以下、この発明の実施の形態について図を参照して説明するが、この発明は以下の実施の形態に限定されない。また、この発明の実施の形態は発明の最も好ましい形態を示すものであり、発明の範囲を限定するものではない。
<撮像装置の構成>
先ず、図1〜図3を参照して、本発明の実施形態に係る撮像装置について説明する。図1及び図2は、本実施形態に係る撮像装置の外観図である。図1は、撮像装置本体1を正面側(被写体側)から見た斜視図であって、撮像レンズユニット(詳細は後述する)をはずした状態を示す。
図2は、撮像装置本体1を背面側(ユーザ側)から見た斜視図である。図1、図2に示すように、本実施形態に係る撮像装置は、撮像装置本体1に撮像レンズユニットを装着して使用する一眼レフのデジタルスチルカメラである。
図1に示すように、撮像装置本体1には、撮像時にユーザが安定して握り易いように被写体側に突出したグリップ部1aが設けられている。撮像装置本体1のマウント部2には、撮像レンズユニットが着脱可能に固定される。マウント接点21は、撮像装置本体1と撮像レンズユニットとの間で制御信号、状態信号、データ信号等の通信を可能とすると共に、撮像レンズユニット側に撮像装置本体1から電力を供給する。
なお、マウント接点21は、電気通信のみならず、光通信、音声通信等が可能なように構成してもよい。撮像装置本体1のマウント部2の隣には、撮像レンズユニットを撮像装置本体1から取り外す際に押し込むことで、撮像レンズユニットを撮像装置本体1に固定するためのロックを解除するレンズロック解除ボタン4が配置されている。
撮像装置本体1内には、撮像レンズを通過した撮像光束が導かれるミラーボックス5が設けられており、ミラーボックス5内にメインミラー6(クイックリターンミラー)が配設されている。メインミラー6は、撮像光束をペンタダハミラーの方向へ導くために撮像光軸に対して45°の角度に保持される状態と、撮像素子の方向へ導くために撮像光束から退避した位置に保持される状態とを取り得る。なお、ペンタダハミラー、撮像素子の詳細については後述する。
撮像装置本体上部のグリップ部1a側には、レリーズボタン7、メイン操作ダイヤル8、動作モード設定ボタン10が配置されている。レリーズボタン7は、撮像開始の起動スイッチである。メイン操作ダイヤル8は、撮像時の動作モードに応じてユーザがシャッタースピードやレンズ絞り値を設定するためのダイアルである。動作モード設定ボタン10は、ユーザが撮像系の動作モードを設定するためのボタンである。これら操作部材の操作結果の一部は、LCD表示パネル9に表示される。
レリーズボタン7は、第1ストローク(半押し状態)で第1スイッチ7aがONし、第2ストローク(全押し状態)で第2スイッチ7bがONする構成となっている(第1スイッチ7a、第2スイッチ7bは図3を参照)。また、動作モード設定ボタン10は、レリーズボタン7の1回の押し込み状態が続いた時に連写になるか1コマのみの撮像となるかの動作モード設定や、セルフ撮像モードの設定等を行うためのボタンである。この動作モード設定ボタン10の設定状況はLCD表示パネル9に表示される。
撮像装置本体上部の中央には、撮像装置本体1に対してホップアップするストロボユニット11と、外部フラッシュを取り付けるためのシュー溝12及びフラッシュ接点13とが設けられている。撮像装置本体上部の右寄りには、ユーザが撮像モードを設定するための撮像モード設定ダイヤル14が配置されている。
撮像装置本体1のグリップ部1aに対して反対側の側面には、開閉可能な外部端子蓋15が設けられている。外部端子蓋15を開けた内部には、外部インタフェースとしてビデオ信号出力用ジャック16及びUSB出力用コネクタ17が納められている。
図2に示すように、撮像装置本体1の背面の上方には、ファインダ接眼窓18が設けられている。また、撮像装置本体1の背面の中央付近には、画像表示可能なカラー液晶モニタ19が設けられている。
カラー液晶モニタ19の隣にはサブ操作ダイヤル20が配置されている。サブ操作ダイヤル20は、メイン操作ダイヤル8の機能の補助的役割を担うものであり、ユーザがその補助的役割に関する設定を行うためのダイアルである。例えば、サブ操作ダイヤル20は、撮像装置のAEモードでは、自動露出により算出された適正露出値に対する露出補正量を設定するために使用される。
また、シャッタスピード及びレンズ絞り値の各々をユーザが設定するマニュアルモードでは、メイン操作ダイヤル8でシャッタスピードを設定し、サブ操作ダイヤル20でレンズ絞り値を設定するように使用される。また、サブ操作ダイヤル20は、カラー液晶モニタ19に表示する撮像済み画像を選択する際にも使用される。
さらに、撮像装置本体1の背面には、撮像装置の動作を起動若しくは停止させるためのメインスイッチ43と、クリーニングモードを動作させるためのクリーニング指示操作部材44とが配置されている。クリーニング指示操作部材44は、光学ローパスフィルタ410(詳細は後述する)の表面に付着した塵埃などの異物をふるい落として除去するクリーニングモードを動作させる指示をユーザが行うためのものである。
なお、クリーニングモードは、クリーニング指示操作部材44を用いて任意に動作させてもよいし、メインスイッチ43をONした際、OFFした際、或いはその両方のタイミングで自動で動作させてもよい。
図3は、本実施形態に係る撮像装置の主要な電気的構成を示すブロック図である。なお、図1、図2と共通する部分には同一の符号を付す。図3に示すように、撮像装置本体1はマイクロコンピュータからなる中央処理装置(以下、「MPU」と称する)MPU100を内蔵する。
MPU100は、撮像装置の動作制御を司るものであり、各要素に対して様々な処理や指示を実行する。MPU100は、EEPROM100a(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)を内蔵している。EEPROM100aは、時刻計測回路109の計時情報やその他の情報を記憶する。
