JP2012042111A - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Kentaro Shii
健太郎 椎
Masanobu Wada
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Masaru Shiotani
優 塩谷
Hiroshi Hasegawa
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Abstract

【課題】従来の膨張機と副圧縮機の機能をシンプルな構造で実現でき、かつ、低圧作動部における可動部の過剰な押し付けを防止するとともに高圧オイルを利用して高圧作動部を潤滑できる冷凍サイクル装置を提供する。
【解決手段】容積型流体機械3は、上流側ロータリ機構4Aおよび下流側ロータリ機構4Bを有し、冷媒を膨張および過膨張させた後に再圧縮する。圧縮機を収容する第1密閉容器の内部に形成される第1オイル溜まりと、容積型流体機械3を収容する第2密閉容器80の内部に形成される第2オイル溜まり81とは、均油管9によって連通している。上流側ロータリ機構4Aのベーン47Aの外側には、第2オイル溜まり81と連通する第1遊隙空間49Aが形成されている。下流側ロータリ機構4Bのベーン47Bの外側には、第2オイル溜まり81とは独立した第2遊隙空間49Bが形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、冷媒を圧縮および膨張させる冷凍サイクル装置に関する。
従来、冷媒を膨張させて動力を回収する膨張機と、圧縮機の上流側で冷媒を予備的に昇圧する副圧縮機を備えた冷凍サイクル装置が知られている。例えば、特許文献1には、図11に示すような冷凍サイクル装置100が開示されている。
この冷凍サイクル装置100は、圧縮機101、放熱器102、膨張機103、蒸発器104、および、副圧縮機105が流路によりこの順に接続された冷媒回路120を備えている。放熱器102と膨張機103との間には、膨張機103の設計圧力比に適合する圧力となるように冷媒を膨張させる膨張弁125が設けられている。また、冷媒回路120には、膨張弁125および膨張機103をバイパスする、膨張弁が設けられたバイパス路130が接続されている。
副圧縮機105は、伝動軸により膨張機103と連結されており、膨張機103で回収した動力(機械エネルギー)を受けることで駆動される。一般的に、冷凍サイクル装置の動作時の冷媒物性から、膨張機103に比べて副圧縮機105の設計容積は大きくなり、それに従って各構成要素のサイズも副圧縮機105の方が大きくなる。
膨張機103と副圧縮機105は、密閉容器110に収容されている。密閉容器110の内部には放熱器102から流出する高圧冷媒が導かれる。高圧冷媒は、密閉容器110の内部でオイル(潤滑油)と分離された後に、密閉容器110から膨張弁125に向けて排出される。また、密閉容器110の内部には、高圧冷媒と層をなす高圧オイルによってオイル溜り111が形成され、このオイル溜まり111中に膨張機103が浸される。
このように、密閉容器110は内部に高圧冷媒および高圧オイルが存在する高圧シェル型であり、この高圧オイルを用いて膨張機103および副圧縮機105の摺動部へオイルを供給することができる。
一方、図12に示すように、密閉容器210の内部空間に副圧縮機105で中圧まで圧縮した冷媒を吐出させる冷凍サイクル装置200も知られている(例えば、特許文献2参照)。この冷凍サイクル装置200では、密閉容器210の内部に、中圧冷媒と層をなす中圧オイルによってオイル溜り211が形成される。
特許第3998249号公報 特許第4055902号公報
図11に示す冷凍サイクル装置100では、密閉容器110の内部が高圧雰囲気となるので、膨張機103および副圧縮機105の両方が高圧雰囲気にさらされる。膨張弁125で減圧されるものの依然として高圧の冷媒を膨張させる膨張機103では、外部のオイル圧力を利用して摺動部への潤滑が行われる。しかしながら、低圧冷媒を中圧まで圧縮する副圧縮機105では、副圧縮機105の可動部(ロータリ型流体機械であればベーン、スクロール型流体機械であれば旋回スクロール)が周囲圧力によって他の部分に押し付けられる場合は、内部の作動室圧力と外部の冷媒圧力との圧力差が大きすぎるために、可動部が過剰に押し付けられてしまう。その結果、機械損失が増加することで、効率が著しく低下してしまう課題があった。
一方、図12に示す冷凍サイクル装置200では、密閉容器210の内部空間は、副圧縮機105から吐出される冷媒によって中圧雰囲気となるため、副圧縮機105の可動部に対する過剰な押付力の発生は起こらない。しかし、膨張機103では、吸入する冷媒の方が外部のオイルよりも圧力が高くなるため、高圧作動部へオイルを供給することができない。このため、潤滑不良が発生することで信頼性が低下したり、またオイルによる膨張機103の冷媒シール性が低下することで、効率が低下してしまう課題があった。
さらに、冷凍サイクル装置100,200は、膨張機103および副圧縮機105という、それぞれが冷媒を吸入して吐出する2つの容積型流体機械を必要とする。そのため、膨張弁を用いた通常の冷凍サイクル装置と比較してコスト高となりがちである。
