以下、この発明による電話システムの一実施形態を、図を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態の電話システムは、それぞれボタン電話端末からなる電話端末の複数個と主装置とからなるボタン電話システムである。
[設定のためのシステム構成の概要]
図1は、この発明の実施形態の電話システムの内線電話端末への設定方法を説明するためのシステム構成図である。この例のシステムは、ボタン電話システム1と、管理者側システム2とが、電話網を含む通信ネットワーク3を介して接続されて構成される。
この図1の例のボタン電話システム1は、交換制御装置の例としての主装置10と、複数台のボタン電話端末111,112,・・・,11n(nは2以上の整数)とからなり、IP(Internet Protocol)電話システムの場合の例としている。なお、交換制御装置は、SIP(Session Initiation Protocol)サーバにより構成されると共に、このSIPサーバを、後述するような制御機能を備えるように構成しても勿論よい。
ボタン電話システム1においては、主装置10と、複数個のボタン電話端末(内線電話端末)111〜11nとが、LAN(Local Area Network)12を通じて接続されて構成されている。主装置10は、また、通信ネットワーク3に接続されている。主装置10は、ボタン電話端末あるいはパソコンからの設定操作開始要求に応じて、設定モードとなり、後述するような設定モードにおける処理を行う。
管理者側システム2は、管理者用電話端末21と、設定用装置の一例としてのパソコン22とからなる。そして、管理者用電話端末21およびパソコン22は、共に、通信ネットワーク3に接続されている。パソコン22には、ボタン電話端末の設定を行うためのアプリケーションプログラムがインストールされている。
この実施の形態では、ボタン電話システム1の工事業者は、ボタン電話システム1の設置工事が終了したときには、複数個のボタン電話端末111〜11nのいずれかから、管理者側システム2の管理者用電話端末21に電話をかけ、管理者にパソコン22を用いた設定作業を依頼する。
管理者側システム2では、管理者が、管理者用電話端末21で着信を受けて通話路を生成して工事業者との間で通話を行って、工事業者からの設定作業の依頼を受けると、通話路を維持して、工事業者と通話をしながら、パソコン22を用いて設定作業を実行するようにする。
なお、工事業者が管理者側システム2の管理者用電話端末21に電話をかけるボタン電話端末は、複数個のボタン電話端末111〜11nのうちから予め定められている代表のボタン電話端末であってもよいし、設定対象のボタン電話端末であっても良い。
パソコン22には、予め、ボタン電話システム1のボタン電話端末111〜11nの設定データを作成して保持(メモリ)しておくようにしても良いが、この実施の形態では、パソコン22にインストールされた設定用のアプリケーションプログラムにしたがって、管理者が設定操作をすることができるように構成されている。
そして、管理者の操作に従って、パソコン22は、通信ネットワーク3を通じてボタン電話システム1の主装置10に、ボタン電話端末111〜11nについての設定データを送信する。
主装置10は、この実施の形態では、設定モードにおいては、パソコン22から送られてくる設定データを受信すると、その設定データに対応するボタン電話端末の設定操作を、工事業者に可視化報知するための表示用データとして、設定画面データを生成する。この設定画面データは、設定データによる設定内容がどのようなものであるかをディスプレイの表示画面に示すための表示画面データと、設定データを工事業者が設定入力するとした場合のボタン電話端末のボタンキーについての表示制御データとを含む。
そして、主装置10は、設定モードにおいて、その生成した設定画面データを、この実施の形態では、管理者側電話端末21と通話中であるボタン電話端末に送る。この設定画面データを受け取ったボタン電話端末は、その設定画面データのうちの表示画面データを、そのディスプレイに表示すると共に、ボタンキーについての表示制御データに基づいて、ボタンキーに関する表示を行う。工事業者は、このボタン電話端末におけるディスプレイの画面表示と、ボタンキーの表示から、設定操作を学習することができる。
そして、この実施の形態では、工事業者は、設定操作を学習した後、ボタン電話端末11において、設定操作を実行して、設定操作の習熟度をチェックすることができるように構成されている。
なお、この実施の形態では、後述するように、管理者側システム2のパソコン22にも設定画面データを送り、パソコン22においても、設定画面データによる表示を行うようにする。これにより、パソコン22から主装置10に送った設定データが正しく伝達されたか否かおよび管理者による設定操作が正しかったか否かの確認をすることができるし、また、どの様な表示がボタン電話端末で行われるかを管理者も知ることができて、通話中の工事業者に、設定操作の説明をする際の資料として使用することもできる。
[主装置の構成例]
図2に、この実施形態における主装置10の電気的ハードウエア構成例のブロック図を示す。
この例の主装置10は、マイクロコンピュータを備えて構成されている。すなわち、主装置10は、システムバス100に対して、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、内線用インターフェース104、外線用インターフェース105、パケット処理部106、通信管理部107、設定データ解析部108、設定メモリ109、設定画面データ生成部110、のそれぞれが接続されている。
CPU101は、ROM102に記憶されているプログラムに従って、RAM103をワークエリアとして用いて、後述するような主装置10が実行する処理を、ソフトウエア処理として実行する。
ROM102には、ボタン電話端末あるいはパソコンからの設定操作開始要求に応じて、設定モードとなり、後述するような設定モードにおける処理を行うためのプログラムが記憶されている。
内線用インターフェース104は、ボタン電話端末111〜11nからLAN12を通じて送られてくるパケットを受信して、システムバス100を通じてパケット処理部106に渡すと共に、パケット処理部106からシステムバス100を通じて転送されてくる受信パケットを、LAN12を通じてボタン電話端末111〜11nに送るようにする。
外線用インターフェース105は、この例では、IP電話網からなる通信ネットワーク3に接続される。外線用インターフェース105は、通信ネットワーク3を通じて送られてくる受信パケットを受信して、システムバス100を通じてパケット処理部106に渡すと共に、パケット処理部106からシステムバス100を通じて転送されてくる送信パケットを、通信ネットワーク3に送り出すようにする。
