JP2012038890A - フレキシブル銅張積層板用銅箔、フレキシブル銅張積層板、フレキシブル銅張積層板の製造方法、フレキシブルプリント配線板、フレキシブルプリント配線板の製造方法及び電子機器 - Google Patents

フレキシブル銅張積層板用銅箔、フレキシブル銅張積層板、フレキシブル銅張積層板の製造方法、フレキシブルプリント配線板、フレキシブルプリント配線板の製造方法及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】フレキシブルプリント配線板の製造工程における取り扱い性が良く、シワや折れ等の発生を防止して、歩留りを向上させることのできるフレキシブル銅張積層板用銅箔、この銅箔を用いたフレキシブル銅張積層板等を提供する。
【解決手段】フィルム状の絶縁性基材に積層されてフレキシブル銅張積層板を構成する、フレキシブル銅張積層板用銅箔であって、上記銅箔は、400〜450N/mm2 の抗張力を有するとともに、185〜205℃の温度で、20〜40分間熱処理することにより、上記抗張力が175N/mm2以下に低下するように構成されている。
【選択図】図1

Description

本願発明は、フレキシブル銅張積層板用銅箔、フレキシブル銅張積層板、フレキシブル銅張積層板の製造方法、フレキシブルプリント配線板、フレキシブルプリント配線板の製造方法及び電子機器に関する。詳しくは、フレキシブルプリント配線板の製造工程における取り扱い性を向上させることのできるフレキシブル銅張積層板用銅箔等に関する。
柔軟性があり、また、加工が容易なフレキシブルプリント配線板は、電子機器等の分野で多用されている。フレキシブルプリント配線板は、フィルム状の絶縁性基材の上に積層された銅箔からなる導電層を備えるとともに、この導電層に所定の配線パターンを形成して構成されている。
汎用されている上記フレキシブルプリント配線板は、ポリイミド樹脂等のフィルム状絶縁性基材に銅箔を積層して形成されるフレキシブル銅張積層板(CCL:Copper Claded Laminate)を用いて形成される。上記銅箔に、エッチッグ等によって所定の回路パターン等を設けることによって、フレキシブルプリント配線板が形成される。
上記フレキシブル銅張積層板として、接着剤を介して上記ベースフィルムと上記銅箔とを積層した3層フレキシブル銅張積層板や、接着剤なしにベースフィルムを積層形成した2層フレキシブル銅張積層板が採用されることが多い。
特開平2007−59892号公報
近年、フレキシブルプリント配線板は、電子機器の小型化、薄型化や高集積化にともなって、より狭いスペースで使用されることが多くなり、屈曲性のさらなる向上が求められている。
フレキシブルプリント配線板の屈曲性を高めるには、上記銅箔の屈曲性を高める必要がある。このため、上記特許文献に記載されているように、フレキシブル銅張積層板を製造する際、又はフレキシブルプリント配線板を製造する前工程等において、上記フレキシブル銅張積層板に熱処理工程を行って上記銅箔の平均結晶粒を成長させることにより、銅箔の屈曲性能を高めている。
ところが、上記銅箔の屈曲性能を高めるほど、上記フレキシブル銅張積層板の変形強度が低下することになる。一方、上記フレキシブル銅張積層板からフレキシブルプリント配線板を製造するには、上記銅箔にエッチングを施して回路を形成する回路形成工程や、保護被覆層を形成するカバーレイ形成工程等を行わなければならない。従来のフレキシブル銅張積層板では変形強度が低いため、フレキシブルプリント配線板の各製造工程等における取り扱いが困難であった。また、フレキシブルプリント配線板の各製造工程を行う際に、シワや折れ等の発生により不良品が生じやすく、歩留りが低下するといった問題もあった。
本願発明は、上記問題を解決し、製造工程における取り扱い性が良く、シワや折れ等の発生を防止して、歩留りを向上させることのできるフレキシブル銅張積層板用銅箔等を提供することを課題とする。
