JP2012038888A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ソース電極とドレイン電極との間のオン抵抗をより低減させる。
【解決手段】半導体装置は、第1導電形のドリフト層の表面側から内部にかけて選択的に設けられた第2導電形のベース領域と、前記ベース領域の表面側から内部にかけて選択的に設けられた第1導電形のソース領域と、前記ドリフト層の表面に対して略平行な方向に、前記ソース領域の一部から、前記ソース領域の前記一部に隣接する前記ベース領域を貫通して、前記ドリフト層にまで到達するゲート電極と、前記ソース領域および前記ドリフト層の少なくともいずれかに隣接して設けられたトレンチと、トレンチの側面に接続された複数のカーボンナノチューブと、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、半導体装置およびその製造方法に関する。
パワー半導体素子の性能指数に、ソース電極とドレイン電極との間のオン抵抗(Ron)の単位面積あたりの値がある。オン抵抗は、パワー半導体素子の低損失化のためには、より低いほうが望ましい。例えば、縦型のパワー半導体素子では、半導体基板の表面にトレンチ型のゲート電極を形成し、トレンチ側壁に接する半導体層をチャネル領域としている。トレンチ型のゲート電極の微細化を図ることによって、チャネル密度を増加させ、オン抵抗の低減を図っている。しかし、ゲート電極の微細化には製造プロセス上の限界があり、ゲート電極の微細化の手段によってオン抵抗を低減する方策には限界が生じている。
これに対し、ドリフト領域、ベース領域、ソース領域、およびゲート電極を半導体基板の表面側から内部にかけて形成した3次元MOSFET(3D−MOSFET)がある。3次元MOSFETでは、半導体基板の表面側から深さ方向に、ドリフト領域、ベース領域、ソース領域、およびゲート電極のそれぞれをトレンチ状に延在させるので、チャネル密度が飛躍的に増加する。
しかしながら、ソース電極とドレイン電極との間に流れる電流は、半導体層中でなるべく低抵抗な経路をとるために、電流は、半導体基板の主面に対して平行に流れず、ベース領域に形成される反転層には、通電経路として寄与しない無効領域が含まれる。このため、3次元MOSFETでは、ソース電極とドレイン電極との間のオン抵抗が低減しないという問題がある。
特開2007−103459号公報
本発明の実施形態は、ソース電極とドレイン電極との間のオン抵抗がより低減する半導体装置およびその製造方法を提供する。
本実施形態の半導体装置は、第1導電形のドリフト層の表面側から内部にかけて選択的に設けられた第2導電形のベース領域と、前記ベース領域の表面側から内部にかけて選択的に設けられた第1導電形のソース領域と、前記ドリフト層の表面に対して略平行な方向に、前記ソース領域の一部から、前記ソース領域の前記一部に隣接する前記ベース領域を貫通して、前記ドリフト層にまで到達するゲート電極と、前記ソース領域および前記ドリフト層の少なくともいずれかに隣接して設けられたトレンチと、前記トレンチの側面に接続された複数のカーボンナノチューブと、を備える。
また、本実施形態の半導体装置の製造方法は、ドリフト層の表面側から内部にかけてベース領域を選択的に形成する工程と、前記ベース領域および前記ベース領域に隣接する前記ドリフト層の一部の表面側から内部にかけて、ゲート電極を選択的に形成する工程と、前記ベース領域の表面側から内部にかけて、ソース領域を選択的に形成する工程と、前記ソース領域の表面側から内部にかけて第1トレンチを選択的に形成し、前記第1トレンチの側面から、複数のカーボンナノチューブを成長させる工程と、を備える。
第1の実施の形態に係る半導体装置の要部模式図であり、(a)は、(b)のA−B切断面を上からみた要部平面模式図、(b)は、(a)のX−Yの位置における要部断面模式図、(c)は、(a)のW−Zの位置における要部断面模式図である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の製造過程を説明するための要部断面模式図であり、(a)は、半導体基板の要部断面模式図、(b)は、半導体基板をエッチングする過程の要部断面模式図である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の製造過程を説明するための要部模式図であり、(a)は、半導体基板内に、ベース領域を形成する過程の要部断面模式図、(b)は、(a)のA−B切断面を上からみた要部平面模式図である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の製造過程を説明するための要部模式図であり、(a)は、半導体基板内に、ゲート電極用のトレンチを形成する過程の要部断面模式図、(b)は、(a)のA−B切断面を上からみた要部平面模式図である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の製造過程を説明するための要部模式図であり、(a)は、半導体基板内に、ゲート電極を形成する過程の要部平面模式図、(b)は、(a)のX−Y位置における要部断面模式図、(c)は、(a)のW−Z位置における要部断面模式図、(d)は、(b)および(c)のA−B切断面を上からみた要部平面模式図である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の製造過程を説明するための要部模式図であり、(a)は、トレンチを形成する過程の要部断面模式図、(b)は、(a)のA−B切断面を上からみた要部平面模式図である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の製造過程を説明するための要部模式図であり、(a)は、ソース領域を形成する過程の要部断面模式図、(b)は、(a)のA−B切断面を上からみた要部平面模式図である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の製造過程を説明するための要部模式図であり、(a)は、トレンチ内に、カーボンナノチューブを形成する過程の要部断面模式図、(b)は、(a)を上からみた要部平面模式図である。 メタル膜が凝集した場合の例を説明する要部断面模式図である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の製造過程を説明するための要部模式図であり、(a)は、半導体基板内に、トレンチを形成する過程の要部断面模式図、(b)は、半導体基板を裏面側からみた要部平面模式図である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の製造過程を説明するための要部模式図であり、(a)は、トレンチ内に、カーボンナノチューブを形成する過程の要部断面模式図、(b)は、半導体基板を裏面側からみた要部平面模式図である。 