JP2012044106A - 透明保護シートおよびこれを用いた太陽電池モジュール - Google Patents

透明保護シートおよびこれを用いた太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】加熱処理により透明性が低下しない透明保護シートおよびこれを用いた太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】本発明の透明保護シート10は、支持基材シート11と、支持基材シート11の少なくとも一方の面11aに積層された熱融着性樹脂層12と、を備え、熱融着性樹脂層12を構成する熱融着性樹脂が造核剤を含有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池モジュールの表面保護シートまたは裏面保護シートなどとして用いられる透明保護シートおよびこれを用いた太陽電池モジュールに関する。
太陽電池モジュールは、光電変換を行う太陽電池セルと、太陽電池セルを封止する電気絶縁体からなる封止材と、太陽電池セルの表面側および裏面側に積層された保護シートとから概略構成されている。
このような太陽電池モジュールは、太陽電池セルの表面側に封止材と表面保護シートを順に積層し、太陽電池セルの裏面側に封止材と裏面保護シートを順に積層した後、この積層体を真空チャンバーの中で加熱・加圧し、一体化することにより製造される。
太陽電池モジュール用裏面保護シートとしては、耐加水分解性を有するポリエステル基材の封止材側の面に、エポキシ化合物、シラン化合物、または、これら2種の化合物のいずれかによりグラフト変成したエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、または、これらの混合物のいずれか1種を主成分する熱融着性樹脂層を積層してなるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−108947号公報
上記のような太陽電池モジュール用裏面保護シートでは、太陽電池セル、封止材および保護シートからなる積層体を、加熱・加圧する工程において、熱融着性樹脂層中に大きな球晶が生成することがあった。このように熱融着性樹脂層中に大きな球晶が生成すると、その球晶が光を散乱するため、保護シートの透明性が低下するという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、加熱処理により透明性が低下しない透明保護シートおよびこれを用いた太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
本発明の透明保護シートは、支持基材シートと、該支持基材シートの少なくとも一方の面に積層された熱融着性樹脂層と、を備えた透明保護シートであって、前記熱融着性樹脂層を構成する熱融着性樹脂が造核剤を含有することを特徴とする。
前記造核剤の含有量は、前記熱融着性樹脂層を構成する樹脂100質量部に対して、0.05〜1.0質量部であることが好ましい。
加熱処理後におけるヘーズの値が5%以下であることが好ましい。
本発明の太陽電池モジュールは、太陽電池セルと、該太陽電池セルを封止する封止材と、該封止材に積層された透明保護シートとを備えた太陽電池モジュールであって、前記透明保護シートは、本発明の透明保護シートからなり、前記透明保護シートは、前記熱融着性樹脂層を介して、前記封止材に積層されたことを特徴とする。
本発明の透明保護シートによれば、熱融着性樹脂層を構成する熱融着性樹脂が造核剤を含有するので、熱融着性樹脂層を構成する結晶性高分子の結晶サイズが微細化されるから、太陽電池セル、封止材および透明保護シートからなる積層体を一体化するための加熱処理により、その熱融着性樹脂層中に大きな球晶が生成するのを抑制できる。したがって、熱融着性樹脂層における光の散乱現象を抑えることによりヘーズの上昇を抑え、ひいては、熱融着性樹脂層の透明性が低下するのを防止できる。
本発明の透明保護シートの第一の実施形態を示す概略断面図である。 本発明の透明保護シートの第二の実施形態を示す概略断面図である。 本発明の透明保護シートの第三の実施形態を示す概略断面図である。 本発明の太陽電池モジュールの一実施形態を示す概略断面図である。
本発明の透明保護シートおよびこれを用いた太陽電池モジュールの実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
(1)第一の実施形態
「透明保護シート」
図1は、本発明の透明保護シートの第一の実施形態を示す概略断面図である。
この実施形態の透明保護シート10は、支持基材シート11と、支持基材シート11の一方の面11aに、接着剤層13を介して積層された熱融着性樹脂層12とから概略構成されている。
この透明保護シート10は、太陽電池モジュールの表面保護シート(フロントシート)または裏面保護シート(バックシート)に適用されるものである。
支持基材シート11としては、透明で、電気絶縁性を有し、熱融着性樹脂層12が積層可能な樹脂シートが用いられる。
支持基材シート11に用いられる樹脂シートとしては、太陽電池モジュール用保護シートにおける支持基材シートとして一般的に用いられるものが選択される。
支持基材シート11に用いられる樹脂シートとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66)、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリオキシメチレン、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリエステルウレタン、ポリm−フェニレンイソフタルアミド、ポリp−フェニレンイソフタルアミドなどのポリマーを製膜してなり、延伸フィルムまたは無延伸フィルムからなるシートが挙げられる。
