JP2012044125A - 有機el素子、表示装置、照明機器 - Google Patents

有機el素子、表示装置、照明機器 Download PDF

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Abstract

【課題】
アントラセンを用いつつ、発光効率が高く、熱的安定性が高くて長寿命な有機EL素子表示装置、照明機器を提供することを課題とする。
【解決手段】
陽極と陰極の間に、ホスト材料とゲスト材料を混合した発光性の有機層を含む有機EL素子であって、前記有機層の前記ホスト材料は、アダマンチル基又はスピロビフルオレン基を主骨格とするとともに、置換基にアントラセンを含む有機材料である。
【選択図】図1

Description

本発明は、色純度の高い青色蛍光材料を用いた有機EL素子、表示装置、照明機器に関する。
有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機EL(Electro-Luminescence))素子は、テレビ、パーソナルコンピュータや携帯端末等の表示装置、これらの表示装置に用いられるバックライト、あるいは照明機器等への応用が期待されている。
このため、有機EL素子を低電圧で駆動する技術や、有機EL素子の発光効率を良好にするための様々な技術の開発が進められている。
有機EL素子は、例えばITO(Indium Tin Oxide:インジウム−スズ酸化物)等の透明電極(陽極)と、アルミニウム等の金属電極(陰極)との間に、有機層が形成されている構造を有する。
有機層は、発光材料(発光層)を含み、透明電極と金属電極の間に電圧を印加することにより、発光材料に電圧が印加される。
透明電極と金属電極の間に電圧が印加されると、透明電極から有機層内に正孔が注入されるとともに、金属電極から有機層内に電子が注入され、電子と正孔が有機層内の発光材料で再結合することによって発光が生じる。有機EL素子は、発光効率を良好にするために、透明電極と有機層の間に正孔輸送材料(正孔輸送層)等を含んでもよく、同様に、有機層と金属電極の間に、電子輸送材料(電子輸送層)等を含んでもよい。
このような有機EL素子を例えばディスプレイ等に用いる場合には、赤、緑、青の光の三原色が必要である。緑色と赤色に関しては、発光効率・素子寿命のよい蛍光素子が数多く報告されているが、青色の蛍光素子については高効率化が困難であった。
ここで、高発光効率の青色蛍光素子を実現するためのホスト材料として、アントラセン誘導体が挙げられる(例えば、非特許文献1参照)。アントラセンは、蛍光量子収率が高く、発光波長が400nm以上であるため、青色蛍光素子のホスト材料として期待されている。これは、アントラセンの蛍光発光をゲストへのエネルギー移動を利用してゲストの発光として取り出すことができれば、高い発光効率が期待できるからである。
Meng-Huan Ho, Yao-Shan Wu, Shih-Wen Wen, and Teng-Ming Chen Appl.Phys. Lett. 91, 083515 (2007)
しかし、アントラセンを基本骨格に持つ分子構造では、アントラセンの高い結晶性により成膜時に分子が結晶化する場合がある。
また、一般に有機EL素子中の有機層はアモルファス層であるため、膜構造の熱的安定性が長寿命化の鍵の一つとして考えられる。有機EL素子中の駆動電流によるジュール熱によって発光材料(発光層)の温度が上昇し、発光材料の温度がホスト材料のガラス転移温度(Tg)に近づくと、分子運動が活発化し、分子同士の凝集によって発光層の膜構造の変化や結晶化が起こる。このため、ホスト材料としては、高いガラス転移温度(Tg)を有している材料が望ましい。
しかしながら、上述したアントラセンを主骨格に持つ分子構造は、高い発光効率が得られる可能性があるが、アントラセンのガラス転移温度の低さ、及び結晶性の高さにより、分子が結晶化する恐れがあり、熱的に安定な素子を作製することが困難であった。
このため、発光素子の発光材料として用いられている青色発光素子用蛍光ホスト材料は、蛍光量子収率が高いものがなく、青色蛍光素子の高効率化は依然として困難であった。
そこで、本発明は、アントラセンを用いつつ、発光効率が高く、熱的安定性が高くて長寿命な有機EL素子、表示装置、照明機器を提供することを目的とする。
本発明の一局面の有機EL素子は、陽極と陰極の間に、ホスト材料とゲスト材料を混合した発光性の有機層を含む有機EL素子であって、前記有機層の前記ホスト材料は、アダマンチル基又はスピロビフルオレン基を主骨格とするとともに、置換基にアントラセンを含む有機材料である。
また、前記アダマンチル基を主骨格とする前記ホスト材料は、下記の式(1)で表される有機材料であってもよい。
Figure 2012044125
また、前記スピロビフルオレン基を主骨格とする前記ホスト材料は、下記の式(2)で表される有機材料であってもよい。
Figure 2012044125
また、前記アントラセンに、フェニル基を付与してもよい。
また、前記ゲスト材料は、前記ホスト材料の発光波長領域に吸収波長を有する蛍光材料であってもよい。
また、前記陽極と前記有機層との間に、正孔注入層を含んでもよい。
本発明の一局面の表示装置は、前記いずれか一項に記載の有機EL素子を含む。
本発明の一局面の照明機器は、前記いずれか一項に記載の有機EL素子を含む。