比較例に係る半導体装置の要部模式図であり、(a)は、(b)のA−B切断面を上からみた要部平面模式図、(b)は、(a)のX−Yの位置における要部断面模式図である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の作用効果を説明するための要部模式図であり、(a)は、(b)のA−B切断面を上からみた要部平面模式図、(b)は、(a)のX−Yの位置における要部断面模式図である。 第2の実施の形態に係る半導体装置の要部模式図であり、(a)は、(b)のA−B切断面を上からみた要部平面模式図、(b)は、(a)のX−Yの位置における要部断面模式図、(c)は、(a)のW−Zの位置における要部断面模式図である。 第2の実施の形態に係る半導体装置の製造過程を説明するための要部断面模式図であり、(a)は、半導体基板の要部断面模式図、(b)は、半導体基板をエッチングする過程の要部断面模式図である。 第2の実施の形態に係る半導体装置の製造過程を説明するための要部模式図であり、(a)は、半導体基板内に、ドリフト層およびベース領域を形成する過程の要部断面模式図、(b)は、(a)のA−B切断面を上からみた要部平面模式図である。 第2の実施の形態に係る半導体装置の製造過程を説明するための要部模式図であり、(a)は、半導体基板内に、ゲート電極用のトレンチを形成する過程の要部断面模式図、(b)は、(a)のA−B切断面を上からみた要部平面模式図である。 第2の実施の形態に係る半導体装置の製造過程を説明するための要部模式図であり、(a)は、半導体基板内に、ゲート電極を形成する過程の要部平面模式図、(b)は、(a)のX−Y位置における要部断面模式図、(c)は、(a)のW−Z位置における要部断面模式図、(d)は、(b)および(c)のA−B切断面を上からみた要部平面模式図である。 第2の実施の形態に係る半導体装置の製造過程を説明するための要部模式図であり、(a)は、トレンチを形成する過程の要部断面模式図、(b)は、(a)のA−B切断面を上からみた要部平面模式図である。 第2の実施の形態に係る半導体装置の製造過程を説明するための要部模式図であり、(a)は、ソース領域を形成する過程の要部断面模式図、(b)は、(a)のA−B切断面を上からみた要部平面模式図である。 第2の実施の形態に係る半導体装置の製造過程を説明するための要部模式図であり、(a)は、トレンチ内に、カーボンナノチューブを形成する過程の要部断面模式図、(b)は、(a)を上からみた要部平面模式図である。 第1の実施の形態に係る半導体装置の作用効果を説明するための要部模式図であり、(a)は、(b)のA−B切断面を上からみた要部平面模式図、(b)は、(a)のX−Yの位置における要部断面模式図である。
以下、図面を参照しつつ、本実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る半導体装置の要部模式図であり、(a)は、(b)のA−B切断面を上からみた要部平面模式図、(b)は、(a)のX−Yの位置における要部断面模式図、(c)は、(a)のW−Zの位置における要部断面模式図である。
半導体装置1は、3次元MOSFET(3D−MOSFET)である。図1(b)には、3次元MOSFETの中の単位セルが並列接続された状態が示されている。
半導体装置1においては、n形のドリフト層10の表面側から内部にかけて、p形のベース領域12が選択的に設けられている。ベース領域12の表面側から内部にかけては、n形のソース領域13が設けられている。ドリフト層10の表面に対して略平行な方向において、ソース領域13の一部から、ソース領域13の前記一部に隣接するベース領域12を貫通して、ドリフト層10にまでは、ゲート絶縁膜20を介して、ピラー状、あるいはプラグ状のゲート電極21が選択的に設けられている。
ゲート電極21は、ゲート絶縁膜20を介して、ベース領域12に隣接している。ドリフト層10の表面に対して、垂直な方向からみて、ベース領域12とゲート電極21とは、交互に配列している。ソース領域13は、ベース領域12およびゲート電極21に隣接している。ソース領域13は、ベース領域12とゲート電極21とが交互に配列する方向に延在している。
ソース領域13の表面側から内部にかけては、ソース領域13に隣接するように、第1のトレンチ30が設けられている。第1のトレンチ30は、ベース領域12とゲート電極21とが交互に配列する方向に対して、略平行に延在している。ドリフト層10が設けられた領域外のドリフト層10の裏面側から内部にかけては、ドリフト層10に隣接するよに、第2のトレンチ40が選択的に設けられている。第2のトレンチ40は、ベース領域12とゲート電極21とが交互に配列する方向に対して略平行に延在している。第1のトレンチ30と、第2のトレンチ40とは、互いに対向している。
第1のトレンチ30がベース領域12およびゲート電極21に対向する側面30wと、第2のトレンチ40がベース領域12およびゲート電極21に対向する側面40wと、は互いに対向している。第1のトレンチ30の側面30wには、メタル膜31が設けられている。第2のトレンチ40の側面40wには、メタル膜41が設けられている。
第1のトレンチ30の側面30wには、メタル膜31を介して、複数のカーボンナノチューブ32のそれぞれの端部が接続されている。第2のトレンチ40の側面40wには、メタル膜41を介して、複数のカーボンナノチューブ42のそれぞれの端部が接続されている。換言すれば、第1のトレンチ30の側面30wからは、メタル膜31を介して複数のカーボンナノチューブ32が延在している。また、第2のトレンチ40の側面40wからは、メタル膜41を介して複数のカーボンナノチューブ42が延在している。ここで、「カーボンナノチューブの端部」とは、カーボンナノチューブの終端のほか、カーボンナノチューブが折り曲がった部分を含む。
複数のカーボンナノチューブ32の群は、半導体装置1のソース電極33として機能する。複数のカーボンナノチューブ42の群は、半導体装置1のドレイン電極43として機能する。
なお、第1のトレンチ30と、第2のトレンチ40と、に関しては、いずれか一方を半導体装置1に形成してもよい。すなわち、ソース領域13の表面側から内部、および、ドリフト層10の裏面側から内部の少なくともいずれかにトレンチが設けられる形態も、本実施の形態に含まれる。例えば、側面30wおよび側面40wに、複数のカーボンナノチューブの端部を接続させるほか、側面30wと、側面40wとのいずれかに、複数のカーボンナノチューブのそれぞれの端部を接続させてもよい。この場合、複数のカーボンナノチューブが設けられないトレンチ30、40内には、タングステン(W)、ポリシリコン等の導電層が形成される。
