JP2012046216A - ウォーターサーバー用ボトル - Google Patents

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Shoji Miyata
尚司 宮田
Shigeru Komatsu
滋 小松
Ryohei Usui
良平 碓井
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Abstract

【課題】
過酷な取り扱いがなされた場合でも強度上の問題がなく、しかも製造コストの抑制も可能なウォーターサーバー用ボトルを提供すること。
【解決手段】
底面13と側面14と肩面15と首部16と、からなるボトル本体11と、可撓性を有する帯状の吊り具21と、でウォーターサーバー用ボトルを構成して、吊り具21は、底面13を跨ぐように配置して、その両端部分を側面14に貼り付ける。この貼り付け箇所の面積を増大することで、吊り具21とボトル本体11との境界に作用するせん断荷重が広く分散して、吊り具21のはがれや、ボトル本体11の過大な変形を防止できる。そのため想定を越えるような過酷な取り扱いがなされた場合でも、強度上の余裕を見込める。また吊り具21は、汎用の粘着テープを使用でき、製造コストの抑制も実現できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ミネラルウォーターなどの各種液体が充填されるウォーターサーバー用ボトルに関する。
近年の健康志向の高まりに連れて、飲用水についての関心も高まっており、都市部を中心として、水道水が敬遠される傾向にあり、その代用としてミネラルウォーターの利用が進んでいる。ミネラルウォーターは、コンビニエンスストアなどで簡単に購入できるが、ボトルの容量は2リットル程度であり、消費量が多い場合には購入頻度も高くなり、支出が増加するほか、輸送時の肉体的負担も大きい。そこで、家庭やオフィスにウォーターサーバーと呼ばれる装置を据え付けて、いつでも良質の飲用水を得られるサービスが展開されている。
このようなウォーターサーバー(以下、サーバー)に飲用水を供給するため、容量が10〜15リットル程度の専用のボトルを使用している。このボトルは、強度に優れたポリカーボネート樹脂製が主流だったが、空の状態でも押し潰すことができず、しかも飲用水を注出する際、内部に空気を送る必要があり、雑菌が入りやすく衛生面にも課題がある。そのため、より軟質のボトルに置き換えが進んでおり、保管時や廃棄時には体積を縮小できるようになった。さらに飲用水の注出時は、大気圧で自然に押し潰されるため、内部に空気を送る必要がなく、衛生面にも優れている。
軟質なボトルの例としては、下記特許文献1および2が挙げられる。そのうち特許文献1は、ボトルの底部の外縁に鍔や爪を形成したことなどを特徴としており、上下を反転させてサーバーに組み込んだ際、この鍔や爪を周辺の支持具などに係止させて、ボトルの形崩れを防止している。また特許文献2は、飲用水を充填する際の作業性を向上するため、ボトルの筒口部を支える係止部を設けたほか、ボトルの崩れを防ぐため周囲に支持枠を配置したことを特徴としている。
特許第4084342号公報 特許第4113871号公報
ボトルは、宅配便などでサーバーの設置個所に輸送されるが、ボトルをサーバーに組み込む作業は、利用者が自らの手で行う必要がある。そのためボトルの底面には、図3のような吊り具が組み込まれている。この吊り具は、硬質樹脂を枠状に成形したもので、中心に係止孔が設けてある。またボトルの底面の中央には、キノコ状の凸部が成形されており、これを係止孔に嵌め込むことで、吊り具がボトルと一体化される。なおボトルを持ち運ぶ際は、吊り具の両側を引き起こし、中に指を差し込む。
この吊り具を使ってボトルを持ち運ぶ際、ボトルだけが不意に落下しないよう、吊り具とその周辺は、十分な強度が確保されている。しかし、現実の使用状況を調査したところ、ボトルの重量が鉄アレイなどの運動用具を連想させてしまい、素早く上下に移動させるなど、想定外の取り扱いがなされて、強度上の余裕が見込めない場合もあることが判明した。この点は、凸部周辺の形状を変更することで解消可能だが、それには、ボトルの製造に用いる金型を変更するなど大掛かりな設備投資を伴い、製造コストの増加が避けられない。
