以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の斜視図である。
遊技機1は、島設備に固定される本体枠(外枠)2にヒンジ4を介して一側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠(遊技枠)3及びガラス枠(前枠)18によって構成される。
前面枠3には、遊技領域10aを有する遊技盤10(図2参照)が、裏面に取り付けられた収納フレーム(図示省略)に収装される。また、前面枠3には、遊技盤10の前面を覆うカバーガラス(透明部材)18aを備えたガラス枠18が取り付けられる。前面枠3及びガラス枠18は、それぞれ個別に開放することが可能であり、例えば、ガラス枠18のみを開放して遊技盤10の遊技領域10a(図2参照)にアクセスすることができる。また、前面枠3をガラス枠18が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤10の裏側に配置された遊技制御装置500(図3参照)などにアクセスすることができる。
ガラス枠18のカバーガラス18aの周囲には、装飾光を発光する装飾部材9が備えられている。装飾部材9の内部にはランプやLED等によって構成された枠装飾装置18d(図4参照)が備えられている。枠装飾装置18dを所定の発光態様によって発光させることによって、装飾部材9が所定の発光態様によって発光する。
ガラス枠18の上方中央部には、照明ユニット11が備えられる。照明ユニット11の内部には、LEDやランプなどの発光部材が備えられる。
照明ユニット11の左側には第1可動式照明13が、右側には第2可動式照明14が備えられる。第1可動式照明13及び第2可動式照明14は、上スピーカー30aの上方に配置されている。第1可動式照明13及び第2可動式照明14には、LEDなどの照明部材の他に、照明駆動モータ(枠演出装置18f)がそれぞれ備えられており、演出内容に応じて動作(例えば、回転)するように制御される。
また、遊技機1には、音響(効果音、警報音、報知音等)を発するスピーカー30が備えられる。スピーカー30には、上スピーカー30a及び下スピーカー30bが含まれる。上スピーカー30aはガラス枠18の上方に配置され、下スピーカー30bは後述する上皿21の下方に配置される。
第1可動式照明13の右側には、遊技機1において異常が発生したことなどを報知するための遊技状態LED29が備えられている。遊技機1において異常が発生した場合には、さらに、スピーカー30から異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施などが含まれる。不正行為は、例えば、磁石によって発射された遊技球の軌道を不正に操作する行為や、遊技機1を振動させる行為などである。これらの不正行為は、磁気センサスイッチ(SW)39a(図3参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチ(SW)39b(図3参照)によって振動を検出したりすることによって検知される。また、不正に開閉枠を開放する行為も不正行為に含まれる。このとき、枠開放センサスイッチ(前面枠開放検出スイッチ3b、ガラス枠開放検出スイッチ18b、図3参照)によって営業時間中に前面枠3やガラス枠18の開閉枠が開放されたことが検出される。以上のような不正行為が検出されると、遊技状態LED29やスピーカー30などによって異常が報知されるようになっている。
ガラス枠18のカバーガラス18aの下方には、上皿21などを含む上皿ユニットが備えられる。上皿21は、図示しない打球発射装置に遊技球(遊技媒体)を供給する。上皿ユニットには、演出ボタン31を備えた上皿カバーユニット20が含まれている。
さらに、ガラス枠18の下方位置であって前面枠3に固定される固定パネル22には、下皿23及び打球発射装置の操作部24等が備えられる。遊技者が操作部24を回動操作することによって、打球発射装置は、上皿21から供給される遊技球を遊技盤10の遊技領域10a(図2参照)に発射する。
下皿23には、下皿23に貯まった遊技球を排出するための下皿球抜き機構16が備えられる。前面枠3の下部右側には、ガラス枠18を施錠するための鍵25が備えられている。
また、上皿ユニットのうち上皿21の手前側には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ(SW)31a(図4参照)を内蔵する演出ボタン31(操作手段)が備えられている。遊技者は、演出ボタン31を操作することによって、表示装置48(図2参照)における変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことが可能となる。例えば、演出内容を選択させることができる。なお、変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームが含まれ、本明細書では、単に変動表示ゲームとした場合には、特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、通常遊技状態で遊技者が演出ボタン31を操作することによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。なお、通常遊技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別な遊技状態とは、例えば、後述する特定遊技状態(普電サポート状態または時短状態)や変動表示ゲームにおいて特別結果(大当り)の発生確率が高い状態(確変状態)や大当り状態(特別遊技状態)である。
また、変動表示ゲームが開始された後、演出ボタン31の操作を促進するための操作促進演出が実行され、操作促進演出が実行されている間に演出ボタン31を操作することによって、始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する予告演出などを実行することができる。
上皿21の右上部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン26、及び、図示しないカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作される排出ボタン27が設けられている。また、球貸ボタン26と排出ボタン27との間には、プリペイドカードなどの残高を表示する残高表示部28が設けられる。
図2は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1に備えられる遊技盤10の正面図である。
遊技盤10は、各種部材の取り付けベースとなる平板状の遊技盤本体10b(木製又は合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体10bの前面にガイドレール32で囲まれた遊技領域10aを有している。また、遊技盤本体10bの前面であってガイドレール32の外側には、前面構成部材(サイドケース)33が取り付けられている。さらに、遊技領域10aの右下側の前面構成部材33は、前面の中央部が黒色透明の証紙プレート36で覆われている。そして、このガイドレール32で囲まれた遊技領域10a内に打球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようになっている。遊技領域10aには、打球方向変換部材としての多数の障害釘(図示略)などが配設されており、発射された遊技球はこれらの打球方向変換部材により転動方向を変えながら遊技領域10aを流下する。
遊技領域10aの略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース46が取り付けられている。センターケース46に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する変動表示ゲームの演出を実行可能な演出表示装置としての表示装置48が配置されている。表示装置48は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース46の窓部を介して遊技盤10の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置48は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
遊技領域10aのセンターケース46の右側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)34a(図3参照)が設けられている。そして、遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
さらに、センターケース46の左下側には、三つの一般入賞口44が配置され、センターケース46の右下側には、一つの一般入賞口44が配置されている。また、一般入賞口44への遊技球の入賞は、一般入賞口44に備えられた入賞口スイッチ(SW)44a〜44n(図3参照)によって検出される。
また、センターケース46の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える第1始動入賞口(第1始動入賞領域)37が設けられる。
そして、第1始動入賞口37の右側、かつ、センターケース46の下方には、上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材38aを備え、可動部材38aの内側に遊技球が流入する第2始動入賞口(第2始動入賞領域)38が配設される。また、遊技領域10aのセンターケース46の右側を流下してきた遊技球の転動方向が左方向、すなわち、第2始動入賞口38の方向に変更されるように誘導する部材45が配設されている。
第2始動入賞口38の一対の可動部材38aは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。第2始動入賞口38の上方には、入賞防壁38cが設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないように構成されている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド38b(図3参照)によって、可動部材38aが逆「ハ」の字状に開いて第2始動入賞口38に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態、入賞容易状態)に変化させられるように構成されている。
ここで、可動部材38aは、後述する遊技制御装置によって制御される。遊技制御装置は、入賞容易状態の発生頻度を高めたり、入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、前述の特定遊技状態(普電サポート状態、時短状態)を発生させる。
そして、遊技球が第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。
なお、第1始動入賞口37と、第2始動入賞口38との間には、障害釘(図示略)が配設され、遊技球が一方から他方に流れないようにする。さらに、障害釘は、遊技球がセンターケース46のステージ46aに乗り上げないように配設される。
このため、第1始動入賞口37及びセンターケース46の左下側に配置される三つの一般入賞口44には、遊技者が左打ちを行う場合、すなわち、遊技球を遊技領域10aのセンターケース46の左側を流下するように打球発射装置から発射する場合にのみ入賞の可能性がある。また、第2始動入賞口38及びセンターケース46の右下側に配置される一つの一般入賞口44には、遊技者が右打ちを行う場合、すなわち、遊技球を遊技領域10aのセンターケース46の右側を流下するように打球発射装置から発射する場合にのみ入賞の可能性がある。
さらに、遊技領域10aの第1始動入賞口37の下方には、大入賞口ソレノイド42b(図3参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉42aを有する大入賞口を備えた特別変動入賞装置42が設けられている。特別変動入賞装置42は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態、特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ42d(図3参照)が配設されている。
一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、及び特別変動入賞装置42の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置580(図3参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から前面枠3の上皿21又は下皿23に排出するように制御する。また、特別変動入賞装置42の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口43が設けられている。
また、遊技領域10aの外側(例えば、遊技盤10の右下部)には、表示装置48における特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲーム)、及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。さらに、一括表示装置50には、現在の遊技状態などの情報を表示する表示部が設けられている。
ここで、一括表示装置50について説明する。一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)を備える。
また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)60、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示器58、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置42の開閉回数)を表示するラウンド表示部59が設けられている。
特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置48において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、7セグメント型の表示器のセグメントを点滅させることによって、特別識別情報(特図、特別図柄)を所定時間ごとに切り替える変動表示を行う。
そして、特別識別情報の変動表示の開始時点で決定されている変動時間が経過すると、変動表示ゲームの結果に対応する特別識別情報で変動表示を停止して、特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームを終了する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる第1始動入賞口37への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口38の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器54と同様にして表示する。
普図保留表示器56は、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器57は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器60は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
エラー表示器58は、例えば遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部59は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドor15ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド表示部59は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
ここで、本発明の第1の実施の形態の遊技機1における遊技の流れ、及び変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム)の詳細について説明する。
前述のように、本発明の第1の実施の形態の遊技機1では、図示しない打球発射装置から遊技領域10aに向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域10a内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域10aを流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38又は特別変動入賞装置42に入賞するか、遊技領域10aの最下部に設けられたアウト口43へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38又は特別変動入賞装置42に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置580によって制御される払出ユニットから、前面枠3の上皿21又は下皿23に排出される。
前述のように、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられている。普図始動ゲート34は、例えば、非接触型のスイッチである。遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aによって検出され、普図変動表示ゲームが実行される。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口38が開放状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の普図保留表示器56に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成してもよい。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、第2始動入賞口38の一対の開閉部材38aが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開放状態となる。これにより、第2始動入賞口38に遊技球が入賞し易くなり、特図2変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、第2始動入賞口38は、内蔵されている普電ソレノイド38b(図3参照)が駆動されることにより、開閉部材38aが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、第2始動入賞口38への遊技球の入賞が許容される。
第1始動入賞口37への入賞球及び第2始動入賞口38への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ37d(図3参照)と始動口2スイッチ38d(図3参照)によって検出される。第1始動入賞口37に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口38に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置500(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55)に表示されるとともに、センターケース46の表示装置48においても表示される。
遊技制御装置500は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞、若しくはそれらの始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置、特図1表示器51又は特図2表示器52)で特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームを行う。
特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置48にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
表示装置48における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置48では、特図入賞記憶の記憶数に対応する飾り特別図柄による飾り特図変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
さらに、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の当り乱数値が当り値であるとき)には特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出されて、大当り状態(特別遊技状態)となる。また、これに対応して表示装置48の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字のいずれか)となる。
このとき、特別変動入賞装置42は、大入賞口ソレノイド42b(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、特別変動入賞装置42に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でもよいし同一の表示器でもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。また、表示装置48における飾り特図変動表示ゲームについても、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。
また、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は、特図2変動表示ゲームが実行される。
また、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、かつ、始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶される。このとき、始動記憶数が1加算されるとともに、直ちに始動記憶に基づいて、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶される。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、前述した第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。前面枠3に前面枠開放検出スイッチ3bやガラス枠18に設けられたガラス枠開放検出スイッチ18bには、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置500の構成を示すブロック図である。
遊技機1は遊技制御装置500を備え、遊技制御装置500は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)511を有するCPU部510と、入力ポートを有する入力部520と、出力ポートやドライバなどを有する出力部530、CPU部510と入力部520と出力部530との間を接続するデータバス540などからなる。
CPU部510は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン511と、入力部520内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)521からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン511に入力させるインバータなどからなる反転回路512と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)513などを有する。遊技制御装置500及び該遊技制御装置500によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置300で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能に構成される。
電源装置300は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部310と、遊技用マイコン511の内部のRAM511cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部320と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置500に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部330などを備える。
この実施の形態では、電源装置300は、遊技制御装置500と別個に構成されているが、バックアップ電源部320及び制御信号生成部330は、別個の基板上あるいは遊技制御装置500と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤10及び遊技制御装置500は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置300若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部320及び制御信号生成部330を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部320は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置500の遊技用マイコン511(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAM511cに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部330は、例えば通常電源部310で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。遊技制御装置500は、停電復旧後、RAM511cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。なお、バックアップ電源部320は、遊技データを2〜3日以上保持させることが可能となっている。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン511内のRAM511c及び払出制御装置580内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン511が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン511は、CPU(中央処理ユニット、マイクロプロセッサ)511a、データを書き換え不能に記憶する(読出し専用の)ROM(リードオンリメモリ、不揮発性記憶手段)511b及びデータを書き換え可能に記憶する(随時読出し書込み可能な)RAM(ランダムアクセスメモリ、揮発性記憶手段)511cを備える。