本発明によれば、アントラセンを用いつつ、発光効率が高く、熱的安定性が高くて長寿命な有機EL素子、表示装置、照明機器を提供できるという特有の効果が得られる。
実施例1の有機EL素子の断面構造を示す図である。 実施例1の有機EL素子10の有機層4に用いるAd−Ant膜の蛍光スペクトルと、BDAVBiの吸収スペクトルを示す特性図である。 実施例1の有機EL素子10における外部量子効率の電流密度依存性の測定結果を示す特性図である。 実施例2の有機EL素子の断面構造の一部を示す図である。 実施例2の有機EL素子における外部量子効率の電流密度依存性の測定結果を実施例1の有機EL素子における外部量子効率の電流密度依存性の測定結果と比較して示す特性図である。 実施例2の有機EL素子20と比較用の有機EL素子の外部量子効率の電流密度依存性の測定結果を示す特性図である。 実施例2の有機EL素子20にゲスト材料として用いたBDAVBiの濃度をパラメーターにして素子特性評価を行った結果を示す特性図である。 実施例3の有機EL素子の断面構造の一部を示す図である。 (A)は、実施例3の有機層34にホスト材料として用いるSF−Antの示差走査熱量測定結果を示す図であり、(B)は、実施例2の有機層4にホスト材料として用いるAd−Antの示差走査熱量測定結果を示す図である。 実施例3の有機EL素子30の有機層34に用いるSF−Ant膜の蛍光スペクトルと、BDAVBiの吸収スペクトルを示す特性図である。 実施例3の有機EL素子30における外部量子効率の電流密度依存性の測定結果を示す特性図である。 実施例3の有機層34を含む有機EL素子30の素子特性評価結果、素子寿命評価結果を示す図である。 実施例4の有機EL素子の断面構造の一部を示す図である。 実施例4の有機EL素子40の有機層44に用いるSF−PhAnt膜の蛍光スペクトルと、実施例3の有機EL素子30の有機層34に用いるSF−Ant膜の蛍光スペクトルと、BDAVBiの吸収スペクトルを示す特性図である。 実施例4の有機EL素子40における外部量子効率の電流密度依存性の測定結果を示す特性図である。 実施例4の有機層44を含む有機EL素子40の素子特性評価結果、素子寿命評価結果を示す図である。
本発明の発明者は、鋭意研究した結果、嵩高い構造を有するアダマンチル基を主骨格とし、アントラセンを置換基に含むことによってガラス転移温度を高くした有機材料を合成し、それを発光層のホストに用いることで、高効率かつ安定な有機EL素子を作製することが可能であることを見出した。
また、アダマンチル基とは別に、嵩高い構造を有するスピロビフルオレン基を主骨格とし、アントラセンを置換基に含むことによってガラス転移温度を高くした有機材料を合成し、それを発光層のホストに用いることで、高効率かつ安定な有機EL素子を作製することが可能であることを見出した。
アダマンチル基とスピロビフルオレン基の共通点は、従来の発光層のホスト材料よりも高いガラス転移温度を有する点である。
さらに、スピロビフルオレン基を主骨格とし、アントラセンを置換基に含むことによってガラス転移温度を高くした有機材料において、フェニル基をアントラセンに付与することで、隣接するホスト間のアントラセン同士の距離を離すことができ、エキサイプレックスの形成を抑制して高効率な素子が作製可能であることを見出した。
以下、本発明の有機EL素子、表示装置、照明機器を適用した実施例について説明する。
[実施例1]
図1は、実施例1の有機EL素子の断面構造の一部を示す図である。
有機EL素子10は、透明基板1、正電極2、正孔輸送層3、有機層4、電子輸送層5、及び負電極6を含む。有機層4で得られる発光は、正孔輸送層3、正電極2、及び透明電極1を透過して有機EL素子10の外部に放射される。
なお、有機EL素子10は、実際には画素を選択するための走査線及び信号線や、正電極2と負電極6の間に印加する電圧を制御するためのTFT(Thin Film Transistor)等を含むが、図1では図示を省略する。図1は、有機EL素子10の一画素に含まれる積層構造を概略的に示している。
透明基板1は、有機層4で得られる光を放射する側の基板であり、例えば、ガラス基板であればよい。
正電極2は、有機層4に電圧を印加するための一方の電極であり、外部電源から正電圧が印加される。すなわち、正電極2は、陽極となる。また、正電極2は、有機層4で得られる光を放射する側に存在するため、例えば、ITO等の透明な導電性のある材料で構成される。
正孔輸送層3は、外部電源から正電極2を介して有機層4に注入される正孔の輸送を効率よく行うために設けられている層である。正孔輸送層3としては、例えば、ジフェニルナフチルジアミン(α−NPD)層を用いることができる。
電子輸送層5は、外部電源から負電極6を介して有機層4に注入される電子の輸送を効率よく行うために設けられている層である。電子輸送層としては、例えば、アルミキノリノール錯体(Alq3)層を用いることができる。
負電極6は、有機層4に電圧を印加するための他方の電極であり、正電極2と対をなして有機層4に電圧を印加する。すなわち、負電極6は、陰極となる。負電極6は、例えば、フッ化リチウム(LiF)とアルミニウム(Al)を積層した薄膜によって構成され、有機層4の発光を基板1側に反射する役割を担う。ここでは、一例として、フッ化リチウム(LiF)を0.5nm、アルミニウム(Al)を100nmにした。
なお、正電極2、正孔輸送層3、有機層4、電子輸送層5、及び負電極6は、この順に透明基板1上に真空蒸着を行うことによって形成することができる。