第1のトレンチ30の側面30wに接続された複数のカーボンナノチューブ32のそれぞれは、側面30wからドリフト層10の表面側に延在している。表面側に引き出された複数のカーボンナノチューブ32の他方の端部は、引き出し電極60に接続されている。第2のトレンチ40の側面40wに接続された複数のカーボンナノチューブ42のそれぞれは、側面40wからドリフト層10の表面側とは反対側の裏面に延在している。そして、複数のカーボンナノチューブ42の他方の端部は、ドリフト層10の下側に設けられた引き出し電極61に接続されている。
ドリフト層10、第2のトレンチ40、ベース領域12、およびソース領域13の表面には、層間絶縁膜91が設けられている。これにより、ソース電極33に接続された引き出し電極60と、ドリフト層10とは、絶縁されている。層間絶縁膜91の上には、さらに層間絶縁膜50が設けられている。層間絶縁膜50内には、図1(c)に示すように、ゲート配線23が形成されている。このゲート配線23は、ゲート電極21の上端から延在したゲート配線23(図1(b)参照)に接続されている。すなわち、それぞれのゲート電極21は、層間絶縁膜50内に埋め込まれたゲート配線23によって電気的に接続されている。ゲート配線23と、ベース領域12と、は層間絶縁膜91によって絶縁されている。
カーボンナノチューブ32、42のそれぞれは、単層構造のシングルウォールナノチューブ(SWNT)であってもよく、二層構造のダブルウォールナノチューブ(DWNT)でもよい。あるいは、カーボンナノチューブ32、42のそれぞれは、多層構造のマルチウォールナノチューブ(MWNT)であってもよい。カーボンナノチューブ32、42が延在する方向に、カーボンナノチューブ32、42を略垂直に切断した径は、1nm〜数10nmである。また、カーボンナノチューブ32、42の長さは、1μm〜数100μmである。
カーボンナノチューブ32、42が金属的な伝導性を示す場合、カーボンナノチューブ32、42を通じて流れる電子は、ナノチューブ内を無散乱で伝導することができる(バリスティック伝導)。この場合、カーボンナノチューブ32、42を通じて流れる電子の抵抗は、カーボンナノチューブ32、42の長さには依存しない量子抵抗値(6.45kΩ)を有する。
第1の実施の形態では、例えば、数10nm径のカーボンナノチューブ32、42が半導体装置1の平面1cm当たりに、1×1010個程度配置されている。従って、カーボンナノチューブ32、42をソース電極33、ドレイン電極43とすることにより、銅(Cu)、アルミニウム(Al)等の金属と同等の抵抗値を有する。
ドリフト層10、ベース領域12、およびソース領域13の主成分は、例えば、シリコン(Si)を含む半導体である。メタル膜31、41の主成分は、例えば、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)等である。層間絶縁膜50、60の主成分は、例えば、酸化シリコン(SiO)である。引き出し電極60、61の主成分は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)等である。
次に、半導体装置1の製造方法について説明する。
図2は、第1の実施の形態に係る半導体装置の製造過程を説明するための要部断面模式図であり、(a)は、半導体基板の要部断面模式図、(b)は、半導体基板をエッチングする過程の要部断面模式図である。
先ず、図2(a)に示すように、ドリフト層10の基材となるn形の半導体基板を準備する。基板状のドリフト層10の不純物濃度は、例えば、1×1012cm−3以上である。続いて、ドリフト層10の表面には、選択的にマスク90を形成する。マスク90の材質は、酸化シリコン(SiO)である。
次に、図2(b)に示すように、マスク90から開口されたドリフト層10に選択的なエッチング処理を施す。これにより、ドリフト層10の表面側から内部にかけてトレンチ10tが形成される。
図3は、第1の実施の形態に係る半導体装置の製造過程を説明するための要部模式図であり、(a)は、半導体基板内に、ベース領域を形成する過程の要部断面模式図、(b)は、(a)のA−B切断面を上からみた要部平面模式図である。
図3(a)に示すように、トレンチ10tの内部に、エピタキシャル成長法によって、p形のベース領域12を形成する。ベース領域12の不純物濃度は、例えば、1×1012cm−3〜1×1013cm−3である。これにより、ドリフト層10の表面側から内部にかけてベース領域12が形成される。
その後、ドリフト層10およびベース領域12の表面について、CMP(Chemical Mechanical Polishing)研磨を施す。マスク90についてもCMP研磨で除去する。このCMP研磨によって、ドリフト層10およびベース領域12の表面が面一になるように調整される。図3(b)に示すように、ベース領域12については、それぞれがストライプ状に延在している。
図4は、第1の実施の形態に係る半導体装置の製造過程を説明するための要部模式図であり、(a)は、半導体基板内に、ゲート電極用のトレンチを形成する過程の要部断面模式図、(b)は、(a)のA−B切断面を上からみた要部平面模式図である。図4(a)には、図4(b)のX−Y位置における要部断面が示されている。
図4(a)に示すように、ドリフト層10およびベース領域12の表面に、選択的に層間絶縁膜91を形成する。層間絶縁膜91の材質は、酸化シリコン(SiO)である。この層間絶縁膜91は、製造工程中にはマスクとして機能する。続いて、層間絶縁膜91から開口されたドリフト層10およびベース領域12のそれぞれの一部に選択的なエッチング処理を施す。これにより、図4(b)に示すように、ベース領域12およびベース領域12に隣接するドリフト層10の一部に、例えば、トレンチ20tが形成される。
図5は、第1の実施の形態に係る半導体装置の製造過程を説明するための要部模式図であり、(a)は、半導体基板内に、ゲート電極を形成する過程の要部平面模式図、(b)は、(a)のX−Y位置における要部断面模式図、(c)は、(a)のW−Z位置における要部断面模式図、(d)は、(b)および(c)のA−B切断面を上からみた要部平面模式図である。
