JP2012037834A - レーザ顕微鏡用照明装置およびレーザ顕微鏡 - Google Patents

レーザ顕微鏡用照明装置およびレーザ顕微鏡 Download PDF

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Abstract

【課題】スペクトル拡散された光から選択する光の波長幅を自由に設定でき、簡単な構成で光量のロスを抑えることができるレーザ顕微鏡用照明装置を提供する。
【解決手段】白色レーザ光を射出する光源装置10と、光源装置10から射出された白色レーザ光を複数の波長帯域に分散させるとともに、分散されたレーザ光の角度分散をキャンセルする透過型の回折格子42と、回折格子42により分散された白色レーザ光の複数の波長帯域のうち所定の波長帯域のレーザ光を選択する波長選択装置40と、波長選択装置40により選択された波長帯域のレーザ光を標本Aに照射する照射光学系20とを備えるレーザ顕微鏡用照明装置1を採用する。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ顕微鏡用照明装置およびレーザ顕微鏡に関するものである。
従来、フォトニッククリスタルファイバ等の微細構造光学要素にパルスレーザ光を導入することにより、連続的なスペクトル拡散光を生成し、その光を光源として用いるレーザ走査型顕微鏡が知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記のレーザ走査型顕微鏡において、顕微鏡に導入する光の波長選択方法として、スペクトル拡散光路に配置したAOTFにより波長選択する方式や、スペクトル拡散光路に配置した回折格子またはプリズムで空間的にスペクトル拡散光を分散させ、再び結合する際の絞りにより波長選択する方式が開示されている。
特開2002−98896号公報
しかしながら、AOTFを用いた波長選択方式によれば、スペクトル拡散された光の波長当たりの強度は極めて弱い上、AOTFの音響周波数で選択する波長幅は2nm程度と極めて狭くなる。その結果、走査型レーザ顕微鏡の光源として実用的なレーザパワーを得ることが難しいという不都合がある。
また、回折格子を用いた方式は、絞りの調節で波長幅を広げることは可能であるが、一般的な反射型回折格子の回折効率は最も効率の良い波長でも70%程度であるため、回折効率70%の回折格子を2回通過することで、5割以下の光量となってしまうという不都合がある。
また、プリズムを用いた方式は、光量のロスは少ないものの、分散自身が小さく、また、分散が色により非線形に変化する特性から、波長選択機構として作用する絞りの位置決め精度がかなり要求されると共に、制御が複雑化してしまうという不都合がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、スペクトル拡散された光から選択する光の波長幅を自由に設定でき、簡単な構成で光量のロスを抑えることができるレーザ顕微鏡用照明装置およびレーザ顕微鏡を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明の第1の態様は、白色レーザ光を射出する白色レーザ光射出手段と、該白色レーザ光射出手段から射出された白色レーザ光を分散させる機能と分散されたレーザ光の角度分散をキャンセルする機能を持ち、少なくとも1つの透過型のVolume Phase Holographic(VPH)回折格子を有する光学分散手段と、該VPH回折格子により分散された前記白色レーザ光の複数の波長帯域のうち所定の波長帯域のレーザ光を選択する波長選択手段と、該波長選択手段により波長選択され、前記VPH回折格子により角度分散がキャンセルされたレーザ光を標本に照射する照射光学系とを備えるレーザ顕微鏡用照明装置である。
本発明の第1の態様によれば、白色レーザ光射出手段から射出された白色レーザ光が、少なくとも1つの透過型のVolume Phase Holographic(VPH)回折格子を有する光学分散手段により複数の波長帯域に分散され、波長選択手段により複数の波長帯域のうち所定の波長帯域のレーザ光が選択される。このように選択された波長帯域のレーザ光は、VPH回折格子により角度分散がキャンセルされ、照射光学系により標本に照射される。
このようにすることで、スペクトル拡散された光から標本に照射するレーザ光の波長帯域を自由に設定でき、観察対象に応じたレーザ光を標本に照射することができる。また、透過型のVPH回折格子により白色レーザ光を複数の波長帯域に分散することで、分散時における光量のロスを低減することができる。
上記態様において、前記光学分散手段が、前記白色レーザ光射出手段から射出された白色レーザ光を複数の波長帯域に分散させ、前記分散されたレーザ光の角度分散をキャンセルする1つのVPH回折格子を有し、前記波長選択手段が、前記VPH回折格子により分散された各波長帯域のレーザ光を集光する集光レンズと、該集光レンズにより集光された各波長帯域のレーザ光を選択的に反射する選択反射手段とを備えることとしてもよい。
このようにすることで、透過型のVPH回折格子により複数の波長帯域に分散され、集光レンズにより集光された各波長帯域のレーザ光は、選択反射手段により、VPH回折格子に向けて選択的に反射される。このようにして選択された波長帯域のレーザ光は、再びVPH回折格子を透過することにより角度分散がキャンセルされて各波長毎の光軸が平行になる。これにより、複数の波長帯域のレーザ光のうち所定の波長帯域のレーザ光を選択して標本に照射することができる。
上記態様において、前記選択反射手段が、前記VPH回折格子により分散され、前記集光レンズにより集光された各波長帯域のレーザ光の一部を同じVPH回折格子に向けて反射する反射部材と、該反射部材を前記VPH回折格子による白色レーザ光の分散方向に動作させる駆動部とを備えることとしてもよい。
このようにすることで、駆動部により反射部材を白色レーザ光の分散方向に動作させることによって、VPH回折格子により複数の波長帯域に分散されたレーザ光のうち、標本に照射するレーザ光の中心波長を選択して反射することができる。
上記態様において、前記反射部材の反射面が三角形に形成され、前記駆動部が、前記反射部材を前記VPH回折格子による白色レーザ光の分散方向に直交する方向に動作させることとしてもよい。
このようにすることで、駆動部により反射部材を白色レーザ光の分散方向に直交する方向に動作させることによって、VPH回折格子により複数の波長帯域に分散されたレーザ光のうち、標本に照射するレーザ光の波長幅を選択して反射することができる。
上記態様において、前記選択反射手段が、前記VPH回折格子により分散された複数の波長帯域のレーザ光を反射する微小素子が白色レーザ光の分散方向に複数配列された微小素子アレイであり、該微小素子毎に角度を制御可能であることとしてもよい。
このようにすることで、微小素子毎に角度を制御することによって、複数の波長帯域のレーザ光のうち所定の波長帯域のレーザ光を選択的に反射することができ、選択したレーザ光を標本に照射することができる。
上記態様において、前記VPH回折格子が、前記集光レンズの瞳位置(前側焦点位置)に配置されていることとしてもよい。
このようにすることで選択反射手段に入射するレーザ光を分散方向に対してテレセントリックにすることができるので、VPH回折格子により角度分散をキャンセルした各波長の分散方向の平行移動成分(シフト成分)のズレをなくす(すなわち同軸化する)ことができる。
