JP2012037602A - 光学ユニット、撮像装置および色むら調整方法 - Google Patents

光学ユニット、撮像装置および色むら調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光学素子に対する干渉薄膜の製造工程等に起因して、撮像素子の受光面に色むらを生じさせる場合がある。例えば、赤外カット層を設けた光学ローパスフィルタのように複数の光学フィルタ機能を付与した光学素子が色むらを生じさせると、その高い製造コストにもかかわらず、不良品として廃棄せざるを得なかった。
【解決手段】上記課題を解決するために、光学ユニットは、光学系を介して入射される観察光束の特定波長を透過または遮断する光学フィルタと、光学系の光軸に対する光学フィルタの傾きを調整する傾斜調整機構とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、光学ユニット、撮像装置および色むら調整方法に関する。
光学被写体像を光電変換する撮像素子を用いたデジタルカメラには、空間周波数の高い被写体像に対して生じ得るモアレを防止すべく、撮像素子の前面に光学ローパスフィルタが設置されていることが多い。光学ローパスフィルタの表面には、例えば被写体像の赤外光を遮断する赤外カット層などの干渉薄膜が形成され、さらに別の光学フィルタ機能が付与されている場合がある。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2001−257945号公報
しかし、干渉薄膜の製造工程等に起因して、撮像素子の受光面に色むらを生じさせる場合がある。上述の光学ローパスフィルタのように複数の光学フィルタ機能を付与した光学素子が色むらを生じさせると、その高い製造コストにもかかわらず、不良品として廃棄せざるを得なかった。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様における光学ユニットは、光学系を介して入射される観察光束の特定波長を透過または遮断する光学フィルタと、光学系の光軸に対する光学フィルタの傾きを調整する傾斜調整機構とを備える。
また、上記課題を解決するために、本発明の第2の態様における撮像装置は、上記光学ユニットを備える撮像装置であって、光学ユニットは、観察光束を受光して光電変換する撮像ユニットと一体的に構成される。
また、上記課題を解決するために、本発明の第3の態様における撮像装置は、上記光学ユニットを備える撮像装置であって、交換レンズを装着するマウント部と、マウント部を支持する支持部とを備え、光学ユニットは支持部に支持される。
また、上記課題を解決するために、本発明の第4の態様における色むら調整方法は、光学系と、特定波長を透過または遮断する光学フィルタとを介して入射する観察光束を撮像素子により受光して画像信号を取得する画像取得ステップと、画像信号に予め定められた基準よりも大きな色むらが存在するか否かを判断する判断ステップと、色むらが存在すると判断されたときに、光学フィルタを光学系の光軸に対して傾斜させる傾斜調整ステップとを有する。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
一眼レフカメラの要部断面図である。 光軸上に配置された光学素子の構成を模式的に示す図である。 色むらを解消する調整の概念図である。 光学フィルタの傾きと、周辺光線の入射角の関係を示す図である。 光学フィルタを傾けたときの分光特性の変化を示す図である。 傾斜調整機構の例を示す図である。 色むら調整に係る処理のフロー図である。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態に係る一眼レフカメラ10の要部断面図である。一眼レフカメラ10は、レンズユニット20とカメラユニット30が組み合わされて撮像装置として機能する。
レンズユニット20は、光軸11に沿って配列されたレンズ群21を備える。レンズ群21は、入射される被写体光束をカメラユニット30へ導く。レンズ群21には、フォーカスレンズ、ズームレンズ等が含まれ、焦点調整、画角調整の指示に応じて光軸方向に移動できるように構成されている。レンズユニット20は、カメラユニット30との接続部にレンズマウント22を備え、カメラユニット30が備えるカメラマウント31と係合して、カメラユニット30と一体化する。
