JP2012042779A - 偏光変換素子、及び偏光変換素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】接合層の品質が安定した偏光変換素子、及び偏光変換素子の製造方法を提供する。
【解決手段】第1の透光性部材と第2の透光性部材の境界面、または前記第1の透光性部材と第3の透光性部材の境界面に、反射膜と偏光分離膜の少なくともどちらか一方が挟み込まれて形成され、前記第2の透光性部材と前記第3の透光性部材の間には位相差材を挟持するように接合した接合面を備え、前記接合面の面積は前記反射膜または前記偏光分離膜の膜面の面積よりも広いことを特徴とする偏光変換素子、及びその製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】第1の透光性部材と第2の透光性部材の境界面、または前記第1の透光性部材と第3の透光性部材の境界面に、反射膜と偏光分離膜の少なくともどちらか一方が挟み込まれて形成され、前記第2の透光性部材と前記第3の透光性部材の間には位相差材を挟持するように接合した接合面を備え、前記接合面の面積は前記反射膜または前記偏光分離膜の膜面の面積よりも広いことを特徴とする偏光変換素子、及びその製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、偏光変換素子、及び偏光変換素子の製造方法に関する。
光ピックアップや液晶プロジェクター、その他の装置において、複数の透光性部材を積層して形成された光学物品が用いられている。
このような光学物品として、複数の透光性部材の間に偏光分離膜と反射膜とを交互に配置し、前記偏光分離膜の光射出面側に位相差板を設けた偏光変換素子が知られている。
このような光学物品として、複数の透光性部材の間に偏光分離膜と反射膜とを交互に配置し、前記偏光分離膜の光射出面側に位相差板を設けた偏光変換素子が知られている。
例えば、図12(W)、(X)、(Y)に示すように、第1の透光性部材205の一方の面に偏光分離膜(不図示)を形成し、もう一方の面に反射膜(不図示)を形成する。さらに、第2の透光性部材206の一方の面に隣接するように位相差材202を接合する。
次に第1の透光性部材205の偏光分離膜と位相差材202とが対向するように、第1の透光性部材205と第2の透光性部材206とを接合し、第1の透光性部材205の反射膜と第2の透光性部材206とが対向するように接合して積層していくことで積層体を得る。
この積層体を所定の角度の切断線214で切断した従来例(特許文献1および特許文献2参照)がある。図12の(W)、(X)、(Y)に示した工程例を経て、(Z)に示す偏光変換素子201を製造するものである。この偏光変換素子201の断面図を図11に示す。光線208の入射面に対して、偏光分離膜203と反射膜204と位相差板202はそれぞれ、概ね45°に配置されている。さらに、偏光分離膜203と位相差板202とは互いに隣接するように接合されている。
次に第1の透光性部材205の偏光分離膜と位相差材202とが対向するように、第1の透光性部材205と第2の透光性部材206とを接合し、第1の透光性部材205の反射膜と第2の透光性部材206とが対向するように接合して積層していくことで積層体を得る。
この積層体を所定の角度の切断線214で切断した従来例(特許文献1および特許文献2参照)がある。図12の(W)、(X)、(Y)に示した工程例を経て、(Z)に示す偏光変換素子201を製造するものである。この偏光変換素子201の断面図を図11に示す。光線208の入射面に対して、偏光分離膜203と反射膜204と位相差板202はそれぞれ、概ね45°に配置されている。さらに、偏光分離膜203と位相差板202とは互いに隣接するように接合されている。
このような光学物品の接合において、特に光線が透過する有効領域を含む部位を接合する場合には光学接着剤を用いる。この光学接着剤は紫外線照射や加温等により硬化すると実用上望まれる光学特性が得られるように材料設計された光学接着剤である。