上記態様において、前記光学分散手段が、前記白色レーザ光射出手段から射出された白色レーザ光を複数の波長帯域に分散させる第1のVPH回折格子と、該第1のVPH回折格子により複数の波長帯域に分散されたレーザ光の角度分散をキャンセルする第2のVPH回折格子とを備え、前記波長選択手段が、前記第1のVPH回折格子と前記第2のVPH回折格子との間に配置され、前記第1のVPH回折格子により複数の波長帯域に分散されたレーザ光を集光する第1の集光レンズと、該第1の集光レンズにより集光された各波長帯域のレーザ光を選択的に透過させる選択透過手段と、該選択透過手段により選択された波長帯域のレーザ光を平行光にする第2の集光レンズとを備えることとしてもよい。
このようにすることで、第1のVPH回折格子により複数の波長帯域に分散され、第1の集光レンズにより集光された各波長帯域のレーザ光は、選択透過手段により選択的に透過される。このようにして選択された波長帯域のレーザ光は、第2の集光レンズにより平行光にされ、第2のVPH回折格子を透過することにより角度分散がキャンセルされて各波長毎の光軸が平行になる。これにより、複数の波長帯域のレーザ光のうち、所定の波長帯域のレーザ光を選択して標本に照射することができる。
上記態様において、前記選択透過手段が、前記第1のVPH回折格子により分散され、前記第1の集光レンズにより集光された各波長帯域のレーザ光の一部を遮蔽する遮蔽部材と、該遮蔽部材を前記第1のVPH回折格子による白色レーザ光の分散方向に動作させる駆動部とを備えることとしてもよい。
このようにすることで、駆動部により遮蔽部材を白色レーザ光の分散方向に動作させることによって、第1のVPH回折格子により複数の波長帯域に分散されたレーザ光のうち、標本に照射するレーザ光の中心波長を選択して透過することができる。
上記態様において、前記遮蔽部材の遮蔽面が三角形に形成され、前記駆動部が、前記遮蔽部材を前記第1のVPH回折格子による白色レーザ光の分散方向に直交する方向に動作させることとしてもよい。
このようにすることで、駆動部により遮蔽部材を白色レーザ光の分散方向に直交する方向に動作させることによって、第1のVPH回折格子により複数の波長帯域に分散されたレーザ光のうち、標本に照射するレーザ光の波長幅を選択して透過することができる。
上記態様において、前記選択透過手段が、白色レーザ光の分散方向の幅及び位置を調節可能な少なくとも一つの絞りを有することとしてもよい。
このようにすることで、絞りを調節することによって、複数の波長帯域のレーザ光のうち所定の波長帯域のレーザ光を選択して標本に照射することができる。
上記態様において、前記選択透過手段が、スペクトル毎に、照射の有無および光量を制御可能な空間液晶変調素子であることとしてもよい。
このようにすることで、空間液晶変調素子を制御することによって、複数の波長帯域のレーザ光のうち所定の波長帯域のレーザ光を選択して標本に照射することができる。
上記態様において、前記白色レーザ光がパルスレーザ光であり、さらに前記空間液晶変調素子が屈折率の制御が可能であり、前記空間液晶変調素子が、選択された波長帯域のレーザ光に対して、標本面におけるレーザ光のパルス幅が最小になるように、標本までの群速度分散をキャンセルするチャープを与えることとしてもよい。
このようにすることで、選択された波長帯域のレーザ光の標本までの群速度分散をキャンセルすることができ、2光子励起での標本面でのパルスの伸びを防止することができる。
上記態様において、前記第1のVPH回折格子は前記第1の集光レンズの瞳位置(前側焦点位置)にあり、前記第2のVPH回折格子は前記第2の集光レンズの瞳位置(後側焦点位置)に配置されていることとしてもよい。
このようにすることで選択透過手段に入射するレーザ光及び出射するレーザ光をテレセントリックにすることができるので、第2のVPH回折格子により角度分散をキャンセルした各波長の分散方向の平行移動成分(シフト成分)のズレをなくす(すなわち同軸化する)ことができる。
上記態様において、前記白色レーザ光出射手段が、パルスレーザ光を射出するパルスレーザ光源と、該パルスレーザ光源からのパルスレーザ光をスペクトル拡散させる微細構造光学要素とから構成されることとしてもよい。
このようにすることで、パルスレーザ光源からのパルスレーザ光を、微細構造光学要素によりスペクトル拡散させて、広帯域な白色レーザ光を射出することができる。
上記態様において、前記白色レーザ光射出手段から射出された白色レーザ光の前記VPH回折格子への入射角を、各波長帯域毎に変化させる入射角度変更手段を備えることとしてもよい。
このようにすることで、入射角度変更手段によりVPH回折格子への入射角を各波長帯域毎に変化させることによって、複数の波長帯域のレーザ光のそれぞれについての回折効率を向上させることができ、強度の高いレーザ光を波長帯域毎に射出することができる。これにより、強度の高いレーザ光を標本に照射することができ、標本からの光の強度を向上することができる。
上記態様において、前記入射角度変更手段が、選択された波長帯域の中心波長でブラッグの反射条件を満たすように、前記VPH回折格子への入射角を変化させることとしてもよい。
選択された波長帯域の中心波長でブラッグの反射条件を満たすように、VPH回折格子への入射角を変化させることで、回折効率を向上させて、強度の高いレーザ光を波長帯域毎に射出することができる。なお、ブラッグの反射条件とは、以下の式を満たす条件をいう。
2dsinΘ=nλ
ここで、dはVPH回折格子の周期、Θは標本からの光のVPH回折格子への入射角、nは整数、λは波長である。
上記態様において、前記入射角度変更手段が、複数の波長帯域の中心波長のうち最も短い波長と最も長い波長との中間の波長でブラッグの反射条件を満たすように、前記VPH回折格子への入射角を制御することとしてもよい。
このようにすることで、複数の波長帯域のレーザ光を射出する場合にも、各波長帯域のレーザ光の回折効率を向上させて、強度の高いレーザ光をそれぞれ射出することができる。
上記態様において、前記入射角度変更手段が、前記VPH回折格子による白色レーザ光の分散方向に直交する軸線回りに前記VPH回折格子を回転させる回転駆動部であることとしてもよい。
回転駆動部によりVPH回折格子を白色レーザ光の分散方向に直交する軸線回りに回転させることで、白色レーザ光のVPH回折格子への入射角が変化する。これにより、複数の波長帯域のレーザ光のそれぞれについて、高い回折効率を得ることができ、強度の高い光を標本に照射することができる。
上記態様において、前記入射角度変更手段が、前記VPH回折格子に向けて白色レーザ光を反射するミラーと、該ミラーを前記VPH回折格子による白色レーザ光の分散方向に直交する軸線回りに回転させる回転駆動部とを備えることとしてもよい。
このようにすることで、回転駆動部によりミラーを回転させることにより、白色レーザ光のVPH回折格子への入射角を変化させて回折効率を向上することができ、VPH回折格子を回転させる場合よりも高速な波長切り替えを行うことができる。
上記態様において、前記波長選択手段により選択された波長帯域のレーザ光を標本上で走査する走査手段を備え、前記波長選択手段が、前記走査手段に同期させて、複数の波長帯域のレーザ光を切り替えることとしてもよい。
このようにすることで、複数の波長帯域のレーザ光を高速で切り替えて、標本に照射することができる。
本発明の第2の態様は、上記のレーザ顕微鏡用照明装置と、前記標本からの光を集める集光光学系と、該集光光学系により集められた前記標本からの光を検出する光検出部とを備えるレーザ顕微鏡である。
本発明の第2の態様によれば、白色レーザ光射出手段から射出された白色レーザ光から標本に照射するレーザ光の波長帯域を自由に設定でき、観察対象に応じたレーザ光を標本に照射して、光検出器により標本からの光を検出して画像を生成することができる。また、透過型のVPH回折格子により白色レーザ光を複数の波長帯域に分散することで、分散時における光量のロスを低減することができる。したがって、波長選択手段により、波長帯域毎に標本に照射するレーザ光の波長帯域を切り替えることで、強度の高い標本からの光を波長帯域毎に検出することができ、明るく波長分解能が高い多重染色画像を取得することができる。
本発明によれば、スペクトル拡散された光から選択する光の波長幅を自由に設定でき、簡単な構成で光量のロスを抑えることができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態に係るレーザ走査型顕微鏡の概略構成図であり、(a)は正面図、(b)はX方向から見た下視図、(c)はY方向から見た下視図である。 図1の回折格子の断面図である。 図1の部分拡大図であり、(a)は選択反射装置の平面図、(b)は三角ミラーの平面図である。 図1の回折格子により回折される光を説明する図である。 図4の中心波長毎のVPH回折格子回転角と絶対出射角を示すグラフである。 回折効率と波長帯域との関係を示すグラフである。 図1の第1の変形例に係るレーザ走査型顕微鏡の概略構成図である。 図1の第2の変形例に係るレーザ走査型顕微鏡の概略構成図である。 第3の変形例に係るレーザ走査型顕微鏡の回折効率と波長帯域との関係を示すグラフである。 第3の変形例に係るレーザ走査型顕微鏡の回折効率と波長帯域との関係を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態に係るレーザ走査型顕微鏡の概略構成図である。 図11の選択反射装置の平面図である。 図11の変形例に係るレーザ走査型顕微鏡の概略構成図である。
〔第1の実施形態〕
本発明の第1の実施形態に係るレーザ顕微鏡用照明装置について、図面を参照して以下に説明する。ここでは、本実施形態に係るレーザ顕微鏡用照明装置をレーザ走査型顕微鏡に適用した例について説明する。
本実施形態に係るレーザ走査型顕微鏡1は、図1(a)に示されるように、白色レーザ光を射出する光源装置(白色レーザ光射出手段)10と、光源装置10からの白色レーザ光から所定の波長帯域のレーザ光を選択する波長選択装置(波長選択手段)40と、波長選択装置40により選択された波長のレーザ光を標本Aに照射する照射光学系20と、照射光学系20によりレーザ光が照射されることで標本Aから発生した光を検出する検出光学系30と、これらを制御する制御ユニット50とを備えている。
光源装置10は、超短パルスレーザ光を発振する超短パルスレーザ光源(例えばTiSaレーザ光源)11と、超短パルスレーザ光源11からの超短パルスレーザ光を自己位相変調によりスペクトル拡散させる微細構造光学要素であるPCF(フォトニッククリスタルファイバ)12と、PCF12によりスペクトル拡散されたレーザ光のうち照明用波長帯域のレーザ光を透過させるバンドパスフィルタ13と、PCF12の入射端側に設けられ、レーザ光をPCF12の入射端に集光させるカップリングレンズ81と、PCF12の出射端側に設けられ、PCF12により出射するレーザ光を平行光にするコリメートレンズ82とを備えている。
上記構成を有することで、光源装置10は、例えば、超短パルスレーザ光源11から射出された800nmの波長のパルスレーザ光を、PCF12により300nm〜1600nmの波長帯域にスペクトル拡散させ、バンドパスフィルタ13により400nm〜720nmの波長帯域の白色レーザ光を透過させるようになっている。
波長選択装置40は、光源装置10からの白色レーザ光を複数の波長帯域に分散する透過型の回折格子(光学分散手段)42と、回折格子42を保持し、回折格子42をレーザ光の分散方向(図1において紙面に沿う方向)に直交する軸線回りに回転させるガルバノメータ(入射角度変更手段)41と、回折格子42により分散された複数の波長帯域のレーザ光を集光する集光レンズ43と、集光レンズ43により集光された複数の波長帯域のレーザ光を選択的に反射する選択反射装置(選択反射手段)44とを備えている。
回折格子42は、図2に示すように、透過型のVPH(Volume Phase Holographic)回折格子である。
透過型のVPH回折格子は、媒質の屈折率を周期的に変化させたもので、ブラッグの反射条件を満たす波長において高い回折効率が得られる。
例えば白色光Wに対する回折格子42の向きを回転調整することで、ブラッグの反射条件に合った波長の光を効率的に取り出せる。具体的には、図2に示すように、回折格子42が符号Rに示す位置にある場合には赤の波長の光が矢印Rに示す方向に高い回折効率で射出し、回折格子42が符号Gに示す位置にある場合には緑の波長の光が矢印Gに示す方向に高い回折効率で射出し、回折格子42が符号Bに示す位置にある場合には青の波長の光が矢印Bに示す方向に高い回折効率で射出する。
なお、1次回折光として得られる光(矢印R,G,Bの向きにそれぞれ射出される光)の波長幅は、回折格子42の厚みによって変化し、厚みが厚いほど波長幅が狭くなる。本実施形態では、複数の波長帯域のレーザ光を同時に標本に照射する用途もあるため、図6に示すように、回折格子を固定した状態でも比較的広い波長範囲(420〜700nm)を70%程度以上は回折する厚みにしている。
ガルバノメータ41は、制御ユニット50からの指示に基づいて、回折格子42を白色レーザ光の分散方向に直交する軸線回りに回転させるようになっている。具体的には、ガルバノメータ41は、標本Aに照射するレーザ光として選択された波長帯域の中心波長に合わせて駆動され、該波長帯域のレーザ光がブラッグの反射条件を満たすように、回折格子42を前記軸線回りに回転させるようになっている。ここで、ブラッグの反射条件とは、以下の式を満たす条件をいい、この条件において高い回折効率が得られる。
2dsinΘ=nλ
上記の式において、dは回折格子42の周期、Θはレーザ光の回折格子42への入射角、nは整数、λは波長である。透過型のVPH回折格子では、n=1の時に高い回折効率が得られる。
集光レンズ43は、回折格子42と選択反射装置44との間に配置されており、回折格子42により分散された複数の波長帯域のレーザ光を選択反射装置44上に集光してスペクトル線を生成するようになっている。
選択反射装置44は、図3(a)に示すように、集光レンズ43の光軸に直交する向きに反射面が配置された複数の三角ミラー(反射部材)45と、三角ミラー45を集光レンズ43の光軸に直交する2軸方向(矢印a,bに示す方向)に動作させる電動ステージ46とを備えている。
三角ミラー45は、図3(b)に示すように、略三角形のガラス45aの表面に、光を反射するミラーコート45bが施されたものである。
なお、図3(a)において、符号47は、回折格子42により分散された複数の波長帯域のレーザ光のスペクトル列を示している。
上記構成を有することで、選択反射装置44は、三角ミラー45を動作させて、集光レンズ43により集光された各波長帯域のレーザ光を選択的に反射するようになっている。具体的には、選択反射装置44は、複数の波長帯域のレーザ光のスペクトル列47のうち、三角ミラー45のミラーコート45bと交わる波長帯域のみが反射されて、回折格子42へ戻される。すなわち、選択反射装置44は、三角ミラー45を回折格子42による白色レーザ光の分散方向(矢印aに示す方向)に動作させることで、標本Aに照射するレーザ光の中心波長を最大2つの波長帯域で設定できるようになっている。また、選択反射装置44は、三角ミラー45を回折格子42による白色レーザ光の分散方向に直交する方向(矢印bに示す方向)に動作させることで、標本Aに照射するレーザ光の波長幅を設定できるようになっている。
また、回折格子42は、光学的な瞳位置(集光レンズ43の後側焦点位置)に配置されており、その分散方向については、三角ミラー45に対して略テレセントリックで入射するようになっている。
図1のバンドパスフィルタ13と波長選択装置40の間には、反射ミラー14が配置されている。反射ミラー14は、図1(a)を矢印X方向から見た図1(b)に示すように、レーザ光の入射光軸から(図1(b)において下側に)ずれた位置に配置されているので、光源装置10からの白色レーザ光は反射ミラー14の上側を通過する。そして、波長選択装置40では、図1(a)を矢印Y方向から見た図1(c)に示すように、反射ミラー45により、選択された波長の光(反射光)は、集光レンズ43の光軸に対して、回折格子42の分散方向と直交する方向(図1(c)において下側)に、対称に反射され、再度、集光レンズ43に入射する。これにより、反射光は、分散方向と直交する方向に、集光レンズ43の光軸を挟んで対称(図1(b)において下側)に平行移動される。そして、選択された波長の光は、光源装置10からの白色レーザ光(入射光)よりも下側を通るので、反射ミラー14により反射される。
また、反射ミラー14と照射光学系20との間には、反射ミラー14により反射されたレーザ光を調光する調光器15が配置されている。
照射光学系20は、波長選択装置40(調光器15)からのレーザ光を反射する一方、標本Aからの光を透過するダイクロイックミラー21と、ダイクロイックミラー21により反射されたレーザ光を標本A上で2次元走査するXYガルバノスキャナ(走査手段)22と、瞳投影レンズ23と、結像レンズ24と、レーザ光を偏向するミラー25と、レーザ光を標本Aに照射するとともに標本Aからの光を集める対物レンズ26とを備えている。
検出光学系30は、ダイクロイックミラー21の後段側に配置されており、対物レンズ26により集められダイクロイックミラー21を透過してきた標本Aからの光を共焦点ピンホール32に集光する共焦点レンズ31と、標本Aの焦点位置からの光のみを通過させる共焦点ピンホール32と、共焦点ピンホール32を通過してきた標本Aからの光のうちレーザ光等の不要な波長成分を遮断するバリアフィルタ34と、バリアフィルタ34を透過してきた標本Aからの光を検出する例えばPMT(Photomultiplier Tube:光電子増倍管)等の光検出部36とを備えている。
制御ユニット50は、XYガルバノスキャナ22、ガルバノメータ41、および選択反射装置44を同期制御するようになっている。具体的には、制御ユニット50は、XYガルバノスキャナ22の走査位置と光検出部36により検出される標本Aからの光の強度とに基づいて、標本Aの画像を生成するようになっている。また、制御ユニット50は、標本Aに照射するレーザ光の波長帯域の中心波長に合わせてガルバノメータ41を駆動させ、回折格子42への入射角を変化させるようになっている。また、制御ユニット50は、標本Aへ照射するレーザ光の波長に合わせて選択反射装置44の電動ステージ46を動作させ、三角ミラー45の位置を変更するようになっている。
ここで、ガルバノメータ41を動作させた場合の作用について、具体例を用いて以下に説明する。
図4において、符号αは、回折格子42の回転角(以下「VPH回折格子回転角」という)、すなわち入射光に対する回折格子42の法線(以下「VPH回折格子法線」という)の角度である。符号βは、VPH回折格子法線に対する1次回折光の出射角度である。符号γは、絶対出射角、すなわち入射光(0次光)に対する1次回折光の出射角度である。なお、本実施形態では、600本/mmの格子間隔で1次回折光を使用することとする。
図5は、中心波長毎のVPH回折格子回転角αと絶対出射角γとの関係を示している。図5において、VPH回折格子回転角αは、ブラッグの反射条件を満たす波長毎の回転角を示している。
図6には、中心波長が560nm、420nm、700nmの場合において、ブラッグの条件を満たすVPH回折格子回転角αに設定した時の波長毎の回折効率が示されている。図6において、実線が中心波長560nm、点線が中心波長420nm、二点鎖線が中心波長700nmの回折効率をそれぞれ示している。
この場合において、設定した波長帯域の中心波長について、図5に示すVPH回折格子回転角αに回折格子42の回転角を調整すると、設定した波長帯域での回折効率を最大にすることができる。具体的には、中心波長が560nmの時にVPH回折格子回転角α=14.6°となるように回折格子42の回転角を調整し、中心波長が420nmの時にVPH回折格子回転角α=10.9°となるように回折格子42の回転角を調整し、中心波長が700nmの時にVPH回折格子回転角α=18.4°となるように回折格子42の回転角を調整する。
以下に、上記構成を有するレーザ走査型顕微鏡1を用いて、光検出部36により標本Aの蛍光観察を行う場合の作用について説明する。
ここでは、まず、光源装置10を作動させ、波長選択装置40に白色レーザ光を入射させる。波長選択装置40に導光された白色レーザ光は、回折格子42により複数の波長帯域に分散され、このように分散された複数の波長帯域のレーザ光のうち、標本Aを励起するのに使用する励起波長を含む波長帯域のレーザ光が選択反射装置44により選択的に反射される。
上記のように選択的に反射された波長帯域のレーザ光は、反射ミラー14により反射され、調光器15により調光されて照射光学系20に導光される。照射光学系20では、レーザ光は、ダイクロイックミラー21により反射され、XYガルバノスキャナ22に導光される。XYガルバノスキャナ22では、レーザ光を標本A上において2次元的に走査させる。このように走査されたレーザ光は、瞳投影レンズ23および結像レンズ24を透過してミラー25により偏向され、対物レンズ26により標本A上に照射される。
標本A上の対物レンズ26の焦点面においては、標本A内の蛍光物質が励起され、蛍光が発生する。発生した蛍光は、対物レンズ26により集められ、ミラー25、結像レンズ24、瞳投影レンズ23を介して、XYガルバノスキャナ22に導光される。XYガルバノスキャナ22を通過した蛍光は、ダイクロイックミラー21を透過し、共焦点レンズ31により集光され、標本Aの焦点面において発生した蛍光のみが共焦点ピンホール32を通過する。共焦点ピンホール32を通過した蛍光は、バリアフィルタ34を透過することで不要な励起光の波長がカットされ、光検出部36により検出される。
このように光検出部36により検出された蛍光の強度情報とXYガルバノスキャナ22によるレーザ光の照射位置とを対応づけて記憶することにより、2次元的な蛍光画像を構築することが可能となる。
上記の処理において、波長選択装置40による標本Aに照射するレーザ光の選択方法について以下に説明する。
最初に、観察する標本として、単染色の蛍光標本を観察する場合について説明する。
まず、ガルバノメータ41を動作させ、励起光として照明に使用する波長帯域のレーザ光がブラッグの反射条件を満たすように回折格子42を回転させる。
次に、電動ステージ46に搭載された三角ミラー45を、図3(a)に示すように、矢印a,bに示す4方向に動作させることで、照明波長帯域の波長幅と中心波長を設定する。具体的には、選択反射装置44は、三角ミラー45を矢印aに示す方向に動作させることで、標本Aに照射するレーザ光の中心波長を2つの波長帯域で設定し、三角ミラー45を矢印bに示す方向に動作させることで、標本Aに照射するレーザ光の波長幅を設定する。なお、ここでは、照明に使用する波長帯域が1つなので、2つの三角ミラー45のうち、一方はスペクトル列47から退避させておく。
三角ミラー45で反射されたレーザ光は、回折格子42に戻り、回折格子42を透過することで、角度分散がキャンセルされる。さらに、回折格子42は、集光レンズ43の前側焦点位置(瞳位置)にあるので、三角ミラー45で反射されたレーザ光は、分散方向の平行移動(シフト)成分は生じず、1つの光軸に同軸化される。
このように同軸化された光は、反射ミラー14により反射され、調光器15により調光される。
次に、標本Aが2つの蛍光色素で標識されており、それぞれの蛍光の励起波長である、480nm付近の波長と640nm付近の波長のレーザ光を同時に照射して、観察を行う場合について説明する。なお、この場合は、蛍光検出器を2個設け、それぞれの検出器に対応する蛍光波長が向かうようにダイクロイックミラーなどで波長分岐する必要がある(図示省略)。
まず、ガルバノメータ41を動作させ、480nmと640nmの中間の波長である、560nmでブラッグの反射条件を満たすように回折格子42を回転させる。
次に、電動ステージ46に搭載された2つの三角ミラー45を、図3(a)に示すように、矢印a,bに示す4方向に動作させ、2つの励起波長の帯域を反射するように位置させる。
三角ミラー45で反射された2つの波長帯域のレーザ光は、分散方向と直交する方向に導光されて、回折格子42に戻り、回折格子42を透過することで、角度分散がキャンセルされる。さらに、回折格子42は、集光レンズ43の前側焦点位置(瞳位置)にあるので、三角ミラー45で反射された光は、分散方向の平行移動(シフト)成分が生じず、一つの光軸に同軸化される。
同軸化された光は、集光レンズ43の光軸に対して分散方向と直交方向に平行移動しているので、反射ミラー14により反射され、調光器15に入射する。
なお、2つの波長帯域を同時に選択しているので、調光器15では、各波長毎に独立して調光することはできない。ここでは、三角ミラー45をスペクトル列47に直交する方向(矢印bに示す方向)に出し入れすることで、波長幅を変化させることができ、各波長帯域毎の調光を行うことが可能となる。
次に、前記標本の観察に際し、波長毎にシーケンシャルで画像取得する場合について説明する。
シーケンシャルでの画像取得とは、励起波長を順次切り替えながら1つの蛍光色素毎に時系列で画像取得する方法である。
この場合には、三角ミラー45で、波長帯域毎の波長幅と中心波長を順次設定し、その都度、回折効率が最大となる回折格子42の回転角の設定を行い、XYガルバノスキャナ22で、波長毎に画像取得する。具体的には、中心波長480nmのレーザ光でブラッグの反射条件を満たす回折格子42の回転角と、中心波長560nmのレーザ光でブラッグの反射条件を満たす回折格子42の回転角の設定を行う。
以上のように、本実施形態に係るレーザ走査型顕微鏡1によれば、透過型の回折格子42により複数の波長帯域に分散され、集光レンズ43により集光された各波長帯域のレーザ光は、波長選択装置40により波長帯域が選択されて回折格子42に向けて反射される。この際、回折格子42による白色レーザ光の分散方向(矢印aに示す方向)および該分散方向に直交する方向(矢印bに示す方向)に三角ミラー45が動作することで、標本Aに照射されるレーザ光の中心波長および波長幅が設定される。このようにして選択された波長帯域のレーザ光は、再び回折格子42を透過することにより角度分散がキャンセルされて一つの光軸に同軸化される。これにより、複数の波長帯域のレーザ光のうち所定の波長帯域のレーザ光を選択して標本Aに照射することができ、観察対象に応じたレーザ光を自由に設定して標本Aに照射することができる。また、透過型のVPH回折格子により白色レーザ光を複数の波長帯域に分散することで、分散時における光量のロスを低減することができる。
また、ガルバノメータ41により回折格子42へのレーザ光の入射角を変化させることによって、複数の波長帯域のレーザ光のそれぞれについての回折効率を向上させることができ、強度の高いレーザ光を波長帯域毎に射出することができる。これにより、強度の高いレーザ光を標本Aに照射することができ、標本Aからの光の強度を向上させて明るい画像を取得することができる。
この場合において、特に、ブラッグの反射条件を満たすように、波長帯域毎に回折格子42へのレーザ光の入射角を変化させることで、回折効率を向上させて、強度の高いレーザ光を波長帯域毎に射出することができる。
また、本実施形態において、シーケンシャルでの画像取得を行う場合には、ガルバノメータ41による回折格子42の回転角度の切り替えを、XYガルバノスキャナ22による走査に同期させ、XYガルバノスキャナ22の主走査であるXライン毎に行うこととしてもよい。
このようにすることで、検出波長毎の時間差を極めて少なくでき、動きのある標本Aを正確に捉えることができる。
[第1の変形例]
以下に、本実施形態の第1の変形例に係るレーザ走査型顕微鏡2について説明する。
本変形例に係るレーザ走査型顕微鏡2は、図7に示すように、前述のレーザ走査型顕微鏡1(図1参照)の選択反射装置44に代えて、集光レンズ43の集光位置に、DMD(ディジタルマイクロミラーデバイス)46が設けられている。
DMD(選択反射手段)46は、図示しない微小可動ミラー(微小素子)を複数備えており、これら微小可動ミラーは、集光レンズ43により集光されたレーザ光の分散方向(スペクトル列方向)に配列されている。このような構成を有することで、DMD46は、微小可動ミラーを動作(ON/OFF)させることによって、各微小可動ミラーの角度を変化させ、集光レンズ43により集光されたレーザ光の一部を選択的に集光レンズ43に向けて反射するようになっている。つまり、微小可動ミラーがON状態に対応する波長が、集光レンズ43の光路に戻されるようになっている。
上記のように、前述のレーザ走査型顕微鏡1が2枚の三角ミラー45により波長選択しているのに対して、本変形例に係るレーザ走査型顕微鏡2では、DMD46を制御して微小可動ミラーを動作させることで、標本Aに照射するレーザ光の波長幅および中心波長を選択している。
なお、複数の波長選択時に波長帯域毎に独立に調光する場合には、一つの領域で選択する微小可動ミラーの数を調節することで、波長幅を調節する。
本変形例に係るレーザ走査型顕微鏡2によれば、微小可動ミラーの動作を制御することによって、回折格子42により分散された複数の波長帯域のレーザ光のうち、所定の波長帯域のレーザ光を選択的に反射することができ、選択したレーザ光を標本Aに照射することができる。
また、ONにする微小可動ミラーの数を制御することで、同時に選択する複数の波長帯域の種類を容易に増やすことができる。
また、DMD46の切換え速度は10KHz以上であるため、選択波長の切り換えを高速に行うことができる。これにより、例えば、XYガルバノスキャナ22のXライン毎に波長を切り替えて画像取得することができ、ライン毎に波長を切り替えるシーケンシャル画像取得の切り換え速度にも対応することができる。
なお、本変形例に係るレーザ走査型顕微鏡2において、DMD46の1個の微小可動ミラーのサイズが、光学的な回折径より小さいと、回折の影響で反射率が大幅に低下することがある。したがって、微小可動ミラー1個のサイズより、回折径が十分に小さくなるように光学系、すなわち集光レンズ43への入射ビーム径と集光レンズ43の焦点距離を設定する必要がある。
[第2の変形例]
以下に、本実施形態に係るレーザ走査型顕微鏡1の第2の変形例について説明する。
本変形例においては、前述のレーザ顕微鏡装置1のように回折格子42を回転させるのではなく、回折格子42の前段に配置したミラー47を回転させることで、回折格子42への入射角度を変化させる。
本変形例に係るレーザ走査型顕微鏡3において、波長選択装置40は、図8に示すように、光源装置10からの白色レーザ光を回折格子42に向けて反射するミラー47と、ミラー47を保持し、ミラー47を回転させるガルバノメータ(入射角度変更手段)41と、ミラー47により反射された白色レーザ光を複数の波長帯域に分散する透過型の回折格子42と、回折格子42により分散された複数の波長帯域のレーザ光を集光する集光レンズ43と、集光レンズ43により集光された複数の波長帯域のレーザ光を選択的に反射する選択反射装置(選択反射手段)44とを備えている。
ガルバノメータ41は、制御ユニット50からの指示に基づいて、ミラー47を標本Aからの光の分散方向(図8において紙面に沿う方向)に直交する軸線回りに回転させるようになっている。具体的には、ガルバノメータ41は、標本Aに照射するレーザ光として選択された波長帯域の中心波長に合わせて駆動され、選択された波長帯域のレーザ光が回折格子42においてブラッグの反射条件を満たすように、ミラー47を軸線回りに回転させるようになっている。
具体的には、レーザ走査型顕微鏡1と同様に、600本/mmの格子間隔で1次光を使用すると仮定した場合、ガルバノメータ41は、回折格子42の法線に対する回折格子42への入射角(VPH回折格子回転角α)が以下のようになるように、ミラー47を回転させる。
420nmを中心波長とする場合:α1=10.9°
560nmを中心波長とする場合:α2=14.6°
700nmを中心波長とする場合:α3=18.4°
本変形例に係るレーザ走査型顕微鏡3によれば、ミラー47を回転させることにより、回折格子42を回転させる場合よりも高速な波長切り替えに対応することができる。
また、回折格子42を基準としてミラー47の対称位置を集光レンズ43の前側焦点位置(瞳位置)とすることで、選択反射装置44の三角ミラー45に対して分散方向にテレセントリックでレーザ光を入射させることができ、回折格子42により角度分散をキャンセルした各波長の光の分散方向の平行移動成分(シフト成分)をなくして一つの光軸に同軸化することができる。
[第3の変形例]
以下に、本実施形態に係るレーザ走査型顕微鏡1の第3の変形例について説明する。
本変形例では、2つの波長帯域を同時に選択する場合において、どの波長でブラッグの反射条件に設定するかについてのバリエーションを説明する。
前述のレーザ走査型顕微鏡1では、480nm、640nmを中心波長とする2つの波長帯域を設定した場合、最短波長(480nm)と最長波長(640nm)の中間波長である560nmでブラッグの反射条件を満たすように設定していた(図9および図10における点線)。
これに対して本変形例では、図9に示すように、蛍光の励起光率によって、480nmはパワーに余裕があり、640nmはパワーに余裕がない場合には、640nmでブラッグの反射条件を満たすようにする。
一方、図10に示すように、640nmの方がパワーに余裕がないが、図9ほど480nmのパワーを落としたくはない場合には、例えば600nmでブラッグの反射条件を満たすようにする。
このように、最短波長と最長波長の間で、それぞれの蛍光色素の励起光率のバランスを考慮してブラッグの反射条件を満たす波長を決めることで、回折格子42における回折効率を向上させて、強度の高いレーザ光を標本Aに照射することができる。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態に係るレーザ走査型顕微鏡について、図面を参照して説明する。本実施形態のレーザ顕微鏡装置2が第1の実施形態のレーザ顕微鏡装置1と異なる点は、1つの回折格子に2回レーザ光を透過させるのではなく、2つの回折格子を備えてこれら回折格子に1回ずつレーザ光を透過させる点である。以下、本実施形態のレーザ顕微鏡装置4について、第1の実施形態のレーザ顕微鏡装置1と共通する点については説明を省略し、異なる点について主に説明する。
本実施形態に係るレーザ走査型顕微鏡4は、図11に示されるように、白色レーザ光を射出する光源装置(白色レーザ光射出手段)10と、光源装置10からの白色レーザ光から所定の波長帯域のレーザ光を選択する波長選択装置(波長選択手段)60と、波長選択装置60により選択された波長のレーザ光を標本Aに照射する照射光学系20と、照射光学系20によりレーザ光が照射されることで標本Aから発生した光を検出する検出光学系30と、これらを制御する制御ユニット50とを備えている。
波長選択装置60は、第1の回折格子(光学分散手段)62と、第1の回折格子62を保持するガルバノメータ(入射角度変更手段)61と、第1の集光レンズ63と、複数の波長帯域のレーザ光を選択的に透過する選択透過装置(選択透過手段)64と、第2の集光レンズ65と、第2の回折格子66と、第2の回折格子66を保持するガルバノメータ67とを備えている。
第1の回折格子62は、透過型のVPH(Volume Phase Holographic)回折格子であり、光源装置10からの白色レーザ光を複数の波長帯域に分散して射出するようになっている。
ガルバノメータ61は、第1の回折格子62を保持しており、第1の回折格子62をレーザ光の分散方向(図11において紙面に沿う方向)に直交する軸線回りに回転させるようになっている。ガルバノメータ61は、第1の回折格子62の回折効率が最大となるように、第1の回折格子62を回転させる。また、選択する波長領域が2か所の場合には両方の波長の中間の波長で回折効率が最大となるように第1の回折格子62を回転させる。
光源装置からの白色レーザ光は、コリメートレンズ82によってコリメートされた状態で第1の回折格子62に入射する。第1の集光レンズ63は、第1の回折格子62により分散された複数の波長帯域のレーザ光を選択透過装置64に集光してスペクトル線を生成するようになっている。
第2の集光レンズ65は、選択透過装置64を透過したレーザ光を平行光束に戻し、第2の回折格子66の同じ位置に、波長毎に異なる角度で入射させる。
第2の回折格子66は、透過型のVPH(Volume Phase Holographic)回折格子であり、第1の回折格子62と同じ特性を有している。よって、第1回折格子62と第2回折格子66の夫々において波長ごとに同一角度で回折するので、第1回折格子62で分散したレーザ光は第2回折格子62によって角度分散がキャンセルされる。
第1の回折格子62は、第1の集光レンズ63の瞳位置(前側焦点位置)に配置されており、第2の回折格子66は、第2の集光レンズ65の瞳位置(後側焦点位置)に配置されている。また、第1の集光レンズ63と第2の集光レンズ65は、同一の焦点距離を有している。選択透過装置64は、第1の集光レンズ63の焦点位置であり、また第2の集光レンズ65の焦点位置となる位置に配置されている。よって、選択透過装置64を透過したレーザ光は平行移動成分が生じず、一つの光軸に同軸化される。
ガルバノメータ67は、第2の回折格子66を保持しており、ガルバノメータ61の動作に連動して、第2の回折格子66をレーザ光の分散方向(図11において紙面に沿う方向)に直交する軸線回りに回転させるようになっている。具体的には、ガルバノメータ67は、選択透過装置64に対して、対称となる回転角を維持するように連動する。これにより、第1の回折格子62を出射する時の各波長毎の回折格子に対する角度と、第2の回折格子66に入射する時の各波長毎の回折格子に対する角度が同一となり、第2の回折格子66を透過した各波長の光の角度分散をキャンセルでき、かつ、第1の回折格子62と第2の回折格子66で波長毎の1次光の透過率特性を同じにできる。
また、第1の集光レンズ63の瞳位置(前側焦点位置)に第1の回折格子62を配置し、第2の集光レンズ65の瞳位置(後側焦点位置)に第2の回折格子66を配置したことにより、分散方向の平行移動(シフト)成分も合わせて同軸化できる。
選択透過装置64は、図12に示すように、集光レンズ43の光軸に直交する向きに配置された一対の遮蔽板(絞り)71,72と、一対の遮蔽板71,72の間に配置された三角板73と、遮蔽板71,72をレーザ光の分散方向(矢印aに示す方向)に移動させるとともに、三角板73を第1の集光レンズ63の光軸に直交する2軸方向(矢印a,bに示す方向)に動作させる電動ステージ74とを備えている。なお、図12において、符号75は、第1の集光レンズ63により集光される複数の波長帯域のレーザ光のスペクトル列を示している。
上記構成を有することで、選択透過装置64は、図12に示すように、三角板73を矢印a,bに示す方向に動作させて、第1の集光レンズ63により集光された各波長帯域のレーザ光を選択的に透過するようになっている。すなわち、選択透過装置64は、三角板73を第1の回折格子62による白色レーザ光の分散方向(矢印aに示す方向)に動作させることで、標本Aに照射するレーザ光の中心波長を設定する。また、選択透過装置64は、三角板73を第1の回折格子62による白色レーザ光の分散方向に直交する方向(矢印bに示す方向)に動作させることで、標本Aに照射するレーザ光の波長幅を設定する。
以下に、上記構成を有するレーザ走査型顕微鏡4を用いて、光検出部36により標本Aの蛍光観察を行う場合の作用について説明する。
まず、光源装置10を作動させ、波長選択装置60に白色レーザ光を入射させる。波長選択装置60に導光された白色レーザ光は、第1の回折格子62により複数の波長帯域に分散され、このように分散された複数の波長帯域のレーザ光のうち、所定の波長帯域のレーザ光が選択透過装置64により選択的に透過される。
上記のように選択的に透過された波長帯域のレーザ光は、反射ミラー14により反射され、調光器15により調光されて照射光学系20に導光される。照射光学系20では、レーザ光は、ダイクロイックミラー21により反射され、XYガルバノスキャナ22に導光される。XYガルバノスキャナ22では、レーザ光を標本A上において2次元的に走査させる。このように走査されたレーザ光は、瞳投影レンズ23および結像レンズ24を透過してミラー25により偏向され、対物レンズ26により標本A上に照射される。
標本A上の対物レンズ26の焦点面においては、標本A内の蛍光物質が励起され、蛍光が発生する。発生した蛍光は、対物レンズ26により集められ、ミラー25、結像レンズ24、瞳投影レンズ23を介して、XYガルバノスキャナ22に導光される。XYガルバノスキャナ22を通過した蛍光は、ダイクロイックミラー21を透過し、共焦点レンズ31により集光され、標本Aの焦点面において発生した蛍光のみが共焦点ピンホール32を通過する。共焦点ピンホール32を通過した蛍光は、バリアフィルタ34を透過することで不要な励起光の波長がカットされ、光検出部36により検出される。
このように光検出部36により検出された蛍光の強度情報とXYガルバノスキャナ22によるレーザ光の照射位置とを対応づけて記憶することにより、2次元的な蛍光画像を構築することが可能となる。
上記の処理において、波長選択装置60による標本Aに照射するレーザ光の選択方法について以下に説明する。
まず、図12に示すように、電動ステージ74に搭載された一対の遮蔽板71,72を適切な間隔に設定した上で、三角板73を、矢印a,bに示す4方向に動作させることで、遮蔽しないレーザ光(すなわち透過させるレーザ光)の波長幅と中心波長を2つの波長帯域で設定する。
三角板73で遮蔽されずに選択透過装置64を透過したレーザ光は、第2の集光レンズ65により第2の回折格子66に集光され、第2の回折格子66を透過することで、角度分散がキャンセルされる。さらに、第2の回折格子66は、第2の集光レンズ65の瞳位置(後側焦点位置)に配置されているので、透過するレーザ光は、角度成分および平行移動(シフト)成分が生じず、一つの光軸に同軸化される。
なお、2波長を選択した場合は、ガルバノメータ61,67は、最短波長の中心波長と最長波長の中心波長の中間波長の回折効率が最大となるように、2つの回折格子62,66の回転角を制御する。
以上のように、本実施形態に係るレーザ走査型顕微鏡4によれば、第1の回折格子62により複数の波長帯域に分散され、第1の集光レンズ63により集光された各波長帯域のレーザ光は、選択透過装置64により選択的に透過される。このようにして選択された波長帯域のレーザ光は、第2の集光レンズ65により集光され、第2の回折格子66を透過することにより角度分散がキャンセルされて一つの光軸に同軸化される。これにより、複数の波長帯域のレーザ光のうち、所定の波長帯域のレーザ光を選択して標本Aに照射することができる。
また、選択透過装置64により所望の波長帯域のレーザ光を選択的に透過させることで、反射ミラーにより波長帯域を選択する場合に比べて、反射ミラーへの埃等の付着や散乱による光量のロスや波長選択精度の低下を防止することができ、強度の高いレーザ光を標本Aに照射することができる。
[変形例]
以下に、本実施形態の変形例に係るレーザ走査型顕微鏡5について説明する。
本変形例に係るレーザ走査型顕微鏡5は、図13に示すように、前述のレーザ走査型顕微鏡4(図12参照)の選択透過装置64に代えて、第1の集光レンズ63の集光位置に、複数の微小変調素子がレーザ光の分散方向に配列された空間液晶変調素子69が設けられている。
ここでは、実際に使用する照明波長域を500〜1000nmとし、バンドパスフィルタ13により上記の波長を抽出する。
空間液晶変調素子69は、各ピクセルを通過する光の遮断、透過の選択、光量調整、屈折率の調整ができるようになっている。なお、空間液晶変調素子69により調光を行うので、ミラー14後段の調光器15(図12参照)は本変形例では不要となる。
空間液晶変調素子69の制御により、任意の波長幅および中心波長のレーザ光を、複数選択できる。なお、複数の波長を選択した時は、選択波長の平均の中心波長が最大の回折効率を示す回転角に回折格子62,66の回転角を制御する。
700〜1000nmの範囲は多光子励起に使用できる波長であるが、PCF12およびその他光学系の群速度分散により、対物出射でパルス幅が時間的に広がってしまい、多光子励起観察に使用できなくなる。この現象は、波長選択装置60による選択波長幅が広くなればなるほど、群速度分散の影響を大きく受ける。
そこで、本変形例では、この対策として、空間液晶変調素子69の各波長に対応するピクセルの屈折率を変えて、位相を制御することにより、選択された波長帯域のレーザ光に対して、標本A面におけるレーザ光のパルス幅が最小になるように、標本Aまでの群速度分散をキャンセルするチャープを与える。
本変形例に係るレーザ走査型顕微鏡5によれば、空間液晶変調素子69により波長幅、中心波長を選択できるので、波長の切り換え、設定を高速に行うことができる。これにより、例えば、XYガルバノスキャナ22のXライン毎に波長を切り換えて画像取得することができる。
また、複数の波長のレーザ光を同時選択した場合にも、それぞれの波長のレーザ光の強度を独立に調整することができる。
また、多光子励起観察用の波長のレーザ光を選択した場合にも、空間液晶変調素子69の屈折率を制御することで、群速度分散による対物出射でのパルス幅の広がりを小さくでき、明るくダメージの少ない多光子励起観察が可能となる。
また、空間液晶変調素子69により標本Aまでの群速度分散をキャンセルするチャープを与えることで、選択された波長帯域のレーザ光の標本までの群速度分散をキャンセルすることができ、2光子励起での標本面でのパルスの伸びを防止することができる
以上、本発明の各実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、本発明を上記の各実施形態および各変形例に適用したものに限定されることなく、これらの実施形態および変形例を適宜組み合わせた実施形態に適用してもよく、特に限定されるものではない。
例えば、図8に示すミラーを回転させてVPH回折格子への入射角を変更させる方式において、波長選択手段を、図11および図13に示す透過波長を選択する方式に置き換えてもよい。この場合には、図11および図13の第1のVPH回折格子62の前段と第2の回折格子66の後段に、選択透過装置64を挟んで対称となるように、図8のミラー47およびミラー47を回転させるガルバノメータ41をそれぞれ設ける。
また、各実施形態において、超短パルスレーザ光をPCF12に入射させ、自己位相変調によりスペクトル拡散させることで白色レーザ光を生成することとしたが、この方法に限定されない。例えば、可視領域から近赤外領域の波長帯域を同時発振するような白色レーザを用いても良い。
A 標本
1,2,3,4,5 レーザ走査型顕微鏡
10 光源装置(白色レーザ光射出手段)
11 超短パルスレーザ光源
12 PCF(微細構造光学要素)
20 照射光学系
22 XYガルバノスキャナ(走査手段)
30 検出光学系
36 光検出部
40 波長選択装置(波長選択手段)
41 ガルバノメータ(入射角度変更手段)
42 回折格子(光学分散手段)
43 集光レンズ
44 選択反射装置(選択反射手段)
46 DMD(微小ミラーアレイ)
50 制御ユニット
60 波長選択装置(波長選択手段)
61 ガルバノメータ(入射角度変更手段)
62 第1の回折格子(光学分散手段)
63 第1の集光レンズ
64 選択透過装置(選択透過手段)
65 第2の集光レンズ
66 第2の回折格子
67 ガルバノメータ
69 空間液晶変調素子

Claims (21)

  1. 白色レーザ光を射出する白色レーザ光射出手段と、
    該白色レーザ光射出手段から射出された白色レーザ光を分散させる機能と分散されたレーザ光の角度分散をキャンセルする機能を持ち、少なくとも1つの透過型のVolume Phase Holographic(VPH)回折格子を有する光学分散手段と、
    該VPH回折格子により分散された前記白色レーザ光の複数の波長帯域のうち所定の波長帯域のレーザ光を選択する波長選択手段と、
    該波長選択手段により波長選択され、前記VPH回折格子により角度分散がキャンセルされたレーザ光を標本に照射する照射光学系とを備えるレーザ顕微鏡用照明装置。
  2. 前記光学分散手段が、前記白色レーザ光射出手段から射出された白色レーザ光を複数の波長帯域に分散させ、前記分散されたレーザ光の角度分散をキャンセルする1つのVPH回折格子を有し、
    前記波長選択手段が、
    前記VPH回折格子により分散された各波長帯域のレーザ光を集光する集光レンズと、
    該集光レンズにより集光された各波長帯域のレーザ光を選択的に反射する選択反射手段とを備える請求項1に記載のレーザ顕微鏡用照明装置。
  3. 前記選択反射手段が、
    前記VPH回折格子により分散され、前記集光レンズにより集光された各波長帯域のレーザ光の一部を同じVPH回折格子に向けて反射する反射部材と、
    該反射部材を前記VPH回折格子による白色レーザ光の分散方向に動作させる駆動部とを備える請求項2に記載のレーザ顕微鏡用照明装置。
  4. 前記反射部材の反射面が三角形に形成され、
    前記駆動部が、前記反射部材を前記VPH回折格子による白色レーザ光の分散方向に直交する方向に動作させる請求項3に記載のレーザ顕微鏡用照明装置。
  5. 前記選択反射手段が、前記VPH回折格子により分散された複数の波長帯域のレーザ光を反射する微小素子が白色レーザ光の分散方向に複数配列された微小素子アレイであり、該微小素子毎に角度を制御可能である請求項2に記載のレーザ顕微鏡用照明装置。
  6. 前記VPH回折格子が、前記集光レンズの瞳位置に配置されている請求項2から5のいずれかに記載のレーザ顕微鏡用照明装置。
  7. 前記光学分散手段が、
    前記白色レーザ光射出手段から射出された白色レーザ光を複数の波長帯域に分散させる第1のVPH回折格子と、
    該第1のVPH回折格子により複数の波長帯域に分散されたレーザ光の角度分散をキャンセルする第2のVPH回折格子とを備え、
    前記波長選択手段が、
    前記第1のVPH回折格子と前記第2のVPH回折格子との間に配置され、
    前記第1のVPH回折格子により複数の波長帯域に分散されたレーザ光を集光する第1の集光レンズと、
    該第1の集光レンズにより集光された各波長帯域のレーザ光を選択的に透過させる選択透過手段と、
    該選択透過手段により選択された波長帯域のレーザ光を平行光にする第2の集光レンズとを備える請求項1に記載のレーザ顕微鏡用照明装置。
  8. 前記選択透過手段が、
    前記第1のVPH回折格子により分散され、前記第1の集光レンズにより集光された各波長帯域のレーザ光の一部を遮蔽する遮蔽部材と、
    該遮蔽部材を前記第1のVPH回折格子による白色レーザ光の分散方向に動作させる駆動部とを備える請求項7に記載のレーザ顕微鏡用照明装置。
  9. 前記遮蔽部材の遮蔽面が三角形に形成され、
    前記駆動部が、前記遮蔽部材を前記第1のVPH回折格子による白色レーザ光の分散方向に直交する方向に動作させる請求項8に記載のレーザ顕微鏡用照明装置。
  10. 前記選択透過手段が、白色レーザ光の分散方向の幅及び位置を調節可能な少なくとも一つの絞りを有する請求項7に記載のレーザ顕微鏡用照明装置。
  11. 前記選択透過手段が、スペクトル毎に、照射の有無および光量を制御可能な空間液晶変調素子である請求項7に記載のレーザ顕微鏡用照明装置。
  12. 前記白色レーザ光がパルスレーザ光であり、さらに前記空間液晶変調素子が屈折率の制御が可能であり、
    前記空間液晶変調素子が、選択された波長帯域のレーザ光に対して、標本面におけるレーザ光のパルス幅が最小になるように、標本までの群速度分散をキャンセルするチャープを与える請求項11に記載のレーザ顕微鏡用照明装置。
  13. 前記第1のVPH回折格子は前記第1の集光レンズの瞳位置にあり、前記第2のVPH回折格子は前記第2の集光レンズの瞳位置に配置されている請求項7から12のいずれかに記載のレーザ顕微鏡用照明装置。
  14. 前記白色レーザ光出射手段が、
    パルスレーザ光を射出するパルスレーザ光源と、
    該パルスレーザ光源からのパルスレーザ光をスペクトル拡散させる微細構造光学要素とから構成される請求項1に記載のレーザ顕微鏡用照明装置。
  15. 前記白色レーザ光射出手段から射出された白色レーザ光の前記VPH回折格子への入射角を、各波長帯域毎に変化させる入射角度変更手段を備える請求項1から請求項14のいずれかに記載のレーザ顕微鏡用照明装置。
  16. 前記入射角度変更手段が、選択された波長帯域の中心波長でブラッグの反射条件を満たすように、前記VPH回折格子への入射角を変化させる請求項15に記載のレーザ顕微鏡用照明装置。
  17. 前記入射角度変更手段が、複数の波長帯域の中心波長のうち最も短い波長と最も長い波長との中間の波長でブラッグの反射条件を満たすように、前記VPH回折格子への入射角を制御する請求項15に記載のレーザ顕微鏡用照明装置。
  18. 前記入射角度変更手段が、前記VPH回折格子による白色レーザ光の分散方向に直交する軸線回りに前記VPH回折格子を回転させる回転駆動部である請求項15に記載のレーザ顕微鏡用照明装置。
  19. 前記入射角度変更手段が、
    前記VPH回折格子に向けて白色レーザ光を反射するミラーと、
    該ミラーを前記VPH回折格子による白色レーザ光の分散方向に直交する軸線回りに回転させる回転駆動部とを備える請求項15に記載のレーザ顕微鏡用照明装置。
  20. 前記波長選択手段により選択された波長帯域のレーザ光を標本上で走査する走査手段を備え、
    前記波長選択手段が、前記走査手段に同期させて、複数の波長帯域のレーザ光を切り替える請求項1から請求項19のいずれかに記載のレーザ顕微鏡用照明装置。
  21. 請求項1に記載のレーザ顕微鏡用照明装置と、
    前記標本からの光を集める集光光学系と、
    該集光光学系により集められた前記標本からの光を検出する光検出部とを備えるレーザ顕微鏡。
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