MPU100には、ミラー駆動回路101、焦点検出回路102、シャッタ駆動回路103、映像信号処理回路104、スイッチセンス回路105、測光回路106が接続されている。また、MPU100には、LCD駆動回路107、バッテリチェック回路108、時刻計測回路109、電力供給回路110、圧電素子駆動回路111が接続されている。これらの回路は、MPU100の制御により動作するものである。
MPU100は、撮像レンズユニット200a内のレンズ制御回路201とマウント接点21を介して通信する。レンズ制御回路201は、撮像レンズユニット200aが接続されるとマウント接点21を介してMPU100へ信号を送信する機能を有する。これにより、レンズ制御回路201は、MPU100との間で通信を行い、AF駆動回路202及び絞り駆動回路203を介して撮像レンズユニット200a内の撮像レンズ200及び絞り204の駆動を行う。なお、便宜上、図3では1枚の撮像レンズ200のみを例示しているが、実際は多数のレンズ群によって撮像レンズユニット200aは構成される。
AF駆動回路202は、例えばステッピングモータによって構成され、レンズ制御回路201の制御により撮像レンズ200内のフォーカスレンズの位置を変化させ、撮像素子33に撮像光束の焦点を合わせるように調整する。絞り駆動回路203は、例えばオートアイリス等によって構成され、レンズ制御回路201の制御により絞り204を変化させ、光学的な絞り値を得る。
メインミラー6は、図3に示す撮像光軸に対して45°の角度に保持された状態で、撮像レンズ200を通過する撮像光束をペンタダハミラー22へ導くと共に、その一部を透過させてサブミラー30へ導く。サブミラー30は、メインミラー6を透過した撮像光束を焦点検出センサーユニット31へ導く。
ミラー駆動回路101は、例えばDCモータとギヤトレイン等によって構成され、メインミラー6を、ファインダにより被写体像を観測可能とする位置と、撮像光束から退避する位置とのいずれかへ移動させる。メインミラー6が移動すると、同時にサブミラー30も、焦点検出センサーユニット31へ撮像光束を導く位置と、撮像光束から退避する位置とのいずれかに移動する。具体的には、ミラー駆動回路101は、撮像素子33での撮像を行う時にはメインミラー6とサブミラー30とを退避させ、撮像レンズユニット200aからの撮像光束が撮像素子33に届くようにする。
焦点検出センサーユニット31は、結像面近傍に配置されたフィールドレンズ、反射ミラー、2次結像レンズ、絞り、複数のCCDからなるラインセンサー等によって構成され(いずれも図示しない)、位相差方式の焦点検出を行う。焦点検出センサーユニット31から出力される信号は、焦点検出回路102へ供給され、被写体像信号に換算された後、MPU100へ送信される。
MPU100は、被写体像信号に基づいて位相差検出法による焦点検出演算を行う。この焦点検出演算により、MPU100は、デフォーカス量及びデフォーカス方向を求め、レンズ制御回路201及びAF駆動回路202を介して撮像レンズ200内のフォーカスレンズを合焦位置まで移動させる。
ペンタダハミラー22は、メインミラー6により反射された撮像光束を反射により正立正像に変換する。ユーザは、撮像レンズ200、メインミラー6、ペンタダハミラー22によるファインダ光学系を介してファインダ接眼窓18から被写体像を観測することができる。
ペンタダハミラー22は、撮像光束の一部を光電変換素子等の測光センサ23へも導く。測光回路106は、測光センサ23の出力を得て、観測面上の各エリアの輝度信号に変換し、MPU100に出力する。MPU100は、輝度信号に基づいて露出値を算出する。
シャッタユニット32(機械フォーカルプレーンシャッタ)は、ユーザがファインダにより被写体像を観測している時にはシャッタ先幕(図示しない)が遮光位置にあると共に、シャッタ後幕(図示しない)が露光位置にある。次いで、撮像時には、シャッタ先幕が遮光位置から露光位置へ移動する露光走行を行って被写体からの光を通過させ、撮像素子33を露光させる。
所望のシャッタ秒時の経過後、シャッタ後幕が露光位置から遮光位置へ移動する遮光走行を行って撮像を完了する。シャッタユニット32は、MPU100の指令を受けたシャッタ駆動回路103により、上述したシャッタ先幕、シャッタ後幕の走行が制御される。
撮像ユニット400は、光学ローパスフィルタ410、圧電部材である圧電素子430、撮像素子33が後述する他の部品と共にユニット化されたものである。撮像素子33は、被写体像を光電変換するものであり、本実施形態ではCMOSイメージセンサが用いられる。
詳細は後述するが、撮像素子33には撮像機能以外に位相差検出機能が付与されている。この撮像素子上の位相差検出機能は、ライブビュー撮像モード時において主に使用するため、通常撮像モード時において主として使用する焦点検出センサーユニット31とは使用条件が異なる。なお、撮像素子33は、本実施形態でのCMOSイメージセンサ以外にも、CCD型、CMOS型及びCID型等の様々な形態があり、いずれの形態の撮像デバイスを採用してもよい。
撮像素子33の前方に配置された光学ローパスフィルタ410は、水晶からなる1枚の複屈折板であり、その形状は矩形状である。光学ローパスフィルタ410は、撮像光学系から撮像素子33の撮像面に至る光を透過するとともに、撮像素子33の撮像面を覆うことでその撮像面への塵埃の付着を防止する光学部材である。圧電素子430は、単板の圧電素子(ピエゾ素子)であり、MPU100の指示を受けた圧電素子駆動回路111による駆動電圧に応じて振動し、その振動を光学ローパスフィルタ410に伝えるように構成されている。
クランプ/CDS回路34は、A/D変換する前の基本的なアナログ処理を行うものであり、CDS(相関二重サンプリング)やクランプレベルを変更することも可能である。AGC35(自動利得調整)は、A/D変換する前の基本的なアナログ処理を行うものであり、AGC基本レベルを変更することも可能である。A/D変換器36は、撮像素子33のアナログ出力信号をデジタル信号に変換する。