しかしながら、偏光分離膜203と位相差材202を接合する際、これらの材料は互いに異種材料であるので、接合不良が起こりやすい。さらに、接着硬化後において偏光変換素子201を温度変化の大きい環境に放置すると、接合した表面における剥離が発生しやすい。
また、接合層の厚みを一定とするように製造した場合でも、光線が通過する光路に沿った接合層の厚みは、接合層への光線の入射角度が45°の場合が最も厚くなる。接着剤が経時変化することによる透過率の劣化等の不具合の程度は、劣化の程度を一定とした場合は、接合層を透過する光路の長さが長いほうが不利である。よって、接合層への光線の入射角度を45°とする従来例の構造では光学的劣化影響を一層強く受けるので、これらの点でも従来例の構造には問題があった。
異種材料を接合しても接合不良が発生しにくいようにし、また、接合層における経時変化による透過率の劣化等の不具合の影響を小さくすることを課題とした。
本発明の目的は、接合不良が少なく、光学特性が安定した接合層を備えた偏光変換素子を提供することにある。
[適用例1]本適用例における偏光変換素子は、複数の角柱形状の透光性部材を連設して平板形状とした偏光変換素子であって、前記偏光変換素子は互いに平行な光入射面と光出射面とを有し、前記透光性部材はそれぞれ複数の第1の透光性部材と第2の透光性部材と第3の透光性部材から構成され、前記第1の透光性部材と前記第2の透光性部材の境界面、または前記第1の透光性部材と前記第3の透光性部材の境界面に、反射膜と偏光分離膜の少なくともどちらか一方が挟み込まれて形成され、前記第2の透光性部材と前記第3の透光性部材の間には位相差材を挟持するように接合した接合面を備え、前記接合面の面積は前記反射膜または前記偏光分離膜の膜面の面積よりも広いことを特徴とする。
この構成の本適用例では、位相差材と第3の透光性部材を接合した接合面の面積が、第1の透光性部材と前記第2の透光性部材の境界面の面積よりも大きい。よって、この構成では、従来技術の構造の接合面よりも剥がれにくい接合強度を有する。また、この位相差材は第3の透光性部材に挟まれて空気中の酸素等から遮断されているので、この酸素等を原因とする劣化が抑えられる。さらに、偏光分離膜と位相差材が隣接して接合しないので、偏光分離膜を成膜する際の膜表面に形成される突起状異物等による接合不良の恐れが無い。
[適用例2]上記適用例にかかる偏光変換素子において、前記光入射面と前記偏光分離膜の膜面とが交わる鋭角の角度を∠Aとし、前記光入射面と前記位相差材とが交わる鋭角の角度を∠Bとすると、∠A>∠Bであることを特徴とする。
この構成の本適用例では、前記∠Aを前記∠Bよりも大きくすることにより、接合面の面積を境界面の面積よりも確実に大きくすることができる。
[適用例3]上記適用例にかかる偏光変換素子において、前記位相差材の一方の端は前記光入射面と前記反射膜とが交わる位置に配置され、前記位相差材のもう一方の端は前記光出射面と前記偏光分離膜との交わる位置に配置されることを特徴とする。
この構成の本適用例では、前記接合面の面積を広く確保することができ、好適な接合力を得ることができる。この構造が最も前記接合面の面積を広く確保できる。
[適用例4]上記適用例にかかる偏光変換素子において、前記光入射面と光出射面との間隔をSとし、前記光入射面に沿って隣り合う前記偏光分離膜と前記反射膜との間隔をTとすると、前記光入射面と前記偏光分離膜の膜面とが交わる鋭角の角度を∠Aとし、前記光入射面と前記位相差材とが交わる鋭角の角度を∠Bとすると、∠Aは45°であって、∠Bが数式1であることを特徴とする。
∠B=tan(2T/S)・・・・数式1
∠B=tan(2T/S)・・・・数式1
この構成の本適用例では、数式1で求められる角度を∠Bとすることにより、前記接合面の面積を広く確保することができ、好適な接合力を簡便に得ることができる。