トレンチ20t内を高温下で、酸化性雰囲気に晒す。これにより、トレンチ20tの側面および底面にゲート絶縁膜20が形成される。ゲート絶縁膜20の材質は、酸化シリコン(SiO)である。続いて、トレンチ20t内に、ゲート絶縁膜20を介して、CVD(Chemical Vapor Deposition)によってゲート電極21を形成する。これにより、ベース領域12、およびベース領域12に隣接するドリフト層10の一部の表面側から内部にかけて、ゲート電極21が選択的に形成される。ゲート電極21の材質は、例えば、ポリシリコン(poly−Si)である。ゲート電極21については、トレンチ20tに埋め込まれた部分以外を除去する。ゲート電極21が形成された後、層間絶縁膜91の上側に、トレンチ20t内のゲート電極21同士を電気的に接続するゲート配線23を形成する。ゲート配線23の材質は、例えば、ポリシリコンである。なお、ゲート電極21と、ゲート配線23と、は一体的に形成してもよい。
図6は、第1の実施の形態に係る半導体装置の製造過程を説明するための要部模式図であり、(a)は、トレンチを形成する過程の要部断面模式図、(b)は、(a)のA−B切断面を上からみた要部平面模式図である。図6(a)には、図6(b)のX−Y位置における要部断面が示されている。
層間絶縁膜91およびゲート配線23の表面に、選択的に層間絶縁膜50を形成する。この段階では、層間絶縁膜50を層間絶縁膜91よりも厚く形成する。層間絶縁膜50の材質は、酸化シリコン(SiO)である。次いで、層間絶縁膜50をマスクとして、層間絶縁膜50から開口された、層間絶縁膜91およびベース領域12にエッチング処理を施し、第1のトレンチ30を形成する。これにより、ベース領域12の表面側から内部にかけて、第1のトレンチ30が形成される。
図7は、第1の実施の形態に係る半導体装置の製造過程を説明するための要部模式図であり、(a)は、ソース領域を形成する過程の要部断面模式図、(b)は、(a)のA−B切断面を上からみた要部平面模式図である。図7(a)には、図7(b)のX−Y位置における要部断面が示されている。
図7(a)に示すように、第1のトレンチ30の側壁および底面に、選択的なイオン注入を行う。例えば、リン(P)を第1のトレンチ30の側壁および底面に注入し、第1のトレンチ30の内壁に、n形のソース領域13を形成する。これにより、ベース領域12の表面側から内部にかけて、ソース領域13が選択的に形成される。図7(b)に示すように、ソース領域13はベース領域12が延在する方向に沿って形成される。
図8は、第1の実施の形態に係る半導体装置の製造過程を説明するための要部模式図であり、(a)は、トレンチ内に、カーボンナノチューブを形成する過程の要部断面模式図、(b)は、(a)を上からみた要部平面模式図である。図8(a)には、図8(b)のX−Y位置における要部断面が示されている。
第1のトレンチ30の内壁および底面に、CVDまたはスパッタリング法によってメタル膜31を形成する。メタル膜31の材質は、例えば、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)等の遷移金属である。メタル膜31については、第1のトレンチ30の底面に形成せず、第1のトレンチ30の側面に選択的に形成してもよい。
続いて、メタル膜31から、複数のカーボンナノチューブ32を成長させる。例えば、メタル膜31を触媒として、半導体装置1に所定の電圧を印加しつつ、アセチレン(C)をグロー放電法で分解することによって、このメタル膜31から複数のカーボンナノチューブ32を形成する。それぞれのカーボンナノチューブ32については、メタル膜31から上方に成長させて、第1のトレンチ30からそれぞれのカーボンナノチューブ32の終端を表出させる。
この場合、メタル膜31の厚みについては、一様な厚みとせず、メタル膜31に凝集化(シンタリング)を引き起こしてもよい。
図9は、メタル膜が凝集した場合の例を説明する要部断面模式図である。
例えば、一様な厚みのメタル膜31を形成した後、このメタル膜31に加熱処理を施す。すなわち、メタル膜31の凝集化によって、第1のトレンチ30の内壁に、メタル粒31aが密になって形成される。そして、メタル粒31aを核として、メタル粒31aからカーボンナノチューブ32を成長させる。このような製造過程も第1の実施の形態に含まれる。
カーボンナノチューブ32は、自己整合的に、径が1nm〜数10nm程度の円筒状の形状を有する。このため、第1のトレンチ30が高アスペクト比であっても、カーボンナノチューブ32は、第1のトレンチ30内に容易に埋め込まれる。また、第1のトレンチ30の底面にも、メタル膜31もしくはメタル粒31aを形成することによって、カーボンナノチューブ32をより高密度に形成することができる。
図10は、第1の実施の形態に係る半導体装置の製造過程を説明するための要部模式図であり、(a)は、半導体基板内に、トレンチを形成する過程の要部断面模式図、(b)は、半導体基板を裏面側から(A−B方向から)みた要部平面模式図である。
図10(a)に示すように、ドリフト層10、ベース領域12、ゲート電極21、およびソース領域13の上側に、層間絶縁膜50を介して、引き出し電極60を形成する。層間絶縁膜50の上側に引き出し電極60を形成することにより、複数のカーボンナノチューブ32の他方の端部が引き出し電極60に電気的に接続される。
続いて、ドリフト層10の裏面側にマスク94を選択的に形成し、マスク94から開口されたドリフト層10に選択的なエッチング処理を施す。これにより、ベース領域12が設けられた領域外のドリフト層10の裏面側から内部にかけて、第1のトレンチ30に対向する第2のトレンチ40が選択的に形成される。第2のトレンチ40は、図10(b)に示すように、ゲート電極21およびベース領域12が交互に配列する方向に沿って形成される。第2のトレンチ40を形成した後、マスク94を除去する。
図11は、第1の実施の形態に係る半導体装置の製造過程を説明するための要部模式図であり、(a)は、トレンチ内に、カーボンナノチューブを形成する過程の要部断面模式図、(b)は、半導体基板を裏面側から(A−B方向から)みた要部平面模式図である。
第2のトレンチ40の内壁および底面に、CVDまたはスパッタリング法によってメタル膜41を形成する。メタル膜41の材質は、例えば、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)等の遷移金属である。メタル膜41については、第2のトレンチ40の側面に選択的に形成してもよい。
続いて、メタル膜41から、複数のカーボンナノチューブ42を成長させる。例えば、メタル膜41を触媒として、半導体装置1に所定の電圧を印加しつつ、アセチレン(C)をグロー放電法で分解することによって、このメタル膜41からカーボンナノチューブ42を形成する。それぞれのカーボンナノチューブ42については、メタル膜41から下方に成長させて、それぞれのカーボンナノチューブ42の終端を、第2のトレンチ40の底面であるドリフト層10に接触させる。
