JP2012046045A - パワーステアリング装置 - Google Patents

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Hisashi Tsuda
久史 津田
Yusuke Kurita
裕介 栗田
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Abstract

【課題】スリップ発生時に生じるトルクステアを抑えられるパワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】コントローラがパワーステアリング出力部に供給される作動油の流量を制御する車両のパワーステアリング装置であって、車両が雪道やぬかるみ等の滑りやすい路面上を走行する際に、左右の車輪の一方が路面に対して滑るスリップが生じるとスリップ時指令値I3が高まり、スリップ時指令値I3に基づいてパワーステアリング出力部に供給される作動油の流量が制御される構成とした。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両の運転状態に応じて操舵系に付与する操舵アシスト力を制御するパワーステアリング装置に関するものである。
従来、この種のパワーステアリング装置として、エンジンによって駆動され作動油を吐出するポンプと、このポンプからパワーステアリング出力部(パワーシリンダ)に導かれる作動油の供給流量を調節するフローコントロールバルブとを備えるものがある。
フローコントロールバルブは、コントローラによって制御されるソレノイドバルブと、このソレノイドバルブの作動に応動して作動油の一部をタンク側に戻すスプールとを備え、このスプールを介してタンク側に戻される作動油とパワーステアリング出力部に供給される作動油の分配割合を調節する。
コントローラは、操舵角センサからの操舵角信号と車速センサからの車速信号とを入力し、操舵角と操舵角速度と車速に基づいて要求流量を推定し、この要求流量が得られるようにフローコントロールバルブの作動を制御する。
コントローラがパワーステアリング出力部に供給される作動油の供給流量を要求流量に近づけるように調節することにより、無駄な作動油をパワーステアリング出力部に供給することが抑えられ、ポンプの駆動損失を低減するようになっている。
特許文献1に開示されたパワーステアリング装置は、車両の急制動を判定した場合にはパワーステアリング出力部に供給される作動油の供給流量を増やすようになっている。これにより、高速走行中に急制動をして、急操舵しようとしたときに、パワーステアリング出力部の出力不足を解消することができる。
特開2004−155342号公報
しかしながら、このような従来のパワーステアリング装置にあっては、車両が雪道やぬかるみ等の滑りやすい路面上を走行する際に、左右の車輪の一方が路面に対して滑るスリップが生じると、ハンドルを切っていないのにもかかわらず、ハンドルが左右方向に回されるトルクステアが生じる可能性がある。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、スリップ発生時に生じるトルクステアを抑えられるパワーステアリング装置を提供することを目的とする。
本発明は、操舵角を検出する操舵角センサの出力信号に応じてパワーステアリング出力部に供給される作動油の流量を調節する車両のパワーステアリング装置であって、操舵角センサの出力信号に基づいて基本指令値を出力する基本指令値出力手段と、車輪が路面に対して滑るスリップに関連する車両の運転状態に基づいてスリップが発生している場合に高まるスリップ時指令値を出力するスリップ時指令値出力手段と、出力される基本指令値とスリップ時指令値とのうち大きな指令値を選択する指令値選択手段と、を備え、選択された指令値に基づいてパワーステアリング出力部に供給される作動油の流量を制御する構成とした。
本発明によると、車両が雪道やぬかるみ等の滑りやすい路面上を走行する際に、左右の車輪の一方が路面に対して滑るスリップが生じると、コントローラがこのスリップが発生していると判定した場合には作動油の供給流量を増やす制御を行う。これにより、スリップ発生時にパワーステアリング出力部が操舵系に付与する操舵アシスト力を高められ、ハンドルが左右方向に回されるトルクステアを抑えられる。