[適用例5]本適用例における偏光変換素子の製造方法は、複数の角柱形状の透光性部材を交互に連設して、互いに平行な光入射面と光出射面とを有する平板形状の偏光変換素子の製造方法であって、前記透光性部材はそれぞれ複数の第1の透光性部材と第2の透光性部材と第3の透光性部材から構成され、位相差材と前記第2の透光性部材と前記第3の透光性部材とを互いに接合して積層体Mとする積層体M形成工程と、前記積層体Mを積層面に対し所定の角度で切断加工して、複数の板材mを提供する第1の切断工程と、前記第1の透光性部材と前記板材mとの少なくともどちらか一方の主面に偏光分離膜または反射膜を形成する光学機能膜形成工程と、前記第1の透光性部材と、前記板材mとを順次接合して積層体Nを形成する積層体N形成工程と、前記積層体Nを積層面に対し所定の角度で切断加工して偏光変換素子とする第2の切断工程を備えたことを特徴とする。
この構成の本適用例では、平板形状の透光性部材等を積層して積層体Nを形成し、この積層体Nを所定の角度で切断することにより、好適な生産性を伴った偏光変換素子の製造をすることができる。
[適用例6]上記適用例にかかる偏光変換素子を用いることを特徴とする投射型映像装置。
この構成の本適用例では、好適に接合された偏光変換素子を用いることにより、信頼性の高い投射型映像装置を提供することができる。
[光学系の構成]
図1は、本発明の実施形態における偏光変換素子を模式的に説明した断面図である。
図1に示される通り、偏光変換素子1は、互いに略平行な光入射面21と光出射面22とを有し、複数の第1の透光性部材5と第2の透光性部材6と第3の透光性部材7と位相差材2を連設している。なお、これら部材は境界面で接合層(不図示)を介して接合されている。
第1の透光性部材5と第2の透光性部材6との境界面には偏光分離膜3が設けられている。また、第1の透光性部材5と第3の透光性部材7との境界面には反射膜4が設けられている。
図1は、本発明の実施形態における偏光変換素子を模式的に説明した断面図である。
図1に示される通り、偏光変換素子1は、互いに略平行な光入射面21と光出射面22とを有し、複数の第1の透光性部材5と第2の透光性部材6と第3の透光性部材7と位相差材2を連設している。なお、これら部材は境界面で接合層(不図示)を介して接合されている。
第1の透光性部材5と第2の透光性部材6との境界面には偏光分離膜3が設けられている。また、第1の透光性部材5と第3の透光性部材7との境界面には反射膜4が設けられている。
光線8は光入射面21を透過して、第1の透光性部材5に入り、偏光分離膜3によって、2つの偏光成分に分離される。一方の偏光成分は偏光分離膜3によって反射され第1の透光性部材5の中を透過し、さらに反射膜4によって反射され、光出射面22から出射する。もう一方の偏光成分は偏光分離膜3を透過し第2の透光性部材6の中を透過した後、位相差材2を透過して位相が変換され、第3の透光性部材7を透過して、光出射面22から出射する。
図2は上述の偏光変換素子1の斜視図である。
第1の透光性部材5と第2の透光性部材6と第3の透光性部材7は、断面三角形や断面平行四辺形などの角柱部材から形成されている。第2の透光性部材6と第3の透光性部材7とが位相差材2を挟むように配置されている。偏光変換素子1のそれぞれの部材の長手方向の長さは同じであるので、接合面の面積は断面における接合面の辺の長さに比例する。すなわち、図1に示した断面の接合面に関する辺の長さに比例する。
第1の透光性部材5と第2の透光性部材6と第3の透光性部材7は、断面三角形や断面平行四辺形などの角柱部材から形成されている。第2の透光性部材6と第3の透光性部材7とが位相差材2を挟むように配置されている。偏光変換素子1のそれぞれの部材の長手方向の長さは同じであるので、接合面の面積は断面における接合面の辺の長さに比例する。すなわち、図1に示した断面の接合面に関する辺の長さに比例する。
第1の透光性部材5と第2の透光性部材6と第3の透光性部材7の材料としては、「BK7」等の光学ガラス、白板ガラス、ホウケイ酸ガラス、青板ガラスをはじめとするガラス、またはプラスチック等を例示できる。