本発明は、このような事情に鑑み、従来の膨張機と副圧縮機の機能をシンプルな構造で実現でき、かつ、低圧作動部における可動部の過剰な押し付けを防止するとともに高圧オイルを利用して高圧作動部を潤滑できる冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、冷媒を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機で圧縮された冷媒を冷却する放熱器と、伝動軸により互いに連結された上流側ロータリ機構および下流側ロータリ機構を含み、前記放熱器で冷却された冷媒を第1の圧力まで膨張させた後に第2の圧力まで過膨張させ、過膨張した冷媒をインジェクションポートから導入される前記第2の圧力を有する冷媒と共に前記第1の圧力まで再圧縮する容積型流体機械と、前記容積型流体機械から吐出された冷媒を加熱する第1蒸発器と、前記放熱器から前記容積型流体機械に冷媒を導く流路から分岐して、前記放熱器で冷却された冷媒を膨張弁で前記第2の圧力まで膨張させ、さらに第2蒸発器で加熱した後に前記インジェクションポートに供給するインジェクション路と、前記圧縮機を収容し、内部に第1オイル溜まりが形成されるとともにその上側の空間が前記圧縮機から吐出される冷媒で満たされる第1密閉容器と、前記容積型流体機械を収容し、内部に少なくとも前記上流側ロータリ機構が浸る第2オイル溜まりが形成される第2密閉容器と、前記第1オイル溜まりと前記第2オイル溜まりとを連通するように前記第1密閉容器と前記第2密閉容器とを連結する均油管と、を備え、前記上流側ロータリ機構および前記下流側ロータリ機構は、前記伝動軸の径方向の外向きに開放される背面を持つベーンをそれぞれ有し、前記伝動軸の径方向において前記上流側ロータリ機構のベーンの外側には、当該ベーンの背面に面し、前記第2オイル溜まりと連通して前記第2オイル溜まりのオイルで満たされる第1遊隙空間が形成されており、前記伝動軸の径方向において前記下流側ロータリ機構のベーンの外側には、当該ベーンの背面に面し、前記第2オイル溜まりとは独立した、前記第1の圧力または前記第22の圧力と等しい圧力の流体で満たされる第2遊隙空間が形成されている、冷凍サイクル装置を提供する。
上記の構成によれば、2段ロータリ型の容積型流体機械では、膨張および過膨張する冷媒から動力を回収し、この回収した動力を利用して冷媒を再圧縮することができる。このため、従来の膨張機と副圧縮機の機能をシンプルな構造で実現できる。
また、低圧作動部である下流側ロータリ機構のベーンには第1圧力(中圧)または第2圧力(低圧)を作用させることができるので、ベーンの過剰な押し付けを防止することができる。これにより、膨張および過膨張する冷媒から得られた動力をより効率的に再圧縮に利用することができる。また、高圧側作動部である上流側ロータリ機構が浸る第2オイル溜まりは、第1オイル溜まりとの連通によって圧縮機から吐出される高圧冷媒と略同じ圧力になるので、高圧オイルを利用して上流側ロータリ機構を潤滑することができる。これにより、高い信頼性を得ることができる。
本発明の第1実施形態に係る冷凍サイクル装置の構成図 図1に示す冷凍サイクル装置に用いられる動力回収機械の模式的な縦断面図 図2のIII−III線に沿った横断面図 図2のIV−IV線に沿った横断面図 伝動軸の回転角度と作動室の容積との関係を示すグラフ 伝動軸の回転角度と作動室の圧力との関係を示すグラフ 本発明の第2実施形態に係る冷凍サイクル装置の構成図 図7に示す冷凍サイクル装置に用いられる動力回収機械の模式的な縦断面図 本発明の第3実施形態に係る冷凍サイクル装置の構成図 図9に示す冷凍サイクル装置に用いられる動力回収機械の模式的な縦断面図 従来の冷凍サイクル装置の構成図 従来の他の冷凍サイクル装置の構成図
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態によって本発明が限定されるものではない。
(第1実施形態)
<冷凍サイクル装置の構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る冷凍サイクル装置10Aの構成図である。この冷凍サイクル装置10Aは、圧縮機1、放熱器2、容積型流体機械3、および、第1蒸発器5が流路によりこの順に接続された冷媒回路6を備えている。また、冷媒回路6には、放熱器2からの冷媒を、膨張弁61および第2蒸発器50を経由した後に容積型流体機械3に導くインジェクション路60が設けられている。冷媒回路6を循環する冷媒としては、例えば、フロン系冷媒や二酸化炭素を用いることができる。
圧縮機1は、モータ75によって駆動され、冷媒を高温高圧に圧縮する。圧縮機1およびモータ75は第1密閉容器70に収容されており、これにより圧縮機械7が構成されている。第1密閉容器70の内部には、圧縮機1潤滑用のオイルによって第1オイル溜まり71が形成されている。圧縮機1は、吐出ポート(図示せず)を通じて、第1密閉容器70内の第1オイル溜まり71の上側の空間72に、圧縮した冷媒を吐出する。すなわち、空間72は高温高圧の冷媒で満たされる。空間72では、高温高圧の冷媒からオイルが分離され、そのオイルが第1オイル溜まり71に加わる。第1オイル溜まり71を構成するオイルは、圧縮機1から吐出された冷媒と層をなすため、その冷媒の圧力と等しい圧力(高圧)を有している。圧縮機1としては、例えば、スクロール型圧縮機やロータリ型圧縮機を用いることができる。第1密閉容器70には配管6aの一端が第1オイル溜まり71の上側の空間72に開口するように接続されており、配管6aの他端は放熱器2の入口に接続されている。すなわち、第1密閉容器70内の空間72および配管6aは、圧縮機1から放熱器2に冷媒を導く流路を構成する。なお、実際には、配管6aは、密閉容器に当該密閉容器を貫通する状態で固定される短管部と、この短管部に接合される本管部とからなるが、本明細書では説明の便宜のためにこれらをまとめて配管6aという。この点は、後述する配管6b〜6e,6gでも同様である。
放熱器2は、圧縮機1で圧縮された高温高圧の冷媒を放熱させて冷却する。放熱器2の出口は、配管6bを介して容積型流体機械3の吸入ポート3a(図2参照)に接続されている。