また軟質のボトルは、原則として一度だけの使用で廃棄されるため、製造コストの削減が必要不可欠である。しかし図3のような専用の吊り具を組み込むことは、コストアップの要因になり、何らかの対策が求められている。
本発明はこうした実情を基に開発されたもので、過酷な取り扱いがなされた場合でも強度上の問題がなく、しかも製造コストの抑制も可能なウォーターサーバー用ボトルの提供を目的としている。
前記の課題を解決するための請求項1記載の発明は、底面と、該底面の周縁から起立する側面と、該側面の上端周縁から中心に向かう肩面と、該肩面の中心に位置する筒状の首部と、からなるボトル本体と、可撓性を有する帯状の吊り具と、を備え、前記吊り具は、前記底面を跨ぐように配置され、その両端部分は、前記側面下部に面接触して貼り付けてあることを特徴とするウォーターサーバー用ボトルである。
本発明によるウォーターサーバー用ボトルは、樹脂を成形したボトル本体と、帯状の吊り具と、を一体化したもので、ボトル本体は、一般的なボトルと同様、底面と側面と肩面と首部で構成され、そのうち首部は、筒状に形成され、内部に液体を充填する際や、内部の液体を排出する際の流路となる。この首部は、通常の保管状態において最上部に位置する。また底面は、首部の反対に位置しており、床面などに接触する平面状の部分である。次に側面は、底面の周縁全域から起立する壁状の部分であり、概ね垂直に延びているが、何らかの曲面が介在していてもよい。そして肩面は、側面の上端と首部の根元を結ぶ部分で、側面から首部に向かうに連れて、底面から遠ざかる方向に傾斜している。
ボトル本体の形状は、持ち運ぶ際のバランスが確保できるならば自在に選択可能で、首部を中心とする円形や正方形のほか、六角形などの多角形でもよい。また変形を促進させるため、側面を蛇腹構造としてもよい。さらにボトル本体の材質についても、PET樹脂(ポリエチレンテレフタレート樹脂)やポリエチレン樹脂など、自在に選択可能である。
ボトル本体をサーバーに取り付ける際は、首部を下に向けて、肩面をサーバーの上面に載せる。この作業を円滑に行うため、首部に対向する底面側に何らかの吊り具が必要であり、本発明では、帯状のものを使用している。この吊り具は、一端側が側面下部に面接触しており、そこから底板を跨ぐように延びており、他端側が対向する側面下部に面接触している。なお側面下部とは、側面のうち、底面に近い箇所を指している。
吊り具の両端部分とは、吊り具の端面を基点とする一定の長さの範囲を指しており、この部分を側面と面接触させた上、接着などで双方を一体化する。この接触面積を広くすることで、吊り具とボトル本体との境界に作用するせん断荷重が広く分散され、強度の面で有利になる。なお実際の製品では、吊り具を接着剤で貼り付ける方法のほか、汎用の粘着テープを吊り具として、その両端部分をボトルに貼り付けても構わない。ただし粘着テープを用いる場合、その中間部分が底面などに貼り付かないよう、粘着面にフィルムを貼るなどの対策が必要である。
吊り具の幅や厚さや材質などは自在に選択できるが、ボトルの重量に対する十分な強度が必要である。また吊り具と底面との間には、指が余裕で差し込める程度の隙間を確保する。ただし、ボトル本体を床などに据え置いた場合にも支障がないよう、吊り具は、可撓性を有して自在に変形できるものとする。そのほか吊り具は、持ち運ぶ際のバランスを確保するため、中心軸を基準として対称形に配置すべきである。
請求項1記載の発明のように、樹脂成形で製造したボトル本体と、可撓性を有する帯状の吊り具と、でウォーターサーバー用ボトルを構成して、吊り具の両端部分をボトル本体の側面に貼り付けることで、強度上の課題が解消する。具体的には、吊り具の幅や材質などを調整することで、十分な強度を確保できるほか、吊り具とボトル本体との貼り付け箇所の面積を増大することで、そこに作用するせん断荷重を広く分散でき、吊り具のはがれや、ボトル本体の過大な変形を防止できる。そのため過酷な取り扱いがなされた場合でも、強度上の余裕が見込め、製品の信頼性が向上する。
また本発明は、ボトル本体に凸部などの特別な部位を形成する必要がなく、既存の製品にも自在に対応でき、しかもボトル本体の成形工程を変更する必要もなく、製造コストの増加を回避できる。さらに吊り具は、汎用の粘着テープをそのまま流用可能で、従来のような専用品を使用する必要がなく、この面でも製造コストの削減に貢献する。なお汎用の粘着テープを流用した場合、使用後にボトル本体から引きはがすことも可能で、後処理の面でも優れている。
本発明によるウォーターサーバー用ボトルの形状例を示す斜視図である。 吊り具として汎用の粘着テープを使用した場合を示す斜視図である。 従来の吊り具の形状例を示す斜視図である。
図1は、本発明によるウォーターサーバー用ボトルの形状例を示している。このウォーターサーバー用ボトルは、各種液体を収容するボトル本体11と、この下部に取り付けられた帯状の吊り具21と、で構成される。ボトル本体11は、PET樹脂を素材としており、底面13と側面14と肩面15と首部16を一体成形したもので、保管時は底面13を床などに据え置いて、首部16が上方に突出する。なお、ボトル本体11を真上から見ると、角が丸められた正方形状で、その中心に首部16が位置している。首部16の先端には、内部を密閉するため、別途に製造されたキャップ19が嵌め込まれており、また側面14には、容積を削減できるよう蛇腹18が形成されているが、蛇腹18よりも下方は、下すぼみ形状となっている。
吊り具21は、変形自在な帯状で、想定される荷重に対して強度上余裕があるものを使用している。また吊り具21の両端部分は、側面14と接着で一体化しているが、この接触面積を十分に確保しているため、せん断荷重は広範囲に分散される。そのため、ボトル本体11に飲用水が全量充填され、且つ過酷な取り扱いがなされた場合でも、接着がはがれることはない。
ボトル本体11をウォーターサーバーに取り付ける際は、吊り具21に指を掛けて、下方の図のように、ボトル本体11を上下反転させて首部16を下に向ける。その後、中の飲用水が徐々に排出されることで、蛇腹18が押し潰され、ボトル本体11は徐々に収縮して行くが、吊り具21がボトル本体11の変形を阻害することはない。なおボトル本体11の変形性を確保するため、側板14などは薄肉としている。
図2は、吊り具21の具体例な構成例を示している。吊り具21は、強度に優れた帯を所定の長さに切断した後、その両端部分に接着剤を塗布して、ボトル本体11に貼り付けても構わないが、この図のように、汎用の粘着テープ23を使用することもできる。粘着テープ23には、極細い繊維が埋め込まれて強度に優れており、また片面(図の内側)だけが粘着面24となっている。なお粘着テープ23の中間部分が底面13などに貼り付かないよう、粘着面24の中央部分にはカバーベルト26を貼り付けている。
カバーベルト26を粘着面24に貼り付けた後、粘着テープ23の両端部分をボトル本体11に貼り付けると、吊り具21の取り付けが完成する。なお粘着テープ23をボトル本体11に貼り付ける際は、接着不良を防止するため、ボトル本体11の表面に付着した異物を除去しておく。そのほか粘着テープ23が透明な場合、カバーベルト26の表面に品質表示などのメッセージ27を書き込んで、利用者への情報伝達も可能である。
11 ボトル本体
13 底面
14 側面
15 肩面
16 首部
18 蛇腹
19 キャップ
21 吊り具
23 粘着テープ
24 粘着面
26 カバーベルト
27 メッセージ

Claims (1)

  1. 底面(13)と、該底面(13)の周縁から起立する側面(14)と、該側面(14)の上端周縁から中心に向かう肩面(15)と、該肩面(15)の中心に位置する筒状の首部(16)と、からなるボトル本体(11)と、
    可撓性を有する帯状の吊り具(21)と、を備え、
    前記吊り具(21)は、前記底面(13)を跨ぐように配置され、その両端部分は、前記側面(14)下部に面接触して貼り付けてあることを特徴とするウォーターサーバー用ボトル。
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