JP2005142018A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】セル自身のポテンシャル低減と残留熱の開放を同時に実施できる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】高分子電解質膜1bをアノード1aとカソード1cで狭持することにより形成した単位セル1dを備えた燃料電池1と、高分子電解質膜1のアノード1a側に水を供給する加湿水供給系17aを備える。また、燃料電池1の運転状態を検出または推定する運転状態検知手段としてアイドル検知手段16を備える。さらに、燃料電池1の温度を検出または推定する温度検知手段15を備える。燃料電池1の運転状態がアイドル状態であり、かつ、電池温度が所定温度よりも高い場合に、加湿水供給系17aから供給される水量を増大する水量制御手段を備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は燃料電池システムに関する。特に、固体高分子型燃料電池における水管理システムに関する。
従来の燃料電池システムの高圧残留対策として、ダミーまたは放電抵抗といったエネルギ放出手段を備えたものが知られている。
例えば、単セルを多数枚積層してなる積層燃料電池と、低減電流レベルのダミー負荷と、放電抵抗と、単セルの電圧および温度を検出する手段と、不活性ガス置換手段とを有する燃料電池が知られている。作動温度で発電運転中の燃料電池に停止指令が出されたときには、ダミー負荷に切り替えて単セルの電圧を所定電圧に保持し、発電を継続して単セルの温度を所定温度まで低下させる。該所定温度に低下した時点で不活性ガスによる置換を開始すると同時にダミー抵抗を放電抵抗に切り替えて燃料電池の発生電力を消費した後、運転を停止する。前記所定電圧は定格電圧より高い電圧であり、また前記所定温度は前記作動温度より低い温度であり、さらに前記所定電圧の上限および前記所定温度の上限は触媒の粒子のシンタリングによる電池寿命への影響が実用上問題とならない電圧および温度に選定している(例えば、特許文献1、参照。)。
または、燃料電池の出力直流電力を交流電力に変換する直交変換装置の出力ラインに外部負荷が接続され、出力ラインと疑似負荷手段との接続状態を調整する調整手段が設けられたものが知られている。さらに、燃料電池の出力電圧を検出する電圧検出手段が設けられ、その電圧検出手段の検出情報に基づいて、燃料電池の出力電圧が設定電圧値以下になるように、調整手段を制御する接続状態制御手段が設けられている(例えば、特許文献2、参照。)。
特許第2621435号 特開平7−45298号公報
しかしながら、上記背景技術に示した従来の技術には、セル自身のエネルギ放出(ポテンシャル低減)手段としての抵抗を備えているものの、燃料電池に残留する熱に対する開放手段を備えていない。そのため、ダミー抵抗等を用いて電気エネルギを放出する際にも、電気エネルギが放出されるまでの間は、燃料電池が高温・高圧の状態となり、触媒にシンタリングが生じて反応効率が低下する可能性があった。
そこで本発明では、セル自身のポテンシャル低減と残留熱の開放を同時に実施することができる燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明は、高分子電解質膜をアノードとカソードで狭持することにより形成した単位セルを備えた燃料電池と、前記高分子電解質膜にアノード側から水を供給する水供給手段と、前記燃料電池の運転状態を検出または推定する運転状態検知手段と、を備える。また、前記燃料電池の温度を検出または推定する温度検知手段と、前記燃料電池の運転状態がアイドル状態であり、かつ、電池温度が所定温度よりも高い場合に、前記水供給手段から供給される水量を増大する水量制御手段と、を備える。
燃料電池の運転状態がアイドル状態であり、かつ、電池温度が所定温度よりも高い場合に、水供給手段から供給される水量を増大する。これにより、発電要求が低いが、事前の運転条件により高温となりやすいアイドル時に、水による潜熱冷却と、蒸発と、固体高分子膜中で水素イオンを伝達するためのアノード極側から固体高分子中に吸収される水により、燃料電池の冷却を行うことができる。また、アノードガスの含有水量が増加するので、触媒とアノードガスとの接触を抑制することができ、セル電圧の低下を図ることができる。この結果、セル自身のポテンシャル低減と残留熱の開放を同時に実施することができる。