映像信号処理回路104は、デジタル化された画像データに対してガンマ/ニー処理、フィルタ処理、モニタ表示用の情報合成処理等、ハードウエアによる画像処理全般を実行する。この映像信号処理回路104からのモニタ表示用の画像データは、測距回路112を介してカラー液晶モニタ19に表示される。
また、映像信号処理回路104は、MPU100の指示に従って、メモリコントローラ38を通じてバッファメモリ37に画像データを保存することもできる。さらに、映像信号処理回路104は、JPEG(Joint Photographic Experts Group)等の画像データ圧縮処理を行うこともできる。連写撮像等、連続して撮像が行われた場合は、一旦バッファメモリ37に画像データを格納し、メモリコントローラ38を通して未処理の画像データを順次読み出すこともできる。これにより、映像信号処理回路104は、A/D変換器36から入力されてくる画像データの転送速度に関わらず、画像処理や圧縮処理を順次行うことができる。
メモリコントローラ38は、外部インタフェース40から入力される画像データをメモリ39に記憶し、メモリ39に記憶されている画像データを外部インタフェース40から出力する機能を有する。また、メモリコントローラ38は、映像信号処理回路104による画像処理後の画像データをメモリ39に記憶し、メモリ39に記憶されている画像データをカラー液晶モニタ19に表示するために映像信号処理回路104へ出力する機能を有してもよい。なお、外部インタフェース40は、図1におけるビデオ信号出力用ジャック16及びUSB出力用コネクタ17が相当する。メモリ39としては、撮像装置本体1に着脱可能なフラッシュメモリ等が用いられる。
スイッチセンス回路105は、各スイッチの操作状態に応じて入力信号をMPU100に送信する。第1スイッチ7aは、レリーズボタン7の第1ストローク(半押し)によりONする。第2スイッチ7bは、レリーズボタン7の第2ストローク(全押し)によりONする。第2スイッチ7bがONされると、撮像開始の指示がMPU100に送信される。
また、スイッチセンス回路105は、メイン操作ダイヤル8、サブ操作ダイヤル20、撮像モード設定ダイヤル14、メインスイッチ43、クリーニング指示操作部材44が接続されており、各々の入力信号をMPU100に送信する。例えば、MPU100は、ユーザが撮像モード設定ダイヤル14等で所定の操作を行ってライブビュー撮像モードを選択した際に次のとおりに動作する。MPU100は、シャッタ先幕および後幕ともに露光位置にあるバルブ状態において、撮像素子33から逐次得られた画像データをカラー液晶モニタ19にリアルタイムに表示させる。
LCD駆動回路107は、MPU100の指示に従って、LCD表示パネル9やファインダ内液晶表示装置41を駆動する。バッテリチェック回路108は、MPU100の指示に従って、電源42のバッテリチェックを行い、その結果をMPU100に送信する。電力供給回路110は、MPU100の指示に従って、電源42が各要素に供給する電力量を調整する。電源42は、商用電源、一次電池又は二次電池などであり、撮像装置の各要素に対して電源を供給する。
時刻計測回路109は、RTC(Real Time Clock)機能を実現する回路である。時刻計測回路109は、メインスイッチ43がOFFされて次にONされるまでの時間や時刻を計時し、MPU100からの指示に従って計測結果をMPU100に送信する。なお、時刻計測回路109は、電源42とは別に内部電源を保持し、電源42から通電がない状態であっても計時可能であってよい。
測距回路112は、ライブビュー撮像モード時において主として使用する、撮像素子33上に配置した位相差方式による焦点検出センサである(詳細は後述する)。MPU100は、測距回路112を駆動するとともに、測距回路112の被写体像信号から被写体のデフォーカスを演算する。MPU100は、この演算結果に基づいて、レンズ制御回路201及びAF駆動回路202を介して撮像レンズ200内のフォーカスレンズを合焦位置まで移動させる。
<塵埃除去構造>
次に、図4、図5を参照して、光学ローパスフィルタ410を加振する塵埃除去構造について説明する。図4は、撮像ユニット400まわりの保持構造を示すための撮像装置本体1内部の概略構成を示す分解斜視図である。図5は、撮像ユニット400の構成を示す分解斜視図である。
図4に示すように、撮像装置本体1の骨格となる本体シャーシ300の被写体側には、被写体側から順に、ミラーボックス5、シャッタユニット32が配設される。また、本体シャーシ300の被写体側とは逆のユーザ側には撮像ユニット400が配設される。撮像ユニット400は、撮像レンズユニット200aが取り付けられる基準となるマウント部2の取付面に撮像素子33の撮像面が所定の距離を空けて且つ並行になるように調整されて固定される。
図5に示すように、光学ローパスフィルタ410は、水晶からなる1枚の複屈折板であり、その形状は矩形状である。この光学ローパスフィルタ410が被振動部材であり、撮像素子33の前方に配設された光学部材に相当する。光学ローパスフィルタ410は、撮影有効領域410aの一測方に圧電素子430を配置する周縁部410bを有しており、撮像光軸中心に対して直交する方向(カメラ左右方向)に非対称である。
このように、撮影有効領域410aと周縁部410bとが重ならないように設定することで、被写体像の有効光束に圧電素子430が進入しないように担保されている。また、光学ローパスフィルタ410の表面には、導電性を持たせるための導電コーティングと、反射防止膜などの光学的なコーティングが施されている。
圧電素子430は、複数の電極が一体的に形成されており、短冊状の外形を有する。この圧電素子430は、光学ローパスフィルタ410の周縁部410bにおいて、圧電素子430の長辺が光学ローパスフィルタ410の短辺(測辺)に並行となるように接着される。すなわち、圧電素子430は、光学ローパスフィルタ410の四辺のうちの一辺近傍において、その辺に対して平行に接着される。