請求項1に記載した発明は、フィルム状の絶縁性基材に積層されてフレキシブル銅張積層板を構成するフレキシブル銅張積層板用銅箔であって、 上記銅箔は、400〜450N/mm2 の抗張力を有するとともに、185〜205℃の温度で、20〜40分間熱処理することにより、上記抗張力が175N/mm2以下に低下するように形成されたものである。
本願発明に係る銅箔は、抗張力が400〜450N/mm2 に設定されている。銅箔に上記抗張力をもたせることにより、これを絶縁性基材に積層して形成されるフレキシブル銅張積層板の変形抵抗が大幅に増加し、これを用いたフレキシブルプリント配線板の製造工程等における取り扱い性が格段に改善される。
上記取り扱い性の改善は、回路形成工程等の種々の製造工程において発揮させることができる。たとえば、一般的なフレキシブルプリント配線板の製造工程においては、上記フレキシブル銅張積層板にポリエチレン樹脂等の補強用フィルムを積層して補強を行い、加工後に上記補強用フィルムを剥離する工程を行っている。上記補強用フィルムを積層することにより取り扱い性や加工性が向上するが、この補強用フィルムを剥離する際に、上記フレキシブル銅張積層板にシワ等が発生しやすいといった問題があった。
本願発明に係る銅箔を用いて形成される上記フレキシブル銅張積層板を採用することにより、補強用フィルムフィルムを剥離する際のシワ等の発生を防止することができる。さらに、上記補強用フィルムを積層することなく、フレキシブルプリント配線板の各工程を行うことも可能となる。
上記銅箔の種類も特に限定されることはない。電気銅をインゴット鋳造し、圧延と焼なましを繰り返して箔状に形成された圧延銅箔や、電解液中で析出させることにより形成される電解銅箔を採用することができる。
上記銅箔に所要の抗張力を持たせるために、銅箔の製造工程において所定の圧延加工等を行って結晶を細粒化することができる。
銅箔の抗張力は、フレキシブルプリント配線板の製造工程中のみ確保すればよく、製造工程終了後には上記抗張力を低下させて、フレキシブルプリント配線板に高い屈曲性を付与しなければならない。本願発明に係るフレキシブル銅張積層板は、185〜205℃の温度で、20〜40分間熱処理することにより、上記銅箔の抗張力が175N/mm2 以下に低下するように構成されている。
上記銅箔の抗張力を175N/mm2 以下に低下させることにより、フレキシブルプリント配線板としての高い屈曲性を確保することが可能となる。
上記銅箔の抗張力は、加工硬化度が高く、結晶粒が小さく、配向が不規則になるほど大きくなる。したがって、銅箔の変形強度を、上記結晶粒の大きさや配向性を基準にすることができる。上記結晶粒の大きさは、顕微鏡等によって判別することができる。また、X線回折試験の数値によって変形強度を設定あるいは確認することもできる。たとえば、請求項2に記載した発明のように、上記フレキシブル銅張積層板用銅箔の、(200)面、(111)面、(110)面におけるX線回折強度がほぼ同一であるように設定することもできる。X線回折試験における上記各計測面のX線回折強度がほぼ同一である場合、すなわち、結晶粒の配向性がない場合は結晶粒の成長がなく、所要の抗張力を備えていると推定できる。銅の結晶粒が成長していない場合、上記X線回折強度が結晶の上記各面に対して均等に表れることを利用したものであり、これにより、採用されるフレキシブル銅張積層板の変形強度を設定し、あるいは確認することができる。変形強度を確保するには、上記各面におけるX線回折強度とこれらX線回折強度の平均値の差を、上記平均値に対して10%以下に設定するのが好ましい。
一方、上記銅箔を熱処理すると結晶粒が成長するとともに配向性が表れて、抗張力が低下する。このため、熱処理の条件を上記X線回折試験の数値によって設定し、あるいは確認することもできる。たとえば、請求項3に記載した発明のように、上記銅箔を、185〜205℃の温度で、20〜40分間熱処理することにより、(200)面、(111)面、(110)面におけるX線回折強度の合計に対する上記(200)面におけるX線回折強度の割合が40%以上となるように構成するのが好ましい。これにより、抗張力を低下させて、フレキシブルプリント配線板としての高い屈曲性を確保することができる。