次に、実施例1の有機EL素子10に用いる発光効率が良好で色純度の高い有機層4について説明する。
蛍光材料を使用する際の、ホスト材料とゲスト材料のエネルギー移動を効率よく起こすために、両者の発光スペクトルと吸収スペクトルの重なりが重要であることについては数多くの報告がなされている。例えば、K. Okumoto, et al., Appl. Phys. Lett. 89, 063504(2006)に記載がある。
これは、ホスト材料の発光スペクトルとゲスト材料の吸収スペクトルの重なりが大きいと、ホスト材料からゲスト材料への効率的なエネルギー移動が起こり、高い発光効率を得やすいからである。
すなわち、ホスト材料とゲスト材料のエネルギー移動の際に、ホスト材料の蛍光量子収率が高いほど、ゲスト材料にエネルギー移動するフォトン数が多くなるため、高い発光効率が得られることになる。
このため、従来は、高い発光量子収率を示すアントラセン誘導体が緑色や青色の蛍光材料用のホストとして用いられてきた。
しかしながら、上述のように、蛍光量子収率の高いアントラセンを主骨格に用いた場合には、結晶性が高いため、成膜時の膜の結晶化によるリーク電流の発生や、素子駆動時の熱安定性が乏しい等の問題があった。
実施例1の有機EL素子10は、有機層4に含まれるホスト材料として、嵩高い構造のアダマンチル基を主骨格とし、置換基に2つのフェニルアントラセンを含む有機材料を用いる。置換基にフェニルアントラセンを用い、嵩高い構造のアダマンチル基を主骨格にすることにより、高い発光効率と色純度の高さを備えつつ、ガラス転移温度を高くすることができる。
有機層4は、発光材料(ゲスト材料)として、下記の式(3)に示すBDAVBi(4,4'−ビス[4−(ジフェニルアミノ)スチリル]ビフェニル)を含有し、ホスト材料とともに共蒸着されて有機層中に拡散した状態になっている。BDAVBiは、色純度の高い青色の蛍光材料である。
Figure 2012044125
また、有機層4は、ホスト材料として下記の式(4)に示す有機材料を含む。式(4)に示す有機材料は、アダマンタンアントラセン(Ad−Ant)である。アダマンタンアントラセン(Ad−Ant)は、主骨格としてのアダマンチル基の置換基に2つのフェニルアントラセンを含む有機材料である。
Figure 2012044125
アダマンチル基は、下記の式(5)に示すように、嵩高い構造を有するため、構造的なねじれを発生させることができる。アダマンチル基の構造的なねじれにより、ガラス転移温度を高くし、熱的に安定な材料を合成することができる。
Figure 2012044125
図2は、実施例1の有機EL素子10の有機層4に用いるAd−Ant膜の蛍光スペクトルと、BDAVBiの吸収スペクトルを示す特性図である。BDAVBi吸収スペクトルは、溶液分散条件下で測定したものである。
図2において、横軸が波長(nm)、右側の縦軸がBDAVBiの吸収スペクトルの強度を表し、左側の縦軸がAd−Ant膜の蛍光スペクトルの強度を表す。
図2に示すように、Ad−Ant膜の蛍光スペクトルとBDAVBiの吸収スペクトルは、波長が約380nmから約450nmまで大きく重なっており、また、波長が約450nm以上の領域においても、BDAVBiの吸収スペクトルの強度は低いながらも重なりが確認できる。
このように、ホスト材料としてのAd−Ant膜の発光スペクトルと、ゲスト材料としてのBDAVBiの吸収スペクトルの重なりが大きいと、ホスト材料からゲスト材料への効率的なエネルギー移動が起こり、高い発光効率を得やすくなる。
実施例1の有機EL素子10は、Ad−Antをホスト材料とし、BDAVBiをゲスト材料として含む有機層4を含むので、高いエネルギー移動効率が期待される。
図3は、実施例1の有機EL素子10における外部量子効率の電流密度依存性の測定結果を示す特性図である。図3において、横軸が電流密度(mA/cm)、縦軸が外部量子効率(%)である。
ゲスト材料であるBDAVBiの濃度を1wt%として有機EL素子10を作製したところ、有機層4内で膜の結晶化等は、全く観測されなかった。外部量子効率は最大で約3%程度の値が得られた。また、色度は(0.16,0.20)であり、良好な青色発光が得られた。
以上、実施例1によれば、主骨格をアダマンチル基とし、アントラセンを置換基に含む熱的に安定な有機化合物を合成することで、アントラセンの高い蛍光量子収率をエネルギー移動に生かすことができ、高効率かつ安定な有機EL素子を得ることができた。
実施例1の有機EL素子10は、表示装置、照明機器に好適である。
[実施例2]
実施例2では、実施例1に対して、素子内の電荷バランスの改善を行った。
図4は、実施例2の有機EL素子の断面構造の一部を示す図である。
実施例2の有機EL素子20は、正電極2と正孔輸送層3との間に、正孔注入層21を含む点が実施例1の有機EL素子10と構造的に異なる。その他の構成要素については、以下で特に説明しない限り、実施例1の有機EL素子10の構成要素と同一であるため、同一又は同等の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
なお、有機EL素子20は、実際には画素を選択するための走査線及び信号線や、正電極2と負電極6の間に印加する電圧を制御するためのTFT等を含むが、図4では図示を省略する。図4は、有機EL素子20の一画素に含まれる積層構造を概略的に示している。