容積型流体機械3は、詳しくは後述するが、伝動軸35により互いに連結された上流側ロータリ機構4Aおよび下流側ロータリ機構4Bを含む2段ロータリ型の流体機械である。容積型流体機械3は、図5および図6に示すように、伝動軸35が3回転する間の1回転ごとに、吸入行程、膨張・過膨張・インジェクション行程、再圧縮・吐出行程を行う。吸入行程では、容積型流体機械3は、放熱器2から流出した中温高圧の冷媒を吐出ポート3bを通じて吸入する。膨張・過膨張・インジェクション行程の前半では、容積型流体機械3は、吸入した中温高圧の冷媒を、第1の圧力P1(中圧)まで膨張させた後に、第2の圧力P2(低圧)まで過膨張させ、これにより冷媒の膨張エネルギーを機械エネルギーに変換し、動力として回収する。膨張・過膨張・インジェクション行程の後半では、容積型流体機械3は、後述するインジェクションポート3cから第2の圧力P2を有する冷媒を導入し(インジェクション)、この冷媒を過膨張した冷媒に混合する。再圧縮・吐出行程では、容積型流体機械3は、膨張および過膨張する冷媒から回収した動力を利用して、混合された冷媒を第1の圧力P1まで再圧縮した後に、吐出ポート3bを通じて吐出する。ここで、上流側ロータリ機構4A内の作動室43(図2参照)の容積V1と下流側ロータリ機構4B内の作動室46(図2参照)の容積V2の比は、膨張・過膨張・インジェクション行程においてインジェクションが行われないと仮定したときに冷媒が第2の圧力P2よりも十分に小さな圧力まで減圧し得るように、容積型流体機械3の吸入冷媒と吐出冷媒の密度の関係から決まる密度比よりも十分に大きく設計すればよい。
インジェクション路60は、配管6b(すなわち、放熱器2から容積型流体機械3に冷媒を導く流路)から分岐して、放熱器2から流出した中温高圧の冷媒を低温低圧の冷媒にした後に中温低圧の冷媒にしてインジェクションポート3cに供給する。具体的に、インジェクション路60は、一端が配管6bの途中に接続され、他端が第2蒸発器50の入口に接続された配管6fと、配管6fの途中に設けられた膨張弁61と、第2蒸発器50と、一端が第2蒸発器50の出口に接続され、他端が容積型流体機械3のインジェクションポート3cに接続された配管6gとで構成されている。そして、膨張弁61は、放熱器2から流出した中温高圧の冷媒を第2の圧力P2まで膨張させ、第2蒸発器50は、膨張弁61で膨張した低温低圧の冷媒を加熱して蒸発させる。
容積型流体機械3は第2密閉容器80に収容されており、これにより動力回収機械8が構成されている。本実施形態では、伝動軸35が鉛直方向に延びており、上流側ロータリ機構4Aは下流側ロータリ機構4Bの下方に位置している。また、容積型流体機械3は、図2に示すように、上流側ロータリ機構4Aと下流側ロータリ機構4Bの間に配設された中間閉塞部材31と、上流側ロータリ機構4Aの下方に配設された第1閉塞部材32と、下流側ロータリ機構4Bの上方に配設された第2閉塞部材33とを有している。
中間閉塞部材31は、第2密閉容器80の内周面に固定されることにより、第2密閉容器80内で容積型流体機械3を上流側ロータリ機構4A側から取り囲む第1空間82Aと容積型流体機械3を下流側ロータリ機構4B側から取り囲む第2空間82Bとを隔てる、換言すれば第1空間82Aと第2空間82Bとの間を完全に遮断する区画部材として機能する。そして、第1空間82Aに上流側ロータリ機構4Aおよび下流側ロータリ機構4B潤滑用のオイルが満たされることにより第2オイル溜まり81が形成されている。すなわち、上流側ロータリ機構4Aが第2オイル溜まり81に浸っている。また、第2空間82Bの下部には、下流側ロータリ機構4B潤滑用のオイルによって第3オイル溜まり83が形成されており、第3オイル溜まり83の上側の空間84に第2閉塞部材33の上部が露出している。
図1に戻って、容積型流体機械3の吐出ポート3b(図2参照)は、配管6cを介して第1蒸発器5の入口に接続されている。
第1蒸発器5は、容積型流体機械3から吐出された低温中圧の冷媒を加熱して蒸発させる。第1蒸発器5の出口には配管6dの一端が接続されており、配管6dの他端は第2密閉容器80に第3オイル溜まり83の上側の空間84に開口するように接続されている。また、第2密閉容器80には配管6eの一端が第3オイル溜まり83の上側の空間84に開口するように接続されており、配管6eの他端は圧縮機1の吸入ポート(図示せず)に接続されている。すなわち、配管6d、第2密閉容器80内の空間84、および配管6eは、第1蒸発器5から圧縮機1に冷媒を導く流路を構成する。そして、空間84は、第1蒸発器5から流出した中温中圧の冷媒で満たされる。空間84では、中温中圧の冷媒からオイルが分離され、そのオイルが第3オイル溜まり83に加わる。第3オイル溜まり83を構成するオイルは、第1蒸発器5から流出した冷媒と層をなすため、その冷媒の圧力と等しい圧力(中圧、すなわち第1の圧力P1)を有している。
上述した第1密閉容器70と第2密閉容器80とは、均油管9によって連結されている。均油管9は、第1オイル溜まり71と第2オイル溜まり81とを連通しており、これにより、第2オイル溜まり81を構成するオイルは第1オイル溜まり71を構成するオイルと略同じ圧力(すなわち、圧縮機1から吐出される冷媒と略同じ圧力)を有している。
<容積型流体機械の構成>
次に、図2〜4を参照して、容積型流体機械3の構成を詳細に説明する。なお、図2は容積型流体機械の構造を模式的に表したものであり、ベーンの正確な位置などは図3および図4のとおりである。
上流側ロータリ機構4Aと下流側ロータリ機構4Bとを連結する伝達軸35は、上流側ロータリ機構4A用の下偏心部35bと、下流側ロータリ機構4B用の上偏心部35cとを有している。中間閉塞部材31は、第2密閉容器80の内周面と同一の直径の円盤状をなしており、その中心に、伝動軸35に挿通される貫通孔が形成されている。
