JP2012044150A - リアクトル - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、比較的大きなインダクタンスであって低損失で低騒音であるリアクトルを提供する。
【解決手段】本発明のリアクトルDAは、コイル1Aと、コイル1Aを内包する上部コア部材21Aおよび下部コア部材22Aと、コイル1Aの芯部に配置される凸片コア部材22bとを備え、コイル1Aは、帯状の導体部材を、該導体部材の幅方向が該コイル1Aの軸方向に沿うように巻回することによって構成され、前記軸方向におけるコイル1Aの一方端部に対向する上部コア部材21Aの一方内面と前記軸方向におけるコイル1Aの他方端部に対向する下部コア部材22Aの他方内面とは、コイル1Aの一方端部および他方端部の各端部を少なくとも覆う領域では、平行であり、凸片コア部材22bの一方端部は、上部コア部材21Aに形成された開口部APA内に、前記一方端部の周面と開口部APAの周面との間にギャップGAを空けて配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、電気回路や電子回路等に好適に用いられるリアクトルに関する。
リアクトルは、巻き線を利用した受動素子であり、例えば、力率改善回路における高調波電流の防止、電流型インバータやチョッパ制御における電流脈動の平滑化およびコンバータにおける直流電圧の昇圧等の様々な電気回路や電子回路等に用いられている。
また、近年では、環境負荷の軽減等の観点から、光起電力効果を利用することによって二酸化炭素を排出することなく直接的に光エネルギーを電力に変換することができる太陽電池の導入が進められており、例えば、住宅用に太陽電池による発電システムの導入が進められている。このような太陽電池発電システムは、例えば、太陽の光エネルギーを電力に変換する太陽電池モジュールと、系統連係を行うために、前記太陽電池モジュールによって発電された直流電力を交流電力へ変換するパワーコンディショナーと、前記パワーコンディショナーによって変換された交流電力を住宅内の各所や電力会社へ分配する分電盤とを備えて構成され、このパワーコンディショナーには、通常、リアクトルが用いられている。
また、前記環境負荷の軽減等の観点から、二酸化炭素の排出量を低減可能なハイブリッド自動車や電気自動車(以下、まとめて「環境対応型自動車」と呼称する。)が研究、開発されており、その普及も進められている。このような環境対応型自動車では、駆動モータの運転効率を向上するために、駆動モータの駆動制御システムに昇圧回路が用いられており、通常、この昇圧回路にリアクトルが組み込まれている。
図21は、従来技術におけるリアクトルの構成を示す図である。図21(A)は、特許文献1に開示のリアクトルを示し、図21(B)は、特許文献2に開示のリアクトルを示す。
前記太陽光発電システムのパワーコンディショナー用のリアクトルは、例えば、特許文献1に開示されている。この特許文献1に開示のリアクトルPDAは、図21(A)に示すように、2つの対向する磁心継部と、前記磁心継部の間に配置された複数の磁心脚部からなる環状のコア201を備えるリアクトルであって、前記磁心継部は、前記磁心脚部に向けた突起部を有し、前記磁心脚部と前記磁心継部との間には、ギャップが形成され、かつ磁心脚部は、一体の磁心ブロックから構成されており、前記磁心継部の突起部の長さAと前記磁心脚部の磁路方向の平均長さBとの比A/Bが、0.3以上8.0以下であり、前記磁心脚部の周囲にコイル202が巻回されたリアクトルである(特許文献1の図3参照)。このような構成のリアクトルは、前記比A/Bの適切化を図ったので、ギャップ部の漏れ磁束による銅損の増大を抑制した高効率のリアクトルを得ることができ、これにより電力変換効率の高いパワーコンディショナーを製造することができる、と記載されている。
また、前記駆動制御システムの昇圧回路用のリアクトルは、例えば、特許文献2に開示されている。この特許文献2に開示のリアクトルPDBは、図21(B)に示すように、コイル301と、コイル301の内側に配される内側コア302と、コイル301の外側に配される外側コア303と、コイル301の両端側の各々に配される端部コア304、304とを備え、前記内側コア302は、ギャップ材302aとコア片302bとから成り、前記ギャップ材302aのうちの少なくとも1つは、25℃での熱伝導率が100W/m・K以上の高熱伝導材料から成るものである。このような構成のリアクトルは、高熱伝導率ギャップ材302aによってコア片302bの放熱性を改善することができる、と記載されている。
特開2008−186972号公報 特開2008−021948号公報
ところで、このような用途のリアクトルには、前記特許文献1のような高効率や前記特許文献2のような放熱性だけでなく、比較的大きなインダクタンスや低騒音化や低損失化も求められている。特に、太陽電池発電システムのパワーコンディショナーは、室内に設置されることが多いため、それに用いられるリアクトルには、低騒音化が重要である。この騒音対策として、騒音が生じた場合に例えば18kHz程度以上の可聴帯域以上となるように、高周波でリアクトルが動作される場合には、このような高周波化によって損失が増大するため、前記低損失化が重要な点となる。
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、比較的大きなインダクタンスであって低損失で低騒音であるリアクトルを提供することである。
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。すなわち、本発明の一態様にかかるリアクトルは、コイルと、前記コイルを内包する第1コア部と、前記コイルの芯部に配置される第2コア部とを備え、前記コイルは、帯状の導体部材を、該導体部材の幅方向が該コイルの軸方向に沿うように巻回することによって構成され、前記軸方向における前記コイルの一方端部に対向する前記第1コア部の一方内面と前記軸方向における前記コイルの他方端部に対向する前記第1コア部の他方内面とは、前記コイルの一方端部および他方端部の各端部を少なくとも覆う領域では、平行であり、前記第2コア部の一方端部は、前記第1コア部に形成された開口部内に、前記一方端部の周面と前記開口部の周面との間にギャップを空けて配置されていることを特徴とする。
このような構成のリアクトルでは、前記コイルが、帯状の導体部材を、該導体部材の幅方向が該コイルの軸方向に沿うように巻回することによって構成され、前記軸方向における前記コイルの一方端部に対向する前記第1コア部の一方内面と前記軸方向における前記コイルの他方端部に対向する前記第1コア部の他方内面とは、前記コイルの一方端部および他方端部の各端部を少なくとも覆う領域では、平行である。このため、前記コイルでは磁束の方向に沿って帯状の導体部材の幅方向が配置されることになるので、このような構成のリアクトルは、渦電流損を低減することができる。
また、このような構成のリアクトルは、前記コイルを内包する第1コア部を備えるいわゆるポット型のリアクトルであり、前記コイルがその芯部に第2コア部を備えるので、比較的大きなインダクタンスを持つことができる。
また、このような構成のリアクトルは、前記第2コア部の一方端部が前記第1コア部に形成された開口部内に、前記一方端部の周面と前記開口部の周面との間にギャップを空けて配置されているので、前記ギャップの間隔(ギャップ長)を調整することによって所望の電流範囲におけるインダクタンスの変動を制御することができる。そして、前記ギャップ長は、例えば、前記第1コア部の開口部が円形であって前記第2コア部の一方端部も円形である場合には、前記開口部の直径(内径)と前記一方端部の直径(外径)との差によって規定されるので、このような構成のリアクトルは、前記開口部の中心と前記一方端部の中心とのズレによる前記ギャップ長の変動を抑制することができる。このため、このような構成のリアクトルでは、前記ギャップ長の製品バラツキ(リアクトルの個体差)が低減され、この結果、このような構成のリアクトルは、インダクタンスの製品バラツキも低減することができる。
また、前記ギャップで発生する電磁吸引力および磁歪膨張は、一般に、いずれも径方向に発生するが、このような構成のリアクトルでは、この径方向における機械構造上の剛性が高いため、このような構成のリアクトルは、振動および騒音を低減することができる。そして、騒音対策として、仮に、騒音が生じた場合でも例えば18kHz程度以上の可聴帯域以上となるように、高周波でリアクトルが動作される場合であっても、前記のように、渦電流損の低減化を図っているので、損失を低減することもできる。
したがって、このような構成のリアクトルは、インダクタンスを比較的大きくすることができ、低損失であって低騒音である。
また、他の一態様では、上述のリアクトルにおいて、前記第2コア部の他方端部は、前記第1コア部と連結されており、前記第1コア部は、前記開口部を形成する周縁部から前記第1コア内へ延びる突起部をさらに備えることを特徴とする。