カメラユニット30は、カメラマウント31を支持する支持枠であるミラーボックス32とメインフレーム51を主な内部構造体とする。ミラーボックス32とメインフレーム51は、筐体33に接続固定される。ミラーボックス32は、例えばポリカーボネイトなどにより樹脂成形され、メインフレーム51は、例えばSUSなどによりプレス成形されて、いずれも高い剛性を有する構造体として諸々の要素を支持する。
カメラユニット30は、レンズユニット20から入射される被写体光束を反射するメインミラー34と、メインミラー34で反射された被写体光束が結像するピント板35を備える。メインミラー34は、ミラーボックス32の内部でメインミラー回転軸36周りに揺動して、光軸11を中心とする被写体光束中に斜設される反射状態と、被写体光束から退避する退避状態を取り得る。メインミラー回転軸36は、ミラーボックス32の側壁に支持される。
ピント板35は、撮像ユニット47の受光面と共役の位置に配置されている。ピント板35で結像した被写体像は、ペンタプリズム37で正立像に変換され、接眼光学系38を介してユーザに観察される。また、ペンタプリズム37の射出面上方には測光センサ39が配置されており、被写体像の輝度分布を検出する。
斜設状態におけるメインミラー34の光軸11の近傍領域は、ハーフミラーとして形成されており、入射される被写体光束の一部が透過する。透過した被写体光束は、メインミラー34と連動して揺動するサブミラー40で反射されて、合焦光学系41へ導かれる。合焦光学系41を通過した被写体光束は、合焦センサ42へ入射される。合焦センサ42は、受光した被写体光束から位相差信号を検出する。なお、サブミラー40は、メインミラー34が被写体光束から退避する場合は、メインミラー34に連動して被写体光束から退避する。
斜設されたメインミラー34の後方には、光軸11に沿って、フォーカルプレーンシャッタ43、光学フィルタ44、撮像ユニット47が配列されている。撮像ユニット47側へ被写体像を導く場合は、メインミラー34が被写体光束から退避される。ミラーボックス32の後方開口部に支持されたフォーカルプレーンシャッタ43は、メインミラー34が退避状態のときに開放状態に駆動され得る。
光学フィルタ44は、撮像ユニット47を構成する撮像素子の画素ピッチに即して被写体像の高い空間周波数を抑制する光学ローパスフィルタ、被写体像の波長を選択的に透過、遮断する波長選択フィルタ等の機能を担う。光学フィルタ44は、被写体光束を通過させる開口を有するフィルタ保持枠45に保持されており、フィルタ保持枠45は、傾斜調整機構46を介してミラーボックス32に支持されている。具体的な構成については後述する。
撮像ユニット47は、撮像素子としての例えばCMOSセンサなどの光電変換素子を含み、撮像素子は、受光面で結像した被写体像を電気信号に変換する。撮像ユニット47は、撮像ユニットフレーム48に支持されており、撮像ユニットフレーム48は、メイン基板49に支持されている。メイン基板49には、撮像素子で光電変換された電気信号を画像データに処理するASICである画像処理ユニット50等の電気素子が搭載されている。メイン基板49は、メインフレーム51に取り付けられて固定される。
カメラユニット30の背面には液晶モニタ等による表示ユニット52が配設されており、画像処理ユニット50で処理された被写体画像が表示される。また、カメラユニット30には、着脱可能な二次電池53が収容され、カメラユニット30に限らず、レンズユニット20にも電力を供給する。
図2は、光軸11上に配置された光学素子の構成を模式的に示す図である。特に、フォーカルプレーンシャッタ43から撮像ユニット47に至る光学素子構成を表している。
図2(a)は、図1に示した光学素子の構成をより具体的に示す。光学フィルタ44は、真空蒸着等によって薄膜形成される干渉膜としての赤外カット層61を表面に備えた第1複屈折板62、赤外光を吸収する赤外吸収ガラス63、第1複屈折板62から射出する常光線と異常光線の偏光状態を変える波長板64、および、さらに光線を分離する第2複屈折板65を含むように一体的に構成されている。光学フィルタ44は、フィルタ保持枠45によって保持されている。そして、傾斜調整機構46により光軸11に対するフィルタ保持枠45の傾きが調整されることにより、光学フィルタ44の光軸11に対する傾きが定まる。
このような構成により、入射する被写体像は、赤外カット層61および赤外吸収ガラス63の作用により赤外光が除去される。また、第1複屈折板62、波長板64および第2複屈折板65から構成される光学ローパスフィルタの作用により、被写体像に含まれる高い空間周波数成分が除去される。さらには、傾斜調整機構46によって調整された光学フィルタ44の傾きにより、光学フィルタ44を透過する被写体像に色分布変換が与えられる。色分布変換についての具体的な説明は後述する。