ROM511bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に(書き換え不能に)記憶し、RAM511cは、遊技制御時にCPU511aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM511b又はRAM511cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM511bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターン振り分け情報を記憶している。
変動パターン振り分け情報とは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU511aが参照して変動パターンを決定するための振り分け情報である。また、変動パターン振り分け情報には、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターン振り分け情報、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターン振り分け情報等が含まれる。例えば、特図変動表示ゲームがリーチなしの変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてノーマル(N)リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)1リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)2リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、大当りとなる特図変動表示ゲームにてプレミアムリーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報等がある。
さらに、これらのパターン振り分け情報には、後半変動パターン振り分け情報、前半変動パターン振り分け情報が含まれている。
ここで、ROM511bは、特図変動表示ゲームにおける実行時間の設定に係る変動振り分け情報を複数記憶した変動振り分け情報記憶手段を構成している。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機1において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態(例えば、最後に停止する識別情報を除く複数の識別情報が特別遊技状態となる特別結果を発生可能な識別情報で停止し、最後に停止する識別情報が変動表示している状態)をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置48における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
また、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ、プレミアムリーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアムリーチの順に高くなるようになっている(リーチ演出によって特別結果態様が導出される確率が異なる)。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定される場合(はずれとなる場合)における変動表示態様が含まれることもある。
ここで、信頼度の高低は、特別結果態様が導出されるときの演出選択及び特別結果態様が導出されないときの演出選択の割合によって算出することができる。
例えば、特別結果態様が導出される変動表示ゲームでは、上記SP1リーチは10%の割合で選択され、上記SP3リーチは40%の割合で選択されるとする。一方、特別結果態様が導出されない変動表示ゲームでは、上記SP1リーチは5%の割合で選択され、上記SP3リーチは1%の割合で選択されるとする。このような選択割合が設定されていることで、SP1リーチの期待度はSP3リーチの期待度よりも低いということが言える。
本願発明においても、このようなリーチ演出(もしくは特定の演出)に対して選択割合を異ならせているため、上記のような、信頼度の高い演出、信頼度の低い演出の比較が可能となっている。
CPU511aは、ROM511b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置580や演出制御装置550に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力したりして遊技機1全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン511は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路を備えている。さらに、水晶発振器513からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU511aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU511aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(S1001)や特図普段処理(S1009)にて、ROM511bに記憶されている複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を取得する。具体的には、CPU511aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り又ははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態又は高確率状態)、現在の遊技状態としての第2始動入賞口38の動作状態(通常動作状態又は時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を選択して取得する。
払出制御装置580は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置500からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置580は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置580が遊技球の発射許可信号を出すことで、発射制御装置581が発射可能状態になる。
遊技制御装置500の入力部520には、第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)521が設けられている。近接I/F521は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常が検知された場合には異常検知信号を出力するように構成されている。このとき、異常検知信号は、入力ポート523に入力される。
近接I/F521に入力された信号の出力はすべて入力ポート522に供給され、データバス540を介して遊技用マイコン511に読み込まれるとともに、遊技制御装置(主基板)500から中継基板591を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F521の出力のうち始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dの検出信号は、入力ポート522の他、反転回路512を介して遊技用マイコン511へ入力されるように構成されている。反転回路512を設けているのは、遊技用マイコン511の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、すなわち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
したがって、始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路512を設けずに遊技用マイコン511に検出信号を直接入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dからの負論理の信号を遊技用マイコン511に直接入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。前述のように近接I/F521は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F521には、電源装置300から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部520には、遊技機1の前面枠3等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ39a及び振動センサスイッチ39bからの信号及び近接I/F521により変換された第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dからの信号を取り込んでデータバス540を介して遊技用マイコン511に供給する入力ポート522が設けられている。入力ポート522が保持しているデータは、遊技用マイコン511が入力ポート522に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部520には、遊技機1の前面枠3に設けられた前面枠開放検出スイッチ3b及びガラス枠18に設けられたガラス枠開放検出スイッチ18bからの信号、及び払出制御装置580からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス540を介して遊技用マイコン511に供給する入力ポート523が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部520には、電源装置300からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン511等に入力するためのシュミットトリガ回路524が設けられており、シュミットトリガ回路524はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置300からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦、入力ポート523に入力され、データバス540を介して遊技用マイコン511に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン511に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路524によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン511に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部530の各出力ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部530を介さずに中継基板591に直接出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板591のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板591を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部520の各入力ポート(522,523)には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン511によって出力部530の各出力ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部520の各入力ポート(522,523)から遊技用マイコン511が読み込んだデータは、遊技用マイコン511のリセットによって廃棄されるためである。
遊技制御装置500の出力部530は、データバス540に接続され払出制御装置580へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置550へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート531aと、演出制御装置550へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート531bとを備える。遊技制御装置500から払出制御装置580及び演出制御装置550へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部530には、演出制御装置550の側から遊技制御装置500へ信号を入力できないようにするため、すなわち、片方向通信を担保するために第1出力ポート531aからのデータストローブ信号SSTB及び第2出力ポート531bからの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ532aが設けられている。なお、第1出力ポート531aから払出制御装置580へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部530には、データバス540に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板591を介して出力するバッファ532bが実装可能に構成されている。このバッファ532bは遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F521から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ532bを通さずに中継基板591を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ39aや振動センサスイッチ39bのようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦、遊技用マイコン511に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工される。例えば、遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス540からバッファ532b、中継基板591を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板591には、バッファ532bから出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板591上のポートには、遊技用マイコン511から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部530には、データバス540に接続され特別変動入賞装置42を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド42b)や第2始動入賞口38の可動部材38aを開成させるソレノイド(普電ソレノイド38b)の開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート531c、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート531d、大当り情報など遊技機1に関する情報を外部情報端子508へ出力するための第5出力ポート531eが設けられている。外部情報端子508から出力された遊技機1に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部530には、第1ドライバ(駆動回路)533a、第2ドライバ533b、第3ドライバ533c、及び第4ドライバ533dが設けられている。第1ドライバ533aは、第3出力ポート531cから出力される大入賞口ソレノイド42bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する。第2ドライバ533bは、第3出力ポート531cから出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する。第3ドライバ533cは、第4出力ポート531dから出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する。第4ドライバ533dは、第5出力ポート531eから管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子508へ出力する。
第1ドライバ533aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置300から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ533cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ533bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ533cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ533bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子508へ出力する第4ドライバ533dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ532bや第3出力ポート531c、第1ドライバ533a等は、遊技制御装置500の出力部530、すなわち、主基板ではなく、中継基板591側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部530には、外部の検査装置592へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ534が設けられている。フォトカプラ534は、遊技用マイコン511が検査装置592との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン511が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート522のようなポートは設けられていない。
次に、図4を用いて、演出制御装置550の構成について説明する。図4は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550の構成を示すブロック図である。
演出制御装置550は、遊技用マイコン511と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)551と、該主制御用マイコン551の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)554と、該映像制御用マイコン554からのコマンドやデータに従って表示装置48への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)558と、各種のメロディや効果音などをスピーカー30(30a,30b)から再生させるため音の出力を制御する音源LSI560を備えている。
主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM553、555がそれぞれ接続され、VDP558にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM557が接続され、音源LSI560には音声データが記憶された音声ROM561が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技用マイコン511からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン554へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI560への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554との間、主制御用マイコン(1stCPU)551と音源LSI560との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。また、主制御用マイコン(1stCPU)551とVDP558との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP558には、画像ROM557から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)558aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ558b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置48へ送信する映像信号を生成する信号変換回路558cなどが設けられている。
VDP558から主制御用マイコン551へは表示装置48の映像と前面枠3や遊技盤10に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP558から映像制御用マイコン554へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン554からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン554から主制御用マイコン551へは、映像制御用マイコン554が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン551と音源LSI560との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)554には、主制御用マイコン(1stCPU)551よりも高速な、つまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)551とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)554を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)551のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置48に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)554と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置550には、遊技制御装置500から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)552が設けられている。このコマンドI/F552を介して、遊技制御装置500から演出制御装置550へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置500の遊技用マイコン511はDC5Vで動作し、演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F552には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置550には、遊技盤10(センターケース46を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置10dを制御する盤装飾LED制御回路10c、前面枠3に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置18dを制御する枠装飾LED制御回路18c、遊技盤10(センターケース46を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置48における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)10fを駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路10e、前面枠3に設けられている枠演出装置(例えば前記前述した第1可動式照明13、第2可動式照明14を動作させるモータ等)18fを駆動制御する枠演出モータ制御回路18eが設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路(10c、18c、10e、18e)は、アドレス/データバス559を介して主制御用マイコン(1stCPU)551と接続されている。
さらに、演出制御装置550には、遊技機1の前面に設けられた演出ボタン31に内蔵されているスイッチ31aや盤演出装置10f内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)551へ検出信号を入力するスイッチ入力回路570、前面枠3に設けられた上スピーカー30aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路562a、前面枠3に設けられた下スピーカー30bを駆動するアンプ回路562bが設けられている。
電源装置300の通常電源部310は、前述のような構成を有する演出制御装置550やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置48を駆動するためのDC12V、コマンドI/F552の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカーを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551や映像制御用マイコン(2ndCPU)554として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置550に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部310に設けるようにしてもよい。
電源装置300の制御信号生成部330により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン551、映像制御用マイコン554、VDP558、音源LSI560、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路(10c〜18e)、スピーカーを駆動するアンプ回路562a、562bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン554の有する汎用のポートを利用して、VDP558に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン554とVDP558の動作の連携性を向上させることができる。