前記コイルの巻き数を増加して大きなインダクタンスに設計する場合に、前記突起部を備えない構造のリアクトルでは通電時における前記コイルを貫く磁束線が湾曲するが、このような構成のリアクトルでは、前記通電時における前記コイルを貫く磁束線を前記軸方向と平行な方向に近づけることができるため、このような構成のリアクトルは、渦電流損を、前記突起部を備えない場合よりも低減することができる。
また、他の一態様では、上述のリアクトルにおいて、前記第2コア部の他方端部は、前記第1コア部に形成された第2開口部内に、前記他方端部の周面と前記第2開口部の周面との間に第2ギャップを空けて配置されていることを特徴とする。
このような構成のリアクトルでは、前記ギャップ(第1ギャップ)および第2ギャップの複数のギャップを持つ構造であるので、ギャップを分割配置することが可能である。このため、このような構成のリアクトルは、外部への漏れ磁束を低減することができ、この結果、リアクトルの周辺に配置される周辺機器へ与える漏れ磁束による影響を最小化することができる。
また、他の一態様では、上述のリアクトルにおいて、当該リアクトルを取り付けるための取付部材をさらに備え、前記取付部材は、電気伝導性を有するとともに熱伝導性を有する材料によって形成され、前記リアクトルが取り付けられる取付面に、前記コイルの軸方向から見た平面視にて、長手方向が前記第2ギャップと交差するとともに前記取付部材を貫通するスリット孔、または、長手方向が前記第2ギャップと交差するとともに前記第2ギャップの間隔以上の深さを有するスリット溝を備えることを特徴とする。
このような構成のリアクトルでは、取付部材が熱伝導性を有するので、取付部材によってリアクトルで生じる熱を放熱することが可能となる。そして、リアクトが前記第2ギャップを有する場合では、取付部材が電気伝導性を有するので、前記第2ギャップに起因して漏れ出した漏れ磁束がこの取付部材に渦電流を生じさせる虞がある。しかしながら、上記構成のリアクトルでは、取付部材にスリット孔またはスリット溝が形成されているので、前記渦電流が流れることが阻止される。したがって、このようなリアクトルは、電力損失およびインダクタンス変化を伴うことなく、放熱することが可能となる。
また、他の一態様では、上述のリアクトルにおいて、前記第2コア部の他方端部は、前記第1コア部の他方内面との間に第3ギャップを空けて配置されていることを特徴とする。
このような構成のリアクトルでは、前記ギャップ(第1ギャップ)および第3ギャップの複数のギャップを持つ構造であるので、ギャップを分割配置することが可能である。このため、このような構成のリアクトルは、外部への漏れ磁束を低減することができ、この結果、リアクトルの周辺に配置される周辺機器へ与える漏れ磁束による影響を最小化することができる。
また、他の一態様では、これら上述のリアクトルにおいて、前記コイルは、前記導体部材の幅Wに対する径方向の厚さtの比t/Wが1/10以下であることを特徴とする。
このような構成のリアクトルは、その渦電流損をより低減することができる。
また、他の一態様では、これら上述のリアクトルにおいて、前記コイルは、前記導体部材の前記厚さtが当該リアクトルに給電される交流電力における周波数に対する表皮厚み以下であることを特徴とする。
このような構成のリアクトルは、その渦電流損をより低減することができる。
また、他の一態様では、これら上述のリアクトルにおいて、前記第1コア部は、磁気的に等方性を有し、軟磁性粉末を形成したものであることを特徴とする。
この構成によれば、前記第1コア部について、所望の磁気特性が比較的容易に得られると共に、比較的容易に所望の形状に成形され得る。
また、他の一態様では、これら上述のリアクトルにおいて、前記第1コア部は、磁気的に等方性を有するフェライトコアであることを特徴とする。
この構成によれば、前記第1コア部について、所望の磁気特性が比較的容易に得られると共に、比較的容易に所望の形状に成形され得る。
また、他の一態様では、これら上述のリアクトルにおいて、前記コイルと前記第1コア部との間に生じる間隙に充填される熱伝導部材をさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、前記間隙に熱伝導部材が充填されるので、このような構成のリアクトルは、コイルで生じる熱を、熱伝導部材を介してコイルを外囲する第1コア部に伝導することができ、放熱性を改善することができる。
また、他の一態様では、これら上述のリアクトルにおいて、前記コイルは、複数のサブコイルから成り、トランスに転用可能である。
この構成によれば、これら上述のリアクトルと同様な構造のトランスを提供することができる。このような上述のいずれかのリアクトルを転用したトランスは、相互インダクタンスを比較的大きくすることができ、低損失であって低騒音である。
また、他の一態様では、これら上述のリアクトルにおいて、前記コイルは、複数のサブコイルから成り、前記複数のサブコイルは、前記コイルの軸方向に積層されることを特徴とする。
この構成によれば、軸方向に複数のサブコイルを重ねたリアクトルを提供することができる。
また、他の一態様では、これら上述のリアクトルにおいて、前記コイルは、複数のサブコイルから成り、前記複数のサブコイルは、前記コイルの径方向に積層されていることを特徴とする。
この構成によれば、径方向に複数のサブコイルを重ねたリアクトルを提供することができる。
また、他の一態様では、これら上述のリアクトルにおいて、前記コイルは、複数の帯状の導体部材を、該複数の導体部材の幅方向が該コイルの軸方向に沿うように、かつ、絶縁層を介して径方向に積層するように、巻回することによって構成されることを特徴とする。
この複数のサブコイルから成る構成によれば、これら上述のリアクトルと同様な構造のトランスを提供することができる。このような上述のいずれかのリアクトルを転用したトランスは、相互インダクタンスを比較的大きくすることができ、低損失であって低騒音である。
本発明にかかるリアクトルは、インダクタンスを比較的大きくすることができ、低損失であって低騒音である。
第1実施形態におけるリアクトルの構成を示す図である。 第1実施形態のリアクトルのコイルを構成する導体部材において、その幅Wと厚さtとの関係を説明するための図である。 コイルの巻線構造と渦電流損との関係を説明するための図である。 コイルの巻線構造別の、リアクトルにおける周波数fと損失との関係を示すグラフである。 第1実施形態におけるリアクトルの振動および騒音について説明するための図である。 第1実施形態のリアクトルに使用される、コアの磁場−磁束密度特性を示す図である。 第1実施形態におけるリアクトルの磁束線の様子を示す図である。 第2実施形態におけるリアクトルの構成を示す断面図である。 第2実施形態におけるリアクトルの磁束線の様子を示す図である。 第1実施形態におけるリアクトルの磁束線と第2実施形態におけるリアクトルの磁束線とを対比して示す図である。 第3実施形態におけるリアクトルの構成を示す断面図である。 第3実施形態におけるリアクトルの磁束線の様子を示す図である。 第3実施形態の変形形態におけるリアクトルおよび取付部材の構成を示す図である。 第4実施形態におけるリアクトルの構成を示す断面図である。 第4実施形態におけるリアクトルの磁束線の様子を示す図である。 第1ないし第4実施形態の各リアクトルにおける電流−インダクタンス特性を示す図である。 第5実施形態におけるリアクトルの構成を示す断面図である。 第6実施形態におけるリアクトルの構成を示す断面図である。 第7実施形態におけるリアクトルの構成を示す断面図である。 実施形態にかかるリアクトルをトランスに転用した場合における等価回路を示す図である。 従来技術におけるリアクトルの構成を示す図である。 従来技術のリアクトルにおけるたわみ係数を説明するための図である。
以下、本発明にかかる実施の一形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。また、本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態におけるリアクトルの構成を示す図である。図1(A)は、コイル1Aの中心軸を含み、前記中心軸方向に沿って切断した縦断面図であり、図1(B)は、前記中心軸方向から平面視した場合における上面図である。図1(B)に示すAA線は、図1(A)の縦断面図における切断線である。図2は、第1実施形態のリアクトルのコイルを構成する導体部材において、その幅Wと厚さtとの関係を説明するための図である。図3は、コイルの巻線構造と渦電流損との関係を説明するための図である。図3(A)は、フラットワイズ巻線構造の場合を示し、図3(B)は、エッジワイズ巻線構造の場合を示す。図4は、コイルの巻線構造別の、リアクトルにおける周波数fと損失との関係を示すグラフである。図5は、第1実施形態におけるリアクトルの振動および騒音について説明するための図である。
