JP2012047568A - 油量計および油量計の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】浮子を利用した油量計において、部品の成形、組立が簡単で、かつ長年の使用によっても、燃料漏れを引き起こすことなく、またデザイン的にも優れた形状の油量計およびその製造方法を提案する。
【解決手段】本発明に係る液体燃料タンクの油量計1は、浮子7とアーム6を介して連結した表示指針5が、液体燃料タンク内の液面に浮かぶ浮子7の上昇下降に連動して、油量表示面31に設けられた表示指針用スリット32に沿って移動し、液体燃料の内容量を表示する液体燃料タンクの油量計1において、凸面状の油量表示面31が設けられた油量計本体3と、この油量表示面31を覆う凸面状の透明カバー2とは、予め成形された合成樹脂製であり、この成形された両者は、金型内で衝合され、両者の衝合部周辺に射出注入された接合用合成樹脂が硬化被覆部4を形成し、合体接合していることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】本発明に係る液体燃料タンクの油量計1は、浮子7とアーム6を介して連結した表示指針5が、液体燃料タンク内の液面に浮かぶ浮子7の上昇下降に連動して、油量表示面31に設けられた表示指針用スリット32に沿って移動し、液体燃料の内容量を表示する液体燃料タンクの油量計1において、凸面状の油量表示面31が設けられた油量計本体3と、この油量表示面31を覆う凸面状の透明カバー2とは、予め成形された合成樹脂製であり、この成形された両者は、金型内で衝合され、両者の衝合部周辺に射出注入された接合用合成樹脂が硬化被覆部4を形成し、合体接合していることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本願発明は、石油ストーブなどの液体燃料燃焼装置に使用される液体燃料タンクの油量計に関する。
石油ストーブなどの液体燃料燃焼装置に使用される燃料タンクは、燃焼装置本体から取り外し可能なカートリッジタイプのタンクが使用されることが多い。このタイプのタンクでは、タンク内の液体燃料の油量を確認するための透視窓が設けられており、この窓を通して液面を確認することができる。一方、対流型石油ストーブなどでは、通常、燃焼部の下方に燃料タンクが設置される。この燃料タンクでは、タンク内の液面に浮かぶ浮子(フロート)の上昇下降に連動して、このタンク内の液体燃料の内容量を表示指針にて表示する油量計が使用されている。
この油量計では、浮子とアームを介して連結した表示指針が、液体燃料タンク内の液面に浮かぶ浮子の上昇下降に連動して、油量表示面に設けられた表示指針用スリットに沿って移動し、液体燃料の内容量を表示する。この油量計では、油量表示面と透明カバーとの間に表示指針を収納する構造であり、油量表示面を含む油量計本体は金属薄板をプレス加工による打ち抜き、成形にて作成され、成形された本体と透明カバーとはO−リングを介して組み上げられている。油量表示面には、表示指針が移動するためのスリットが設けられており、このスリットから、タンク内の液体燃料が表示空間に流れ出てくることがあり、液体燃料が外部へ滲み出てくるのを防ぐため、O-リングを用いて、油量表示面と透明カバーとをシールしているのである。
このように、浮子を利用した油量計の構造は必ずしも複雑ではなく、組立部品もプレス加工で製造できるが、加工後に塗装作業を要し、透明カバーを含む製品の組立には、組立部品の曲げ加工ないしはネジ止め作業があり、油量計の製造には手間を要していた。そして、このようにして組み立てた油量計は、長期の使用により、ゆるみなどを生じ、燃料漏れを引き起こすこともあった。さらには、金属薄板プレス加工品と透明カバーとの組合せでは、形状的にもデザインが限定されていた。
本発明の課題は、前記した浮子を利用した油量計において、部品の成形、組立が簡単で、かつ長年の使用によっても、燃料漏れを引き起こすことなく、またデザイン的にも優れた形状の油量計およびその製造方法を提案することである。
本発明に係る液体燃料タンクの油量計は、浮子とアームを介して連結した表示指針が、液体燃料タンク内の液面に浮かぶ浮子の上昇下降に連動して、油量表示面に設けられた表示指針用スリットに沿って移動し、液体燃料の内容量を表示する液体燃料タンクの油量計において、凸面状の油量表示面が設けられた油量計本体と、この油量表示面を覆う凸面状の透明カバーとは、予め成形された合成樹脂製であり、この成形された両者は、金型内で衝合され、両者の衝合部周辺に射出注入された接合用合成樹脂が硬化被覆部を形成し、合体接合していることを特徴とする。