光学フィルタ44によって波長選択、空間周波数選択および色分布変換を受けた被写体像は、撮像ユニット47に到達する。撮像ユニット47は、カバーガラス71、撮像素子パッケージ72および撮像素子73を含むように構成されている。撮像素子73の受光面に結像した被写体像は、撮像素子73により光電変換されて、電気信号として画像処理ユニット50へ出力される。
図2(b)は、図1に示した光学素子の構成とは異なる例を示す。図2(b)の例は、図2(a)において一つの光学フィルタとして構成した光学フィルタ44を、第1光学フィルタ54と第2光学フィルタ57に分離して構成する点で相違する。
第1光学フィルタ54は、赤外カット層61を表面に備えた第1複屈折板62により構成されて、フィルタ保持枠45によって保持されている。そして、傾斜調整機構46により光軸11に対するフィルタ保持枠45の傾きが調整されることにより、第1光学フィルタ54の光軸11に対する傾きが定まる。
第1光学フィルタ54の表面には圧電素子55が貼着されており、撮影シーケンスにおける様々なタイミングで圧電素子55が駆動されて、第1光学フィルタ54の表面に高周波振動が与えられる。これにより、撮像素子73の結像面へ影として写り込む、第1光学フィルタ54の表面に付着する塵埃を除去することができる。
第2光学フィルタ57は、赤外吸収ガラス63、波長板64および第2複屈折板65を含むように一体的に構成されている。第2光学フィルタ57は、フィルタ保持枠56によって保持され、フィルタ保持枠56は撮像ユニット47側から支持されている。第1光学フィルタ54および第2光学フィルタ57を通過した被写体像は、撮像ユニット47に到達する。
このような構成により、図2(a)の構成と同様の光学的作用を得ることができる。すなわち、被写体光束に対する波長選択、空間周波数選択および色分布変換の作用である。さらに、塵埃除去機能も付与することができる。特に、一体的に構成された光学フィルタ44を振動させるよりも、その一部としての第1光学フィルタ54を振動させることにより、少ないエネルギーで効果的に塵埃を除去することができる。
ここで、図2(a)で示す光学フィルタ44、図2(b)で示す第1光学フィルタ54および第2光学フィルタ57の支持構造について説明する。すなわち、上述のように、カメラユニット30はミラーボックス32とメインフレーム51を高い剛性を有する主な内部構造体とするが、これらのフィルタがいずれの構造体によって支持されるかについて説明する。
ミラーボックス32とメインフレーム51は、一方に加えられる撃力、応力、振動等ができる限り他方に伝達されないように、分離されて筐体33に配置されるか、または、それぞれの端部で互いに接続されるように配置されている。そこで、傾斜調整機構46を備える光学フィルタ44および第1光学フィルタ54を、ミラーボックス32側から支持する場合と、メインフレーム51側から支持する場合が考えられる。
光学フィルタ44および第1光学フィルタ54を、ミラーボックス32側に支持させれば、同じくミラーボックス32に対して支持されているカメラマウント31に対する相対的な傾斜調整が行いやすい。カメラマウント31はレンズマウント22と係合するので、レンズ群21の光軸11に対する精確な傾斜調整が行える。なお、傾斜調整機構46による傾斜調整については後述する。また、第1光学フィルタ54のように、圧電素子55などによる塵埃除去機能を備える場合は、メインフレーム51側に支持されている撮像素子73に高周波振動が伝達されることを抑制できるので、撮像素子73の破壊防止に利する。
光学フィルタ44および第1光学フィルタ54を、メインフレーム51側に支持させれば、撮像素子73に対する相対的な傾斜調整が行いやすい。後述のように、これら光学フィルタの傾斜調整は、撮像素子73の受光面における被写体像の色むらを打ち消すことを目的とするので、撮像素子73の受光面に対する光学フィルタの傾斜調整を精確に行うことができれば、より効果的に色むらを解消できる。