これらの樹脂シートの中でも、透明性、電気絶縁性、耐熱性、耐薬品性、寸法安定性および形成性が良好であることから、PET、PBT、PENなどのポリエステルからなるシートが好ましく、より具体的にはPETシートが好適である。
支持基材シート11の厚さは、太陽電池モジュールに要求される電気絶縁性に基づいて適宜選定され、通常、10μm〜400μmの範囲であることが好ましい。より具体的には、支持基材シート11がPETシートである場合、軽量化および電気絶縁性の観点から、その厚さが20μm〜350μmの範囲であることが好ましく、50μm〜300μmの範囲であることがより好ましく、100μm〜250μmの範囲であることが最も好ましい。
また、支持基材シート11には、透明性や密着性、耐候性などを損なわない限り、種々の添加剤を配合することができる。
添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤などが挙げられる。
熱融着性樹脂層12は、結晶性かつ熱融着性の樹脂から構成されてなるものであって、造核剤を含有してなる層である。この熱融着性樹脂層12は、太陽電池モジュールを構成する封止材との接着に用いられる接着層をなしている。
熱融着性樹脂層12を構成する樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリビニルブチラール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル部分ケン化物、ポリエステル変性樹脂、アイオノマー、シリコン系接着樹脂などが挙げられる。
造核剤としては、ジベンジリデンソルビトールなどのソルビトール化合物、有機リン酸エステル系化合物、ロジン酸塩系化合物、C4〜C12の脂肪族ジカルボン酸およびその金属塩、芳香族カルボン酸およびその金属塩などが挙げられる。
これらの中でも、有機リン酸エステル系化合物が好ましい。有機リン酸エステル系化合物は、下記の一般式(1)および/または(2)で表わされる化合物である。
Figure 2012044106
Figure 2012044106
上記の一般式(1)、(2)中、Rは炭素原子数1〜10の2価炭化水素基であり、RおよびRは水素または炭素原子数1〜10の炭化水素基であって、RとRは同一であっても異なっていてもよく、Mは1〜3価の金属原子であり、nは1〜3の整数であり、mは1または2である。
一般式(1)で表わされる有機リン酸エステル系化合物の具体例としては、ナトリウム−2,2´−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2´−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム−2,2´−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル) フォスフェート、リチウム−2,2´−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2´−エチリデン−ビス(4−i−プロピル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム−2,2´−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム−2,2´−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2´−ブチリデン−ビス(4,6−ジ−メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2´−ブチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2´−t−オクチルメチレン−ビス(4,6−ジ−メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2´−t−オクチルメチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、カルシウム−ビス−(2,2´−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート)、マグネシウム−ビス[2,2´−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、バリウム−ビス[2,2´−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ナトリウム−2,2´−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2´−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2´−エチリデン−ビス(4−m−ブチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2´−メチレン−ビス(4,6−ジ−メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2´−メチレン−ビス(4,6−ジ−エチルフェニル)フォスフェート、カリウム−2,2´−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、カルシウム−ビス[2,2´−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、マグネシウム−ビス[2,2´−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル) フォスフェート]、バリウム−ビス[2,2´−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、アルミニウム−トリス[2,2´−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、アルミニウム−トリス[2,2´−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、および、これらの2種以上の混合物などが挙げられる。