以上が、本発明の第1の実施の形態における遊技機1の構成である。次に、これらの制御回路によって行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置500のCPU511aは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aを通過した遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する。そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド38bを動作させ、第2始動入賞口38の可動部材38aを所定時間開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、CPU511aは、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置500のCPU511aは、第1始動入賞口37に備えられた始動口1スイッチ37dからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当り外れを判定する。
また、遊技制御装置500のCPU511aは、第2始動入賞口38に備えられた始動口2スイッチ38dからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置500のCPU511aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置550に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置550は、遊技制御装置500からの制御信号に基づき、表示装置48で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置550は、遊技制御装置500からの制御信号に基づき、スピーカー30(30a,30b)からの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置500のCPU511aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、遊技制御装置500のCPU511aは、例えば、大入賞口ソレノイド42bにより特別変動入賞装置42の開閉扉42aを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
続いて、図5を参照して、普図変動表示ゲームもしくは特図変動表示ゲームの結果によって生じる第2始動入賞口38の動作状態(普図状態)について説明する。図5は、本発明の第1の実施の形態の普図状態及び普電サポートの種類を示す図である。
本発明の第1の実施の形態の普図状態は、第2始動入賞口38の開閉部材38aの動作態様に対応する。普図状態には、非入賞容易状態(普電サポートなし)と入賞容易状態(普電サポートあり)とが含まれる。また、普図状態は、第2始動入賞口38の開閉部材38aの動作態様に対応する遊技状態であるため、特図変動表示ゲームの当選確率などには依存しない。
非入賞容易状態は、第2始動入賞口38の開閉部材38aが開放状態になりにくく、第2始動入賞口38に遊技球が入賞しにくい状態である。また、非入賞容易状態としては、「サポなし」状態が定義される。
一方、入賞容易状態は、非入賞容易状態と比較して第2始動入賞口38の開閉部材38aが開放状態になりやすい状態である。また、本発明の第1の実施の形態の入賞容易状態としては、「中サポ」状態及び「高サポ」状態が定義される。
以下、普図状態(非入賞容易状態及び入賞容易状態)についてさらに詳しく説明する。第2始動入賞口38の開閉部材38aの動作態様の要素としては、一例として、図5に示すように、「普図当り確率」、「普図変動時間」、「普電開放時間」が含まれる。
普図当り確率は、普図変動表示ゲームが当りとなる確率であり、この値が大きいほど遊技者に有利になる。
普図変動時間は、普図変動表示ゲームが実行される時間、いわゆる変動時間であって、保留数の制限(例えば、最大4個)があるため、普図変動時間が短ければより多くの普図変動表示ゲームを実行することが可能となる。したがって、普図変動時間の値が小さいほど遊技者に有利になる。
普電開放時間は、第2始動入賞口38の開閉部材38aが開放されている時間を示している。第2始動入賞口38は、開閉部材38aが開放状態の場合にのみ入賞可能となっているため、開閉部材38aが開放されている時間が長いほど遊技者にとって有利な状態となる。
図5を参照すると、サポなし状態では、普図変動表示ゲームの当り確率(普図当り確率)が1/251であり、普図変動表示ゲームの変動時間(普図変動時間)が10秒となっている。また、第2始動入賞口38の開閉部材が開放される時間(普電開放時間)については、普図変動表示ゲームで当りが発生した場合に第2始動入賞口38の開閉部材38aが0.1秒間、1回だけ開放される。
このように、サポなし状態では、普図変動表示ゲームの当り確率が小さく、普図変動表示ゲームが当りとなった場合であっても第2始動入賞口38の開閉部材38aが開放状態となるのは短時間である。また、後述する入賞容易状態よりも普図変動時間が長く、普図変動表示ゲームを実行するための始動(保留)記憶数に制限があるため、普図変動表示ゲームの実行回数も少なくなる。
これに対し、入賞容易状態では、前述のように、非入賞容易状態よりも第2始動入賞口38に遊技球が入賞しやすい状態となっている。
中サポ状態では、普図当り確率は、サポなし状態と同じ1/251となっているが、普図変動時間は9.9秒、普電開放時間が0.12秒とサポなし状態よりも若干有利になっている。本発明の第1の実施の形態では、中サポ状態は、サポなし状態の動作態様と遊技者が区別できない程度に類似しているが、サポなし状態よりも遊技者にとって有利な状態であって、後述する高サポ状態よりも遊技者にとって不利な状態であればよい。
一方、高サポ状態では、普図当り確率が250/251、普図変動時間が1.0秒、さらに、普電開放時間が1.70秒で3回となっている。すなわち、普図変動表示ゲームにおいてほぼ毎回当りが発生することにとなり、第2始動入賞口38の開閉部材38aが開放状態となる時間及び回数がサポなし状態及び中サポ状態よりも多くなる。さらに、普図変動時間が短いため、短時間でより多くの普図変動表示ゲームを実行することが可能となる。したがって、高サポ状態は、サポなし状態や中サポ状態よりも遊技者にとって有利な状態となっている。
本発明の第1の実施の形態の遊技機1では、特図変動表示ゲームで大当りが発生し、特別遊技状態が終了した後、遊技者に有利な様々な遊技状態に移行する。これらの遊技状態は、大当り発生時の遊技状態、大当りを発生させた特図変動表示ゲームにおける始動入賞口、大当り図柄の種類に応じて決定される。これらの遊技状態では、特図変動表示ゲームの当選確率が通常よりも高くなったり、普図状態が入賞容易状態になったりする。
次に、図6を参照して、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなった後の遊技状態について説明する。図6は、本発明の第1の実施の形態の特図変動表示ゲームの結果が大当りとなるときの大当り図柄の種類を示す図である。
本発明の第1の実施の形態の大当り図柄番号1〜5には、順に2R確変大当り、15R確変大当りA、15R確変大当りB、15R通常大当りA、15R通常大当りBが設定される。大当り図柄番号が1〜3の場合には、特別遊技状態終了後、特図変動表示ゲームで大当りとなる確率が高い状態(確変状態)となる。さらに、特別遊技状態終了後から次回大当りとなるまでの間、普図状態が普電サポート状態(入賞容易状態)となる。また、大当り図柄番号が4、5の場合には、特別遊技状態終了後、特図変動表示ゲームで大当りとなる確率が低い状態(通常状態)となる。そして、特別遊技状態終了後、特図変動表示ゲームが100回実行されるまでの間、普図状態が普電サポート状態となる。すなわち、特図変動表示ゲームの結果が100回連続してはずれになると、普図状態は普電サポート状態から通常状態(非入賞容易状態)に移行する。
また、同じ15R確変大当りであっても、大当りAの場合には、特別遊技状態終了後の初期普電サポート状態が高サポ状態となる。一方、大当りBの場合には、初期普電サポート状態が中サポ状態となる。
普電サポート状態は、特別遊技状態終了後の特図変動表示ゲームの実行回数や遊技状態に応じて中サポ状態を高サポ状態に切り替えたり、高サポ状態を中サポ状態に切り替えたりしてもよい。切替タイミングは、予め大当り図柄番号に情報を設定しておいてもよい。なお、本発明の第1の実施の形態では、切替タイミングは、大当り図柄番号ごとに設定される。
また、本発明の第1の実施の形態では、図6に示す大当り図柄の種類を特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに適用するが、これに限らない。例えば、特図2変動表示ゲームの大当り種類には、15ラウンドの大当りを多く設定して、特図1変動表示ゲームの大当り種類には2ラウンドの大当りを多く設定する。これにより、特図1変動表示ゲームによる大当りよりも特図2変動表示ゲームによる大当りの価値を高く設定することも可能である。
続いて、図7を参照して、遊技状態の遷移について説明する。図7は、本発明の第1の実施の形態の各遊技状態が他の遊技状態に遷移する主なパターンを示す状態遷移図である。
停電後などでなければ、通常、遊技を開始した時点では、特図変動表示ゲームの確率状態は低確率状態であり、普図状態は普電サポートなしの状態である「通常モード」となっている。通常モードで大当りが発生した場合、普図状態は普電サポート状態に移行する。そして、特図変動表示ゲームの確率状態は、高確率状態に移行する、もしくは低確率状態を維持する。このように普電サポート状態は高サポ/中サポ状態の2パターンがあり、特図変動表示ゲームの確率状態も高確率/低確率状態の2パターンがあるので、「通常モード」から遷移する遊技状態は4パターンとなる。
図6に対応して説明すると、大当り図柄番号が1又は2の場合、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態となって、普電サポート状態が高サポ状態となる「確変モード1」に遷移する。また、大当り図柄番号が3の場合、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態となって、普電サポート状態が中サポ状態となる「確変モード2」に遷移する。また、大当り図柄番号が4の場合、特図変動表示ゲームの確率状態が低確率状態のままで、普電サポート状態が高サポ状態となる「時短モード1」に遷移する。また、大当り図柄番号が5の場合、特図変動表示ゲームの確率状態が低確率状態のままで、普電サポート状態が中サポ状態となる「時短モード2」に遷移する。
ここで、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態(確変モード1、確変モード2)の場合は、次回大当りが発生するまで確変モードが継続するが、特図変動表示ゲームの確率状態が低確率状態(時短モード1及び時短モード2)の場合は、特図変動表示ゲームが100回実行されると時短モードから通常モードに遷移する。
また、確変モードと時短モードとは、大当りを契機に遷移可能である。さらに、確変モード1と確変モード2の遷移は、普電サポート状態がもう一方の状態に切り替わる場合に生じる。時短モード1と時短モード2の遷移も同様である。
以下、遊技制御装置500による制御について具体的な処理を説明する。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図8Aは、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の前半部のフローチャートである。図8Bは、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の後半部のフローチャートである。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置500は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込み禁止する(S801)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(S802)。さらに、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(S803)。さらに、割込み処理のモードを設定する(S804)。
次に、遊技制御装置500は、払出制御装置(払出基板)580のプログラムが正常に起動するまで待機する(S805)。例えば、4ミリ秒間待機する。このように制御することによって、電源投入の際に、遊技制御装置500が先に起動してしまい、払出制御装置580の起動が完了する前に、コマンドを当該払出制御装置580に送信してしまい、払出制御装置580が送信されたコマンドを取りこぼすのを回避することができる。
その後、遊技制御装置500は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(S806)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(S807)。また、遊技用マイコン511に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(S808)。本実施形態では、払出制御装置580や演出制御装置550とパラレル通信を行っているため、シリアルポートを使用しないためである。
続いて、遊技制御装置500は、電源装置300内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(S809)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。
例えば、閉店時などに正常に電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置500は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(S809の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(S810〜S813)。さらに詳しく説明すると、停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶される。S810及びS811の処理では停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かをチェックする。同様に、S812及びS813の処理では停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かをチェックする。
遊技制御装置500は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であると判定された場合には(S813の結果が「Y」)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(S814)。
そして、遊技制御装置500は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し(S815)、これらの値が一致するか否かを判定する(S816)。
一方、遊技制御装置500は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(S809の結果が「Y」)、停電検査領域の値が正常でない場合(S811又はS813の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とS814の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合には(S816の結果が「N」)、図8BのS841〜S845の初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置500は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(S816の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されたため、停電前の状態に復旧させるための処理を実行する(図8BのS817〜S823)。まず、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域をクリア(初期化)する。具体的には、すべての停電検査領域をクリアし(S817)、チェックサムが記憶されていた領域をクリアする(S818)。さらに、エラー関連の情報、及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域をリセットする(S819)。
次に、遊技制御装置500は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(S820)。高確率でないと判定された場合には(S820の結果が「N」)、S823以降の処理を実行する。
また、遊技制御装置500は、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(S820の結果が「Y」)、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(S821)。続いて、一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(第3遊技状態表示器58)をオン(点灯)に設定する(S822)。
さらに、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置550に送信する(S823)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置550に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができるのである。
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置500は、初期化処理において、まず、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域をクリアする(S841)。さらに、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアする(S842)。そして、初期化された領域に電源投入時用の初期値をセーブ(保存)する(S843)。
続いて、遊技制御装置500は、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間に対応する時間値を設定する(S844)。そして、初期化処理の最後に電源投入時のコマンドを演出制御装置550に送信し(S845)、S824以降の処理を実行する。
遊技制御装置500は、S823又はS845の処理が終了すると、遊技用マイコン511(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(S824)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン511内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器513からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU511aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置500は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(S825)。具体的には、CPU511aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。さらに、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(S826)。その後、遊技制御装置500は、割込みを許可する(S827)。
なお、本実施形態のCPU511a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
続いて、遊技制御装置500は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(S828)。また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
さらに、初期値乱数更新処理が実行された後、遊技制御装置500は、電源装置300から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号をチェックする回数を設定する(S829)。チェック回数には、通常、2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることによって停電が発生したか否かを判定することができる。遊技制御装置500は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S830)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(S830の結果が「N」)、S828の初期値乱数更新処理を再び実行し、S828からS830までの処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
また、初期値乱数更新処理(S828)の前に割り込みを許可(S827)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
なお、初期値乱数更新処理(S828)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。
一方、遊技制御装置500は、停電監視信号がオンに設定されている場合には(S830の結果が「Y」)、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がS829の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(S831)。停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合には(S831の結果が「N」)、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S830)。すなわち、停電監視信号がオンである場合にはチェック回数分だけ停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
遊技制御装置500は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合には(S831の結果が「Y」)、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(S832〜S838)。
遊技制御装置500は、割込みを禁止し(S832)、全出力ポートをオフに設定する(S833)。その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(S834)、さらに、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(S835)。
さらに、遊技制御装置500は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(S836)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(S837)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(S838)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
〔タイマ割込み処理(遊技制御装置)〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図9は、本発明の第1の実施の形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込み信号がCPU511aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(S901)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでS901の処理を実装することが可能である。
次に、遊技制御装置500は、入力部520を介して入力される各種センサやスイッチなどからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(S902)。各種センサには、始動口1スイッチ37d、始動口2スイッチ38d、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ42dなどが含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
さらに、遊技制御装置500は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置550及び払出制御装置580に送信するための出力処理を実行する(S903)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、大入賞口ソレノイド(SOL)42b、普電ソレノイド(SOL)38bが含まれる。また、出力処理では、遊技機における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力するも含まれる。
次に、遊技制御装置500は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置550や払出制御装置580等に送信(出力)するコマンド送信処理を実行する(S904)。具体的には、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、及び停電から復旧した場合に演出制御装置550に停電復旧処理を実行させる停電復旧コマンドを演出制御装置550に送信したり、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを払出制御装置580に送信したりする。
さらに、遊技制御装置500は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(S905)、続いて特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(S906)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