パケット処理部106は、外線用インターフェース105からの受信パケットを分解して、着信の呼制御をするための情報をシステムバス100に送出する機能と、外線用インターフェース105からの受信パケットを、ボタン電話端末111〜11nに送るパケットに変換する機能と、ボタン電話端末111〜11nからの送信パケットを、外線インターフェース105を通じて通信ネットワーク3に送出するパケットに変換する機能とを備える。パケット処理部106は、CPU101が、ROM102のプログラムにより実行するソフトウエア処理としても実現できる。
通信管理部107は、このボタン電話システムにおける着信、発呼、通話中、保留中などの通信を管理するためのもので、現在の外線、内線の状態がどのようになっているかを把握して管理する。
通信管理部107は、また、この例のボタン電話システム1に収容されているボタン電話端末111〜11nの識別情報と、その内線番号と、LAN12上のアドレスとの対応関係などを記憶して管理する。この例では、ボタン電話端末111〜11nの識別情報としては、それぞれのボタン電話端末に付与された電話機番号(子機番号)とされている。
設定データ解析部108は、設定モードのときに起動され、管理者側装置から送られてくる設定データを、パケット処理部106を介して受けて、どのような設定内容であり、どのような設定操作に基づくものであるかを解析する。ここで、設定データは、予め定められているものであるので、設定データ解析部108は、例えばそれぞれの設定データと、その設定内容の情報と、設定操作に関する情報とを対応付けて記憶する記憶部(図示は省略)を備えており、設定データを検索子として、対応する設定内容の情報と、設定操作に関する情報を設定画面データ生成部110に転送する。
なお、設定は、ボタン電話端末111〜11nのそれぞれについてなされるので、設定データには、いずれのボタン電話端末の設定データであるかを識別するために、ボタン電話端末の識別情報が付加されている。設定データ解析部108は、出力する設定内容の情報および設定操作に関する情報のそれぞれに、このボタン電話端末の識別情報を付加して出力する。
設定メモリ109は、受信した設定データを、当該設定データに付加されているボタン電話端末の識別情報と対応付けて、記憶する。
設定画面データ生成部110は、設定モードのときに起動され、設定データ解析部108からの前記設定データの解析の結果得られる設定内容の情報および設定操作に関する情報を受信する。そして、設定画面データ生成部110は、これらの情報を受け取ると、付加されているボタン電話端末の識別情報から、いずれのボタン電話端末の設定の情報であるかを判別すると共に、設定内容の情報と設定操作に関する情報とから、前述した設定画面データを生成する。
そして、設定画面データ生成部110は、生成した設定画面データを、パケット処理部106および内線用インターフェース104を通じて、設定対象のボタン電話端末あるいは代表のボタン電話端末に送信する。
また、この実施の形態の主装置10は、設定操作の習熟度のチェックモードを備えており、このチェックモードにおいても、設定データ解析部108および設定画面データ生成部110を起動する。後述するようにチェックモードにおいては、設定データはボタン電話端末から送られてくるので、設定データ解析部108は、その設定データを解析する。そして、設定画面データ生成部110は、設定モードと同様に、設定データ解析部108の解析結果に基づいて設定画面データを生成して、ボタン電話端末およびパソコン22の両方に送信する。設定操作の習熟度のチェックモードの動作については、後で詳述する。
[ボタン電話端末の構成例]
〔ボタン電話端末の外観〕
ボタン電話端末111〜11nは、同一の構成を備えるものである。図3に、ボタン電話端末111〜11nの外観の一例を示す。なお、以下の説明において、複数個のボタン電話端末111〜11nを区別する必要がないときには、説明の簡単のため、ボタン電話端末11と記すこととする。
ボタン電話端末11は、電話端末本体41と、ハンドセット42とからなる。電話端末本体41には、ファンクションキー43a、内線キー43b、保留キー43c、短縮キー43d、テンキー43eなどからなるボタンキー群43と、例えばLCD(Liquid Crystal Display)からなるディスプレイ(表示画面)44が設けられる。
ボタンキー群43のファンクションキー43aなどのキーボタンには、LED(Light Emitting Diode;発光ダイオード)が関連して設けられており、点灯、点滅、消灯により、ボタン電話端末11の操作状態や、現在モードの状態を、利用者に報知することができるように構成されている。
〔ボタン電話端末11の電気的ハードウエア構成〕
この実施形態におけるボタン電話端末111〜11nの電気的ハードウエア構成は、全く同様である。図4に、この実施形態におけるボタン電話端末11の電気的ハードウエア構成例のブロック図を示す。なお、この例のボタン電話システムは、VoIP(Voice Over Internet Protocol)に対応のIP電話システムの場合であり、音声情報、画像情報や制御情報はパケット化されて送受信される。
この例のボタン電話端末11は、マイクロコンピュータを搭載して構成されており、システムバス200に対して、CPU201、ROM202、RAM203、通信用インターフェース204、パケット処理部205、ハンドセットインターフェース206、操作部インターフェース207、LED群ドライブ部208、ディスプレイインターフェース209、のそれぞれが接続されている。
また、この実施形態では、システムバス200には、さらに、送信情報生成部210と、受信情報解析部211が接続されている。
CPU201は、ROM202に記憶されているプログラムに従って、RAM203をワークエリアとして用いることにより、以下に説明するようなボタン電話端末11が実行する種々の処理を、ソフトウエア処理として実行する。送信情報生成部210と、受信情報解析部211も、このCPU201によるソフトウエア処理として構成することもできる。
通信用インターフェース204は、この例では、LAN12に接続される。図示は省略するが、このLAN12には、前述したように、主装置1および他のボタン電話端末11が接続される。
パケット処理部205は、通信用インターフェース204を通じて受信した呼制御用パケットや受話音声のパケットを分解して呼制御情報や受話音声信号を得、システムバス200に送出する。CPU201は、システムバス200に送出された呼制御情報を解析して、対応する呼制御処理を行う。また、システムバス200に送出された受話音声信号は、ハンドセットインターフェース206を通じてハンドセット42に送られる。