位相差材2の材料としては水晶板、有機樹脂フィルム等を例示できる。水晶は膨張係数が異方性であり、有機樹脂の膨張係数は透光性部材5,6,7や偏光分離膜3よりも大きく異なる。従って、位相差材2とその他の部材を接合する場合は接合不良が発生しやすい。
位相差材2の材料としては水晶板、有機樹脂フィルム等を例示できる。水晶は膨張係数が異方性であり、有機樹脂の膨張係数は透光性部材5,6,7や偏光分離膜3よりも大きく異なる。従って、位相差材2とその他の部材を接合する場合は接合不良が発生しやすい。
図1と図2に示すように、第2の透光性部材6と第3の透光性部材7とが位相差材2を挟持する構造としたので、この接合面の面積は、偏光分離膜3または反射膜4の膜面の面積よりも広い。よって、接合面の面積が広いので、透光性部材5,6,7や偏光分離膜3とは異なる異種材料である位相差材2を接合した面においても、剥がれ等の接合不良が発生しにくい。
光入射面21と偏光分離膜3とが交わる鋭角の角度が、光入射面21と位相差材2とが交わる鋭角の角度よりも大きくなるように、第2の透光性部材6と第3の透光性部材7を形成することにより、位相差材2の接合面の面積を偏光分離膜3の膜面の面積よりも広くし、剥がれを発生しにくい。
さらに、位相差材2の一方の端と反射膜4の一方の端とが光入射面で交差し、かつ位相差材2のもう一方の端と偏光分離膜3の端とが光出射面22で交差する構造において、位相差材2の接合面の面積を偏光分離膜3の膜面の面積よりも広くでき、剥がれにくい。
図3は、偏光分離膜、反射膜、位相差材が光入射面と交差する角度と、光入射面と光出射面との間隔と、偏光分離膜と反射膜との間隔を説明した断面図である。
光入射面21と光出射面22との間隔12をSとし、光入射面21に沿って隣り合う偏光分離膜3と反射膜4との間隔13をTとしたとき、光入射面21と偏光分離膜3とが交わる鋭角の角度9を∠Aとし、光入射面21と反射膜4とが交わる鋭角の角度9を∠aとし、光入射面21と位相差材2とが交わる鋭角の角度11を∠Bとすると、∠A=∠a=45°である時、∠Bは、∠B=tan(2T/S)、の関係を有する構造とする。
この構造では、位相差材2の接合面の面積を偏光分離膜3の膜面の面積よりも広くでき、剥がれにくい。
光入射面21と光出射面22との間隔12をSとし、光入射面21に沿って隣り合う偏光分離膜3と反射膜4との間隔13をTとしたとき、光入射面21と偏光分離膜3とが交わる鋭角の角度9を∠Aとし、光入射面21と反射膜4とが交わる鋭角の角度9を∠aとし、光入射面21と位相差材2とが交わる鋭角の角度11を∠Bとすると、∠A=∠a=45°である時、∠Bは、∠B=tan(2T/S)、の関係を有する構造とする。
この構造では、位相差材2の接合面の面積を偏光分離膜3の膜面の面積よりも広くでき、剥がれにくい。
図4では、本実施形態の偏光変換素子1の製造方法の工程全体に流れについて説明する。
まず、積層体M形成工程において、それぞれ複数の第2の透光性部材と第3の透光性部材と位相差材を積層しながら接合し、積層体Mを形成する。接合は光学接着剤あるいは分子接合等を用いておこなう。この光学接着剤には、紫外線硬化型接着剤(サンライズMSI社製フォトボンド、アーデル社製UT−20)等を用いることができる。
次に、第1の切断工程では、この積層体Mを積層面に対し所定の角度で切断して複数の板材mを得る。切断後、切断面を光学研磨してもよい。
次に、光学機能膜形成工程では、第1の透光性部材または板材mの一部の主面に偏光分離膜等の光学機能膜を形成する。
その後、積層体N形成工程において、それぞれ複数の第1の透光性部材と板材mを積層しながら接合し、積層体Nを形成する。接合は光学接着剤あるいは分子接合等を用いておこなう。
最後に、第2の切断工程では、この積層体Nを積層面に対し所定の角度で切断して偏光変換素子を得る。切断後、切断面を光学研磨してもよい。さらに表面に反射防止膜を成膜してもよい。
次に各工程について、詳しく説明する。