その後、遊技制御装置500は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理が実行される(S907)。各種入賞口スイッチには、例えば、始動口1スイッチ37d、始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dが含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したりする。エラーの監視としては、前面枠3やガラス枠18が不正に開放されていないかなどを対象としている。
さらに、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(S908)。なお、特図ゲーム処理の詳細については、図10にて後述する。続いて、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(S909)。
次に、遊技制御装置500は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(S910)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、一括表示装置50)に出力するためのパラメータを編集する。
遊技制御装置500は、磁気センサスイッチ39aや振動センサスイッチ39bからの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁気エラー監視処理を実行する(S911)。異常の発生を検出した場合には、スピーカー30から報知音を出力したり、遊技状態LED29を点灯させたりするなどして外部に報知する。
次に、遊技制御装置500は、外部情報端子508から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行する(S912)。
そして、遊技制御装置500は、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(S913)。その後、S901の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(S914)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(S915)、タイマ割込み処理を終了し、メイン処理に復帰する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(S908)の詳細について説明する。図10は、本発明の第1の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dによる入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別図柄、識別情報)の表示の設定を行う。
特図ゲーム処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dの入賞を監視する始動スイッチ監視処理を実行する(S1001)。
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については、図11にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、カウントスイッチ監視処理を実行する(S1002)。カウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置42内に設けられたカウントスイッチ42dによって当該特別変動入賞装置42に入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。
次に、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしているか、又は、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した結果、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(S1003)。なお、特図ゲーム処理タイマは、後述する特図ゲーム処理番号に応じて分岐させる各処理(S1009〜S1015)を実行するときに初期値がセットされ、S1003の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。この初期値としてセットされる値は、当該特図ゲーム処理番号に応じた処理を終了させるまでの時間値であり、例えば、特図普段処理(S1009;特図ゲーム処理番号「0」)においてセットされる値は、特図変動表示ゲームにおいて特別図柄が変動表示されている時間値がセットされる。そして、特図ゲーム処理タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。
遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(S1004の結果が「N」)、S1016以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(S1004の結果が「Y」)、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(S1005)。さらに、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(S1006)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(S1007)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(S1008)。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「0」の場合には(S1008の結果が「0」)、特図普段処理を実行する(S1009)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。なお、特図普段処理の詳細については、図13にて後述する。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「1」の場合には(S1008の結果が「1」)、特図変動中処理を実行する(S1010)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「2」の場合には(S1008の結果が「2」)、特図表示中処理を実行する(S1011)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。なお、特図表示中処理の詳細については、図17にて後述する。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「3」の場合には(S1008の結果が「3」)、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(S1012)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「4」の場合には(S1008の結果が「4」)、大入賞口開放中処理を実行する(S1013)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
また、大入賞口開放中処理は、特図変動表示ゲームの結果が特別結果になった場合に大入賞口の開放時間に基づいて特別変動入賞装置42の開閉扉42aを開放して遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生させるものであるため、遊技制御装置500が特別遊技状態制御手段をなす。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「5」の場合には(S1008の結果が「5」)、大入賞口残存球処理を実行する(S1014)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
大入賞口残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ/インターバル中処理、又は大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に開閉扉42aを閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を6に設定する。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「6」の場合には(S1008の結果が「6」)、大当り終了処理を実行する(S1015)。大当り終了処理は、S1009の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。なお、大当り終了処理の詳細については、図19にて後述する。
その後、遊技制御装置500は、特図1表示器51における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(S1016)。続いて、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行する(S1017)。
さらに、遊技制御装置500は、特図2表示器52における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(S1018)。続いて、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理を実行する(S1019)。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。図11は、本発明の第1の実施の形態の始動口スイッチ監視処理のフローチャートである。
始動口スイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、第1始動入賞口37(始動口1)に遊技球が入賞したことによって送信される始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備する(S1101)。さらに、第1始動入賞口37に遊技球が入賞したことによる保留の情報を設定するテーブルを準備する(S1102)。
続いて、遊技制御装置500は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S1103)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、図12にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、普通電動役物(普通変動入賞装置、第2始動入賞口38の可動部材38a)が作動中である、すなわち、第2始動入賞口38の可動部材38aが遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックする(S1104)。普通電動役物が作動中である場合には(S1105の結果が「Y」)、S1108以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置500は、普通電動役物が作動中でない場合には(S1105の結果が「N」)、第2始動入賞口38への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックし(S1106)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する(S1107)。
不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口38は、開閉部材が閉状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合には何らかの異常や不正が発生した可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。そして、S1106及びS1107の処理において、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかを判定する。
遊技制御装置500は、不正入賞数が不正判定個数以上の場合には(S1107の結果が「Y」)、第2始動入賞口38への遊技球の入賞と無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、不正入賞数が不正判定個数未満の場合には(S1107の結果が「N」)、第2始動入賞口38による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備する(S1108)。さらに、第2始動入賞口38による保留の情報を設定するテーブルを準備し(S1109)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S1110)。その後、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述した始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(S1103、S1110)の詳細について説明する。図12は、本発明の第1の実施の形態の特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口37や第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによって始動口1スイッチ37dや始動口2スイッチ38dから信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
遊技制御装置500は、まず、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ37d)から信号が入力されたか否かをチェックする(S1201、S1202)。監視対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合には(S1202の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチから信号が入力された場合には(S1202の結果が「Y」)、当該監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(S1203)。さらに、監視対象始動口スイッチに対応するハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、以降の処理で使用するための準備を行う(S1204)。
続いて、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報を、すなわち、遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(S1205)。そして、ロードした値に1加算して更新し、始動口信号出力回数がオーバーフローするか否かをチェックする(S1206、S1207)。
そして、遊技制御装置500は、始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合には(S1207の結果が「N」)、更新後の始動口信号出力回数の値を、RWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(S1208)。
遊技制御装置500は、S1208の処理が終了した後、又は、始動口信号出力回数がオーバーフローする場合には(S1207の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックする(S1209、S1210)。
遊技制御装置500は、特図保留数が上限値未満の場合には(S1210の結果が「Y」)、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。具体的には、まず、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数)に1加算して更新する(S1211)。さらに、更新された特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する(S1212)。
続いて、遊技制御装置500は、飾り特図保留数コマンドを準備する。飾り特図保留数コマンドは、MODE部とACTION部によって構成される。具体的に説明すると、遊技制御装置500は、まず、監視対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(S1213)、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数をロード(大当り図柄乱数を抽出)する(S1214)。さらに、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備する(S1215)。そして、準備された飾り特図保留数コマンドを設定するためのコマンド設定処理を実行する(S1216)。
次に、遊技制御装置500は、大当り乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(S1217)、さらに、対応する大当り図柄乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(S1218)。続いて、対応する変動パターン乱数1を抽出し、抽出した値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(S1219)。同様に、対応する変動パターン乱数2を抽出し、抽出した値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(S1220)。さらに、対応する変動パターン乱数3を抽出し、抽出した値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(S1221)。変動パターン乱数1〜3は、例えば、前半と後半の変動パターンを個別に設定したり、特定の演出を実行するために用いられる。
ここで、特図変動表示ゲーム(特図1又は特図2)における変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動パターン1〜3)は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新されるものである。なお、変動パターン乱数の更新は遊技制御用プログラムによって更新することに限らず、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
そして、遊技制御装置500は、S1218の処理でRWMにセーブされた監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数をロードし、ロードした値を後述する特図保留情報判定処理にて使用するために準備する(S1222)。最後に、特図保留情報判定処理を実行し(S1223)、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に、当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理を行った後、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、特図保留数が上限値未満でない場合には(S1210の結果が「N」)、監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ37dであるか否かをチェックする(S1230、S1231)。監視対象が始動口1スイッチ37dの場合には(S1231の結果が「Y」)、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(S1232)、コマンド設定処理を実行する(S1233)。
一方、遊技制御装置500は、監視対象が始動口1スイッチ37dでない場合(S1231の結果が「N」)、又は、S1233のコマンド設定処理が終了した場合には、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図普段処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図10)における特図普段処理(S1009)の詳細について説明する。図13は、本発明の第1の実施の形態の特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(S1301、S1302)。
遊技制御装置500は、特図2保留数が0の場合には(S1302の結果が「Y」)、第1始動記憶数(特図1保留数)が0であるか否かをチェックする(S1303、S1304)。このように、特図2保留数のチェック(S1301)を、特図1保留数のチェック(S1303)よりも先に行うことによって、特図1変動表示ゲームよりも遊技者にとって有利な特図2変動表示ゲームを優先して実行するようにしている。
さらに、遊技制御装置500は、特図1保留数が0の場合には(S1304の結果が「Y」)、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックする(S1305、S1306)。客待ちデモを開始していない、すなわち、開始済みでない場合には(S1306の結果が「N」)、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグを設定する(S1307)。続いて、客待ちデモコマンドを準備するコマンド設定処理を実行する(S1308)。
一方、遊技制御装置500は、既に客待ちデモが開始されている場合には(S1306の結果が「Y」)、既に客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグが設定済みであり、客待ちデモコマンドが演出制御装置550に送信済みであるため、S1309以降の処理を実行する。
次に、遊技制御装置500は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理1を実行する(S1309)。具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、特図2保留数が0でない場合(S1302の結果が「N」)、すなわち、第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによる特図変動表示ゲームが実行される場合には、特図2変動開始処理1を実行する(S1310)。そして、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第2特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図2)を実行する(S1311)。具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第2特図の変動中に係る試験信号、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図2表示器52の変動中に係るフラグ、特図2表示器52の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。
また、遊技制御装置500は、特図1保留数が0でない場合(S1304の結果が「N」)、すなわち、第1始動入賞口37に遊技球が入賞したことによる特図変動表示ゲームが実行される場合には、特図1変動開始処理1を実行する(S1312)。なお、S1312における特図1変動開始処理1の詳細については、図14にて後述する。
そして、遊技制御装置500は、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第1特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図1)を実行する(S1313)。具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第1特図の変動中に係る試験信号、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器51の変動中に係るフラグ、特図1表示器51の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する。その後、特図普段処理を終了する。
〔特図1変動開始処理1〕
次に、前述した特図普段処理(図13)における特図1変動開始処理1(S1312)の詳細について説明する。図14は、本発明の第1の実施の形態の特図1変動開始処理1の手順を示すフローチャートである。特図1変動開始処理1は、特図1変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
遊技制御装置500は、まず、特図1変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1に、はずれ情報又は大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理を実行する(S1401)。
次に、遊技制御装置500は、第1特図停止図柄(特図1停止図柄)の設定に係る特図1停止図柄設定処理を実行する(S1402)。なお、特図1停止図柄設定処理の詳細については図15にて後述する。
その後、遊技制御装置500は、第1特図停止図柄番号(特図1停止図柄)に対応する試験信号をセーブする(S1403)。続いて、特図1停止図柄設定処理によって設定された停止図柄パターン情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(S1404)。
次に、遊技制御装置500は、特図1変動フラグ(変動中フラグ)をロードして準備し(S1405)、特図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(S1406)。
続いて、遊技制御装置500は、変動パターンに関する情報を設定する特図1用のテーブルを準備し(S1407)、特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(S1408)。続いて、特図1変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理を実行し(S1409)、前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(S1410)。
その後、遊技制御装置500は、特図1変動表示ゲームを開始するための情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(S1411)、特図1変動開始処理1を終了する。
なお、特図2変動表示ゲームを実行するための特図2変動開始処理1(S1310)についても同様の手順で実行される。具体的には、S1402の処理で特図2停止図柄設定処理が実行される。また、S1403の処理で特図1停止図柄番号が特図2停止図柄番号に、S1405及びS1406の処理で特図1変動フラグが特図2変動フラグとなる。さらに、S1407の処理で特図1用のテーブルが特図2用のテーブルとなる。
