JP2012046637A - ボールペン用水性インキ組成物 - Google Patents

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【課題】 経時安定的にインキのペン先乾燥防止性に優れ、筆跡の滲みが少なく筆記感が重くならないボールペン用水性インキ組成物を得ることを課題とする。
【解決手段】 水と、着色剤と、水溶性有機溶剤と、ピリジンの2位、4位、6位の炭素のうち1乃至3か所が同一の親水性の電子供与性基で置換されたピリジン誘導体、ピリミジンの2位、4位、6位の炭素のうち1乃至3か所が同一の親水性の電子供与性基で置換されたピリミジン誘導体から選ばれる1種又は2種以上を少なくとも含むボールペン用水性インキ組成物とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、経時安定的にインキのペン先乾燥防止性に優れ、筆跡の滲みが少なく筆記感が重くならないボールペン用水性インキ組成物に関する。
従来、水性インキ組成物を内蔵したボールペンは、比較的細い筆跡が得られると共に、繊維製ペン先や樹脂製ペン先を有する筆記具とは異なり、長期間使用してもペン先の摩耗などによる筆跡巾の変化が少ないことから、多く使用されている。ボールペンの筆記の機構は、主にボールの表面に付着したインキ組成物がボールの回転に伴って、紙などの被筆跡面に転写されるものであるので、ペン先の露出が長期間に及ぶとインキ組成中の水などの溶剤が蒸発しボール上に存在するインキが少なくなり、ボールとボールホルダーの金属同士が直接接触しやすくなり、摩擦が大きくなるのでボールの回転が阻害され、筆記感が重くなる現象が見られた。
インキ吐出部の長時間の耐乾燥性に優れた特性を有するボールペン用水性インキとして、平均分子量が1000以上10000以下のポリペプチドと、N−アシルアミノ酸及び/またはその塩を添加する方法(特許文献1)が知られている。
また、インキに各種界面活性剤や、各種脂肪酸及び/またはそれらの誘導体を添加して、ボールとボール受け座の摩擦抵抗を下げることが行われている。例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル(特許文献2)、ポリオキシエチレンアルキルエーテルまたはポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルのリン酸エステル(特許文献3)等を添加することが知られている。
特開平2009−84449号公報 特開平08−302266号公報 特開昭55−066979号公報
特許文献1のインキは平均分子量が1000以上10000以下のポリペプチドと、N−アシルアミノ酸及び/またはその塩の相互作用により耐乾燥効果を得ているため、経時でどちらかの物質が熱や紫外線の影響などにより分解し欠乏した場合、十分な耐乾燥効果が得られないという問題があった。
更に、特許文献2、特許文献3のボールペン用水性インキ組成物は、乾燥によるボールのぬれ性が低下した状態においても潤滑性を得るためには、各種界面活性剤や、各種脂肪酸及び/またはそれらの誘導体を大量に添加する必要があり、インキ組成物の表面張力が著しく下がり、紙面などの吸収面では筆跡のにじみが発生してしまい、所望の巾の筆跡線が得られ難いという問題があった。
本発明は、経時安定的にインキのペン先乾燥防止性に優れ、軽い筆記感で筆記でき、筆跡の滲みが少ないボールペン用水性インキ組成物を提供することを目的とする。
本発明は、水と、着色剤と、水溶性有機溶剤と、ピリジンの2位、4位、6位の炭素のうち1乃至3か所が同一の親水性の電子供与性基で置換されたピリジン誘導体、ピリミジンの2位、4位、6位の炭素のうち1乃至3か所が同一の親水性の電子供与性基で置換されたピリミジン誘導体から選ばれる1種又は2種以上を少なくとも含むボールペン用水性インキ組成物を要旨とする。
ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体の環内窒素原子の孤立電子対がボール金属の空のd軌道と電子を共有し合うことでボール表面への吸着点となり、芳香環と、芳香環内窒素原子のオルト位、パラ位にあたる2位、4位、6位に置換された電子供与性基からの強いπ電子供与でピリジン誘導体、ピリミジン誘導体がボール表面に定着化される。ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体に置換されている親水性の電子供与性基は芳香環の電子共鳴安定化に寄与し電子を供与しているので、大きく陽電荷側に傾いているため、親水性の電子吸引性基を用いた場合やインキ組成中の水や水溶性有機溶剤が形成する水素結合より強い水素結合を形成する。ボール表面にピリジン誘導体、ピリミジン誘導体が吸着した後、インキ組成中の水や水溶性有機溶剤を引き寄せ、強い水素結合を連続的に形成するので、ボール表面のインキぬれ性が向上すると共に溶剤の蒸発が抑制されると推測され、ペン先乾燥を防止でき、良好な筆記感を得られる。また、表面張力を下げることなく滲みに少ない所望の巾の筆跡線が得られる。
インキがpH7〜11の範囲であると、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体の芳香環窒素原子や電子供与性基の孤立電子対にプロトンが配位結合することを防止し、吸着能の低下、水素結合力の低下を引き起こす可能性が回避されるので、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体がもたらす吸着性能、ぬれ性能を経時安定的に得られると推測される。
以下詳細に説明する。
本発明に用いるピリジンの2位、4位、6位1乃至3か所が同一の親水性の電子供与性基で置換されたピリジン誘導体、ピリミジンの2位、4位、6位1乃至3か所が同一の親水性の電子供与性基で置換されたピリミジン誘導体は、ボールのインキに対する濡れを向上してインキ組成物の溶剤の蒸発防止に用いるもので、親水性の電子供与性基としては、ヒドロキシル基、アミノ基、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられ、特にヒドロキシル基、アミノ基が置換されていることが好ましく、具体的には2−ヒドロキシピリジン、4−ヒドロキシピリジン、2,4−ジヒドロキシピリジン、2,6−ジヒドロキシピリジン、2,4,6−トリヒドロキシピリジン、2−アミノピリジン、4−アミノピリジン、2,4−アミノピリジン、2,6−アミノピリジン、2,4,6−アミノピリジン、2−ヒドロキシピリミジン、4−ヒドロキシピリミジン、6−ヒドロキシピリミジン、2,4−ジヒドロキシピリミジン、2,6−ジヒドロキシピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2,4,6−トリヒドロキシピリミジン、2−アミノピリミジン、4−アミノピリミジン、6−アミノピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、2,6−ジアミノピリミジン、4,6−ジアミノピリミジン、2,4,6−トリアミノピリミジン等がある。上記は複数種を混合して使用することもできる。
ピリジンの2位、4位、6位1乃至3か所が同一の親水性の電子供与性基で置換されたピリジン誘導体、ピリミジンの2位、4位、6位1乃至3か所が同一の親水性の電子供与性基で置換されたピリミジン誘導体の使用量はインキ全量に対して0.1〜5重量%が好ましい。0.1重量%未満でも乾燥防止効果はあるが、経時安定的に効果を得るには0.1重量%以上が必要である。また、5重量%を超えて添加しても、乾燥防止効果の向上は認められないので、これ以上の添加を要しない。
着色材は、従来インキに用いられている各種公知の染料、顔料が使用可能である。
染料の例を挙げると、C.I.ダイレクトブラック17、同19、同22、同32、同38、同51、同71、C.I.ダイレクトエロー4、同26、同44、同50、ダイレクトレッド1、同4、同23、同31、同37、同39、同75、同80、同81、同83、同225、同226、同227、C.I.ダイレクトブルー1、同15、同41、同71、同86、同87、同106、同108、同199)などの直接染料や、C.I.アシッドブラック1、同2、同24、同26、同31、同52、同107、同109、同110、同119、同154、C.I.アシッドエロー1、同7、同17、同19、同23、同25、同29、同38、同42、同49、同61、同72、同78、同110、同127、同135、同141、同142、C.I.アシッドレッド8、同9、同14、同18、同26、同27、同35、同37、同51、同52、同57、同82、同83、同87、同92、同94、同111、同129、同131、同138、同186、同249、同254、同265、同276、C.I.アシッドバイオレット15、同17、同49、C.I.アシッドブルー1、同7、同9、同15、同22、同23、同25、同40、同41、同43、同62、同78、同83、同90、同93、同100、同103、同104、同112、同113、同158、C.I.アシッドグリーン3、同9、同16、同25、同27、C.I.アシッドオレンジ56などの酸性染料、C.I.フードエロー3、C.I.フードレッド14、C.I.アシッドブルー74、C.I.アシッドグリーン5などの食用染料、C.I.42000、C.I.44045、C.I.42535、C.I.45160、C.I.45160などの塩基性染料がある。
顔料の例を挙げると、ファーネストブラック、コンタクトブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、群青、紺青、コバルトブルー、チタンイエロー、ターコイズ、モリブデートオレンジ、酸化チタン等の無機顔料、金粉、銀粉、銅粉、アルミニウム粉、真鍮粉、錫粉等の金属粉顔料、雲母系顔料、C.I.PIGMENT RED2、同3、同5、同17、同22、同38、同41、同48:2、同48:3、同49、同50:1、同53:1、同57:1、同58:2、同60、同63:1、同63:2、同64:1、同88、同112、同122、同123、同144、同146、同149、同166、同168、同170、同176、同177、同178、同179、同180、同185、同190、同194、同206、同207、同209、同216、同245、C.I.PIGMENT ORANGE 5、同10、同13、同16、同36、同40、同43、C.I.PIGMENT VIOLET 19、同23、同31、同33、同36、同38、同50、C.I.PIGMENT BLUE 2、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:5、同16、同17、同22、同25、同60、同66、C.I.PIGMENT BROWN 25、同26、C.I.PIGMENT YELLOW 1、同3、同12、同13、同24、同93、同94、同95、同97、同99、同108、同109、同110、同117、同120、同139、同153、同166、同167、同173、C.I.PIGMENT GREEN 7、同10、同36等がある。これらは、1種もしくは2種以上混合して用いることが出来る。また、顔料を水性媒体に分散した分散顔料の例を挙げると、チバスペシャリティケミカルズ(株)製のunisperseシリーズ、クラリアントジャパン(株)製のHostfineシリーズ、大日本インキ化学工業(株)製のDisperseシリーズ、Ryudyeシリーズ、富士色素(株)製のFuji.SPシリーズ、山陽色素(株)製のEmacolシリーズ、Sandyeシリーズ、オリエント化学工業(株)製のMicroPigmoシリーズ、MicroJetシリーズ、東洋インキ(株)製のRio Fastシリーズ、EM Colorシリーズ、住化カラー(株)製のPoluxシリーズ、(以上、無機、有機顔料の分散体)、日本蛍光化学(株)製のNKWシリーズ、東洋ソーダ(株)製のコスモカラーシリーズ、シンロイヒ(株)製のシンロイヒ・カラーベースシリーズ(以上、蛍光顔料の分散体)等がある。これらは1種もしくは2種以上混合して用いることが出来る。
尚、上記染料、顔料、分散顔料は混合して使用することもできる。
水はインキの主溶剤である。
水溶性有機溶剤は低温時でのインキの凍結防止、染料の可溶化剤、顔料の分散媒等、インキの種々の品質を担う目的で、インキ溶媒として用いるもので、具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブチレングリコール、チオジエチレングリコール、グリセリン等のグリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、単独あるいは混合して使用することができる。その使用量はインキ全量に対して10重量%以上60重量%以下が好ましい。
本発明においてインキ組成物の粘度を調整するには通常の剪断減粘性物質を適宜調整して使用することで調整できる。例えば、剪断減粘性物質としては、HPC−SL同L、同M、同H(以上、日本曹達(株)製)、アビセルPH−101、同102、同301、同M06、TG−101(以上、旭化成(株)製)等にセルロース及びその誘導体、ケルザン、ケルザンS、ケルザンF、ケルザンAR、ケルザンM、ケルザンD(以上、三晶(株)製)、コージン、コージンF、コージンT、コージンK(以上、(株)興人製)、ノムコート(日清製油(株)製)、イナゲルV−7、イナゲルV−7T(以上、伊那食品工業(株)製)等のキサンタンガム、レオザン(三唱(株)製)等のサクシノグルカン、K1A96(三唱(株)製)等のウエランガム、K1A112、K7C2433(以上、三唱(株)製)等のラムザンガム、ジャガー8111、同8600、同HP−8、同HP−60、CP−13(以上、三唱(株)製)等のグァーガム及びその誘導体、GX−205、NA−010(昭和電工(株)製)等のN−ビニルアセトアミド重合架橋物等の水溶性合成高分子、ペミュレンTR−1、同TR−2(B.F.Goodrich社製)等のアクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、スメクトンSA(スメクタイト、クニミネ工業(株)製)、クニピア−F、クニピア−G(モンモリロナイト、クニミネ工業(株)製)、ベンゲルHV、同FW、同15、同23(ベントナイト、(株)豊順洋行製)、エスベン、同C、同W、同N400(4級アンモニウムカチオン変性モンモリロナイト、(株)豊順洋行製)等の無機粘土鉱物が挙げられる。その他にもカラギーナン、ゼラチン、カゼイン、デキストラン、アルカガム、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸が挙げられる。特にキサンタンガムが、大きな剪断減粘性を持つことから筆記時にインキの粘度が大きく下がりその結果として筆記時のボテや線割れが発生し難いことや、温度変化に対する安定性、pHに対する安定性、塩に対する安定性、更にアシルアミノ酸及び/又はその塩との相性から、特に好ましい。上記剪断減粘性物質は複数種を混合して使用することもできるが、その使用量は剪断減粘性物質それぞれの性質によるので一概に言えないが、一つの目安として、インキ組成物の粘度を剪断速度1000s−1において、120mPa・s以下にすると、書き味が軽くなるという点で好ましい。
着色剤を紙面に定着させるためなどで各種樹脂を併用することもできる。例えば、セラック、スチレン−マレイン酸共重合体及びその塩、スチレン−アクリル酸共重合体及びその塩、α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体及びその塩、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、尿素樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルキルエーテル、クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂やその水素添加物、ケトン樹脂、ポリアクリル酸ポリメタクリル酸共重合物などが挙げられる。
黴の発生を防止するために、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、安息香酸ナトリウム、モルホリン、モルホリン誘導体などの防腐防黴剤を適宜加えることもできる。
インキのpHを調整するために、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、アミノメチルプロパンジオールなどの塩基性物質や、硫酸などの酸性物質を使用することができる。
染料等の溶解促進や顔料等の分散安定性向上のために脂肪酸類、高級アルコール硫酸エステル類、液体脂肪酸硫酸エステル類、アルキルアリルスルホン酸類などのアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類などの非イオン系界面活性剤や、カチオン系界面活性剤や両性界面活性剤や尿素を、表面張力調整や消泡のためにシリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等を、ペン先の乾燥抑制のためにソルビット、キシリット等の糖アルコール等を、ペン先の防錆のためにベンゾトリアゾール、エチレンジアミン四酢酸などを、さらに各種の香料などを必要に応じて1種又は2種以上混合して用いることもできる。
インキの製造方法としては従来知られている種々の方法が採用できる。例えば、ボールミル、ビーズミル、ロールミル、ヘンシェルミキサー、プロペラ撹拌機、ホモジナイザー、ニーダー等の装置を使用して作ることが出来る。濾過や遠心分離を行い粗大粒子や気体を除いても良い。製造時に加熱や冷却や加圧や減圧や不活性ガス置換をしても良い。動力は電気でも加圧空気でも良い。これらはそれぞれ単独で使用しても良いし、組み合わせて使用しても良い。
インキを収容するインキタンクは、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂、シリコン樹脂等のインキの残量を確認できる透明又は半透明な高分子化合物を使用しても良いが、不透明高分子化合物や金属を使用しても差し支えない。また、インキがインキタンクの内壁に付着することを抑制するためなど、必要に応じてインキタンク内面にシリコン樹脂やフッ素樹脂などを塗布して撥インキ処理をすることもできる。後端開口するインキタンクの場合には、インキの洩れや乾燥を抑制するためにインキ後端の界面に接触させて逆流防止体を配置してもよい。逆流防止体としては不揮発性液体をゲル化したものやスポンジ状のものなど各種公知のものが使用でき、不揮発性液体をゲル化した逆流防止体にさらにプラスチック製のフロートを浸漬するなどしてもよい。
ボールペンのボールを回転自在に抱持するボールホルダーの材質には金属が使用され、金属としては洋白、真鍮、ステンレス等が用いられる。
ボールペンのボールは、基材としてタングステンカーバイド等からなるいわゆる超硬合金、ステンレス、セラミックス、ルビーなど、ボールホルダーより硬い材料が好適に選択され、更に酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素から選ばれる1種もしくは2種以上を少なくとも表面に有するものである。
ボールの直径は0.1mmから2.0mm程度までがよく使用されているがこれに限定するものではない。またペン先の密閉性を高めるために、ボールホルダー内にコイルスプリング等の弾性体を配置しても良い。
(実施例1)
ダイワブルーNo.1WB(青色染料、ダイワ化成(株)製) 3.50重量部
ダイワレッド106WB(赤色染料、ダイワ化成(株)製) 0.70重量部
4,6−ジヒドロキシピリミジン 1.00重量部
エチレングリコール 10.00重量部
ジエチレングリコール 10.00重量部
ベンゾトリアゾール(防錆剤) 0.50重量部
プロクセルGXL(s)(防腐剤、アビシア(株)製) 0.20重量部
ケルザンAR(キサンタンガム、三晶(株)製) 0.50重量部
イオン交換水 73.60重量部
上記成分中、ケルザンARと水とをラボミキサーにて30分間攪拌して均一に溶解しケルザン水溶液を調整した。これに残りの各成分を加えて、更に2時間混合攪拌した。撹拌後、pH8.5になるように水酸化ナトリウム水溶液を適宜用いて調整し、実施例1の青色インキ組成物を得た。
(実施例2)
UNISPERSE BLACK C−S(黒色水性顔料ベース、チバスペシャリティケミカルズ(株)製) 22.00重量部
2,4,6−トリアミノピリミジン 0.50重量部
エチレングリコール 10.00重量部
グリセリン 7.00重量部
ベンゾトリアゾール(防錆剤) 0.50重量部
プロクセルGXL(s)(防腐剤、アビシア(株)製) 0.20重量部
ケルザン(キサンタンガム、増粘剤、三晶(株)) 0.30重量部
イオン交換水 59.50重量部
上記成分中、ケルザンと水とをラボミキサーにて30分間攪拌して均一に溶解しケルザン水溶液を調整した。これに残りの各成分を加えて、更に2時間混合攪拌した。撹拌後、pH7.0になるようにトリエタノールアミンを適宜用いて調整し、実施例2の黒色インキ組成物を得た。
(実施例3)
ウォーターブラック#256L(黒色染料の14%水溶液、オリエント化学工業(株)製)
40.00重量部
2,6−ジアミノピリジン 4.00重量部
2,4,6−トリアミノピリミジン 1.00重量部
エチレングリコール 5.00重量部
グリセリン 6.00重量部
ジエチレングリコール 6.00重量部
ケルザンAR(キサンタンガム、三晶(株)製) 0.50重量部
ベンゾトリアゾール(防錆剤) 0.50重量部
プロクセルGXL(s)(防腐剤、アビシア(株)製) 0.20重量部
イオン交換水 36.80重量部
上記成分中、ケルザンARと水とをラボミキサーにて30分間攪拌して均一に溶解しケルザン水溶液を調整し、これに残りの各成分を加えて、更に2時間混合攪拌した。撹拌後、pH10.0になるように水酸化ナトリウム水溶液を適宜用いて調整し、実施例3の黒色インキ組成物を得た。
(実施例4)
Fuji SP Blue 6401(顔料分19%、顔料水分散体、富士色素(株)製)
26.00重量部
4,6−ジヒドロキシピリミジン 0.05重量部
PEMULEN TR−1(ポリアクリル酸メタクリル酸共重合体、増粘剤、B.F.G
oodri社製) 0.30重量部
エチレングリコール 10.00重量部
グリセリン 10.00重量部
ベンゾトリアゾール(防錆剤) 0.50重量部
プロクセルGXL(s)(防腐剤、アビシア(株)製) 0.20重量部
イオン交換水 52.95重量部
上記成分中、PEMULEN TR−1 と水とをラボミキサーにて30分間攪拌して均一に溶解しケルザン水溶液を調整した。これに残りの各成分を加えて、更に2時間混合攪拌した。撹拌後、pH9.0になるようにトリエタノールアミンを適宜用いて調整し、実施例4の青色インキ組成物を得た。
(実施例5)
SANDYE SUPER BLACK C−E(顔料分28%、顔料水分散体、山陽色素(株)製) 30.00重量部
4,6−ジヒドロキシピリミジン 2.00重量部
エチレングリコール 10.00重量部
グリセリン 10.00重量部
ベンゾトリアゾール(防錆剤) 0.50重量部
プロクセルGXL(s)(防腐剤、アビシア(株)製) 0.20重量部
ケルザン(キサンタンガム、増粘剤、三晶(株)) 0.30重量部
イオン交換水 47.00重量部
上記成分中、ケルザンと水とをラボミキサーにて30分間攪拌して均一に溶解しケルザン水溶液を調整した。これに残りの各成分を加えて、更に2時間混合攪拌した。撹拌後、pH4.5になるように硫酸水溶液を適宜用いて調整し、実施例5の黒色インキ組成物を得た。
(実施例6)
ウォーターレッド#2(赤色染料、オリエント化学工業(株)製) 5.00重量部
ウォーターイエロー#6C(黄色染料、オリエント化学工業(株) 3.00重量部
2,4,6−トリアミノピリミジン 3.00重量部
エチレングリコール 10.00重量部
ジエチレングリコール 10.00重量部
ケルザンAR(キサンタンガム、三晶(株)製) 0.50重量部
ベンゾトリアゾール(防錆剤) 0.50重量部
プロクセルGXL(s)(防腐剤、アビシア(株)製) 0.20重量部
イオン交換水 67.80重量部
上記成分中、ケルザンARと水とをラボミキサーにて30分間攪拌して均一に溶解しケルザン水溶液を調整し、これに残りの各成分を加えて、更に2時間混合攪拌した。撹拌後、pH12.0になるように水酸化ナトリウム水溶液を適宜用いて調整し、実施例6の橙色インキ組成物を得た。
(比較例1)
ダイワブルーNo.1WB(青色染料、ダイワ化成(株)製) 3.50重量部
ダイワレッド106WB(赤色染料、ダイワ化成(株)製) 0.70重量部
エチレングリコール 10.00重量部
ジエチレングリコール 10.00重量部
ベンゾトリアゾール(防錆剤) 0.50重量部
プロクセルGXL(s)(防腐剤、アビシア(株)製) 0.20重量部
ケルザンAR(キサンタンガム、三晶(株)製) 0.50重量部
イオン交換水 74.60重量部
上記成分中、ケルザンARと水とをラボミキサーにて30分間攪拌して均一に溶解しケルザン水溶液を調整した。これに残りの各成分を加えて、更に2時間混合攪拌した。撹拌後、pH8.5になるように水酸化ナトリウム水溶液を適宜用いて調整し、比較例1の青色インキ組成物を得た。
(比較例2)
UNISPERSE BLACK C−S(黒色水性顔料ベース、チバスペシャリティケ
ミカルズ(株)製) 22.00重量部
エチレングリコール 10.00重量部
グリセリン 7.00重量部
ベンゾトリアゾール(防錆剤) 0.50重量部
プロクセルGXL(s)(防腐剤、アビシア(株)製) 0.20重量部
PO−20(還元澱粉糖化物、保湿剤、東和化成工業(株)) 5.00重量部
ケルザン(キサンタンガム、増粘剤、三晶(株)) 0.30重量部
イオン交換水 55.00重量部
上記成分中、ケルザンと水とをラボミキサーにて30分間攪拌して均一に溶解しケルザン水溶液を調整した。これに残りの各成分を加えて、更に2時間混合攪拌した。撹拌後、pH9.0になるように水酸化ナトリウム水溶液を適宜用いて調整し、比較例2の黒色インキ組成物を得た。
(比較例3)
ウォーターブラック#256L(黒色染料の14%水溶液、オリエント化学工業(株)
40.00重量部
サルコシネートOH(潤滑剤、日光ケミカルズ(株)製) 2.00重量部
エチレングリコール 5.00重量部
グリセリン 6.00重量部
ジエチレングリコール 6.00重量部
ケルザンAR(キサンタンガム、三晶(株)製) 0.50重量部
ベンゾトリアゾール(防錆剤) 0.50重量部
プロクセルGXL(s)(防腐剤、アビシア(株)製) 0.20重量部
イオン交換水 39.80重量部
上記成分中、ケルザンARと水とをラボミキサーにて30分間攪拌して均一に溶解しケルザン水溶液を調整し、これに残りの各成分を加えて、更に2時間混合攪拌した。撹拌後、pH9.0になるように水酸化ナトリウム水溶液を適宜用いて調整し、比較例3の黒色インキ組成物を得た。
上記、実施例1〜6、比較例1〜3で得た水性インキ組成物を、ステンレス製のボールペンチップを備えたボールペン(ボール素材:超硬合金、ボール径:0.5mm、ぺんてる(株)製エナージェル、製品符号BLN75)のリフィルに1.0g程度充填し、インキ界面に上記BLN75に使用されている逆流防止体組成物を層状に配置した後、インキを遠心脱泡して、試験用ボールペンを作成した。
(ペン先耐乾燥性試験)
各実施例1〜6及び比較例1〜3の評価用ボールペンをペン先を露出した状態で温度25±5℃、湿度65±20%の条件下にて放置した。1週間後及び1ヶ月後、上質紙に筆記角度70°、筆記速度7cm/s、筆記荷重100gの筆記条件で直線筆記し、同条件で筆記した放置前の筆記線と比較して、同等の濃度の筆記線が得られるまでの筆記長さをカスレ距離として測定した。
また、書き始めの筆記感を官能評価した。
○ :放置前の筆記感と変わらない
△ :放置前の筆記感よりやや重く感じる
× :放置前より筆記感が重い、ボールが回転しない
Figure 2012046637
実施例1〜3で説明したように、少なくとも水と、着色剤と、水溶性有機溶からなるボールペン用水性インキ組成物に、ピリジンの2位、4位、6位の炭素のうち1乃至3か所が同一の親水性の電子供与性基で置換されたピリジン誘導体又はピリミジンの2位、4位、6位の炭素のうち1乃至3か所が同一の親水性の電子供与性基で置換されたピリミジン誘導体を0.1〜5重量%添加することにより、ペン先を露出させ1週間、1か月経過した後でも、書き始めの筆記感が重くならず、ペン先乾燥による筆跡カスレも発生しない、良好な乾燥防止効果が得られる。
実施例4では、ピリミジンの2位、4位、6位の炭素のうち1乃至3か所が同一の親水性の電子供与性基で置換されたピリミジン誘導体の4,6−ジヒドロキシピリミジンが、乾燥防止効果を経時安定的に得られる添加量0.1〜5重量%を下回る0.05重量%しか添加されていないため、ペン先を露出させ1週間後では、筆記感も重くならず、筆跡カスレも発生しないが、1か月後では書き始めの筆記感がやや重くなり、ペン先乾燥による筆跡カスレが多少発生する。
実施例5及び6では、ピリミジンの2位、4位、6位の炭素のうち1乃至3か所が同一の親水性の電子供与性基で置換されたピリミジン誘導体が添加されているが、安定的な吸着性能、ぬれ性能を得られるインキpH7〜11の範囲外であるため、ペン先乾燥防止効果が多少劣る。
比較例1では、ペン先乾燥防止剤や潤滑剤が添加されていないため、ペン先露出1週間経過で書き始めの筆記感がやや重くなり、筆跡カスレも発生する。1か月経過後では筆記感、カスレ距離はさらに悪化する。
比較例2では保湿剤、比較例3では潤滑剤が添加されているため、比較例1に比べるとカスレ距離は短いが、筆記感が経時で重くなり、十分なペン先乾燥効果は得られていない。

Claims (3)

  1. 水と、着色剤と、水溶性有機溶剤と、ピリジンの2位、4位、6位の炭素のうち1乃至3か所が同一の親水性の電子供与性基で置換されたピリジン誘導体、ピリミジンの2位、4位、6位の炭素のうち1乃至3か所が同一の親水性の電子供与性基で置換されたピリミジン誘導体から選ばれる1種又は2種以上を少なくとも含むボールペン用水性インキ組成物。
  2. 前記インキ組成物のpHが7〜11以の範囲にある請求項1に記載のボールペン用水性インキ組成物。
  3. 前記親水性の電子供与性基がヒドロキシ基又はアミノ基であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水性インキ組成物。
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