本発明の実施形態を示すパワーステアリング装置のシステム図。 同じくコントローラの構成を示すブロック図。 他の実施の形態を示すコントローラの構成を示すブロック図。 さらに他の実施の形態を示すコントローラの構成を示すブロック図。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、車両に搭載されるパワーステアリング装置1の概略構成を示すシステム図である。パワーステアリング装置1は、図示しないエンジンによって駆動されるポンプ10と、このポンプ10から吐出される作動油をポンプ10の吸込側に還流しパワーステアリング出力部8に供給される作動油の流量QPを調節するフローコントロールバルブ9とを備える。ポンプ10とフローコントロールバルブ9はポンプユニット12として一体化されている。
パワーステアリング出力部8は、運転者によって操作される図示しないハンドル(ステアリングホイール)の操舵角及び操舵トルクに応じて作動油の流路方向及び圧力を制御するステアリングバルブ15と、このステアリングバルブ15を介して制御された作動油圧力により操舵力を付与するパワーシリンダ16等によって構成される。
ステアリングバルブ15は、パワーシリンダ16に対してポンプ10から吐出される作動油が操舵に対応するいずれか一方のパワーシリンダ室に流入するように油路を切換え、パワーシリンダ16によって操舵ロッド14に操舵アシスト力が付与される。
フローコントロールバルブ9は、ポンプ10から吐出される作動油をポンプ10の吸込み側(タンクT)に戻す戻り通路4と、この戻り通路4の開度を変えるスプール11と、作動油をパワーステアリング出力部8へと導く供給通路5と、この供給通路5に介装されるソレノイドバルブ6とを備える。
フローコントロールバルブ9は、ソレノイドバルブ6の前後差圧に応じて供給通路5の作動油をポンプ吸込み側に戻すスプール11を備える。
スプール11の一端には上流側パイロット圧室20が画成され、この上流側パイロット圧室20は供給通路5のソレノイドバルブ6より上流側に連通している。スプール11の他端にはスプリング13が介装された下流側パイロット圧室21が画成され、この下流側パイロット圧室21は供給通路5のソレノイドバルブ6より下流側に連通している。スプール11は、上流側パイロット圧室20と下流側パイロット圧室21の圧力差によりスプリング13に抗して移動し、戻り通路4の開度が変えられる。
ポンプ10が低速域で回転している運転時、スプリング13の付勢力によってスプール11が図面右側位置に保持され、スプール11によって戻り通路4が閉塞される。この状態では、ポンプ10の回転速度に比例した流量QPの作動油がソレノイドバルブ6を通ってパワーステアリング出力部8に供給される。
ポンプ10の回転速度が中速域に達すると、スプール11が戻り通路4を開き、上流側パイロット圧室20に流入する作動油の一部が戻り通路4を介して還流され、ソレノイドバルブ6を介してパワーステアリング出力部8に供給される作動油の流量QPは略一定に保たれる。
この運転状態にて、コントローラ17が比例型ソレノイドバルブ6の励磁電流を制御してソレノイドバルブ6に設けられる可変絞り6aの開度が変化すると、両パイロット圧室20、21に導かれる圧力差に応じてスプール11がスプリング13に抗して図中左側に移動し、そのバランス位置にて戻しポート4との開度が決まり、ポンプ10から吐出される作動油の一部を戻り通路4からポンプ10の吸込み側に還流し、パワーステアリング出力部8に供給される作動油の流量QPが調節される。
こうしてフローコントロールバルブ9は、コントローラ17からソレノイドバルブ6に出力される励磁電流に応じてパワーステアリング出力部8に供給される作動油の流量QPを調節する。
コントローラ17は、操舵角センサ18からの操舵角信号と車速センサ19からの車速信号とが通信回線を介して入力され、ソレノイドバルブ6に出力される励磁電流を制御する。
操舵角センサ18は、ハンドルが操作された操舵角(回転角度)に応じた信号を出力する。コントローラ17は、操舵角センサ18のパルス信号を入力し、車両の操舵角θと操舵角速度ωを計算する。
車速センサ19は、パワートレインの回転速度信号として、トランスミッションの出力ギヤの回転速度に比例したパルス信号を出力する。コントローラ17は、車速センサ19のパルス信号を入力し、車両の走行速度に相当する車速Vを計算する。
図示しない車両のパワートレインは、エンジンの駆動力が、トランスミッション、プロペラシャフト、ディファレンシャルギヤ、左右ドライブシャフトを介して左右車輪に伝えられる。
車速センサ19は、車両のパワートレインにおいてディファレンシャルギヤより動力発生源側にて回転する部位の回転速度を検出してもよい。