この場合、メタル膜41については、一様な厚みのメタル膜とせず、図9を用いて説明したように、メタル膜41に凝集化を引き起こしてもよい。
このような製造過程によって、互いに対向する、第1のトレンチ30の側面30wおよび第2のトレンチ40の側面40wから、複数のカーボンナノチューブが成長する。なお、側面30wと、側面40wとのいずれかから、複数のカーボンナノチューブを成長させてもよい。この場合、複数のカーボンナノチューブが設けられないトレンチ30、40内には、タングステン(W)、ポリシリコン等の導電層を形成する。
そして、この後においては、図1に示すように、ドリフト層10の下側に、引き出し電極61を形成し、複数のカーボンナノチューブ42の他方の端部を引き出し電極61に電気的に接続する。このような過程で、半導体装置1が形成される。
次に、半導体装置1の作用効果について説明する。半導体装置1の作用効果を説明する前に、比較例に係る半導体装置100の作用効果について説明する。
図12は、比較例に係る半導体装置の要部模式図であり、(a)は、(b)のA−B切断面を上からみた要部平面模式図、(b)は、(a)のX−Yの位置における要部断面模式図である。
半導体装置100は、半導体装置1と略同じ構成を有する。但し、トレンチ30、40内には、カーボンナノチューブが埋め込まれておらず、タングステン(W)等の金属が形成されている。すなわち、第1のトレンチ30内には、タングステン(W)等の金属からなるソース電極320と、第2のトレンチ40内には、タングステン(W)等の金属からなるドレイン電極420が設けられている。
さらに、半導体装置100では、ソース電極320を構成する金属が半導体層に拡散するのを防止するために、第1のトレンチ30の内壁に、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)等のバリアメタル膜310が設けられている。同様に、ドレイン電極420を構成する金属が半導体層に拡散するのを防止するために、第2のトレンチ40の内壁に、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)等のバリアメタル膜410が設けられている。バリアメタル膜310、410については、単層とは限らず、多層になる場合もある。
半導体装置100の製造プロセスでは、高アスペクト比のトレンチ30、40内にバリアメタル膜310、410を形成した後に、ソース電極320、ドレイン電極420を埋め込む過程を経る。従って、ソース電極320、ドレイン電極420をトレンチ30、40内に形成する際には、トレンチ30、40の実質的なアスペクト比がさらに高くなってしまう。これにより、半導体装置100を製造するプロセスでは、ソース電極320またはドレイン電極420を構成する金属をトレンチ30、40内に充分に埋め込むことができない。従って、半導体装置100では、ソース電極320およびドレイン電極420の電気抵抗が必然的に高くなる場合がある。
ソース電極320、ドレイン電極420を構成する材料として、高ドーズ量の単結晶シリコンや、高ドーズ量のポリシリコンを用いる方法がある。しかし、単結晶シリコンや、ポリシリコンへのドーズ量を増加させても、その抵抗は、1×10−3Ω・cm前後であり、数ミクロンオーダー幅のトレンチ30、40に、10μm程度の厚みで単結晶シリコン、ポリシリコンを埋め込んでも、その抵抗は低減し難い。
また、半導体装置100では、高アスペクト比のトレンチ30、40内にバリアメタル膜310、410、ソース電極320、ドレイン電極420を形成したために、トレンチ30、40内の応力が増加してしまう。その結果、長時間に渡り、半導体装置100を使用すると、バリアメタル膜310、410、ソース電極320、ドレイン電極420がトレンチ30、40の内壁から剥離する場合がある。
また、ソース電極320とドレイン電極420との間に所定の電圧を印加し、半導体装置100のゲート電極21の電位を閾値電圧以上にして、半導体装置100をオン状態にした場合のソース電極320とドレイン電極420との間の電流経路の例を図12(a)に示す。電流は、図12(a)の平面図で見る限り、ゲート電極21に対向するベース領域12を通過する。
ところが、ソース電極320には、例えば、グランド電位または負電位が印加され、ドレイン電極420には、正電位が印加されている。この場合、ドレイン電極420に注入された電流は、半導体層中で成るべく低抵抗な経路をとるために、図12(b)に示すごとく、半導体装置100の主面に対し平行に流れず、傾いてしまう。
例えば、図12(b)では、電流の大きさを矢印の太さで表している。半導体装置100では、引き出し電極61側に近い電流経路110aに流れる電流が最も大きくなり、電流経路110bの上側の電流経路110bに流れる電流は、電流経路110aを流れる電流よりも弱くなる。その上の電流経路110cに流れる電流は、電流経路110bを流れる電流よりもさらに弱くなる。そして、それぞれの電流がチャネル領域に到達すると、チャネル領域においては、電流経路110a、110b、110cの向きは、益々傾いてしまう。従って、ゲート電極21の上側部分および下側部分に近接するベース領域12は、その部分に反転層が形成されても、実質的には通電経路として寄与しない無効領域を含む場合がある。
半導体装置1の作用効果について、図13を用いて説明する。
図13は、第1の実施の形態に係る半導体装置の作用効果を説明するための要部模式図であり、(a)は、(b)のA−B切断面を上からみた要部平面模式図、(b)は、(a)のX−Yの位置における要部断面模式図である。
半導体装置1では、比較例に係る半導体装置100のように、バリアメタル膜310、410をトレンチ30、40内に設ける必要がない。このため、カーボンナノチューブ32、42をトレンチ30、40内に形成する際には、トレンチ30、40の実質的なアスペクト比は高くなることはなく、カーボンナノチューブ32、42をトレンチ30、40の側面または底面から満遍なく成長させることができる。半導体装置1では、カーボンナノチューブ32、42を単にビア配線として使用するのではなく、互いに対向する、第1のトレンチ30の側面30wおよび第2のトレンチ40の側面40wの少なくともいずれかに、複数のカーボンナノチューブ32、42のそれぞれの端部が接続している。