上記油量計において、浮子と表示指針とを連結するアームは、く字状の形状をした合成樹脂製であり、アームの屈曲部に設けられたアーム支点部は、油量計本体の油量表示面の下方に設けられたアーム支点装着部に回転自在に装着され、表示指針は、浮子の上昇下降に連動して、油量表示面に設けられた表示指針用スリットに沿って移動することを特徴とし、そして、表示指針とアームとは、同一の合成樹脂により一体成形されていることが好ましい。さらに、油量表示面に設けられた表示指針用スリットは、その端部が油量表示面の周端部に合致するように設けられていることも特徴とする。
さらに、上記の油量計の製造方法として、凸面状の油量表示面を有する油量計本体と、この表示面を覆う凸面状の透明カバーとを、合成樹脂を用いて予め成形し、次いで、この成形された両者を衝合し、金型内に配置し型締めした後、衝合部周辺に接合用合成樹脂を射出注入し、この射出注入樹脂を硬化させ衝合部周辺に硬化被覆部を形成することにより、前記成形された両者を合体接合し、その後、浮子と表示指針とを連結したアームを装着することを特徴とする製造方法も提供する。
本発明の油量計は、予め成形された合成樹脂製の透明カバーと油量計本体とを、接合用樹脂を射出注入し、合体接合することで製造されるため、組立工程は一工程で行うことができ、またその接合部分も完全に一体化しているため、接合部が経時変化により緩んだりすることがない。そして、各部品を予め成形する際に、着色した合成樹脂を用いることにより、塗装工程を必要とすることなく組立工程を行うことができ、製造工程も簡略化できるだけでなく、デザイン的にも外観の優れた油量計とすることができる。
さらに、油量計の油量表示面は、凸面状であり、デザイン的に見て美しいだけでなく、表示面に設けられた表示指針用のスリットから、タンク内の液体燃料が流れ出てきても表示面の周端部に集めることができ、そして、燃料の量が多くなると、またスリットの端部を経由してタンク戻すことができる。この場合、スリットの端部が周端部に合致するようにしておけば、液体燃料が表示面に溜まることがない。さらに、アームに取り付けられた表示指針はアーム支点部を中心として円弧を描いて移動するため、凸面状の油量表示面に沿って移動し、機能的にもデザイン的にも優れている。
従来の油量計では、表示用指針とアームとは金属薄板のプレス加工で製造されているため、指針の矢は一方方向のみに折り曲げてあるのが普通であり、両方向を指し示すようにするには工程が複雑になるため、表示指針はスリットの一方の側のみを指し示すものが普通であった。しかし、本発明では、表示指針とアームとを一体成形しても、合成樹脂を用いた成形加工であり、一方向でも二方向でも工程には差がなく、スリットの両方向に矢を有する指針が簡単にできるため、スリットの両側を指し示すことができるデザインとすることが容易にできる。
以下本発明を図により詳細に説明を行う。図1は本発明の実施例である油量計1の斜視図である。油量計1は、凸面状の油量表示面31を有する油量計本体3と、凸面状の透明カバー2とが、接合用合成樹脂の硬化被覆部4により合体接合されている。そして、保護カバー2と油量表示面31との間には、スリット31を貫通したアーム6に取り付けられた表示指針5が収められている。表示指針5はアーム6を介して浮子7と連結している。アーム6は図2に示すように、く字状の形状をしており、アームの屈曲点には支点突起61が設けられており、この支点突起61が、油量計本体3のアーム支点装着孔36に回転自在に装着され、図1に示すような構造となっている。そのため、表示指針5は、浮子7の上昇下降に連動して、表示用スリット32に沿って移動する。浮子7は燃料タンク内において液面に浮いており、燃料が減少するにつれて液面と共に下降し、それに連動して、表示指針5は向かって右方向に移動して、空の状態を示すE(Empty)の表示を指し示すようになる。その一方浮子7は、燃料が増加するにつれて液面と共に上昇し、それに連動して、表示指針5は向かって左方向に移動して、満杯の状態を示すF(Full)の表示を指し示すようになる。
図2は油量計1の製造方法を示す組立説明図である。予め射出成形などにより成形した凸面状の透明カバー2を、同じように成形した油量計本体3に矢印で示すように、衝合用突起21と衝合用凹穴35とを嵌め合わせて衝合し、次いで衝合部周辺を接合用合成樹脂で被覆し硬化させて、硬化被覆部4を形成し、透明カバー2と油量計本体3とを接合し、合体接合体10とする。