図2は、コントローラ17の構成を示すブロック図である。コントローラ17は操舵角センサ18、車速センサ19の出力信号を基に車両の運転状態に応じてソレノイドバルブ6に対する基本指令値を出力する。以下、図2に基づいてコントローラ17にて行われる制御内容を説明する。
コントローラ17には、操舵角θに応じて基本指令値I1を設定したテーブルが設けられる。この基本指令値I1は、操舵角θと作動油の供給流量QPとがリニアな特性になるように設定される。
同様に、操舵角速度ωに応じて基本指令値I2を設定したテーブルが設けられる。この基本指令値I2は、操舵角速度ωと作動油の供給流量QPとがリニアな特性になるように設定される。
ただし、ハンドルが中立あるいはその近傍にあるときには、操舵角θ及び操舵角速度ωが、ある設定値以上にならなければ、上記基本指令値I1、I2のいずれもゼロを出力するように設定される。
なお、基本指令値I1は操舵角θを基に計算して求め、基本指令値I2は操舵角速度ωを基に計算して求めるようにしてもよい。
車速Vに応じてゲイン値Gを設定したテーブルが設けられる。基本指令値I1、I2にゲイン値Gを乗算して基本指令値GI1、GI2がそれぞれ出力される。
このゲイン値Gは、一例として、車速Vが低速域では1を出力し、高速域では0.6を出力するとともに、その間の中速域では1から0.6まで車速Vに応じて漸次減少する値を出力する。これにより、低速域では基本指令値GI1、GI2は基本指令値I1、I2がそのまま出力されるし、高速域では基本指令値GI1、GI2は基本指令値I1、I2の6割になる。一方、中速域では、速度が上がればそれに反比例した値が出力されることになる。
車速Vに応じてリミット値Lを設定したテーブルが設けられる。基本指令値GI1、GI2はこのリミット値Lを超えないように規制される。
こうして得られた基本指令値GI1、GI2のうち、大きな方の値を選択し、それにスタンバイ基本指令値Isを加算する。つまり、基本指令値として(GI1+Is)または(GI2+Is)を出力し、ドライバーからソレノイドバルブ6に励磁電流が出力される。この処理が、基本指令値出力手段に相当する。
このようにしてコントローラ17は、操舵角θ及び操舵角速度ωに対して作動油の供給流量QPがリニアな関係になるように制御し、パワーシリンダ16の操舵アシスト力が適度に調節される。
ところで、車両が雪道やぬかるみ等の滑りやすい路面上を走行する際に、左右の車輪の一方が路面に対して滑るスリップが生じると、ハンドルを切っていないのにもかかわらず、ハンドルが左右方向に回されるトルクステアが生じる可能性がある。
上記のトルクステアが生じるスリップとして、車両の負荷走行時等において、路面に対して左右の車輪の一方が滑る、空転状態のスリップがある。この空転状態のスリップが生じると、左右の車輪の一方が空転し、他方が空転しない状態にて、左右の車輪に伝達される駆動力にアンバランスが生じ、トルクステアが生じる。
この空転状態のスリップが生じると、車輪が多く回転するので、パワートレインの回転速度が上昇し、パワートレインの回転速度を検出する車速センサ19の出力信号に基づいて計算される車速Vが上昇する。しかし、車両の直進時では、ハンドルの操舵角θ、操舵角速度ωが共に小さいため、基本指令値GI1、GI2が小さく、パワーシリンダ16が操舵系に付与する操舵アシスト力(保持力)が小さいため、トルクステアを十分に抑えられない可能性がある。
本発明はこれに対処して、コントローラ17は、車速センサ19の出力信号に基づい車輪が空転するスリップの発生時に操舵アシスト力を高める構成とする。
具体的に、コントローラ17は、車速Vの単位時間当たりの変化量を車速変化量Vcを計算し、計算されるこの車速変化量Vcに応じてスリップ時指令値I3を設定したテーブルが設けられ、車速変化量Vcに基づくスリップ時指令値I3が出力される。この処理が、スリップ時指令値出力手段に相当する。
このスリップ時指令値I3は、車速変化量Vcがある設定値範囲の運転状態にてゼロを出力し、車速変化量Vcがこの設定範囲を超えて高まるかあるいは低くなるのに伴って、車速変化量Vcの絶対値が増えるのに応じてが高まるように設定される。これにより、加速時のスリップだけでなく、減速時のスリップにも対応できる。
そして、コントローラ17は、前述した処理によって出力される基本指令値GI1+IsまたはGI2+Isと、車速変化量Vcに基づくスリップ時指令値I3とのうち、大きな方の値を最終的なソレノイド電流指令値として選択する。この処理が、指令値選択手段に相当する。コントローラ17は、最終的なソレノイド電流指令値に応じた励磁電流をドライバーからソレノイドバルブ6に出力する。