カーボンナノチューブの群が延在する方向に対して非平行な方向のカーボンナノチューブの群の抵抗は、カーボンナノチューブの群が延在する方向に対する方向のカーボンナノチューブの群の抵抗よりも高くなる。カーボンナノチューブの群が延在する方向と非平行な方向のカーボンナノチューブの群の抵抗は、カーボンナノチューブの密度が低くなるほど高くなる。従って、ドレイン電極43に注入された電流は、隣接するカーボンナノチューブ42の間では、電流の跳躍は起き難く、それぞれのカーボンナノチューブ42の経路に沿って流れる。すなわち、ドレイン電極43に注入された電流は、それぞれのカーボンナノチューブ42を経由して第2のトレンチ40の側面40wに均等に到達する。
半導体装置1をオン状態にした場合のソース電極33とドレイン電極43との間の電流経路95を、図13に示す。図示する電流経路95は、電流経路の一部を表示したものであり、図中の本数に限られない。
ソース電極33には、例えば、グランド電位または負電位が印加され、ドレイン電極43には、正電位が印加されている。それぞれのカーボンナノチューブ42は、バリスティック伝導を有するので、ドレイン電極43に注入された電流は、それぞれのカーボンナノチューブ42の長さに係わらず、それぞれのカーボンナノチューブ42を経由して第2のトレンチ40の側面40wに均等に到達する。そして、側面40wから放出された電流は、ソース電極33に向かう。半導体装置1においては、ソース電極33の側面30wにおいても、複数のカーボンナノチューブ32の端部が均等に接続されているため、側面40wから放出された電流は、ソース電極33の側面30wに均等に注入される。これにより、半導体装置1においては、ソース電極33とドレイン電極43との間に流れる電流が半導体装置1の主面に対し略平行に流れる。
すなわち、半導体装置1においては、比較例に係る半導体装置100に比べ、ゲート電極21に近接するベース領域12に形成される反転層の無効領域が減少する。従って、第1の実施の形態の半導体装置1においては、チャネル密度がより増加し、ソース電極とドレイン電極との間のオン抵抗がより低減する。
また、半導体装置1においては、ソース電極33を構成する複数のカーボンナノチューブ32のそれぞれが空間(所定の距離)を隔てて第1のトレンチ30内で分散している。ドレイン電極43を構成する複数のカーボンナノチューブ42のそれぞれが空間を隔てて第2のトレンチ40内で分散している。従って、半導体装置1のトレンチ30、40内の応力は、半導体装置100のトレンチ30、40内の応力に比べ緩和される。このため、長時間に渡り、半導体装置1を使用しても、半導体装置100に比べ、ソース電極33、ドレイン電極43は、トレンチ壁から剥離し難くなる。
次に、半導体装置の他の実施例について説明する。以下の説明では、半導体装置1と同一の部材には同一の符号を付し、同一の部材については適宜その説明を省略する。
(第2の実施の形態)
図14は、第2の実施の形態に係る半導体装置の要部模式図であり、(a)は、(b)のA−B切断面を上からみた要部平面模式図、(b)は、(a)のX−Yの位置における要部断面模式図、(c)は、(a)のW−Zの位置における要部断面模式図である。
半導体装置2は、3次元MOSFET(3D−MOSFET)である。図14(b)には、3次元MOSFETの中の単位セルが並列接続された状態が示されている。
半導体装置2においては、n形のドリフト層10がn形のドレイン層11の表面側から内部にかけて、選択的に設けられている。ドリフト層10には、上述したトレンチ40が設けられていない。すなわち、上述したトレンチ40がドリフト層10に隣接していない。ドレイン層11の不純物濃度は、ドリフト層10の不純物濃度よりも高い。ドレイン層11の主成分は、例えば、シリコン(Si)を含む半導体である。
ドリフト層10の表面側から内部にかけては、ドレイン層11とは離間して、p形のベース領域12が選択的に設けられている。ベース領域12の表面側から内部にかけては、n形のソース領域13が設けられている。ドリフト層10の表面に対して略平行な方向において、ソース領域13の一部から、ソース領域13の前記一部に隣接するベース領域12を貫通して、ドリフト層10にまでは、ゲート絶縁膜20を介して、ゲート電極21が選択的に設けられている。ゲート電極21は、ゲート絶縁膜20を介して、ベース領域12に隣接している。ドレイン層11の表面に対して、垂直な方向からみて、ベース領域12とゲート電極21とは、交互に配列している。ソース領域13は、ベース領域12およびゲート電極21に隣接している。ソース領域13は、ベース領域12とゲート電極21とが交互に配列する方向に延在している。
ソース領域13の表面側から内部にかけては、トレンチ30が設けられている。トレンチ30は、ベース領域12とゲート電極21とが交互に配列する方向に対して、略平行に延在している。
トレンチ30がベース領域12およびゲート電極21に対向する側面30wと、ドレイン層11と、は互いに対向している。トレンチ30の側面30wには、メタル膜31が設けられている。
トレンチ30の側面30wには、メタル膜31を介して、複数のカーボンナノチューブ32のそれぞれの端部が接続されている。トレンチ30の側面30wからは、メタル膜31を介して複数のカーボンナノチューブ32が延在している。複数のカーボンナノチューブ32の群は、半導体装置2のソース電極33として機能する。
トレンチ30の側面30wに接続された複数のカーボンナノチューブ32のそれぞれは、側面30wからドレイン層11の表面側に延在している。表面側に引き出された複数のカーボンナノチューブ32の他方の端部は、引き出し電極60に接続されている。ドレイン層11の下側は、引き出し電極61に接続されている。
ドレイン層11、ドリフト層10、ベース領域12、およびソース領域13の表面には、層間絶縁膜91が設けられている。これにより、ソース電極33に接続された引き出し電極60と、ドレイン層11およびドリフト層10とは、絶縁されている。層間絶縁膜91の上には、さらに層間絶縁膜50が設けられている。層間絶縁膜50内には、図14(c)に示すように、ゲート配線23が形成されている。このゲート配線23は、ゲート電極21の上端から延在したゲート配線23(図14(b)参照)に接続されている。すなわち、それぞれのゲート電極21は、層間絶縁膜50内に埋め込まれたゲート配線23によって電気的に接続されている。
次に、半導体装置2の製造方法について説明する。
図15は、第2の実施の形態に係る半導体装置の製造過程を説明するための要部断面模式図であり、(a)は、半導体基板の要部断面模式図、(b)は、半導体基板をエッチングする過程の要部断面模式図である。
先ず、図15(a)に示すように、ドレイン層11の基材となるn形の半導体基板を準備する。基板状のドレイン層11の不純物濃度は、例えば、1×1018cm−3以上である。続いて、ドレイン層11の表面には、選択的にマスク90を形成する。