パケット処理部205は、また、CPU201の制御に従って送信用の呼制御用パケットを生成し、あるいはハンドセットインターフェース206を通じて取り込まれた送話音声信号から送話音声パケットを生成して、システムバス200に送出する。これら送信用の呼制御用パケットおよび送話音声パケットは、CPU201の制御に従って通信用インターフェース204を通じて送信される。
ハンドセットインターフェース206は、ハンドセット42に接続されている。相手からの受話音声の音声信号は、CPU201の制御に従い、ハンドセットインターフェース206を通じてハンドセット42の受話器に供給される。また、ハンドセット42の送話器のマイクロホンで収音された送話音声の音声信号は、CPU201の制御に従い、ハンドセットインターフェース206を通じてシステムバス200に送出され、通信用インターフェース204を通じて相手方に送信される。
操作部インターフェース207には、テンキーやその他のファンクションキーなどのボタンキー群43を有する操作部212が接続されている。操作部212を通じてユーザによりボタンキー群43のいずれかに対してキー入力操作が行われると、そのキー操作信号が操作部インターフェース207を通じてシステムバス200に送られる。CPU201は、操作部インターフェース207を通じてシステムバス200に送出されたキー操作信号から、いずれの操作キーが操作されたかを判別し、その判別結果に応じた処理を行うようにする。
LED群ドライブ部208には、操作ボタン群43に関連して設けられているLED群43LDが接続されており、CPU201の制御に応じて、LED群43LDの各LEDが点灯、消灯、点滅などの状態に制御される。
ディスプレイインターフェース209には、ディスプレイ44が接続されており、CPU201による表示制御にしたがって、ディスプレイ44の表示画面に種々の表示がなされる。
送信情報生成部210は、操作部212を通じたキー入力などに応じた送信情報を生成し、パケット処理部205および通信用インターフェース204を通じてLAN12に送出する。特に、この実施の形態では、工事業者は、操作部212を通じて予め定められた特定のキー入力操作が、ボタン電話端末の設定開始要求の操作と定められている。送信情報生成部210は、操作部212を通じたキー入力操作が、ボタン電話端末の設定開始要求の操作であるときには、当該設定開始要求情報を生成し、パケット処理部205および通信用インターフェース204を通じてLAN12に送出する。
また、送信情報生成部210は、操作部212を通じてキー入力操作が、設定操作の習熟度のチェックモードの指定操作であるときには、主装置10に送るチェックモードの開始要求を生成すると共に、その後の操作部212を通じてキー入力操作に応じて設定データを生成し、その設定データを主装置10に送る機能を有する。
受信情報解析部211は、通信用インターフェース204およびパケット処理部205を通じて受け取った受信情報を解析し、その解析結果に応じた処理を行う。そして、受信情報が設定画面データであるときには、そのうちの表示画面データは表示情報に変換して、ディスプレイインターフェース209を通じてディスプレイ44に表示するようにする。また、受信情報解析部211は、設定画面データのうちのボタンキーについての表示制御データに基づいて、ボタンキーに対応するLEDの表示制御情報を生成し、生成したLEDの表示制御情報をLED群ドライブ部208に供給して、対応するLEDの表示制御を実行する。
[設定の動作]
次に、以上説明した図1のシステムにおいて、ボタン電話システム1におけるボタン電話端末の設定についての処理動作の幾つかの例について説明する。
〔第1の例〕
この第1の例においては、工事業者が、ボタン電話端末111〜11nのうちの1台のボタン電話端末から管理者用電話端末21に電話をかけ、両端末間で通話路を生成する。そして、工事業者は通話路を形成しているボタン電話端末で、設定開始要求操作である特定の操作をすることにより、設定の開始を指示する。そして、工事業者と管理者との間で通話をしながら、管理者がパソコン22で設定操作を実行することにより、設定が実行される。
なお、以下の説明において、設定を実行しているときに、設定画面データを受信して、設定操作に関するディスプレイ表示およびLED表示を行うボタン電話端末をアテンダント電話端末ATと称することとする。以下に説明する第1の例では、アテンダント電話端末ATは、設定対象のボタン電話端末としている。
この第1の例においては、設定の実行の際には、後述するように設定操作に関する表示が、工事業者が通話を行っているボタン電話端末でなされ、工事業者に報知されることになる。なお、この例では、前述もしたように、設定操作に関する表示は、パソコン22でも行われるように構成されている。
そして、設定が終了して、パソコン22よりその旨が主装置10に通知された後、例えば管理者から設定終了の旨が工事業者に通話により伝達され、通話を終話する。通話の終了により、設定の処理動作が完了となる。以下、この第1の例について、さらに詳細に説明する。
〔第1の例の処理シーケンス〕
図5に、この第1の例の場合の処理シーケンスを示す。この図5に示すように、この第1の例においては、先ず、工事業者は、ボタン電話システム1で設置作業が終了した後、アテンダント電話端末AT(設定対象のボタン電話端末)から、管理者用電話端末21の電話番号をダイヤルして、発呼を行う。すると、その発呼は、主装置10を通じて管理者用電話端末21に着信する。
この着信に対して、管理者側電話端末21で管理者が着信応答をすると、アテンダント電話端末ATと管理者側電話端末21との間に通話路が形成され、管理者と工事業者との間で通話が開始される。
この通話において、例えば、工事業者は、管理者に、アテンダント電話端末ATで設定開始要求操作を行うことを告げて、アテンダント電話端末ATで設定開始要求操作である特定の操作を行い、設定を管理者に依頼する。なお、この設定開始要求操作には、管理者側システム2のパソコン22を相手先として指定する相手先指定情報の入力操作も含まれている。
アテンダント電話端末ATは、工事業者による設定開始要求操作である特定の操作入力および相手先指定情報の操作入力を検知すると、パソコン22を相手先として指定する情報を含む設定開始要求を、主装置10に送る。
主装置10は、この設定開始要求を受け取ると、設定モードとなり、それ以後は、アテンダント電話端末ATでのボタン操作入力を無効と見なすこととする。これは、アテンダント電話端末ATでのボタン操作を可能としてしまうと、以後のパソコン22からの設定データによる設定が正しく行われないおそれがあるためである。そして、主装置10は、管理者側システム2のパソコン22との間に通信路を生成する。そして、主装置10は、この第1の例においては、設定を行うアテンダント電話端末ATの識別情報としての子機番号をパソコン22に通知する。