また、アーム6は表示指針5と一体化して射出成形などにより成形されている。このアーム6に、浮子7の係止用凹穴71とアーム6の浮子係止用突起62とを嵌め合わせて、浮子7を装着し、表示指針5と浮子7とを連結させる。次いで、表示指針5を、スリット32を通過させて、保護カバー2と油量表示面31との間に収めると共に、この浮子7を装着したアーム6を、前記したように支点突起61を油量計本体3のアーム支点装着孔36に回転自在に装着する。このようにして、合体接合体10にアーム6を装着し、図1に示す油量計1を製造することができる。この場合、浮子7を連結していないアーム6を合体接合体10に装着した後に、浮子7を装着することでもよい。
浮子7は中空の合成樹脂成形体であってもよいが、合成樹脂発泡体であることが好ましく、特に発泡フェノール樹脂が好ましい。
図3には透明カバー2の上面図3A、正面図3B、下面図3C、A−A線断面図3D、および斜視図3Eを示す。透明保護カバー2には衝合用突起21が設けられており、前記したように油量計本体3と衝合する際に、衝合用凹穴35と嵌め合わされる。この場合、突起と凹穴とは組合せとなっておればよく、いずれかが突起であり、他方が凹穴であればよい。このことは、前述のアームの装着や浮子の装着においても同様である。
図4には油量計本体3の上面図4A、正面図4B、下面図4C、側面図4D、および斜視図4Eを示す。油量表示面31には表示指針用スリット32が設けられているが、このスリット32の端部は表示面周端部34に合致させている。このようにすることで、表示指針用スリット32を通して、燃料タンク内の燃料が表示面に漏れ出しても、油量表示面31が凸面状であるため、漏れだした燃料は表示面周端部34に集まった後、表示指針用スリット32の端部から燃料タンクに戻すことができる。また油量表示面31には、タンク内の油量を示す表示33が付されている。この表示33は、楔形と満杯を示すFと空を示すEとが赤色や黒色など、普通に用いられているものと同じである。この表示は、油量計本体3の成形後、スクリーン印刷や転写などの手法を用いて、印字することができる。
図5は合体接合体10の正面図5AとB−B線断面図5Bである。透明カバー2と油量計本体3とは、衝合用突起21と衝合用凹穴35とを嵌め合わすことで衝合され、衝合部周辺を覆う硬化被覆部4により合体接合され、合体接合体10となっている。
図6は透明保護カバー2と油量計本体3とを、合体接合する工程の断面説明図であり、透明保護カバー2と油量計本体3とを衝合し、仮接合した状態で、金型81と82との中に配置して型締めを行い、接合用合成樹脂9を充填し、硬化させている状態を示している。接合用合成樹脂9は金型81、82の側面スプルー83から、ゲート84を経由して、金型81、82と仮接合体とでつくられるキャビティー内に射出注入される。射出注入により充填された接合用合成樹脂9は硬化して、衝合部周辺を覆う硬化被覆部4となる。接合用合成樹脂9を硬化させた後、金型を開き、ゲート84にて硬化した合成樹脂を切断し、合体接合体10とする。
上記のようにして透明カバー2と油量計本体3とを接合した合体接合体10に、前記したように表示指針5と浮子7とを装着したアーム6を装着して、油量計1を組み立てることができる。
本発明においては、透明カバーなどの部品は、合成樹脂を用いて射出成形などにより作成され、組み立てて油量計とする。ここで用いられる合成樹脂は液体燃料タンクに用いられるため、耐油性のある合成樹脂が用いられ、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、およびこれらの混合樹脂(PBT/PET樹脂)、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(硬質)、フッ素樹脂などの熱可塑性樹脂やフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を用いることができる。各部品を作るのに好ましい樹脂としては、透明カバーとしてはポリカーボネート樹脂、油量計本体および接合用合成樹脂としてはPBT/PET樹脂、表示用指針およびアームとしてはポリアセタール樹脂、浮子としては前記したように発泡フェノール樹脂を例示することができる。これらの樹脂としては、ポリマーだけでなく、必要により顔料などの各種充填材、着色材、難燃剤、安定剤などの添加物が加えられる。
以上説明した本発明の油量計は、液体燃料燃焼装置の燃料タンクの上部面に設けた、油量計収納孔に、油量計本体3を差し込み装着し、油量表示面31や保護カバー2を燃料タンク上部に設置する。この設置により、アーム6と浮子7はタンク内に収められ、浮子7は燃料液面に浮かぶようになり、前記したように、燃料の増加、減少に伴い上昇下降し、油量指針5を移動させ、油量を表示する。