次に、図15(b)に示すように、マスク90から開口されたドレイン層11に選択的なエッチング処理を施す。これにより、ドレイン層11の表面側から内部にかけてトレンチ10tが形成される。
図16は、第2の実施の形態に係る半導体装置の製造過程を説明するための要部模式図であり、(a)は、半導体基板内に、ドリフト層およびベース領域を形成する過程の要部断面模式図、(b)は、(a)のA−B切断面を上からみた要部平面模式図である。
図16(a)に示すように、トレンチ10tの内部に、エピタキシャル成長法によって、ドリフト層10を形成する。さらに、ドリフト層10の成長を途中で止め、トレンチ10tの内部に、p形のベース領域12を形成する。これにより、ドレイン層11の表面側から内部にかけてドリフト層10が選択的に形成される。ドリフト層10の表面側から内部にかけてベース領域12が選択的に形成される。
その後、ドレイン層11、ドリフト層10およびベース領域12の表面について、CMP研磨を施す。マスク90についてもCMP研磨で除去する。このCMP研磨によって、ドレイン層11、ドリフト層10およびベース領域12の表面が面一になるように調整される。図16(b)に示すように、ドリフト層10、ベース領域12については、それぞれがストライプ状に延在している。
図17は、第2の実施の形態に係る半導体装置の製造過程を説明するための要部模式図であり、(a)は、半導体基板内に、ゲート電極用のトレンチを形成する過程の要部断面模式図、(b)は、(a)のA−B切断面を上からみた要部平面模式図である。図17(a)には、図17(b)のX−Y位置における要部断面が示されている。
図17(a)に示すように、ドレイン層11、ドリフト層10およびベース領域12の表面に、選択的に層間絶縁膜91を形成する。続いて、層間絶縁膜91から開口されたドリフト層10およびベース領域12のそれぞれの一部に選択的なエッチング処理を施す。これにより、図17(b)に示すように、ベース領域12およびベース領域12に隣接するドリフト層10の一部に、例えば、トレンチ20tが形成される。
図18は、第2の実施の形態に係る半導体装置の製造過程を説明するための要部模式図であり、(a)は、半導体基板内に、ゲート電極を形成する過程の要部平面模式図、(b)は、(a)のX−Y位置における要部断面模式図、(c)は、(a)のW−Z位置における要部断面模式図、(d)は、(b)および(c)のA−B切断面を上からみた要部平面模式図である。
トレンチ20t内を高温下で、酸化性雰囲気に晒す。これにより、トレンチ20tの側面および底面にゲート絶縁膜20が形成される。ゲート絶縁膜20の材質は、酸化シリコン(SiO)である。続いて、トレンチ20t内に、ゲート絶縁膜20を介して、CVDによってゲート電極21を形成する。これにより、ベース領域12、およびベース領域12に隣接するドリフト層10の一部の表面側から内部にかけて、ゲート電極21が選択的に形成される。ゲート電極21については、トレンチ20tに埋め込まれた部分以外を除去する。ゲート電極21が形成された後、層間絶縁膜91の上側に、トレンチ20t内のゲート電極21同士を電気的に接続するゲート配線23を形成する。ゲート電極21と、ゲート配線23と、は一体的に形成してもよい。
図19は、第2の実施の形態に係る半導体装置の製造過程を説明するための要部模式図であり、(a)は、トレンチを形成する過程の要部断面模式図、(b)は、(a)のA−B切断面を上からみた要部平面模式図である。図19(a)には、図19(b)のX−Y位置における要部断面が示されている。
層間絶縁膜91およびゲート配線23の表面に、選択的に層間絶縁膜50を形成する。次いで、層間絶縁膜50から開口された、層間絶縁膜91およびベース領域12にエッチング処理を施し、トレンチ30を形成する。これにより、ベース領域12の表面側から内部にかけて、トレンチ30が形成される。
図20は、第2の実施の形態に係る半導体装置の製造過程を説明するための要部模式図であり、(a)は、ソース領域を形成する過程の要部断面模式図、(b)は、(a)のA−B切断面を上からみた要部平面模式図である。図20(a)には、図20(b)のX−Y位置における要部断面が示されている。
図20(a)に示すように、トレンチ30の側壁および底面に、選択的なイオン注入を行う。例えば、リン(P)をトレンチ30の側壁および底面に注入することによって、トレンチ30の内壁に、n形のソース領域13を形成する。これにより、ベース領域12の表面側から内部にかけて、ソース領域13が選択的に形成される。図20(b)に示すように、ソース領域13はベース領域12が延在する方向に沿って形成される。
図21は、第2の実施の形態に係る半導体装置の製造過程を説明するための要部模式図であり、(a)は、トレンチ内に、カーボンナノチューブを形成する過程の要部断面模式図、(b)は、(a)を上からみた要部平面模式図である。図21(a)には、図21(b)のX−Y位置における要部断面が示されている。
トレンチ30の内壁および底面に、CVDまたはスパッタリング法によってメタル膜31を形成する。メタル膜31については、トレンチ30の内壁に選択的に形成してもよい。
続いて、メタル膜31から、複数のカーボンナノチューブ32を成長させる。例えば、メタル膜31を触媒として、半導体装置2に所定の電圧を印加しつつ、アセチレン(C)をグロー放電法で分解することによって、このメタル膜31から複数のカーボンナノチューブ32を形成する。それぞれのカーボンナノチューブ32については、メタル膜31から上方に成長させて、トレンチ30からそれぞれのカーボンナノチューブ32の終端を表出させる。
メタル膜31の厚みについては、一様な厚みとせず、上述したように、メタル膜31に凝集化を引き起こしてもよい。そして、この後においては、図14に示すように、ドレイン層11、ドリフト層10、ベース領域12、ゲート電極21、およびソース領域13の上側に、層間絶縁膜50を介して、引き出し電極60を形成する。層間絶縁膜50の上側に引き出し電極60を形成することにより、複数のカーボンナノチューブ32の他方の端部が引き出し電極60に電気的に接続される。続いて、ドレイン層11の裏面側に引き出し電極61を形成する。このような製造過程によって、半導体装置2が形成される。
半導体装置2の作用効果について、図22を用いて説明する。
図22は、第2の実施の形態に係る半導体装置の作用効果を説明するための要部模式図であり、(a)は、(b)のA−B切断面を上からみた要部平面模式図、(b)は、(a)のX−Yの位置における要部断面模式図である。
半導体装置2をオン状態にした場合のソース電極33とドレイン層11との間の電流経路96を、図22に示す。図示する電流経路96は、電流経路の一部を表示したものであり、図中の本数に限られない。