次に、管理者は、工事業者との通話に基づき、パソコン22に対して設定操作開始指示を入力する。すると、パソコン22は、設定開始通知を主装置10に送る。これにより、主装置10は、設定開始を認識する。
パソコン22は、設定操作開始指示入力を受け付けると、ボタン電話端末の設定を行うためのアプリケーションプログラムを起動し、図6に示すような設定操作画面220を、例えばウィンドウ画面として、そのディスプレイ画面に表示する。
この例では、この設定操作画面220は、ボタン電話端末のキーと、パソコン22のキーボードのキーとの対応関係を示す対応キー一覧表示部221と、ボタン電話端末の本体操作パネル部分表示部222とからなる。ボタン電話端末の本体操作パネル部分表示部222は、図3に示したボタン電話端末11の本体41の操作パネル部分のディスプレイ画面44に対応するディスプレイ画面表示223と、操作ボタン群43に対応する操作ボタン群表示224とを有している。
次に、管理者は、設定操作画面220の対応キー一覧表示部221を参照しながら、パソコン22のキーボードを用いて、設定対象のボタン電話端末に対する設定操作入力をする。すると、パソコン22は、設定操作入力に応じた設定データを生成して、主装置10に送る。
主装置10は、この設定データを受け取ると、前述したように、設定メモリ109に、その設定データを、対象ボタン電話端末の識別情報に対応付けて記憶する。また、主装置10は、受信した設定データを設定データ解析部108で解析し、その解析結果に基づいて設定画面データ生成部110で設定画面データを生成し、生成した設定画面データを、アテンダント電話端末ATに送ると共に、パソコン22に送る。
アテンダント電話端末ATは、主装置10からの設定画面データを受け取ると、受信情報解析部211で解析し、前述したように、ボタンキー群43に対応して設けられているLED群43LDを表示制御すると共に、ディスプレイ44の表示画面に設定内容の表示、すなわち、設定操作表示を行う。このときのアテンダント電話端末ATの本体41の操作パネル部分の表示例を図7に示す。
この図7においては、ディスプレイ44の表示内容は、内線番号に関する設定であることを示しており、具体的には、内線番号1000を設定する場合を示している。
また、図7の例では、ボタンキー群43のうちの、LEDが点灯(図7では点灯は黒丸で示す)しているファンクションキーF29がディスプレイ44の表示画面内のカーソル位置にリンクしており、ファンクションキーF29を押すと次の表示に移ることを示している。また、「ログアウト」のキーも点灯しているが、これは、設定を終了するためのキーで、この「ログアウト」のキーを押すことにより設定を終了することを示している。
工事業者は、設定操作表示を注視することにより、なされている設定についての操作を学習することができる。
そして、この実施形態では、設定画面データは、主装置10からパソコン22にも供給されるが、パソコン22では、この設定画面データを受け取ると、ボタン電話端末11と同様にして解析し、図6に示すディスプレイ画面表示223に、ディスプレイ44の表示画面と同じ内容を表示すると共に、操作ボタン群表示224に対して、ボタン電話端末の操作ボタン群43についてのLED表示と同様の疑似LED表示を行う。これにより、管理者は、工事業者が、どのような設定操作表示を見ているかを確認することができ、また、この設定操作表示を参照しながら、通話により、工事業者に適切なアドバイスをすることもできる。
管理者がパソコン22のキーボードを用いて、設定対象のボタン電話端末に対する設定操作入力をする毎に、パソコン22からの設定データの主装置10への送信と、主装置10からの設定画面データのアテンダント電話端末ATおよびパソコン22への送信動作が繰り返され、上述の設定操作表示がなされる。
そして、設定操作が完了すると、管理者は、パソコン22のキーボードから設定終了操作入力をする。すると、パソコン22は、設定終了通知を主装置10に送る。主装置10は、この設定終了通知を受けて、設定モードを終了、すなわち、アテンダント電話端末ATの操作無効を解除し、パソコン22との通信路は切断する。また、管理者は、工事業者に通話により設定終了を告げて、管理者用電話端末21でオンフック操作(終話操作)をする。主装置10は、この管理者用電話端末21でのオンフック操作に基づく終話通知を受け、管理者用電話端末21とアテンダント電話端末ATとの間の通話路の切断処理を行い、通話を終了させる。
〔第1の例における主装置10の処理動作の流れ〕
以上説明した第1の例における主装置10での処理動作の流れを、図8および図9のフローチャートを参照しながら説明する。なお、この図8、図9の各ステップの処理、また、後述するフローチャートの各ステップの処理は、主装置10のCPU101が、ROM102のプログラムにしたがって、RAM103をワークエリアとして用いて実行するものである。
CPU101は、ボタン電話端末11からの外線発信要求を受け取ったか否か判別し(ステップS101)、受け取っていないと判別したときには、その他の処理のためのルーチンを行い(ステップS102)、その他の処理のためのルーチンを終了した後、ステップS101に戻る。
ステップS101で、ボタン電話端末11からの外線発信要求を受け取ったと判別したときには、CPU101は、当該外線発信要求により含まれる相手先電話番号の相手先に対する発呼シーケンスを実行する(ステップS103)。そして、相手応答を監視し(ステップS104)、相手応答がなければ、CPU101は、非応答の処理を実行する(ステップS105)。
ステップS104で、相手が応答したと判別したときには、CPU101は、相手の電話端末と外線発信してきたボタン電話端末11との間に通話路を生成する(ステップS106)。そして、CPU101は、ボタン電話端末11からの、工事業者による特定の操作の入力に基づく設定開始要求を受信したか否か判別する(ステップS107)。
このステップS107で、設定開始要求を受信してはいないと判別したときには、CPU101は、通話路の切断要求が発生したか否か判別し(ステップS108)、通話路の切断要求が発生したと判別したときには、通話路の切断処理を行って(ステップS109)、この処理ルーチンを終了する。また、ステップS108で、通話路の切断要求は発生していないと判別したときには、ステップS107に戻り、設定開始要求を受信したか否か判別する。
ステップS107で、アテンダント電話端末ATからの設定開始要求を受信したと判別したときには、CPU101は、主装置10を設定モードとして、設定データ解析部108、設定画面データ生成部110を起動させると共に、管理者側電話端末21との間で通話路を生成しているボタン電話端末11をアテンダント電話端末ATとして、このアテンダント電話端末ATでのボタンキー操作を以後無効とする(図9のステップS111)。
