たりの変化量が第2の閾値以下となり、かつ、前記燃料電池内部温度が第3の閾値以下となると、実行する制御を前記停止制御に切り替える、燃料電池システム。
  3. 請求項1に記載の燃料電池システムはさらに、
    前記燃料電池から排出される冷却媒体の温度である排出冷媒温度を検出する排出冷媒温度検出部を備え、
    前記制御部は、前記循環制御を実行しているときに、前記排出冷媒温度の単位時間当たりの変化量が第2の閾値以下となり、かつ、前記排出冷媒温度が第4の閾値以下となると、実行する制御を前記停止制御に切り替える、燃料電池システム。
  4. 請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、
    前記制御部は、前記循環制御を実行しているときに、前記冷却媒体循環系の駆動により、前記燃料電池に供給される冷却媒体の供給量が前記燃料電池の内部における冷却媒体の収容容量を超えると、実行する制御を前記停止制御に切り替える、燃料電池システム。
  5. 燃料電池の内部に冷却媒体を循環させる冷却媒体循環系を含む燃料電池システムの制御方法であって、
    前記燃料電池に供給される冷却媒体の温度である供給冷媒温度を検出する工程と、
    前記燃料電池の内部の温度である燃料電池内部温度を推定する工程と、
    前記冷却媒体循環系を駆動させて、前記燃料電池の内部に前記冷却媒体を循環させる循環工程と、前記冷却媒体循環系を停止させて、前記燃料電池の内部における前記冷却媒体の循環を停止させる停止工程と、を交互に繰り返す冷媒間欠循環工程と、を備え、
    前記冷媒間欠循環工程は、前記燃料電池内部温度と前記供給冷媒温度との温度差が、第1の閾値以上となったときに、前記停止工程から前記循環工程に切り替えがおこなわれる、燃料電池システムの制御方法。
JP2010187027A 2010-08-24 2010-08-24 燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法 Expired - Fee Related JP5728850B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010187027A JP5728850B2 (ja) 2010-08-24 2010-08-24 燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010187027A JP5728850B2 (ja) 2010-08-24 2010-08-24 燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012048834A true JP2012048834A (ja) 2012-03-08
JP5728850B2 JP5728850B2 (ja) 2015-06-03

Family

ID=45903505

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010187027A Expired - Fee Related JP5728850B2 (ja) 2010-08-24 2010-08-24 燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5728850B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9531022B2 (en) 2013-05-17 2016-12-27 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Fuel cell system and control method thereof
JP2018041688A (ja) * 2016-09-09 2018-03-15 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1083824A (ja) * 1996-09-06 1998-03-31 Toyota Motor Corp 燃料電池の発電装置およびその方法
JP2003173806A (ja) * 2001-12-06 2003-06-20 Nissan Motor Co Ltd 燃料電池システム
JP2005142018A (ja) * 2003-11-06 2005-06-02 Nissan Motor Co Ltd 燃料電池システム
JP2005518077A (ja) * 2002-02-13 2005-06-16 ゼネラル・モーターズ・コーポレーション 燃料電池の間欠的冷却法
JP2005268065A (ja) * 2004-03-19 2005-09-29 Honda Motor Co Ltd 燃料電池システム
JP2006294553A (ja) * 2005-04-14 2006-10-26 Toyota Motor Corp 燃料電池システム
JP2006310073A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Toyota Motor Corp 燃料電池システムおよび燃料電池の冷却方法
JP2007242449A (ja) * 2006-03-09 2007-09-20 Nissan Motor Co Ltd 燃料電池システム
JP2007294121A (ja) * 2006-04-21 2007-11-08 Hitachi Ltd 燃料電池システム
JP2007317553A (ja) * 2006-05-26 2007-12-06 Nissan Motor Co Ltd 燃料電池システム
JP2009199940A (ja) * 2008-02-22 2009-09-03 Nissan Motor Co Ltd 燃料電池システム

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1083824A (ja) * 1996-09-06 1998-03-31 Toyota Motor Corp 燃料電池の発電装置およびその方法
JP2003173806A (ja) * 2001-12-06 2003-06-20 Nissan Motor Co Ltd 燃料電池システム
JP2005518077A (ja) * 2002-02-13 2005-06-16 ゼネラル・モーターズ・コーポレーション 燃料電池の間欠的冷却法
JP2005142018A (ja) * 2003-11-06 2005-06-02 Nissan Motor Co Ltd 燃料電池システム
JP2005268065A (ja) * 2004-03-19 2005-09-29 Honda Motor Co Ltd 燃料電池システム
JP2006294553A (ja) * 2005-04-14 2006-10-26 Toyota Motor Corp 燃料電池システム
JP2006310073A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Toyota Motor Corp 燃料電池システムおよび燃料電池の冷却方法
JP2007242449A (ja) * 2006-03-09 2007-09-20 Nissan Motor Co Ltd 燃料電池システム
JP2007294121A (ja) * 2006-04-21 2007-11-08 Hitachi Ltd 燃料電池システム
JP2007317553A (ja) * 2006-05-26 2007-12-06 Nissan Motor Co Ltd 燃料電池システム
JP2009199940A (ja) * 2008-02-22 2009-09-03 Nissan Motor Co Ltd 燃料電池システム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9531022B2 (en) 2013-05-17 2016-12-27 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Fuel cell system and control method thereof
JP2018041688A (ja) * 2016-09-09 2018-03-15 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP5728850B2 (ja) 2015-06-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2011259799B2 (en) Fuel cell system and control method therefor
US9246182B2 (en) Power generation control device and power generation control method for fuel cell
JP5790705B2 (ja) 燃料電池システムおよびその制御方法
WO2011148262A2 (en) Fuel cell system and control method therefor
CN109768303B (zh) 燃料电池系统和控制燃料电池系统的方法
US11462757B2 (en) Fuel cell system
JP5636905B2 (ja) 燃料電池システム
EP1829145A2 (en) Fuel cell system
JP5772682B2 (ja) 燃料電池システムおよびその制御方法
JP2007305334A (ja) 燃料電池システム
JP5728850B2 (ja) 燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法
JP5880618B2 (ja) 燃料電池システムおよびその制御方法
JP2007042566A (ja) 燃料電池システムとその起動方法
KR20140086698A (ko) 연료 전지 차량의 냉 시동 방법
JP6307536B2 (ja) 燃料電池システムの低温起動方法
JP6972920B2 (ja) 燃料電池システム
CN113745600B (zh) 燃料电池系统
JP2006092801A (ja) 燃料電池システム
JP5287368B2 (ja) 燃料電池システム
JP6200009B2 (ja) 燃料電池システムの運転方法
JP4956110B2 (ja) 燃料電池システム
JP2012182096A (ja) 燃料電池システムおよびその制御方法
JP7411000B2 (ja) 情報処理装置、及び車両
JP4814508B2 (ja) 燃料電池システム
JP2018032559A (ja) 燃料電池システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130520

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140313

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140318

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140512

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140624

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140821

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141209

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150310

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150323

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5728850

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees