JP2012037623A - 光定着用トナー、静電荷像現像用現像剤、光定着用トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成方法、及び画像形成装置 - Google Patents

光定着用トナー、静電荷像現像用現像剤、光定着用トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成方法、及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】下記範囲の粒径を有するシリカ粒子と、下記範囲の粒径を有する樹脂粒子と、帯電制御剤とを、下記範囲の量比で含まない場合に比べ、印字率による定着性の変動を抑制する光定着用トナーを提供する。
【解決手段】結着樹脂、着色剤、赤外光吸収剤、及び、帯電制御剤を含有するトナー粒子と、体積平均粒径が50nm以上300nm以下の球状シリカ粒子及び体積平均粒径が50nm以上300nm以下の球状樹脂粒子を有する外添剤と、を含み、前記球状シリカ粒子の体積平均粒径をDs、前記球状樹脂粒子の体積平均粒径をDpとしたとき、0.6≦Dp/Ds≦3.5の関係を有し、かつ、前記帯電制御剤の含有量をwc、前記球状シリカ粒子の含有量をwsとしたとき、前記wcが0.05質量%以上0.90質量%以下であり、かつ、0.3≦ws/wc≦5.0の関係を有する光定着用トナーである。
【選択図】なし

Description

本発明は、光定着用トナー、静電荷像現像用現像剤、光定着用トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成方法、及び画像形成装置に関する。
複写機、プリンター、印刷機などで広く普及している電子写真方式において、記録紙などの記録媒体に静電的に転写した後のトナー像の定着方法として、光エネルギーを利用した光定着法(フラッシュ定着法とも呼ばれる)がある。
光定着法に用いられるトナーとして、トナー粒子に外添剤を外添したトナーが開示されている。例えば、外添剤のトナー粒子への外添状態を維持するために、粒径が大小異なる外添剤を用いることが提案されている。例えば、特許文献1には、外添剤として、体積平均粒径が0.01μm以上1μm以下であり、かつ、ワーデルの実用球形度が0.90以上1.00以下である樹脂粒子と、該樹脂粒子よりも体積平均粒径の小さい無機粒子を用いるトナーが開示されている。
また、例えば、特許文献2には、形状係数が特定の範囲にあり、一次個数平均粒径が50nm以下の無機粒子と、一次個数平均粒径が50nm以上1000nm以下であり、表面積形状球形度ψが0.91以上1.00以下である真球状粒子が外添されているトナーを用いた画像形成方法が開示されている。
さらに、例えば、特許文献3には、負帯電性の帯電制御剤を含有する負帯電性トナーであって、体積平均粒径が0.08μm以上0.5μm以下であり、かつ球形度が1以上1.3以下であるシリカ粒子を外添剤として含有する負帯電性トナーが開示されている。
特開平5−313416号公報 特開平9−288373号公報 特開2006−25122号公報
本発明の課題は、下記範囲の粒径を有するシリカ粒子と、下記範囲の粒径を有する樹脂粒子と、帯電制御剤とを、下記範囲の量比で含まない場合に比べ、印字率による定着性の変動を抑制する光定着用トナーを提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
結着樹脂、着色剤、赤外光吸収剤、及び、帯電制御剤を含有するトナー粒子と、
体積平均粒径が50nm以上300nm以下の球状シリカ粒子及び体積平均粒径が50nm以上300nm以下の球状樹脂粒子を有する外添剤と、
を含み、
前記球状シリカ粒子の体積平均粒径をDs、前記球状樹脂粒子の体積平均粒径をDpとしたとき、0.6≦Dp/Ds≦3.5の関係を有し、かつ、
前記帯電制御剤の含有量をwc、前記球状シリカ粒子の含有量をwsとしたとき、前記wcが0.05質量%以上0.90質量%以下であり、かつ、0.3≦ws/wc≦5.0の関係を有する光定着用トナーである。
請求項2に係る発明は、
前記トナー粒子に、前記帯電制御剤として4級アンモニウム塩を含有する請求項1に記載の光定着用トナーである。
請求項3に係る発明は、
前記球状樹脂粒子の含有量をwp、前記球状シリカ粒子の含有量をwsとしたとき、0.5≦ws/wp≦5.0の関係を有する請求項1または請求項2に記載の光定着用トナーである。
請求項4に係る発明は、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の光定着用トナーと、
キャリアと、
を含む静電荷像現像用現像剤である。
請求項5に係る発明は、
前記キャリアが、芯材と、前記芯材表面上に、導電材料及び架橋性樹脂を含有する被覆樹脂層と、を有する請求項4に記載の静電荷像現像用現像剤である。
請求項6に係る発明は、
記録媒体のトナー像に光を照射して定着する光定着手段を備えた画像形成装置に脱着され、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の光定着用トナーを収納した光定着用トナーカートリッジである。
請求項7に係る発明は、
記録媒体のトナー像に光を照射して定着する光定着手段を備えた画像形成装置に脱着され、請求項4または請求項5に記載の静電荷現像用現像剤を収納すると共に、静電潜像保持体の表面に形成された静電潜像を該現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段を備えるプロセスカートリッジである。
請求項8に係る発明は、
静電潜像保持体と、
前記静電潜像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
前記静電潜像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
請求項4または請求項5に記載の静電荷現像用現像剤により該静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記記録媒体のトナー像に光を照射して該トナー像を定着する光定着手段と、
を備える画像形成装置である。
請求項9に係る発明は、
前記光定着手段が、前記トナー像を1000mm/sec以上のプロセス速度で定着するものである請求項8に記載の画像形成装置である。
請求項10に係る発明は、
静電潜像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記静電潜像保持体の表面に静電荷像を形成する静電潜像形成工程と、
請求項4または請求項5に記載の静電荷現像用現像剤により該静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、
前記トナー像を記録媒体に転写する転写工程と、
前記記録媒体のトナー像に光を照射して該トナー像を定着する光定着工程と、
を有する画像形成方法である。
請求項1に係る発明によれば、上記範囲の粒径を有するシリカ粒子と、上記範囲の粒径を有する樹脂粒子と、帯電制御剤とを上記範囲の量比で含まない場合に比べ、印字率による定着性の変動を抑制する。
請求項2に係る発明によれば、トナー粒子に、帯電制御剤として4級アンモニウム塩を含まない場合に比べ、印字率による定着性の変動を抑制する。
請求項3に係る発明によれば、球状樹脂粒子の含有量wpと球状シリカ粒子の含有量wsとが、0.5≦ws/wp≦5.0の関係を有さない場合に比べ、印字率による定着性の変動を抑制する。
請求項4に係る発明によれば、上記範囲の粒径を有するシリカ粒子と、上記範囲の粒径を有する樹脂粒子と、帯電制御剤とを上記範囲の量比で含まない場合に比べ、印字率による定着性の変動を抑制する。
請求項5に係る発明によれば、キャリアが、芯材と、前記芯材表面上に、導電材料及び架橋性樹脂を含有する被覆樹脂層を有しない場合に比べ、印字率による定着性の変動を抑制する。
請求項6に係る発明によれば、上記範囲の粒径を有するシリカ粒子と、上記範囲の粒径を有する樹脂粒子と、帯電制御剤とを、上記範囲の量比で含む光定着用トナーを用いない場合に比べ、印字率による定着性の変動を抑制する。
請求項7に係る発明によれば、上記範囲の粒径を有するシリカ粒子と、上記範囲の粒径を有する樹脂粒子と、帯電制御剤とを、上記範囲の量比で含む光定着用トナーを用いない場合に比べ、印字率による定着性の変動を抑制する。
請求項8に係る発明によれば、上記範囲の粒径を有するシリカ粒子と、上記範囲の粒径を有する樹脂粒子と、帯電制御剤とを、上記範囲の量比で含む光定着用トナーを用いない場合に比べ、印字率による定着性の変動を抑制する。
請求項9に係る発明によれば、トナー像を1000mm/sec以上のプロセス速度で定着する場合においても、上記範囲の粒径を有するシリカ粒子と、上記範囲の粒径を有する樹脂粒子と、帯電制御剤とを、上記範囲の量比で含む光定着用トナーを用いない場合に比べ、印字率による定着性の変動を抑制する。
請求項10に係る発明によれば、上記範囲の粒径を有するシリカ粒子と、上記範囲の粒径を有する樹脂粒子と、帯電制御剤とを、上記範囲の量比で含む光定着用トナーを用いない場合に比べ、印字率による定着性の変動を抑制する。
本実施形態に係る画像形成装置の一例について示す概略構成図である。 他の実施形態に係る画像形成装置の一例について示す概略構成図である。 本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
以下、本発明を実施形態により詳細に説明する。
<光定着用トナー>
本実施形態の光定着用トナー(以下、単に「トナー」という場合がある)は、トナー粒子と、外添剤と、を含んで構成される。
トナー粒子は、少なくとも、結着樹脂、着色剤、帯電制御剤、及び、赤外光吸収剤を含有する。
外添剤は、体積平均粒径が50nm以上300nm以下の球状シリカ粒子及び体積平均粒径が50nm以上300nm以下の球状樹脂粒子を有する。球状シリカ粒子と球状樹脂粒子とは、球状シリカ粒子の体積平均粒径をDs、球状樹脂粒子の体積平均粒径をDpとしたとき、0.6≦Dp/Ds≦3.5の関係を有する。
さらに、帯電制御剤の含有量は、トナー全質量に対して、0.05質量%以上0.90質量%以下であり、帯電制御剤の含有量をwc、球状シリカ粒子の含有量をwsとしたとき、0.3≦ws/wc≦5.0の関係を有する。
本実施形態に係るトナーは、上記構成であることで、印字率による定着性の変動を抑制する。
本実施形態に係るトナーがかかる効果を奏する理由は定かではないが、次の理由によるものと推測される。
トナー粒子に流動性を与えるためにトナー粒子に外添される外添剤は、安定な流動性をもたらすために、トナー粒子への外添構造が変わらないことが望ましい。しかし、トナーが現像器内での攪拌などにより受ける負荷により、外添剤がトナー粒子に埋没したり、外添位置が変わり偏在するなどして外添構造が変わることがある。
例えば、外添剤に機械的負荷がかかったとき、外添剤として、球状シリカ粒子のみを用いた場合には、トナー粒子に埋没することがあり、外添剤として、球状樹脂粒子のみを用いたときは、潰れてトナー粒子に固着することがある。
また、機械的負荷がかかっていない時には、球状樹脂粒子は、球状シリカ粒子に比べ、トナー粒子から脱離し易いため、記録媒体上にトナー像が転写された後、球状樹脂粒子が静電潜像保持体に残存することがある。
ここで、記録媒体上のトナー像に光を照射して定着する光定着方式を用いた画像形成においては、トナー(トナー粒子及び外添剤)が光の照射を受けることによって、トナーを構成するトナー粒子中の赤外線吸収剤が、光照射により熱を発生し、結着樹脂を溶融して、記録媒体にトナー粒子が定着する。
つまり、トナー粒子に外添剤が埋没したり、固着していると、外添剤が埋没している部分や外添剤が固着している部分の結着樹脂が溶融しないことがあると考えられる。すなわち、定着性を損なうと考えられる。
また、記録媒体上のトナー像が、記録媒体上に上下に重なるトナーで構成されている場合には、光が直接照射されないトナーもあるが、この場合は、光が照射されて熱を発生したトナー粒子の下側にあるトナー粒子に熱が伝達して結着樹脂が溶融すると考えられる。従って、トナー粒子同士が近いほど熱を伝達し易いと考えられる。そのため、トナー粒子とトナー粒子との隙間が小さい場合にはトナー像は記録媒体に定着し易いと考えられる。
外添剤として球状シリカ粒子のみを用いていると、球状シリカ粒子は転がり易いことから、球状シリカ粒子が機械的負荷を受けていない場合は、トナー粒子の凹部に移動してトナー粒子間の隙間が少なくなり、熱を伝達し易くなる。そのため定着性を損ない難いと考えられる。
球状シリカ粒子が機械的負荷を受けるとトナー粒子に埋没し、トナー粒子間の隙間が少なくなり、熱を伝達し易くなるものの、埋没した球状シリカ粒子により、結着樹脂が溶融しにくくなるため、定着性を損なうと考えられる。
つまり、外添剤のトナー粒子への埋没や付着により、熱の伝達の程度が異なり、定着性が変動すると考えられる。
特に、印字率の低い印刷が連続したときに、外添剤は機械的負荷を受け易くなると考えられる。
これは、印字率の低い印刷が連続すると、現像器内のトナーの入れ替えが少ないために、トナーを構成するトナー粒子及び外添剤が、攪拌による機械的負荷を受けるためと考えられる。
一方、印字率が高い場合には、トナーの入れ替わりが早いために、トナー粒子及び外添剤は機械的負荷を受けにくいと考えられる。従って、外添剤は、トナー粒子に埋没しにくく、固着しにくいと考えられる。
そのため、印字率が低い場合と、印字率が高い場合と、において、特に、トナー像の定着性能が変動し易いと考えられる。
これに対して、外添剤として、球状シリカ粒子と球状樹脂粒子との少なくとも2種を用いると、外添剤が機械的負荷を受けても、球状シリカ粒子と球状樹脂粒子とが、機械的負荷を互いに吸収し合うと考えられる。つまり、球状樹脂粒子が機械的負荷を吸収することで、球状シリカ粒子のトナー粒子への埋没を抑制し、球状シリカ粒子の存在により、球状樹脂粒子はトナー粒子に固着しにくくなると考えられる。
そのため、仮に、球状シリカ粒子がトナー粒子に埋まり込むとしても、外添剤として球状シリカ粒子のみを用いる場合に比べ、埋まり込みが浅くなり、球状シリカ粒子とトナー粒子との接触面積は小さくなると考えられる。また、球状樹脂粒子がトナー粒子に固着するとしても、外添剤として球状樹脂粒子のみを用いる場合に比べ、球状樹脂粒子の変形は小さくなり、球状樹脂粒子とトナー粒子との接触面積が小さくなると考えられる。
従って、外添剤が機械的負荷を受けていても、トナー粒子への外添剤の埋没と固着が抑制され、光照射によるトナー粒子の赤外線吸収を低下し難いと考えられる。
また、球状シリカ粒子が、球状樹脂粒子と静電潜像保持体との付着力を弱め、静電潜像保持体に球状樹脂粒子が残存し難くなると考えられる。
さらに、トナー粒子中に既述の量の帯電制御剤を含有することで、帯電制御剤がトナー粒子表面に露出し易くなり、球状シリカ粒子を静電的な引力作用を及ぼすと考えられる。すなわち、球状シリカ粒子を転がりにくくし得る。
そのため、球状シリカ粒子が機械的負荷を受けていなくても、トナー粒子表面に球形シリカ粒子が静電的に付着し、トナー粒子間に隙間を作り易いと考えられる。
従って、外添剤が機械的負荷を受けていても、受けていなくても、外添剤は、トナー粒子の表面に外添された状態を保ち、外添構造が変動し難いと考えられる。
すなわち、印字率の高低に関わらず、外添構造が変動し難くいため、トナー粒子間の熱伝導性が変動せず、定着性が保たれると考えられる。
以上のことから、本実施形態に係るトナーは、印字率による定着性の変動を抑制すると考えられる。
また、トナー像の定着が、高速(例えば、1000mm/sec以上)のプロセス速度で行なわれる場合には、1000mm/sec未満の低速の定着に比べ、トナー同士のぶつかり頻度が高く、トナーに与えられる機械的負荷も大きいと考えられる。しかしながら、本実施形態に係るトナーによれば、既述のように、機械的負荷を球状シリカ粒子と球状樹脂粒子とが弱めあうことから、プロセス速度が高速であっても印字率による定着性の変動を抑制し得ると考えられる。
なお、印字率とは、記録媒体表面に定着する単位面積あたりのトナー量(但し、全面ベタ画像を定着する場合の単位面積あたりのトナー量を100とする)をいい、具体的には、出力画像の画像密度〔%〕により判断する。画像密度は、出力画像をデジタルデータに置き換えたときに全体に占める画像部分の面積の割合として各色ごとに算出する。印字率が高いとは、単色で画像密度が30%以上であることをいい、印字率が低いとは、単色で画像密度が1%未満であることをいう。
以下、本実施形態の光定着用トナーの詳細について説明する。
〔外添剤〕
(球状シリカ粒子)
本実施形態に係る光定着用トナーは、体積平均粒径が50nm以上300nm以下の球状シリカ粒子を有する。
ここで、「球状」とは、下記式(1)で表されるWadellの球形化度(以下、単に「球形化度」とも称する)が0.6以上であるものいう。後述する球状樹脂粒子においても同様である。球状シリカ粒子および球状樹脂粒子の球形化度は、共に、0.8以上であることが望ましい。
(球形化度)
=(粒子と同じ体積を有する球の表面積)/(粒子の表面積) 式(1)
なお、粒子の表面積は、ベックマン・コールター社製の粉体比表面積測定装置SA3100型を用い、BET比表面積より求め得る。
球状シリカ粒子の体積平均粒径は、60nm以上250nm以下が望ましく、80nm以上200nm以下がより望ましい。
球状シリカ粒子の体積平均粒径が50nmより小さい場合には、球状シリカ粒子と、トナー及び静電潜像保持体との付着力を制御しにくい。球状シリカ粒子の体積平均粒径が300nmより大きい場合には、球状シリカ粒子とトナーとの付着性が弱まって、球状シリカ粒子がトナーから脱離しやすくなり、外添構造を維持しにくくなる。
球状シリカ粒子の体積平均粒径は、さらに、球状シリカ粒子の体積平均粒径をDs、後述する球状樹脂粒子の体積平均粒径をDpとしたとき、0.6≦Dp/Ds≦3.5の関係を有する。
Dp/Dsが0.6より小さい場合には、球状樹脂粒子による球状シリカ粒子のトナー粒子への埋没の抑制作用を損ないやい。Dp/Dsが3.5より大きい場合には、記録媒体へのトナー像の転写の際に、球状樹脂粒子が静電潜像保持表面に残りやすくなる。そのため、球状樹脂粒子が機械的負荷を受けている場合と、受けていない場合とでトナー粒子表面の球状樹脂粒子の量が変化しやすくなり、定着が変動し易い。
Dp/Dsは、0.7≦Dp/Ds≦3.0であることが望ましく、0.8≦Dp/Ds≦2.5であることがより望ましい。
なお、球状シリカ粒子の体積平均粒径は、例えば、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA−910)を用いて測定され、50%径(D50v)として得られる。後述する球状樹脂粒子の体積平均粒径も同様にして測定される。
球状シリカ粒子は、上記体積平均粒径を有するものであれば、種類や製法は制限されないが、球状とする形状制御および体積平均粒径の制御の観点から、湿式法であるゾルゲル法により得ることが望ましい。
例えば、球状シリカ粒子の体積平均粒径は、ゾルゲル法に用いる成分、例えば、アルコキシシラン、アンモニア、アルコール、水等の量比や、反応温度、攪拌速度、供給速度の条件設定により制御される。
具体的には、テトラメトキシシランを水、アルコールの存在下、アンモニア水を触媒として温度をかけながら滴下、攪拌を行う。次に、反応により得られたシリカゾル懸濁液の遠心分離を行い、湿潤シリカゲルとアルコールとアンモニア水に分離する。湿潤シリカゲルに溶剤を加え再度シリカゾルの状態にし、シリカゾルから溶媒を除去し、粒子を乾燥し、篩い分けすることにより、球状シリカ粒子を製造し得る。
球状シリカ粒子は疎水化処理を行なってもよい。疎水化球状シリカ粒子を得るには、既述の方法によりシリカゾルを得た後、シリカゾルから溶媒を除去する前に、シリカゾルに、疎水化処理剤を加え、シリカ粒子表面の疎水化処理を行えばよい。
シリカ粒子表面の疎水化処理方法としては、シランカップリング剤処理又はシリコーンオイル処理等が挙げられる。
シランカップリング剤又はシリコーンオイル処理によるシリカ粒子表面の疎水化処理方法は、処理ができれば特に限定されない。シランカップリング剤処理又はシリコーンオイル処理によりシリカ粒子表面を疎水化処理した後、ボールミル、ヘンシェルミキサー等を用いて解砕処理を行ってもよい。
疎水化処理後、疎水化処理されたシリカゾルから溶媒を除去し、粒子を乾燥し、篩い分けすることにより、疎水化球状シリカ粒子を製造し得る。
球状シリカ粒子の製造方法は、上記製造方法に限定されるものではない。
シランカップリング剤としては、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、N,O−(ビストリメチルシリル)アセトアミド、N,N−ビス(トリメチルシリル)ウレア、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ −グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシランを代表的なものとして例示される。
シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、環状ジメチルシリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、メチルスチリル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等を用いることができる。
本実施形態における疎水化処理剤は、粉体流動性、トナー母粒子との付着性制御の観点からヘキサメチルジシラザン(HMDS)を用いることが特に好ましい。
本実施形態におけるトナーにおいて、球状シリカ粒子の含有量は、トナー粒子全質量に対し、0.05質量%以上2.0質量%以下であることが望ましく、0.08質量%以上1.6質量%以下がより望ましく、0.1質量%以上1.2質量%以下がさらに望ましい。
球状シリカ粒子の含有量が0.05質量%以上であることでトナー及び静電潜像保持体の付着力を制御し易く、2.0質量%以下であることで、トナー像に光を照射して光定着を行なう場合に、トナー粒子間の隙間が大きくなりにくいため、熱伝達性を損ないにくく、定着性能の悪化を抑制し得る。
(球状樹脂粒子)
本実施形態に係る光定着用トナーは、体積平均粒径が50nm以上300nm以下の球状樹脂粒子を有する。
球状樹脂粒子の体積平均粒径は、60nm以上250nm以下が望ましく、80nm以上200nm以下がより望ましい。
球状樹脂粒子の体積平均粒径が50nmより小さい場合には、球状シリカ粒子の、トナー粒子への埋没を抑制しにくい。球状樹脂粒子の体積平均粒径が300nmより大きい場合には、球状樹脂粒子とトナー粒子との付着性が弱まって、球状樹脂粒子がトナーから脱離しやすくなり、外添構造を維持しにくくなる。
球状樹脂粒子と球状シリカ粒子との体積平均粒径の関係(Dp/Ds)は上述のとおりである。
球状樹脂粒子は、形状が球状(球形化度が0.6以上)であり、体積平均粒径が既述の範囲のものであれば、種類や製法は制限されず、公知の製法で得られた公知の樹脂を用い得る。例えば、スチレン系重合体、(メタ)アクリル系重合体、エチレン系重合体などのビニル系重合体や、エステル系、メラミン系、アミド系、アリルフタレート系などの各種重合体、フッ化ビニリデンなどのフッ素系重合体等が挙げられ、特にトナーとの付着性の観点から
、スチレン系重合体、アクリル系重合体が好ましく用いられる。
スチレン系重合体を合成し得るスチレン系モノマーとしては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、ヘプチルスチレン及びオクチルスチレンなどのアルキルスチレン;フロロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン及びヨードスチレンなどのハロゲン化スチレン;さらに、ニトロスチレン、アセチルスチレン、メトキシスチレンが挙げられる。
また、アクリル系重合体を合成し得るアクリル系モノマーとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル及び(メタ)アクリル酸ラウリルなどの(メタ)アクリル酸アルキル;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシメチル及び(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル;トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート及びトリメチロールエタンモノ(メタ)アクリレートなどの多価アルコールの(メタ)アクリル酸モノエステル;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどのポリアルキレングリコールの(メタ)アクリレート;ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミドならびにグリシジル(メタ)アクリレートが挙げられる。
球状樹脂粒子の含有量は、球状樹脂粒子の含有量をwp、前記球状シリカ粒子の含有量をwsとしたとき、0.5≦ws/wp≦5.0の関係を有することが望ましい。
ws/wpが0.5以上であることで、球状樹脂粒子のトナー固着を抑制することができ、ws/wpが5.0以下であることで、球状シリカ粒子の埋没を抑制することができる。
ws/wpは、0.6≦ws/wp≦4.5であることがより望ましく、0.8≦ws/wp≦4.0であることがさらに望ましい。
外添剤として、上記の球状シリカ粒子および球状樹脂粒子以外の公知の有機粒子または無機粒子を併用してもよい。
無機粒子としては、例えばアルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化硅素、窒化硅素などが挙げられる。また球状シリカ以外に不定形のシリカを併用してもよい。
有機粒子としては、上記球状樹脂粒子以外に例えばステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、高級アルコールからなる有機粒子などが挙げられる。
〔トナー粒子〕
トナー粒子は、帯電制御剤、赤外光吸収剤、結着樹脂、及び、着色剤を含有する。
(帯電制御剤)
帯電制御剤は、トナー粒子に対して、0.05質量%以上0.90質量%以下の範囲でトナー粒子中に含有され、かつ、帯電制御剤の含有量をwc、球状シリカ粒子の含有量をwsとしたとき、0.3≦ws/wc≦5.0の関係を有する。
帯電制御剤の含有量を上記範囲とし、さらに、帯電制御剤の含有量wcと、球状シリカ粒子の含有量wsとの関係を上記関係とすることで、トナー粒子と球状シリカ粒子との静電的付着力を調整して、球状シリカ粒子を転がりにくくすると考えられる。
具体的には、帯電制御剤の含有量をトナー粒子に対して、0.05質量%未満であると、トナー粒子表面に帯電制御剤が露出しにくく、球状シリカ粒子の静電的付着性が損なわれる。0.90質量%を超えると、帯電制御剤の露出部に球状シリカが偏在し易くなる。
また、ws/wcが0.3より小さい場合には、球状シリカ粒子が、トナー粒子表面に露出した帯電制御剤の露出部に偏在し易くなり、球状シリカ粒子が機械的負荷を受けた場合に、トナー粒子間に隙間を作り難い。ws/wcが5.0より大きい場合にはシリカ粒子の転がりを抑えにくいため、定着性が変動し易い。
ws/wch、0.4≦ws/wc≦4.5であことが望ましく、0.5≦ws/wc≦4.0であることがさらに望ましい。
帯電制御剤の種類は特に制限されず、例えば、正帯電性の帯電制御剤として、ニグロシン染料、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の四級アンモニウム塩、およびこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩、およびこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料;高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート等のジオルガノスズボレート類;グアニジン化合物、イミダゾール化合物、アミノアクリル系樹脂等が挙げられる。
また、負帯電性の帯電制御剤としては、例えば、トリメチルエタン系染料、サリチル酸の金属錯塩、ベンジル酸の金属錯塩、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、金属錯塩アゾ系染料、アゾクロムコンプレックス等の重金属含有酸性染料、カリックスアレン型のフェノール系縮合物、環状ポリサッカライド、カルボキシル基及び/またはスルホニル基を含有する樹脂等が挙げられる。
帯電制御剤は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
中でも、球状シリカ粒子の転がり制御の観点から、4級アンモニウム塩を用いることが望ましい。
(結着樹脂)
結着樹脂としては特に限定されず、各種の天然または合成高分子物質よりなる熱可塑性樹脂を用いることができるが、代表的には重量平均分子量5,000以上10万以下程度、のエポキシ樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリブタジエン樹脂などが単独または混合して用いられる。特に、フラッシュ照射時の樹脂分解によるガス発生が少ない点で、ポリエステル樹脂が好適である。ポリエステル樹脂は、カルボン酸成分とアルコール成分との縮重合により得られるものであり、具体的には、2価または3価以上のカルボン酸と、2価または3価以上のアルコールとが用いられる。
前記2価カルボン酸としては、具体的には、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、マロン酸、セバチン酸、メサコン酸、ドデセニル(無水)コハク酸等の脂肪族ジカルボン酸或いはこれらの無水物や低級アルキルエステル;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トルエンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸或いはこれらの無水物や低級アルキルエステル;側鎖に炭素数4〜35の炭化水素基を有するアルキル或いはアルケニル(無水)コハク酸[具体的には、ドデセニル(無水)コハク酸、ペンタドデセニル(無水)コハク酸等]またはこれらの無水物や低級アルキルエステルが挙げられる。
また、前記3価以上のカルボン酸類としては、具体的には、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸或いはこれらの酸無水物や低級アルキルエステルが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
一方、前記2価アルコールとして、ジオール類としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の炭素数2〜12のアルキレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のアルキレンエーテルグリコール類、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の炭素数6〜30の脂環式ジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール類並びにビスフェノール類のアルキレンオキサイド2〜8モル付加物等が挙げられる。
また、3価以上のアルコールとして、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の炭素数3〜20の脂肪族多価アルコール、1,3,5−トリヒドロキシルメチルベンゼン等の炭素数6〜20の芳香族多価アルコール並びにこれらのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
(赤外光吸収剤)
赤外光吸収剤としては、公知の赤外光吸収剤を用いることができるが、特に800nm以上1200nm以下の波長域に吸収ピークを有するものが望ましい。例えば、シアニン化合物、メロシアニン化合物、ベンゼンチオール系金属錯体、メルカプトフェノール系金属錯体、芳香族ジアミン系金属錯体、ジイモニウム化合物、アミニウム化合物、ニッケル錯体化合物、フタロシアニン系化合物、アントラキノン系化合物、ナフタロシアニン系化合物等を用いることができる。
具体的な赤外光吸収剤としては、ニッケル金属錯体系赤外光吸収剤(三井化学社製:SIR−130、SIR−132)、ビス(ジチオベンジル)ニッケル(みどり化学社製:MIR−101)、ビス[1,2−ビス(p−メトキシフェニル)−1,2−エチレンジチオレート]ニッケル(みどり化学社製:MIR−102)、テトラ−n−ブチルアンモニウムビス(シス−1,2−ジフェニル−1,2−エチレンジチオレート)ニッケル(みどり化学社製:MIR−1011)、テトラ−n−ブチルアンモニウムビス[1,2−ビス(p−メトキシフェニル)−1,2−エチレンジチオレート]ニッケル(みどり化学社製:MIR−1021)、ビス(4−tert−1,2−ブチル−1,2−ジチオフェノレート)ニッケル−テトラ−n−ブチルアンモニウム(住友精化社製:BBDT−NI)、シアニン系赤外光吸収剤(富士フイルム社製:IRF−106、IRF−107)、シアニン系赤外光吸収剤(山本化成社製、YKR2900)、アミニウム、ジイモニウム系赤外光吸収剤(長瀬ケムテック社製:NIR−AM1、IM1)、イモニウム化合物(日本カーリット社製:CIR−1080、CIR−1081)、アミニウム化合物(日本カーリット社製:CIR−960、CIR−961)、アントラキノン系化合物(日本化薬社製:IR−750)、アミニウム系化合物(日本化薬社製:IRG−002、IRG−003、IRG−003K)、ポリメチン系化合物(日本化薬社製:IR−820B)、ジイモニウム系化合物(日本化薬社製:IRG−022、IRG−023)、ジアニン化合物(日本化薬社製:CY−2、CY−4、CY−9)、可溶性フタロシアニン(日本触媒社製:TX−305A)、ナフタロシアニン(山本化成社製:YKR5010、山陽色素社製:サンプル1)、無機材料系(信越化学社製:イッテルビウムUU−HP、住友金属社製:インジュームチンオキサイド)等が挙げられる。これらの中で、ジイモニウム、アミニウム、ナフタロシアニン、シアニンが良好である。
(着色剤)
着色剤としては、公知の顔料、染料等が用いられる。
具体的には、下記に示すものをトナーの色彩に対応させて選択して用いられる。
例えばシアントナーにおいては、その着色剤として、例えば、C.I.ピグメントブルー1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:6、同16、同17、同23、同60、同65、同73、同83、同180、C.I.バットシアン1、同3、同20等や、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルーの部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBCのシアン顔料、C.I.ソルベントシアン79、162等のシアン染料などが用いられる。
マゼンタトナーにおいては、その着色剤として、例えば、C.I.ピグメントレッド1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同8、同9、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同16、同17、同18、同19、同21、同22、同23、同30、同31、同32、同37、同38、同39、同40、同41、同48、同49、同70、同51、同52、同53、同54、同55、同57、同58、同60、同63、同64、同68、同81、同83、同87、同88、同89、同90、同112、同114、同122、同123、同163、同184、同185、同202、同206、同207、同209、同238等、ピグメントバイオレット19のマゼンタ顔料や、C.I.ソルベントレッド1、同3、同8、同23、同24、同25、同27、同30、同49、同81、同82、同83、同84、同100、同109、同121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ベーシックレッド1、同2、同9、同12、同13、同14、同15、同17、同18、同22、同23、同24、同27、同29、同32、同34、同35、同36、同37、同38、同39、同40等のマゼンタ染料等、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ロータミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bなどが用いられる。
イエロートナーにおいては、その着色剤として、例えば、C.I.ピグメントイエロー2、同3、同15、同16、同17、同74、同93、同97、同128、同155、同180、同185、同139等のイエロー顔料などが用いられる。
また、ブラックトナーにおいては、その着色剤として、例えば、カーボンブラック、活性炭、チタンブラック、磁性粉、Mn含有の非磁性粉などが用いられる。また、イエロー、マゼンタ、シアン、レッド、グリーン、ブルー顔料を混合して、ブラックトナーとしてもよい。
(その他の添加剤)
トナーの定着性をより高める目的で、ワックス類を含有してもよい。
例えば、エステルワックス、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリエチレンとポリプロピレンの共重合物、ポリグリセリンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックス、脱酸カルナバワックス、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、ブランジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルアルコール類などの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドなどの、不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。
(光定着用トナーの製造方法)
光定着用トナーは、上記トナー粒子の構成成分を原料として使用して、トナー粒子を得た上、得られたトナー粒子に、外添剤である球状シリカ粒子及び球状樹脂粒子を添加することで得られる。
例えば、トナー粒子は、上記各原料を分散させた樹脂塊を粉砕、分級して作製する機械的粉砕法、原料を取り込みながらモノマーを重合させ、粒子を作製する重合法などの公知の手法を使用して調製される。
本実施形態の光定着用トナーを機械的粉砕法で調製する場合、帯電制御剤、結着樹脂、着色剤、赤外線吸収剤、及びワックス類などのトナー粒子成分を、帯電制御剤が既述の含有量となるように添加して混合し、混合物を得る。得られた混合物を、ニーダー、押し出し機などを用いて溶融混練する。更に、溶融混錬物を粗粉砕した後、ジェットミル等で微粉砕し、風力分級機により、目的とする粒径のトナー粒子を得る。
さらに、トナー粒子に、球状シリカ粒子及び球状樹脂粒子の含有量が既述の量となるように添加し、最終的なトナーを完成させる。
<静電荷像現像用現像剤>
本実施形態の光定着用トナーを含む静電荷像現像用現像剤(以下、「現像剤」と称する場合がある)は、前記トナーで構成される一成分現像剤、またはキャリアと前記トナーとを含む二成分現像剤のいずれであってもよいが、二成分現像剤として用いた場合にも印字率による定着性の変動を抑制し得る。
二成分現像剤を用いる二成分現像方式は、トナー粒子とキャリアとを接触させ、摩擦帯電を利用してキャリアにトナー粒子を付着させ、さらにこのトナー粒子を潜像部分に案内して現像を行う磁気ブラシ現像法が代表的である。
磁気ブラシを形成して現像を行なうと、磁気ブラシと層規制部材が摺擦し、トナーに機械的負荷を与えるため、トナー粒子に外添される外添剤の外添構造が変化し易い。特に、プロセス速度が1000mm/sec以上となる高速印刷においては、トナーが受ける機械的負荷はさらに大きくなり易い。
このような状況下でも、本実施形態のトナーを用いれば、印字率による定着性の変動を抑制し得る。
二成分現像剤のキャリアとしては、例えば、芯材表面に、導電材料及び架橋性樹脂を含む樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリアが挙げられる。
上記芯材としては、公知のマグネタイト、フェライト、鉄粉、ガラスビーズ等が用いられる。
導電材料の具体例としては、金、銀、銅のような金属;カーボンブラック;酸化チタン、酸化亜鉛のような導電性の金属酸化物単体系;酸化チタン、酸化亜鉛、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、酸化インジュームスズ等の微粒子の表面を導電性の金属酸化物で被覆した複合系;などが挙げられる。
架橋性樹脂としては、例えば架橋性フッ素系樹脂、エポキシ樹脂、架橋性シリコーン樹脂等が挙げられる。中でも、エポキシ樹脂、架橋性シリコーン樹脂が好ましく、架橋性シリコーン樹脂としては、架橋性のストレートシリコーン樹脂、フッ素変性シリコーン樹脂が好ましい。
樹脂被覆層は、トナー粒子の外添剤がキャリア表面に埋没し、トナー粒子の外添構造が変化することを抑制する観点から、最表面が架橋性樹脂で構成されていることが好ましい。
キャリアの芯材の表面に架橋性樹脂を樹脂被覆するには、架橋性樹脂、及び必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する架橋性樹脂、塗布適性等を勘案して適宜選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、キャリアの芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液をキャリアの芯材表面に噴霧するスプレー法、キャリアの芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法が挙げられる。
現像剤中のトナー量(トナー粒子と外添剤との合計質量)は、現像剤全質量に対し、2.0質量%以上20質量%以下が望ましく、2.5質量%以上16質量%以下であることがより望ましく、3.0質量%以上14質量%以下であることがさらに望ましい。
<画像形成装置及び画像形成方法>
次に、本実施形態のトナーを用いた本実施形態に係る画像形成装置及び画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、静電潜像保持体と、前記静電潜像保持体の表面を帯電する帯電手段と、前記静電潜像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、本実施形態の静電荷現像用現像剤により該静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体のトナー像に光を照射して該トナー像を定着する光定着手段と、を備えるものである。
本実施形態に係る画像形成装置によれば、静電潜像保持体の表面を帯電する帯電工程と、帯電した前記静電潜像保持体の表面に静電荷像を形成する静電潜像形成工程と、本実施形態の静電荷現像用現像剤により該静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体のトナー像に光を照射して該トナー像を定着する光定着工程と、を有する画像形成方法が実施される。
本実施形態の画像形成装置における画像の形成は、静電潜像保持体として電子写真感光体を利用した場合、例えば、以下のように行う。まず、電子写真感光体の表面を、コロトロン帯電器、接触帯電器等により帯電した後、露光し、静電荷像を形成する。次いで、表面に現像剤層を形成させた現像ロールと接触若しくは近接させて、静電潜像にトナーを付着させ、電子写真感光体上にトナー像を形成する。形成されたトナー像は、コロトロン帯電器等を利用して紙等の記録媒体表面に転写される。さらに、記録媒体表面に転写されたトナー像は、定着器により定着され、記録媒体に画像が形成される。
電子写真感光体としては、一般に、アモルファスシリコン、セレンなど無機感光体、ポリシラン、フタロシアニンなどを電荷発生材料や電荷輸送材料として使用した有機感光体が用いられる。特に、電子写真感光体としては、耐摩耗性の観点から無機感光体であればアモルファスシリコン感光体、有機感光体であれば最表層にメラミン樹脂、フェノール樹脂又はシリコーン樹脂などの架橋構造を有する樹脂層を有した所謂オーバーコート層を有する感光体であることが望ましい。
本実施形態における画像形成装置及び画像形成方法においては、トナー像に光を照射して定着する光定着方式を採用するため、定着器としては、光により定着を行うものであればよく、光定着器(フラッシュ定着器)が用いられる。
光定着器に用いられる光源としては、通常のハロゲンランプ、水銀ランプ、フラッシュランプ、赤外線レーザ等があるが、フラッシュランプによって瞬時に定着させることでエネルギーが節約され最適である。フラッシュランプの発光エネルギーが1.0J/cm2乃至7.0J/cmの範囲であることが望ましく、2J/cm乃至5J/cmの範囲であることがより望ましい。
ここで、キセノンのランプ強度を示すフラッシュ光の単位面積当りの発光エネルギーは以下の式(2)で表される。
S=((1/2)×C×V)/(u×L)×(n×f) 式(2)
上記式(2)中、nは一度に発光するランプ本数(本)、fは点灯周波数(Hz)、Vは入力電圧(V)、Cはコンデンサ容量(F)、uはプロセス搬送速度(cm/s)、Lはフラッシュランプの有効発光幅(通常は最大用紙幅、cm)、Sはエネルギー密度(J/cm)を表す。
光定着の方式としては、複数のフラッシュランプを、時間差を設けて発光させるディレイ方式であることが望ましい。このディレイ方式は、複数のフラッシュランプを並べ、各々のランプを0.01ms乃至100ms程度ずつ遅らせて発光を行い、同じ箇所を複数回照らす方式である。これにより一度の発光でトナー像に光エネルギーを供給するのではなく分割して供給するため、定着条件をマイルドにし、耐ボイド性と定着性との両立が実現される。
ここで、複数回トナーに対しフラッシュ発光を行う場合、前記フラッシュランプの発光エネルギーは、発光1回ごとの前記単位面積に与える発光エネルギーの総和量を指すこととする。
本実施形態においては、フラッシュランプの本数は1本乃至20本の範囲であることが望ましく、2本乃至10本の範囲であることがより望ましい。また、複数のフラッシュランプ間の各々の時間差は0.1msec乃至20msecの範囲であることが望ましく、1msec乃至3msecの範囲であることがより望ましい。
さらに、フラッシュランプ1本の1回の発光による発光エネルギーは、0.1J/cm以上1J/cm以下の範囲であることが望ましく、0.4J/cm以上0.8J/cm以下の範囲であることより望ましい。
また、プロセス速度(記録媒体の搬送速度)は、1000mm/sec以上、より望ましくは1200mm/sec以上であることがよい。そして、本実施形態では、上記プロセス速度であっても、印字率による定着性の変動が抑制される。
以下、本実施形態の画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の一例について示す概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、シアン、マゼンタ、イエローの3色にブラックを加えたトナーによりトナー像形成を行うものを示す。また、この画像形成装置におけるプロセス速度(記録媒体搬送速度)も1000mm/sec以上に設定されている。
図1に示す画像形成装置は、ロール状に巻かれた記録媒体Pを紙送りローラ328によって送るようにし、このように送られる記録媒体Pの片面側上に、この記録媒体Pの送り方向上流側から下流側に向けて、並列して4つの画像形成ユニット312(ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C))が設けられ、さらに、当該画像形成ユニット312の下流側に光定着方式の定着器326が設けられている。