正孔注入層21としては、例えば、下記の式(6)に示すスターバーストアミン(m−MTDATA)層、又は酸化モリブデン(MoOx)層を用いることができる。
Figure 2012044125
m−MTDATAの最高占有軌道(HOMO)のエネルギー位置は、5.1eVであり、これはITOとほぼ同様の値である。このため、m−MTDATA挿入層を設けることで、正孔の注入がスムーズに行われることが予想される。
また、正孔注入層21としての酸化モリブデンをITO製の正電極2と正孔輸送層3としてのα−NPDの間に挿入すると、その界面がオーミック接合となり正孔の注入が非常にスムーズに行われることは、例えば、T. Matsushima et al., Appl. Phys. Lett. 253504(2007)に記載されている。
実施例2では、正孔注入層21としてm−MTDATAと酸化モリブデンを用いた有機EL素子20を作製して評価を行う。
なお、正電極2、正孔注入層21、正孔輸送層3、有機層4、電子輸送層5、及び負電極6は、この順に透明基板1上に真空蒸着を行うことによって形成することができる。
図5は、実施例2の有機EL素子20における外部量子効率の電流密度依存性の測定結果を実施例1の有機EL素子10における外部量子効率の電流密度依存性の測定結果と比較して示す特性図である。
図5において、横軸が電流密度(mA/cm)、縦軸が外部量子効率(%)である。四角形のプロットは正孔注入層21としてm−MTDATAを用いた有機EL素子20の外部量子効率を表し、逆三角形のプロットは正孔注入層21として酸化モリブデンを用いた有機EL素子20の外部量子効率を表し、円形のプロットは正孔注入層21を含まない実施例1の有機EL素子10の外部量子効率を表す。なお、実施例2の有機層4においても、ゲスト材料であるBDAVBiの濃度は1wt%である。
図5に示すように、実施例1(図3参照)で約3%だった最大効率は、実施例2の有機EL素子20では、5%以上まで向上した。また、色度は(0.16,0.20)であり、実施例1の有機EL素子10と同一であった。
これは、正孔注入層21の挿入によって、素子内の電荷バランスが改善されたためと考えられる。正孔注入層21としてm−MTDATA層を挿入することにより、陽極である正電極2からの正孔の注入が促進され、有機層4内において、特に高電流密度側でのキャリアの再結合確率が向上したといえる。
ここで、比較のために、有機層4のホスト材料としてAd−Antの代わりにDPVBi(式(7)参照)を用いた有機EL素子を作製し、外部量子効率の電流密度依存性の測定結果について説明する。
Figure 2012044125
図6は、実施例2の有機EL素子20と比較用の有機EL素子の外部量子効率の電流密度依存性の測定結果を示す特性図である。実施例2の有機EL素子20、比較用の有機EL素子ともに、正孔注入層としては、m−MTDATAを用いている。
図6において、横軸が電流密度(mA/cm)、縦軸が外部量子効率(%)である。四角形のプロットは、ホスト材料としてAd−Antを含む実施例2の有機EL素子20の外部量子効率を表し、三角形のプロットはホスト材料としてDPVBiを含む比較用の有機EL素子の外部量子効率を表す。
図6に示すように、実施例2の有機EL素子20は、比較用の有機EL素子よりも全体的に外部量子効率が約1%高いことが分かった。
これにより、主骨格をアダマンチル基とし、アントラセンを置換基に含む熱的に安定な有機化合物を有機層4として用いることにより、外部量子効率が改善されていることが分かった。
図7は、実施例2の有機EL素子20にゲスト材料として用いたBDAVBiの濃度をパラメーターにして素子特性評価を行った結果を示す特性図である。
図7において、横軸が電流密度(mA/cm)、縦軸が外部量子効率(%)である。四角形のプロットはゲスト濃度が1wt%の有機EL素子20の外部量子効率を表し、菱形のプロットはゲスト濃度が3wt%の有機EL素子20の外部量子効率を表す。
ゲスト濃度を3wt%に増加させることで、中高電流密度領域の発光効率も高い素子が得られることがわかった。ここで得られた色度は(0.16,0.22)と若干色度は悪くはなったものの、良好な青色発光が得られたといえる。
以上、実施例2によれば、アントラセンを置換基に持つ熱的に安定な化合物を合成することで、アントラセンの高い蛍光量子収率をエネルギー移動に生かすことができ、高効率かつ安定な有機EL素子を得ることができた。
実施例2の有機EL素子20は、表示装置、照明機器に好適である。
なお、実施例1、2ともに、ゲスト材料としてBDAVBiを用いた例について説明したが、ゲスト材料は、発光波長が約450nm〜約470nmのものであれば、ゲスト材料の発光スペクトルとホスト材料の吸収スペクトルとの重なりが大きくなるため、以下の有機材料を用いてもよい。
・DPAVBi: 4,4' -Bis [4-(di-p-tolylamino)styryl] biphenyl
・DPAVB:4-(Di-p-tolylamino)-4'-[(di-p-tolylamino)styryl]stilbene
・MDP3FL:
2,7-Bis{2-[phenyl(m-tolyl)amino]-9,9-dimethyl-fluorene-7-yl}-9,9-dimethyl-fluorene
・N−BDAVBi:
N-(4-((E)-2-(6-((E)-4-(diphenylamino)styryl)naphthalen-2-yl)vinyl)phenyl)-N-phenylbenzenamine