そして、CPU101は、管理者側システム2のパソコン22との間に通信路を生成し、アテンダント電話端末ATの識別情報としての子機番号をパソコン22に通知する(ステップS112)。
次に、CPU101は、パソコン22からの設定操作開始通知を待ち(ステップS113)、設定操作開始通知を受信したと判別したときには、パソコン22から設定データを受信したか否か判別する(ステップS114)。ステップS114で、設定データを受信したと判別したときには、CPU101は、受信した設定データを、設定メモリ109に格納すると共に、前述したように、設定データ解析部108で解析し、その解析結果に基づいて設定画面データ生成部110で設定画面データを生成し、生成した設定画面データを、アテンダント電話端末ATに送ると共に、パソコン22に送る(ステップS115)。そして、ステップS114に戻り、このステップS114以降の処理を繰り返す。
ステップS114で、設定データを受信してはいないと判別したときには、CPU101は、設定終了通知を受信したか否か判別する(ステップS116)。このステップS116で、設定終了通知を受信してはいないと判別したときには、CPU101は、ステップS114に戻り、このステップS114以降の処理を繰り返す。
また、ステップS116で、設定終了通知を受信したと判別したときには、CPU101は、設定モードを終了し、設定データ解析部108および設定画面データ生成部110を非動作状態とすると共に、アテンダント電話端末ATでのボタンキー操作の無効を解除する(ステップS117)。そして、CPU101は、通話路の切断要求を待ち(ステップS118)、通話路の切断要求が発生したと判別したときには、通話路の切断処理を行って(ステップS119)、この処理ルーチンを終了する。
〔第2の例〕
この第2の例は、工事業者がアテンダント電話端末ATから管理者用電話端末21に電話をかけ、通話路を生成し、工事業者と管理者との間で通話をしながら、管理者がパソコン22で設定操作を実行するのは、第1の例と同様である。しかし、この第2の例では、管理者がパソコン22から設定開始指示をする点が第1の例とは異なる。
この第2の例では、パソコン22から設定開始指示をするので、設定対象のボタン電話端末も、パソコン22から、識別情報としての子機番号を主装置に通知することにより指定する。主装置10は、パソコン22から通知された子機番号のボタン電話端末について設定データを保存する。
第2の例は、このような処理であるため、アテンダント電話端末ATは、設定対象のボタン電話端末とする必要はなく、予め定めた任意の1台のボタン電話端末とすることができる。したがって、第2の例の場合には、設定画面データを主装置10から受け取って、設定操作表示を行う機能を実行するアテンダント電話端末ATは、1台でよい。つまり、この第2の例の場合には、図4に示したボタン電話端末の構成例における受信情報解析部211を備えるボタン電話端末は、アテンダント電話端末ATとなるボタン電話端末のみでよい。
なお、上述の第1の例においても、アテンダント電話端末が設定開始要求をする際に、設定対象のボタン電話端末の子機番号を主装置10に通知するようにすれば、アテンダント電話端末ATを設定対象のボタン電話端末とする必要は無く、第2の例と同様に、予め定めた任意の1台のボタン電話端末をアテンダント電話端末ATとすることができる。
〔第2の例の処理シーケンス〕
図10に、この第2の例の場合の処理シーケンスを示す。この図10に示すように、この第2の例においては、先ず、工事業者は、ボタン電話システム1で設置作業が終了した後、アテンダント電話端末ATから、管理者用電話端末21の電話番号をダイヤルして、発呼を行う。すると、その発呼は、主装置10を通じて管理者用電話端末21に着信する。
この着信に対して、管理者側電話端末21で管理者が着信応答をすると、アテンダント電話端末ATと管理者側電話端末21との間に通話路が形成され、管理者と工事業者との間で通話が開始される。そして、この第2の例においては、この通話において、例えば、工事業者は、管理者に、パソコン22から設定操作を開始させるように依頼する。
そして、管理者は、パソコン22で、ボタン電話システム1の設定操作開始の指示入力操作をする。この指示入力操作に応じて、パソコン22は、ボタン電話システム1の主装置10宛ての発信を行い、設定操作開始要求を主装置10に送る。
主装置10は、このパソコン22からの設定操作開始要求を受け取ると、パソコン22に対してパスワード要求を送り、パソコン22から送られてくるパスワードによる認証処理を行い、その認証後、主装置10とパソコン22との間に通信路を形成する。そして、主装置10は、設定モードとなる。
そして、主装置10は、パソコン22に対して、設定対象のボタン電話端末の識別情報である子機番号の問い合わせ(子機番号要求)をする。この問い合わせに対して、パソコン22は、管理者により入力された子機番号を、主装置10に送る。
そして、主装置10は、パソコン22から子機番号を受け取ると、その後は、パソコン22から設定操作が実行されることになることから、それ以後は、アテンダント電話端末ATでのボタン操作入力を無効と見なすこととする。
そして、主装置10は、受け取った子機番号のボタン電話端末の設定であることを表示画面データとする設定画面データを生成し、生成した設定画面データをアテンダント電話端末ATおよびパソコン22に送る。
その後、管理者は、工事業者と通話をしながら、前述した図6の設定操作画面220を参照しながら、パソコン22に対して設定操作入力をする。すると、パソコン22は、設定操作入力に応じた設定データを生成して、主装置10に送る。
主装置10は、この設定データを受け取ると、前述したように、設定メモリ109に設定内容の情報を、対象ボタン電話端末の識別情報に対応付けて記憶する。また、主装置10は、設定データ解析部108で受信した設定データを解析し、その解析結果に基づいて設定画面データ生成部110で設定画面データを生成し、生成した設定画面データを、アテンダント電話端末ATに送ると共に、パソコン22に送る。
アテンダント電話端末ATは、主装置10からの設定画面データを受け取ると、受信情報解析部211で解析し、前述したように、ボタンキー群43に対応して設けられているLED群43LDを表示制御すると共に、ディスプレイ44の表示画面に設定内容の表示、すなわち、設定操作表示を行う。