〔特図1停止図柄設定処理〕
次に、前述した特図1変動開始処理(図14)における特図1停止図柄設定処理(S1402)の詳細について説明する。図15は、本発明の第1の実施の形態の特図1停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。特図1停止図柄設定処理は、特図1変動表示ゲームにおける停止図柄を設定する処理である。
遊技制御装置500は、まず、大当りフラグ1に大当り情報がセーブされているか否かをチェックすることによって(S1501)、実行対象の特図1変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する(S1502)。実行対象の特図1変動表示ゲームの結果が大当りの場合には(S1502の結果が「Y」)、特図1変動表示ゲームの大当り図柄を決定するための大当り図柄テーブルを設定する(S1503)。大当り図柄テーブルには、大当り図柄乱数の判定値や判定値に対応する停止図柄番号などの情報が定義されている。
続いて、遊技制御装置500は、RWMの乱数セーブ領域から大当り図柄乱数をロードし(S1504)、当該大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得する(S1505)。さらに、第1特図停止図柄領域に取得した大当り時の停止図柄番号をセーブする(S1506)。
次に、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38の開閉部材38aの動作態様が入賞容易状態である、すなわち、普電サポート中であるか否かを判定する(S1507)。普電サポート中である場合には(S1507の結果が「Y」)、特図変動表示ゲームの当選確率が高確率の確変モード(図7参照)又は低確率の時短モード(図7参照)である。よって、高確率時、時短時の特図1大当り停止図柄情報テーブルを準備する(S1508)。
一方、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38の開閉部材38aの動作態様が非入賞容易状態、すなわち、普電サポート中でない場合には(S1507の結果が「N」)、特図変動表示ゲームの当選確率が低確率の通常モード(図7参照)であるので、低確率時の特図1大当り停止図柄情報テーブルを準備する(S1509)。
そして、特図1大当り停止図柄情報テーブルを準備したら(S1508又はS1509)、遊技制御装置500は、第1特図停止図柄(大当り図柄)に対応する停止図柄情報を設定する停止図柄情報設定処理を実行する(S1510)。停止図柄情報設定処理では、停止図柄に関する情報の他に、確率変動に関する情報やラウンド数に関する情報などが設定される。なお、停止図柄情報設定処理の詳細については、図16にて後述する。
また、大当りフラグ1が大当りでないと判定された場合には(S1502の結果が「N」)、遊技制御装置500は、S1503〜S1510の処理を実行せずに、RWMの第1特図停止図柄領域にはずれ時の停止図柄番号をセーブする(S1511)。そして、はずれ時の図柄データの図柄番号を取得し、当該取得された図柄番号を停止図柄情報としてRWMの図柄情報領域にセーブする(S1512)。
続いて、大当り時又ははずれ時の停止図柄情報を設定した後に、遊技制御装置500は、飾り特図コマンドテーブルを設定する(S1513)。飾り特図コマンドは、大当りの種類などを特定するコマンドであり、例えば、15R確変大当りAで大当りが発生するといった情報が含まれる。
次に、遊技制御装置500は、停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンド(ACTION)を取得し(S1514)、飾り特図1コマンド(MODE)を取得する(S1515)。そして、取得されたこれらのコマンドをRWMの飾り特図コマンド領域にセーブする(S1516)。最後に、RWMの特図1用の大当り図柄乱数セーブ領域を0クリアして(S1517)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
なお、特図2停止図柄設定処理についても特図1停止図柄設定処理と同様の手順で実行される。具体的には、S1501の処理で大当りフラグ2が設定され、S1503の処理で特図2の大当り図柄テーブルが設定される。また、S1506及びS1511の処理で特図1停止図柄領域が特図2停止図柄領域に、S1515の処理で飾り特図1コマンド(MODE)が飾り特図2コマンド(MODE)となり、S1517の処理で大当り図柄乱数セーブ領域が特図1用から特図2用となる。
〔停止図柄情報設定処理〕
次に、前述した特図1停止図柄設定処理(図15)における停止図柄情報設定処理(S1510)の詳細について説明する。図16は、本発明の第1の実施の形態の停止図柄情報設定処理の手順を示すフローチャートである。停止図柄情報設定処理は、遊技状態に応じて大当り時の停止図柄を決定するためのテーブルを設定し、大当り後に特別遊技状態を実行するために必要な情報を設定する。
遊技制御装置500は、大当り停止図柄情報テーブルの設定が完了すると(S1508又はS1509)、停止図柄番号に対応する図柄情報を取得し、当該図柄情報を図柄情報領域にセーブする(S1601)。
続いて、遊技制御装置500は、停止図柄番号に対応する確率変動判定フラグを取得し、当該確率変動判定フラグを確率変動判定フラグ領域にセーブする(S1602)。確率変動判定フラグには、普電サポートの有無、種類、回数等の情報が設定される。確率変動判定フラグは、後述する大当り終了処理(図19)で利用される。
次に、遊技制御装置500は、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、当該ラウンド数上限値情報をラウンド数上限値情報領域にセーブする(S1603)。
さらに、遊技制御装置500は、停止図柄番号に対応する大入賞口開放情報を取得し、当該大入賞口開放情報を大入賞口開放情報領域にセーブする(S1604)。
そして、遊技制御装置500は、現在セーブされている普電サポート状態の切替情報をクリアする(S1605)。
〔特図表示中処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図10)における特図表示中処理(S1011)の詳細について説明する。図17Aは、本発明の第1の実施の形態の特図表示中処理の前半部の手順を示すフローチャートである。図17Bは、本発明の第1の実施の形態の特図表示中処理の後半部の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、特図2変動表示ゲームが大当りになる場合にRWMの大当りフラグ2領域に設定される大当りフラグ2をロードし(S1701)、大当りフラグ2領域をクリアする(S1702)。
次に、遊技制御装置500は、ロードされた大当りフラグ2をチェックし(S1703)、大当りであるか否かを判定する(S1704)。そして、大当りと判定された場合には(S1704の結果が「Y」)、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする(S1710)。さらに、特図2変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブする(S1711)。特図2大当りの開始に関する信号には、条件装置作動中信号をONにしたり、役物連続作動装置作動中信号をONにしたり、特別図柄2当り信号をONにしたりすることが含まれる。
一方、遊技制御装置500は、大当りフラグ2をチェックして大当りでないと判定された場合には(S1704の結果が「N」)、RWMの大当りフラグ1領域に設定された大当りフラグ1をロードする(S1705)。大当りフラグ1領域に大当りフラグ1が設定されている場合には、特図1変動表示ゲームが大当りになる。さらに、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする(S1706)。
続いて、遊技制御装置500は、ロードされた大当りフラグ1をチェックし(S1707)、大当りであるか否かを判定する(S1708)。そして、大当りと判定された場合には(S1708の結果が「Y」)、特図1変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブする(S1709)。特図1大当りの開始に関する信号には、特図2大当りの場合と同様に、条件装置作動中信号をONにしたり、役物連続作動装置作動中信号をONにしたり、特別図柄1当り信号をONにしたりすることが含まれる。
そして、遊技制御装置500は、特図1大当りに関する試験信号をセーブする処理(S1709)、又は、特図2大当りに関する試験信号をセーブする処理(S1711)が完了すると、ラウンド数上限値テーブルを設定する(S1712)。
次に、遊技制御装置500は、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値を取得し、当該ラウンド数上限値をRWMのラウンド数上限値領域にセーブする(S1713)。続いて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、当該ラウンドLEDポインタをRWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(S1714)。
このように、ラウンド数上限値テーブル上には、ラウンド数上限値及びラウンドLEDポインタが定義される。
次に、遊技制御装置500は、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に対応する確率情報コマンドを準備し(S1715)、コマンド設定処理を実行する(S1716)。
続いて、遊技制御装置500は、実行中の特図変動表示ゲームの停止図柄を示す図柄情報をRWMからロードし、当該図柄情報に対応するファンファーレコマンドを準備し(S1717)、コマンド設定処理を実行する(S1718)。出力されるファンファーレは、大当りの種類(例えば、15R確変大当りと2R確変大当り)によって異なるため、対応するファンファーレコマンドを演出制御装置550に送信するように設定する。
その後、遊技制御装置500は、表示装置48で表示される飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄情報に対応する飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(S1719)、当該飾り特図コマンドに対するコマンド設定処理を実行する(S1720)。
次に、遊技制御装置500は、大入賞口開放情報をロードし、当該大入賞口開放情報に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブするとともに、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号もRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(S1721)。
さらに、遊技制御装置500は、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間を設定し(S1722)、当該大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(S1723)。
その後、遊技制御装置500は、大入賞口への不正入賞数をセーブしている大入賞口不正入賞数領域をリセットし(S1724)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(S1725)。
そして、遊技制御装置500は、ファンファーレ/インターバル中処理に移行するためのファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を実行し(S1726)、特図表示中処理を終了する。ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1では、特図ゲーム処理においてファンファーレ/インターバル中処理に対応する処理番号「3」を設定し、各種状態を示す情報を設定したり、大当り終了処理(図19)におけるS2208で変動パターン振り分け情報領域にセーブされた変動パターン振り分け情報をクリア(0クリア)したりする。
ここで、各種状態を示す情報としては、例えば、外部情報端子に出力用の遊技状態が特別遊技状態(大当り状態)であることを示す信号、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す試験信号、大入賞口不正監視期間における大入賞口への入賞数のクリアに係る情報、特別遊技状態のラウンド数のクリアに係る情報、高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器58)を消灯させる情報、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報、停電復旧時に点灯した高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器58)を消灯させる情報、特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報や、停電復旧時に演出制御装置550に出力される、普図変動表示ゲームや特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す情報や、大当り後の残り時間短縮変動回数のクリアに係る情報など)等が挙げられる。
一方、遊技制御装置500は、大当りフラグ1をチェックして大当りでないと判定された場合には(S1708の結果が「N」)、遊技状態が時短状態であるか否かを判定する(S1730)。遊技状態が時短状態の場合には、所定のゲーム回数を消化すると、他の遊技状態に遷移するため、ゲームの消化回数を管理するための処理を行う必要がある。
遊技制御装置500は、遊技状態が時短状態の場合には(S1730の結果が「Y」)、結果がはずれとなる特図変動表示ゲームが1回分終了したため、時間短縮変動回数を1減算して更新する(S1731)。
そして、遊技制御装置500は、S1731の処理で更新された時間短縮変動回数が0であるか否かを判定する(S1732)。時間短縮変動回数が0の場合には(S1732の結果が「Y」)、今回の特図変動表示ゲームで時短状態が終了することになるので、時間短縮終了時の確率情報コマンドを準備し(S1733)、コマンド設定処理を実行する(S1734)。そして、普図状態は非入賞容易状態(普電サポートなし)になるので、サポート状態切替情報をクリアして(S1735)、さらに、遊技状態を通常状態に移行して特図普段処理を実行するために特図普段処理移行設定処理2を実行し(S1736)、特図表示中処理を終了する。特図普段処理移行設定処理2では、遊技状態を時短状態から通常状態に移行させるために必要な各種フラグやパラメータを設定する。
一方、遊技状態が時短状態でない、すなわち、遊技状態が確変状態又は通常状態である場合(S1730の結果が「N」)、もしくは、次回の特図変動表示ゲームも時短状態である場合(S1732の結果が「N」)には、遊技制御装置500は、確率変動判定フラグにサポート状態切替情報があるか否かを判定する(S1737)。
次に、確率変動判定フラグにサポート状態切替情報がある場合には(S1737の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、当該サポート状態切替情報と普電サポート状態が始まってから今回の特図変動表示ゲームまでのゲーム数とをチェックする(S1738)。
そして、遊技制御装置500は、今回の特図変動表示ゲームが、普電サポート状態を切り替える切替タイミングであるか否かを判定する(S1739)。そして、今回の特図変動表示ゲームが切替タイミングである場合には(S1739の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、普電サポート状態を切り替えるサポート状態切替設定処理を実行し(S1740)、さらに、遊技状態を遷移せずに特図普段処理を実行するために特図普段処理移行設定処理1を実行し(S1741)、特図表示中処理を終了する。サポート状態切替設定処理の詳細については、図18にて説明する。
なお、遊技状態が通常状態の場合など確変変動判定フラグにサポート状態切替情報がない場合(S1737の結果が「N」)、遊技制御装置500は、現在の遊技状態を維持するので、現在の遊技状態のまま特図普段処理を実行するために特図普段処理移行設定処理1を実行し(S1741)、特図表示中処理を終了する。
また、確変変動判定フラグにサポート状態切替情報があっても、今回の特図変動表示ゲームが切替タイミングでない場合(S1739の結果が「N」)には、遊技制御装置500は、遊技状態を移行せずに特図普段処理を実行するために特図普段処理移行設定処理1を実行し(S1741)、特図表示中処理を終了する。
〔サポート状態切替設定処理〕
続いて、前述した特図表示中処理(図17)におけるサポート状態切替設定処理(S1740)の詳細について説明する。図18は、本発明の第1の実施の形態のサポート状態切替設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、サポート状態の切替が高サポ状態から中サポ状態への切替であるか否かを判定する(S1801)。
そして、中サポ状態への切替である場合には(S1801の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、RWMの普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率/普電サポートフラグ(中サポ状態)をセーブする(S1802)。普図高確率/普電サポートフラグ(中サポ状態)には、普図当り確率が高確率であって、普図状態が中サポ状態である情報が設定される。
次に、遊技制御装置500は、停電復旧時に演出制御装置550に送信するコマンドとして、RWMの停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンドをセーブする(S1803)。このときの確率情報コマンドは、普図の遊技状態が高確率状態に、サポート状態が中サポ状態に設定される。
そして、遊技制御装置500は、サポート状態を高サポ状態から中サポ状態へ切り替える確率情報コマンドを準備し(S1804)、コマンド設定処理を実行して(S1808)、サポート状態切替設定処理を終了する。
一方、中サポ状態への切替でない場合、すなわち、中サポ状態から高サポ状態への切替である場合には(S1801の結果が「N」)、遊技制御装置500は、前述したS1802〜S1804の処理において中サポを高サポに、高サポを中サポに置き換えた処理を実行する。
具体的には、遊技制御装置500は、RWMの普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率/普電サポートフラグ(高サポ状態)をセーブする(S1805)。普図高確率/普電サポートフラグ(高サポ状態)には、普図当り確率が高確率であって、普図状態が高サポ状態である情報が設定される。
次に、遊技制御装置500は、停電復旧時に演出制御装置550に送信するコマンドとして、RWMの停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンドをセーブする(S1806)。このときの確率情報コマンドは、普図の遊技状態が高確率状態に、サポート状態が高サポ状態に設定される。
そして、遊技制御装置500は、サポート状態を中サポ状態から高サポ状態へ切り替える確率情報コマンドを準備し(S1807)、さらに、コマンド設定処理を実行して(S1808)、サポート状態切替設定処理を終了する。
〔大当り終了処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図10)における大当り終了処理(S1015)の詳細について説明する。図19は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了処理の手順を示すフローチャートである。大当り終了処理は、大当り状態終了後の遊技状態の設定などを行う。
遊技制御装置500は、まず、確率変動判定フラグ領域に格納された確率変動判定フラグをロードし(S1901)、当該確率変動判定フラグに基づく大当り終了設定処理を実行する(S1903〜S1906)。
遊技制御装置500は、確率変動判定フラグが「時短状態・高サポ状態」に設定されている場合には、大当り終了設定処理1を実行する(S1903)。大当り終了設定処理1の詳細については、図20にて説明する。
遊技制御装置500は、確率変動判定フラグが「時短状態・中サポ状態」に設定されている場合には、大当り終了設定処理2を実行する(S1904)。大当り終了設定処理2の詳細については、図21にて説明する。
遊技制御装置500は、確率変動判定フラグが「高確率状態・高サポ状態」に設定されている場合には、大当り終了設定処理3を実行する(S1905)。大当り終了設定処理3の詳細については、図22にて説明する。
遊技制御装置500は、確率変動判定フラグが「高確率状態・中サポ状態」に設定されている場合には、大当り終了設定処理4を実行する(S1906)。大当り終了設定処理4の詳細については、図23にて説明する。
遊技制御装置500は、大当り終了設定処理が終了すると、確率変動判定フラグに対応する確率情報コマンドを準備する(S1907)。そして、確率情報コマンドを演出制御装置550に送信するためのコマンド設定処理を実行する(S1908)。
そして、遊技制御装置500は、特図普段処理を実行するための特図普段処理移行処理3を実行し(S1909)、大当り終了処理を終了する。
このように、大当り終了後の遊技状態は、高サポ時短状態、中サポ時短状態、高サポ高確率状態及び中サポ高確率状態の4つの遊技状態のいずれかに振り分けられる。大当り終了後の普電サポート状態を初期から高サポ状態又は中サポ状態に分けて設定することで、のちのサポート状態切替パターンを予測できるような設定にすることも可能である。例えば、初期が高サポ状態である場合はサポート状態期間中の高サポ割合が高くなるように設定してもよい。
また、大当り終了後の遊技状態が高確率状態となる場合は、普電サポート状態を中サポ状態に設定することなく高サポ状態に設定してもよい。すなわち、大当り終了後の遊技状態が高確率状態となる場合は、必ず、前述した大当り終了設定処理3が実行される。
〔大当り終了設定処理1〕
次に、前述した大当り終了処理(図19)における大当り終了設定処理1(S1903)の詳細について説明する。図20は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了設定処理1の手順を示すフローチャートである。大当り終了設定処理1は、大当り終了後の遊技状態を高サポ時短状態に移行させるために必要な情報を設定する処理である。
遊技制御装置500は、まず、大当り図柄番号に対応するサポート状態切替情報を設置得する(S2001)。ここで、サポート状態切替情報には、大当り終了後の遊技状態が時短状態となって時間短縮変動が始まった後、サポート状態が高サポ状態から中サポ状態に切り替わるまでに実行される時間短縮変動回数が含まれる。
次に、遊技制御装置500は、時短状態の開始に関する信号を図示しない遊技場内部管理装置へ送信するために外部情報出力データ領域にセーブする(S2002)。このとき、サポート状態(高サポ、中サポ)を区別可能にする信号を外部情報出力データ領域にセーブしてもよい。さらに、時短状態の開始に関する信号を図示しない試射試験装置に中継基板591を介して送信するために試験信号出力データ領域にセーブする(S2003)。また、図示しない遊技状態表示番号表示領域に時短状態の番号を表示させるために、遊技状態表示番号領域に時短時の番号をセーブする(S2004)。
そして、遊技制御装置500は、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率/普電サポートフラグ(高サポ状態)をセーブする(S2005)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に低確率/時短(サポあり)フラグをセーブし(S2006)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(時短、高サポ)をセーブする(S2007)。最後に、時間短縮変動回数領域に時短変動回数(100回)をセットし(S2008)、大当り終了設定処理1を終了する。
〔大当り終了設定処理2〕
次に、前述した大当り終了処理(図19)における大当り終了設定処理2(S1904)の詳細について説明する。図21は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了設定処理2の手順を示すフローチャートである。大当り終了設定処理2は、大当り終了後の遊技状態を中サポ時短状態に移行させるために必要な情報を設定する処理である。
遊技制御装置500は、まず、大当り図柄番号に対応するサポート状態切替情報を設定する(S2101)。ここで、サポート状態切替情報には、大当り終了後の遊技状態が時短状態となって時間短縮変動が始まった後、サポート状態が中サポ状態から高サポ状態に切り替わるまでに実行される時間短縮変動回数が含まれる。
次に、遊技制御装置500は、時短状態の開始に関する信号を図示しない遊技場内部管理装置へ送信するために外部情報出力データ領域にセーブする(S2102)。このとき、サポート状態(高サポ、中サポ)を区別可能にする信号を外部情報出力データ領域にセーブしてもよい。さらに、時短状態の開始に関する信号を図示しない試射試験装置に中継基板591を介して送信するために試験信号出力データ領域にセーブする(S2103)。また、図示しない遊技状態表示番号表示領域に時短状態の番号を表示させるために、遊技状態表示番号領域に時短時の番号をセーブする(S2104)。
そして、遊技制御装置500は、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率/普電サポートフラグ(中サポ状態)をセーブする(S2105)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に低確率/時短(サポあり)フラグをセーブし(S2106)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(時短、中サポ)をセーブする(S2107)。最後に、時間短縮変動回数領域に時短変動回数(100回)をセットし(S2108)、大当り終了設定処理2を終了する。
〔大当り終了設定処理3〕
次に、前述した大当り終了処理(図19)における大当り終了設定処理3(S1905)の詳細について説明する。図22は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了設定処理3の手順を示すフローチャートである。大当り終了設定処理3は、大当り終了後の遊技状態を高サポ確変状態に移行させるために必要な情報を設定する処理である。