[実施例3]
実施例3では、実施例1、2よりもさらに長寿命化が可能な青色発光素子用の有機材料を用いた有機EL素子について説明する。
実施の形態3で用いる青色発光素子用の有機材料は、アントラセンを置換基に導入し、かつ熱的・化学的に安定な主骨格(中心骨格)を導入することにより、発光効率の向上と長寿命化を達成した有機材料である。
図8は、実施例3の有機EL素子の断面構造の一部を示す図である。
図8に示すように、実施例3の有機EL素子30は、透明基板1、正電極2、正孔注入層21、正孔輸送層3、有機層34、電子輸送層5、及び負電極6を含む。
実施例3の有機EL素子30は、発光層としての有機層34のホスト材料が実施例2の有機EL素子10の有機層4のホスト材料(Ad−Ant)と異なる。その他の構成要素は、以下で特に説明しない限り、実施例2の有機EL素子20(図4参照)の構成要素と同一であるため、同一又は同等の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
実施例1、2の有機EL素子10、20の有機層4に含まれるホスト材料は、嵩高い構造のアダマンチル基を主骨格とし、置換基に2つのフェニルアントラセンを有するアダマンタンアントラセン(Ad−Ant)である。
これに対して、実施例3の有機EL素子30の有機層34に含まれるホスト材料は、嵩高い構造のスピロビフルオレン基を主骨格とし、置換基に2つのアントラセンを有するスピロビフルオレンアントラセン(SF−Ant)である。有機層34の詳細については後述する。
また、実施例3では、正孔注入層21及び正孔輸送層3として、実施例2と同一組成のものだけでなく、実施例2とは異なる組成の正孔注入層21及び正孔輸送層3を用いた有機EL素子30も作製する。
正孔注入層21としては、実施例2と同様にスターバーストアミン(m−MTDATA)層、又は酸化モリブデン(MoOx)層を用いてもよいが、下記の式(8)に示すPEDOT:PSS(poly(3, 4-ethylenedioxythiophene):poly(styrenesulfonate))層、又はフッ化炭(CFx)層を用いてもよい。
Figure 2012044125
PEDOT:PSS層は、例えばスピンコート法によって作製することができる。フッ化炭(CFx)層は、例えば、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)法によって作製することができる。
正孔輸送層3としては、実施例1、2と同様に、ジフェニルナフチルジアミン(α−NPD)層を用いてもよいが、下記の式(9)に示すTPT−1(N4,N4'-(biphenyl-4,4'-diyl)bis(N4,N4',N4'-triphenylbiphenyl-4,4'-diamine))層を用いてもよい。
Figure 2012044125
なお、実施例2の有機EL素子20の正孔注入層21にPEDOT:PSS層、又はフッ化炭(CFx)層を用いてもよく、実施例1、2の有機EL素子10、20の正孔輸送層3としてTPT−1層を用いてもよい。
次に、実施例3の有機層34について説明する。
実施例3の有機EL素子30の有機層34で得られる発光は、正孔輸送層3、正電極2、及び透明電極1を透過して有機EL素子10の外部に放射される。
有機層34は、発光材料(ゲスト材料)として、下記の式(10)に示すBDAVBi(4,4'−ビス[4−(ジフェニルアミノ)スチリル]ビフェニル)を含有し、ホスト材料とともに共蒸着されて有機層中に拡散した状態になっている。BDAVBiは、色純度の高い青色の蛍光材料である。
Figure 2012044125
また、有機層34は、ホスト材料として下記の式(11)に示す有機材料を含む。式(11)に示す有機材料は、2つのアントラセン(置換基)の間にスピロビフルオレン基を主骨格として有するスピロビフルオレンアントラセン(SF−Ant: 2,2'-Di-anthlacenyl-9,9-spirobifluorene)である。スピロビフルオレン基は、実施例1、2のホスト材料の主骨格として用いたアダマンチル基のように、嵩高い構造を有する。なお、アントラセンを下記式(12)で示し、スピロビフルオレン基を下記式(13)で示す。
Figure 2012044125
Figure 2012044125
Figure 2012044125
SF−Antは、スピロビフルオレン基を主骨格として有することにより、高いガラス転移温度を持つ熱的、化学的に安定な有機材料である。SF−Antを有機層34のホスト材料として用いることにより、有機EL素子30の長寿命化が期待できる。
次に、図9を用いて、実施例3の有機層34にホスト材料として用いるSF−Antのガラス転移温度について説明する。
図9(A)は、実施例3の有機層34にホスト材料として用いるSF−Antの示差走査熱量測定結果(DSC:Differential Scanning Calorimetry)を示す図であり、図9(B)は、実施例2の有機層4にホスト材料として用いるAd−Antの示差走査熱量測定結果を示す図である。図9(A)、図9(B)において、横軸はホスト材料の温度(℃)であり、縦軸は熱流(Heat Flow (mW))である。
図9(A)に示すように、SF−Antのガラス転移温度Tgは、約110℃である。また、図9(B)に示すように、Ad−Antのガラス転移温度Tgは、約155℃である。