第1実施形態におけるリアクトルは、コイルと、前記コイルを内包する第1コア部と、前記コイルの芯部に配置される第2コア部とを備え、前記コイルは、帯状の導体部材を、該導体部材の幅方向が該コイルの軸方向に沿うように巻回することによって構成され、前記軸方向における前記コイルの一方端部に対向する前記第1コア部の一方内面と前記軸方向における前記コイルの他方端部に対向する前記第1コア部の他方内面とは、前記コイルの一方端部および他方端部の各端部を少なくとも覆う領域では、平行であり、前記第2コア部の一方端部は、前記第1コア部に形成された開口部内に、前記一方端部の周面と前記開口部の周面との間にギャップを空けて配置されているものである。
このような構成の第1実施形態におけるリアクトルDAは、例えば、図1に示すように、コイル1Aと、コア部材2Aと、ギャップ部材3とを備えて構成されている。
コア部材2Aは、例えば、磁気的に(例えば透磁率が)等方性を有する材料で形成され、上部コア部材21Aと、下部コア部材22Aとを備えている。上部コア部材21Aは、所定の厚さを有する多角形形状、図1に示す例では、六角形形状の板状体の上端部コア部材21aと、所定の厚さを有し、上端部コア部材21aの外周縁部から略垂直方向に延びる筒状体の側壁コア部材21bとを備えている。筒状体の側壁コア部材21bにおける軸方向に垂直な横断面は、図1に示す例では上端部コア部材21aが六角形形状であることから、その輪郭(外形)が六角形であり、そして、後述するように円筒状のパンケーキ構造のコイル1Aが側壁コア部材21bの筒状体内に配置されることから、前記六角形内に円形の開口がある。上端部コア部材21aには、貫通開口である開口部APAが形成されている。開口部APAは、図1に示す例では、上端部コア部材21aの中央位置(幾何重心位置)を中心とする、所定の長さの直径を持った円形の孔である。下部コア部材22Aは、上端部コア部材21aと同形の、所定の厚さを有する多角形形状、図1に示す例では、六角形形状の板状体の下端部コア部材22aと、下端部コア部材22aの一方主面に形成されている凸片コア部材22bとを備えている。凸片コア部材22bは、図1に示す例では、下端部コア部材22aの中央位置(幾何重心位置)を中心とする、所定の長さの外直径を持った円柱体であり、その軸方向途中から下端部コア部材22aまで前記外直径が徐々に大きくなり、前記円柱体の側面がテーパ状となっている。凸片コア部材22bは、図1に示す例では、中実であるが中空であってもよく、さらに、この中空の部分に例えば空気や水等の所定の流体を流してリアクトルの放熱性を向上させてもよい。
コア部材2Aは、このような構造の上部コア部材21Aにおける側壁コア部材21bの端部を、下部コア部材22Aにおける下端部コア部材22aの周縁部に、実質的にギャップレスで連結(接続)することによって構成される。これによって、上端部コア部材21aと下端部コア部材22aとの間であって側壁コア部材21bと凸片コア部材22bとの間に、コイル1Aを収容するための空間が形成される。そして、このように上部コア部材21Aと下部コア部材22Aとが連結された場合に、凸片コア部材22bの先端は、上端部コア部材21aの開口部APAに差し入れられ、凸片コア部材22bの先端における周面(外周面)と開口部APAの周面(内周面)との間にギャップGAを空けて、この開口部APA内に配置される。すなわち、開口部APAの直径は、凸片コア部材22bの直径より大きい。図1に示す例では、凸片コア部材22bの先端は、上端部コア部材21aの外面より外側へ若干突き出ている。
これら上部コア部材21Aにおける上端部コア部材21a、側壁コア部材21bおよび下部コア部材22Aにおける下端部コア部材22aは、コイル1Aを内包する前記第1コア部の一例に対応し、下部コア部材22Aの凸片コア部材22bは、コイル1Aの芯部に配置される前記第2コア部の一例に対応する。
前記第1コア部(図1に示す例では、上端部コア部材21a、側壁コア部材21bおよび下端部コア部材22a)は、外部へ漏れる磁束を低減する機能を果たし、例えば、仕様等によって規定される、リアクトルDAに許容されている漏れ磁束の大きさに基づいて、その最大比透磁率が設計される。前記第1コア部の最大比透磁率は、太陽電池発電システムのパワーコンディショナーに好適に用いられるリアクトルDAとして、好ましくは、例えば、約100以上である。
また、前記第2コア部(図1に示す例では、凸片コア部材22b)の最大比透磁率は、リアクトルDAのインダクタンスに影響を与えるため、例えば、仕様等によって規定される、リアクトルDAに要求されるインダクタンスの大きさに基づいて設計される。太陽電池発電システムのパワーコンディショナーでは、電流の変化に対し安定的に動作するように、電流の変化に対しインダクタンスの変化が小さいというインダクタンス特性の安定性も求められる。インダクタンスが比較的小さい場合には電流の変化が急峻になってしまうため、インダクタンスは、比較的大きい方がよい。しかしながら、インダクタンスを大きくするとリアクトルDAのサイズが大きくなってしまう。一方、上述したように、太陽電池発電システムのパワーコンディショナーでは、特に、住戸向けでは、リアクトルDAに流れる電流値の平均は、20A程度であり、最大でも30A程度であり、幅広い電流範囲に対応する必要がない。すなわち、太陽電池発電システムのパワーコンディショナーでは、所定の範囲以上の電流が流れないため、大電流までインダクタンス特性の安定性は、求められていない。このため、この電流値20A付近で前記両者のバランスから1mH程度が好ましく、ギャップ効果等を加味して前記第2コア部の最大比透磁率は、設定される。
そして、コア部材2Aは、所望の磁気特性の実現容易性および所望の形状の成形容易性の観点から、例えば、軟磁性粉末単独もしくは軟磁性粉末と非磁性体粉末との混合物を成形したものであることが好ましい。例えば、軟磁性粉末と非磁性体粉末との混合率比は、比較的容易に調整することができ、前記混合比率を適宜に調整することによって、コア部材2Aの磁気特性を所望の磁気特性に容易に実現することが可能となる。また、軟磁性粉末単独もしくは軟磁性粉末と非磁性体粉末との混合物であるので、様々な形状に成形することができ、コア部材2Aの形状をそれぞれ所望の形状に容易に成形することが可能となる。また、これら上部コア部材21Aおよび下部コア部材22Aは、低コスト化の観点から、同一原料であることが好ましい。
この軟磁性粉末は、強磁性の金属粉末であり、より具体的には、例えば、純鉄粉、鉄基合金粉末(Fe−Al合金、Fe−Si合金、センダスト、パーマロイ等)およびアモルファス粉末、さらには、表面にリン酸系化成皮膜などの電気絶縁皮膜が形成された鉄粉等が挙げられる。これら軟磁性粉末は、例えば、アトマイズ法等によって微粒子化する方法や、酸化鉄等を微粉砕した後にこれを還元する方法等によって製造することができる。
上部コア部材21Aおよび下部コア部材22Aは、所定の磁束密度−比透磁率特性を有し、例えば、公知の常套手段を用いることによって、軟磁性粉末としての鉄粉と、非磁性体粉末としての樹脂とを混合して成形した所定の密度の部材である。なお、磁束密度−比透磁率特性は、磁束密度の変化に対する比透磁率の変化である。
上部コア部材21Aは、図1に示す例では、上端部コア部材21aと側壁コア部材21bとを一体に形成したものであるが、上端部コア部材21aと側壁コア部材21bとを個別に形成した後に、これらを連結(接続)して形成したものであってもよい。また同様に、下部コア部材22Aは、図1に示す例では、下端部コア部材22aと凸片コア部材22bとを一体に形成したものであるが、下端部コア部材22aと凸片コア部材22bとを個別に形成した後に、これらを連結(接続)して形成したものであってもよい。コア部材2Aは、図1に示す例では、上部コア部材21Aと下部コア部材22Aとに分けたが、各部材の分け方は、任意である。
コイル1Aは、長尺状の導体部材を所定の回数だけ巻き回したものであり、通電することによって、磁場を発生するものである。本実施形態では、コイル1Aは、帯状の導体部材を、該導体部材の幅方向がコイル1Aの軸方向に沿うように巻回することによって構成される。コイル1Aは、上述した、上端部コア部材21aと下端部コア部材22aとの間であって側壁コア部材21bと凸片コア部材22bとの間に形成される空間に配置されるとともに、コイル1Aの芯部にコイル1Aを貫通するように凸片コア部材22bが配置される。このように本実施形態にかかるリアクトルDAは、有芯コイル1Aをコア部材2Aの内部空間に収容する、いわゆるポット型のリアクトルである。さらに、本実施形態のリアクトルDAでは、軸方向におけるコイル1Aの一方端部に対向する上端部1コア部材21aの一方内面と前記軸方向におけるコイル1Aの他方端部に対向する下端部1コア部22aの他方内面とは、コイル1Aの一方端部および他方端部の各端部を少なくとも覆う領域では平行となるように、構成されている。
前記帯状とは、図2に示すように、厚さtよりも幅Wの方が大きい場合をいい、すなわち、幅Wと厚さtとの間に、W>t(W/t>1)の関係が成り立つ。このように本実施形態のコイル1Aは、いわゆるフラットワイズ巻線構造である。
ここで、このような導体部材が径方向に重なるように巻回されたフラットワイズ巻線構造のコイル1Aを備えるリアクトルDA(図1、図3(A))、および、導体部材が軸方向に重なるように巻回されたエッジワイズ巻線構造のコイル1Hを備えるリアクトルDH(図3(B))について、その渦電流損について以下に説明する。