遊技制御装置500は、まず、大当り図柄番号に対応するサポート状態切替情報を設定する(S2201)。ここで、サポート状態切替情報には、大当り終了後の遊技状態が高確率状態(確変状態)となって時間短縮変動が始まった後、サポート状態が高サポ状態から中サポ状態に切り替わるまでに実行される時間短縮変動回数が含まれる。
次に、遊技制御装置500は、高確率状態の開始に関する信号を図示しない遊技場内部管理装置へ送信するために外部情報出力データ領域にセーブする(S2202)。このとき、サポート状態(高サポ、中サポ)を区別可能にする信号を外部情報出力データ領域にセーブしてもよい。さらに、高確率状態の開始に関する信号を図示しない試射試験装置に中継基板591を介して送信するために試験信号出力データ領域にセーブする(S2203)。また、図示しない遊技状態表示番号表示領域に高確率状態の番号を表示させるために、遊技状態表示番号領域に高確率状態の番号をセーブする(S2204)。
そして、遊技制御装置500は、高確率状態に移行するために普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率/普電サポートフラグ(高サポ状態)をセーブする(S2205)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に高確率/時短(サポあり)フラグをセーブし(S2206)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率、高サポ)をセーブする(S2207)。最後に、次回大当りまで高確率状態が継続するため、時間短縮変動回数領域をリセットし(S2208)、大当り終了設定処理3を終了する。
なお、大当り終了後の遊技状態が高確率状態(確変状態)になる場合は、サポート状態が中サポ状態になることがないようにしてもよい。すなわち、大当り終了後の遊技状態を高サポ確変状態に設定したら、その後も確変状態が終了するまで高サポ状態を維持するようにしてもよい。
〔大当り終了設定処理4〕
次に、前述した大当り終了処理(図19)における大当り終了設定処理4(S1906)の詳細について説明する。図23は、本発明の第1の実施の形態の大当り終了設定処理4の手順を示すフローチャートである。大当り終了設定処理4は、大当り終了後の遊技状態を中サポ確変状態に移行させるために必要な情報を設定する処理である。
遊技制御装置500は、まず、大当り図柄番号に対応するサポート状態切替情報を設置得する(S2301)。ここで、サポート状態切替情報には、大当り終了後の遊技状態が高確率状態(確変状態)となって時間短縮変動が始まった後、サポート状態が中サポ状態から高サポ状態に切り替わるまでに実行される時間短縮変動回数が含まれる。
次に、遊技制御装置500は、高確率状態の開始に関する信号を図示しない遊技場内部管理装置へ送信するために外部情報出力データ領域にセーブする(S2302)。このとき、サポート状態(高サポ、中サポ)を区別可能にする信号を外部情報出力データ領域にセーブしてもよい。さらに、高確率状態の開始に関する信号を図示しない試射試験装置に中継基板591を介して送信するために試験信号出力データ領域にセーブする(S2303)。また、図示しない遊技状態表示番号表示領域に高確率状態の番号を表示させるために、遊技状態表示番号領域に高確率状態の番号をセーブする(S2304)。
そして、遊技制御装置500は、高確率状態に移行するために普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率/普電サポートフラグ(中サポ状態)をセーブする(S2305)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に高確率/時短(サポあり)フラグをセーブし(S2306)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率、中サポ)をセーブする(S2307)。最後に、次回大当りまで高確率状態が継続するため、時間短縮変動回数領域をリセットし(S2308)、大当り終了設定処理4を終了する。
以上が特図変動表示ゲームを実行するための処理の説明である。続いて、普図変動表示ゲームを実行するための処理について説明する。
〔普図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理(図9)における普図ゲーム処理(S909)の詳細について説明する。図24は、本発明の第1の実施の形態の普図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
普図ゲーム処理では、普図始動ゲート34の入力の監視と、普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図の表示の設定を行う。
遊技制御装置500は、まず、ゲートスイッチ34aへの遊技球の入賞を監視するゲートスイッチ監視処理を実行する(S2401)。ゲートスイッチ監視処理では、普図始動ゲート34に遊技球が入賞すると、普図変動表示ゲームの当りを決定するための当り乱数を抽出する。
次に、遊技制御装置500は、普電入賞スイッチ監視処理を実行する(S2402)。普電入賞スイッチ監視処理では、第2始動入賞口38に設けられた始動口2スイッチ38dのカウント数、すなわち、第2始動入賞口38に入賞した遊技球の数を監視する。
次に、遊技制御装置500は、普図ゲーム処理タイマを1減算して更新し、当該ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(S2403)。そして、普図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かを判定する(S2404)。
遊技制御装置500は、普図ゲーム処理タイマがタイムアップしたと判定した場合には(S2404の結果が「Y」)、普図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(S2405)。
遊技制御装置500は、さらに、普図ゲームシーケンス分岐テーブルを用いて普図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(S2406)。そして、普図ゲーム処理番号に対応する処理が完了した後に戻り先であるリターンアドレスをスタック領域に退避させる(S2407)。その後、普図ゲーム処理番号に対応する処理を実行する(S2408)。
遊技制御装置500は、普図ゲーム処理番号が「0」の場合には(S2408の結果が「0」)、普図普段処理を実行する(S2409)。普図普段処理は、普図変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図変動表示ゲームの結果の抽選、及び普図変動中処理を行うために必要な情報の設定などを行う。なお、普図普段処理の詳細については、図25にて後述する。
遊技制御装置500は、普図ゲーム処理番号が「1」の場合には(S2408の結果が「1」)、普図変動中処理を実行する(S2410)。普図変動中処理は、普図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置500は、普図ゲーム処理番号が「2」の場合には(S2408の結果が「2」)、普図表示中処理を実行する(S2411)。普図表示中処理は、普図変動表示ゲームの遊技結果が当りであれば、普電サポート状態に応じた第2始動入賞口38の開閉部材38aの開放時間の設定や、普図当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。なお、普図表示中処理の詳細については、図26にて後述する。
遊技制御装置500は、普図ゲーム処理番号が「3」の場合には(S2408の結果が「3」)、普図当り中処理を実行する(S2412)。普図当り中処理は、普図変動表示ゲームの当りが終了するか否かを判定する処理や、普電残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う。なお、普図当り中処理の詳細については、図27にて後述する。
遊技制御装置500は、普図ゲーム処理番号が「4」の場合には(S2408の結果が「4」)、普電残存球処理を実行する(S2413)。普電残存球処理は、普図変動表示ゲームの当りラウンドが最終ラウンドであれば、第2始動入賞口38内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、普図当り終了処理を行うために必要な情報の設定などを行う。
遊技制御装置500は、普図ゲーム処理番号が「5」の場合には(S2408の結果が「5」)、普図当り終了処理を実行する(S2414)。普図当り終了処理は、普図普段処理(S2409)を行うために必要な情報の設定等を行う。
各処理番号に対応する処理が完了すると、遊技制御装置500は、普図表示器53の変動を制御するためのテーブルを準備し(S2415)、普図表示器53における図柄変動制御処理を実行する(S2416)。
一方、遊技制御装置500は、普図ゲーム処理タイマがタイムアップしていないと判定した場合には(S2404の結果が「N」)、S2415以降の処理を実行する。
〔普図普段処理〕
次に、前述した普図ゲーム処理(図24)における普図普段処理(S2409)の詳細について説明する。図25は、本発明の第1の実施の形態の普図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、普図保留数が0であるか否かをチェックする(S2501)。そして、普図保留数が0であるか否かを判定する(S2502)。普図保留数が0の場合には(S2502の結果が「Y」)、次に実行されるタイマ割込み処理の普図ゲーム処理で普図普段処理を実行させるために、普図普段処理移行設定処理1を実行する(S2503)。その後、普図普段処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、普図保留数が0でない場合には(S2502の結果が「N」)、現在の普図確率が高確率であるか否かを判定する(S2504)。現在の普図確率が高確率である場合には(S2504の結果が「Y」)、RWMの乱数セーブ領域から当り乱数をロードして準備する(S2505)。さらに、普図確率が高確率である場合の当り判定用の下限判定値を設定する(S2506)。
遊技制御装置500は、その後、当り乱数の値が下限判定値未満であるか否かをチェック、つまり、S2505の処理でロードされた当り乱数の値が、当該当り乱数の当り判定値の下限値未満であるかをチェックする(S2507)。そして、当り乱数の値が下限判定値未満であるか否かを判定する(S2508)。
遊技制御装置500は、当り乱数の値が下限判定値未満でない場合(S2508の結果が「N」)、すなわち、当り乱数の値が下限判定値以上の場合には、普図変動表示ゲームで当り結果となる確率が高確率状態である場合の上限判定値を設定する(S2509)。
遊技制御装置500は、当り乱数の値が上限判定値よりも大きいか否かをチェック、すなわち、S2505の処理で読み込まれた当り乱数の値が、当該当り乱数の当り判定値の上限値よりも大きいかをチェックする(S2510)。そして、当り乱数の値が上限判定値よりも大きいか否かを判定する(S2511)。
遊技制御装置500は、当り乱数の値が上限判定値よりも大きくない、すなわち、当り乱数の値が上限判定値以下の場合には(S2511の結果が「N」)、RWMの当りフラグ領域に当り情報をセーブする(S2512)。さらに、普図停止図柄に当り時の停止図柄番号を設定し(S2513)、S2920以降の処理を実行する。
また、遊技制御装置500は、当り乱数の値が下限判定値未満の場合(S2508の結果が「Y」)、もしくは、当り乱数の値が上限値よりも大きい場合には(S2511の結果が「Y」)、RWMの当りフラグ領域にはずれ情報をセーブする(S2518)。さらに、普図停止図柄に当り時の停止図柄番号を設定し(S2519)、S2920以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置500は、現在の普図確率が高確率でない場合には(S2504の結果が「N」)、RWMの乱数セーブ領域から当り乱数をロードして準備し(S2514)、普図確率が低確率状態である場合の当り判定用の判定値を設定する(S2515)。そして、S2514の処理でロードした当り乱数とS2515の処理で設定した判定値とが一致するか否かをチェックし(S2516)、当該当り乱数と当該判定値とが一致するか否かを判定する(S2517)。
遊技制御装置500は、当り乱数と判定値とが一致する場合には(S2517の結果が「Y」)、当りフラグ領域に当り情報をセーブする(S2512)。さらに、普図停止図柄に当り時の停止図柄番号を設定して(S2513)、S2920以降の処理を実行する。
また、遊技制御装置500は、当り乱数と判定値とが一致しない場合には(S2517の結果が「N」)、当りフラグ領域にはずれ情報をセーブする(S2518)。さらに、普図停止図柄にはずれ時の停止図柄番号を設定して(S2519)、S2920以降の処理を実行する。
次に、遊技制御装置500は、RWMの乱数セーブ領域を0クリアする(S2520)。そして、普図停止図柄領域に普図停止図柄領域にS2513又はS2519の処理で設定された停止図柄番号をセーブする(S2521)。さらに、普図停止図柄番号に対応する信号を中継基板591を介して図示しない試射試験装置に送信するために、普図停止図柄番号に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(S2522)。
次に、遊技制御装置500は、当り乱数セーブ領域をシフトし(S2523)、S2523の処理でシフトされた後の空き領域をクリアする(S2524)。さらに、普図保留数を1減算して更新する(S2525)。
次に、遊技制御装置500は、普電サポート中であるか否かを判定する(S2526)。具体的には、普図状態が高サポ状態又は中サポ状態であるか否かを判定する。
そして、遊技制御装置500は、普電サポート中の場合には(S2526の結果が「Y」)、普電サポートの種類(中サポ状態もしくは高サポ状態)に応じた普図変動表示ゲームの変動時間を設定する(S2527)。具体的には、図5に示したように、高サポ状態であれば1.0秒、中サポ状態であれば9.9秒を設定する。
一方、遊技制御装置500は、普電サポート中でない場合には(S2526の結果が「N」)、普電サポートなし時の普図変動表示ゲームの変動時間を設定する(S2528)。具体的には、図5に示したように、10.0秒を設定する。
そして、遊技制御装置500は、S2527又はS2528の処理で設定された変動時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(S2529)。
最後に、遊技制御装置500は、次に実行されるタイマ割込み処理における普図ゲーム処理で普図変動中処理が実行されるように、普図変動中処理移行設定処理を実行する(S2530)。その後、普図普段処理を終了する。
〔普図表示中処理〕
次に、前述した普図ゲーム処理(図24)における普図表示中処理(S2411)の詳細について説明する。図26は、本発明の第1の実施の形態の普図表示中処理の手順を示すフローチャートである。
普図表示中処理は、普図変動表示ゲームにおける普通図柄の停止時間が経過するまで実行されない処理であり、現在の普電サポート状態に対応する第2始動入賞口38の開閉部材38aの開放時間(普電開放時間)を決定する処理である。
遊技制御装置500は、まず、RWMの当りフラグ領域から当りフラグをロードし(S2601)、当りフラグ領域をクリアする(S2602)。そして、遊技制御装置500は、S2601の処理でロードされた当りフラグに基づいて、普通図柄が停止した普図変動表示ゲームが当りであるか否かをチェックし(S2603)、普図変動表示ゲームが当りであるか否かを判定する(S2604)。
遊技制御装置500は、普図変動表示ゲームが当りでない場合には(S2604の結果が「N」)、普電開放時間を決定しないので、普図普段処理移行設定処理1を実行する(S2605)。普図普段処理移行設定処理1では、処理番号を0に設定し、普図ゲーム処理番号領域にセーブする。そして、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブする。普図普段処理移行設定処理1が終了すると、普図表示中処理を終了する。
遊技制御装置500は、普図変動表示ゲームが当りである場合には(S2604の結果が「Y」)、普図ゲームモードフラグを確認し(S2606)、普電サポート中であるか否かを判定する(S2607)。具体的には、普図ゲームモードフラグ領域に設定された普電サポートフラグに基づいて現在の普図状態を特定する。
遊技制御装置500は、普電サポート中である場合には(S2607の結果が「Y」)、現在の普図状態が中サポ状態であるか否かを判定する(S2608)。現在の普図状態が中サポ状態でない場合(S2608の結果が「N」)、すなわち、普図状態が高サポ状態の場合には、高サポ状態の普電開放時間(例えば、1.70秒、図5参照)を設定する(S2609)。このとき、第2始動入賞口38の開閉部材38aの開放回数も設定する(例えば3回、図5参照)。さらに、高サポ状態における当り開始ポインタとして0を設定する(S2610)。
遊技制御装置500は、現在の普図状態が中サポ状態の場合には(S2608の結果が「Y」)、中サポ状態の普電開放時間(例えば0.12秒、図5参照)を設定する(S2611)。さらに、中サポ状態における当り開始ポインタとして4を設定する(S2612)。
一方、遊技制御装置500は、普電サポート中でない場合には(S2607の結果が「N」)、普電サポートなしの普電開放時間(例えば、0.10秒、図5参照)を設定する(S2613)。さらに、普電サポートなしの場合の当り開始ポインタとして4を設定する(S2614)。
続いて、遊技制御装置500は、S2610、S2612、S2614の処理で設定された現在の普図状態に対応する当り開始ポインタの値を普図当り中処理制御ポインタ領域にセーブする(S2615)。さらに、S2609、S2611、S2613の処理で設定された現在の普図状態に対応する普電開放時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(S2616)。
最後に、遊技制御装置500は、普図当り中処理を実行すべく普図当り中処理移行設定処理を実行し(S2617)、普図表示中処理を終了する。なお、S2616の処理で普図ゲーム処理タイマ領域に普電開放時間がセーブされているので、普電開放時間が経過してから普図当り中処理が実行される。
また、普図当り中処理移行設定処理(S2617)には、第2始動入賞口38の開閉部材38aを開放状態にする処理が含まれる。具体的には、普電ソレノイド出力データ領域にONデータをセーブし、第2始動入賞口38の開閉部材38aを開放するように普電ソレノイド38bを制御する。そして、S2616の処理で設定された普電開放時間が経過すると、後述する普電作動移行設定処理によって、第2始動入賞口38の開閉部材38aが開放状態から閉塞状態に移行する。
〔普図当り中処理〕
次に、前述した普図ゲーム処理(図24)における普図当り中処理(S2412)の詳細について説明する。図27は、本発明の第1の実施の形態の普図当り中処理の手順を示すフローチャートである。
普図当り中処理は、普図当りの状態を示す普図当り中処理制御ポインタ(0〜4)を更新する処理である。
遊技制御装置500は、まず、普図当り中処理制御ポインタをロードして準備する(S2701)。さらに、S2701の処理でロードされた普図当り中処理制御ポインタが当りを終了させる値であるか否かをチェックする(S2702)。S2702のチェック結果に基づいて、普図変動表示ゲームの当りを終了するか否かを判定する(S2703)。
遊技制御装置500は、普図変動表示ゲームの当りを終了しない場合には(S2703の結果が「N」)、普図当り中処理制御ポインタの値を1加算して更新する(S2704)。
遊技制御装置500は、S2704の処理を実行した後、又は、普図変動表示ゲームの当りを終了する場合には(S2703の結果が「Y」)、普電作動移行設定処理を実行し(S2705)、普図当り中処理を終了する。
〔普電作動移行設定処理〕
次に、前述した普図当り中処理(図27)における普電作動移行設定処理(S2705)の詳細について説明する。図28は、本発明の第1の実施の形態の普電作動移行設定処理の手順を示すフローチャートである。普電作動移行設定処理では、普図当り中処理制御ポインタの値に対応した処理が実行される。
遊技制御装置500は、まず、普図当り中処理制御ポインタの値に応じた処理を実行する(S2801)。なお、S2801の処理で判定に使用する制御ポインタの値は、図27のS2701の処理でロードされた普図当り中処理制御ポインタの値である。このとき、図27のS2704の処理によって、普図当り中処理制御ポインタ領域に格納された普図当り中処理制御ポインタの値に1が加算されているが、S2801の処理で利用される値は加算前の値である。
遊技制御装置500は、普図当り中処理制御ポインタの値が0又は2である場合には(S2801の結果が「0」又は「2」)、まず、第2始動入賞口38の開閉部材38aを閉塞する時間を示すウェイト時間を設定する(S2802)。さらに、S2802の処理で設定されたウェイト時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(S2803)。
そして、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38の開閉部材38aを閉塞状態にするように普電ソレノイド38bを制御するために、普電ソレノイド出力データ領域にOFFデータをセーブし(S2804)、普電作動移行設定処理を終了する。なお、処理番号は更新されず3のままであるので、ウェイト時間が経過すると普図当り中処理が実行され、図27のS2704の処理で普図当り中処理制御ポインタが1加算されて更新される。
遊技制御装置500は、普図当り中処理制御ポインタの値が1又は3である場合には(S2801の結果が「1」又は「3」)、現在の普電サポート状態に対応する普電開放時間を設定する(S2805)。さらに、S2805の処理で設定された普電開放時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(S2806)。
そして、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38の開閉部材38aを開放状態にするように普電ソレノイド38bを制御するために、普電ソレノイド出力データ領域にONデータをセーブし(S2807)、普電作動移行設定処理を終了する。なお、処理番号は更新されず3のままであるので、普電開放時間が経過すると普図当り中処理が実行され、図27のS2704の処理で普図当り中処理制御ポインタが更新(+1)される。
次に、遊技制御装置500は、普図当り中処理制御ポインタの値が4である場合には(S2801の結果が「4」)、当り状態を終了し普電残存球処理を実行するために、処理番号を4に設定する(S2808)。さらに、S32808の処理で設定された処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(S2809)。そして、普電残存球処理時間を設定し(S2810)、S2810の処理で設定された普電残存球処理時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(S2811)。普電残存球処理時間は、第2始動入賞口38の開閉部材38aが閉塞状態であった場合に第2始動入賞口への入賞を検出しても普電不正入賞数としてカウントしない時間である。
最後に、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38の開閉部材38aを閉塞状態にするように普電ソレノイド38bを制御するために、普電ソレノイド出力データ領域にOFFデータをセーブし(S2812)、普電作動移行設定処理を終了する。
以上のように、普図変動表示ゲームの当りの発生中には第2始動入賞口38の開閉部材38aを閉塞状態から開放状態に変換することが、状態に応じて1回(0.10秒または0.12秒×1回)または3回(1.70秒×3回)行われ、それぞれの開放が終了すると普図変動表示ゲームの当りが終了する。
さらに説明すると、第2始動入賞口38の開閉部材38aの開放回数が1回の場合には、普図当り中処理移行設定処理で開放状態となる。そして、普図当り中処理制御ポインタの開始値が4となっているため(図26のS2612、S2614)、普電作動移行設定処理で再び開放状態となることなく、次の処理(普電残存球処理)に移行するための処理が実行される。
一方、第2始動入賞口38の開閉部材38aの開放回数が3回の場合には、普図当り中処理移行設定処理で開放状態となった後、普図当り中処理制御ポインタの開始値が0となっているため(図26のS2610)、普電作動移行設定処理で2回、閉塞状態から開放状態に移行する処理が実行される。
以上が遊技制御装置500による処理の説明である。続いて、演出制御装置550による処理について説明する。
〔1stCPUメイン処理(演出制御装置)〕
次に、演出制御装置550によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図29は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(S2901)。次に作業領域であるRAM551aを0クリアする(S2902)。そしてCPU初期化処理を実行する(S2903)。その後、各種処理の実行に必要な初期値をRAM551aに設定し(S2904)、乱数初期化処理を実行する(S2905)。続いて所定のタイミング(例えば、1ミリ秒)で割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動させる(S2906)。そして割込みを許可する(S2907)。
ここで、主制御用マイコン(1stCPU)551は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(S2908)。WDTは、上述したCPU初期化処理(S2903)で起動され、CPUが正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技者による演出ボタン31の操作信号を検出したり、検出した信号に応じた処理を実行したりする(S2909)。また遊技制御装置500から受信した遊技制御コマンドを解析する遊技制御コマンド解析処理を実行する(S2910)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、テストモード処理を実行する(S2911)。テストモード処理は、工場出荷時の検査の際に検査用のコマンドを受信してLEDの点灯等を検査する。したがって、テストモード処理は、工場出荷時にCPUを検査するときに実行される。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技制御コマンド解析処理(S2910)において解析された制御コマンドに基づき、表示装置48に表示させるシーン(表示内容)を制御する1stシーン制御処理を実行する(S2912)。なお、1stシーン制御処理についての詳細は、図32を参照して後述する。
さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技機1における異常の発生を監視する遊技機エラー監視処理を実行する(S2913)。演出制御装置550に関わる異常の他に、遊技制御装置500からエラー報知を指示するコマンドを受信した場合などに、警報音の報知など所定の処理を実行する。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、映像制御用マイコン(2ndCPU)554に送信するコマンドを編集する演出コマンド編集処理を実行する(S2914)。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、スピーカー30から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(S2915)。また、LED等の装飾装置(盤装飾装置10d、枠装飾装置18d)を制御する装飾制御処理を実行し(S2916)、さらにモータ及びソレノイドで駆動される電動役物や可動式照明などの演出装置(盤演出装置10f、枠演出装置18f)を制御するモータ/SOL制御処理を実行する(S2917)。
最後に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、乱数を更新するための乱数更新処理を実行して(S2918)、S2908の処理に戻る。以降、S2908からS2918までの処理を繰り返す。
〔2ndCPUメイン処理(演出制御装置)〕
続いて、演出制御装置550によって実行されるもう一方のメイン処理の詳細を説明する。図30は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550の映像制御用マイコン(2ndCPU)554によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、メイン処理の実行が開始されると、まず、CPU初期化処理を実行する(S3001)。そして、作業領域であるRAM554aを0クリアして(S3002)、各種処理の実行に必要な初期値をRAM554aに設定する(S3003)。そして、画像処理を行うグラフィックプロセッサを初期化するVDP初期化処理を実行する(S3004)。次に、Vブランク割込みなどの各種割込みを許可する(S3005)。
さらに、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、各種制御処理の初期化処理を実行する(S3006)。各種制御処理の初期化処理では、後述する通常ゲーム処理(S3011)で実行される各制御処理で使用される変数の初期化などが行われる。例えば、表示装置48に表示される映像の背景を初期化したり、図柄の配列を初期化したりする。そして、表示装置48の画面描画を許可する(S3007)。
その後、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、システム周期待ちフラグをクリア(初期化)して(S3008)、システム周期待ちフラグが1になるまで待機する(S3009)。システム周期待ちフラグは、説明を省略するが、Vブランク割込み処理で所定の処理が完了すると1に設定される。
映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、システム周期待ちフラグが1になったら(S3009の結果が「Y」)、映像制御用マイコン(2ndCPU)554が正常に動作しているかを判定するためのWDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(S3010)。WDTがクリアされずに所定の時間経過すると、映像制御用マイコン(2ndCPU)554がリセットされる。そして、表示装置48で飾り特図変動表示ゲームを実行したり、様々な画像を表示したりする通常ゲーム処理を実行し(S3011)、S3008の処理に戻る。以降、S3008からS3011までの処理を繰り返す。
〔通常ゲーム処理(2ndCPU)〕
次に、前述したメイン処理(図30)における通常ゲーム処理(S3011)の詳細について説明する。図31は、本発明の第1の実施の形態の通常ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、まず、主制御用マイコン(1stCPU)551で受信したコマンドをチェックする受信コマンドチェック処理を実行する(S3101)。
そして、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、表示装置48に表示される画像のうち、演出の中で静止画で動きのない背景の描画を準備する背景処理を実行する(S3102)。次に、表示装置48に表示される画像のうち、変動表示する飾り特別図柄の描画を準備するリール制御/表示処理を実行する(S3103)。さらに、表示装置48に表示される画像のうち、各変動表示ゲームの始動記憶を表示する保留表示の描画を準備する保留表示処理を実行する(S3104)。
また、始動記憶数が無い場合や変動表示ゲームが所定時間なされない場合などは、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、表示装置48に客待ちデモ画面を表示するように客待ちデモ処理を実行する(S3105)。
続いて、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、主制御用マイコン(1stCPU)551で実行されるメイン処理の1stシーン制御処理(S2912)におけるシーンの描画を準備する2ndシーン制御/表示処理を実行する(S3106)。ここで2ndシーン制御/表示処理は、背景処理が静止画像の描画に対して実行されるのに対して、演出の中で動きのある画像の描画に対して実行される。そして、表示装置48に実際に画像を表示させるための表示システム処理を実行する(S3107)。そして本処理を終了して、メイン処理のS3008に戻る。
〔1stシーン制御処理(1stCPU)〕
次に、前述したメイン処理(図29)における1stシーン制御処理(S2912)の詳細について説明する。図32は、本発明の第1の実施の形態の1stシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、テストモード中であるか否かを判定する(S3201)。テストモードは、工場出荷時などCPUを検査するときに実行されるモードである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、テストモード中である場合には(S3201の結果が「Y」)、1stシーン制御処理を終了する。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、テストモード中でない場合には(S3201の結果が「N」)、表示装置48に表示させるシーン(表示内容全て)を変更するシーン変更コマンドを受信したか否かを判定し(S3202)、シーン変更コマンドを受信していない場合には(S3202の結果が「N」)、S3203〜S3206の処理を実行せずにS3207の処理に移行する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、シーン変更コマンドを受信した場合には(S3202の結果が「Y」)、更新する遊技状態、すなわち、現在の遊技状態を取得する(S3203)。そして、受信したシーン変更コマンドが、遊技制御装置500から送信され、前述した遊技制御コマンド解析処理(S2910)において解析された現在の遊技状態に対応した有効なコマンドであるか否かを判定する(S3204)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、受信したシーン変更コマンドが有効である場合には(S3204の結果が「Y」)、作業領域であるRAM551aに受信したシーン変更コマンドをセーブする(S3205)。そして、シーン(表示内容)を変更するタイミングであることを示す演出リクエストフラグをセットする(S3206)。
なお、主制御用マイコン(1stCPU)551は、受信したシーン変更コマンドが有効でない場合には(S3204の結果が「N」)、S3205及びS3206の処理を実行せずにS3207の処理に移行する。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、前述した遊技制御コマンド解析処理(S2910)において解析されたコマンド識別子に対応する処理に分岐する(S3207)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「電源投入コマンド」に設定されている場合には、電源投入処理を実行する(S3208)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「停電復旧コマンド」に設定されている場合には、後述する客待ち処理以外の停電復旧処理を実行する(S3209)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「客待ちデモコマンド」に設定されている場合には、客待ち処理を実行する(S3210)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「変動パターンコマンド」に設定されている場合には、変動中処理を実行する(S3211)。なお、変動中処理の詳細については、図33にて後述する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「図柄停止コマンド」に設定されている場合には、図柄停止処理を実行する(S3212)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「ファンファーレコマンド」に設定されている場合には、ファンファーレ処理を実行する(S3213)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「大入開放n回目コマンド」に設定されている場合には、ラウンド中処理を実行する(S3214)。ラウンド中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定するために必要な情報を設定したりする。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「インターバルコマンド」に設定されている場合には、インターバル処理を実行する(S3215)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「エンディングコマンド」に設定されている場合には、エンディング処理を実行する(S3216)。
その後、主制御用マイコン(1stCPU)551は、図柄コマンド受信処理(S3218)、保留数コマンド受信処理(S3219)、先読みコマンド受信処理(S3220)、及び、確率情報コマンド受信処理(S3221)を順に実行して、1stシーン制御処理を終了する。
〔変動中処理〕
次に、前述した1stシーン制御処理(図32)における変動中処理(S3211)の詳細について説明する。図33は、本発明の第1の実施の形態の変動中処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(S3301)。演出リクエストフラグは、前述したように、1stシーン制御処理のS3206で、主制御用マイコン(1stCPU)551が受信したシーン変更コマンドが有効なコマンドである場合にセットされる。したがって、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出リクエストフラグがない場合には(S3301の結果が「N」)、表示装置48に表示される表示内容は一連の表示演出の一部であるので、更新タイマが0か否かに応じて表示内容を変更するか判定する(S3202)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、更新タイマが0の場合には(S3302の結果が「Y」)、次のシーンに移行するためにシーケンステーブルに設定された次のシーンのデータを設定し(S3303)、変動中処理を終了する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、更新タイマが0でない場合には(S3302の結果が「N」)、現在の表示を継続するので、処理を実行することなく変動中処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出リクエストフラグがある場合には(S3301の結果が「Y」)、表示装置48に表示される表示内容全体を切り替えるタイミングなので、受信したシーン変更コマンドに応じて各種処理を実行する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、変動表示の終了間際などに遊技者によって押された演出ボタン31などプッシュボタン(PB)情報(履歴)をクリアする(S3304)。そして、可動体(役物)の作動リクエストをセットして初期化する(S3305)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技制御装置500から送信される変動パターン情報、遊技状態、及び、演出制御装置550の演出情報に基づいてシーン変更コマンドに対応する変動パターンを決定し、当該変動パターンの情報を設定する変動パターン情報設定処理を実行する(S3306)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出のかたよりが生じないように演出情報を決定する乱数の種値を初期化する乱数シード初期化処理を実行する(S3307)。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、S3306で設定された変動パターンに対応して、表示装置48で実行される飾り特図変動表示ゲームにおける変動表示の開始や停止、演出用キャラクタの表示等の各種表示の実行タイミングや表示時間を管理するシーンシーケンステーブルを設定する(S3308)。飾り特図変動表示ゲームは、設定されたシーンシーケンステーブルに従って実行される。
さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551は、時間短縮変動回数などを管理するために変動回数管理処理を実行し(S3309)、シーンの更新タイマの更新タイミングを判断するために変動時間を設定する変動時間設定処理を実行する(S3310)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、シーン変更コマンドに対応した設定が終了したので演出リクエストフラグをクリアし(S3311)、第2始動入賞口38の可動部材38aの作動を報知する普電開放タイミング報知処理を実行し(S3312)、変動中処理を終了する。
〔普電開放タイミング報知処理〕
続いて、前述した変動中処理(図33)における普電開放タイミング報知処理(S3312)の詳細について説明する。図34は、本発明の第1の実施の形態の普電開放タイミング報知処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、遊技制御装置500から送信された確率情報コマンドの内容をチェックする(S3401)。そして、前回の特図変動表示ゲームから変更があるか否かを判定し(S3402)、変更がない場合には(S3402の結果が「N」)、そのまま普電開放タイミング報知処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、前回の特図変動表示ゲームからの変更がある場合には(S3402の結果が「Y」)、当該変更が普電サポート状態の中サポ状態への切替であるか否かを判定する(S3403)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、中サポ状態への切替である場合には(S3403の結果が「Y」)、通常切替報知を行う設定を実行し(S3404)、普電開放タイミング報知処理を終了する。通常切替報知は、表示装置48での画面表示によって中サポ状態への切替を報知する。なお、通常切替報知の画面表示の詳細については、図36にて後述する。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、中サポ状態への切替でない場合には(S3403の結果が「N」)、高サポ状態への切替か否かを判定し(S3405)、高サポ状態への切替である場合には(S3405の結果が「Y」)、特別切替報知を行う設定を実行して(S3406)、普電開放タイミング報知処理を終了する。特別切替報知は、表示装置48での画面表示によって高サポ状態への切替を報知するだけでなく、照明ユニット11及び装飾部材9のランプを点灯することによって報知したり、スピーカー30から音声を出力して報知したりする。なお、特別切替報知の画面表示の詳細については、図36にて後述する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、変更が中サポ状態への切替でも高サポ状態への切替でもない場合には(S3405の結果が「N」)、そのまま普電開放タイミング報知処理を終了する。
〔タイムチャート〕
図35は、本発明の第1の実施の形態において普電サポート状態の切替及び報知が実行されるタイミングを示すタイムチャートである。図35(A)は、大当りの種類が15R確変Aの場合のタイムチャートであり、図35(B)は、大当りの種類が15R確変Bの場合のタイムチャートである。
まず、図35(A)を参照して、大当りの種類が15R確変Aの場合について説明する。
図35(A)の上段は、大当り終了後に普電サポート状態が開始されてから次に大当りとなるまでの間の特図変動表示ゲームの遊技進行状態を示す。この間に、普電サポート状態が切り替わる切替タイミングが5ヶ所((1)〜(5))ある。切替タイミング(2)及び(4)の上に記された符号Xは、高サポへの切替を示す。
図35(A)の中段は、普電サポート状態を示す。大当り後の普電サポート状態は、高サポ状態から始まり、切替タイミング(1)で中サポ状態に切り替わる。そして、切替タイミング(2)で再び高サポ状態に戻って、切替タイミング(3)で中サポ状態に切り替わる。さらに、切替タイミング(4)で中サポ状態から高サポ状態、切替タイミング(5)で高サポ状態から中サポ状態に切り替わる。
図35(A)の下段は、普電サポート状態の報知タイミングを示す。本発明の第1の実施の形態では、切替タイミング(1)〜(5)で報知が一定時間行われる。切替タイミング(1)、(3)及び(5)では、中サポ状態に切り替わるので、中サポ状態が開始されるタイミングで通常切替報知が行われる。切替タイミング(2)及び(4)では、高サポ状態に切り替わるので、高サポ状態が開始されるタイミングで特別切替報知が行われる。また、通常切替報知もしくは特別切替報知のどちらか一方のみを行うようにしてもよい。
ここでは、普電サポート状態の切替タイミングを大当り図柄に応じて設定する。切替タイミングを大当り図柄番号ごとに設定してもよいし、大当り後の初期サポート状態ごとに設定してもよい。各大当り図柄番号には、切替タイミングの情報が含まれる。
また、中サポ状態と高サポ状態をランダムに切り替える場合でも、普電サポート期間のうち、序盤にあたる期間に高サポ状態の比率を高めておくことで、早めに大当りになれば第2始動入賞口38への入賞による大当りを得やすくなるように設定してもよい。
さらに、普電サポート状態が切り替わってから次の切替タイミングまでに、特図変動表示ゲームが例えば最低10ゲーム消化されるように設定してもよい。切替タイミングの間隔が短いと、例えば、中サポ状態で普図変動表示ゲームが実行される場合に、はずれとなるゲームの消化時間は約3秒で、普図変動時間は約10秒なので、普図変動時間内に高サポ状態に切り替わって再び中サポ状態に戻るようなことが生じ得る。この場合、遊技者は高サポ状態の恩恵を受けることができない。
次に、図35(B)を参照して、大当りの種類が15R確変Bの場合について、図35(A)と異なる点を説明する。
図35(B)の場合は、大当り後の普電サポート状態が中サポ状態から始まり、普電サポート状態が切り替わる切替タイミングが6ヶ所((1)〜(6))ある。切替タイミング(1)、(3)及び(5)は、高サポ状態への切替を示す。
〔画面表示〕
本発明の第1の実施の形態において表示装置48に表示される普電開放タイミング報知画面の一例を示す図である。図36(A)は、通常切替報知の場合の画面表示であり、図36(B)は、特別切替報知の場合の画面表示である。
図36(A)の画面表示は、前述した普電開放タイミング報知処理で通常切替報知が設定された場合(S3404)、すなわち、普電サポート状態が高サポ状態から中サポ状態に切り替わる場合に表示される。大当りの種類が15R確変Aの場合には、切替タイミング(1)、(3)、及び、(5)のときに表示される(図35(A)参照)。
普電サポート状態であっても中サポ状態の場合は、図5に示すように普電開放時間が短く、普図当り確率も低確率なので、遊技者は左打ちで第1始動入賞口37への入賞を狙ったほうがよい。そこで、左向きの矢印を表示し、さらに、高サポの終了及び左打ちを促すメッセージも表示する。このとき、飾り特図変動表示ゲームの飾り特別図柄は画面の略中央に変動表示される。
図36(B)の画面表示は、前述した普電開放タイミング報知処理で特別切替報知が設定された場合(S3406)、すなわち、普電サポート状態が中サポ状態から高サポ状態に切り替わる場合に表示される。大当りの種類が15R確変Aの場合には、切替タイミング(2)及び(4)のときに表示される(図35(A)参照)。
普電サポート状態が高サポ状態の場合は、図5に示すように普電開放時間が長いので、遊技者は右打ちで第2始動入賞口38への入賞を狙ったほうがよい。そこで、右向きの矢印を画面中央に表示し、さらに、当該矢印の中に高サポの開始及び右打ちを促すメッセージを表示する。このとき、飾り特図変動表示ゲームの飾り特別図柄は画面の右下に変動表示される。
特別切替報知の場合は、通常切替報知の場合よりも画面表示における報知領域を拡大する。さらに、前述したようにランプの点灯や音声による報知も行うことで、左打ちから右打ちに切り替えるタイミングを認識し易くしている。
なお、前述したような特別切替報知は、切替タイミング(2)のときだけにしてもよい。切替タイミング(4)のときは、2回目の高サポ状態への移行になるので、遊技者は慣れている可能性がある。いたずらに飾り特図変動表示ゲームの興趣を下げないためにも、2回目以降の特別切替報知は、図36(B)に示すような大々的に右打ちを促す画面表示ではなく、飾り特図変動表示ゲームを主とした画面表示にしてもよい。
〔第1の実施の形態の効果〕
以上のように、本発明の第1の実施の形態によれば、第2始動入賞口38への入賞を入賞容易にする普電サポート状態には、高サポ状態と、普電サポートがない状態よりも遊技者にとって有利な状態であって高サポ状態よりも遊技者にとって不利な状態である中サポ状態と、がある。そして、大当り終了後の特定遊技状態では、高サポ状態及び中サポ状態が発生し得る。このため、大当り終了後の特定遊技状態のパターンが増えるので、遊技の興趣が高まるとともに、遊技者の止め打ちを防止することができる。
また、普電サポート状態が遊技者に有利な高サポ状態となる場合に、高サポ状態となることを遊技者に報知するので、遊技者に必要以上の止め打ちをさせないように止め打ちタイミングを制御することができる。
さらに、普電サポート状態を高サポ状態又は中サポ状態に切り替えるタイミングは、変動表示ゲームの実行回数だけでなく、大当り図柄に応じて決まる。このため、変動表示ゲームの進行及び大当り図柄の導出に興味が注がれるようになり、遊技の興趣が高まる。また、タイミングを決定する因子が増えてパターンが複雑になるので、遊技者は切替タイミングを推測しづらい。このため、高サポ状態への切替報知の価値が高まる。
また、普電サポート状態が高サポ状態になる場合だけでなく、中サポ状態になる場合にも遊技者に報知を行ってもよい。このとき、中サポ状態への切替報知は、高サポ状態への切替報知よりも、控えめに行う。すなわち、遊技者にとって有利な状態となる高サポ状態への切替報知は、遊技者にとって重要な報知であるので、目立つ演出を行う。このため、遊技者は、高サポ状態への切替タイミングを逃すことがない。
また、中サポ状態は、サポなし状態の動作態様と遊技者が区別できない程度に類似して設定される。このため、大当り終了後の初期普電サポート状態が中サポ状態で、その後、高サポ状態に切り替わる場合に、大当りを契機とせずに突然高サポ状態が発生したように見せることができるので、遊技の興趣が高まるとともに、遊技者の遊技意欲の向上が期待できる。
(第1の実施の形態の変形例1)
本発明の第1の実施の形態では、普電開放タイミング報知処理(図34)において、必ず普電サポート状態が切り替わるときに通常切替報知(S3404)又は特別切替報知(S3406)を行うよう設定している。変形例1として、普電サポート状態の切替タイミングの報知を抽選によって決定する態様について説明する。具体的には、遊技者の遊技への参加度合が高いほど報知する確率が高い報知抽選処理を実行する。
以下、第1の実施の形態の変形例1における普電開放タイミング報知処理について図37及び図38を参照して説明する。
〔普電開放タイミング報知処理〕
図37は、本発明の第1の実施の形態の変形例1の普電開放タイミング報知処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1の実施の形態と共通の処理については、図34と同じ符号を割り当てて説明を省略する。
第1の実施の形態の変形例1では、主制御用マイコン(1stCPU)551は、前回の特図変動表示ゲームからの変更がある場合には(S3402の結果が「Y」)、当該変更が普電サポート状態の変更であるか否かを判定する(S3701)。そして、普電サポート状態の変更でない場合には(S3701の結果が「N」)、普電開放タイミング報知処理を終了する。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、普電サポート状態の変更である場合には(S3701の結果が「Y」)、遊技者による演出ボタン31の操作量をチェックし(S3702)、ボタン操作量が所定以上であるか否かを判定する(S3703)。ここでは、遊技者による遊技への参加度合を測る。ボタン操作量は、所定期間内における演出ボタン31の連打数でもよいし、ボタン操作量に限らず、ハマり数やそれまでの大当り回数で測ってもよい。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、ボタン操作量が所定以上でない場合には(S3703の結果が「N」)、通常報知実行抽選テーブルを準備する(S3704)。なお、通常報知実行抽選テーブルについての詳細は、図38を参照して後述する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、ボタン操作量が所定以上である場合には(S3703の結果が「Y」)、特殊報知実行抽選テーブルを準備する(S3705)。なお、特殊報知実行抽選テーブルについての詳細は、図38を参照して後述する。
さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551は、報知実行抽選用乱数をロードして準備し(S3706)、準備したテーブルに応じて抽選処理を実行する(S3707)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、抽選結果が当選であるか否かを判定し(S3708)、当選である場合には(S3708の結果が「Y」)、切替報知を実行するので、切替パターンに応じて報知設定を行うS3403〜S3406の処理を実行する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、抽選結果が非当選である場合には(S3708の結果が「N」)、切替報知を実行することなく普電開放タイミング報知処理を終了する。
なお、抽選結果が非当選の場合に、ボタン操作量に応じて強制的に当選させる二段階抽選を実行してもよい。
〔報知実行抽選テーブル〕
次に、前述した普電開放タイミング報知処理(図37)において準備される報知実行抽選テーブルについて説明する。図38は、本発明の第1の実施の形態の変形例1の報知実行抽選テーブルである。図38(A)は、通常報知実行抽選テーブルであり、図38(B)は、特殊報知実行抽選テーブルである。
図38(A)の通常報知実行抽選テーブルは、遊技者の遊技への参加度合が低い場合の抽選処理に用いられる。S3706でロードされた報知実行抽選乱数が0〜100である場合にはS3707の抽選処理の結果は当選となり、切替報知が実行される。また、報知実行抽選乱数が101〜200である場合には抽選処理の結果は非当選となり、切替報知は実行されない。このように通常報知実行抽選テーブルを用いる抽選処理では、略50%の確率で報知実行抽選に当選する。
図38(B)の特殊報知実行抽選テーブルは、遊技者の遊技への参加度合が高い場合の抽選処理に用いられる。報知実行抽選乱数が0〜150である場合には抽選処理の結果は当選となり、切替報知が実行される。また、報知実行抽選乱数が151〜200である場合には抽選処理の結果は非当選となり、切替報知は実行されない。このように特殊報知実行抽選テーブルを用いる抽選処理では、略75%の確率で報知実行抽選に当選する。
また、報知実行抽選テーブルにおいて、報知を実行するか否かだけでなく、報知時間や報知タイミングの振り分けを設定可能にしてもよい。
〔第1の実施の形態の変形例1の効果〕
このように第1の実施の形態の変形例1では、普電サポート状態が高サポ状態に切り替わる場合に、その切替タイミングを報知するか否かを抽選によって決める。高サポ状態への切替報知が必ず実行されるものではなくなるので、遊技進行の緊張感が高まるとともに遊技の興趣も高まる。
また、遊技者の遊技への参加度合に応じて切替タイミングの報知を実行するか否かの抽選を行う。そして、遊技への参加度合が高いほど抽選の当選確率が高い。これにより、遊技への参加に積極的な遊技者と消極的な遊技者とを差別化することができ、遊技の興趣が高まる。そして、積極的に遊技する遊技者に特典を与えることで、遊技者の遊技への参加を期待することができる。この場合、遊技者が遊技参加に積極的になるため、結果として遊技店が想定していない止め打ち等へ集中できなくなることも期待できる。
(第1の実施の形態の変形例2)
本発明の第1の実施の形態の変形例1では、普電開放タイミング報知処理(図37)において、遊技者の遊技への参加度合が高いほど報知する確率が高い報知抽選処理(S3701〜S3707)を実行している。変形例2として、始動記憶数(保留数)を考慮して報知抽選処理を行う態様について説明する。具体的には、普電サポート状態の切替タイミングとなる始動記憶(保留)が確認されたときから報知可能とし、切替タイミングとなる特図変動表示ゲーム前に報知する事前報知を可能にする。
なお、本発明の第1の実施の形態及び変形例1では、普電開放タイミング報知処理は変動中処理で実行される処理の一つであり、変動を開始するときのみ実行される処理である。しかし、変形例2では、普電開放タイミング報知処理は独立した処理であり、演出制御装置550における割込みで実行される処理である。このため、変形例2の変動中処理は、図示を省略するが、変形例1における変動中処理(図33)において普電開放タイミング報知処理(S3312)を除いた処理となる。
以下、第1の実施の形態の変形例2における普電開放タイミング報知処理について図39を参照して説明する。
〔普電開放タイミング報知処理〕
図39は、本発明の第1の実施の形態の変形例2の普電開放タイミング報知処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1の実施の形態及び変形例1と共通の処理については、図34及び図37と同じ符号を割り当てて説明を省略する。
第1の実施の形態の変形例2では、主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、遊技制御装置500から送信された確率情報コマンドの内容から現在の普電サポート状態をチェックし(S3901)、現在普電サポート中であるか否かを判定する(S3902)。そして、普電サポート中である場合には(S3902の結果が「Y」)、飾り特図保留数の情報をチェックして(S3903)、保留数が増加したか否かを判定する(S3904)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、保留数が増加した場合には(S3904の結果が「Y」)、前回の大当り終了後から何ゲーム目となるのか増加分の保留に基づく変動表示ゲームの内容、また、前回の大当り情報に基づく切替タイミングをチェックし(S3905)、当該保留は、対応する特図変動表示ゲームが普電サポート状態の切替タイミングとなるサポート切替分であるか否かを判定する(S3906)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、切替タイミングとなる特図変動表示ゲーム分の保留を確認した場合には(S3906の結果が「Y])、前述したS3701〜S3707の報知抽選処理を実行する(S3907)。その後、抽選に当選した場合には(S3708)、普電サポート状態の切替を報知する設定を行う(S3403〜S3406)。
また、事前報知をする場合には、さらに切替タイミングとなる保留より前に記憶されている保留を先読みして、SPリーチなど1回のゲーム所要時間が長くなるような演出がない場合に限って事前報知を行うようにしてもよい。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技状態が普電サポート状態でない場合(S3902の結果が「N」)、保留数が増加していない場合(S3904の結果が「N」)、又は、増加した保留が対応する特図変動表示ゲームが切替タイミングとならない場合(S3906の結果が「N」)には、報知抽選を行うことなく普電開放タイミング報知処理を終了する。
〔タイムチャート〕
図40は、本発明の第1の実施の形態の変形例2において普電サポート状態の切替及び報知が実行されるタイミングを示すタイムチャートである。図40は、本発明の第1の実施の形態で大当りの種類が15R確変Aとなる場合の図35(A)に対応する。本発明の第1の実施の形態と異なる点について説明する。
第1の実施の形態の変形例2では、切替タイミング(1)となる特図変動表示ゲームに対応する始動記憶が発生したときに切替タイミング(1)の事前報知T1を開始する。また、切替タイミング(2)となる特図変動表示ゲームに対応する始動記憶が発生したときに切替タイミング(2)の事前報知を開始するが、このとき、切替タイミング(2)及び(3)の切替間隔が短いので、切替タイミング(3)の事前報知も合わせて連続事前報知T2を実行する。また、切替タイミング(4)となる特図変動表示ゲームに対応する始動記憶が発生したときに報知抽選を行ったが非当選となり、切替タイミング(4)の報知は実行していない。さらに、切替タイミング(5)となる特図変動表示ゲームに対応する始動記憶が入賞と同時に消化され、報知抽選の結果が非当選となり、切替タイミング(5)の報知は実行していない。
〔画面表示〕
続いて、前述した事前報知期間T1及び連続事前報知期間T2における画面表示について図41を参照して説明する。図41は、本発明の第1の実施の形態の変形例2において表示装置48に表示される普電開放タイミング報知画面の一例を示す図である。
図41(A)の画面表示は、前述した切替タイミング(1)の事前報知期間T1における報知画面である。何ゲーム後に現在の高サポ状態が終了するかを報知し、さらに、遊技者の打ち方を左打ちに戻すことを推奨する。このときの画面表示は、画面中央に図柄の変動が表示され、遊技者へのメッセージは画面上部に表示される。また、遊技者に左打ちを推奨するので、画面左下に左向きの矢印が表示される。これは事前報知であり、予告段階なので、矢印は点線で描かれる。
図41(B1)は、前述した切替タイミング(2)及び(3)の連続事前報知期間T2における前半の報知画面である。連続事前報知期間T2の前半では、切替タイミング(2)に対する事前報知として、中サポ状態から高サポ状態に切り替わることを報知する。具体的には、何ゲーム後に高サポ状態が終了するかを報知し、さらに、遊技者の打ち方を右打ちにすることを推奨する。このときの画面表示は、画面中央に遊技者へのメッセージが表示され、画面右下に図柄の変動が表示される。また、遊技者に右打ちを推奨するので、画面右上に右向きの矢印が表示される。これは事前報知であり、予告段階なので、矢印は点線で描かれる。
図41(B2)は、前述した切替タイミング(2)及び(3)の連続事前報知期間T2における中盤の報知画面である。連続事前報知期間T2の中盤では、切替タイミング(2)により高サポ状態に切り替わった後の報知として、高サポ状態が開始されたことを報知する。具体的には、遊技者に右打ちを推奨する。このときすでに高サポ状態になっているので、画面表示は、前述した前半の報知画面では点線で描かれていた矢印が画面中央に大きく実線で表示され、矢印の中に右打ちを推奨するメッセージが表示される。
図41(B3)は、前述した切替タイミング(2)及び(3)の連続事前報知期間T2における後半の報知画面である。連続事前報知期間T2の後半では、切替タイミング(3)に対する事前報知として、高サポ状態が終了することを報知する。具体的には、もうすぐ高サポ状態が終了することを報知し、さらに、遊技者の打ち方を左打ちに戻すことを推奨する。このときの画面表示は、図41(A)と同様で、中サポ状態への切替を報知する画面表示である。
〔第1の実施の形態の変形例2の効果〕
このように第1の実施の形態の変形例2では、実際に普電サポート状態が切り替わる前に遊技者に切替タイミングを報知することができるので、遊技者は余裕をもって普電サポート状態の切替に備えることができる。
また、普図状態が普電サポート状態であって、切替タイミングとなる特図変動表示ゲームの保留が確認された場合に、事前報知を可能とする。これにより、切替タイミングとなる特図変動表示ゲーム数が近づいてきたからといって事前報知を行っても、対応する保留がなく、実際に切り替わるまで時間を要してしまい、遊技者をじれさせることがない。事前報知から遅くとも4ゲーム目には確実に普電サポート状態が切り替わるので、事前報知の信頼度が上がる。
(第2の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態では、普図始動ゲート34及び第2始動入賞口38は、遊技盤10の右側に配置され、入賞を狙うには右打ちする必要があったが、第2の実施の形態では、普図始動ゲート34は遊技盤10の左側に、第2始動入賞口38は第1始動入賞口37の下方に配置される。第2の実施の形態では、遊技者は左打ちすることで、全ての入賞口に入賞の可能性がある。また、第2の実施の形態では、普電サポート状態が中サポ状態から高サポ状態に切り替わるタイミングに普図変動表示ゲームの回数が考慮される。
以下、第2の実施の形態について図42から図51を参照して説明する。なお、第1の実施の形態と共通する事項については記載を省略し、相違する事項のみ説明する。
図42は、本発明の第2の実施の形態の遊技機に備えられる遊技盤の正面図である。本発明の第2の実施の形態では、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34は、遊技盤10の遊技領域10aのセンターケース46の左側に設けられている。そして、第2始動入賞口38は、第1始動入賞口37の直下に設けられ、第2始動入賞口38の開閉部材38aが開放されるときに限り遊技球が第2始動入賞口38に入賞可能になる。
〔普図普段処理〕
図43は、本発明の第2の実施の形態の普図普段処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1の実施の形態と共通の処理については、図25と同じ符号を割り当てて説明を省略する。
本発明の第2の実施の形態では、遊技制御装置500は、普図変動表示ゲームが1回実行される毎にゲーム結果に関係なく普図変動表示ゲーム実行回数を更新する普図ゲーム実行回数更新処理(S4301)を実行する。
〔普図ゲーム実行回数更新処理〕
図44は、本発明の第2の実施の形態の普図ゲーム実行回数更新処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、普電サポート中であるか否かを判定し(S4401)、普電サポート中である場合には(S4401の結果が「Y」)、普電サポートの種類(高サポ、中サポ)を確認して(S4402)、中サポであるか否かを判定する(S4403)。
次に、遊技制御装置500は、普電サポートの種類が中サポである場合には(S4403の結果が「Y」)、普図ゲーム実行回数を+1更新する(S4404)。
一方、遊技制御装置500は、普電サポート中でない場合(S4401の結果が「N」)、普電サポート中であっても種類が中サポでない場合(S4403の結果が「N」)には、普図ゲーム実行回数を更新することなく普図ゲーム実行回数更新処理を終了する。
続いて、遊技制御装置500は、普図ゲーム実行回数が所定回数に到達したか否かを判定し(S4405)、到達しない場合には(S4405の結果が「N])、普図ゲーム実行回数更新処理を終了する。所定回数は、直近の(直前の)大当り図柄に応じて設定される。
一方、遊技制御装置500は、普図ゲーム実行回数が所定回数に到達した場合には(S4405の結果が「Y])、普図ゲーム実行回数を初期化する(S4406)。そして、普図ゲームモードフラグ領域に、普図当り確率が高確率であって、普電サポートの種類が高サポであることを示す普図高確率&普電サポート(高サポ)フラグをセーブする(S4407)。また、停電復旧時送信コマンド領域に特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態で、普電サポート状態が高サポ状態であるとの情報を含む確率情報コマンドをセーブする(S4408)。さらに、普電サポート状態を中サポ状態から高サポ状態に切り替える確率情報コマンドを準備して(S4409)、コマンド送信処理を実行する(S4410)。
このように、本発明の第2の実施の形態では、中サポ状態において実行された普図変動表示ゲームの実行回数をカウントする。
〔タイムチャート〕
図45は、本発明の第2の実施の形態において大当りの種類が15R通常大当りBである場合に普電サポート状態の切替及び報知が実行されるタイミングを示すタイムチャートである。図45(A)は、遊技者が止め打ちをしない場合に想定されるタイムチャートであり、図45(B)は、遊技者が止め打ちを行う場合に想定されるタイムチャートである。
図45(A)の上段は、前述した普図ゲーム実行回数更新処理(図44)のS4404の処理で更新される普図変動表示ゲームの実行回数を示す。図中のX回は、S4405の処理の判定値となる所定回数を示す。
図45(A)の中段は、特図変動表示ゲームの進行状態を示す。ここでは、大当り終了後から特図変動表示ゲームが100回実行されるまで普電サポート状態が継続する。
図45(A)の下段は、普電サポート状態の種類を示す。中サポ期間をT1とし、高サポ期間をT2とする。高サポ期間T2はαである。
図45(B)の場合は、高サポ期間T2がβ(<α)となる点が異なるのみである。
大当りの種類が15R通常大当りBの場合は、大当り終了後の初期普電サポート状態は中サポ状態から開始する。そして、中サポ状態において普図変動表示ゲームがX回実行されると、普電サポート状態が高サポ状態に切り替わる。
ここで、普電サポート期間は、特図変動表示ゲームが100回実行される期間(T1+T2)で決まるので、出来る限り早く普図変動表示ゲームをX回実行し、普電サポート状態を中サポ状態から高サポ状態に切り替えたほうが、高サポ期間T2が長くなるので、特図2変動表示ゲームが実行されやすい。
図45(B)に示すように、普電サポート状態とはいえ、サポなし状態と動作態様が類似している中サポ状態は価値が低いと考え、遊技者が止め打ちを行うと、相対的に普図始動ゲート34を通過する遊技球の数が減るので、図45(A)の止め打ちを行わない場合に比べて、普図変動表示ゲームをX回数実行するのに要する時間T1が長くなる。ここで、図45(B)における高サポ期間T2のβと、図45(A)における高サポ期間T2のαとの関係は、α>βである。すなわち、止め打ちを行うと、αからβを差し引いた差分だけ、普図変動表示ゲーム実行回数がX回に到達するのが遅くなる。そしてこの間に特図変動表示ゲームの実行回数は増えるので、上限の100回に近づいてしまい、高サポ期間T2が短くなる。
本発明の第2の実施の形態では、中サポ状態であっても止め打ちをせずに普図変動表示ゲームの実行回数を積み上げることで、高サポ状態への切替タイミングを早めることが可能である。
なお、普図変動表示ゲームの始動記憶数には上限が設けられている。始動記憶数が上限に達すると、遊技者に止め打ちされる可能性があるので、オーバーフロー数に応じて普図変動表示ゲームをあと何回実行したら高サポ状態に切り替わるかなど遊技者にとって特典となる表示を行ってもよい。
〔画面表示〕
続いて、遊技者にとって特典となる表示について図46を参照して説明する。図46は、本発明の第2の実施の形態における画面遷移の一例を示す図である。
図46(A)は、後に普電サポート状態が中サポ状態となる場合において、特別遊技状態が終了間近となったときのエンディング画面表示である。ここでは、遊技者に普図始動ゲートに遊技球を通すことで高サポ状態になることを報知する。普図変動表示ゲームの実行が必要か等の報知内容は、エンディング表示の内容によって設定してもよい。エンディング表示の内容は、前述した1stシーン制御処理(図32)のエンディング表示処理(S3216)で設定される。また、遊技者の演出ボタン31の操作量等、遊技への参加度合に応じて、報知内容を設定してもよい。
例えば、図46(B)に示すように、特別遊技状態が終了して特定遊技状態(普電サポート状態)になったら、画面上に普図変動表示ゲームの実行回数を表示する。
また、図46(C)に示すように、普図変動表示ゲームの始動記憶がオーバーフローになることを契機に、高サポ状態に切り替えるために必要な残りの普図変動表示ゲームの実行回数を表示する。ここで、オーバーフロー数に応じて、報知内容の信頼度を変えてもよい。
〔第2の実施の形態の効果〕
本発明の第2の実施の形態によれば、普電サポート状態が中サポ状態の場合に、普図変動表示ゲームを実行することで、さらに遊技者に有利な高サポ状態に切り替わる。このため、ある入賞容易状態から別の入賞容易状態に切り替えたい場合に、遊技者は、止め打ちをすることなく普図変動表示ゲームを実行することになるので、遊技機の稼動率向上が期待できる。
そして、中サポ状態から高サポ状態への切替タイミングは、普図変動表示ゲームの実行回数に応じて決定される。このため、遊技者は、目標の実行回数を達成するために止め打ちすることなく遊技球の発射を継続することになり、遊技機の稼動率向上が期待できる。
また、時短の場合は、中サポ状態及び高サポ状態を含む普電サポート状態において特図変動表示ゲームが所定回数(100回)実行されると、普電サポート状態は終了する。このため、いかに早く中サポ状態から高サポ状態に切り替えることができるかが重要になる。すなわち、中サポ状態において普図変動表示ゲームを所定回数実行するために要する時間を短くすれば、その分、高サポ状態の時間が長くなって遊技者に有利となる。これにより、遊技者は、短時間で普図変動表示ゲームの実行回数達成を狙うので、一定時間における遊技球の発射頻度が向上し、遊技機の稼動率向上が期待できる。
このとき、遊技盤の遊技領域における遊技釘群の配置は、普図始動ゲートの通過が可能な打ち方の場合には、必ず特図変動表示ゲームの契機となる始動口への入賞も可能となるように設けられる。このため、前述したように特図変動表示ゲームの実行回数は増やさずに普図変動表示ゲームの実行回数を増やしたい場合に、普図始動ゲートの通過のみを狙う不正を防ぐことができる。
そして、普図変動表示ゲームの実行回数等、高サポ状態に切り替えるために必要な情報の報知は、遊技者の遊技への参加度合や普図始動記憶のオーバーフロー数などに応じて、その信頼度とともに設定される。遊技者による遊技への積極的な姿勢が、遊技者に遊技進行状況等の特典情報を提供することになるので、遊技者の遊技への参加意欲が向上する。また、普図始動記憶がオーバーフローしても、止め打ちされることがない。
(第2の実施の形態の変形例1)
本発明の第2の実施の形態では、普電サポート状態が中サポ状態における普図変動表示ゲームの実行回数が所定回数に到達したら中サポ状態から高サポ状態に切り替える。このとき中サポ状態は1種類であるが、変形例1として、中サポ状態を3種類設けた態様について説明する。具体的には、第2の実施の形態においてサポなし状態と動作態様が類似している中サポ状態を、段階的に高サポ状態の動作態様に近付けて最終的に高サポ状態へと切り替える。
以下、第2の実施の形態の変形例1における普電サポート状態の遷移について図47及び図48を参照して説明する。
〔タイムチャート〕
図47は、本発明の第2の実施の形態の変形例1の普電サポート状態の切替タイミングを示すタイムチャートである。ここでは、前述した本発明の第2の実施の形態(図45)と異なる点について説明する。
本発明の第2の実施の形態の変形例1では、普図変動表示ゲームをZ回(所定回数)実行しなければ中サポ状態から高サポ状態に切り替わらないが、実行回数がZ回よりも少ない回数、X回及びY回に到達したタイミングでも、中サポ状態における第2始動入賞口38の開閉部材38aの動作態様が変化する。
ここで、中サポ状態が開始されてから普図変動表示ゲームの実行回数がX回に到達するまでを中サポ期間T1、次に普図変動表示ゲームの実行回数がY回に到達するまでを中サポ期間T2、さらに普図変動表示ゲームの実行回数がZ回に到達するまでを中サポ期間T3とする。普図変動表示ゲームの実行回数がZ回に到達すると高サポ状態に切り替わって高サポ期間T4となる。
〔普電サポート状態の種類〕
図48は、本発明の第2の実施の形態の変形例1の普電サポート状態における第2始動入賞口の開閉部材の動作態様の種類を示す図である。
前述した図47の中サポ期間T1〜T3及び高サポ期間T4における第2始動入賞口38の開閉部材38aの動作態様を比較すると、中サポ期間T1からT3になるにつれて、遊技者に有利な入賞容易状態となるように、普図変動時間及び普電開放時間が変更になる。
〔第2の実施の形態の変形例1の効果〕
このように第2の実施の形態の変形例1では、中サポ状態を3パターン設けることで、普電サポート状態のバリエーションが広がるので、遊技の興趣が高まる。
また、高サポ状態への切替に必要な普図変動表示ゲームの実行回数に満たなくても、中サポ状態において段階的に遊技者に有利な普電サポート状態へと切り替えることが可能である。これにより、遊技者は普電サポート状態が切り替わる毎に達成感を得ることができ、遊技状態も遊技者に有利な状態と変化していくので、遊技者の遊技意欲が向上する。
(第2の実施の形態の変形例2)
第2の実施の形態では、普図始動ゲート34を遊技球が通過するように遊技者が発射勢いを調整した場合に、第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38にも遊技球が入賞可能となるように遊技盤10の遊技領域10aにおける普図始動ゲート34、第2始動入賞口38及び遊技釘の配置を第1の実施の形態から変更した。変形例2として、第1の実施の形態における配置をベースに遊技盤10を設ける態様について説明する。また、第2の実施の形態では、普図変動表示ゲームの実行回数が所定回数に到達するまで、中サポ状態が継続されている。変形例2として、普図変動表示ゲームの実行回数が所定回数に到達する前であっても、中サポ状態と高サポ状態とを交互に繰り返す態様について説明する。
図49は、本発明の第2の実施の形態の変形例2の遊技機に備えられる遊技盤の正面図である。本発明の第1の実施の形態(図2)と異なる点について説明する。
本発明の第2の実施の形態の変形例2では、センターケース46の左側の遊技領域10aにも普図始動ゲート34が配置される。また、第1始動入賞口37と第2始動入賞口38との間に設けられ、遊技球が一方から他方に流れないようにしていた障害釘(図示略)は、取り除かれ、遊技者が右打ちの場合にも第1始動入賞口37に入賞可能となるように遊技釘が配置される。
このように、第2の実施の形態の変形例2では、遊技者が右打ちであっても左打ちであっても普図始動ゲート34の通過及び第1始動入賞口37への入賞の可能性がある。ただし、第2始動入賞口38への入賞は右打ちする場合が有利なため、高サポ状態に切り替わる場合の切替報知は、第1の実施の形態と同様とする。
〔普図ゲーム実行回数更新処理〕
図50は、本発明の第2の実施の形態の変形例2の普図ゲーム実行回数更新処理の手順を示すフローチャートである。なお、第2の実施の形態と共通の処理については、図44と同じ符号を割り当てて説明を省略する。
遊技制御装置500は、普電サポート中であれば(S4401の結果が「Y」)、普図ゲーム実行回数を+1更新する(S4402)。
そして、遊技制御装置500は、設定済みの普電サポート状態切替情報とS4404で更新した普図ゲーム実行回数をチェックし(S5001)、普電サポート状態の切替タイミングであるか否かを判定する(S5002)。
遊技制御装置500は、切替タイミングである場合には(S5002の結果が「Y」)、中サポ状態から高サポ状態への切替なのか等、普電サポート状態の切替に必要な情報を設定するサポート状態切替設定処理(図18)を実行する(S5003)。
〔タイムチャート〕
図51は、本発明の第2の実施の形態の変形例2の普電サポート状態の切替タイミングを示すタイムチャートである。ここでは、前述した本発明の第2の実施の形態(図45)と異なる点について説明する。
本発明の第2の実施の形態の変形例2では、普図変動表示ゲームの実行回数は中サポ状態のみならず普電サポート状態であればカウントされる。そして、普電サポート状態となって普図変動表示ゲームがX回実行されると、高サポ状態がサポート終了まで安定して継続される。普図変動表示ゲームがX回実行されるまでは、予め設定された切替タイミングに応じて、中サポ状態と高サポ状態とを交互に繰り返す。
〔第2の実施の形態の変形例2の効果〕
このように第2の実施の形態の変形例2では、普電サポート状態における普図変動表示ゲームの実行回数が所定回数に達するまでは、中サポ状態と高サポ状態とを繰り返す。そして、高サポ状態に切り替わるときは、遊技者に報知する。このため、普電サポート状態が高サポ状態に落ち着くまでの遊技の興趣が高まる。
なお、今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。