本願発明に係るフレキシブル銅張積層板の種類は、特に限定されることはない。たとえば、請求項4に記載した発明のように、フィルム状の絶縁性基材と上記銅箔とが熱硬化性接着剤を介して積層されて構成されている、いわゆる3層フレキシブル銅張積層板に適用することができる。また、フィルム状の絶縁性基材の両面に上記銅箔を積層した両面フレキシブル銅張積層板に適用することもできる。
フレキシブル銅張積層板の製造工程において、上記銅箔に高い熱が作用すると、結晶粒が成長して上記抗張力の低下を招き、変形強度が低下する恐れがある。このため、請求項5に記載した発明のように、上記フレキシブル銅張積層板の製造方法において、上記絶縁性基材と上記銅箔とを、185℃以下の温度で積層加工するのが望ましい。
185℃以下の温度で上記絶縁性基材と銅箔とを積層することにより、銅箔の結晶粒が成長することはなく、上記銅箔の抗張力が低下するのを防止することが可能となる。これにより、フレキシブルプリント配線板の製造工程において所要の変形強度を確保して、取り扱い性の良い銅フレキシブル張積層板を製造することが可能となる。
請求項6に記載した発明のように、本願発明に係るフレキシブル銅張積層板を用いて、種々のフレキシブルプリント配線板を製造することができる。 本願発明に係るフレキシブルプリント配線板の製造方法においては、取り扱い性が要求される主要工程の終了後に、あるいはフレキシブルプリント配線板製造工程が終了した後に、銅箔の上記抗張力を低下させる熱処理を行う必要がある。
たとえば、請求項7に記載した発明のように、請求項4に記載されたフレキシブル銅張積層板を用いて製造されるフレキシブルプリント配線板の製造方法であって、少なくとも上記銅箔に配線回路を形成した後、上記銅箔の抗張力を175N/mm2 以下にする熱処理工程を含ませることができる。
上記熱処理工程を、配線回路を形成した後に行うことにより、フレキシブルプリント配線板の主要製造工程における取り扱い性を向上させることができる。
従来、フレキシブルプリント配線板の製造工程における取り扱い性を向上させるため、ポリエチレンフィルム等の補強用フィルムが積層されることが多い。上記補強用フィルムは、取り扱い性を向上させるために設けられるものであり、最終的に除去する必要がある。ところが、上記補強用フィルムは耐熱性が低く、加熱が加わる工程の前に除去する必要がある。また、従来の製造方法においては、上記補強用フィルムを剥離する工程において、フレキシブルプリント配線板にシワ等が発生することが多かった。このため、請求項8に記載した発明のように、補強用のフィルムを積層するバッキングフィルム積層工程及びこの補強用フィルムを剥離させるバッキングフィルム剥離工程を含む場合、上記バッキングフィルム剥離工程後に、上記熱処理工程を行うことができる。
上記熱処理工程を行う温度、時間は、銅箔の種類や変形強度等によって設定することができる。たとえば、製造工程を終了したプリント配線板を、上記銅箔に185〜205℃の温度を作用させて、20〜40分加熱することにより、上記銅箔の抗張力を175N/mm2 以下に低下させることができる。
上記熱処理後の屈曲性を、X線回折試験法のデータによって確認することもできる。たとえば、請求項9に記載した発明のように、上記熱処理工程後に測定される(200)面のX線回折強度の割合が、(200)面、(111)面、(110)面におけるX線回折強度の合計に対して40%以上となるように、上記熱処理を行うことができる。
上記熱処理工程は、他の工程と独立して設けることもできるし、他の加熱工程と兼用して行うこともできる。たとえば、請求項10に記載した発明のように、上記熱処理工程は、上記フレキシブルプリント配線板に、ハンダリフローによって電子部品を接続する部品実装工程において行うことができる。