一般的に、コイルに通電すると、コイルは、導体から構成されているので、磁力線に垂直な面(直交面)に渦電流が発生し、それによって損失(ロス)が発生する。この渦電流の大きさは、磁束密度が同一である場合には、磁束線と交差する面積、すなわち、磁力線に垂直な連続する面の面積に比例する。磁力線は、図3(A)および図3(B)に示すように、コイル内では軸方向に沿っているので、渦電流は、コイルを構成する導体の、軸方向に直交する径方向の面の面積に比例することになる。
このため、エッジワイズ巻線構造では、図3(B)に示すように、前記導体部材は、径方向の面積が大きく、渦電流を生じやすく、電気抵抗によって生じる損失よりも渦電流によって生じる損失の方が支配的となる。したがって、エッジワイズ巻線構造では、図4に示すように、損失が、通電電流の周波数に依存して周波数の増加に伴い増大する。
一方、本実施形態におけるリアクトルDAのフラットワイズ巻線構造では、図3(A)(図1)に示すように、前記導体部材は、径方向の面積が小さく、渦電流を生じ難い一方で、軸方向の面積が大きい。したがって、フラットワイズ巻線構造では、図4に示すように、渦電流が殆ど生じず、損失は、電気抵抗によるもののみであり、通電電流の周波数によらず略一定となる。
さらに、図3(B)に示すように、エッジワイズ巻線構造では、前記導体部材が軸方向に重ねられた構造であるが、図3(A)(図1)に示すように、フラットワイズ巻線構造では、前記導体部材は、その幅方向が軸方向に略一致し、連続しているため、フラットワイズ巻線構造は、エッジワイズ巻線構造よりも効果的にコイルでの発生熱がコアに熱伝導する。
このようにフラットワイズ巻線構造のコイル1Aを備えるリアクトルDAは、前記損失および熱伝導の点で、エッジワイズ巻線構造のコイル1Hを備えるリアクトルDHよりも優れている。
なお、この熱伝導の観点から、リアクトルDAには、図1に破線で示すように、コイル1Aと前記第1コア部(上端部コア部材21a、側壁コア部材21bおよび下端部コア部材22a)との間に生じる間隙に、熱を比較的良好に伝導する熱伝導部材6が充填されてもよい。このような構成のリアクトルDAは、コイル1Aで生じる熱を、前記熱伝導部材を介して、コイル1Aを外囲する前記第1コア部に伝導することができ、放熱性を改善することができる。前記熱伝導部材は、例えば、比較的熱伝導性のよい高分子部材(比較的高伝導率の高分子部材)を挙げることができる。この高分子部材は、例えば、接着性に優れたエポキシ系の樹脂等である。また例えば、前記熱伝導部材は、BNセラミック(チッ化ボロンセラミック)等の絶縁材であってもよく、コンパウンドで充填されてもよい。このような前記熱伝導部材によって、絶縁性も改善することができる。
そして、本実施形態では、前記フラットワイズ巻線構造において、上述したように、前記導体部材は、帯状である。すなわち、図2(A)に示すように、コイル1Aを構成する導体部材の幅Wが厚さt(前記導体部材の径方向の長さ)より大きい矩形断面を有する導体部材でリアクトルDAは、構成されている。
これにより、図2(B)に示すように、厚さtの方が幅Wより長い矩形断面を有する導体部材で構成されたリアクトルに較べて、径方向の面積が小さくなる。その結果、前記損失の点でフラットワイズ巻線構造のコイル1Aの方が前記エッジワイズ巻線構造のコイルDHよりも優れている理由と同様の理由により、渦電流損を小さくすることができる。そして、特に、前記導体部材の厚さtに対する幅Wの比t/Wを1/10以下(t/W≦1/10、10t≦W)とすると、渦電流損の発生を大幅に低減することができる。
そして、本実施形態のリアクトルDAでは、上述したように、軸方向におけるコイル1Aの一方端部に対向する前記第1コア部(上端部コア部材21a)の一方内面と前記軸方向におけるコイル1Aの他方端部に対向する前記第1コア部(下端部コア部材22a)の他方内面とは、コイル1Aの一方端部および他方端部の各端部を少なくとも覆う領域では平行となるように、構成されてある。
すなわち、上述のようにコイル1Aにかかる条件(フラットワイズ巻線構造であって幅Wが厚さtより大きい)を設定しても、コイル1Aの上下両端面にそれぞれ対向する、前記第1コア部における上下の内壁面(上壁面および下壁面)を、コイル1Aの端部を少なくとも覆う領域において、平行であるように、リアクトルDAを構成しておかないと、コイル1Aの内部を通る磁束線(磁力線)が軸方向に略平行にならないからである。
例えば、前記第1コア部の前記上壁面と前記下壁面との間隔のうち、最もコイル1Aの内周側の位置(最内周位置)における間隔をL1とし、最もコイル1Aの外周側の位置(最外周位置)における間隔をL2とし、前記最内周位置から前記最外周位置までの各間隔の平均値をL3とする場合に、コイル1Aの最内周位置における前記第1コア部の前記上壁面と前記下壁面との間隔L1と、コイル1Aの最外周位置における前記第1コア部の前記上壁面と前記下壁面との間隔L2との差(L1−L2)を平均値L3で除算して得られる値(L1−L2)/L3を平行度として定義する。なお、前記平均値L3は、前記最内周位置と前記最外周位置との間を所定間隔で刻む複数の位置における各間隔の平均値である。
このような平行度を定義した場合に、本発明者は、平行度を種々変えつつ磁束線の分布を検証したところ、例えば、前記平行度が1/100の場合には、コイル1の内部を通る磁束線が軸方向に平行になる一方、前記平行度が−1/10や1/10の場合には、コイル1の内部を通る磁束線が軸方向に平行にならない。このような検証の元、コイル1Aの内部を通る磁束線を平行にするためには、前記平行度の絶対値は、1/50以下であることが好ましい。
そして、コイル1Aの両端には、それぞれ、外部からコイル1Aへ給電するための図略の端子が接続されており、これら端子は、前記第1コア部、例えば、上端部コア部材21aに設けられた貫通孔を介して前記第1コア部の外部に臨むように設けられている。
ギャップ部材3は、凸片コア部材22bの先端における周面(外周面)と開口部APAの周面(内周面)との間に所定の間隔(ギャップ長)で形成されるギャップGAに挟み込まれる部材である。ギャップ部材3は、ギャップ長を維持し、そして、上部コア部材21Aの上端部コア部材21aと下部コア部材22Aの凸片コア部材22bとを固定する。図1に示す例では、ギャップ部材3は、平面視にてドーナツ状のキャップ部と、このキャップ部の下面から垂下されギャップGAに挟み込まれる円筒状のギャップ部とを備えている。ギャップ部材3における周方向に垂直な縦断面は、略T字状となっている。このようなギャップ部材3は、例えば、エポキシ樹脂やアルミナ等で形成される。そして、このギャップ長を調整することによって、所望の電流範囲におけるインダクタンスの変動を制御することができる。
また、このような構造のリアクトルDAでは、従来の、例えば図21(A)および(B)に示す構造のリアクトルPDA、PDBに較べて、ギャップ長の製品バラツキ(リアクトルの個体差)が低減され、この結果、第1実施形態におけるリアクトルDAは、インダクタンスの製品バラツキも低減することができる。
すなわち、図21(A)および(B)に示す従来構造のリアクトルPDA、PDBでは、ギャップ長は、各ギャップに挟み込まれる材料の製作精度および接着剤等の塗布条件等により変動し、その各変動値をεとし、設計値をgとすれば、Σ(g+ε)(ただし、Σはnについて1からギャップ数までの和をとる)となる。この従来構造のリアクトルPDA、PDBでは、この変動値εの変動によってインダクタンスに製品バラツキが比較的大きく生じてしまう。そこで、従来構造のリアクトルPDA、PDBにおいて、ギャップ長の精度を向上させるべく、ギャップ数を減らすと、同等の特性を得ようとすればギャップ長を大きくする必要が生じる。このため、ギャップから漏れる漏れ磁束が多くなり、この漏れ磁束がコイルの導体を貫くために渦電流損が大きくなってしまい、この結果、リアクトルの効率が低下してしまう。
一方、本実施形態におけるリアクトルDAでは、ギャップGAは、凸片コア部材22bが上端部コア部材21aの開口部APAに差し入れられ、凸片コア部材22bの先端における周面(外周面)と開口部APAの周面(内周面)との間に形成される。このため、凸片コア部材22bの中心(軸芯)と開口部APAの中心とが一致せずに(同心と成らずに)ズレが生じていたとしても、図1に示すように、ギャップ長は、中心(軸芯)を挟んだ両側で互いに相殺される(g+ε、g−ε)。したがって、環状のギャップGAにおける全周の平均は、((g+ε)+(g−ε))/2=gで一定であり、この結果、本実施形態におけるリアクトルDAは、インダクタンスが一定となる。例えば、鉄粉を圧粉することでコア部材2Aを製造した場合では、上端部コア部材21aの開口部APAの直径および凸片コア部材22bの直径の各製作精度は、金型の精度に略一致するため、インダクタンスの製品バラツキは、低減もしくは生じない。
また、このような構造のリアクトルDAでは、従来の、例えば図21(A)および(B)に示す構造のリアクトルPDA、PDBに較べて、この径方向における機械構造上の剛性が高いため、このような構成のリアクトルDAは、振動および騒音を低減することができる。