一般式(2)で表わされる有機リン酸エステル系化合物としては、ヒドロキシアルミニウムフォスフェート化合物も使用可能であって、ヒドロキシアルミニウムフォスフェート化合物の中でも、特に、RおよびRが共にt−ブチル基である、下記の一般式(3)で表わされる化合物が好ましい。
Figure 2012044106
上記の一般式(3)において、Rは炭素原子数1〜10の2価炭化水素基であり、mは1または2である。
このような有機リン酸エステル系化合物の中でも特に好ましいものは、下記の一般式(4)で表わされる化合物である。
Figure 2012044106
上記の一般式(4)において、Rはメチレン基またはエチリデン基である。
一般式(4)で表わされる有機リン酸エステル系化合物の具体例としては、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチル)フォスフェート]、または、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチル)フォスフェート]が挙げられる。
ソルビトール系化合物としては、具体的には、1,3,2,4−ジベンジリデンソルビトール、1,3−ベンジリデン−2,4−p−メチルベンジリデンソルビトール、1,3−ベンジリデン−2,4−p−エチルベンジリデンソルビトール、1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−ベンジリデンソルビトール、1,3−p-エチルベンジリデン−2,4−ベンジリデンソルビトール、1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−p−エチルベンジリデンソルビトール、1,3−p−エチルベンジリデン−2,4−p−メチルベンジリデンソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−n−プロピルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−i−プロピルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−n−ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−s−ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−t−ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−メトキシベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−エトキシベンジリデン)ソルビトール、1,3−ベンジリデン−2,4−p−クロルベンジリデンソルビトール、1,3−p−クロルベンジリデン−2,4−ベンジリデンソルビトール、1,3−p−クロルベンジリデン−2,4−p−メチルベンジリデンソルビトール、1,3−p−クロルベンジリデン−2,4−p−エチルベンジリデンソルビトール、1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−p−クロルベンジリデンソルビトール、1,3−p−エチルベンジリデン−2,4−p−クロルベンジリデンソルビトールもしくは1,3,2,4−ジ(p−クロルベンジリデン)ソルビトールなどが挙げられる。これらの中でも、特に、1,3,2,4−ジベンジリデンソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、または、1,3−p−クロルベンジリデン−2,4−p−メチルベンジリデンソルビトールが好ましい。
C4〜C12の脂肪族ジカルボン酸およびその金属塩としては、具体的には、コハク酸、グルタール酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、および、これらのリチウム(Li)塩、ナトリウム(Na)塩、マグネシウム(Mg)塩、カルシウム(Ca)塩、バリウム(Ba)塩、アルミニウム(Al)塩などが挙げられる。
造核剤として使用可能な芳香族カルボン酸およびその金属塩としては、安息香酸、アリル置換酢酸、芳香族ジカルボン酸、および、これらの元素周期律表第I族、第II族、第III族に属する金属の塩が挙げられる。具体的には、安息香酸、p−イソプロピル安息香酸、o−第3級ブチル安息香酸、p−第3級ブチル安息香酸、モノフェニル酢酸、ジフェニル酢酸、フェニルジメチル酢酸、フタル酸、および、これらのリチウム(Li)塩、ナトリウム(Na)塩、マグネシウム(Mg)塩、カルシウム(Ca)塩、バリウム(Ba)塩、アルミニウム(Al)塩などが挙げられる。