図2および図3に示すように、上流側ロータリ機構4Aは、円筒状の内周面を有するシリンダ42と、伝動軸35の下偏心部35bに嵌合し、シリンダ42の内側で偏心回転運動するピストン41とを備えている。シリンダ32の内周面とピストン31との間には、三日月状の作動室43が形成されており、この作動室43がベーン47Aによって上流側43aと下流側43bとに仕切られている。
中間閉塞部材31および第1閉塞部材32は、伝動軸85の軸方向の両側から作動室43を閉塞している。第1閉塞部材32は、伝動軸35の下部を回転可能に支持する軸受部材としても機能する。本実施形態では、第1閉塞部材32に、配管6bから作動室43の上流側43aに冷媒を導く吸入ポート3aが設けられている。ただし、吸入ポート3aは、シリンダ42に設けられていてもよいし、中間閉塞部材31に設けられていてもよい。
シリンダ42には、径方向内側に開口するベーン溝42aが形成されており、このベーン溝42aにベーン47Aが往復自在に挿入されている。すなわち、ベーン47Aは、伝動軸35の径方向に移動可能であり、伝動軸35の径方向の外向きに開放される背面を有している。そして、ベーン溝42aの底部(ベーン溝42aが開口する方向と反対側の端部)によって、ベーン47Aの背面に面する第1遊隙空間49Aが形成されている。第1遊隙空間49A内には、ベーン47Aをピストン41に押し付けるベーンばね48Aが配設されている。
第1遊隙空間49Aは、上方からは中間閉塞部材31によって閉塞されているが、下方では第1閉塞部材32によって閉塞されていない。このため、第1遊隙空間49Aは、第2オイル溜まり81と連通しており、第2オイル溜まり81のオイル(すなわち、上述した均油管9の作用により、圧縮機5が吐出する冷媒の圧力と略同じ圧力のオイル)で満たされている。
図2および図4に示すように、下流側ロータリ機構4Bは、円筒状の内周面を有するシリンダ45と、伝動軸35の下偏心部35cに嵌合し、シリンダ45の内側で偏心回転運動するピストン44とを備えている。シリンダ45の内周面とピストン44との間には、三日月状の作動室46が形成されており、この作動室46がベーン47Bによって上流側46aと下流側46bとに仕切られている。
中間閉塞部材31には、上流側ロータリ機構4Aの作動室43の下流側43bと下流側ロータリ機構4Bの作動室46の上流側46aとを連通する連通ポート31aが設けられている。作動室43の下流側43b、連通ポート31a、および作動室46の上流側46aは、冷媒を膨張および過膨張させる膨張室を構成する。
中間閉塞部材31および第2閉塞部材33は、伝動軸35の軸方向の両側から作動室46を閉塞している。第2閉塞部材33は、伝動軸35の上部を回転可能に支持する軸受部材としても機能する。本実施形態では、第2閉塞部材33に、配管6gから作動室46の上流側46aに冷媒を導くインジェクションポート3cと、作動室33の下流側33bから配管6cに冷媒を導く吐出ポート3bとが設けられている。ただし、インジェクションポート3cと吐出ポート3bの一方または双方は、シリンダ45に設けられていてもよいし、中間閉塞部材31に設けられていてもよい。インジェクションポート3cの出口には、弾性変形することによって逆止弁として機能するインジェクション弁34Aが設けられており、吐出ポート3bの出口には、弾性変形することによって逆止弁として機能する吐出弁34Bが設けられている。なお、第2閉塞部材33には吐出弁34Bを収容する吐出室33aが設けられているが、この吐出室33aは図略のキャップによって配管6cのみと連通するように閉塞されている。
シリンダ45には、径方向内側に開口するベーン溝45aが形成されており、このベーン溝45aにベーン47Bが往復自在に挿入されている。すなわち、ベーン47Bは、伝動軸35の径方向に移動可能であり、伝動軸35の径方向の外向きに開放される背面を有している。そして、ベーン溝45aの底部(ベーン溝45aが開口する方向と反対側の端部)によって、ベーン47Bの背面に面する第2遊隙空間49Bが形成されている。第2遊隙空間49B内には、ベーン47Bをピストン44に押し付けるベーンばね48Bが配設されている。
第3オイル溜まり83の油量は、第3オイル溜まり83の油面がシリンダ45よりも上方に位置するように設定されている。
第2遊隙空間49Bは、下方からは中間閉塞部材31によって閉塞されているが、上方では第2閉塞部材33によって閉塞されていない。このため、第2遊隙空間49Bは、第3オイル溜まり83と連通しており、第3オイル溜まり83のオイル(すなわち、第1蒸発器5から流出する冷媒の圧力(第1の圧力P1)と等しい圧力のオイル)で満たされている。
伝動軸35の内部には、第2オイル溜まり81のオイルを上流側ロータリ機構4Aおよび下流側ロータリ機構4Bに供給するための給油路35aが設けられている。給油路35aは、伝動軸35の下端面から軸方向に延びる縦穴と、この縦穴から偏心部35b,35cの外周面に開口する横穴とから構成されている。なお、図示は省略するが、横穴は、第1閉塞部材32および第2閉塞部材33に対応する位置にも、伝動軸35の外周面に開口するように形成されている。すなわち、第2オイル溜まり81のオイルは、給油路35aにより、偏心部35b,35cとピストン41,44との間の摺動部、および伝動軸35と第1閉塞部材32および第2閉塞部材33との間の摺動部に導かれる。それ故に、これらの摺動部は、高圧オイルによって潤滑される。
また、伝動軸35の上部には、第3オイル溜まり83の上側の空間84内に位置するように、慣性力によって伝動軸35の回転変動を平準化するフライホイール36が設けられている。本実施形態では、フライホイール36が伝動軸35の軸心からずれた位置に重心を有する形状に形成されており、フライホイール36がバランスウエイトとしても機能する。