このように圧電素子430と光学ローパスフィルタ410とが接着されることで、圧電素子駆動回路111による駆動電圧に応じた振動モードでの圧電素子430の振動が光学ローパスフィルタ410に伝えられる。この圧電素子430から伝えられた振動により、光学ローパスフィルタ410では定常波振動が発生する。なお、光学ローパスフィルタ410の定常波振動の詳細については後述する。
光学ローパスフィルタ保持部材420は、光学ローパスフィルタ410を保持する樹脂製又は金属製の部材であり、保持部材510にビス固定される。フレキシブルプリント基板470は、圧電素子430の各電極に接続され、圧電素子430に電圧を印加させる。付勢部材440は、光学ローパスフィルタ410の撮影有効領域410a外の4箇所において当接して光学ローパスフィルタ410を撮像素子33方向に付勢し、光学ローパスフィルタ保持部材420に係止される。
付勢部材440は、接地(0[V])されており、付勢部材440と接する光学ローパスフィルタ410の表面(導電コーティングおよび光学的なコーティングが施された面)を接地(0[V])させる。したがって、光学ローパスフィルタ410の表面への塵埃の静電気的な付着を抑制することができる。
弾性部材450は、断面が略円形の枠状であり、光学ローパスフィルタ410と光学ローパスフィルタ保持部材420とで挟まれて密着保持される。この密着力は、付勢部材440の撮像素子33方向への付勢力によって決定される。なお、弾性部材450は、ゴムでもよいし、弾性体であればポロンやプラスチック等の高分子重合体を用いてもよい。
光学部材460は、水晶から成る位相板(偏光解消板)と、赤外線カットフィルタと、光学ローパスフィルタ410に対して複屈折方向が90°異なる複屈折板とを貼り合わせたものであり、光学ローパスフィルタ保持部材420に接着固定される。
保持部材510は、撮像素子33を保持するための板状の部材で矩形の開口部を有し、その開口部には撮像素子33を露出させるように撮像素子33が固着する。保持部材510の周囲には、ミラーボックス5に例えば3箇所でビス固定するための固定部が設けられている。
マスク520は、光学ローパスフィルタ保持部材420と撮像素子33とで挟まれて密着保持され、撮像素子33に撮像光路外からの余分な光が入射することを防止する。付勢部材530は、左右一対の板バネ状の部材であり、保持部材510にビス固定され、撮像素子33を保持部材510に押しつける。
上述した構成により、光学ローパスフィルタ410は、付勢部材440と弾性部材450とに挟まれて振動自在に支持される。
<圧電素子の電極配置>
図6(a)、図6(b)は、圧電素子430の詳細を説明するための図である。図6(a)は、圧電素子430の表面(第一面側、ここではF面とする)と、裏面(第二面側、ここではB面とする)と、側面を示す図である。図6(b)は、圧電素子430をF面側から見た場合の斜視図である。
図6(a)、図6(b)に示すように、圧電素子430は、1枚のピエゾ素子である圧電部材430aと、この上に設けられた2つの電極である電極AF、電極ABから構成される。電極AFと電極ABは、圧電部材430aを挟んで対向して配置された、光学ローパスフィルタ410に定常波振動を励起させるための駆動電極(第1駆動電極、第2駆動電極)である。各電極は独立してフレキシブルプリント基板470に接続される。そして、フレキシブルプリント基板470の配線を介して、電極AFと電極ABとは圧電素子駆動回路111に接続される。
このように構成された圧電素子430は、前述した光学ローパスフィルタ410の周縁部410bにおいて、B面若しくはF面が接着されて固定される。圧電素子430が光学ローパスフィルタ410に接着される領域、つまり光学ローパスフィルタ410の周縁部410bの中の接着に用いる領域においては、光学ローパスフィルタ410と圧電素子430とが直接接着されることが望ましい。つまり、周縁部410bの中の接着に用いる領域では、導電コーティングや光学的なコーティングを施さないことが望ましい。これは、圧電素子430の駆動力をロスしないようにするためである。
制御手段である圧電素子駆動回路111が、これらの電極に交互に電圧を印加して所定の振動数の振動モードで圧電部材430aを振動させることで、矢印Y方向と平行な節と腹とを複数有する定常波振動を光学ローパスフィルタ410に発生させる。同様に、制御手段である圧電素子駆動回路111が、所定の振動数の振動モードで圧電部材430aを振動させることで、矢印X方向と平行な節と腹を複数有する定在波振動を光学ローパスフィルタ410に発生させる。
<振動の説明>
次に、図7を参照して、光学ローパスフィルタ410の塵埃を除去する動作としての振動の様子について説明する。図7は、撮像ユニット400のうち光学ローパスフィルタ410及びこれに接着されて一体的に設けられた圧電素子430のみを取り出して示した正面及び側面を示す図である。図7では、圧電素子430に駆動電圧を印加した際の光学ローパスフィルタ410及び圧電素子430の振動形状を表している。
図7は、垂直方向(光学ローパスフィルタ410の長辺方向に直交する縦方向)に振動の波面が発生した様子を表す図である。
圧電素子430は、フレキシブルプリント基板470を通じて電極AFに正の電圧を印加し、電極ABをグランド(0[V])とする状態と、電極ABに正の電圧を印加し電極AFをグランド(0[V])とする状態とが交互に周期的に切り替えられる。この切り替えにより、圧電素子430は、周期的な収縮運動を行う。この周期を光学ローパスフィルタ410の固有モードの共振周波数と一致させることで、光学ローパスフィルタ410を定常波振動で共振させることができる。
上述した振動は、図7の側面に示すように、実線の状態と破線の状態を交互に繰り返す振動である。共振させるメリットは、小さな印加電圧でも大きな振幅を得られ効率が良い点である。