次に、光学フィルタ44を光軸11に対して傾けた場合の色分布の変化について説明する。本実施形態においては、赤外波長を吸収する赤外吸収ガラス63、光学ローパスフィルタとしての第1複屈折板62、波長板64および第2複屈折板65の製造工程、素材のばらつき等により生じうる被写体像の色むらを解消すべく、傾斜調整機構46を用いて光学フィルタ44を光軸11に対して傾ける。図3は、色むらを解消する調整の概念図である。なお、ここでは光学フィルタ44を例に説明するが、上述の第1光学フィルタ54等の特定波長を透過または遮断する波長選択性を備えた光学フィルタであれば、同様の効果を発揮する。ただし、いかなる波長帯域の色むらを打ち消したいかにより、傾ける光学フィルタに与えるフィルタ特性は事前に調整される。フィルタ特性としては、薄膜素材、層数、層厚などが挙げられる。
図3(a)は、光学フィルタ44を光軸11に対して直交させて配置した、通常における配置状態を示す。このとき、例えば、光学フィルタ44の製造工程に起因して、撮像素子73の受光面上で被写体像に色むらが生じた場合を想定する。具体的には、白色均一光が光学フィルタ44に入射されて透過した場合、撮像素子73の受光面上に色むらとしてx軸マイナス側に青味が、x軸プラス側に赤味が生じたとする。なお、x軸は、光軸11と平行なz軸に直交し、メインミラー回転軸36に平行な方向である。なお、カメラマウント31から観察した場合に、右方向をプラス方向とする。y軸は、z軸およびx軸に直交し、カメラマウント31から観察した場合に、上方向をプラス方向とする。
図3(b)に示すように、図3(a)の状態から、光軸11と交差しy軸に平行な回転軸66周りに、光学フィルタ44を矢印67方向へ微小角回転させると、x軸マイナス側に生じていた青味は緩和されて薄青へ、x軸プラス側に生じていた赤味は解消されて薄青へ変化する。つまり、色むらは大幅に解消されて、より均一な白色に近づく。したがって、撮像素子73の出力を観察しつつ回転軸66周りの回転量を調整すれば、撮像素子73の受光面上における色むらが最も打ち消される光学フィルタ44の配置状態を確定することができる。
図示は省略するが、撮像素子73の受光面上にy軸方向に色むらが生じたとすると、光軸11と交差しx軸に平行な回転軸周りに光学フィルタ44を回転させれば、同様にy軸方向の色むらを解消し得る。また、それぞれの回転軸周りの回転量を調整すれば、撮像素子73の受光面上に生じた斜め方向の色むらも解消し得る。特に、製造工程に起因して生じる色むらは特定の方向に沿った色分布を示すことが多く、本実施形態のように光学フィルタ44を傾斜させれば、後述の原理によって効果的に当該色むらを解消することができる。
次に、色むら解消の原理について説明する。図4は、光学フィルタ44の傾きと、周辺光線の入射角の関係を示す図である。レンズ群21の射出瞳23の光軸11中心から撮像素子73の周辺部へ向かう光線において、一端への光線を第1光線12、他端への光線を第2光線13とする。
図示するように、光軸11に直交する平面に対して、赤外カット層61を表面に備える光学フィルタ44をδ(rad)回転すると、赤外カット層61へ入射する第1光線12の角度は赤外カット層61の表面に対してα+δ(rad)となる。一方、第2光線13の角度は赤外カット層61の表面に対してα−δ(rad)となる。なお、α(rad)は、光軸11に直交する平面と、第1光線12および第2光線13のそれぞれがなす角である。
すると、赤外カット層61を通過するときの光路長が、回転前の光路長に対して変化する。すなわち、第1光線12の光路長は短く、第2光線13の光路長は長くなる。光路長が変化すると、それぞれの光線に対する赤外カット層61の通過波長帯域がシフトし、シフトする通過波長帯域と阻止波長帯域の境界近傍の帯域において色味の変換が生じる。図の例によれば、光学フィルタ44から射出する第1光線は、光学フィルタ44を図のように回転させるに従って、青から赤の方向へ色味が変化する。同様に、第2光線は、赤から青の方向へ色味が変化する。すなわち、被写体光束全体で見ると、光軸を中心として、+δ側で青から赤の方向へ、−δ側で赤から青の方向へ色分布の変換が行われることになる。そして、その変化量は、回転軸から遠ざかるに従って大きくなる。
図5は、光学フィルタ44を傾けたときの赤外カット層61における分光特性の変化を示す図である。特に、図4の−δ側である赤から青の方向へ色味が変化する場合を表す。
点線の分光特性曲線は、光学フィルタ44を光軸11に直交させた場合の分光特性を示し、実線の分光特性曲線は、光学フィルタ44を回転させた場合の分光特性を示す。図で矢印74は、光学フィルタ44の回転に伴って分光特性曲線がシフトする方向を表す。逆に、図4の+δ側であれば、矢印74の反対方向に分光特性曲線がシフトすることになる。