次に、容積型流体機械3の動作を説明する。
上流側ロータリ機構4Aでは、吸入ポート3aを通じて配管6bから作動室43の上流側43aに高圧冷媒が流入する。ピストン41が上死点を通過すると作動室43の上流側43aが下流側43bに移行し、下流側43b内の高圧冷媒が膨張および減圧しながら連通ポート31aに流出する。また、ベーン47Aの背面に面する第1遊隙空間49Aには第1オイル溜り81の高圧オイルが存在し、この高圧オイルによってベーン47Aをピストン41に押し付けることで、伝動軸35の回転時にベーン47Aがピストン41から乖離するのを防いでいる。また、第1遊隙空間49A内の高圧オイルの圧力を利用して、ベーン47Aとベーン溝42a、第1閉塞部材32の上面、および中間閉塞部材31の下面との間の各摺動部にオイルを供給することができる。
下流側ロータリ機構4Bでは、連通ポート31aから作動室46の上流側46aに冷媒が膨張および減圧しながら流入する。上流側46a内の冷媒の圧力が第2の圧力P2になると、インジェクション弁34Aが開き、インジェクションポート3cを通じて配管6gから作動室46の上流側46aに低圧冷媒が流入する。ピストン44が上死点を通過すると作動室46の上流側46aが下流側46bに移行し、下流側46b内の低圧冷媒が再圧縮される。下流側46b内の冷媒の圧力が第1の圧力P1になると、吐出弁34Bが開き、中圧冷媒が吐出ポート3bを通じて配管6cに流出する。また、ベーン54の背面に面する第2遊隙空間49Bには第3オイル溜り83の中圧オイルが存在し、この中圧オイルによってベーン47Bをピストン44に過剰ではない力で押し付けることで、伝動軸35の回転時にベーン47Bがピストン44から乖離するのを防いでいる。また、第2遊隙空間49B内の中圧オイルの圧力を利用して、ベーン47Bとベーン溝45a、第2閉塞部材33の下面、および中間閉塞部材31の上面との間の各摺動部にオイルを供給することができる。
なお、本実施形態では吐出ポート3bの出口に吐出弁34Bが設けられているが、吐出弁34Bはなくても、圧力差を利用して冷媒を再圧縮することは可能である。
<冷凍サイクル装置の効果>
以上のように、本実施形態の冷凍サイクル装置10Aでは、膨張および過膨張する冷媒から動力を回収し、この回収した動力を利用して冷媒を再圧縮することができる。このため、従来の膨張機と副圧縮機の機能をシンプルな構造で実現できる。
また、低圧作動部である下流側ロータリ機構4Bのベーン47Bの背面に面する第2遊隙空間49Bに、高圧オイルではなく中圧オイルを導くことができるので、高圧オイルを導いた時の過剰なベーン押付力を防止することができる。これにより、摺動損失を低減することができるので、膨張および過膨張する冷媒から得られた動力をより効率的に再圧縮に利用することができる。また、ベーン47Bのピストン44に対する押付力を低減できるので、ベーン押付けによる伝動軸35のトルク変動の影響を小さくできる。これにより、伝動軸35の回転変動を抑えることができるので、回転変動に伴う振動および騒音を抑えることができる。また、高圧作動部である上流側ロータリ機構4Aの各摺動部には、第2オイル溜り81の高圧オイルを導くことができるので、すべての摺動部に対してオイルを差圧給油することができ、摺動部の高い信頼性を確保することができる。
また、伝動軸35の上部にフライホイール36が設けられているので、フライホイール36を気相の中圧冷媒雰囲気下で回転させることができる。これにより回転抵抗を小さくできるので、膨張および過膨張する冷媒から得られた動力をさらに効率的に再圧縮に利用することができる。また、フライホイール36によって、伝動軸35の回転変動に伴う振動および騒音をさらに抑えることができる。また、フライホイール36はバランスウェイトとしても機能するので、第2オイル溜り81の高圧オイルによって伝動軸35が鉛直上方向に押し上げられるのを、フライホイール36の自重によって相殺することができる。これにより、伝動軸35のスラスト荷重を低減し、膨張および過膨張する冷媒から得られた動力を特に効率的に再圧縮に利用することができる。
なお、本実施形態では、中間閉塞部材31の周縁が全周に亘って第2密閉容器80の内周面に直接溶接されているが、本発明の区画部材は、第1空間82Aと第2空間82Bとを隔てる構成であればなんでもよく、本実施の形態に限定されるものではない。例えば、第2密閉容器80の内周面にリング状の区画部材を溶接し、この区画部材に中間閉塞部材31を固定してもよい。
<変形例>
図示は省略するが、第1蒸発器5の出口と圧縮機1の吸入ポート(図示せず)とを配管で直接接続した上で、第1蒸発器5の上流側の配管6cの上流端を第2密閉容器80に第3オイル溜まり83の上側の空間84に開口するように接続するとともに、容積型流体機械3の吐出ポート3bを空間84に開口させてもよい。この場合、第2密閉容器80内の第3オイル溜まり83の上側の空間84には、容積型流体機械3から低温中圧の冷媒が吐出される。このようにしても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第2実施形態)
<冷凍サイクル装置の構成>
図7は、本発明の第2実施形態の冷凍サイクル装置10Bの構成図であり、図8は、その冷凍サイクル装置10Bに用いられる動力回収機械8の模式的な断面図である。なお、本実施形態において、前記実施形態と共通部品については同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施形態の冷凍サイクル装置10Bは、第1蒸発器5から流出した冷媒が圧縮機1に直接吸入される点と、第2密閉容器80内の容積型流体機械3を下流側ロータリ機構4B側から取り囲む第2空間82Bが低圧雰囲気となり、インジェクションポート3cが第2密閉容器80内の第3オイル溜まり83の上側の空間84を介して配管6gと連通する点で、第1実施形態の冷凍サイクル装置10Aと相違する。