すなわち、例えば、図21(B)に示す従来構造のリアクトルPDBでは、図21(B)に示すように、外側コア303の半径(外半径)をaとし、その厚さをhとし、内側コア302の半径をbとすると、ギャップ間引力による荷重がpである場合には、中心部最大変位量uは、α×p×a/(E×h)=[α×a/h]×(p/E)であり、(p/E)に比例する(ここで、式中Eはヤング率であり、αはたわみ係数である)。
一方、本実施形態におけるリアクトルDAでは、図1(A)および図5に示すように、上端部コア部材21a(コア部材2A)の半径(外半径)をaとし、その厚さをhとし、凸片コア部材22bの半径をbとすると、ギャップ間引力による荷重がpである場合には、中心部最大変位量uは、{1−ν+(1+ν)×a/b}×{p×b/(E×(a−b))}=[{1−ν+(1+ν)×a/b}×{b/(a−b)}]×(p/E)であり、(p/E)に比例する(ここで、式中Eはヤング率であり、νはポアソン比である)。ポアソン比νは、一般に、液体では0.5程度であり、固体では0.3程度である。
したがって、図21(B)に示す従来構造のリアクトルPDBおよび本実施形態におけるリアクトルDAを同一の素材で製造し、これら両者のインダクタンスを同等とした場合、これら比例係数([α×a/h]、[{1−ν+(1+ν)×a/b}×{b/(a−b)}])を比較することで、これら両者の変位量を比較することができる。そこで、一般的な形状としてa:b:h=2:1:0.5とし、たわみ係数α=0.1〜0.35とし、ポアソン比ν=0.3として試算すると、図21(B)に示す従来構造のリアクトルPDBでは、その比例係数は、13〜45となるのに対し、本実施形態におけるリアクトルDAでは、その比例係数は、1.5でなる。このため、本実施形態におけるリアクトルDAでの比例係数は、図21(B)に示す従来構造のリアクトルPDBでの比例係数の3〜12%程度であり、本実施形態におけるリアクトルDAは、図21(B)に示す従来構造のリアクトルPDBに較べて、変位量が小さく、この結果、騒音も低減される。
なお、上述では、たわみ係数αは、0.1ないし0.35としたが、これは、たわみ係数αが周辺の固定条件によって変化するためであり、このたわみ係数αは、図22(A)に示す周辺単純支持の場合における値から、図22(B)に示す周辺固定支持の場合における値までの範囲になると考えられる。内外径比b/aに対するたわみ係数αの特性曲線を図22(C)に示す。図22(C)から分かるように、a:b=2:1では、0.1<α<0.35となる。
ここで、上述では、凸片コア部材22bの中心(軸芯)と開口部APAの中心とが一致していることを前提としていたが、これらが一致せずに(同心と成らずに)ズレが生じていたとしても、本実施形態におけるリアクトルDAは、騒音が低減される。
すなわち、ギャップ長gが微小△gだけ変化した場合における、ギャップを挟むコアに働く引力Fは、電流をIとし、インダクタンスをLとすると、F=I/2・∂L/∂gとなる。図21(A)および(B)に示す構造のリアクトルPDA、PDBでは、ギャップ長を精密に管理するために、ギャップ材に硬質な材料が使用されたとしても、コアの面およびこれに対向するギャップ材の面は、数μmのオーダでは完全な平面とは言えず、凹凸が存在する。このため、コアとギャップ材とは、コアの面およびこれに対向するギャップ材の面を完全な平面として一体化することはできず、比較的軟質な接着剤等の穴埋め材を用いて互いに密着させる必要があり、この軟質な穴埋め材で緩みやガタによるギャップ長の変化が生じてしまい、振動や騒音の原因となる。特に、太陽光発電システムのパワーコンディショナー用のリアクトルや環境対応型自動車用のリアクトルでは、高周波で用いられる場合には、コアの振動は、数μm程度となっている。
一方、本実施形態におけるリアクトルDAでは、ギャップGAは、上述したように、凸片コア部材22bが上端部コア部材21aの開口部APAに差し入れられ、凸片コア部材22bの先端における周面(外周面)と開口部APAの周面(内周面)との間に形成されるため、環状のギャップGAにおける全周の平均が一定となるから、このギャップGAのギャップ長を精密に管理する必要がなく、したがって、上述したような軟質の穴埋め材も必要とせず、従来構造のリアクトルPDA、PDBにおける組立時のギャップ管理に起因する騒音は、低減もしくは生じない。
このような本実施形態のリアクトルDAは、次の各工程によって製作可能である。まず、絶縁材で絶縁被覆された所定の厚さtを有する帯状(リボン状)の長尺な導体部材が用意され、この導体部材が、凸片コア部材22bの外周に所定回数だけ巻き回される。あるいは、前記導体部材が、中心(軸芯)から所定の径だけ離間した位置から所定回数だけ巻き回され、空芯コイルが製作され、そして、この空芯コイルが、その芯部に凸片コア部材22bを配置するように、下部コア部材22Aに装着される。これにより、中心部(芯部)に凸片コア部材22bを持つとともに、絶縁材を挟んで重ね合わせた帯状の長尺な導体部材を所定回数だけ巻回することによって構成されて成るパンケーキ構造のコイル1Aが形成される。次に、上部コア部材21Aにおける側壁コア部材21bの端部が、下部コア部材22Aにおける下端部コア部材22aの周縁部に、実質的にギャップレスで連結(接続)される。そして、ギャップGAにギャップ材3が装着される。これにより、図1に示すリアクトルDAが製作される。
以上説明したように、上記構成のリアクトルDAでは、コイル1Aが、帯状の導体部材を、該導体部材の幅方向がコイル1Aの軸方向に沿うように巻回することによって構成され、前記軸方向におけるコイル1Aの一方端部に対向する上部コア部材21Aにおける上端部コア部材21aの内壁面と前記軸方向におけるコイル1Aの他方端部に対向する下部コア部材22Aにおける下端部コア部材22aの内壁面とは、コイル1Aの一方端部および他方端部の各端部を少なくとも覆う領域では、平行である。このため、コイル1Aでは磁束の方向に沿って帯状の導体部材の幅方向が配置されることになるので、上述したように、このような構成のリアクトルDAは、渦電流損を低減することができる。
また、上記構成のリアクトルDAは、コイル1Aを内包する上部コア部材21Aおよび下部コア部材22Aを備えるいわゆるポット型のリアクトルであり、コイル1Aがその芯部に下部コア部材22Aの凸片コア部材22bを備えるので、比較的大きなインダクタンスを持つことができる。
また、上記構成のリアクトルDAは、下部コア部材22Aにおける凸片コア部材22bの一方端部(先端)が上部コア部材21Aにおける上端部コア部材21aに形成された開口部APA内に、前記一方端部の周面と開口部APAの周面との間にギャップGAを空けて配置されているので、ギャップGAの間隔(ギャップ長)を調整することによって所望の電流範囲におけるインダクタンスの変動を制御することができる。そして、前記ギャップ長は、例えば、開口部APAが円形であって凸片コア部材22bの一方端部(先端)も円形である場合には、開口部APAの直径(内径)と凸片コア部材22bの前記一方端部の直径(外径)との差によって規定されるので、このような構成のリアクトルDAは、開口部APAの中心と凸片コア部材22bの前記一方端部の中心とのズレによる前記ギャップ長の変動を抑制することができる。このため、このような構成のリアクトルDAでは、前記ギャップ長の製品バラツキ(リアクトルの個体差)が低減され、この結果、このような構成のリアクトルDAは、インダクタンスの製品バラツキも低減することができる。
また、ギャップGAで発生する電磁吸引力および磁歪膨張は、一般に、いずれも径方向に発生するが、このような構成のリアクトルDAでは、この径方向における機械構造上の剛性が高いため、このような構成のリアクトルDAは、振動および騒音を低減することができる。そして、騒音対策として、仮に、騒音が生じた場合でも例えば18kHz程度以上の可聴帯域以上となるように、高周波でリアクトルDAが動作される場合であっても、前記のように、渦電流損の低減化を図っているので、損失を低減することもできる。
したがって、このような構成のリアクトルDAは、インダクタンスを比較的大きくすることができ、低損失であって低騒音である。
このような構成のリアクトルDAにおいて、大電流範囲で低インダクタンス得る場合の磁場解析結果を図7に示す。この磁場解析には、図6に実線で示す磁気特性を持つ鉄粉圧粉がコア部材2Aに用いられた。なお、図6には、破線で方向性電磁鋼板の磁気特性も示されている。図6は、第1実施形態のリアクトルに使用される、コアの磁場−磁束密度特性を示す図である。図6の横軸は、A/m単位で表す磁場であり、その縦軸は、T単位で表す磁束密度である。図7は、第1実施形態におけるリアクトルの磁束線の様子を示す図である。
図7から理解されるように、多くの磁束線は、コア部材2A内を環流しており、その一部は、上部コア部材21Aから流出してコイル1A内を貫通して下部コア部材22Aに流入している。本実施形態では、上述のように構成しているので、この磁束線は、コイル1Aの導体部材の幅方向に略沿っており、この磁束線により生じる渦電流は、低減される。