まず、積層体M形成工程において、それぞれ複数の第2の透光性部材と第3の透光性部材と位相差材を積層しながら接合し、積層体Mを形成する。接合は光学接着剤あるいは分子接合等を用いておこなう。この光学接着剤には、紫外線硬化型接着剤(サンライズMSI社製フォトボンド、アーデル社製UT−20)等を用いることができる。
次に、第1の切断工程では、この積層体Mを積層面に対し所定の角度で切断して複数の板材mを得る。切断後、切断面を光学研磨してもよい。
次に、光学機能膜形成工程では、第1の透光性部材または板材mの一部の主面に偏光分離膜等の光学機能膜を形成する。
その後、積層体N形成工程において、それぞれ複数の第1の透光性部材と板材mを積層しながら接合し、積層体Nを形成する。接合は光学接着剤あるいは分子接合等を用いておこなう。
最後に、第2の切断工程では、この積層体Nを積層面に対し所定の角度で切断して偏光変換素子を得る。切断後、切断面を光学研磨してもよい。さらに表面に反射防止膜を成膜してもよい。
次に各工程について、詳しく説明する。
[積層体M形成工程]
図5(a)、(b)に基づいて積層体M形成工程について説明する。
板形状の第2の透光性部材6と第3の透光性部材7として、白板ガラス等を準備する。部材の主面は鏡面であるか、予め光学研磨されているのが望ましい。位相差材2として、水晶板あるいは、有機樹脂製の位相差フィルム等を準備する。図5において、第2の透光性部材6と第3の透光性部材7とに挟まれる位相差材2の枚数は1枚で示されているが、これに限らず、複数以上の枚数で構成されてもよい。
図5(a)、(b)に基づいて積層体M形成工程について説明する。
板形状の第2の透光性部材6と第3の透光性部材7として、白板ガラス等を準備する。部材の主面は鏡面であるか、予め光学研磨されているのが望ましい。位相差材2として、水晶板あるいは、有機樹脂製の位相差フィルム等を準備する。図5において、第2の透光性部材6と第3の透光性部材7とに挟まれる位相差材2の枚数は1枚で示されているが、これに限らず、複数以上の枚数で構成されてもよい。
第2の透光性部材6と第3の透光性部材7と位相差材2のそれぞれの主面を接合面として接合する。接合面にはサンライズMSI社製フォトボンドやアーデル社製UT−20等の紫外線硬化型光学接着剤を塗布し、図5(a)に示すように、階段状に位置をずらしながら接合し積層体Mを形成する。なお、これらの接合は接合面毎に光学接着剤の塗布と硬化を個別におこなうことを逐次実施してもよいし、あるいは全ての接合面に同時に光学接着剤を塗布した後、一括して互いを位置合わせして硬化してもよい。
また、薄板形状の水晶板の厚みを研磨加工で調整する場合は、第2の透光性部材6と第3の透光性部材7のどちらか一方と位相差材2とを予め接合し、透光性部材を研磨加工時の保持部材として活用し、研磨加工後、この研磨加工物ともう一方の透光性部材とを接合してもよい。
また、薄板形状の水晶板の厚みを研磨加工で調整する場合は、第2の透光性部材6と第3の透光性部材7のどちらか一方と位相差材2とを予め接合し、透光性部材を研磨加工時の保持部材として活用し、研磨加工後、この研磨加工物ともう一方の透光性部材とを接合してもよい。
[第1の切断工程]
図5(c)、(d)と図7に基づいて第1の切断工程について説明する。
積層体Mをワイヤーソーやダイシング刃等によって、第1の切断線14に沿って複数の板材mに切断する。第1の切断線14は積層面に対して、所定の角度で設けられる。切断後、切断面を光学研磨してもよい。
図5(c)、(d)と図7に基づいて第1の切断工程について説明する。
積層体Mをワイヤーソーやダイシング刃等によって、第1の切断線14に沿って複数の板材mに切断する。第1の切断線14は積層面に対して、所定の角度で設けられる。切断後、切断面を光学研磨してもよい。
[光学機能膜形成工程]
図6(e)に基づいて光学機能膜形成工程について説明する。
板形状の第1の透光性部材5として、白板ガラス等を準備する。部材の主面は鏡面であるか、予め光学研磨されているのが望ましい。第1の切断工程で得られた板材mも準備する。