具体的に、冷凍サイクル装置10Bでは、第1蒸発器5の出口は、配管6hを介して圧縮機1の吸入ポート(図示せず)に接続されている。また、第2蒸発器50の下流側の配管6gの下流端が、第2密閉容器80に第3オイル溜まり83の上側の空間84に開口するように接続されており、容積型流体機械3のインジェクションポート3cが空間84に開口している。すなわち、配管6f、膨張弁61、第2蒸発器50、配管6gおよび第2密閉容器80内の空間84は、容積型流体機械3のインジェクションポート3cに第2の圧力P2(低圧)を有する冷媒を導くインジェクション路60を構成し、空間84は、第2蒸発器50から流出した中温低圧の冷媒で満たされる。空間84では、中温低圧の冷媒からオイルが分離され、そのオイルが第3オイル溜り83に加わる。第3オイル溜まり83を構成するオイルは、第2蒸発器50から流出した冷媒と層をなすため、その冷媒の圧力と等しい圧力(低圧、すなわち第2の圧力P2)を有している。
<冷凍サイクル装置の効果>
以上のように、本実施形態の冷凍サイクル装置10Bでは、低圧作動部である下流側ロータリ機構4Bのベーン47Bの背面に面する第2遊隙空間49Bに、高圧オイルではなく低圧オイルを導くことができるので、高圧オイルを導いた時の過剰なベーン押付力を防止することができる。これにより、摺動損失を低減することができるので、膨張および過膨張する冷媒から得られた動力をより効率的に再圧縮に利用することができる。また、ベーン47Bのピストン46に対する押付力を低減できるので、ベーン押付けによる伝動軸35のトルク変動の影響を小さくできる。これにより、伝動軸35の回転変動を抑えることができるので、回転変動に伴う振動および騒音を抑えることができる。また、高圧作動部である上流側ロータリ機構4Aの各摺動部には、第2オイル溜り81の高圧オイルを導くことができるので、すべての摺動部に対してオイルを差圧給油することができ、摺動部の高い信頼性を確保することができる。
ところで、本実施形態の冷凍サイクル装置10Bでは、下流側ロータリ機構4Bの作動室46内の冷媒の圧力が下流側ロータリ機構4Bの周囲の圧力以上になる。しかし、伝動軸35とピストン46との間の摺動部、および伝動軸35と第2閉塞部材33との間の摺動部には、伝動軸35の内部に形成された給油路35aを通じて高圧オイルを導くことができるので、これらの摺動部に対してもオイルを差圧給油することができ、摺動部の高い信頼性を確保することができる。
なお、第1実施形態と同様の構成要素に起因する効果は、本実施形態の冷凍サイクル装置10Bにおいて同様に得ることができることは言うまでもない。
<変形例>
図1と同様にインジェクション路60を構成する配管6gの下流端をインジェクションポート3cに直接接続した上で、第2蒸発器50の上流側の配管6fを膨張弁61の下流側で二分割し、その間に第2密閉容器30内の第3オイル溜まり83の上側の空間84を介在させてもよい。この場合、第2密閉容器80内の第3オイル溜まり83の上側の空間84は、膨張弁61で膨張した低温低圧の冷媒で満たされる。このようにしても、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
<冷凍サイクル装置の構成>
図9は、本発明の第3実施形態に係る冷凍サイクル装置10Cの構成図であり、図10は、その冷凍サイクル装置10Cに用いられる動力回収機械8の模式的な断面図である。なお、本実施形態において、第1実施形態と共通部品については同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施形態の冷凍サイクル装置10Cは、第1蒸発器5から流出した冷媒が圧縮機1に直接吸入される点と、下流側ロータリ機構4Bが第2オイル溜まり81に浸っている点で、第1実施形態の冷凍サイクル装置10Aと相違する。
具体的には、第1蒸発器5の出口が配管6hを介して圧縮機1の吸入ポート(図示せず)に接続されている。また、中間閉塞部材31における上流側ロータリ機構4Aのシリンダ42および下流側ロータリ機構4Bのシリンダ45よりも外側の位置に貫通孔31bが設けられており、この貫通孔31bを通じて容積型流体機械3を上流側ロータリ機構4A側から取り囲む第1空間と容積型流体機械3を下流側ロータリ機構4B側から取り囲む第2空間とが連通している。すなわち、本実施形態では、中間閉塞部材31が第1実施形態で説明した区画部材としては機能しない。第2オイル溜まり81の油面は、下流側ロータリ機構4Bのシリンダ45よりも上方であればどこに位置していてもよい。
下流側ロータリ機構4Bの上方に位置する第2閉塞部材32は、第2遊隙空間49Bを上方から閉塞する形状を有している。すなわち、第2閉塞部材32、中間閉塞部材31、およびシリンダ45は、第2遊隙空間49Aを第2オイル溜まり81から隔離する隔離部材として機能する。
第2閉塞部材32には、吐出ポート3bから分岐して第2遊隙空間49Bにつながる導入路37が設けられている。この導入路37によって吐出ポート3bを通じて吐出される冷媒が第2遊隙空間49Bに導かれ、第2遊隙空間49Bが容積型流体機械3から吐出される低温中圧の冷媒で満たされる。
中間閉塞部材31には、下流側ロータリ機構4Bのベーン47Bとベーン溝45aとの間の摺動部に第2オイル溜り81の高圧オイルを導く給油路31cが中間閉塞部材31の下面と上面を結ぶように設けられている。なお、給油路31cは、中間閉塞部材31の上面にシリンダ45の外側からベーン47Aに向かって延びる溝で構成することも可能である。また、給油路31cは、第2閉塞部材32に設けられていてもよい。