このように、SF−Antのガラス転移温度Tgは、Ad−Antのガラス転移温度Tgよりは低いものの、有機EL素子として用いるには十分に高いガラス転移温度を有することが分かった。
次に、図10を用いて、実施例3の有機EL素子30の有機層34の吸収スペクトルについて説明する。
図10は、実施例3の有機EL素子30の有機層34に用いるSF−Ant膜の蛍光スペクトルと、BDAVBiの吸収スペクトルを示す特性図である。BDAVBi吸収スペクトルは、溶液分散条件下で測定したものである。
図10において、横軸が波長(nm)、右側の縦軸がBDAVBiの吸収スペクトルの強度を表し、左側の縦軸がSF−Ant膜の蛍光スペクトルの強度を表す。
図10に示すように、SF−Ant膜の蛍光スペクトルとBDAVBiの吸収スペクトルは、波長が約410nmから約450nmまで大きく重なっており、また、波長が約450nm以上の領域においても、BDAVBiの吸収スペクトルの強度は低いながらも重なりが確認できる。
このように、ホスト材料としてのSF−Ant膜の発光スペクトルと、ゲスト材料としてのBDAVBiの吸収スペクトルの重なりが大きいと、ホスト材料からゲスト材料への効率的なエネルギー移動が起こり、高い発光効率を得やすくなる。
実施例3の有機EL素子30は、SF−Antをホスト材料とし、BDAVBiをゲスト材料として含む有機層34を含むので、高いエネルギー移動効率が期待される。
次に、実施例3の有機EL素子30の外部量子効率について説明する。
図11は、実施例3の有機EL素子30における外部量子効率の電流密度依存性の測定結果を示す特性図である。
図11において、横軸が電流密度(mA/cm)、縦軸が外部量子効率(%)である。
図11に示す外部量子効率は、正孔注入層21としてPEDOT:PSS、正孔輸送層3としてα−NPDを用いた実施例3の有機EL素子30によって得られた特性である。
なお、実施例3の有機層34においても、ゲスト材料であるBDAVBiの濃度は1wt%である。
図11に示すように、約4%程度の最大効率が得られた。実施例1では約3%、実施例2では約5%以上であったので、実施例2には劣るものの、有機EL素子として利用可能なレベルの値が得られた。
次に、図12を用いて、実施例3の有機層34を含む有機EL素子30の素子特性評価結果、素子寿命評価結果について説明する。
図12は、実施例3の有機層34を含む有機EL素子30の素子特性評価結果、素子寿命評価結果を示す図である。
図12に示す評価結果は、実施例3の有機EL素子30を実施例2の有機EL素子20と比べた結果である。
ここで、上述のように、実施例2と実施例3の違いは、発光層としての有機層4、34に含まれるホスト材料である。実施例2の有機EL素子20は、有機層4のホスト材料として、Ad−Antを含み、実施例3の有機EL素子30は、有機層34のホスト材料として、SF−Antを含む。
このため、図12に示す評価結果は、有機層4、34のホスト材料として、Ad−AntとSF−Antを用いた場合の違いを表している。
図12の表に示すように、ホスト材料がAd−Antの有機層4と、ホスト材料がSF−Antの有機層34について、正孔注入層21、正孔輸送層3の材料を変えて評価を行った。
素子寿命評価については、初期輝度を500cd/mに設定して有機EL素子20、30を駆動し、定電流駆動で有機EL素子20、30の輝度が半減(250cd/m)に達した時間を輝度半減寿命と定義して評価を行った。
図12の表に示すように、最大外部量子効率は、Ad−Antを用いた実施例2の有機EL素子20の方がSF−Antを用いた実施例3の有機EL素子30よりも高い値が得られた。
また、寿命に関しては、Ad−Antを用いた実施例2の有機EL素子20は、正孔注入層21と正孔輸送層3の材料に依存して変化が認められるものの、最長でも250時間程度である。
これに対して、SF−Antを用いた実施例3の有機EL素子30は、正孔注入層21と正孔輸送層3についていずれの材料を用いた場合でも、1000時間を超える輝度半減寿命が得られた。
以上のように、実施例3によれば、アントラセンを置換基に有し、熱的、化学的に安定なスピロビフルオレン基を主骨格に有するSF−Antを有機層34のホスト材料に含むことにより、発光効率の向上と長寿命化を達成した有機EL素子30を提供することができる。
実施例3の有機EL素子30は、表示装置、照明機器に好適である。
なお、式(11)で示すSF−Ant(2,2'-Di-anthlacenyl-9,9-spirobifluorene)の代わりに、式(14)〜式(16)で示す有機材料を用いてもよい。式(14)で示す有機材料は2,7-Di-anthlacenyl-9,9-spirobifluorene、式(15)で示す有機材料は2-anthlacenyl-9, 9-spirobifluorene、式(16)で示す有機材料は2,2',7,7'-Quatro-anthlacenyl-9,9-spirobifluoreneである。
これらは、式(11)で示すSF−Ant(2,2'-Di-anthlacenyl-9,9-spirobifluorene)とはアントラセン(置換基)の数、位置が異なるが、SF−Antと同様に高いガラス転移温度を有し、有機EL素子の発光層のホスト材料に適している。
Figure 2012044125
Figure 2012044125
Figure 2012044125