また、光学ローパスフィルタ410の共振周波数は複数存在し、各々の共振周波数で周期的に圧電素子430に電圧を印加すると各々異なる次数の振動モードで定常波振動させることができる。図7では、縦方向に腹が8つ生じる8次振動モードを示している。光学ローパスフィルタ410では、圧電素子430を振動させる共振周波数を切り替えることで、図7に示すような定常波振動、が生じる。
図7に示すように、定常波振動では、振動の節位置(d1、d2、…、)と腹位置とが交互に生じる。振動の節位置とは振幅がほぼ零となる位置であり、振動の腹位置とは隣り合う節位置間において振幅が最大となる位置である。なお、図7の正面に記載の点線は、振動の節位置を表している。
光学ローパスフィルタ410の表面に付着した塵埃などの異物を、圧電素子430の振動によりふるい落とすに際し、以下の2つの場合が挙げられる。先ず、1つは、塵埃を撮影有効領域410aにおいて除去する場合である。これを以後、「通常クリーニングモード」と定義する。
光学ローパスフィルタ410の表面に付着した塵埃を除去するには、塵埃の付着力以上の力が発生するような加速度を塵埃に加えなければならない。ところが、振動の節位置では振幅がほぼ零であることから発生する加速度もほぼ零であり、付着力に抗して塵埃をふるい落とすことができない。そのため、1つの振動モードだけで光学ローパスフィルタ410を振動させると、振動の節位置上に塵埃が残ってしまう。したがって、通常クリーニングモードでは、所定の振動モードで光学ローパスフィルタ410を振動させた後、それとは別の振動モードで光学ローパスフィルタ410を振動させるように圧電素子430を制御する。
このように圧電素子430を制御することで、最初の振動モードで節位置上に残った塵埃を、その後の別の振動モードで除去することができる。この場合に、所定の振動モードでの節位置と、それとは別の振動モードでの節位置とが重なってしまうと、その重なった節位置の塵埃が除去できない。したがって、2つの振動モードについては、互いの節位置が重ならないような組み合わせの振動モードを選択する必要がある。一般的には、偶数次と奇数次の振動モードを組み合わせる。なお、振動モードの組み合わせは2つ以上であればいくつ組み合わせてもよい。
もう1つは、詳しくは後述するが、撮像素子33上の焦点検出用画素に影響を及ぼす塵埃を主として除去する場合である。これを以後、「AFクリーニングモード」と定義する。このAFクリーニングモードでは、使用する振動モードは特定の1つのみでよい。したがって、AFクリーニングモードでは、複数の振動モードを使用し塵埃を除去する通常クリーニングモードと比較し、除去しなければならない特定の塵埃を、短時間で且つ消費電力を抑えながら除去することができる。
なお、AFクリーニングモードには、横方向に並ぶ焦点検出用画素に影響する塵埃を除去する横目に関するクリーニングモードと、縦方向に並ぶ焦点検出用画素に影響する塵埃を除去する縦目に関するクリーニングモードがある。横目に関するクリーニングモードでは、水平方向の焦点検出用画素に対応した光学ローパスフィルタ410の位置で定常波の節位置とならないように、図7に示すような定常波振動を光学ローパスフィルタ410に生じさせて塵埃を除去する。同様に、縦目に関するクリーニングモードでは、垂直方向の焦点検出用画素に対応した光学ローパスフィルタ410の位置で定常波の節位置とならないように、図7に示すような定常波振動を光学ローパスフィルタ410に生じさせて塵埃を除去する。
なお、光学ローパスフィルタ410の共振周波数については、光学ローパスフィルタ410の形状、板厚、材質等により異なるが、不快な音の発生を抑えるべく、可聴領域外となるような共振周波数を選択することが好ましい。
また、本実施形態において、撮像素子33の撮像面を塵埃から保護するための光学部材は、光学ローパスフィルタ410に限定されるものではない。例えば、本実施形態では、水晶複屈折板に定常波振動を励起する構成としたが、複屈折板の材質は、水晶ではなくニオブ酸リチウム等の他の材質を用いてもよい。また、複屈折板と位相板と赤外吸収フィルタの貼り合わせによって構成される光学ローパスフィルタや、赤外吸収フィルタ単体に定在波振動を励起する構成にしても良い。また、複屈折板の前に配置したガラス板単体に定在波振動を励起する構成にしても良い。
<焦点検出用画素の構成>
図8〜図10は、撮像素子33における撮像用画素と焦点検出用画素の構造を説明する図である。本実施形態では、2行×2列の4画素のうち、対角2画素にG(緑色)の分光感度を有する画素を配置し、他の2画素にR(赤色)とB(青色)の分光感度を有する画素を各1個配置したベイヤー配列が採用されている。このベイヤー配列の間に、後述する構成の複数対の焦点検出用画素が、所定の規則にて分散して配置される。
図8(a)、(b)では、撮像用画素の配置と構成を表している。図8(a)は、2行×2列の撮像用画素の平面図である。図8(a)に示すように、ベイヤー配列では対角方向にG画素が、他の2画素にRとBの画素が配置される。そして、撮像素子33上では、上述した2行×2列の構造が繰り返し配置される。
図8(a)におけるA−A断面図を図8(b)に示す。図8(b)に示すように、オンチップマイクロレンズMLは、各画素の最前面に配置される。カラーフィルタCFRはR(赤)色のフィルタであり、カラーフィルタCFGはG(緑)色のフィルタである。光電変換素子PDは、撮像素子33におけるフォトダイオードを模式的に示したものである。配線層CLは、CMOSイメージセンサである撮像素子33内の各種信号を伝達する信号線を形成するためのCL(Contact Layer)である。撮像光学系TLは、撮像レンズユニット200aのTL(Taking Lens)を模式的に示したものである。
ここで、撮像用画素のオンチップマイクロレンズMLと光電変換素子PDは、撮像光学系TLを通過した光束を可能な限り有効に取り込むように構成されている。換言すると、撮像光学系TLの射出瞳EP(Exit Pupil)と光電変換素子PDはオンチップマイクロレンズMLにより共役関係にあり、且つ光電変換素子PDの有効面積は大面積に設計される。