ブラック用画像形成ユニット312Kは、公知の電子写真方式の画像形成ユニットである。具体的には、感光体314Kの周辺に、帯電器316K、露光手段318K、現像器320K、クリーナ322Kが設けられ、記録媒体Pを介して転写器324Kが設けられている。他のイエロー用、マゼンタ用、シアン用画像形成ユニット312Y、312M、312Cについても同様である。
なお、白黒プリント用として用いる場合には、画像形成ユニット312としてブラック(K)のみを設けてもよい。
図1に示す画像形成装置では、ロール状態から引き出された記録媒体P上に、各画像形成ユニット312K、312Y、312M、312Cにより公知の電子写真方式でトナー画像が順次転写され、そして、当該トナー画像に定着器326により光定着が施されて、画像が形成される。
なお、光定着手段としての光源は、その種類によって最も強い発光ピークがそれぞれ異なるため、これに対応して要求される近赤外線領域の最適な光吸収特性も異なる。しかしながら、この近赤外線領域の光吸収特性の調整は、分子構造を制御することにより容易に行われる。
次に、他の実施形態に係る画像形成装置について説明する。図2は、他の実施形態に係る画像形成装置の一例について示す概略構成図である。
図2に示す画像形成装置は、4連タンデム方式のフルカラー画像形成装置を示している。図2に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに所定距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置本体に対して脱着されるプロセスカートリッジであってもよい。
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図面における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が延設されている。中間転写ベルト20は、図における左から右方向に互いに離間して配置された駆動ローラ22及び中間転写ベルト20内面に接する支持ローラ24に巻回されて設けられ、第1ユニット10Yから第4ユニット10Kに向う方向に走行されるようになっている。尚、支持ローラ24は、図示しないバネ等により駆動ローラ22から離れる方向に付勢されており、両者に巻回された中間転写ベルト20に所定の張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の像保持体側面には、駆動ローラ22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収容されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーが供給される。
上述した第1乃至第4ユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1ユニット10Yについて代表して説明する。尚、第1ユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2乃至第4ユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
第1ユニット10Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を所定の電位に帯電させる帯電ローラ2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yよって露光して静電荷像を形成する露光装置3、静電荷像に帯電したトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段)4Y、現像したトナー像を中間転写ベルト20上に転写する1次転写ローラ5Y(1次転写手段)、及び1次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを、クリーニングブレードにて除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段)6Yが順に配設されている。
尚、1次転写ローラ5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ローラに印加する転写バイアスを可変する。
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。まず、動作に先立って、帯電ローラ2Yによって感光体1Yの表面が帯電される。
帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
このようにして感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って所定の現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによって可視像(現像像)化される。
現像装置4Y内には、例えば、イエロートナーが収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー像が形成された感光体1Yは、引続き所定速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー像が所定の1次転写位置へ搬送される。
感光体1Y上のイエロートナー像が1次転写へ搬送されると、1次転写ローラ5Yに所定の1次転写バイアスが印加され、感光体1Yから1次転写ローラ5Yに向う静電気力がトナー像に作用され、感光体1Y上のトナー像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性と逆極性であり、例えば第1ユニット10Yでは制御部に(図示せず)よって+10μA程度に制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーはクリーニング装置6Yで除去されて回収される。
また、第2ユニット10M以降の1次転写ローラ5M、5C、5Kに印加される1次転写バイアスも、第1ユニットに準じて制御されている。
こうして、第1ユニット10Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4ユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて多重転写される。
第1乃至第4ユニットを通して4色のトナー像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト20内面に接する支持ローラ24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された2次転写ローラ(2次転写手段)26とから構成された2次転写部へと至る。一方、記録媒体Pが供給機構を介して2次転写ローラ26と中間転写ベルト20とが圧接されている隙間に所定のタイミングで給紙され、所定の2次転写バイアスが支持ローラ24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性と同極性の極性であり、中間転写ベルト20から記録媒体Pに向う静電気力がトナー像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー像が記録媒体P上に転写される。尚、この際の2次転写バイアスは2次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
この後、記録媒体Pは光定着用の定着装置(定着手段)28へと送り込まれトナー像が加熱され、色重ねしたトナー像が溶融されて、記録媒体P上へ定着される。カラー画像の定着が完了した記録媒体Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
なお、上記例示した画像形成装置は、中間転写ベルト20を介してトナー像を記録媒体Pに転写する構成となっているが、この構成に限定されるものではなく、感光体から直接トナー像が記録紙に転写される構造であってもよい。
[プロセスカートリッジ]
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、記録媒体のトナー像に光を照射して定着する光定着手段を備えた画像形成装置に脱着され、現像剤を収納すると共に、静電潜像保持体(感光体)表面に形成された静電潜像を該現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段を備えるものである。そして、当該現像剤として、上記実施形態に係る現像剤が適用される。
図3は、本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。図3に示すプロセスカートリッジは、感光体107と、帯電ローラ108、現像装置111、感光体クリーニング装置(クリーニング手段)113が備えられたユニットを、露光のための開口部118、除電露光のための開口部117、及び取り付けレール116が配設された筐体119と組み合わせ、そして一体化したものである。
そして、このプロセスカートリッジは、転写装置112と、光定着用の定着装置115と、図示しない他の構成部分とから構成される画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに画像形成装置を構成するものである。なお、Pは記録媒体である。
図3で示すプロセスカートリッジでは、感光体107、帯電装置108、現像装置111、クリーニング装置(クリーニング手段)113を備えているが、これら装置は選択的に組み合わせることがなされる。具体的には、例えば、本実施形態のプロセスカートリッジでは、現像装置111のほかには、感光体107、帯電装置108、及びクリーニング装置(クリーニング手段)113からなる群から選択される少なくとも1種を備える。