こうして基本指令値GI1+Is、GI2+Is、スリップ時指令値I3のうち、最も大きな値を選択することによって、作動油の供給流量QPのふれ幅を小さく抑えられるとともに、制御応答性が確保される。
この場合、スリップ時指令値I3は、スタンバイ基本指令値Isが予め加算された値に設定される。
なお、これに限らず、スタンバイ基本指令値Isが加算されていない値をスリップ時指令値I3′を設定し、基本指令値GI1、GI2、スリップ時指令値I3′のうち、最も大きな値を選択し、選択されたこのソレノイド電流指令値にスタンバイ基本指令値Isを加算してドライバに出力する構成としてもよい。
車輪の空転によるスリップが発生している場合には、コントローラ17にて車速変化量Vcに基づくスリップ時指令値I3が高まり、基本指令値GI1+Is、GI2+Is、I3のうち、最も大きな値として車速変化量Vcに基づくスリップ時指令値I3が選択されることになり、このスリップ時指令値I3に基づいてコントローラ17のドライバーからソレノイドバルブ6に出力される励磁電流を高める処理が行われる。この処理により、フローコントロールバルブ9を介してパワーステアリング出力部8に供給される作動油の流量QPが増大し、パワーシリンダ16が操舵系に付与する操舵アシスト力が高められる。
以上のように、本実施形態では、操舵角に応じた信号を出力する操舵角センサ18と、ポンプからパワーステアリング出力部に供給される作動油の流量QPを調節するソレノイドバルブ6とを備え、操舵角センサ18の出力信号に基づいてソレノイドバルブ6に出力される励磁電流を制御するコントローラ17とを備える車両のパワーステアリング装置1であって、コントローラ17は、操舵角センサ18の出力信号に基づいて基本指令値GI1+Is、GI2+Isを出力する基本指令値出力手段と、車輪が路面に対して滑るスリップに関連する車両の運転状態に基づいてスリップが発生している場合に高まるスリップ時指令値I3を出力するスリップ時指令値出力手段と、出力される基本指令値GI1+Is、GI2+Isとスリップ時指令値I3とのうち大きな指令値を選択する指令値選択手段とを備え、選択された指令値に基づいてソレノイドバルブ6に出力される励磁電流を制御し、スリップが発生している場合にパワーステアリング出力部8に供給される作動油の流量QPを増やす構成とした。
上記構成に基づき、車両が雪道やぬかるみ等の滑りやすい路面上を走行する際に、左右の車輪の一方が路面に対して滑るスリップが生じるとスリップ時指令値I3が、基本指令値GI1+Is、GI2+Isより高まり、スリップ時指令値I3に基づいてソレノイドバルブ6に出力される励磁電流が制御され、パワーステアリング出力部8に供給される作動油の流量QPを増やす制御が行われる。これにより、スリップ発生時にパワーステアリング出力部8が操舵系に付与する操舵アシスト力が高められ、ハンドルが左右方向に回されるトルクステアを抑えられる。
本実施形態のスリップ時指令値出力手段は、パワートレインの回転速度を車速Vとして入力し、車速Vの単位時間当たりの変化量を車速変化量Vcとして計算し、この車速変化量Vcに応じてスリップ時指令値I3を出力する構成とした。
上記構成に基づき、パワートレインを介して駆動される左右の車輪の一方が滑って空回りするスリップが生じると、車速変化量Vcが高まるのに応じてスリップ時指令値I3が高められ、作動油の供給流量QPを増やす制御が行われる。これにより、パワーシリンダ16が操舵系に付与する操舵アシスト力を高められ、車輪に働く駆動反力のアンバランスに対抗して操舵系が保持され、ハンドルが左右方向に回されるトルクステアを抑えられる。
ところで、車両が雪道等の滑りやすい路面上にてブレーキ装置が作動して前後左右の各車輪の回転を制動する際に、左右の車輪の一方が路面に対して滑るスリップ(ロック)が生じると、左右の車輪の制動反力にアンバランスが生じ、ハンドルを切っていないのにもかかわらず、ハンドルが左右方向に回されるトルクステアが生じる可能性がある。
つまり、トルクステアが生じるスリップは、エンジンに車輪の駆動力が伝えられる負荷走行時において車輪が空転する空転状態と、ブレーキ装置が作動して車輪の回転を制動する制動時において車輪の回転がロックするロック状態とがある。
図3は、空転状態とロック状態の両方に対処して操舵アシスト力を高められる他の実施の形態として、コントローラ17の構成を示すブロック図である。以下、図3に基づいてコントローラ17にて行われる制御内容を説明する。
コントローラ17は、左右車輪回転速度センサ31、32(図1参照)からの信号が通信回線を介して入力される。