したがって、製造工程等に起因して色むらを生じさせることになってしまった光学フィルタ44は、透過させる被写体光束に対して傾けることにより、その色むらを解消させることができる場合がある。色むらが解消されるのであれば、当該光学フィルタ44は、廃棄することなく通常の光学フィルタ44と同様に利用することができる。
次に、傾斜調整機構46の例を説明する。図6は、傾斜調整機構46の例を示す図である。上述のように、傾斜調整機構46は、光学フィルタ44を光軸11に直交する2軸周りにそれぞれ、例えば±(5/180)π(rad)程度の範囲で傾ける機構である。
傾斜調整機構46は、ミラーボックス32に対するフィルタ保持枠45の支持機構を兼ねている。ミラーボックス32とフィルタ保持枠45の間には、コイルバネ82が圧縮された状態で挟まれている。これにより、ミラーボックス32とフィルタ保持枠45は、互いに反対方向に付勢された状態となる。
コイルバネ82の内側には、フィルタ保持枠45の外面側から差し込まれた調整ビス81が挿通されている。また、ミラーボックス32側からフィルタ保持枠側に突出するように、ミラーボックス32と一体に形成された図示しないナットが、コイルバネ82の内側に挿通されている。調整ビス81の先端は、コイルバネ82の内側でナットに螺入される。これにより、ミラーボックス32と調整ビス81の頭部との間隔は、互いに螺合した調整ビス81とナットにより決定できる。よって、調整ビス81およびナットは、ミラーボックス32とフィルタ保持枠45の間隔が予め定められた距離よりも広がらないように規制する。このような、調整ビス81、コイルバネ82およびナットは、フィルタ保持枠45の保持面に沿って少なくとも3組設けられており、それぞれのコイルバネ82は、フィルタ保持枠45を調整ビス81の頭部裏側に付勢するので、フィルタ保持枠45はミラーボックス32に対して規制された距離をおいて位置決めされる。
この状態で、調整ビス81のいずれかを回転させることにより、その位置におけるミラーボックス32とフィルタ保持枠45の間隔を個別に変化させることができる。これにより、光軸11に対するフィルタ保持枠45の傾斜を任意に調整することができる。すなわち、調整ビス81、コイルバネ82およびナットは、少なくとも3組が配置されることにより、傾斜調整機構46を構成する。
次に、色むらを調整する処理について説明する。図7は、色むら調整に係る処理のフロー図である。色むらの調整は、調整工具によって実行される。調整工具は、制御プログラムに従って制御部が処理を実行することにより動作する。また、調整工具は、光学フィルタ44に入射させる均一白色光を照射する照明部を備え、また、撮像素子73が出力する画像信号を解析して色むらの判断を行う色むら判断部を備える。さらに、傾斜調整機構46を調整する駆動部を備える。このような調整工具を用いた色むら調整処理を、フロー図を用いて説明する。
色むら調整が開始されると、制御部は、ステップS101において、照明部を点灯する。ステップS102では、撮像素子73が照射された白色光を受光して光電変換した画像信号を色むら判断部が受信し、色むらを判断する。色むら判断部は、例えば、領域分割された各領域のRGB出力値のバランスを数値化して、領域間のばらつきUが予め定められた閾値Uよりも小さければ色むらは無いものと判断する。色むらがないと判断されれば、傾斜調整機構46を調整することなく、ステップS110で照明部を消灯して一連の処理を終了する。
ステップS102において色むらがあると判断されれば、制御部は駆動部を駆動して、光学フィルタ44を+D(rad)回転させる。なお、ここでは簡単のため1軸方向の回転により説明する。
+D(rad)回転させると、色むら判断部は、ステップS104で、再び画像信号を取り込んで色むらの判断を行う。この時点で色むらが解消されればステップS110へ進む。色むらが解消されていなければ、制御部は、ステップS105で、総回転角TDが許容回転角TDに到達していないかを判断する。到達していなければ再びステップS103へ戻る。到達している場合は、光学フィルタ44をプラス方向へ回転させても色むらが解消できなかったものとして、光学フィルタ44をマイナス方向へ回転させるべく、ステップS106で、制御部は駆動部を駆動して、回転を開始した状態である原点まで一旦戻す。
そして、ステップS107において、制御部はさらに駆動部を駆動して、光学フィルタ44を−D(rad)回転させる。−D(rad)回転させると、色むら判断部は、ステップS108で、再び画像信号を取り込んで色むらの判断を行う。この時点で色むらが解消されればステップS110へ進む。色むらが解消されていなければ、制御部は、ステップS109で、総回転角TDが許容回転角−TDに到達していないかを判断する。到達していなければ再びステップS107へ戻る。到達している場合は、光学フィルタ44をマイナス方向へ回転させても色むらが解消できなかったものとして、当該光学フィルタ44の利用を断念し、ステップS110へ進む。ステップS110では、制御部が照明部を消灯して一連の処理を終了する。