さらに、本実施形態では、第2閉塞部材32の上面に面する空間を囲むようにカバー(マフラー)38が被せられている。そして、伝動軸35には、カバー38で囲まれる空間38a内に位置するようにフライホイール36が設けられている。
カバー38で囲まれる空間38aは、第2閉塞部材33に設けられた冷媒通路39を通じてインジェクションポート3cと連通している。すなわち、カバー38で囲まれる空間38a内には、冷媒通路39によって第2蒸発器50から流出した第2の圧力P2を有する冷媒が導かれる。
<冷凍サイクル装置の効果>
以上のように、本実施形態の冷凍サイクル装置10Cでは、低圧作動部である下流側ロータリ機構4Bのベーン47Bの背面に面する第2遊隙空間49Bに、高圧オイルではなく中圧冷媒を導くことができるので、高圧オイルを導いた時の過剰なベーン押付力を防止することができる。これにより、摺動損失を低減することができるので、膨張および過膨張する冷媒から得られた動力をより効率的に再圧縮に利用することができる。また、ベーン47Aのピストン44に対する押付力を低減できるので、ベーン押付けによる伝動軸35のトルク変動の影響を小さくできる。これにより、伝動軸35の回転変動を抑えることができるので、回転変動に伴う振動および騒音を抑えることができる。また、高圧側作動部である上流側ロータリ機構4Aの各摺動部だけでなく、下流側ロータリ機構4Bの各摺動部にも、第2オイル溜り81の高圧オイルを導くことができるので、すべての摺動部に対してオイルを差圧給油することができ、摺動部の高い信頼性を確保することができる。
なお、第1実施形態と同様の構成要素に起因する効果は、本実施形態の冷凍サイクル装置10Cにおいて同様に得ることができることは言うまでもない。
<変形例>
第2遊隙空間49Bには、インジェクションポート3cに供給される第2の圧力P2(低圧)を有する冷媒(すなわち、インジェクションされる冷媒)を導くようにしてもよい。この場合、導入路37を、第2閉塞部材33に、インジェクションポート3cから分岐して第2遊隙空間49Bにつながるように設ければよい。これにより、第2遊隙空間49Bは第2蒸発器50から流出した中温低圧の冷媒で満たされる。このような構成でも、前記第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、吐出ポート3bとインジェクションポート3cの一方または双方は、中間閉塞部材31に設けられていてもよい。この場合には、吐出ポート3bまたはインジェクションポート3cから分岐して第2遊隙空間49Bにつながる導入路37を中間閉塞部材31に設けることもできる。
また、カバー38で囲まれる空間38a内に、容積型流体機械3から吐出される冷媒が導かれる構成を採用することも可能である。この場合には、容積型流体機械3から吐出される冷媒の圧力脈動が抑制され、振動および騒音をさらに低減することができる。あるいは、カバー38で囲まれる空間38a内に、容積型流体機械3に吸入される高圧冷媒が導かれてもよい。
(その他の実施形態)
前記実施形態では、上流側ロータリ機構4Aが下流側ロータリ機構4Bの下方に位置しているが、それらの位置関係は上下逆でもよい。例えば、第1実施形態では、第2オイル溜まり81が中間閉塞部材31の上方に形成され、第3オイル溜まり83の上側の空間84が中間閉塞部材31の下面に面していてもよい。
また、伝動軸35が水平方向に延びていて、上流側ロータリ機構4Aと下流側ロータリ機構4Bが左右に並んでいてもよい。
本発明の冷凍サイクル装置は、膨張機で得られた動力によって駆動する副圧縮機を利用し、ヒートポンプのCOPを向上させる手段として有用である。
10A〜10C 冷凍サイクル装置
1 圧縮機
2 放熱器
3 容積型流体機械
3c インジェクションポート
31 中間閉塞部材
31c 給油路
32 第1閉塞部材
33 第2閉塞部材
35 伝動軸
35a 給油路
36 フライホイール
37 導入路
38 カバー
4A 上流側ロータリ機構
4B 下流側ロータリ機構
41,44 ピストン
42,45 シリンダ
42a,45a ベーン溝
43,46 作動室
47A,47B ベーン
49A 第1遊隙空間
46B 第2遊隙空間
5 第1蒸発器
50 第2蒸発器
60 インジェクション路
61 膨張弁
70 第1密閉容器
71 第1オイル溜まり
80 第2密閉容器
81 第2オイル溜まり
82A 第1空間
82B 第2空間
83 第3オイル溜まり
9 均油管

Claims (12)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機と、
    前記圧縮機で圧縮された冷媒を冷却する放熱器と、
    伝動軸により互いに連結された上流側ロータリ機構および下流側ロータリ機構を含み、前記放熱器で冷却された冷媒を第1の圧力まで膨張させた後に第2の圧力まで過膨張させ、過膨張した冷媒をインジェクションポートから導入される前記第2の圧力を有する冷媒と共に前記第1の圧力まで再圧縮する容積型流体機械と、
    前記容積型流体機械から吐出された冷媒を加熱する第1蒸発器と、
    前記放熱器から前記容積型流体機械に冷媒を導く流路から分岐して、前記放熱器で冷却された冷媒を膨張弁で前記第2の圧力まで膨張させ、さらに第2蒸発器で加熱した後に前記インジェクションポートに供給するインジェクション路と、
    前記圧縮機を収容し、内部に第1オイル溜まりが形成されるとともにその上側の空間が前記圧縮機から吐出される冷媒で満たされる第1密閉容器と、
    前記容積型流体機械を収容し、内部に少なくとも前記上流側ロータリ機構が浸る第2オイル溜まりが形成される第2密閉容器と、