造核剤の含有量は、熱融着性樹脂層12を構成する樹脂100質量部に対して、0.05〜1.0質量部であることが好ましく、0.1〜0.8質量部であることがより好ましく、0.2〜0.5質量部であることが最も好ましい。
造核剤の含有量が0.05質量部未満では、熱融着性樹脂層12中に生成される結晶サイズを微細化する効果が得られず、結果として、加熱処理により、熱融着性樹脂層12中に大きな球晶が生成することを抑制できないおそれがある。一方、造核剤の含有量が1.0質量部を超えると、熱融着性樹脂層12の透過率を低下させるおそれがある。
また、熱融着性樹脂層12を構成する樹脂には、透明性、密着性、耐候性などを損なわない限り、種々の添加剤を配合することができる。
添加剤としては、中和剤、滑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などが挙げられる。
中和剤としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどが挙げられる。
滑剤としては、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、ステアリルエルカアミド、オレイルパルミトアミドなどが挙げられる。
熱融着性樹脂層12の厚さは、支持基材シート11、および、太陽電池モジュールの封止材に応じて適宜調節される。熱融着性樹脂層12の厚さは、例えば、1μm〜200μmの範囲であることが好ましく、軽量性および電気絶縁性などの観点から、10μm〜200μmの範囲であることがより好ましく、50μm〜150μmの範囲であることがさらに好ましく、80μm〜120μmの範囲であることが最も好ましい。
接着剤層13を構成する接着剤としては、ウレタン系接着剤が用いられる。
本発明において、ウレタン系接着剤とは、イソシアネート化合物とポリオール化合物の反応で硬化し、ウレタン結合を有する接着剤樹脂をいう。
ウレタン系樹脂に用いられるポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオールなどが挙げられる。
ウレタン系接着剤に用いられるポリエステルポリオールは、二塩基酸とジオールとを反応させることにより得られる。
脂肪族二塩基酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸などが挙げられる。
芳香族系二塩基酸としては、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。
ジオールとしては、脂肪族ジオール、脂環式ジオール、芳香族ジオールなどが挙げられる。
脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ドデカンジオールなどが挙げられる。
脂環式ジオールとしては、シクロヘキサンジオール、水添キシレングリコールなどが挙げられる。
芳香族ジオールとしては、キシレングリコールなどが挙げられる。
これら二塩基酸およびジオールは、それぞれ1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
さらに、ポリエステルポリオールの両末端のヒドロキシ基を、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4−ジイソシアネートなどから選ばれるイソシアネート化合物の単体、あるいは、少なくとも1種以上から選択されるイソシアネート化合物のアダクト体、ビュレット体、イソシアヌレート体を用いて鎖伸長したポリエステルウレタンポリオールなどが挙げられる。
ウレタン系接着剤に用いられるポリカーボネートポリオールは、カーボネート化合物とジオールとを反応させることにより得られる。
カーボネート化合物としては、ジメチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネートなどが挙げられる。
ジオールとしては、脂肪族ジオール、脂環式ジオール、芳香族ジオールなどが挙げられる。
脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ドデカンジオールなどが挙げられる。
脂環式ジオールとしては、シクロヘキサンジオール、水添キシレングリコールなどが挙げられる。
芳香族ジオールとしては、キシレングリコールなどが挙げられる。
さらに、ポリカーボネートポリオールとしては、上記のジオールの1種以上の混合物が用いられたポリカーボネートポリオール、あるいは、上記のイソシアネート化合物により鎖伸長を施したポリカーボネートウレタンポリオールが用いられる。
ウレタン系接着剤に用いられるアクリルポリオールとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシ基含有モノマーを必須の構成成分とし、(メタ)アクリル酸、アルキル(メタ)アクリレート系モノマーを主な構成成分とするものが用いられる。
アルキル(メタ)アクリレート系モノマーを構成するアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
さらに、アクリルポリオールとしては、アミド基含有モノマー、グリシジル基含有モノマーなどを共重合させたアクリルポリオールが用いられる。
アミド基含有モノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド(アルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基など)、N−アルコキシ(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルコキシ(メタ)アクリルアミド(アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基など)、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