以上説明した本実施形態においては、赤外カット層61を例とする赤外線カットフィルタを用いて説明したが、紫外線をカットする紫外線カットフィルタを用いても良いし、両方を組み合わせて用いても良い。また、図5に示す分光特性のような、可視光帯域を透過させるバンドパスフィルタを用いても良いし、特定の波長帯域を遮断する遮断フィルタ、特定の波長帯域を透過させる透過フィルタを組み合わせて用いても良い。
また、上記実施形態においては、一眼レフカメラ10を例に説明したが、光学フィルタを傾斜調整機構で傾ける光学ユニットを適用する撮像装置は、これに限らない。例えば、コンパクトデジタルカメラ、ミラーレス一眼カメラおよびビデオカメラ等にも適用できる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
10 一眼レフカメラ、11 光軸、12 第1光線、13 第2光線、20 レンズユニット、21 レンズ群、22 レンズマウント、23 射出瞳、30 カメラユニット、31 カメラマウント、32 ミラーボックス、33 筐体、34 メインミラー、35 ピント板、36 メインミラー回転軸、37 ペンタプリズム、38 接眼光学系、39 測光センサ、40 サブミラー、41 合焦光学系、42 合焦センサ、43 フォーカルプレーンシャッタ、44 光学フィルタ、45 フィルタ保持枠、46 傾斜調整機構、47 撮像ユニット、48 撮像ユニットフレーム、49 メイン基板、50 画像処理ユニット、51 メインフレーム、52 表示ユニット、53 二次電池、54 第1光学フィルタ、55 圧電素子、56 フィルタ保持枠、57 第2光学フィルタ、61 赤外カット層、62 第1複屈折板、63 赤外吸収ガラス、64 波長板、65 第2複屈折板、66 回転軸、67 矢印、71 カバーガラス、72 撮像素子パッケージ、73 撮像素子、74 矢印、81 調整ビス、82 コイルバネ

Claims (9)

  1. 光学系を介して入射される観察光束の特定波長を透過または遮断する光学フィルタと、
    前記光学系の光軸に対する前記光学フィルタの傾きを調整する傾斜調整機構と
    を備える光学ユニット。
  2. 前記光学フィルタは、赤外線カットフィルタおよび紫外線カットフィルタの少なくともいずれかである請求項1に記載の光学ユニット。
  3. 前記光学フィルタとして赤外線カットフィルタと紫外線カットフィルタとがそれぞれ独立して設置されるときは、前記赤外線カットフィルタと前記紫外線カットフィルタのそれぞれに前記調整機構を設ける請求項2に記載の光学ユニット。
  4. 前記光学フィルタは、透明板の表面に形成された干渉膜が前記特定波長を透過または遮断する請求項1から3のいずれか1項に記載の光学ユニット。
  5. 前記光学フィルタは、光学ローパスフィルタと一体的に形成される請求項1から4のいずれか1項に記載の光学ユニット。
  6. 前記光学フィルタを振動させる加振部を備える請求項1から5のいずれか1項に記載の光学ユニット。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の光学ユニットを備える撮像装置であって、
    前記光学ユニットは、前記観察光束を受光して光電変換する撮像ユニットと一体的に構成される撮像装置。
  8. 請求項1から6のいずれか1項に記載の光学ユニットを備える撮像装置であって、
    交換レンズを装着するマウント部と、
    前記マウント部を支持する支持部と
    を備え、
    前記光学ユニットは、前記支持部に支持される撮像装置。
  9. 光学系と、特定波長を透過または遮断する光学フィルタとを介して入射する観察光束を撮像素子により受光して画像信号を取得する画像取得ステップと、
    前記画像信号に予め定められた基準よりも大きな色むらが存在するか否かを判断する判断ステップと、
    前記色むらが存在すると判断されたときに、前記光学フィルタを前記光学系の光軸に対して傾斜させる傾斜調整ステップと
    を有する色むら調整方法。
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