なお、図8(b)ではR画素の入射光束を例示しているが、G画素及びB(青)色の画素も同一の構成となっている。したがって、撮像用のRGB各画素に対応した射出瞳EPは大径となり、被写体からの光束を効率よく取り込んで画像信号のS/Nを向上させている。
図9(a)、図9(b)は、撮像光学系の水平方向(横方向)に瞳分割を行う焦点検出用画素の配置と構成を表している。ここで、水平方向(横方向)とは、撮像光学系の光軸と撮像画面の長辺とが地面に平行となるように撮像装置を構えたとき、この光軸に直交し、且つ水平方向に伸びる直線に沿った方向をいう。
図9(a)は、焦点検出用画素を含む2行×2列の画素の平面図である。記録又は鑑賞のための画像信号を撮像素子33から得る場合は、G画素で輝度情報の主成分を取得する。人間の画像認識特性は輝度情報に敏感である。したがって、G画素が欠損すると画質劣化が認知され易くなる。
一方、R画素又はB画素は、色情報(色差情報)を取得する画素である。人間の視覚特性は色情報には鈍感であるため、色情報を取得する画素に多少の欠損が生じても画質劣化は認識され難い。
そこで、本実施形態では、2行×2列の画素の一部において、図9(a)に示すように、G画素を撮像用画素として残し、R画素とB画素を焦点検出用画素SHA、SHBに置き換える。
図9(a)におけるA−A断面図を図9(b)に示す。図9(b)に示すように、焦点検出用画素におけるオンチップマイクロレンズMLと、光電変換素子PDは、図8(b)に例示した撮像用画素と同一構造である。本実施形態において、焦点検出用画素の信号は画像生成には用いない。したがって、焦点検出用画素では、色分離用カラーフィルタの代わりに、透明膜CFW(白色)が配置される。
また、焦点検出用画素では、撮像素子33で瞳分割を行うため、配線層CLの開口部がオンチップマイクロレンズMLの中心線に対して一の方向(図9(a)、図9(b)に示す焦点検出用画素では水平方向)に偏倚している。
具体的には、焦点検出用画素SHAは、開口部OPHAが水平方向の右側に偏倚しているため、撮像光学系TLの左側の射出瞳EPHAを通過した光束を受光する。同様に、焦点検出用画素SHBは、開口部OPHBが水平方向に左側に偏倚しているため、撮像光学系TLの右側の射出瞳EPHBを通過した光束を受光する。
撮像素子33では、焦点検出用画素SHAを水平方向に規則的に複数配置し、この焦点検出用画素SHAと対となる焦点検出用画素SHBも水平方向に規則的に複数配置する。すなわち、水平方向の焦点ずれを検出するための焦点検出用画素対(第1の焦点検出用画素対)が撮像面に複数配置されている。
撮像装置は、撮像素子33の焦点検出用画素SHAの画素群で取得した被写体像をA像、焦点検出用画素SHBの画素群で取得した被写体像をB像とし、A像とB像との相対位置(位相差)を検出する。この位相差検出により、撮像装置では、撮像素子33における被写体像の焦点ずれ量(デフォーカス量)が検出できる。
なお、上述した焦点検出用画素SHA、SHBでは、撮像画面の横方向に輝度分布を有した被写体、例えば縦線に対しては焦点検出が可能であるが、縦方向に輝度分布を有する横線等は焦点検出が不可能である。そこで、本実施形態では、後者についても焦点検出が可能となるように、水平方向とは異なる縦方向(撮像光学系の垂直方向)にも瞳分割を行う焦点検出用画素対(第2の焦点検出用画素対)を備える構成であってよい。
図10(a)、図10(b)は、撮像光学系の垂直方向(上下方向又は縦方向)に瞳分割を行う焦点検出用画素の配置と構成を表している。ここで、垂直方向(上下方向又は縦方向)とは、撮像光学系の光軸と撮像画面の長辺とが地面に平行となるように撮像装置を構えたとき、この光軸に直交し、且つ鉛直方向に伸びる直線に沿った方向をいう。
図10(a)は、焦点検出用画素を含む2行×2列の画素の平面図である。図9(a)と同様、2行×2列の画素の一部では、図10(a)に示すように、G画素を撮像用画素として残し、R画素とB画素を焦点検出用画素SVC、SVDに置き換えている。
図10(a)におけるA−A断面図を図10(b)に示す。図9(b)に示す焦点検出用画素が横方向に瞳分割する構造であるのに対して、図10(b)に示す焦点検出用画素は、瞳分割方向が縦方向になっているが、その他の構造は横方向の場合と同様である。
図10(b)に示すように、焦点検出用画素SVCは、開口部OPVCが下側に偏倚しているため、撮像光学系TLの上側の射出瞳EPVCを通過した光束を受光する。同様に、焦点検出用画素SVDは、開口部OPVDが上側に偏倚しているため、撮像光学系TLの下側の射出瞳EPVDを通過した光束を受光する。
撮像素子33では、焦点検出用画素SVCを垂直方向に規則的に複数配置し、この焦点検出用画素SVCと対となる焦点検出用画素SHBも垂直方向に規則的に複数配置する。撮像装置は、撮像素子33の焦点検出用画素SVCの画素群で取得した被写体像をC像、焦点検出用画素SVDの画素群で取得した被写体像をD像とし、C像とD像との相対位置(位相差)を検出する。この位相差検出により、撮像装置では、撮像素子33における被写体像のピントずれ量(デフォーカス量)が検出できる。
<焦点検出用画素の配置>
図11、図12は、図8〜図10に示した撮像用画素及び焦点検出用画素の配置を説明する図である。図11は、撮像用画素の間に焦点検出用画素を分散して配置する際の、最小単位の配置規則を説明するための図である。
図11に示すように、撮像素子では、撮像用画素の間に焦点検出用画素を離散的に分散して配置する。図11において、10行×10列=100画素の正方形領域を1つのブロックと定義する。
左上のブロックBLKh(1,1)では、一番左下のR画素とB画素を水平方向(第1の方向)に瞳分割を行う1組の焦点検出用画素(第1の焦点検出部)SHA、SHBで置き換える。その右隣りのブロックBLKv(1,2)では、同じく一番左下のR画素とB画素を、垂直方向(第2の方向)に瞳分割を行う1組の焦点検出用画素(第2の焦点検出部)SVC、SVDで置き換える。