[実施例4]
実施例4では、実施例3よりもさらに発光効率を向上させた青色発光素子用の有機材料を用いた有機EL素子について説明する。
実施例4で用いる青色発光素子用の有機材料は、アントラセンを置換基に導入し、かつ隣接するホスト材料間の距離を離す構造を導入し、かつ熱的・化学的に安定な主骨格(中心骨格)を導入することにより、発光効率のさらなる向上と長寿命化を達成した有機材料である。
図13は、実施例4の有機EL素子の断面構造の一部を示す図である。
図13に示すように、実施例4の有機EL素子40は、透明基板1、正電極2、正孔注入層21、正孔輸送層3、有機層44、電子輸送層5、及び負電極6を含む。
実施例4の有機EL素子40は、発光層としての有機層44のホスト材料が実施例3の有機EL素子30の有機層34のホスト材料(スピロビフルオレンアントラセン(SF−Ant))と異なる。その他の構成要素は、以下で特に説明しない限り、実施例3の有機EL素子30(図8参照)の構成要素と同一であるため、同一又は同等の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
実施例4の有機EL素子40の有機層44に含まれるホスト材料は、2つのフェニルアントラセンの間にスピロビフルオレン骨格を導入したスピロビフルオレンフェニルアントラセン(SF−PhAnt)が含まれている。また、スピロビフルオレン骨格に接続する置換基をフェニルアントラセンとすることで、隣接する分子間のアントラセンの距離を離し、エキサイプレックス形成によるホストの発光の長波長シフトおよび発光効率低下を防ぐことができる。
次に、実施例4の有機層44について説明する。
実施例4の有機EL素子40の有機層44で得られる発光は、正孔輸送層3、正電極2、及び透明電極1を透過して有機EL素子10の外部に放射される。
有機層44は、発光材料(ゲスト材料)として、実施例3において式(10)で示したBDAVBi(4,4'−ビス[4−(ジフェニルアミノ)スチリル]ビフェニル)を含有し、ホスト材料とともに共蒸着されて有機層中に拡散した状態になっている。BDAVBiは、色純度の高い青色の蛍光材料である。
また、有機層44は、ホスト材料として下記の式(17)に示す有機材料を含む。式(17)に示す有機材料は、2つのフェニルアントラセン(置換基)の間にスピロビフルオレン基を主骨格として有するスピロビフルオレンフェニルアントラセン(SF−PhAnt: 2,2'-Di-phenylanthlacenyl-9,9-spirobifluorene)である。
Figure 2012044125
SF−PhAntは、実施例3のSF−Antに比べて、フェニル基をアントラセンに付与することで、隣接するホスト間のアントラセン同士の距離を離すことで、エキサイプレックスの形成を抑制し高効率な素子が作製可能である。
なお、SF−PhAntのガラス転移温度Tgは、SF−Antと同様に、Ad−Antのガラス転移温度Tgよりは低いものの、有機EL素子として用いるには十分に高いガラス転移温度を有する。
次に、図14を用いて、実施例4の有機EL素子40の有機層44の吸収スペクトルについて説明する。
図14は、実施例4の有機EL素子40の有機層44に用いるSF−PhAnt膜の蛍光スペクトルと、実施例3の有機EL素子30の有機層34に用いるSF−Ant膜の蛍光スペクトルと、BDAVBiの吸収スペクトルを示す特性図である。BDAVBi吸収スペクトルは、溶液分散条件下で測定したものである。
図14において、横軸が波長(nm)、右側の縦軸がBDAVBiの吸収スペクトルの強度を表し、左側の縦軸がSF−PhAnt膜とSF−Ant膜の蛍光スペクトルの強度を表す。なお、SF−Ant膜の蛍光スペクトルの強度は、図10に示した特性と同一である。
図14に示すように、SF−PhAnt膜の蛍光スペクトルとBDAVBiの吸収スペクトルは、波長が約390nmから約450nmまで大きく重なっており、また、波長が約450nm以上の領域においても、BDAVBiの吸収スペクトルの強度は低いながらも重なりが確認できる。SF−PhAnt膜の蛍光スペクトルは、SF−Ant膜の蛍光スペクトルに比べて短波長側にシフトしている。
SF−PhAntとBDAVBiのスペクトルの重なりは、SF−AntとBDAVBiのスペクトルの重なりよりも大きいことが確認できる。このように、SF−Antにフェニル基を付与することで、発光スペクトルの長波長側へのシフトを抑制でき、SF−PhAntからBDAVBiへの効率的なエネルギー移動による素子の高効率化が期待できる。
なお、実施例3のSF−Antが実施例4のSF−PhAntよりも発光効率が低い原因として、隣接する分子のアントラセン同士の相互作用によるエキサイプレックス形成が考えられる。エキサイプレックスを形成すると発光効スペクトルが長波長側にシフトし、ホストの発光とゲストの吸収スペクトルの重なりが小さくなり、結果的には素子の発光効率も小さくなるからである。
次に、実施例4の有機EL素子40の外部量子効率について説明する。
図15は、実施例4の有機EL素子40における外部量子効率の電流密度依存性の測定結果を示す特性図である。なお、比較のために、図15には、実施例3の有機EL素子30における外部量子効率の電流密度依存性の測定結果も示す。
図15において、横軸が電流密度(mA/cm)、縦軸が外部量子効率(%)である。