なお、鉄粉圧粉は、方向性電磁鋼板に較べて透磁率が低いが、本実施形態の構成や後述の構成を採用することで、リアクトルDは、例えば、後述の図16に示すように、各種用途に適したインダクタンス性能を得ることができる。
次に、別の実施形態について説明する。
(第2実施形態)
図8は、第2実施形態におけるリアクトルの構成を示す断面図である。図9は、第2実施形態におけるリアクトルの磁束線の様子を示す図である。図10は、第1実施形態におけるリアクトルの磁束線と第2実施形態におけるリアクトルの磁束線とを対比して示す図である。
第2実施形態におけるリアクトルDBは、前記第2コア部の他方端部は、前記第1コア部と連結されており、前記第1コア部は、前記開口部を形成する周縁部から前記第1コア内へ延びる突起部をさらに備えている。このような第2実施形態におけるリアクトルDBは、例えば、図8に示すように、コイル1Aと、コア部材2Bと、ギャップ部材3とを備えて構成されている。これら第2実施形態のリアクトルDBにおけるコイル1Aおよびギャップ部材3は、それそれ、第1実施形態のリアクトルDAにおけるコイル1Aおよびギャップ部材3と同様であるので、その説明を省略する。
コア部材2Bは、例えば、磁気的に(例えば透磁率が)等方性を有する材料で形成され、上部コア部材21Bと、下部コア部材22Aとを備えている。この第2実施形態のリアクトルDBにおける下部コア部材22Aは、第1実施形態のリアクトルDAにおける下部コア部材22Aと同様であるので、その説明を省略する。
上部コア部材21Bは、所定の厚さを有する多角形形状、例えば、六角形形状の板状体の上端部コア部材21aと、所定の厚さを有し、上端部コア部材21aの外周縁部から略垂直方向に延びる筒状体の側壁コア部材21bとを備え、上端部コア部材21aには、貫通開口である開口部APAが形成されている。これら第2実施形態のリアクトルDBにおける上端部コア部材21aおよび側壁コア部材21bは、それそれ、第1実施形態のリアクトルDAにおける上端部コア部材21aおよび側壁コア部材21bと同様であるので、その説明を省略する。そして、第2実施形態では、上部コア部材21Bは、上端部コア部材21aにおける、開口部APAを形成する周縁部から前記第1コア内へ延びる突起部21cをさらに備えている。
このような構成の第2実施形態におけるリアクトルDBでは、コイル1Aの巻き数を増加することによって比較的小電流範囲で高インダクタンスとなるようにリアクトルDBが設計された場合でも、図9に示すように、コイル1A内を貫通する磁束線は、コイル1Aの軸方向に平行な方向に近づけることができ、上述した理由により、渦電流損を低減することができる。これは、第1実施形態におけるリアクトルDAと比較した図10を参照すると、容易に理解することができる。すなわち、より大きなインダクタンスを得るべくコイル1Aの巻き数を増加すると、突起部21cを備えない構造の第1実施形態におけるリアクトルDAでは、通電時におけるコイル1Aを貫く磁束線が、図10(B)に示すように湾曲するが、第2実施形態におけるリアクトルDBは、図10(A)に示すように、通電時におけるコイル1Aを貫く磁束線を突起部21cによってコイル1Aの軸方向と平行な方向に近づけることができる。このため、第2実施形態におけるリアクトルDBは、渦電流損を、突起部21cを備えない場合よりも低減することができる。
次に、別の実施形態について説明する。
(第3実施形態)
図11は、第3実施形態におけるリアクトルの構成を示す断面図である。図12は、第3実施形態におけるリアクトルの磁束線の様子を示す図である。
第3実施形態におけるリアクトルDCは、前記第2コア部の他方端部は、前記第1コア部に形成された第2開口部内に、前記他方端部の周面と前記第2開口部の周面との間に第2ギャップを空けて配置される。このような第3実施形態におけるリアクトルDCは、例えば、図11に示すように、コイル1Aと、コア部材2Cと、ギャップ部材3、4とを備えて構成されている。これら第3実施形態のリアクトルDCにおけるコイル1Aおよびギャップ部材3は、それそれ、第1実施形態のリアクトルDAにおけるコイル1Aおよびギャップ部材3と同様であるので、その説明を省略する。
コア部材2Cは、例えば、磁気的に(例えば透磁率が)等方性を有する材料で形成され、上部コア部材21Aと、下部コア部材22Bと、芯部コア部材23Aとを備えている。この第3実施形態のリアクトルDCにおける上部コア部材21Aは、第1実施形態のリアクトルDAにおける上部コア部材21Aと同様であるので、その説明を省略する。
下部コア部材22Bは、上部コア部材21Aにおける上端部コア部材21aと同様であり、上端部コア部材21aの形状と同じ多角形形状、例えば、六角形形状の板状体であり、上端部コア部材21aにおける開口部APAと同様な貫通開口である開口部APBが形成されている。開口部APBは、図11に示す例では、下部コア部材22Bの中央位置(幾何重心位置)を中心とする、所定の長さの直径を持った円形の孔である。
芯部コア部材23Aは、第1実施形態の凸片コア部材22bと同様な、所定の長さの外直径を持った円柱体である。芯部コア部材23Aは、中実であるが中空であってもよく、さらに、この中空の部分に例えば空気や水等の所定の流体を流してリアクトルの放熱性を向上させてもよい。芯部コア部材23Aの一方端部は、上端部コア部材21aの開口部APAに差し入れられ、芯部コア部材23Aの一方端部における周面(外周面)と開口部APAの周面(内周面)との間に第1ギャップGAAを空けて、この開口部APA内に配置されるとともに、芯部コア部材23Aの他方端部は、下部コア部材22Bの開口部APBに差し入れられ、芯部コア部材23Aの他方端部における周面(外周面)と開口部APBの周面(内周面)との間に第2ギャップGABを空けて、この開口部APB内に配置される。
これら上部コア部材21Aおよび下部コア部材22Bは、コイル1Aを内包する前記第1コア部の一例に対応し、芯部コア部材23Aは、コイル1Aの芯部に配置される前記第2コア部の一例に対応する。
ギャップ部材3は、芯部コア部材23Aの一方端部における周面(外周面)と開口部APAの周面(内周面)との間に所定の間隔(ギャップ長)で形成されるギャップGAAに挟み込まれる部材である。ギャップ部材4は、芯部コア部材23Aの他方端部における周面(外周面)と開口部APBの周面(内周面)との間に所定の間隔(ギャップ長)で形成されるギャップGABに挟み込まれる部材である。そして、ギャップ部材3は、ギャップ長を維持し、そして、上部コア部材21Aの上端部コア部材21aと芯部コア部材23Aとを固定するとともに、ギャップ部材4は、ギャップ長を維持し、そして、下部コア部材22Bと芯部コア部材23Aとを固定する。これらギャップ部材3、4は、それぞれ、平面視にてドーナツ状のキャップ部と、このキャップ部の下面から垂下されギャップGAに挟み込まれる円筒状のギャップ部とを備えている。ギャップ部材3、4における周方向に垂直な縦断面は、略T字状となっている。このようなギャップ部材3、4は、例えば、エポキシ樹脂やアルミナ等である。
なお、コイル1Aは、上端部コア部材21aと下部コア部材22Bとの間であって側壁コア部材21bと芯部コア部材23Aとの間に形成される空間に配置されるとともに、コイル1Aの芯部にコイル1Aを貫通するように芯部コア部材23Aが配置される。
このような構成の第3実施形態におけるリアクトルDCでは、図12(A)から理解されるように、多くの磁束線は、コア部材2C内を環流しており、その一部は、上部コア部材21Aから流出してコイル1A内を貫通して下部コア部材22Bに流入している。本実施形態では、上述のように構成しているので、この磁束線は、コイル1Aの導体部材の幅方向に略沿っており、この磁束線により生じる渦電流は、低減される。
そして、このような構成の第3実施形態におけるリアクトルDCでは、第1ギャップGAAおよび第2ギャップGABの複数のギャップGAを持つ構造であるので、ギャップGAを分割配置することが可能である。このため、このような構成の第3実施形態におけるリアクトルDCは、図7と図12とを比較すると分かるように、第1実施形態におけるリアクトルDAに較べて外部への漏れ磁束を低減することができ、この結果、リアクトルDCの周辺に配置される周辺機器へ与える漏れ磁束による影響を最小化することができる。
ここで、このような第1および第2ギャップを有する第3実施形態におけるリアクトルDCを取付部材に取り付ける場合について説明する。図13は、第3実施形態の変形形態におけるリアクトルおよび取付部材の構成を示す図である。図13(A)は、前記変形形態の第1態様における全体斜視図であり、図13(B)は、前記変形形態の第1態様における断面図であり、図13(C)は、前記変形形態の第1態様における取付部材側から見た底面図であり、図13(D)は、前記変形形態の第1態様における断面を模式的に表した断面模式図(図13(C)の模式図)であり、そして、図13(E)は、前記変形形態の第2態様における断面を模式的に表した断面模式図である。