    前記第1オイル溜まりと前記第2オイル溜まりとを連通するように前記第1密閉容器と前記第2密閉容器とを連結する均油管と、を備え、
    前記上流側ロータリ機構および前記下流側ロータリ機構は、前記伝動軸の径方向の外向きに開放される背面を持つベーンをそれぞれ有し、
    前記伝動軸の径方向において前記上流側ロータリ機構のベーンの外側には、当該ベーンの背面に面し、前記第2オイル溜まりと連通して前記第2オイル溜まりのオイルで満たされる第1遊隙空間が形成されており、
    前記伝動軸の径方向において前記下流側ロータリ機構のベーンの外側には、当該ベーンの背面に面し、前記第2オイル溜まりとは独立した、前記第1の圧力または前記第22の圧力と等しい圧力の流体で満たされる第2遊隙空間が形成されている、
    冷凍サイクル装置。
  2. 前記第2密閉容器内には、前記容積側流体機械を前記上流側ロータリ機構側から取り囲む第1空間と前記容積型流体機械を前記下流側ロータリ機構側から取り囲む第2空間とを隔てる区画部材が設けられており、
    前記第1空間にオイルが満たされることにより前記第2オイル溜まりが形成されており、
    前記第2空間の下部には第3オイル溜まりが形成され、その上側の空間が前記第1の圧力を有する冷媒または前記第2の圧力を有する冷媒で満たされ、前記第2遊隙空間が前記第3オイル溜まりと連通して前記第3オイル溜まりのオイルで満たされる、請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  3. 前記上流側ロータリ機構および前記下流側ロータリ機構は、円筒状の内周面を有するシリンダと、前記シリンダの内側で偏心回転運動するピストンとをそれぞれ有しており、前記ベーンは、前記シリンダの内周面と前記ピストンとの間に形成される作動室を上流側と下流側とに仕切っており、
    前記容積型流体機械は、前記上流側ロータリ機構と前記下流側ロータリ機構の間で前記上流側ロータリ機構の前記作動室および前記下流側ロータリ機構の前記作動室を閉塞する中間閉塞部材と、前記上流側ロータリ機構の前記作動室を前記中間閉塞部材と反対側から閉塞する第1閉塞部材と、前記下流側ロータリ機構の前記作動室を前記中間閉塞部材と反対側から閉塞する第2閉塞部材と、をさらに含み、
    前記中間閉塞部材は、前記第2密閉容器の内周面に固定されており、前記区画部材として機能する、請求項2に記載の冷凍サイクル装置。
  4. 前記伝動軸には、前記第3オイル溜まりの上側の空間内に位置するようにフライホイールが設けられている、請求項2または3に記載の冷凍サイクル装置。
  5. 前記下流側ロータリ機構は、前記第2オイル溜まりに浸っており、
    前記第2密閉容器内には、前記第2遊隙空間を前記第2オイル溜まりから隔離する隔離部材が設けられており、
    前記隔離部材には、前記容積型流体機械から吐出される冷媒または前記容積型流体機械にインジェクションされる冷媒を前記第2遊隙空間に導く導入路が設けられている、請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  6. 前記上流側ロータリ機構および前記下流側ロータリ機構は、円筒状の内周面を有するシリンダと、前記シリンダの内側で偏心回転運動するピストンとをそれぞれ有しており、前記ベーンは、前記シリンダの内周面と前記ピストンとの間に形成される作動室を上流側と下流側とに仕切っており、
    前記容積型流体機械は、前記上流側ロータリ機構と前記下流側ロータリ機構の間で前記上流側ロータリ機構の前記作動室および前記下流側ロータリ機構の前記作動室を閉塞する中間閉塞部材と、前記上流側ロータリ機構の前記作動室を前記中間閉塞部材と反対側から閉塞する第1閉塞部材と、前記下流側ロータリ機構の前記作動室を前記中間閉塞部材と反対側から閉塞する第2閉塞部材と、をさらに含み、
    前記下流側ロータリ機構のシリンダには、径方向内側に開口し、前記ベーンが往復自在に挿入されるベーン溝が形成されており、このベーン溝の底部によって前記第2遊隙空間が構成されており、
    前記中間閉塞部材および前記第2閉塞部材は、前記第2遊隙空間を前記伝動軸の軸方向の両側から閉塞しており、
    前記隔離部材は、前記下流側ロータリ機構のシリンダ、前記中間閉塞部材、および前記第2閉塞部材で構成されている、請求項5に記載の冷凍サイクル装置。
  7. 前記中間閉塞部材または前記第2閉塞部材には、前記ベーンと前記ベーン溝の間の摺動部に前記第2オイル溜まりのオイルを導く給油路が設けられている、請求項6に記載の冷凍サイクル装置。
  8. 前記第2閉塞部材には、当該第2閉塞部材に面する空間を囲むようにカバーが被せられており、
    前記伝動軸には、前記カバーで囲まれる空間内に位置するようにフライホイールが設けられており、
    前記カバーで囲まれる空間内には、前記第1の圧力を有する冷媒または前記第2の圧力を有する冷媒が導かれる、請求項6または7に記載の冷凍サイクル装置。
  9. 前記フライホイールは、バランスウェイトとしても機能する、請求項4または8に記載の冷凍サイクル装置。
  10. 前記第1閉塞部材および前記第2閉塞部材は、前記伝動軸を回転可能に支持する、請求項3または6に記載の冷凍サイクル装置。
  11. 前記伝動軸は鉛直方向に延びており、前記上流側ロータリ機構は前記下流側ロータリ機構の下方に位置している、請求項1〜10のいずれか一項に記載の冷凍サイクル装置。
  12. 前記伝動軸の内部には、前記第2オイル溜まりのオイルを前記上流側ロータリ機構および前記下流側ロータリ機構に供給するための給油路が設けられている、請求項1〜11のいずれか一項に記載の冷凍サイクル装置。
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