引き出し電極61からドレイン層11に注入された電流は、ドリフト層10よりも抵抗が低く、面積が広いドレイン層11に満遍なく拡がる。そして、トレンチ30に対向するドレイン層11から放出された電流は、ソース電極33に向かう。半導体装置2においては、ソース電極33の側面30wにおいて、複数のカーボンナノチューブ32の端部が均等に接続されているため、側面40wから放出された電流は、ソース電極33の側面30wに均等に注入される。これにより、半導体装置2においては、ソース電極33とドレイン層11との間に流れる電流が半導体装置2の主面に対し略平行に流れる。
すなわち、半導体装置2においても、半導体装置1と同様に、比較例に係る半導体装置100に比べ、ゲート電極21に近接するベース領域12に形成される反転層の無効領域が減少する。従って、第1の実施の形態の半導体装置2においては、チャネル密度がより増加し、ソース電極とドレイン電極との間のオン抵抗がより低減する。
また、半導体装置2においては、ソース電極33を構成する複数のカーボンナノチューブ32のそれぞれが空間を隔ててトレンチ30内で分散している。従って、半導体装置2のトレンチ30内の応力は、半導体装置1と同様に、緩和される。このため、長時間に渡り、半導体装置2を使用しても、半導体装置1と同様に、ソース電極33は、トレンチ壁から剥離し難くなる。
半導体装置2では、半導体装置1のように、トレンチ40を設けていない。従って、製造プロセスが簡略化されるとともに、半導体装置1よりも、狭ピッチ化が可能になる。
以上、具体例を参照しつつ本実施の形態について説明した。しかし、本実施の形態はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本実施の形態の特徴を備えている限り、本実施の形態の範囲に包含される。それそれの実施の形態については、複合することができる。さらに、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することもできる。
1、2、100 半導体装置
10 ドリフト層
10t、20t トレンチ
11 ドレイン層
12 ベース領域
13 ソース領域
20 ゲート絶縁膜
21 ゲート電極
23 ゲート配線
30 トレンチ(第1のトレンチ)
30w 側面
31 メタル膜
31a メタル粒
32、42 カーボンナノチューブ
33 ソース電極
40 トレンチ(第2のトレンチ)
40w 側面
41 メタル膜
43 ドレイン電極
50 層間絶縁膜
60、61 引き出し電極
90、94 マスク
91 層間絶縁膜
95、96 電流経路
110a、110b、110c 電流経路
310、410 バリアメタル膜
320 ソース電極
420 ドレイン電極

Claims (10)

  1. 第1導電形のドリフト層の表面側から内部にかけて選択的に設けられた第2導電形のベース領域と、
    前記ベース領域の表面側から内部にかけて選択的に設けられた第1導電形のソース領域と、
    前記ドリフト層の表面に対して略平行な方向に、前記ソース領域の一部から、前記ソース領域の前記一部に隣接する前記ベース領域を貫通して、前記ドリフト層にまで到達するゲート電極と、
    前記ソース領域および前記ドリフト層の少なくともいずれかに隣接して設けられたトレンチと、
    前記トレンチの側面に接続された複数のカーボンナノチューブと、
    を備えたことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記ドリフト層に前記トレンチが隣接していない場合には、前記ドリフト層は、前記ドリフト層よりも高い不純物濃度を含む第1導電形のドレイン層の表面側から内部にかけて選択的に設けられたことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記ドリフト層の前記表面に対して垂直な方向からみて、前記ベース領域と、前記ゲート電極と、は、交互に配列していることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 前記ソース領域に設けられた前記トレンチの前記側面に接続された前記複数のカーボンナノチューブのそれぞれは、前記ソース領域に設けられた前記トレンチの前記側面から前記ドリフト層の前記表面側に延在していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の半導体装置。
  5. 前記ソース領域に設けられた前記トレンチは、前記ベース領域と、前記ゲート電極と、が交互に配列する方向に対して略平行に延在していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の半導体装置。
  6. 前記ドリフト層に設けられた前記トレンチの前記側面に接続された前記複数のカーボンナノチューブのそれぞれは、前記ドリフト層に設けられた前記トレンチの前記側面から前記ドリフト層の裏面側に延在していることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  7. 前記ドリフト層に設けられた前記トレンチは、前記ベース領域と、前記ゲート電極と、が交互に配列する方向に対して略平行に延在していることを特徴とする請求項1または6に記載の半導体装置。
  8. ドリフト層の表面側から内部にかけてベース領域を選択的に形成する工程と、
    前記ベース領域および前記ベース領域に隣接する前記ドリフト層の一部の表面側から内部にかけて、ゲート電極を選択的に形成する工程と、
    前記ベース領域の表面側から内部にかけて、ソース領域を選択的に形成する工程と、
    前記ソース領域の表面側から内部にかけて第1トレンチを選択的に形成し、前記第1トレンチの側面から、複数のカーボンナノチューブを成長させる工程と、
    を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 前記ドリフト層の裏面側から内部にかけて、前記第1トレンチに対向する第2トレンチを形成し、前記第2トレンチの側面から複数のカーボンナノチューブを成長させることを特徴とする請求項8記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記ドリフト層を前記ドリフト層よりも不純物濃度が高い第1導電形のドレイン層の表面側から内部にかけて選択的に形成することを特徴とする請求項8記載の半導体装置。
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