第1の実施形態について説明する。ここでは、燃料電池システムを車両の駆動源として使用する場合について説明する。
先ず、従来用いられていた燃料電池システムの電気的構成を図1に示す。
発電反応により起電力を生じる燃料電池1に、直交変換装置2を接続し、さらに外部負荷3に接続する。また、擬似負荷手段6と、擬似負荷手段6の接続を切り替える調整手段5を備える。さらに、燃料電池1の電圧を検出する電圧検出手段4と、調整手段5の切り替えを制御する接続状態制御手段7を備える。
このような燃料電池システムにおいて、無負荷状態(または低負荷状態)となり、燃料電池1の運転がアイドル状態となった場合、燃料電池1のセル電圧が所定より高い状態で放置される可能性がある。この場合に燃料電池1の温度が高いと、触媒にシンタリングが生じて燃料電池1の反応効率が低下するという問題がある。そこで、電圧検出手段4からの出力が所定電圧以上となった場合には、接続状態制御手段7から調整手段5に擬似負荷手段6を接続するように指示する信号を出力することにより、電圧を開放させて燃料電池1のセル電圧を抑制するという制御が為されている。
ここで、電圧が所定より高い値で、燃料電池1が高温状態となった場合に、擬似負荷手段6を接続することにより電圧を低下させることはできるが、燃料電池1の含有する熱は放出されにくく高温状態が継続される。そのため、擬似負荷手段6により電圧が低下するまでの短時間ではあるが、燃料電池1が高温・高電圧状態となり、シンタリングが生じる可能性がある。特に、移動体用の燃料電池システムなど、アイドル状態と通常運転状態とが頻繁に繰り返される燃料電池システムにおいては、上述したような燃料電池1の高温・高電圧状態が繰り返され、燃料電池1の耐久性の劣化につながる可能性がある。
そこで本実施形態では、燃料電池システムの機械的構造を図2に示すように構成することにより、燃料電池1の電圧を低下させると同時に、温度を低下させることにより、触媒のシンタリングを抑制する。なお、ここには特に示さないが、燃料電池システムは、図1に示すような電気的構成を備えたものとしてもよい。
燃料電池システムの構成を図2に示す。ここでは、燃料電池1として固体高分子型燃料電池を用いる。
燃料電池1を複数の単位セル1dを積層することにより構成する。ここで、燃料電池1の単位セル1dの構成を図3に示す。
単位セル1dを、高分子電解質膜1bを一対の電極、アノード1aとカソード1cとで狭持することにより構成する。各電極1a、1cは、高分子電解質膜1bに接触する面にそれぞれ配置した、触媒を担持したガス拡散電極1gとその外側に配置したセパレータ1sとから構成する。セパレータ1sには、反応ガスを流通する反応ガス流路1rを備え、この反応ガス流路1rを流通する反応ガスをガス拡散電極1gの触媒に供給することにより発電反応を生じる。なお、触媒とガス拡散層1gとを別々に形成し、組み立ての際に積層してもよい。または、触媒を高分子電解質膜1b側に塗布してもよい。
また、図2に示すように、燃料電池1のアノード1aに、燃料ガスを供給する燃料ガス供給系8を備える。燃料ガス供給系8では、図示しない燃料タンク等から燃料を取出し、これを燃料処理装置7を介してアノード1aに供給する。アノード1aには、水素ガスまたは水素含有ガスである燃料ガスが供給される。例えば、図示しない燃料タンクを高圧水素タンク等の水素貯蔵手段とした場合には、燃料処理装置7は水素ガスの圧力・流量を調整する装置となり、アノード1aには水素ガスが供給される。または、図示しない燃料タンクを改質原料のタンクとした場合、燃料処理装置7は、改質反応により水素含有ガスを生じ、さらに水素含有ガス中のCO等を低減する改質システムとなり、アノード1aには水素含有ガスが供給される。
また、燃料電池1のカソード1cに、酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給系9を備える。ここでは、酸化剤ガスとして空気を用い、図示しないコンプレッサ等を用いて、カソード1cに空気を導入する。
さらに、燃料電池1に備えた高分子電解質膜1bを加湿するための加湿水供給系17aを構成する。燃料電池1において発電反応が生じると、アノード1aからカソード1cに向かって高分子電解質膜1b内をプロトンが移動する。このとき、高分子電解質膜1bのプロトン伝導性は、高分子電解質膜1bの加湿状態に依存するため、高分子電解質膜1bは常に湿潤された状態となるのが好ましい。