上記電子部品をハンダリフローによって接続する部品実装工程においては、ハンダを流動させるために、フレキシブルプリント配線板が加熱される。この加熱工程を利用して銅箔を熱処理することができる。この場合、ハンダ及び銅箔にかかるピーク温度が240℃〜260℃となるように設定するのが好ましい。上記部品実装工程において作用する熱を、上記銅箔に作用させて上記銅箔を軟化させ、屈曲性を高めることができる。
本願発明に係るフレキシブル銅張積層板から製造されるプリント配線板は屈曲性が高く、請求項11に記載した発明のように、種々の電子機器に適用することができる。
フレキシブルプリント配線板の製造工程において、取り扱い性や歩留りの高いフレキシブル銅張積層板を提供できとともに、高い屈曲性を備えるプリント配線板を製造することができる。
3層フレキシブル銅張積層板の構造を示す断面図である。 図1に示す3層フレキシブル銅張積層板に、補強用フィルムを積層した状態を示す断面図である。 3層フレキシブル銅張積層板の製造工程及びこれを用いたフレキシブルプリント配線板の製造工程の概略を示すフローチャートである。
以下、本願発明の実施形態を図に基づいて具体的に説明する。図1は本願発明に係るフレキシブル銅張積層板の構造を示す断面図である
図1及び図2に示すフレキシブル銅張積層板1は、片面3層フレキシブル銅張積層板(3層CCL)に本願発明を適用したものである。上記フレキシブル銅張積層板1は、フィルム状の絶縁性基材2と、この絶縁性基材2に、接着剤3を介して積層された銅箔4とを備えて構成される。なお、本願発明が適用されるフレキシブル銅張積層板の種類は限定されることはなく、上記フィルム状の絶縁性基材3の両面に上記銅箔4を積層した両面フレキシブルプリント配線板等にも適用することができる。
上記フィルム状の絶縁性基材2の材料や寸法は特に限定されることはない。たとえば、ポリアミド系の樹脂フィルム、ポリアミドイミド等のポリイミド系の樹脂フィルム、耐熱性ポリエステルフィルム、及びポリエチレンナフタレートフィルム等を採用することができる。また、樹脂フィルムの厚みも限定されることはない。たとえば、7〜50μmの厚みを備える絶縁性基材を採用することができる。
フレキシブルプリント配線板の製造工程における所要の抗張力や変形抵抗を備え、製造工程終了後に所要の屈曲性能を確保することができれば、上記銅箔の種類等も特に限定されることはない。たとえば、電解銅箔と圧延銅箔のいずれを採用することもできる。電解銅箔は、たとえば、ステンレスシート等の表面に銅を箔状に析出させることにより形成される。一方、圧延銅箔は、電解銅に圧延・焼鈍を繰り返すことにより箔状に形成したものである。上記銅箔の厚みも特に限定されることはなく、7〜25μmの厚さのものを採用することができる。
本実施形態では、上記フレキシブル銅張積層板1における上記銅箔の抗張力を、400〜450N/mm2 に設定している。上記銅箔4の抗張力は、圧延加工等の条件により調整することができる。また、銀等の添加剤を加えることにより再結晶温度(焼きなまし温度)を設定することにより調整することができる。たとえば、上記銅箔の再結晶温度を240〜320℃に調整することができる。上記抗張力は、常温において、抗張力試験機(引っ張り試験機)等を用いて計測することができる。
上記銅箔4の抗張力を400〜450N/mm2 に設定することによりフレキシブル銅張積層板1の変形抵抗が大きくなり、フレキシブルプリント配線板の製造工程における取り扱い性が大幅に向上する。また、変形やシワが生じにくく、歩留りを向上させることもできる。