通常、リアクトルは、種々の損失により発熱するものであり、高温化する場合には、リアクトルは、伝熱放熱を目的として、例えば、熱伝導率の比較的低い良熱伝導性の金属材料によって形成された平板状の放熱板に接触固定される。前記金属材料は、例えば、銅およびその合金、鉄およびその合金、ならびに、アルミニウムおよびその合金等である。伝熱放熱を目的として第3実施形態におけるリアクトルDCが単なる平板状の放熱板に取り付けられると、このリアクトDCが第2ギャップGABを有し、そして、放熱板が電気伝導性を有するので、この第2ギャップGABに起因して漏れ出した漏れ磁束がこの放熱板に渦電流を生じさせる虞がある。
そこで、第3実施形態の変形形態として、その第1態様では、図13(A)〜(D)に示すように、放熱板6Aには、リアクトルDC’が取り付けられる取付面に、コイル1Aの軸方向から見た平面視にて、長手方向が第2ギャップGABと交差するとともに放熱板6Aを貫通するスリット孔6aが1または複数形成される。
また、その第2第1態様では、図13(E)に示すように、放熱板6Bには、リアクトルDC’が取り付けられる取付面に、コイル1Aの軸方向から見た平面視にて、長手方向が第2ギャップGABと交差するとともに第2ギャップGABの間隔以上の深さを有するスリット溝6bが1または複数形成される。
図13(A)〜(D)および(E)に示す例では、複数のスリット孔6a、6bは、コイル1Aの軸を中心として、長手方向が第2ギャップGABと交差するように径方向に放射状であって周方向に所定の間隔で、リアクトルDC’が取り付けられる取付面に形成されている。
なお、図13に示す変形形態では、リアクトルDC’は、図11に示すリアクトルDCに対し、ギャップ部材3、4を備えず、コア部材2C’に形成された貫通孔を介してボルト7によって放熱板6A、6Bに締結されている。また、コア部材2C’の全体形状は、コア部材2Cと同形であるが、コア部材2C’は、上部と下部の同形の2部材で構成されている。
このような構成のリアクトルDC’では、放熱板6Aにスリット孔6aが形成されているので、あるいは、放熱板6Bにスリット溝6bが形成されているので、前記渦電流が流れることがこのスリット孔6aまたはスリット溝6bによって阻止される。したがって、このような構成のリアクトルDC’は、電力損失およびインダクタンス変化を伴うことなく、放熱することが可能となる。
次に、別の実施形態について説明する。
(第4実施形態)
図14は、第4実施形態におけるリアクトルの構成を示す断面図である。図15は、第4実施形態におけるリアクトルの磁束線の様子を示す図である。
第4実施形態におけるリアクトルDCは、前記第2コア部の他方端部は、前記第1コア部の他方内面との間に第3ギャップを空けて配置される。このような第4実施形態におけるリアクトルDDは、例えば、図14に示すように、コイル1Aと、コア部材2Dと、ギャップ部材3とを備えて構成されている。これら第4実施形態のリアクトルDDにおけるコイル1Aおよびギャップ部材3は、それそれ、第1実施形態のリアクトルDAにおけるコイル1Aおよびギャップ部材3と同様であるので、その説明を省略する。
コア部材2Dは、例えば、磁気的に(例えば透磁率が)等方性を有する材料で形成され、上部コア部材21Aと、下部コア部材22Cと、芯部コア部材23Bとを備えている。この第4実施形態のリアクトルDDにおける上部コア部材21Aは、第1実施形態のリアクトルDAにおける上部コア部材21Aと同様であるので、その説明を省略する。
下部コア部材22Cは、所定の厚さを有し、上端部コア部材21aの外形形状と同じ多角形形状、例えば、六角形形状の板状体である。
芯部コア部材23Bは、第1実施形態の凸片コア部材22bと同様な、所定の長さの外直径を持った円柱体である。芯部コア部材23Bは、中実であるが中空であってもよく、さらに、この中空の部分に例えば空気や水等の所定の流体を流してリアクトルの放熱性を向上させてもよい。芯部コア部材23Bの一方端部は、上端部コア部材21aの開口部APAに差し入れられ、芯部コア部材23Bの一方端部における周面(外周面)と開口部APAの周面(内周面)との間に第1ギャップGAAを空けて、この開口部APA内に配置されるとともに、芯部コア部材23Bの他方端部は、下部コア部材22C内側内面との間に第3ギャップGACを空けて配置される。第3ギャップGACには、例えばエポキシ樹脂やアルミナ等のギャップ部材(不図示)が挟み込まれる。芯部コア部材23Bの他方端部における周縁部分は、例えばR面取りやC面取り等で面取りされていてよい。図14に示す例では、前記周縁部分は、R面取りされている。
これら上部コア部材21Aおよび下部コア部材22Cは、コイル1Aを内包する前記第1コア部の一例に対応し、芯部コア部材23Bは、コイル1Aの芯部に配置される前記第2コア部の一例に対応する。
なお、コイル1Aは、上端部コア部材21aと下部コア部材22Bとの間であって側壁コア部材21bと芯部コア部材23Bとの間に形成される空間に配置されるとともに、コイル1Aの芯部内に芯部コア部材23Bが配置される。
このような構成の第4実施形態におけるリアクトルDDでは、図15(A)から理解されるように、多くの磁束線は、コア部材2D内を環流しており、その一部は、上部コア部材21Aから流出してコイル1A内を貫通して下部コア部材22Cに流入している。本実施形態では、上述のように構成しているので、この磁束線は、コイル1Aの導体部材の幅方向に略沿っており、この磁束線により生じる渦電流は、低減される。
そして、このような構成の第4実施形態におけるリアクトルDDでは、第1ギャップGAAおよび第3ギャップGACの複数のギャップGAを持つ構造であるので、ギャップGAを分割配置することが可能である。このため、このような構成の第4実施形態におけるリアクトルDCは、図7と図15とを比較すると分かるように、第1実施形態におけるリアクトルDAに較べて外部への漏れ磁束を低減することができ、この結果、リアクトルDDの周辺に配置される周辺機器へ与える漏れ磁束による影響を最小化することができる。
これら第1ないし第4実施形態における各リアクトルDA、DB、DC、DDのインダクタンス特性を図16に示す。図16の横軸は、対数目盛であってA単位で表す電流であり、その縦軸は、μH単位で表すインダクタンスである。■、○、△および◇は、それぞれ、第1ないし第4実施形態における各リアクトルDA、DB、DC、DDの各インダクタンス特性を示している。
図16から分かるように、第1、第3および第4実施形態における各リアクトルDA、DC、DDは、比較的大きな電流の範囲、図16に示す例では、約20Aないし約200Aの範囲で、インダクタンスの変動が少なく、安定的である。特に、約20Aないし約150Aの範囲では、インダクタンスの変動がより少なく、より安定的であって好ましく、さらに、約20Aないし約100Aの範囲では、インダクタンスの変動がさらにより少なく、さらにより安定的であってより好ましい。これら第1、第3および第4実施形態における各リアクトルDA、DC、DDは、大電流型である。
また、第2実施形態におけるリアクトルDBは、比較的小さな電流の範囲、図16に示す例では、約5Aないし約25Aの範囲で、インダクタンスの変動が少なく、安定的である。特に、約5Aないし約20Aの範囲では、インダクタンスの変動がより少なく、より安定的であって好ましい。
次に、別の実施形態について説明する。
(第5実施形態)
図17は、第5実施形態におけるリアクトルの構成を示す断面図である。第1ないし第4実施形態におけるリアクトルDA、DB、DC、DDでは、コイル1Aは、パンケーキ構造の単コイルであったが、第5実施形態におけるリアクトルDEは、これら第1ないし第4実施形態におけるリアクトルDA、DB、DC、DDにおいて、コイル1Aに代え、軸方向に積層された複数のサブコイルから成るコイル1Bを用いたものである。図17には、第2実施形態のリアクトルDBにおけるコア部材2Bを用いた場合における第5実施形態のリアクトルDEが示されている。この図17に示す例では、第5実施形態におけるリアクトルDEは、コイル1Bと、コア部材2Bと、ギャップ部材3とを備えて構成されている。これら第5実施形態のリアクトルDEにおけるコア部材2Bおよびギャップ部材3は、それそれ、第2実施形態のリアクトルDBにおけるコア部材2Bおよびギャップ部材3と同様であるので、その説明を省略する。
コイル1Bは、軸方向に積層された複数のサブコイル、図17に示す例では、2個のサブコイル11a、11bを備えている。サブコイル11a、11bは、それぞれ、コイル1Aと同様に、帯状の導体部材を、該導体部材の幅方向がサブコイル11a、11b(コイル1B)の軸方向に沿うように巻回することによって構成される。
次に、別の実施形態について説明する。
(第6実施形態)
図18は、第6実施形態におけるリアクトルの構成を示す断面図である。第1ないし第4実施形態におけるリアクトルDA、DB、DC、DDでは、コイル1Aは、パンケーキ構造の単コイルであったが、第6実施形態におけるリアクトルDFは、これら第1ないし第4実施形態におけるリアクトルDA、DB、DC、DDにおいて、コイル1Aに代え、径方向に積層された複数のサブコイルから成るコイル1Cを用いたものである。図18には、第2実施形態のリアクトルDBにおけるコア部材2Bを用いた場合における第6実施形態のリアクトルDFが示されている。この図18に示す例では、第6実施形態におけるリアクトルDFは、コイル1Cと、コア部材2Bと、ギャップ部材3とを備えて構成されている。これら第6実施形態のリアクトルDFにおけるコア部材2Bおよびギャップ部材3は、それそれ、第2実施形態のリアクトルDBにおけるコア部材2Bおよびギャップ部材3と同様であるので、その説明を省略する。