[トナーカートリッジ]
次に、本実施形態のトナーカートリッジについて説明する。本実施形態のトナーカートリッジは、記録媒体のトナー像に光を照射して定着する光定着手段を備えた画像形成装置に脱着され、光定着用トナーを収納する光定着用トナーカートリッジである。そして、当該光定着用トナーとして、上記実施形態に係る光定着用トナーが適用される。
なお、図2に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kの着脱される構成を有する画像形成装置であり、現像装置4Y、4M、4C、4Kは、各々の現像装置(色)に対応したトナーカートリッジと、図示しない現像剤供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収納されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジの交換がなされる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、特に断りがない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
<粒子の測定方法>
シリカ粒子、樹脂粒子の体積平均粒径(D50v)は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA−910)を用いて測定した。
また球状化度は、既述の式(1)で表されるWadellの球状化度の式から算出した。なお、式(1)における「粒子(シリカ粒子または樹脂粒子)と同じ体積を有する球の表面積」は、当該球の平均粒径から算出した。また式(1)における「粒子(シリカ粒子または樹脂粒子)の表面積」は、ベックマン・コールター社製の粉体比表面積測定装置SA3100型を用い、BET比表面積より求めた。
〔外添剤の作製〕
(シリカ粒子A−1の作製)
水、メタノール、アンモニア水を均一混合した後、温度をかけながらテトラメトキシシランとアンモニア水を滴下 を行なった。次に、反応により得られたシリカゾル懸濁液の遠心分離を行い、湿潤シリカゲルとメタノールとアンモニア水に分離した。湿潤シリカゲルに溶剤を加え再度シリカゾルの状態にし、シリカゾルにヘキサメチルジシラザン(HMDS)を添加して疎水化処理を行い、シリカゾルを乾燥してシリカ粒子を得た。その後、シリカ粒子を粉砕することにより、球状化度=0.87、体積平均粒径140nmの球状のシリカ粒子A−1を得た。
(シリカ粒子A−2の作製)
テトラメトキシシランの滴下量と反応温度を調整することにより、球状化度=0.90 、体積平均粒径が50nmの球状のシリカ粒子A−2を得た。
(シリカ粒子A−3の作製)
テトラメトキシシランの滴下量と反応温度を調整することにより、球状化度=0.85 、体積平均粒径が300nmの球状のシリカ粒子A−3を得た。
(シリカ粒子A−4の作製)
テトラメトキシシランの滴下量と反応温度を調整することにより、球状化度=0.89 、体積平均粒径が60nmの球状のシリカ粒子A−4を得た。
(シリカ粒子A−5の作製)
テトラメトキシシランの滴下量と反応温度を調整することにより、球状化度=0.85、体積平均粒径が200nmの球状のシリカ粒子A−5を得た。
(シリカ粒子A−6の作製)
テトラメトキシシランの滴下量と反応温度を調整することにより、球状化度=0.88 、体積平均粒径が80nmの球状のシリカ粒子A−6を得た。
(シリカ粒子A−7の作製)
テトラメトキシシランの滴下量と反応温度を調整することにより、球状化度=0.90 、体積平均粒径が40nmの球状のシリカ粒子A−7を得た。
(シリカ粒子A−8の作製)
テトラメトキシシランの滴下量と反応温度を調整することにより、球状化度=0.84 、体積平均粒径が330nmの球状のシリカ粒子A−8を得た。
(シリカ粒子A−9の作製)
テトラメトキシシランの滴下量と反応温度を調整することにより、球状化度=0.86 、体積平均粒径が240nmの球状のシリカ粒子A−9を得た。
(樹脂粒子B−1の作製)
攪拌器、温度計及びコンデンサーが装着された1リットルの三つ口フラスコに、イオン交換水400部、メタクリル酸メチルモノマー100部、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.25部を添加して混合物とした。混合物を攪拌しながら、温浴にて75℃に加温し、過硫酸カリウム0.5部を添加して、そのまま、攪拌及び75℃の条件を保持して8時間乳化重合反応を行った。
その後、加温を停止し、室温まで冷却した後、反応液を、粉霧乾燥器にて乾燥し、ジェットミルで解砕して、球状化度=0.90、体積平均粒径が200nmの球状の樹脂粒子B−1を得た。
(樹脂粒子B−2の作製)
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの添加量を0.3部に変更することにより、球状化度=0.90、体積平均粒径が150nmの球状の樹脂粒子B−2を得た。
(樹脂粒子B−3の作製)
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの添加量を0.5部に変更することにより、球状化度=0.91、体積平均粒径が50nmの球状の樹脂粒子B−3を得た。
(樹脂粒子B−4の作製)
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの添加量を0.1部に変更することにより、球状化度=0.86、体積平均粒径が300nmの球状の樹脂粒子B−4を得た。
(樹脂粒子B−5の作製)
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの添加量を0.4部に変更することにより、球状化度=0.90、体積平均粒径が120nmの球状の樹脂粒子B−5を得た。
(樹脂粒子B−6の作製)
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの添加量を0.15部に変更することにより、球状化度=0.86、体積平均粒径が280μmの球状の樹脂粒子B−6を得た。
(樹脂粒子B−7の作製)
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの添加量を0.6部に変更することにより、球状化度=0.90、体積平均粒径が40nmの球状の樹脂粒子B−7を得た。
(樹脂粒子B−8の作製)
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの添加量を0.05部に変更することにより、球状化度=0.85、体積平均粒径が350nmの球状の樹脂粒子B−8を得た。
(樹脂粒子B−9の作製)
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの添加量を0.2部に変更することにより、球状化度=0.87、体積平均粒径が230nmの球状の樹脂粒子B−9を得た。
〔トナー粒子1の作製〕
・結着樹脂(ポリエステル樹脂1) 93.2部
〔ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物/エチレンオキシド付加物、テレフタル酸、トリメリット酸を主成分とするポリエステル樹脂〕
・着色剤(シアン着色剤) 4.0部
〔C.I.Pigment Blue15:3、大日精化社製〕
・ワックス(パラフィンワックス)〔日本精鑞社製:HNP9〕 2.0部
・赤外線吸収剤(ジイモニウム系化合物) 0.5部
〔日本化薬社製:IRG−022〕
・帯電制御剤1(4級アンモニウム塩) 0.3部
〔オリヱント化学社製:ボントロンP−51〕
上記組成をヘンシェルミキサーにより粉体混合し、これを設定温度100℃のエクストルーダーにより熱混練した。その後、混練物を冷却し、粗粉砕および微粉砕を行なった後、分級を行い、体積平均粒子径(D50v)が7.0μmのトナー粒子1を得た。
トナー粒子の体積平均粒径は、コールターマルチサイザーII型(ベックマン・コールター(株)製)を用いて測定した。具体的には、分散剤として界面活性剤中に、測定試料を0.5mg以上50mg以下加え、これを電解液100ml以上150ml以下の中に添加した。この測定試料を懸濁させた電解液を超音波分散器で1分間分散処理を行い、前記コールターマルチサイザーII型により、アパーチャー径が100μmのアパーチャーを用いて、粒径が2.0μm以上60μm以下の範囲の粒子の粒度分布を測定した。測定する粒子数は50,000とした。得られた粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、小粒径側から体積累積分布を引いて、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとした。
〔トナー粒子2乃至トナー粒子10の作製〕
トナー粒子1の作製において、帯電制御剤の種類と量を表1に示すものに代え、帯電制御剤の量の増減に応じて結着樹脂の量を変更して、結着樹脂、着色剤、ワックス、赤外線吸収剤、及び、帯電制御剤の合計量が100部になるように変更した他は同様にして、トナー粒子2乃至トナー粒子10を作製した。なお帯電制御剤2として、トリフェニルメタン誘導体(クラリアント社製:Copy Blue PR)を用いた。
〔光定着用トナー1の作製〕
下記組成の成分を、ヘンシェルミキサーで混合し、光定着用トナー1を得た。
・トナー粒子1 98.95部
・球状シリカ粒子A−1 0.40部
・球状樹脂粒子B−1 0.25部
・疎水性シリカ 0.4部
〔日本アエロジル社製、RA200H〕
〔光定着用トナー2乃至光定着用トナー24の作製〕