左右車輪回転速度センサ31、32は、パワートレインによって駆動される左右車輪の回転速度Hl、Hrを検出する左右車輪の回転速度信号として、左右車輪の回転速度に比例したパルス信号をそれぞれ出力するものである。
コントローラ17は、読み込まれる左右車輪の回転速度Hl、Hrを基に左右車輪の回転速度差(Hl−Hr)の絶対値を回転速度差Hdとして計算し、計算される左右車輪の回転速度差Hdに応じてスリップ時指令値I4を設定したテーブルが設けられ、回転速度差Hdに基づくスリップ時指令値I4が出力される。この処理が、スリップ時指令値出力手段に相当する。
このスリップ時指令値I4は、左右車輪の回転速度差Hdがある設定値以下の運転状態にてゼロを出力し、左右車輪の回転速度差Hdがこの設定値を超えて高まるのに伴って、左右車輪の回転速度差Hdに応じてが高まるように設定される。
そして、コントローラ17は、基本指令値をGI1+IsまたはGI2+Isと、左右車輪の回転速度差Hdに基づくスリップ時指令値I4とのうち、大きな方の値を最終的な基本指令値として選択する。この処理が、指令値選択手段に相当する。コントローラ17は、最終的なソレノイド電流指令値に応じた励磁電流をドライバーからソレノイドバルブ6に出力する。
こうして基本指令値GI1+Is、GI2+Is、スリップ時指令値I4のうち、最も大きな値を選択することによって、作動油の供給流量QPのふれ幅を小さく抑えられるとともに、制御応答性が確保される。
この場合、スリップ時指令値I4は、スタンバイ基本指令値Isが予め加算された値に設定される。
なお、これに限らず、スタンバイ基本指令値Isが加算されていない値をスリップ時指令値I4′を設定し、基本指令値GI1、GI2、スリップ時指令値I4′のうち、最も大きな値を選択し、選択されたこの値にスタンバイ基本指令値Isを加算する構成としてもよい。
車輪の負荷走行時における空転または制動時における車輪のロックによるスリップが発生すると、コントローラ17にて左右車輪の回転速度差Hdに基づくスリップ時指令値I4が高まり、基本指令値GI1+Is、GI2+Is、スリップ時指令値I4のうち、最も大きな値としてスリップ時指令値I4が選択されることになり、このスリップ時指令値I4に基づいてコントローラ17のドライバーからソレノイドバルブ6に出力される励磁電流を高める処理が行われる。この処理により、フローコントロールバルブ9を介してパワーステアリング出力部8に供給される作動油の流量QPが増大し、パワーシリンダ16が操舵系に付与する操舵アシスト力が高められる。
以上のように、本実施形態のスリップ時指令値出力手段は、左右車輪の回転速度Hl、Hrを基に左右車輪の回転速度差Hdを計算し、左右車輪の回転速度差Hdに応じてスリップ時指令値I4を出力する構成とした。
上記構成に基づき、パワートレインによって駆動される左右の車輪の一方が滑って空回りするスリップが生じると、左右車輪の回転速度差Hdが高まるのに応じてスリップ時指令値I4が高められ、作動油の供給流量QPを増やす制御が行われる。これにより、パワーシリンダ16が操舵系に付与する操舵アシスト力が高められ、車輪に働く駆動反力または制動反力のアンバランスに対抗して操舵系が保持され、ハンドルが左右方向に回されるトルクステアを抑えられる。
図4は、ロック状態に対処して操舵アシスト力を高められる他の実施の形態として、コントローラ17の構成を示すブロック図である。以下、図4に基づいてコントローラ17にて行われる制御内容を説明する。
コントローラ17は、ABSコントローラ35(図1参照)からのABS作動信号が通信回線を介して入力される。
車両に搭載されるABS(アンチロック・ブレーキ・システム)は、ABSコントローラ35が制動時に左右前後車輪が滑るスリップ発生時(ロック時)を検出して、左右前後車輪の滑りを抑えるように各車輪のブレーキ圧を制御する。
コントローラ17は、ABSコントローラ35から出力されるABS作動信号を基に、ABSが作動するABS作動時に所定のスリップ時指令値I5を出力する。この処理が、スリップ時指令値出力手段に相当する。
そして、コントローラ17は、基本指令値をGI1+IsまたはGI2+Isと、ABS作動時に出力されるスリップ時指令値I5とのうち、大きな方の値を最終的な基本指令値として選択する。この処理が、指令値選択手段に相当する。コントローラ17は、最終的なソレノイド電流指令値に応じた励磁電流をドライバーからソレノイドバルブ6に出力する。
こうして基本指令値GI1+Is、GI2+Is、スリップ時指令値I5のうち、最も大きな値を選択することによって、作動油の供給流量QPのふれ幅を小さく抑えられるとともに、制御応答性が確保される。