第1の透光性部材5と板材mのいずれかの主面に、偏光分離膜3または反射膜4の少なくともいずれかを形成する。好ましくは、第1の透光性部材5の一方の主面に偏光分離膜3を形成し、もう一方の主面に反射膜4を形成するほうが良い。板材mに光学接着剤等の接合層を含む場合は、この接合層が偏光分離膜3または反射膜4を成膜する際の高温の雰囲気に対する耐熱性が不足して品質が安定しにくい。したがって、第1の透光性部材5の主面に偏光分離膜3または反射膜4を形成するほうがよい。
図6(e)に基づいて光学機能膜形成工程について説明する。
板形状の第1の透光性部材5として、白板ガラス等を準備する。部材の主面は鏡面であるか、予め光学研磨されているのが望ましい。第1の切断工程で得られた板材mも準備する。
第1の透光性部材5と板材mのいずれかの主面に、偏光分離膜3または反射膜4の少なくともいずれかを形成する。好ましくは、第1の透光性部材5の一方の主面に偏光分離膜3を形成し、もう一方の主面に反射膜4を形成するほうが良い。板材mに光学接着剤等の接合層を含む場合は、この接合層が偏光分離膜3または反射膜4を成膜する際の高温の雰囲気に対する耐熱性が不足して品質が安定しにくい。したがって、第1の透光性部材5の主面に偏光分離膜3または反射膜4を形成するほうがよい。
[積層体N形成工程]
図6(f)に基づいて積層体N形成工程について説明する。
第1の透光性部材5と板材mのそれぞれの主面を接合面として接合する。接合面にはサンライズMSI社製フォトボンドやアーデル社製UT−20等の紫外線硬化型光学接着剤を塗布し、階段状に位置をずらしながら接合し積層体Nを形成する。なお、これらの接合は接合面毎に光学接着剤の塗布と硬化を個別におこなうことを逐次実施してもよいし、あるいは全ての接合面に同時に光学接着剤を塗布した後、一括して互いを圧着して硬化してもよい。
図6(f)に基づいて積層体N形成工程について説明する。
第1の透光性部材5と板材mのそれぞれの主面を接合面として接合する。接合面にはサンライズMSI社製フォトボンドやアーデル社製UT−20等の紫外線硬化型光学接着剤を塗布し、階段状に位置をずらしながら接合し積層体Nを形成する。なお、これらの接合は接合面毎に光学接着剤の塗布と硬化を個別におこなうことを逐次実施してもよいし、あるいは全ての接合面に同時に光学接着剤を塗布した後、一括して互いを圧着して硬化してもよい。
[第2の切断工程]
図6(g)、(h)に基づいて第2の切断工程について説明する。
積層体Nをワイヤーソーやダイシング刃等によって、第2の切断線16に沿って複数の偏光変換素子1に切断する。第2の切断線16は積層面に対して所定の角度で設けられ、位相差材2を避けて配置される。第2の切断工程後、切断面を鏡面研磨しても、または反射防止膜を形成してもよい。
図6(g)、(h)に基づいて第2の切断工程について説明する。
積層体Nをワイヤーソーやダイシング刃等によって、第2の切断線16に沿って複数の偏光変換素子1に切断する。第2の切断線16は積層面に対して所定の角度で設けられ、位相差材2を避けて配置される。第2の切断工程後、切断面を鏡面研磨しても、または反射防止膜を形成してもよい。
図7と図8に基づいて、切断線と接合面がなす切断角について説明する。
第1の切断工程では、第1の切断角度17に沿って切断する。また、第2の切断工程では、第2の切断角度18に沿って切断する。
第2の切断角度18は偏光変換素子1の光入射面21と偏光分離膜3との角度9と同じである。そして、第1の切断角度17と偏光変換素子1の光入射面21と位相差材2との角度11とを合算した角度は、第2の切断角度18と同じである。上述の関係に基づき、所望の光入射面21と偏光分離膜3との角度9と、光入射面21と位相差材2との角度11から、第1の切断角度17と第2の切断角度18を設定する。
第1の切断工程では、第1の切断角度17に沿って切断する。また、第2の切断工程では、第2の切断角度18に沿って切断する。