グリシジル基含有モノマーとしては、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどが挙げられる。
さらに、アクリルポリオールとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、マレイン酸、アルキルマレイン酸モノエステル、フマル酸、アルキルフマル酸モノエステル、イタコン酸、アルキルイタコン酸モノエステル、(メタ)アクリロニトリル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ブタジエンなどのモノマーを共重合したものを用いることが可能である。
ここで、「(メタ)アクリル酸」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸とα位にメチル基が結合したメタクリル酸の一方または両方を意味する。
「(メタ)アクリル酸エステル」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸エステルとα位にメチル基が結合したメタクリル酸エステルの一方または両方を意味する。
「(メタ)アクリレート」とは、α位に水素原子が結合したアクリレートとα位にメチル基が結合したメタクリレートの一方または両方を意味する。
また、本発明においては、イソシアネート硬化型アクリル系粘着剤樹脂もウレタン系樹脂に含まれるものとする。
また、接着剤層13には、透明性、密着性、耐候性などを損なわない限り、種々の添加剤を配合することができる。
添加剤としては、例えば、カップリング剤(シラン系、金属系)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、消泡剤、増粘剤、レベリング剤、硬化促進剤、ゲル化防止剤などが挙げられる。
接着剤層13の厚さは、支持基材シート11、および、熱融着性樹脂層12に応じて適宜調節される。接着剤層13の厚さは、例えば、1μm〜25μmの範囲であることが好ましく、軽量性および電気絶縁性などの観点から、2μm〜20μmの範囲であることがより好ましく、3μm〜10μmの範囲であることが最も好ましい。
この透明保護シート10は、熱融着性樹脂層12を構成する樹脂が造核剤を含有するので、熱融着性樹脂層12を構成する結晶性高分子の結晶サイズが微細化されるから、太陽電池セル、封止材および透明保護シート10からなる積層体を一体化するための加熱処理により、熱融着性樹脂層12中に大きな球晶が生成するのを抑制できる。したがって、熱融着性樹脂層12における光の散乱現象を抑えることによりヘーズの上昇を抑え、ひいては、熱融着性樹脂層12の透明性が低下するのを防止できる。具体的には、透明保護シート10の加熱処理(150℃、1atm、15分)後におけるヘーズの値を5%以下に抑えることができる。
なお、この実施形態では、支持基材シート11の一方の面11aに、接着剤層13を介して熱融着性樹脂層12が積層された透明保護シート10を例示したが、本発明はこれに限定されない。支持基材シート11の一方の面11aに、接着剤層13を介さずに、直接、熱融着性樹脂層12を積層してもよい。
「透明保護シートの製造方法」
次に、図1を参照して、透明保護シート10の製造方法について説明する。
Tダイ押出機を用いて、熱融着性樹脂層12を形成する樹脂材料を溶融・混練し、所定の厚みの熱融着性樹脂層12をなす熱融着性樹脂シートを成形する。熱融着性樹脂層12を形成する樹脂材料を溶融する温度は、80〜350℃であることが好ましく、より好ましくは150〜300℃である。
次いで、支持基材シート11の一方の面11aに、ロッドコーターなどを用いて、接着剤を塗布し、接着剤層13を形成する。
次いで、熱融着性樹脂層12をなす熱融着性樹脂シートの一方の面にコロナ処理を行い、そのコロナ処理面を接着剤層13に向けて、温度20〜120℃にて、支持基材シート11の一方の面11aに熱融着性樹脂シートをラミネートした後、23℃、50%RH環境下で4〜7日間養生し、透明保護シート10を得る。
(2)第二の実施形態
図2は、本発明の透明保護シートの第二の実施形態を示す概略断面図である。
図2において、図1に示した透明保護シート10と同じ構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
この実施形態の透明保護シート20は、第一の実施形態と同様に、太陽電池モジュールのフロントシートまたはバックシートに適用される。
透明保護シート20においては、第一の実施形態の太陽電池モジュール用保護シート10の構造に加えて、蒸着層14がさらに設けられている。
この実施形態では、支持基材シート11、熱融着性樹脂層12および接着剤層13は、第一の実施形態と同様な構成である。
蒸着層14は、支持基材シート11の熱融着性樹脂層12が設けられている面(以下、「一方の面」と言う。)11aに積層され、支持基材シート11と接着剤層13の間に介在している。
蒸着層14は、金属および金属の酸化物、窒化物、珪化物などの無機材料から構成されるものであり、支持基材シート11に対する蒸着によって形成されるものであれば特に限定されない。
蒸着層14を形成する蒸着方法としては、例えば、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法などの化学気相法、または、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの物理気相法が用いられる。これらの方法の中でも、操作性や層厚の制御性を考慮した場合、真空蒸着法が好ましい。