この場合、スリップ時指令値I5は、スタンバイ基本指令値Isが予め加算された値に設定される。
なお、これに限らず、スタンバイ基本指令値Isが加算されていない値をスリップ時指令値I5′を設定し、基本指令値GI1、GI2、スリップ時指令値I5′のうち、最も大きな値を選択し、選択されたこの値にスタンバイ基本指令値Isを加算する構成としてもよい。
車両の制動時にABSが作動すると、コントローラ17にてスリップ時指令値I5が出力され、コントローラ17のドライバーからソレノイドバルブ6に出力される励磁電流が高まると、基本指令値GI1+Is、GI2+Is、スリップ時指令値I5のうち、最も大きな値としてABS作動時に出力されるスリップ時指令値I5が選択されることになり、このスリップ時指令値I5に基づいてコントローラ17のドライバーからソレノイドバルブ6に出力される励磁電流を高める処理が行われる。この処理により、フローコントロールバルブ9を介してパワーステアリング出力部8に供給される作動油の流量QPが増大し、パワーシリンダ16が操舵系に付与する操舵アシスト力が高められる。
以上のように、本実施形態のスリップ時指令値出力手段は、読み込まれるABSの作動信号を基にABSが作動している場合にはスリップが発生していると判定しスリップ時指令値I5を出力する構成とした。
上記構成に基づき、車両の制動時に左右の車輪の一方が滑ってロックするスリップが生じると、ABSが作動するのに伴ってスリップ時指令値I5が出力され、作動油の供給流量QPを増やす制御が行われる。これにより、パワーシリンダ16が操舵系に付与する操舵アシスト力が高められ、車輪に働く制動反力のアンバランスに対抗して操舵系が保持され、ハンドルが左右方向に回されるトルクステアを抑えられる。
なお、ポンプからフローコントロールバルブを介して作動油の供給流量QPを制御するパワーステアリング装置1に限らず、例えばポンプの容量(吐出流量)を可変とする操舵アシスト機構や、電動モータによって駆動される操舵アシスト機構を用いる他のパワーステアリング装置において、コントローラは、車輪が路面に対して滑るスリップに関連する車両の運転状態の検出信号を読み込み、読み込まれる車両の運転状態に基づいてスリップが発生していると判定された場合には操舵アシスト機構を作動させて操舵アシスト力を高める制御を行う構成としてもよい。
本発明は上記の実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
1 パワーステアリング装置
6 ソレノイドバルブ
8 パワーステアリング出力部
9 フローコントロールバルブ
10 ポンプ
17 コントローラ
18 操舵角センサ
19 車速センサ
31 左車輪回転速度センサ
32 右車輪回転速度センサ
35 ABSコントローラ

Claims (4)

  1. 操舵角を検出する操舵角センサの出力信号に応じてパワーステアリング出力部に供給される作動油の流量を調節する車両のパワーステアリング装置であって、
    前記操舵角センサの出力信号に基づいて基本指令値を出力する基本指令値出力手段と、
    車輪が路面に対して滑るスリップに関連する車両の運転状態に基づいてスリップが発生している場合に高まるスリップ時指令値を出力するスリップ時指令値出力手段と、
    出力される前記基本指令値と前記スリップ時指令値とのうち大きな指令値を選択する指令値選択手段と、を備え、
    選択された指令値に基づいて前記パワーステアリング出力部に供給される作動油の流量を制御することを特徴とするパワーステアリング装置。
  2. 前記スリップ時指令値出力手段は、
    パワートレインの回転速度を車速として入力し、
    この車速の単位時間当たりの変化量を車速変化量として計算し、
    この車速変化量に応じてスリップ時指令値を出力することを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
  3. 前記スリップ時指令値出力手段は
    左右車輪の回転速度を基に左右車輪の回転速度差を計算し、
    この左右車輪の回転速度差に応じてスリップ時指令値を出力することを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
  4. 前記スリップ時指令値出力手段は、ABSの作動信号を基にABSが作動している場合にスリップ時指令値を出力することを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
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