そして、第1の例と同様に、設定操作が完了すると、管理者は、パソコン22のキーボードから設定終了操作入力をする。すると、パソコン22は、設定終了通知を主装置10に送る。主装置10は、この設定終了通知を受けて、設定モードを終了し、パソコン22との通信路は切断する。また、管理者は、工事業者に通話により設定終了を告げて、管理者用電話端末21でオンフック操作(終話操作)をする。主装置10は、この管理者用電話端末21でのオンフック操作に基づく終話通知を受け、管理者用電話端末21とアテンダント電話端末ATとの間の通話路の切断処理を行い、通話を終了させる。
〔第2の例における主装置10の処理動作の流れ〕
以上説明した第2の例における主装置10での処理動作の流れを、図11および図12のフローチャートを参照しながら説明する。
CPU101は、アテンダント電話端末ATからの外線発信要求を受け取ったか否か判別し(ステップS201)、受け取っていないと判別したときには、その他の処理のためのルーチンを行い(ステップS202)、その他の処理のためのルーチンを終了した後、ステップS201に戻る。
ステップS201で、アテンダント電話端末ATからの外線発信要求を受け取ったと判別したときには、CPU101は、当該外線発信要求により含まれる相手先電話番号の相手先に対する発呼シーケンスを実行する(ステップS203)。そして、相手応答を監視し(ステップS204)、相手応答がなければ、CPU101は、非応答の処理を実行する(ステップS205)。
ステップS204で、相手が応答したと判別したときには、CPU101は、相手の電話端末との通話路を生成する(ステップS206)。そして、CPU101は、パソコン22からの設定操作開始要求を受信したか否か判別する(ステップS207)。
このステップS207で、設定操作開始要求を受信してはいないと判別したときには、CPU101は、通話路の切断要求が発生したか否か判別し(ステップS208)、通話路の切断要求が発生したと判別したときには、通話路の切断処理を行って(ステップS209)、この処理ルーチンを終了する。また、ステップS208で、通話路の切断要求は発生していないと判別したときには、ステップS207に戻り、設定操作開始要求を受信したか否か判別する。
ステップS207で、パソコン22からの設定操作開始要求を受信したと判別したときには、CPU101は、パソコン22に対してパスワードを要求する(ステップS210)。そして、CPU101は、このパスワード要求に対してパソコン22から送られてくるパスワードを受信して、認証確認処理をし、認証ができたら通信路を生成し、主装置10を設定モードとして、設定データ解析部108、設定画面データ生成部110を起動させる(ステップS211)。
次に、CPU101は、パソコン22に対して、設定対象のボタン電話端末の子機番号を要求し(ステップS212)、パソコン22から送られてくる子機番号を受信する(ステップS213)。
そして、次に、CPU101は、アテンダント電話端末ATでのボタン操作を以後無効と見なすこととする(図12のステップS221)。
次に、CPU101は、パソコン22から設定データを受信したか否か監視する(ステップS222)。このステップS222で、設定データを受信したと判別したときには、CPU101は、受信した設定データを、設定メモリ109に格納すると共に、前述したように、設定データ解析部108で解析し、その解析結果に基づいて設定画面データ生成部110で設定画面データを生成し、生成した設定画面データを、アテンダント電話端末ATに送ると共に、パソコン22に送る(ステップS223)。そして、CPU101は、処理をステップS222に戻し、このステップS222以降の処理を繰り返す。
ステップS222で、設定データを受信してはいないと判別したときには、CPU101は、設定終了通知を受信したか否か判別する(ステップS224)。このステップS224で、設定終了通知を受信してはいないと判別したときには、CPU101は、ステップS222に戻り、このステップS222以降の処理を繰り返す。
また、ステップS224で、設定終了通知を受信したと判別したときには、CPU101は、設定モードを終了し、アテンダント電話端末ATでのボタンキー操作の無効を解除する(ステップS225)。そして、CPU101は、通話路の切断要求を待ち(ステップS226)、通話路の切断要求が発生したと判別したときには、通話路の切断処理を行って(ステップS227)、この処理ルーチンを終了する。
〔第3の例〕
この第3の例は、パソコン22からの設定操作開始要求により、設定の処理を開始する。そして、この第3の例では、パソコン22が設定対象として指定したボタン電話端末と管理者用電話端末21との間に通話路を生成させる。そして、管理者が、工事業者と通話をしながらパソコン22で設定操作を実行する。この第3の例では、パソコン22が設定対象として指定したボタン電話端末がアテンダント電話端末ATとなり、設定操作表示がこのアテンダント電話端末ATでなされる。
〔第3の例の処理シーケンス〕
図13に、この第3の例の場合の処理シーケンスを示す。この図13に示すように、この第3の例においては、先ず、管理者は、パソコン22で、ボタン電話システム1の設定操作開始の指示入力操作をする。この指示入力操作に応じて、パソコン22は、ボタン電話システム1の主装置10宛ての発信を行い、設定操作開始要求を主装置10に送る。
主装置10は、このパソコン22からの設定操作開始要求を受け取ると、パソコン22に対してパスワード要求を送り、パソコン22から送られてくるパスワードによる認証処理を行い、その認証後、主装置10とパソコン22との間に通信路を形成すると共に、設定モードとなる。
そして、主装置10は、パソコン22に対して、設定対象のボタン電話端末の識別情報である子機番号の問い合わせ(子機番号要求)をする。この問い合わせに対して、パソコン22は、管理者により入力された子機番号を、主装置10に送る。
そして、主装置10は、パソコン22から子機番号を受け取ると、その後は、パソコン22から設定操作が実行されることになることから、それ以後は、この例においてアテンダント電話端末ATとなる設定対象のボタン電話端末でのボタン操作入力を無効と見なすこととする。
次に、主装置10は、受け取った子機番号のボタン電話端末に対して内線の呼び出しを行う。この内線の呼び出しに対しては、工事業者が応答して、そのボタン電話端末でオフフック操作をする。さらに、主装置20は、管理者側電話端末21に対して発呼(コールバック)する。そして、主装置10は、管理者側電話端末21で管理者がオフフック操作をして応答したことを確認すると、工事業者が応答したボタン電話端末と管理者用電話端末21との間に通話路を生成する。これにより、工事業者が応答したボタン電話端末は、アテンダント電話端末ATとなる。
そして、主装置10は、受け取った子機番号のボタン電話端末の設定であることを表示画面データとする設定画面データを生成し、生成した設定画面データをアテンダント電話端末ATおよびパソコン22に送る。