また、X線回折試験の数値によって上記変形強度を設定し、あるいは確認することもできる。たとえば、上記フレキシブル銅張積層板用銅箔の、(200)面、(111)面、(110)面におけるX線回折強度がほぼ同一であるように設定することもできる。X線回折試験における上記各計測面のX線回折強度がほぼ同一である場合、すなわち、結晶粒の配向性がない場合は結晶粒の成長がなく、所要の抗張力を備えていると推定できる。銅の結晶粒が成長していない場合、上記X線回折強度が結晶の上記各面に対して均等に表れることを利用したものであり、これにより、採用されるフレキシブル銅張積層板の変形強度を設定し、あるいは確認することができる。変形強度を確保するには、上記各面におけるX線回折強度とこれらX線回折強度の平均値の差を、上記平均値に対して10%以下に設定するのが好ましい。
一方、製造工程を終えたフレキシブルプリント配線板における上記銅箔の抗張力がそのままであると、変形抵抗が大きくフレキシブルプリント配線板としての所要の屈曲性能が得られない。このため、本実施形態に係る上記銅箔は、フレキシブルプリント配線板を、185〜205℃の温度で、20〜40分間熱処理することにより、抗張力が175N/mm2 以下に低下するように構成されている。上記銅箔の抗張力を上記値まで低下させることにより、高い屈曲性能を備えるフレキシブルプリント配線板を得ることができる。また、上記熱処理温度を185〜205℃に設定できるため、上記絶縁性基材や接着剤に悪影響が及ぶことがなく、抗張力を無理なく低下させることができる。なお、フレキシブルプリント配線板に悪影響を与えない範囲で、上記熱処理温度を高めて、処理時間を短縮することもできる。たとえば、240〜320℃の温度をかけた場合数十秒で熱処理することができる。
上記フィルム状絶縁性基材2と上記銅箔4は、接着剤3を介して積層接着される。上記接着剤3として、エポキシ樹脂系の熱硬化性樹脂接着剤を採用することができる。
上記熱硬化性樹脂接着剤は、加熱することにより硬化させられる。一方、加熱温度が高いと銅箔の結晶粒が成長して抗張力が低下し、所要の変形抵抗を得ることができなくなる。このため、本願発明では、上記銅箔の結晶粒が成長しない温度で硬化する熱硬化性接着剤3が採用される。たとえば、185℃以下の温度で硬化する熱硬化性接着剤を採用するのが好ましい。加熱時間は特に限定されることはなく、接着剤が硬化すれば足りる。
次に、上記フレキシブル銅張積層板の製造工程及びフレキシブルプリント配線板の製造工程を、図2及び図3に基づいて説明する。
図3に示すように、まず、本実施形態に係るフレキシブル銅張積層板1を構成する上記フィルム状の絶縁性基材2と、上記銅箔4と、これら絶縁性基材2と銅箔4とを接着する接着剤3を準備する(S101)。上記銅箔4は、圧延加工等によって、抗張力が400〜450N/mm2 に設定されたものが採用される。
上記フィルム状絶縁性基材2に接着剤3を塗着する接着剤塗着工程(S102)が行われ、塗着した上記接着剤3を予備乾燥させた後に、圧縮ローラ等によって上記銅箔4を張り合わす積層工程が行われる(S103)。本実施形態では、上記銅箔4の抗張力が低下しないように、上記積層工程(S103)は、185℃以下の温度で行われる。上記積層工程(S103)を行うことにより、3層フレキシブル銅張積層板1が形成される。
本実施形態では、上記フレキシブル銅張積層板1に補強用フィルム6を積層するバッキングフィルム積層工程が行われる(S104)。上記バッキングフィルム積層工程(S104)は、図2に示すように、上記フレキシブル銅張積層板1に粘着剤5を介してポリエチレンテレフタレート樹脂等から形成された補強用フィルム6を積層することにより行われる。上記補強用フィルム6を積層することにより、上記フレキシブル銅張積層板1の変形強度がより高まり、以後に行われるフレキシブルプリント配線板の各製造工程における取り扱い性が向上する。なお、上記補強用フィルムフィルム6は、フレキシブルプリント配線板の製造を容易にするためのものであり、所要の加工工程を終えた後に剥離できるように構成されている。