そこで、アノード1aに供給される燃料ガスを加湿することにより高分子電解質膜1の加湿を行う加湿水供給系17aを備える。加湿水供給系17aには、加湿水を貯蔵する加湿水タンク10、加湿水タンク10中の加湿水を取出すポンプ11、加湿水圧力を調整する圧力調整弁12、燃料ガスに加湿水を噴射する加湿水噴射手段13を備える。なお、加湿水噴射手段13の替わりに、加湿器等を用いても良く、燃料ガスの加湿量を調整できる手段であればよい。
さらに、このような燃料電池システムを制御するコントローラ14と、アノード1aから排出された燃料排ガスの温度を検出する温度検知手段15を備える。なお、この温度検知手段15は、燃料電池1を代表する温度を検出、または、推定できる温度であればこれに限らない。さらに、燃料電池1の運転状態を検出または推定する運転状態検知手段を備える。ここでは、運転状態検知手段として、燃料電池1の運転がアイドル状態であるか否かを検知するアイドル検知手段16を備える。アイドル状態であるか否かは、車両の状態を示す車速、車軸回転数や、運転手や他の制御の意思を示す要求負荷、スロットル開度等から検知する。なお、アイドル状態検知手段16は、アイドル状態が予測されるか否かを判断する手段としてもよい。
このような燃料電池システムにおいて、アイドル時に燃料電池1が高温・高圧となることにより、触媒のシンタリングが生じるのを抑制するために、図4に示すようなシンタリングの防止制御を行う。車両運転時には、本フローを所定時間毎に繰り返し行うことにより、通常運転時にはアイドル状態であるか否かの監視を行い、アイドル状態が検知されたときにシンタリングの防止制御を行う。
ステップS1において、アイドル検知手段16の出力を読み込む。ステップS2において、燃料電池1がアイドル状態であるか否かを判断する。または、他の制御でアイドル判定が行われている場合には、その結果をステップS2の判断に用いても良い。
ステップS2において、アイドル状態ではないと判断されたら、本フローを終了する。この場合には、燃料ガスに供給される加湿水の量は、通常運転時の制御に従う。一方、アイドル状態であると判断されたら、ステップS3に進み、温度検知手段15の出力を読み込む。
ステップS4において、ステップS3で検知した温度の変化が上昇方向であるか否かを判断する。つまり、燃料電池1の温度が上昇しているか否かを判断する。温度上昇を判断する際には、所定時間温度をモニタして温度上昇率を求めてもよい。または、初回のみ所定時間モニタすることにより判断し、次回からは前回の計測値との比較を行っても良い。または、常時温度をモニタしている場合には、所定時間前の温度と比較しても良い。
なお一般的にはアイドル状態では燃料電池への出力要求が低いため発電反応により発生する熱量が小さいが、アイドル状態に移行する前の運転状態、例えば高速運転や登坂運転といった燃料電池に大きな出力を要求するような状態の後ではアイドル状態であっても燃料電池1の温度が上昇する可能性がある。温度が上昇していると判断された場合には、ステップS5に進み、検知された温度が所定温度より大きいか否かを判断する。例えば、所定温度を、燃料電池1内で触媒のシンタリングを避けることができる上限温度、またはそれより低い温度とする。所定温度より大きい場合にはシンタリングが生じる可能性があるので、ステップS6に進み、燃料ガスの加湿量を増大する。ここでは、圧力調整弁12を用いて加圧することにより加湿水噴出手段13から供給される加湿水流量を増大する。このように燃料ガスの加湿量を増大することで、アノード1a側で、水による潜熱冷却と、蒸発と、高分子電解質膜1b中でプロトンを伝達するためにアノード1a側から高分子電解質膜1bに吸収される水による冷却により、燃料電池1の冷却が促進される。また、燃料ガスの含有水量が増大することで、アノード1a側のガス拡散層1g内に液水が存在し、触媒と燃料ガスとが接触し難い状態となるので、発電反応を抑制して電圧を低下させることができる。その結果、燃料電池1が所定より高い電圧で放置されるのを避けるとともに、燃料電池1の有する熱を開放することができるので、シンタリングを避けることができる。このように加湿水の流量を調整したら、再びステップS1に戻る。
一方、ステップS5において、検知された温度が所定温度以下である場合には、シンタリングが生じる可能性は少ないと判断して現状を維持したままステップS1に戻る。