光定着用トナー1の作製において、トナー粒子種、シリカ粒子種、及び樹脂粒子種を、表1に示す種類に代え、シリカ粒子、及び樹脂粒子の量の増減に応じてトナー粒子の量を変更して、トナー粒子、シリカ粒子、及び、樹脂粒子の合計量が100部になるように変更した他は同様にして、光定着用トナー2乃至光定着用トナー24を作製した。
〔キャリア1の作製〕
・芯材(マンガン−ストロンチウムフェライト粒子)
〔パウダーテック社製、体積平均粒径:40μm〕
・導電材料(カーボンブラック)
〔ライオン社製ケッチェンブラックEC600JD、BET比表面積1270m/g〕
・被覆樹脂(架橋型フッ素変性シリコーン樹脂)
〔信越化学社製、15%のトリフロロプロピル基を含有する架橋型フッ素変性シリコーン樹脂〕
上記芯材、導電材料、及び、被覆樹脂を用いて、下記処方によりキャリア1を作製した。
15%のトリフロロプロピル基を含有する架橋型フッ素変性シリコーン樹脂(信越化学社製)を固形分換算で200g秤量し、1000ccのトルエン溶剤に溶解させ、導電性カーボンブラック(ライオン社製ケッチェンブラックEC600JD、BET比表面積1270m/g)を樹脂固形分に対し15%と、有機アルミ硬化触媒(アルミニウム−ジ−n−ブトキシドモノエチルアセトアセテート)2gとを加え、パールミルにて分散して第1の被覆樹脂層形成用溶液を得た。
マンガン−ストロンチウムフェライト粒子(パウダーテック社製、体積平均粒径:40μm)100部に対し、上述の導電材料を分散させた第1の被覆樹脂層形成用溶液を、流動床(スプレードライ)コーティング装置を用いコート時間が1時間になるように単位時間あたりの噴霧量を調整しコーティングし、100℃で乾燥を行なった。
次いで、コーティング装置として流動床を用い、第1の被覆樹脂層形成用溶液におけるカーボンブラックを、樹脂固形分に対し0.17%とした第2の被覆樹脂層形成用溶液を用いて塗膜を形成した。その後、100℃にて乾燥後、270℃で1時間焼き付けを行い、解砕処理、振動型ミルにて30分間後処理を行い、被覆樹脂層樹脂層を有するキャリア1を得た。
〔キャリア2の作製〕
キャリア1の作製において、被覆樹脂を非架橋性樹脂のスチレン・メチルメタクリレート共重合体(Mw:78000)に代えた他は同様にして、キャリア2を作製した。
〔実施例1乃至実施例15及び比較例1乃至比較例10〕
表1に示すキャリア(94.5部)と、表1に示す光定着用トナー(5.5部)とを混合し、実施例1乃至実施例15及び比較例1乃至比較例10の二成分現像剤を得た。
<定着性の変動性評価>
富士ゼロックス社製650J Continuous Feed Printing Systemを、感光体の周速が可変となるように改造した改造機を用いて、定着性の変動性を評価した。なお現像ロールの周速は1050mm/secに設定した。
上記改造機にて、実施例1乃至実施例15及び比較例1乃至比較例10の二成分現像剤をそれぞれ投入した後に、画像密度0.2%の画像(低印字画像a)をA4換算で1万枚出力した後、3cm×3cmのベタ画像を出力して、ベタ画像の定着性を評価した(評価a)。
。さらに、画像密度45%の画像(高印字画像b)をA4換算で2000枚出力した後、3cm×3cmのベタ画像を出力して、ベタ画像の定着性を評価した(評価b)。
なお、画像の出力に当たっては、トナーが上下に2層以上重なるようにするため、記録用紙上のトナー付着量が1.2mg/cmとなるよう調整した。
定着性の評価は、定着したベタ画像を折り曲げ、折り曲げた箇所に白く抜けた部分の有無を確認した。折り曲げた箇所に白く抜けた部分がある場合には、白く抜けた部分の幅を目視で確認した。さらにボイドの有無を目視で確認し、(評価a)と(評価b)の差異の有無を評価した。
◎:目視で(評価a)と(評価b)の差が全く確認できないレベルである
○:目視で(評価a)と(評価b)のごくわずかな差が確認できるものの十分共用できるレベルである
×:目視で(評価a)と(評価b)の差が顕著に見られ、許容できない。
評価結果を表1に示す。
また、各光定着用トナーのトナー粒子中に含まれる光定着用トナー全質量に対する帯電制御剤の含有量、光定着用トナーに用いたシリカ粒子と、樹脂粒子の粒径比(Dp/Ds)、シリカ粒子と帯電制御剤との量比(ws/wc)、及び、シリカ粒子と、樹脂粒子の量比(ws/wp)も表1に示した。
表1に示すように、比較例の二成分現像剤を用いた場合は、(評価a)と(評価b)の差が確認され、印字率によって定着性が変動していることが分かった。一方、実施例の二成分現像剤を用いた場合は、(評価a)と(評価b)の差が見受けられず、印字率が異なる場合にも定着性が変動し難いことがわかった。
1Y、1M、1C、1K 感光体
2Y、2M、2C、2K 帯電ローラ
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
3 露光装置
4Y、4M、4C、4K 現像装置
5Y、5M、5C、5K 1次次転写ローラ
6Y、6M、6C、6K クリーニング装置
8Y、8M、8C、7K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト
22 駆動ローラ
24 支持ローラ
26 2次転写ローラ
28 定着装置
30 中間転写体クリーニング装置
107 感光体
108 帯電ローラ
108 帯電装置
111 現像装置
112 転写装置
115 定着装置
116 取り付けレール
117 開口部
118 開口部
119 筐体
312Y、312M、312C、312K 画像形成ユニット
314Y,34M、314C、314K、314K 感光体
316Y,316M、316C、316K、316K 帯電器
318Y、318M、318C、318K、318K 露光手段
320Y,320M、320C、320K、320K 現像器
322Y,322M、322C、322K、322K クリーナ
324Y,324M、324C、324K、324K 転写器
326 定着器
328 紙送りローラ

Claims (10)

  1. 結着樹脂、着色剤、赤外光吸収剤、及び、帯電制御剤を含有するトナー粒子と、
    体積平均粒径が50nm以上300nm以下の球状シリカ粒子及び体積平均粒径が50nm以上300nm以下の球状樹脂粒子を有する外添剤と、
    を含み、
    前記球状シリカ粒子の体積平均粒径をDs、前記球状樹脂粒子の体積平均粒径をDpとしたとき、0.6≦Dp/Ds≦3.5の関係を有し、かつ、
    前記帯電制御剤の含有量をwc、前記球状シリカ粒子の含有量をwsとしたとき、前記wcが0.05質量%以上0.90質量%以下であり、かつ、0.3≦ws/wc≦5.0の関係を有する光定着用トナー。
  2. 前記トナー粒子に、前記帯電制御剤として4級アンモニウム塩を含む請求項1に記載の光定着用トナー。
  3. 前記球状樹脂粒子の含有量をwp、前記球状シリカ粒子の含有量をwsとしたとき、0.5≦ws/wp≦5.0の関係を有する請求項1または請求項2に記載の光定着用トナー。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の光定着用トナーと、
    キャリアと、
    を含む静電荷像現像用現像剤。
  5. 前記キャリアが、芯材と、前記芯材表面上に、導電材料及び架橋性樹脂を含有する被覆樹脂層と、を有する請求項4に記載の静電荷像現像用現像剤。
  6. 記録媒体のトナー像に光を照射して定着する光定着手段を備えた画像形成装置に脱着され、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の光定着用トナーを収納した光定着用トナーカートリッジ。
  7. 記録媒体のトナー像に光を照射して定着する光定着手段を備えた画像形成装置に脱着され、請求項4または請求項5に記載の静電荷現像用現像剤を収納すると共に、静電潜像保持体の表面に形成された静電潜像を該現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段を備えるプロセスカートリッジ。
  8. 静電潜像保持体と、
    前記静電潜像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
    前記静電潜像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    請求項4または請求項5に記載の静電荷現像用現像剤により該静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
    前記記録媒体のトナー像に光を照射して該トナー像を定着する光定着手段と、
    を備える画像形成装置。
  9. 前記光定着手段が、前記トナー像を1000mm/sec以上のプロセス速度で定着するものである請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 静電潜像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
    帯電した前記静電潜像保持体の表面に静電荷像を形成する静電潜像形成工程と、
    請求項4または請求項5に記載の静電荷現像用現像剤により該静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、
    前記トナー像を記録媒体に転写する転写工程と、
    前記記録媒体のトナー像に光を照射して該トナー像を定着する光定着工程と、
    を有する画像形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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