上記補強用フィルム6が積層されたフレキシブル銅張積層板1に対して、回路形成工程が行われる(S105)。上記回路形成工程(105)は、従来と同様に、上記銅箔を所定パターンでエッチング等することにより、電子回路を形成するものであり、種々の手法を用いて行うことができる。上記補強用フィルム6を設けることにより、上記回路形成工程における取り扱い性が大幅に向上する。
回路形成工程(S105)を終えた後、上記電子回路を保護するためのカバーレイ形成行程(S106,S111)と、ソルダーレジスト工程(S108,S110)が行われる。図3のA及びBの工程経路で示すように、これら工程を行う順序は、いずれが先であってもよい。また、これら工程は従来と同様であるので説明は省略する。
上記ソルダーレジスト工程(S108,S110)には、レジスト樹脂の加熱硬化工程が含まれるため、上記補強用フィルム6が収縮する恐れがある。このため、上記ソルダーレジスト工程(S108,S110)の前に、上記補強用フィルム6を除去するバッキングフィルム剥離工程(S107,S109)が行われる。上記バッキングフィルム剥離工程(S107,S109)は、所定温度に加熱して上記粘着剤5を軟化させ、上記補強用フィルム6をフィルム状絶縁性基材2から引き剥がすことにより行われる。
従来の製造方法においては、上記フレキシブル銅張積層板1の変形強度が低いため、このバッキングフィルム剥離工程(S107,S109)において、フレキシブルプリント配線板にシワや折れが発生しやすかった。
一方、本願発明においては、上記銅箔は、400〜450N/mm2 の抗張力を備えるため変形抵抗が大きく、シワや折れの発生を防止することができる。
上記各工程終了後に、電極等に導電性を高めるための金メッキを施す金メッキ工程(S112)が行われる。
上記各工程は、1枚のフィルム状絶縁性基材に複数のフレキシブルプリント配線板に対応する回路を形成するように行われる。上記金メッキ工程(S112)を終えた後、図3におけるCの工程経路あるいはDの工程経路を経て、フレキシブルプリント配線板が形成される。
上記Cの工程経路においては、まず、上記銅箔4の抗張力を低下させる熱処理工程(S113)が行われる。上記フレキシブル銅張積層板1の銅箔は、上述したように大きな抗張力を備えているため、そのままでは、フレキシブルプリント配線板に要求される屈曲性を備えていない。上記熱処理工程(S113)は、上記回路を形成したフレキシブル銅張積層板1を、185〜205℃の温度で、20〜40分間熱処理することにより行われる。この熱処理工程(113)において、銅箔4が焼きなまされて、抗張力が175N/mm2 以下に低下させられる。また、上記銅箔は、185〜205℃の温度で、20〜40分間熱処理することにより、上述した(200)面、(111)面、(110)面におけるX線回折強度の合計に対する上記(200)面におけるX線回折強度の割合が40%以上となる。これにより、フレキシブルプリント配線板としての屈曲性を確保することができる。
その後、各フレキシブルプリント配線板に対応する領域を打ち抜く打ち抜き工程(S114)が行われ、打ち抜かれた各フレキシブルプリント配線板にステンレシート等の補強板を積層する補強板積層工程(S115)が行われた後、電子部品を搭載する部品実装工程(S116)が行われて、フレキシブルプリント配線板が製造される。
なお、上記Cの工程経路において、上記熱処理工程(S113)は、各工程のいずれの間においても、行うことができる。
熱処理工程(S113)を、上記工程経路Cに示すように独立して設ける必要はなく、加熱処理を行う他の工程を兼ねて行うこともできる。図3のDの工程経路は、部品実装工程(S119)において作用する熱を利用して、上記銅箔の熱処理を行うものである。すなわち、打ち抜き工程(S117)及び補強板積層工程(S118)終了後、上記熱処理工程を兼ねる部品実装工程(S119)が行われる。
ハンダをリフローさせて行われる上記部品実装では、ハンダを流動させるために、プリント配線板が加熱される。本実施形態では、上記部品実装工程(S119)において、上記銅箔に、240℃〜260℃の熱が数十秒作用する。これにより、上記銅箔を熱処理して、屈曲性を高めることができる。