また、最初のブロックBLKh(1,1)の下に隣接したブロックBLKv(2,1)の画素配列は、ブロックBLKv(1,2)と同一とする。また、ブロックBLKv(2,1)の右隣りのブロックBLKh(2,2)の画素配列は、先頭のブロックBLKh(1,1)と同一とする。
この配置規則を一般化すると、ブロックBLK(i,j)は、i+jが偶数であれば水平方向に瞳分割する焦点検出用画素を配置するブロックBLKh(i,j)ということになる。同様に、ブロックBLK(i,j)は、i+jが奇数であれば垂直瞳分割用の焦点検出画素を配置するブロックBLKv(i,j)ということになる。
すなわち、図11の2×2=4ブロックが上述した配置規則の最小単位である。以下では、この4ブロック(20行×20列=400画素)の領域を、ブロックの上位の配列単位としてクラスタと定義する。
図12は、上記のクラスタを単位とした配置規則を説明するための図である。図12において、20行×20列=400画素で構成された一番左上のクラスタをCST(u,w)=CST(1,1)とする。本実施形態では、全てのクラスタCST(u,w)は、先頭のクラスタCST(1,1)と同様の配列となっている。
そこで、撮像素子では、水平方向にCST(1,1)、CST(1,2)…、垂直方向にCST(1,1)、CST(2,1)…と、撮像領域の全面に亘ってクラスタを配列する。このようにクラスタを配列することで、撮像領域全面に亘り焦点検出用画素を均一に分布させることができる。
次に、図13(a)、図13(b)を参照して、焦点検出の際の画素グループについて説明する。撮像光学系によって形成された被写体像の横ずれ方向(水平方向)の焦点検出を行う際には、図13(a)に示すように、本実施形態では、縦方向に1ブロック、横方向に30ブロックで1つの焦点検出領域(ラインセンサ)を構成する。
この1つの焦点検出領域内には、横方向における一方の瞳分割を行う焦点検出用画素SHAが15個、他方の瞳分割を行う焦点検出用画素SHBが15個含まれている。それら焦点検出用画素SHAの画素群による画像信号を連結してできた位相差検出用のA像信号と、焦点検出用画素SHBの画素群による画像信号を連結してできた位相差検出用のB像信号との相対的な横ずれ量を公知の相関演算により演算する。この相関演算により、被写体の焦点ずれ量(デフォーカス量)を求めることができる。
一方、撮像光学系によって形成された被写体像の縦ずれ方向(垂直方向)の焦点検出を行う際には、図13(b)に示すように、本実施形態では横方向に1ブロック、縦方向に30ブロックで1つの焦点検出領域(ラインセンサー)を構成する。
この1つの焦点検出領域内には、縦方向における一方の瞳分割を行う焦点検出用画素SVCが15個、他方の瞳分割を行う焦点検出用画素SVDが15個含まれている。それら焦点検出用画素SVCの画素群による画像信号を連結してできた位相差検出用のC像信号と、焦点検出用画素SVDの画素群による画像信号を連結してできた位相差検出用のD像信号との相対的な縦ずれ量を公知の相関演算により演算する。この相関演算により、被写体の焦点ずれ量(デフォーカス量)を求めることができる。
そして、横ずれ及び縦ずれの焦点検出領域により検出した2つの焦点ずれ量を比較し、信頼性の高い値を採用すればよい。また、焦点検出領域を画面の任意位置に設定可能なので、撮像領域全域での焦点検出も可能である。
<AFクリーニングモードの説明>
図14は、焦点検出用画素に塵埃の影が映り込む様子を例示する図である。具体的には、図14は、図9(b)に例示した構成において、塵埃であるdustが付着した光学ローパスフィルタ410を追記した図である。
図14に示すように、光学ローパスフィルタ410上に塵埃が付着した際、その影が焦点検出用画素と重なることがある。言い換えると、一方の分割瞳からの光束を遮ってしまい、焦点検出用画素の受光量が本来得られるべき受光量と比較して小さくなることがある。このような場合、位相差検出用のA像信号とB像信号とにより導出されたデフォーカス量が塵埃がない場合の理想のデフォーカス量と異なってしまう(図18(b)参照)。
図15(a)〜図15(d)は、光学ローパスフィルタ410側から撮像素子33を見た図である。図15(a)〜図15(d)では、ある撮像領域の撮像用画素、焦点検出用画素及び光学ローパスフィルタ410上に付着した塵埃(図中の黒丸)の位置を模式的に表している。また、図15(a)は、塵埃を除去する前の状態を表しており、図15(b)〜図15(d)は、塵埃を除去した後の状態を表している。
図15(a)に示すように、塵埃を除去する前の状態では塵埃と焦点検出用画素とが重なっている部分も存在する。そこで、光学ローパスフィルタ410に定常波振動を発生させて焦点検出用画素と重なる塵埃を主として除去する。
図15(b)は、焦点検出用画素と重なる塵埃を除去した一例である。図中の点線は、光学ローパスフィルタの縦方向に振動の波面が発生する振動モードにおける定常波振動の節位置を表している。図15(b)に示すように、縦方向に振動の波面が発生する振動モードで光学ローパスフィルタを振動させた場合、塵埃は振動により生じる定常波の節位置にしか残らず、節位置以外の塵埃は除去される。
前述したように、定常波振動は、振動の節位置(振幅がほぼ零)と腹位置(振幅が最大)とがある。この定常波振動により、腹位置及びその直近に付着した塵埃は光学ローパスフィルタ上から除去され、腹位置近傍に付着した塵埃は節位置まで移動させられる。結果として、定常波振動の節位置にのみ塵埃が残ることとなる。
また、光学ローパスフィルタに発生する定常波は節位置と腹位置の発生位置がはっきり決まっており、圧電素子に入力する共振周波数を所定の値にすることで、任意の波長の振動を光学ローパスフィルタに発生させることができる。なお、隣り合う節と節(又は隣り合う腹と腹)との距離(以後、節ピッチと定義する)は半波長(λ/2)に相当する。
よって、節ピッチと、分散して複数配置された焦点検出用画素間のピッチ(ここでは、1ブロック=10画素に相当)とが同じで、且つ水平方向に隣接しない2つの焦点検出用画素間に節が発生する振動モードで光学ローパスフィルタを振動させる。少なくとも、焦点検出用画素上に節が発生しない振動モードで定常波振動を発生させ、焦点検出用画素の位置と定常波における節位置とが重複しなければ、焦点検出用画素と重なる塵埃を除去できる。