この蒸着層14は、水蒸気バリア性を有した防湿層として機能する。また、蒸着層14は、太陽電池モジュールに適用することにより、太陽電池モジュールの耐湿性を高めることができる。
金属としては、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトウリム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)などの金属が用いられる。
これらの金属の酸化物、窒化物、酸窒化物としては、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化スズ、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸窒化アルミニウムなどが挙げられる。
蒸着層14は、一種の無機材料からなるものであっても、複数種の無機材料からなるものであってもよい。
蒸着層14が複数種の無機材料からなる場合、各無機材料からなる層が順に蒸着された積層構造の蒸着層であってもよく、複数種の無機材料が同時に蒸着された蒸着層であってもよい。
蒸着層14の厚みは、水蒸気バリア性を考慮して適宜設定され、用いる無機材料の種類や蒸着密度などによって変更される。蒸着層14の厚みは、5nm〜200nmであることが好ましく、より好ましくは10nm〜100nmである。
透明保護シート20によれば、第一の実施形態の透明保護シート10に加えて、支持基材シート11に蒸着層14を設けることにより、透明保護シート10の効果に加えて、耐湿性を向上させることができる。
また、この実施形態では、支持基材シート11の一方の面11aに蒸着層14が設けられた透明保護シート20を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、支持基材シートの両面(一方の面および他方の面)に蒸着層が設けられていてもよい。
(3)第三の実施形態
図3は、本発明の透明保護シートの第三の実施形態を示す概略断面図である。
図3において、図1に示した透明保護シート10、および、図2に示した透明保護シート20と同じ構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
この実施形態の透明保護シート30は、第一の実施形態および第二の実施形態と同様に、太陽電池モジュールのフロントシートまたはバックシートに適用される。
透明保護シート30においては、第二の実施形態の透明保護シート20の構造に加えて、フッ素樹脂層15がさらに設けられている。
この実施形態では、支持基材シート11、熱融着性樹脂層12および接着剤層13は、第一の実施形態と同様な構成であり、蒸着層14は、第二の実施形態と同様な構成である。
フッ素樹脂層15は、支持基材シート11の熱融着性樹脂層12が形成されている面とは反対側の面(以下、「他方の面」と言う。)11bに積層されている。
フッ素樹脂層15の厚みは、耐候性、耐薬品性、軽量化などを考慮して設定され、5μm〜50μmの範囲が好ましく、10μm〜30μmの範囲がより好ましい。
フッ素樹脂層15としては、フッ素を含む層であれば特に制限されない。このフッ素を含む層を形成するものとしては、例えば、フッ素含有樹脂からなるシート、フッ素含有樹脂を含有する塗料を塗布してなる塗膜などが挙げられる。
フッ素樹脂層15がフッ素含有樹脂からなるシートである場合、接着剤層13´を介して、支持基材シート11の他方の面11bにフッ素樹脂層15が積層される。
この接着剤層13´を構成する接着剤としては、接着剤層13を構成する接着剤と同様のものが用いられる。
一方、フッ素樹脂層15がフッ素含有樹脂を含有する塗料を塗布してなる塗膜である場合、通常、接着剤層を介することなく、フッ素含有樹脂を含有する塗料を支持基材シート11に直接塗布することにより、フッ素樹脂層15が積層される。
フッ素含有樹脂からなるシートとしては、例えば、ポリフッ化ビニル(PVF)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE)またはエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)を主成分とする樹脂をシート状に加工したものが用いられる。
PVFを主成分とする樹脂としては、例えば、「Tedlar(商品名、E.I.du Pont de Nemours and Company社製)」が用いられる。
ECTFEを主成分とする樹脂としては、例えば、「Halar(商品名、Solvay Solexis社製)」が用いられる。
ETFEを主成分とする樹脂としては、例えば、「Fluon(商品名、旭硝子社製)」が用いられる。
フッ素含有樹脂を含有する塗料としては、溶剤に溶解または水に分散されたものであって、塗布可能なものであれば特に限定されない。
塗料に含まれるフッ素含有樹脂としては、本発明の効果を損なわず、フッ素を含有する樹脂であれば特に限定されないが、塗料の溶媒(有機溶媒または水)に溶解し、架橋可能であるものが用いられる。
具体的には、フルオロオレフィン樹脂としては、「LUMIFLON(商品名、旭硝子社製)」、「CEFRAL COAT(商品名、セントラル硝子社製)」、「FLUONATE(商品名、DIC社製)」などのクロロトリフルオロエチレン(CTFE)を主成分としたポリマー類、「ZEFFLE(商品名、ダイキン工業社製)」などのテトラフルオロエチレン(TFE)を主成分としたポリマー類などが挙げられる。