上記実施形態において、フレキシブルプリント配線板製造工程における取り扱い性を向上させるため、補強用フィルムを積層したが、本願発明を適用することにより、上記補強用フィルムを設けることなく、各製造工程を行うこともできる。
本願発明の範囲は、上述の実施形態に限定されることはない。今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものでないと考えられるべきである。本願発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
高い屈曲性を備えるとともに、フレキシブルプリント配線板の製造工程における取り扱い性の良いフレキシブル銅張積層板を提供できる。
1 フレキシブル銅張積層板
2 フィルム状絶縁性基材
3 接着剤
4 銅箔

Claims (11)

  1. フィルム状の絶縁性基材に積層されてフレキシブル銅張積層板を構成する、フレキシブル銅張積層板用銅箔であって、
    上記銅箔は、400〜450N/mm2 の抗張力を有するとともに、
    185〜205℃の温度で、20〜40分間熱処理することにより、上記抗張力が175N/mm2以下に低下する、フレキシブル銅張積層板用銅箔。
  2. 上記フレキシブル銅張積層板用銅箔は、(200)面、(111)面、(110)面におけるX線回折強度がほぼ同一である、請求項1に記載のフレキシブル銅張積層板用銅箔。
  3. 上記銅箔は、185〜205℃の温度で、20〜40分間熱処理することにより、(200)面、(111)面、(110)面におけるX線回折強度の合計に対する上記(200)面におけるX線回折強度の割合が40%以上となる、請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載のフレキシブル銅張積層板用銅箔。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載された銅箔を、熱硬化性接着剤を介してフィルム状の絶縁性基材に積層して構成された、フレキシブル銅張積層板。
  5. 請求項4に記載されたフレキシブル銅張積層板の製造方法であって、
    上記絶縁性基材と上記銅箔は、185℃以下の温度で積層加工される、フレキシブル銅張積層板の製造方法。
  6. 請求項4に記載されたフレキシブル銅張積層板を用いて形成された、フレキシブルプリント配線板。
  7. 請求項4に記載されたフレキシブル銅張積層板を用いて製造されるフレキシブルプリント配線板の製造方法であって、
    少なくとも上記銅箔に配線回路を形成する回路形成工程の後、上記銅箔の抗張力を175N/mm2 以下にする熱処理工程を含む、フレキシブルプリント配線板の製造方法。
  8. 上記フレキシブルプリント配線板の製造方法は,補強用のフィルムを積層するバッキングフィルム積層工程及びこの補強用フィルムを剥離させるバッキングフィルム剥離工程を含むとともに、
    上記バッキングフィルム剥離工程後に、上記熱処理工程が行われる、請求項7に記載のフレキシブルプリント配線板の製造方法。
  9. 上記熱処理工程後に測定される(200)面のX線回折強度の割合が、(200)面、(111)面、(110)面におけるX線回折強度の合計に対して40%以上となる、請求項7又は請求項8のいずれかに記載のフレキシブルプリント配線板の製造方法。
  10. 上記熱処理工程は、上記フレキシブルプリント配線板に、ハンダリフローによって電子部品を接続する部品実装工程において行われる、請求項7から請求項9のいずれか1項に記載のフレキシブルプリント配線板の製造方法。
  11. 請求項6に記載したフレキシブルプリント配線板を備える、電子機器。
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