コイル1Cは、径方向に積層された複数のサブコイル、図18に示す例では、2個のサブコイル12a、12bを備えている。サブコイル12a、12bは、それぞれ、コイル1Aと同様に、帯状の導体部材を、該導体部材の幅方向がサブコイル12a、12b(コイル1C)の軸方向に沿うように巻回することによって構成される。サブコイル12aは、相対的に内側に配置されており、サブコイル12bは、相対的に外側に配置されている。
次に、別の実施形態について説明する。
(第7実施形態)
図19は、第7実施形態におけるリアクトルの構成を示す断面図である。
第1ないし第4実施形態におけるリアクトルDA、DB、DC、DDでは、コイル1Aは、パンケーキ構造の単コイルであったが、第7実施形態におけるリアクトルDGは、これら第1ないし第4実施形態におけるリアクトルDA、DB、DC、DDにおいて、コイル1Aに代え、複数の帯状の導体部材を絶縁層を介して積層して巻回することによって構成されたコイル1Dを用いたものである。図19には、第2実施形態のリアクトルDBにおけるコア部材2Bを用いた場合における第7実施形態のリアクトルDGが示されている。この図19に示す例では、第7実施形態におけるリアクトルDGは、コイル1Dと、コア部材2Bと、ギャップ部材3とを備えて構成されている。これら第7実施形態のリアクトルDGにおけるコア部材2Bおよびギャップ部材3は、それそれ、第2実施形態のリアクトルDBにおけるコア部材2Bおよびギャップ部材3と同様であるので、その説明を省略する。
コイル1Dは、複数の帯状の導体部材13を、これら複数の導体部材13の幅方向がコイル1Dの軸方向に沿うように、かつ、絶縁層を介して径方向に積層するように、巻回することによって構成される。
そして、第5ないし第7実施形態における各リアクトルDE、DF、DGは、複数のサブコイルを備えているので、複数のサブコイルの結線を変更して複数のサブコイルのうちの少なくとも1つを1次側コイルとするとともに複数のサブコイルのうちの他の少なくとも1つを2次側コイルとすることによって、トランスに転用することができる。このような第5ないし第7実施形態における各リアクトルDE、DF、DGを転用したトランスは、相互インダクタンスを比較的大きくすることができ、低損失であって低騒音である。
このような第5ないし第7実施形態における各リアクトルDE、DF、DGを転用したトランスは、例えば、図20(A)に等価回路で示すように、いわゆる絶縁トランスとして用いることができ、また、図20(B)および(C)に等価回路で示すように、いわゆるチョークトランス(フィルタ)として用いることができる。図20(B)は、コモンモードの場合を示し、図20(C)は、差動モードの場合を示している。
また、これら上述の実施形態において、コイル1A〜1Dは、前記導体部材の厚さtがリアクトルDA〜DGに給電される交流電力における周波数に対する表皮厚み以下であることが好ましい。このような構成のリアクトルDA〜DGは、その渦電流損をより低減することができる。一般に、コイルに流れる電流は、表皮厚みδまでの範囲でしか流れず、導体断面全体に一様に電流が流れない。したがって、導体部材の厚みtを表皮厚みδ以下に設定することで渦電流損が減少できる。表皮厚みδは、交流電力の角周波数をωとし、導体部材の透磁率をμとし、導体部材の電気伝導率をρとする場合に、一般に、δ=(2/ωμρ)1/2である。
また、これら上述の実施形態のリアクトルDA〜DGでは、コア部材2A〜2Dは、磁気的に等方性を有し、軟磁性粉末を形成したものであったが、コア部材2A〜2Dは、磁気的に等方性を有するフェライトコアであってもよい。このようなフェライトコアであっても、所望の磁気特性を比較的容易に実現することができると共に、比較的容易に所望の形状に成形することができる。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
DA〜DG リアクトル
APA、APB 開口部
GAA〜GAC ギャップ
1A〜1D コイル
2A〜2D コア部材
6 熱伝導部材

Claims (14)

  1. コイルと、
    前記コイルを内包する第1コア部と、
    前記コイルの芯部に配置される第2コア部とを備え、
    前記コイルは、帯状の導体部材を、該導体部材の幅方向が該コイルの軸方向に沿うように巻回することによって構成され、
    前記軸方向における前記コイルの一方端部に対向する前記第1コア部の一方内面と前記軸方向における前記コイルの他方端部に対向する前記第1コア部の他方内面とは、前記コイルの一方端部および他方端部の各端部を少なくとも覆う領域では、平行であり、
    前記第2コア部の一方端部は、前記第1コア部に形成された開口部内に、前記一方端部の周面と前記開口部の周面との間にギャップを空けて配置されていること
    を特徴とするリアクトル。
  2. 前記第2コア部の他方端部は、前記第1コア部と連結されており、
    前記第1コア部は、前記開口部を形成する周縁部から前記第1コア内へ延びる突起部をさらに備えること
    を特徴とする請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記第2コア部の他方端部は、前記第1コア部に形成された第2開口部内に、前記他方端部の周面と前記第2開口部の周面との間に第2ギャップを空けて配置されていること
    を特徴とする請求項1に記載のリアクトル。
  4. 当該リアクトルを取り付けるための取付部材をさらに備え、
    前記取付部材は、電気伝導性を有するとともに熱伝導性を有する材料によって形成され、前記リアクトルが取り付けられる取付面に、前記コイルの軸方向から見た平面視にて、長手方向が前記第2ギャップと交差するとともに前記取付部材を貫通するスリット孔、または、長手方向が前記第2ギャップと交差するとともに前記第2ギャップの間隔以上の深さを有するスリット溝を備えること
    を特徴とする請求項3に記載のリアクトル。
  5. 前記第2コア部の他方端部は、前記第1コア部の他方内面との間に第3ギャップを空けて配置されていること
    を特徴とする請求項1に記載のリアクトル。
  6. 前記コイルは、前記導体部材の幅Wに対する径方向の厚さtの比t/Wが1/10以下であること
    を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のリアクトル。
  7. 前記コイルは、前記導体部材の前記厚さtが当該リアクトルに給電される交流電力における周波数に対する表皮厚み以下であること
    を特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のリアクトル。
  8. 前記第1コア部は、磁気的に等方性を有し、軟磁性粉末を形成したものであること
    を特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のリアクトル。
  9. 前記第1コア部は、磁気的に等方性を有するフェライトコアであること
    を特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のリアクトル。
  10. 前記コイルと前記第1コア部との間に生じる間隙に充填される熱伝導部材をさらに備えること
    を特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載のリアクトル。
  11. 前記コイルは、複数のサブコイルから成り、トランスに転用可能な請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のリアクトル。
  12. 前記コイルは、複数のサブコイルから成り、
    前記複数のサブコイルは、前記コイルの軸方向に積層されること
    を特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のリアクトル。
  13. 前記コイルは、複数のサブコイルから成り、
    前記複数のサブコイルは、前記コイルの径方向に積層されていること
    を特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のリアクトル。
  14. 前記コイルは、複数の帯状の導体部材を、該複数の導体部材の幅方向が該コイルの軸方向に沿うように、かつ、絶縁層を介して径方向に積層するように、巻回することによって構成されること
    を特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載のリアクトル。
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