「LUMIFLON」は、CTFEと数種類の特定のアルキルビニルエーテル(VE)、ヒドロキシアルキルビニルエーテルとを主な構成単位として含む非結晶性の樹脂である。この「LUMIFLON」のように、ヒドロキシアルキルビニルエーテルのモノマー単位を有する樹脂は、溶剤可溶性、架橋反応性、基材密着性、硬さおよび柔軟性に優れるので好ましい。
「ZEFFLE」は、TFEと有機溶媒可溶性の炭化水素オレフィンとの共重合体であり、なかでも反応性の高い水酸基を備えた炭化水素オレフィンを含むものが、溶剤可溶性、架橋反応性、基材密着性および顔料分散性に優れるので好ましい。
塗料は、上述したフッ素含有樹脂の他に、架橋剤、溶媒を含んでいてもよい。
架橋剤としては、本発明の効果を損なうものでなければ特に限定されず、金属キレート類、シラン類、イソシアネート類またはメラミン類が好適に用いられる。
溶媒としては、本発明の効果を損なうものでなければ特に限定されず、例えば、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、アセトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、トルエン、キシレン、メタノール、イソプロパノール、エタノール、ヘプタン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチルまたはn−ブチルアルコールの群から選択されるいずれか1種または2種以上の有機溶媒を含む溶媒が好適に用いられる。
塗料を支持基材シート11の他方の面11bに塗布する方法としては、公知の方法が用いられ、例えば、ロッドコーターで所望の厚みになるように塗布すればよい。
支持基材シート11の他方の面11bに塗布した塗料の乾燥温度は、本発明の効果を損なわない温度であればよく、支持基材シート11への影響を低減する観点からは、50〜130℃の範囲であることが好ましい。
透明保護シート30によれば、第二の実施形態の透明保護シート20に加えて、フッ素樹脂層15を設けることにより、透明保護シート20の効果に加えて、耐候性を向上させることができる。
(4)第四の実施形態
図4は、本発明の太陽電池モジュールの一実施形態を示す概略断面図である。
太陽電池モジュール100は、結晶シリコン、アモルファスシリコンなどからなる太陽電池セル101と、太陽電池セル101を封止する電気絶縁体からなる封止材102と、封止材102の表面に積層された表面保護シート(フロントシート)103と、封止材102の裏面に積層された裏面保護シート(バックシート)104とから概略構成されている。
太陽電池モジュール100は、上述の第一〜第三の実施形態における透明保護シートが、フロントシート103またはバックシート104のいずれか一方に用いられたものである。
この実施形態では、封止材102を構成する樹脂が、ポリオレフィン系樹脂であることが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE、密度:0.910g/cm以上、0.930g/cm未満)、中密度ポリエチレン(MDPE、密度:0.930g/cm以上、0.942g/cm未満)、高密度ポリエチレン(HDPE、密度:0.942g/cm以上)などのポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、オレフィン系エラストマー(TPO)、シクロオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体などが用いられる。
このようにすれば、第一〜第三の実施形態の透明保護シートの熱融着性樹脂層12と封止材102との親和性が大きくなり、熱融着性樹脂層12と封止材102との大きな接着力が得られる。
第一〜第三の実施形態の透明保護シートを、フロントシートまたはバックシートに適用した太陽電池モジュールとすることにより、上述の効果を奏する太陽電池モジュールが得られる。
(5)第五の実施形態
この実施形態では、太陽電池モジュール100は、上述の第一〜第三の実施形態における透明保護シートが、フロントシート103およびバックシート104の両方に用いられたものである。
この実施形態でも、封止材102を構成する樹脂が、ポリオレフィン系樹脂であることが好ましい。
第一〜第三の実施形態の透明保護シートを、太陽電池モジュールのフロントシートおよびバックシートに適用した太陽電池モジュールとすることにより、光電変換効率が高い太陽電池モジュールを得ることができる。
さらに、太陽電池モジュールを構成する太陽電池セルにフレキシブル基板を用い、上記の第一〜第三の実施形態の透明保護シートをフロントシートおよびバックシートとして設けることにより、フレキシブル性を有する太陽電池モジュールを得ることができる。このように、太陽電池モジュールをフレキシブル化することにより、ロールtoロールで大量生産することが可能となる。また、フレキシブル性を有する太陽電池モジュールは、アーチ状や放物線状の壁面を有する物体にもフィットさせることができるので、ドーム状の建築物や高速道路の防音壁などに設置することが可能となる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
「接着剤の調製」
ポリエステルポリオール(商品名:タケラックA−515、固形分60%、三井化学社製)100質量部に、キシレンジイソシアネート(商品名:タケネートA−50、固形分75%、三井化学社製)11.1質量部と、トルエン289.2質量部とを添加し、混合することにより接着剤を調製した。
「熱融着性樹脂シート1」
エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量9%)100質量部に、造核剤としてヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]0.3質量部と、中和剤としてステアリン酸カルシウム0.1質量部と、滑剤としてエルカ酸アミド0.1質量部とを添加し、攪拌、混合した後、Tダイ製膜機により厚さ100μmの熱融着性樹脂シート1を成形した。
「熱融着性樹脂シート2」
ポリエチレン樹脂100質量部に、造核剤としてヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]0.3質量部と、中和剤としてステアリン酸カルシウム0.1質量部と、滑剤としてエルカ酸アミド0.1質量部とを添加し、攪拌、混合した後、Tダイ製膜機により厚さ100μmの熱融着性樹脂シート2を成形した。
「熱融着性樹脂シート3」
エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量9%)100質量部に、中和剤としてステアリン酸カルシウム0.1質量部と、滑剤としてエルカ酸アミド0.1質量部とを添加し、攪拌、混合した後、Tダイ製膜機により厚さ100μmの熱融着性樹脂シート3を成形した。
「熱融着性樹脂シート4」
ポリエチレン樹脂100質量部に、中和剤としてステアリン酸カルシウム0.1質量部と、滑剤としてエルカ酸アミド0.1質量部とを添加し、攪拌、混合した後、Tダイ製膜機により厚さ100μmの熱融着性樹脂シート4を成形した。
「実施例1」
PETフィルム(商品名:コスモシャイン A4100、厚み125μm、東洋紡績社製)の一方の面に、ロッドコーターを用いて接着剤を塗布し、80℃で1分間乾燥することにより、厚さ5μmの接着剤層を形成した。
また、熱融着性樹脂シート1の一方の面にコロナ処理を行い、そのコロナ処理面を、PETフィルムの一方の面に形成した接着剤層に向けて、温度40℃にて、PETフィルムの一方の面に熱融着性樹脂シート1をラミネートした後、23℃50%RH環境下で7日間養生し、実施例1の透明保護シートを得た。
「実施例2」
熱融着性樹脂シート1の代りに、熱融着性樹脂シート2を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2の透明保護シートを作製した。
「比較例1」
熱融着性樹脂シート1の代りに、熱融着性樹脂シート3を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例1の透明保護シートを作製した。
「比較例2」
熱融着性樹脂シート1の代りに、熱融着性樹脂シート4を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例2の透明保護シートを作製した。
「評価方法および評価結果」
(評価用シートの作製)
厚さ3mmの白板強化ガラス(鉄含有量が少ない強化ガラス)(AGCファブリック社製)の一方の面に、実施例および比較例で作製した透明保護シートの熱融着性樹脂層をガラス面に向けて重ね合わせ、真空チャンバーを用いて、圧力1atm、温度150℃の条件で15分間加熱処理することにより、評価用シートを作製した。
(透過率の測定)
評価用シートの透明保護シート側から光を照射し、波長400〜1200nmの分光透過率を測定し、その算術平均値を求めた。
分光透過率の測定には、分光光度計(装置名;UV−3600、島津製作所社製)を用いた。
結果を表1に示す。
(ヘーズの測定)
評価用シートの透明保護シート側から光を照射し、ヘーズを測定した。
ヘーズは、JIS K7136:2000(ISO14782:1999)に準拠して、ヘーズメーター(装置名:NDH−5000:日本電色工業社製)を用いて測定した。
結果を表1に示す。
Figure 2012044106
表1の結果から、実施例1、2の透明保護シートは、加熱処理後の透過率が84%以上、加熱処理後のヘーズの値が3.5%以下であり、透過率およびヘーズが比較例1、2よりも優れていることが確認された。
本発明の透明保護シートは、太陽電池モジュールのフロントシートまたはバックシートに適用できる。
10,20,30 透明保護シート
11 支持基材シート
12 熱融着性樹脂層
13,13´ 接着剤層
14 蒸着層
15 フッ素樹脂層
100 太陽電池モジュール
101 太陽電池セル
102 封止材
103 表面保護シート(フロントシート)
104 裏面保護シート(バックシート)

Claims (4)

  1. 支持基材シートと、該支持基材シートの少なくとも一方の面に積層された熱融着性樹脂層と、を備えた透明保護シートであって、
    前記熱融着性樹脂層を構成する熱融着性樹脂が造核剤を含有することを特徴とする透明保護シート。
  2. 前記造核剤の含有量は、前記熱融着性樹脂層を構成する樹脂100質量部に対して、0.05〜1.0質量部であることを特徴とする請求項1に記載の透明保護シート。
  3. 加熱処理後におけるヘーズの値が5%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の透明保護シート。
  4. 太陽電池セルと、該太陽電池セルを封止する封止材と、該封止材に積層された透明保護シートとを備えた太陽電池モジュールであって、
    前記透明保護シートは、請求項1〜3に記載の透明保護シートからなり、
    前記透明保護シートは、前記熱融着性樹脂層を介して、前記封止材に積層されたことを特徴とする太陽電池モジュール。
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