第2の切断角度18は偏光変換素子1の光入射面21と偏光分離膜3との角度9と同じである。そして、第1の切断角度17と偏光変換素子1の光入射面21と位相差材2との角度11とを合算した角度は、第2の切断角度18と同じである。上述の関係に基づき、所望の光入射面21と偏光分離膜3との角度9と、光入射面21と位相差材2との角度11から、第1の切断角度17と第2の切断角度18を設定する。
図9に基づいて、偏光変換素子1を透過する光線の接合層での光路の長さについて、説明する。図9(a)は本実施形態の偏光変換素子1の位相差材の接合面付近の断面図であり、図9(b)は従来技術の偏光変換素子201の位相差材の接合面付近の断面図である。
接合層23の接合面に直交方向の接合層の厚みをRとし、光入射面21と偏光分離膜3(偏光分離膜203)とが交わる鋭角の角度9を∠Aとし、光入射面21と位相差材2(位相差材202)とが交わる鋭角の角度11を∠Bとすると、接合層23の透過光方向の厚み19はtAとして、従来技術接合層の透過光方向の厚み20はtBとして、以下のように示すことができる。
tA=Rcos-1∠A
tB=Rcos-1∠B
ここで、∠A=45°、∠A>∠Bであるので、tB>tAとなる。
したがって、透過光方向の接合層23の厚みは従来技術よりも本実施形態では薄くできるため、接合層23の劣化が進行しても、影響はより小さく抑えることができる。
接合層23の接合面に直交方向の接合層の厚みをRとし、光入射面21と偏光分離膜3(偏光分離膜203)とが交わる鋭角の角度9を∠Aとし、光入射面21と位相差材2(位相差材202)とが交わる鋭角の角度11を∠Bとすると、接合層23の透過光方向の厚み19はtAとして、従来技術接合層の透過光方向の厚み20はtBとして、以下のように示すことができる。
tA=Rcos-1∠A
tB=Rcos-1∠B
ここで、∠A=45°、∠A>∠Bであるので、tB>tAとなる。
したがって、透過光方向の接合層23の厚みは従来技術よりも本実施形態では薄くできるため、接合層23の劣化が進行しても、影響はより小さく抑えることができる。
図10に、本実施形態の偏光変換素子1を用いた投射型表示装置の一例を示す。偏光変換素子1は画像表示光学系103に白色光を供給する照明系101の光学物品のひとつである。ランプハウス104から放射された光線(一点鎖線で例示)がレンズ102等で集光されて、偏光変換素子1に入射する。本実施形態の偏光変換素子1を用いれば、経時的な劣化による投射型表示装置の表示輝度の低下等の影響を小さくできる。
以上の構成の実施形態では次の作用効果を奏することができる。
(1)第2の透光性部材6と第3の透光性部材7とが位相差材2を挟持する構造としたので、この接合面の面積は、偏光分離膜3または反射膜4の膜面の面積よりも広い。よって、接合面の面積が広いので、透光性部材6,7や偏光分離膜3とは異なる異種材料である位相差材2を接合した面においても、剥がれ等の接合不良が発生しにくい。
(1)第2の透光性部材6と第3の透光性部材7とが位相差材2を挟持する構造としたので、この接合面の面積は、偏光分離膜3または反射膜4の膜面の面積よりも広い。よって、接合面の面積が広いので、透光性部材6,7や偏光分離膜3とは異なる異種材料である位相差材2を接合した面においても、剥がれ等の接合不良が発生しにくい。
(2)第1の透光性部材5の主面に偏光分離膜3または反射膜4を形成すると、板材mのように光学接着剤等の接合層を含まないので、偏光分離膜3または反射膜4を成膜する際の高温の雰囲気に対する耐熱性の不足による品質の低下の恐れが無い。
(3)透過光方向の接合層23の厚みは従来技術よりも本発明では薄くできるので、接合層23の劣化が進行しても、影響はより小さく抑えることができる。
本発明は、プロジェクター、その他の装置に用いられる偏光変換素子に利用できる。