その後、管理者は、工事業者と通話をしながら、前述した図6の設定操作画面220を参照しながら、パソコン22に対して設定操作入力をする。すると、パソコン22は、設定操作入力に応じた設定データを生成して、主装置10に送る。
主装置10は、この設定データを受け取ると、前述したように、設定メモリ109に設定内容の情報を、対象ボタン電話端末の識別情報に対応付けて記憶する。また、主装置10は、設定データ解析部108で受信した設定データを解析し、その解析結果に基づいて設定画面データ生成部110で設定画面データを生成し、生成した設定画面データを、アテンダント電話端末ATに送ると共に、パソコン22に送る。
アテンダント電話端末ATは、主装置10からの設定画面データを受け取ると、受信情報解析部211で解析し、前述したように、ボタンキー群43に対応して設けられているLED群43LDを表示制御すると共に、ディスプレイ44の表示画面に設定内容の表示、すなわち、設定操作表示を行う。
そして、第1の例と同様に、設定操作が完了すると、管理者は、パソコン22のキーボードから設定終了操作入力をする。すると、パソコン22は、設定終了通知を主装置10に送る。主装置10は、この設定終了通知を受けて、設定モードを終了し、パソコン22との通信路は切断する。また、管理者は、工事業者に通話により設定終了を告げて、管理者用電話端末21でオンフック操作(終話操作)をする。主装置10は、この管理者用電話端末21でのオンフック操作に基づく終話通知を受け、管理者用電話端末21とアテンダント電話端末ATとの間の通話路の切断処理を行い、通話を終了させる。
〔第3の例における主装置10の処理動作の流れ〕
以上説明した第3の例における主装置10での処理動作の流れを、図14および図15のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、CPU101は、パソコン22からの設定操作開始要求を受信したか否か判別する(ステップS301)。このステップS301で、設定操作開始要求を受信してはいないと判別したときには、CPU101は、その他の処理のためのルーチンを行い(ステップS302)、その他の処理のためのルーチンを終了した後、ステップS301に戻る。
ステップS301で、パソコン22からの設定開始要求を受信したと判別したときには、CPU101は、パソコン22に対してパスワードを要求する(ステップS303)。そして、CPU101は、このパスワード要求に対してパソコン22から送られてくるパスワードを受信して、認証確認処理をし、認証ができたら通信路を生成し、主装置10を設定モードとして、設定データ解析部108、設定画面データ生成部110を起動させる(ステップS304)。
次に、CPU101は、パソコン22に対して、設定対象のボタン電話端末の子機番号を要求し(ステップS305)、パソコン22から送られてくる子機番号を受信する(ステップS306)。
そして、パソコン22から子機番号を受け取ると、その後は、パソコン22から設定操作が実行されることになることから、CPU101は、それ以後は、アテンダント電話端末ATでのボタン操作入力を無効と見なすこととする(ステップS307)。
次に、CPU101は、子機番号で指定された設定対象のボタン電話端末に対して内線の発信(内線呼)を行う(ステップS308)。そして、CPU101は、設定対象のボタン電話端末で応答操作がなされるのを待ち(ステップS309)、応答操作がなされたと判別したときには、管理者用電話端末21に対してコールバックの呼(発呼)を行う(ステップS311)。
そして、CPU101は、管理者用電話端末21で応答操作がなされるのを待ち(図15のステップS312)、応答操作がなされたと判別したときには、設定対象のボタン電話端末と、管理者用電話端末21との間に通話路を生成し、管理者と工事業者との間で通話ができるようにする(ステップS313)。この通話路の生成により、設定対象のボタン電話端末は、アテンダント電話端末ATとなる。
その後、CPU101は、パソコン22からの設定データを受信したか否か監視する(ステップS314)。このステップS314で、設定データを受信したと判別したときには、CPU101は、受信した設定データを、設定メモリ109に格納すると共に、前述したように、設定データ解析部108で解析し、その解析結果に基づいて設定画面データ生成部110で設定画面データを生成し、生成した設定画面データを、アテンダント電話端末ATに送ると共に、パソコン22に送る(ステップS315)。そして、CPU101は、処理をステップS314に戻し、このステップS314以降の処理を繰り返す。
また、ステップS314で、設定データを受信してはいないと判別したときには、CPU101は、設定終了通知を受信したか否か判別する(ステップS316)。このステップS316で、設定終了通知を受信してはいないと判別したときには、CPU101は、処理をステップS314に戻し、このステップS314以降の処理を繰り返す。
また、ステップS316で、設定終了通知を受信したと判別したときには、CPU101は、設定モードを終了し、アテンダント電話端末ATでのボタンキー操作の無効を解除する(ステップS317)。そして、CPU101は、通話路の切断要求を待ち(ステップS318)、通話路の切断要求が発生したと判別したときには、通話路の切断処理を行って(ステップS319)、この処理ルーチンを終了する。
なお、上述した第3の例の説明では、アテンダント電話端末ATは、パソコン22が指定した設定対象のボタン電話端末としたが、この第3の例においても、予め定めた1台のボタン電話端末をアテンダント電話端末ATとするようにしても良い。
そのようにする場合には、予め、主装置10には、アテンダント電話端末ATとなるボタン電話端末の子機番号を登録しておく。主装置10は、パソコン22から設定するボタン電話端末の子機番号を受け取ったときには、その子機番号のボタン電話端末を設定対象のボタン電話端末と認識するが、この設定対象のボタン電話端末を内線呼びする代わりに、予め、登録されているアテンダント電話端末ATを内線呼びするようにする。以後の処理動作は、上述した第3の例の場合と同様である。
〔工事業者による設定操作の習熟度のチェックモード〕
以上のようにして、アテンダント電話端末における設定操作表示を見て学習した工事業者は、この実施の形態においては、チェックモードを用いて、アテンダント電話端末で設定操作を試行することにより、設定操作に関する自分の習熟度をチェックすることができる。
図16に、このチェックモードにおけるシーケンス例を示す。なお、この図16の例は、アテンダント電話端末ATが設定対象のボタン電話端末である第1の例の後に実行されるチェックモードの場合の例である。