また、ステップ4において、検知された温度の変化方向が「上昇」ではない場合、つまり、燃料電池1の温度変化がゼロ、または温度が低下している場合には、ステップS7に進む。ステップS7において、温度の変化速度の絶対値、つまり温度低下率が所定値以上であるか否かを判断する。なお、この所定値は、予め実験等により求めておく。温度低下率が所定値より小さい場合には、その状態を維持しつつ、ステップS1に戻る。
一方、ステップS7において、燃料電池1の温度の低下速度が所定値以上となったら、過冷却となる可能性がある。そこで、加湿量を低減し、通常の水量に戻す。ここでは、ステップS8、S9において通常加湿制御時の水量に近いかもしくは少なくなるまで加湿量を低減する。圧力調整弁12を用いて減圧することにより、加湿水噴射手段13から供給される加湿水流量を低減する。このように燃料電池1の温度が所定温度より大きくならないように冷却しつつ、高電圧を解消したら、シンタリング防止制御を終了し、通常の加湿制御に移行する。
なお、上述した制御においては、車両がアイドル状態であるか否かを判断しているが、アイドル状態となるか否かを予測し、このアイドル予測結果からアイドル状態を判定しても良い。この場合には、応答性が向上するため、さらにシンタリングが生じるのを防ぐことができる。
次に、本実施形態の効果について説明する。
高分子電解質膜1bをアノード1aとカソード1cで狭持することにより形成した単位セル1dを備えた燃料電池1と、高分子電解質膜1bのアノード1a側に水を供給する水供給手段を備える。ここでは、水供給手段を、アノード1a側に供給されるアノードガスに水を供給する手段として、加湿水供給系17aを備える。ただし、加湿水供給系17aは上述した構成に限らず、アノードガスに水を供給し、かつその水量を調整可能なものとする。また、燃料電池1の運転状態を検出または推定する運転状態検知手段としてアイドル検知手段16を備える。さらに、燃料電池1の温度を検出または推定する温度検知手段15を備える。燃料電池1の運転状態がアイドル状態であり、かつ、電池温度が所定温度よりも高い場合に、加湿水供給系17aから供給される水量を増大する水量制御手段(S6)を備える。
これにより、水による潜熱冷却と蒸発と高分子電解質膜1b中で水素イオンを伝達するためのアノード1a側から高分子電解質膜1bに吸収される水の効果により、燃料電池1の冷却を行うことができる。また、アノードガスの含水量を増大することにより、アノード1a側のガス拡散層1gに液水を存在させ、触媒とアノードガスとの接触を低減できるので、セル電圧低下を図ることができる。その結果、燃料電池1の電圧低下と温度低下を同時に実現することができ、燃料電池1のシンタリングを抑制することができる。
また、温度検知手段15は、燃料電池1から排出される燃料ガス温度に基づいて燃料電池1の温度を検出する。これにより、アノード1a側への供給水による潜熱冷却効果を確認でき、より細やかな制御を実施することができる。
また、燃料電池1の温度の低下率が所定値より大きくなったら、加湿水供給系17aから供給される水量を増大するのを停止する。これにより、例えば、温度に応じて停止する場合に比べて、前段階で冷却を抑制することができるので過冷却を抑制することができる。なお、アクセル動作やブレーキ動作、ハンドル操作のいずれかを検知して車速と組み合わせて判断してもよい。アクセル動作やブレーキ動作、ハンドル操作のいずれかと、車速から、車両が走行中で、短時間でアイドル状態が終了すると判断される場合には、温度低下率が増大した際に加湿水量の増大を停止することで、過冷却を避けることができる。その結果、アイドル状態が終了した際に、過冷却により燃料電池1の発電効率が低下して、十分な電力が得られないといったような事態を避けることができる。
次に、第2の実施形態について説明する。燃料電池システムの構成を図5に示す。以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
燃料電池1を構成する単位セル1dの構成を図6に示す。単位セル1dを、高分子電解質膜1bと、これを狭持するアノード1a、カソード1cと、さらにアノード1aに隣接して配置される冷却板1lを積層することにより構成する。高分子電解質膜1bを、ガス拡散電極1gと反応ガス流路1rを有するセパレータ1sで構成される電極1a、1cで狭持する。アノード1a側のセパレータ1saを純水の透過性を有するポーラス材により構成する。