1,201…偏光変換素子、2,202…位相差材、3,203…偏光分離膜、4,204…反射膜、5…第1の透光部材、6…第2の透光部材、7…第3の透光部材、9…角度(光入射面と偏光分離膜間)、10…角度(光入射面と反射膜間)、11…角度(光入射面と位相差材間)、19…接合層の厚み(透過光線方向)、20…接合層の厚み(透過光線方向)、101…照明系光学物品、102…レンズ、103…画像表示光学系、M,N…積層体、m…板材。
Claims (6)
- 複数の角柱形状の透光性部材を連設して平板形状とした偏光変換素子であって、
前記偏光変換素子は互いに平行な光入射面と光出射面とを有し、
前記透光性部材はそれぞれ複数の第1の透光性部材と第2の透光性部材と第3の透光性部材から構成され、
前記第1の透光性部材と前記第2の透光性部材の境界面、または前記第1の透光性部材と前記第3の透光性部材の境界面に、反射膜と偏光分離膜の少なくともどちらか一方が挟み込まれて形成され、
前記第2の透光性部材と前記第3の透光性部材の間には位相差材を挟持するように接合した接合面を備え、
前記接合面の面積は前記反射膜または前記偏光分離膜の膜面の面積よりも広いことを特徴とする偏光変換素子。 - 請求項1に記載の偏光変換素子において、
前記光入射面と前記偏光分離膜の膜面とが交わる鋭角の角度を∠Aとし、前記光入射面と前記位相差材とが交わる鋭角の角度を∠Bとすると、
∠A>∠Bであることを特徴とする偏光変換素子。 - 請求項1または請求項2に記載の偏光変換素子において、
前記位相差材の一方の端は前記光入射面と前記反射膜とが交わる位置に配置され、
前記位相差材のもう一方の端は前記光出射面と前記偏光分離膜との交わる位置に配置されることを特徴とする偏光変換素子。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の偏光変換素子において、
前記光入射面と光出射面との間隔をSとし、前記光入射面に沿って隣り合う前記偏光分離膜と前記反射膜との間隔をTとすると、
前記光入射面と前記偏光分離膜の膜面とが交わる鋭角の角度を∠Aとし、前記光入射面と前記位相差材とが交わる鋭角の角度を∠Bとすると、∠Aは45°であって、
∠Bが数式1であることを特徴とする偏光変換素子。
∠B=tan(2T/S)・・・・数式1 - 複数の角柱形状の透光性部材を交互に連設して、互いに平行な光入射面と光出射面とを有する平板形状の偏光変換素子の製造方法であって、
前記透光性部材はそれぞれ複数の第1の透光性部材と第2の透光性部材と第3の透光性部材から構成され、
位相差材と前記第2の透光性部材と前記第3の透光性部材とを互いに接合して積層体Mとする積層体M形成工程と、前記積層体Mを積層面に対し所定の角度で切断加工して、複数の板材mを提供する第1の切断工程と、
前記第1の透光性部材と前記板材mとの少なくともどちらか一方の主面に偏光分離膜または反射膜を形成する光学機能膜形成工程と、
前記第1の透光性部材と、前記板材mとを順次接合して積層体Nを形成する積層体N形成工程と、
前記積層体Nを積層面に対し所定の角度で切断加工して偏光変換素子とする第2の切断工程を備えたことを特徴とする偏光変換素子の製造方法。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の偏光変換素子を用いることを特徴とする投射型映像装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010184753A JP2012042779A (ja) | 2010-08-20 | 2010-08-20 | 偏光変換素子、及び偏光変換素子の製造方法 |
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JP2010184753A Withdrawn JP2012042779A (ja) | 2010-08-20 | 2010-08-20 | 偏光変換素子、及び偏光変換素子の製造方法 |
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