先ず、工事業者は、アテンダント電話端末ATの操作部212を通じてチェックモードの開始要求の操作をする。すると、アテンダント電話端末ATは、その送信情報生成部210でチェックモードの開始要求を生成して、主装置10に送信する。主装置10は、受け取ったチェックモード開始要求をパソコン22に送信して、パソコン22との間に通信路を生成し、チェックモードになる。そして、主装置10は、これ以後のアテンダント電話端末ATでのボタン操作入力を無効と見なすこととする。
次に、主装置10は、パソコン22から、チェックモードの開始要求に対する応答を受信した後、チェックモードで設定操作を行うボタン電話端末の子機番号(この例では、アテンダント電話端末ATの子機番号)をパソコン22に通知する。そして、主装置10は、パソコン22からの子機番号の受信確認応答を受信したときには、アテンダント電話端末ATでのボタン操作入力の無効を解除する。
そして、主装置10は、指定した子機番号のボタン電話端末の設定であることを表示画面データとする設定画面データを生成し、生成した設定画面データをアテンダント電話端末ATおよびパソコン22に送る。
その後、工事業者は、アテンダント電話端末ATにおいて、設定操作入力をする。すると、アテンダント電話端末ATは、送信情報生成部210で設定操作入力に応じた設定データを生成して、主装置10に送る。
主装置10は、この設定データを受け取ると、設定データ解析部108で、受信した設定データを解析し、その解析結果に基づいて設定画面データ生成部110で設定画面データを生成し、生成した設定画面データを、アテンダント電話端末ATに送ると共に、パソコン22に送る。
パソコン22では、受信した設定画面データに基づいて、図6の左側に示したボタン電話端末の本体操作パネル部分表示部222と同様にして、ディスプレイ画面表示223と、操作ボタン群表示224とに、設定操作に対応する表示を行う。
パソコン22の操作者、つまり、管理者は、本体操作パネル部分表示部222の表示をチェックして、工事業者によりなされた設定操作が正しければ「OK」、誤っていれば「NG」を入力する。パソコン22は、管理者によるその「OK」または「NG」の操作入力に応じた「OK」または「NG」メッセージを主装置10に送る。主装置10は、受け取った「OK」または「NG」メッセージをアテンダント電話端末ATに転送する。
アテンダント電話端末ATは、受け取った「OK」または「NG」メッセージを、例えばディスプレイ画面に表示して、アテンダント電話端末ATの操作者である工事業者に報知する。
工事業者は、「OK」メッセージを受け取ったことを確認したら、次の設定操作を行う。また、受け取ったメッセージが「NG」であったときには、工事業者は、設定操作を正しくやり直すようにする。
そして、必要な設定操作について上述の動作を繰り返し、全て完了したときには、工事業者は、アテンダント電話端末ATにおいて設定終了操作をする。すると、アテンダント電話端末ATは、設定終了通知を主装置10に送る。主装置10は、その設定終了通知により、チェックモードの終了を認識する。そして、主装置10は、その設定終了通知をパソコン22に転送する。パソコン22は、これによりチェックモードを終了する。
以上により、工事業者は、設定操作を自分で試みることができるので、設定操作の習熟度が向上する。なお、チェックモードが行われた場合、主装置10における設定データは、パソコン22により設定されたものを残しても良いし、工事業者により再設定された設定データに更新するようにしても良い。主装置10に登録する設定データを、工事業者により再設定された設定データに更新する場合には、パソコン22から「OK」メッセージが送られてきた設定データのみを記憶するようにするのは言うまでもない。
また、このチェックモードも、工事業者がアテンダント電話端末ATから、管理者用電話端末に電話をかけて、通話路を生成した後、工事業者と管理者とが通話を行いながら実行するようにすることも勿論できる。
[その他の実施の形態または変形例]
以上の設定処理の第1の例〜第3の例においては、工事業者と管理者との間で通話をしながら、管理者がパソコン22を操作して、設定操作を行うようにした。しかし、設定操作は、必ずしも工事業者と管理者との間で通話をしながら行う必要は無い。
そして、上述の実施の形態では、工事業者と管理者との間で通話をしながら設定操作を管理者が行い、設定操作表示を通話中の電話端末で行うようにしたので、アテンダント電話端末は、通話中であるボタン電話端末の一台とした。しかし、主装置10が、複数個のボタン電話端末111〜11nの全て、あるいは、ボタン電話端末111〜11nのうちの2台以上の複数個に設定画面データを送って、それらの複数台のボタン電話端末において、設定操作表示を行うようにしても良い。
また、上述の設定処理の例においては、設定画面データは、パソコン22にも送るようにしたが、パソコン22には、必ずしも送る必要は無い。例えば、主装置10は、パソコン22から設定データを正しく受信したときには、設定画面データの代わりに、正常受信を示す応答メッセージ(「OK」など)を、パソコン22に送信するようにしても良い。その場合、パソコン22は、当該「OK」の応答メッセージを受信した後、管理者による次の設定操作を受け付けるようにする。
また、上述の実施の形態では、管理者側システム2においては、管理者がパソコン22の操作部を通じて設定操作を実行するようにした。しかし、管理者側システム2のパソコン22に、設置されるボタン電話システム1の各ボタン電話端末111〜11nのそれぞれについて設定すべき設定データを、予め、それぞれの識別情報である子機番号に対応して記憶しておき、その子機番号をインデックスとして設定データを読み出すことができるようにし、主装置10に送信するようにしても良い。その場合には、管理者は、パソコン22に対して、例えば子機番号の指定および設定データの読み出しタイミングの指示をするようにするだけでよい。
なお、設定用装置としては、上述の実施の形態ではパソコンを用いるようにしたが、これに限られるものではなく、専用の装置を用意するようにしても勿論よい。
また、上述の実施の形態は、電話システムの設定が完了した後に、主装置に対して電話端末の設定を行う場合について説明したが、電話端末を電話システムに増設や減設したり、電話システムにおける電話端末の設定を変更したりする場合にも、同様にして設定が行えることは勿論である。
なお、上述の実施形態では、ボタン電話システムは、IP電話システムである場合を例に説明したが、この発明が適用されるボタン電話システムは、IP電話システムに限られるものではないことは言うまでもない。
また、電話端末は、ボタン電話端末に限らず、主装置に設定が必要である電話端末であれば、どのような電話端末であっても良いことは言うまでもない。