また以上の説明において、本発明の油量計を示した図では油量表示面および透明カバーとして円形のものを示したが、この形状は特に限定されることはなく、楕円形や矩形その他の多角形など、燃焼装置の外観デザインに沿って種々の形状を選択できる。その他アームの形状も、本発明の趣旨を満たすものであれば、種々の形状とすることもできる。
本発明の油量計は、石油ストーブ特に対流型石油ストーブの燃料タンクに好ましく適用されるが、石油ストーブに限られることなく、液体燃料燃焼装置の燃料タンクに用いることができる。
1 油量計
2 透明カバー
21 衝合用突起
3 油量計本体
31 油量表示面
32 表示指針用スリット
33 表示
34 表示面周端部
35 衝合用凹穴
36 アーム支点装着孔
4 硬化被覆部
5 表示指針
6 アーム
61 支点突起
62 浮子係止用突起
7 浮子
71 係止用凹穴
81 金型
82 金型
83 スプルー
84 ゲート
9 被覆用注入樹脂
10 合体接合体
2 透明カバー
21 衝合用突起
3 油量計本体
31 油量表示面
32 表示指針用スリット
33 表示
34 表示面周端部
35 衝合用凹穴
36 アーム支点装着孔
4 硬化被覆部
5 表示指針
6 アーム
61 支点突起
62 浮子係止用突起
7 浮子
71 係止用凹穴
81 金型
82 金型
83 スプルー
84 ゲート
9 被覆用注入樹脂
10 合体接合体
Claims (5)
- 浮子とアームを介して連結した表示指針が、液体燃料タンク内の液面に浮かぶ浮子の上昇下降に連動して、油量表示面に設けられた表示指針用スリットに沿って移動し、液体燃料の内容量を表示する液体燃料タンクの油量計において、凸面状の油量表示面を有する油量計本体と、この油量表示面を覆う凸面状の透明カバーとは、予め成形された合成樹脂製であり、この成形された両者は、金型内で衝合され、両者の衝合部周辺に射出注入された接合用合成樹脂が硬化被覆部を形成し、合体接合していることを特徴とする液体燃料タンクの油量計。
- 浮子と表示指針とを連結するアームは、く字状の形状をした合成樹脂製であり、アームの屈曲部に設けられたアーム支点部は、油量計本体の油量表示面の下方に設けられたアーム支点装着部に回転自在に装着され、表示指針は、浮子の上昇下降に連動して、油量表示面に設けられた表示指針用スリットに沿って移動することを特徴とする請求項1に記載の液体燃料タンクの油量計。
- 表示指針とアームとは、同一の合成樹脂により一体成形されていることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料タンクの油量計。
- 油量表示面に設けられた表示指針用スリットは、その端部が油量表示面の周端部に合致するように設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体燃料タンクの油量計。
- 浮子とアームを介して連結した表示指針が、液体燃料タンク内の液面に浮かぶ浮子の上昇下降に連動して、油量表示面に設けられた表示指針用スリットに沿って移動し、液体燃料の内容量を表示する液体燃料タンクの油量計の製造法において、凸面状の油量表示面を有する油量計本体と、この表示面を覆う凸面状の透明カバーとを、合成樹脂を用いて予め成形し、次いで、この成形された両者を衝合し、金型内に配置し型締めした後、衝合部周辺に接合用合成樹脂を射出注入し、この射出注入樹脂を硬化させ衝合部周辺に硬化被覆部を形成することにより、前記成形された両者を合体接合し、その後、浮子と表示指針とを連結したアームを装着することを特徴とする液体燃料タンクの油量計の製造方法。
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JP2010189510A JP2012047568A (ja) | 2010-08-26 | 2010-08-26 | 油量計および油量計の製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102717703A (zh) * | 2012-07-09 | 2012-10-10 | 浙江文信机电制造有限公司 | 具有计量功能的油箱盖 |
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-
2010
- 2010-08-26 JP JP2010189510A patent/JP2012047568A/ja active Pending
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