また、アノード側1aのセパレータ1saに隣接して冷却板1lを配置する。冷却板1lは、単位セル1dの温度を調整する冷却水を流通する冷却水流路1wを形成する層であり、ここでは加湿水透過板1jと冷却水流路形成板1kより構成する。セパレータ1saに隣接して純水透過可能な加湿水透過板1jを配置し、さらに加湿水透過板1jに接する面に冷却水流路1wが設けられた冷却水流路形成板1kを配置する。冷却水としては純水を循環させる。
このように構成することで、燃料電池1の外部から供給された冷却水が冷却水流路1wを流通する際に、加湿水透過板1jを透過してアノード1aに供給され、高分子電解質膜1bに供給される。つまり、燃料電池1を、高分子電解質膜1bを加湿するための加湿水供給手段を備えた内部加湿型の燃料電池とする。
このような燃料電池1内に設けた加湿手段と、これに冷却水を供給するための以下に説明するような手段をあわせて加湿水供給系17bとする。
図5に示すように、燃料電池1に冷却水を供給する手段として、冷却水を貯蔵する冷却水タンク21、冷却水タンク21から冷却水を取出すポンプ22を備える。また、燃料電池1の下流側に配置され、燃料電池1内での冷却水の圧力を調整する背圧調整弁23、燃料電池1を冷却することにより高温となった冷却水の温度を調整する熱交換器24を備える。
また、コントローラ25を備え、ポンプ22および背圧調整弁23の調整を行う。
次に、このような燃料電池システムにおけるシンタリングの防止制御方法について説明する。
シンタリング防止制御を、第1の実施形態と同様に、図4のフローチャートに従って行う。ただし、ステップS6において、加湿量を増大する場合には、冷却水とアノードガスの差圧を低減する。ここでは、背圧調整弁23を用いて燃料電池1内の冷却水を加圧することにより、冷却板1lからアノード1aに透過する加湿水の量を増大する。これにより第1の実施形態におけるステップS6と同様の効果を得ることができる。
また、ステップS8において、加湿量を低減する場合には、冷却水とアノードガスの差圧を増大する。ここでは、背圧調整弁23を用いて燃料電池1内の冷却水を減圧することにより、冷却板1lからアノード1aに透過する加湿水の量を低減する。これにより、第1の実施形態におけるステップS8と同様の効果を得ることができる。
次に、本実施形態の効果を説明する。以下、第1の実施形態とは異なる効果のみを説明する。
水供給手段として、アノード1a側を流れるアノードガスに多孔質材(セパレータ1sa、加湿水透過板1j)を介して隣接して流れる冷却水流路1wと、冷却水流路1w内の圧力とアノードガスとの圧力差を調整可能な背圧調整弁23を備える。ここでは、水供給手段として、燃料電池1内の一部を含めた加湿水供給系17bを備える。燃料電池1の運転状態がアイドル状態であり、かつ、電池温度が所定温度より高い場合に、アノードガスと水の差圧を減少させることにより加湿量を増大させる。これにより、セル面について、均一に加湿水を増大することができるので、降圧効果および冷却効果もセル面について均一に増大することができる。なお、加湿水供給系17bは上述した構成に限らず、燃料電池1の内部加湿を行い、かつ、水とアノードガスとの差圧を調整可能なものであればよい。
ここでは、背圧調整弁23は、冷却水流路1w内の水の圧力を変化させることにより差圧を変化させる。このように、冷却水圧力を増減させるので、非圧縮流体の特徴を生かしてより応答性の速くかつ簡便な制御性を実施することができる。これにより、さらにシンタリングが発生するのを抑制することができる。
次に、第3の実施形態について説明する。燃料電池システムの構成を図7に示す。以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
燃料電池1および燃料ガス供給系8、酸化剤ガス供給系9、加湿水供給系17aを第1の実施形態と同様に構成する。このような燃料電池システムの制御を行う制御系として、燃料電池システムのコントローラ34と、燃料電池1から取出される電流値を検出する電流検出手段35を備える。ここでは電流検出手段35を、直交変換装置2の上流側に配置する。
電流検出手段35で検出された電流値の大小により、燃料電池1がアイドル状態であるか否かを判断することができる。また、電流検出手段35を用いて電流値を常時モニタしておくことで、その履歴から燃料電池1の温度を推定する。つまり、電流検出手段35は、アイドル検知手段16としての役割と、温度検知手段15の役割を担う。
なお、本実施形態においては、加湿水供給手段17aを用いた場合を示しているが、内部加湿型である加湿水供給手段17bを用いた場合にも、同様に電流検出手段35を用いて燃料電池1の運転状態及び温度を検出しても良い。