図15に示す外部量子効率は、正孔注入層21としてm−MTDATA、正孔輸送層3としてα−NPDを用いた実施例4の有機EL素子40によって得られた特性である。
なお、実施例4の有機層44においても、ゲスト材料であるBDAVBiの濃度は3wt%である。
図15に示すように、7%強の最大効率が得られた。実施例1では約3%、実施例2では約5%以上、実施例3では約4%であったので、実施例1乃至3のすべてよりも良好な結果が得られた。
これは上述の通り、フェニル基の導入によりホスト材料からゲスト材料へ効率的なエネルギー移動が起こった結果であると考えられる。このように、SF−PhAntを用いることで、高効率な青色蛍光素子が実現できた。
次に、図16を用いて、実施例4の有機層44を含む有機EL素子40の素子特性評価結果、素子寿命評価結果について説明する。
図16は、実施例4の有機層44を含む有機EL素子40の素子特性評価結果、素子寿命評価結果を示す図である。
図16に示す素子特性評価結果、素子寿命評価結果は、図12に示す素子特性評価結果、素子寿命評価結果に、実施例4の有機層44を含む有機EL素子40の素子特性評価結果、素子寿命評価結果(下2行)を加えたものである。
なお、素子寿命評価については、初期輝度を500cd/mに設定して有機EL素子20、30を駆動し、定電流駆動で有機EL素子20、30の輝度が半減(250cd/m)に達した時間を輝度半減寿命と定義して評価を行った。
最大外部量子効率は、SF−PhAntを用いた素子が高い値を示している。SF−PhAntを用いた素子の寿命に関しては、SF−Antを用いた場合同様、Ad−Antを用いた素子に比べ、長い輝度半減寿命を有する。
以上のように、アントラセンを置換基に持つ熱・化学的に安定な化合物を合成することで、高効率かつ長寿命な素子を得ることができた。
以上のように、実施例4によれば、アントラセンを置換基に有し、2つのフェニルアントラセンの間にスピロビフルオレン骨格を導入したスピロビフルオレンフェニルアントラセン(SF−PhAnt)を有機層44のホスト材料に含むことにより、発光効率の向上と長寿命化を達成した有機EL素子40を提供することができる。
実施例4の有機EL素子40は、表示装置、照明機器に好適である。
なお、SF−PhAnt(2,2'-Di-phenylanthlacenyl-9,9-spirobifluorene)の代わりに、式(18)〜式(20)で示す有機材料を用いてもよい。
Figure 2012044125
Figure 2012044125
Figure 2012044125
式(18)で示す有機材料は2,7-Di-phenylanthlacenyl-9,9-spirobifluorene、式(19)で示す有機材料は2-phenylanthlacenyl-9, 9-spirobifluorene、式(20)で示す有機材料は、2',7,7'-Quatro-phenylanthlacenyl-9,9-spirobifluoreneである。これらは、式(17)で示すSF−PhAnt(2,2'-Di-phenylanthlacenyl-9,9-spirobifluorene)とはアントラセン(置換基)の数、位置が異なるが、SF−PhAntと同様に高いガラス転移温度と、発光スペクトルの長波長側へのシフトを抑制する効果を有し、有機EL素子の発光層のホスト材料に適している。
以上、本発明の例示的な実施の形態(実施例)の有機EL素子について説明したが、本発明は、具体的に開示された実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
1 透明基板
2 正電極
3 正孔輸送層
4、34、44 有機層
5 電子輸送層
6 負電極
10、20、30、40 有機EL素子
21 正孔注入層

Claims (8)

  1. 陽極と陰極の間に、ホスト材料とゲスト材料を混合した発光性の有機層を含む有機EL素子であって、
    前記有機層の前記ホスト材料は、アダマンチル基又はスピロビフルオレン基を主骨格とするとともに、置換基にアントラセンを含む有機材料である、有機EL素子。
  2. 前記アダマンチル基を主骨格とする前記ホスト材料は、下記の式(1)で表される有機材料である、請求項1に記載の有機EL素子。
    Figure 2012044125
  3. 前記スピロビフルオレン基を主骨格とする前記ホスト材料は、下記の式(2)で表される有機材料である、請求項1に記載の有機EL素子。
    Figure 2012044125
  4. 前記アントラセンに、フェニル基を付与した、請求項3に記載の有機EL素子。
  5. 前記ゲスト材料は、前記ホスト材料の発光波長領域に吸収波長を有する蛍光材料である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の有機EL素子。
  6. 前記陽極と前記有機層との間に、正孔注入層を含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の有機EL素子。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の有機EL素子を含む、表示装置。
  8. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の有機EL素子を含む、照明機器。
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