次に、本実施形態の効果について説明する。以下、第1、2の実施形態と異なる効果のみを説明する。
アイドル検知手段16および温度検知手段15として電流検出手段35を備え、負荷電流値と負荷電流値履歴とに基づいて、燃料電池の運転状態と温度を判断する。このように、負荷電流値から温度とアイドル状態を判断するので、検知手段を統一することができる。
なお、複数の単位セル1dを積層することにより構成した燃料電池1を用いた場合について説明したが、一つの単位セル1dよりなる燃料電池に適用することもできる。
このように、本発明は、上記発明を実施するための最良の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術思想の範囲内で様々な変更が為し得ることは言うまでもない。
本発明は、電解質膜を加湿するためのシステムを有する固体高分子電解質型燃料電池システムに適用することができる。特に、アイドル状態と通常運転状態とが頻繁に繰り返される移動体用の燃料電池システムに適用することにより、著しい効果を得ることができる。
従来の燃料電池システムの電気的構成を示す図である。 第1の実施形態に用いる燃料電池システムの概略構成図である。 第1の実施形態に用いる燃料電池の単位セルの概略構成図である。 第1の実施形態におけるシンタリング防止制御のフローチャートである。 第2の実施形態に用いる燃料電池システムの概略構成図である。 第2の実施形態に用いる燃料電池の単位セルの概略構成図である。 第3の実施形態に用いる燃料電池システムの概略構成図である。
符号の説明
1 燃料電池
1w 冷却水流路(水流路)
1sa セパレータ(多孔質材)
1j 加湿水透過板(多孔質材)
12 圧力調整弁
13 加湿水噴出手段
15 温度検知手段
16 アイドル検知手段(運転状態検知手段)
17 加湿水供給系(水供給手段)
23 背圧調整弁(圧力差調整手段)
35 電流検出手段
S6 水制御手段

Claims (7)

  1. 高分子電解質膜をアノードとカソードで狭持することにより形成した単位セルを備えた燃料電池と、
    前記高分子電解質膜にアノード側から水を供給する水供給手段と、
    前記燃料電池の運転状態を検出または推定する運転状態検知手段と、
    前記燃料電池の温度を検出または推定する温度検知手段と、
    前記燃料電池の運転状態がアイドル状態であり、かつ、電池温度が所定温度よりも高い場合に、前記水供給手段から供給される水量を増大する水量制御手段と、を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記水供給手段を、前記アノードに供給されるアノードガスに水を供給する手段とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記水供給手段として、前記アノード側を流れるアノードガスに多孔質材を介して隣接して流れる水の流路と、
    前記水流路内の圧力と前記アノードガスとの圧力差を調整可能な圧力差調整手段と、を備え、
    前記燃料電池の運転状態がアイドル状態であり、かつ、電池温度が所定温度より高い場合に、アノードガスと水の差圧を減少させることにより水量を増大させる請求項1に記載の燃料電池システム。
  4. 前記圧力差調整手段は、前記水流路内の水の圧力を変化させることにより差圧を変化させる請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記温度検知手段は、前記燃料ガスから排出されたアノードガス温度に基づいて前記燃料電池温度を検出する請求項1から4のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
  6. 前記運転状態検知手段と、前記温度検知手段として電流検出手段を備え、負荷電流値と負荷電流値履歴とに基づいて、前記燃料電池運転状態と温度を判断する請求項1から4のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
  7. 前記燃料電池の温度の低下率が所定値より大きくなったら、前記水供給手段から供給される水量を増大するのを停止する請求項1から6のいずれか一つに記載の燃料電池システム。
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