このように光学ローパスフィルタを振動させることで、焦点検出用画素と重なる塵埃を主として除去することができる。言い換えると、腹ピッチ(節ピッチに相当)と焦点検出用画素間のピッチが同じであり、且つ焦点検出用画素上に腹が発生する振動モードで定常波振動を発生させることで、焦点検出用画素と重なる塵埃を主として除去することができる。振幅が最大となる定常波の腹位置が焦点検出用画素と重なる場合は、より効率的に塵埃を除去できる。
なお、AFクリーニングモード時に使用する振動モードは特定の1つの振動モードだけでよい。すなわち、前述した通常クリーニングモードのように、複数の振動モードを使用して撮影有効領域410aにおいて塵埃を除去する場合とは異なる。これは、AFクリーニングモードは、焦点検出用画素と重なる塵埃を集中的に除去することが目的だからである。さらに、光学ローパスフィルタを振動させる時間は可能な限り短くすることが好ましく、また、振動させるために圧電素子430へ入力する電圧は可能な限り小さくすることが好ましい。
以上のように、通常クリーニングモードとAFクリーニングモードとを比較すると、AFクリーニングモードは、振動時間が1/2以下と短くなり、且つ消費電力も1/2以下に抑えながら焦点検出用画素と重なる塵埃を除去することができる。
なお、図15(b)を参照して説明した例では、全ての焦点検出用画素と重なる塵埃を除去する構成を例示したが、横方向の焦点ずれを検出するための焦点検出用画素と重なる塵埃のみを除去する振動モードであってもよい。具体的には、横方向の焦点ずれを検出するための焦点検出用画素上に節が発生しない振動モードで定常波振動を発生させればよく、その焦点検出用画素の位置と定常波における節位置とが重複しなければよい。
同様に、縦方向の焦点ずれを検出するための焦点検出用画素と重なる塵埃のみを除去する振動モードであってもよい。具体的には、縦方向の焦点ずれを検出するための焦点検出用画素上に節が発生しない振動モードで定常波振動を発生させればよく、その焦点検出用画素の位置と定常波における節位置とが重複しなければよい。
図15(c)、図15(d)を参照して、焦点検出用画素と重なる塵埃を除去する他の例を紹介する。図中の点線は、光学ローパスフィルタの縦方向に振動の波面が発生する振動モードにおける定常波振動の節位置を表している。
図15(c)に示すように、縦方向に振動の波面が発生する振動モードで光学ローパスフィルタを振動させた場合、塵埃は節位置上にしか残らず、節位置以外は除去される。なお、図15(b)と異なる点は節ピッチを変えたことである。
すなわち、図15(c)に示す例では、節ピッチは焦点検出用画素間のピッチ(ここでは、1ブロック=10画素に相当)の2倍で、且つ水平方向に隣接しない2つの焦点検出用画素間に節が発生する振動モードで光学ローパスフィルタを振動させる。
このように光学ローパスフィルタを振動させることで、焦点検出用画素と重なる塵埃を主として除去することができる。なお、図15(c)に示す例では、節ピッチは焦点検出用画素間のピッチの2倍であるが、3倍でもそれ以上でも構わない。つまり、共振周波数は、節ピッチが焦点検出用画素間のピッチの自然数倍(自然数n=1、2、3…)になるように決定すればよい。
図15(d)は、焦点検出領域RAより大きな幅(水平方向距離)の節ピッチで、且つ焦点検出領域RAの水平方向における外側に節が発生する振動モードで光学ローパスフィルタを振動させて塵埃を除去した後の状態を表す図である。焦点検出領域RAは、設定手段としてのMPU100の制御の下、複数ある測距エリア(多点AF)の中から自動選択、若しくは操作部(図示しない)を介したユーザによる任意選択で設定された領域である。焦点検出領域RAは、MPU100の制御の下で撮像レンズ200の焦点調整を行う際に、撮像素子33の撮像面において焦点検出が行われる領域である。すなわち、MPU100は、焦点検出領域RAに含まれる焦点検出用画素の出力に基づいて撮像レンズ200の焦点調整を行う。
この振動モードでの光学ローパスフィルタを振動させるには、選択された測距エリアに対応した焦点検出領域RAの幅(水平方向距離)や位置に合わせて、適切な共振周波数を決定すればよい。上述したように、設定された焦点検出領域RAに応じた振動モードで光学ローパスフィルタを振動させることで、焦点検出領域RAと重なる塵埃を主として除去することができる。
<AFクリーニングモードのフローチャート>
図16は、本実施形態に係る撮像装置で実行されるAFクリーニングモードのフローチャートである。なお、このAFクリーニングモードは、撮像素子33から逐次得られた画像データをカラー液晶モニタ19にリアルタイムに表示させるライブビュー撮像モードなどで実行される。
図16に示すように、S101において、MPU100は、ユーザが撮像モード設定ダイヤル14の操作を行うことにより、ライブビュー撮像モードを開始する。このライブビュー撮像モードが開始されることにより、撮像素子33から逐次得られた画像データがカラー液晶モニタ19にリアルタイムに表示される。
次いで、S102において、MPU100は、レリーズボタン7の第1スイッチ7aがONか否かを判定する。MPU100は、第1スイッチ7aがONの場合にS103へ処理を進める。
S103において、MPU100は、AFクリーニングモードを実行する。具体的には、MPU100は以下の処理を制御する。
AFクリーニングモードが実行されると、電力供給回路110がAFクリーニングモードに必要な電力を撮像装置本体1の各部へ供給する。また、これに平行して電源42の電池残量を検出して、その結果をMPU100へ送信する。MPU100は、電力供給回路110で検出された電池残量の結果を受け取ると、その電池残量がAFクリーニングモードの動作に十分である場合に、圧電素子駆動回路111に駆動信号を送る。
圧電素子駆動回路111は、MPU100より駆動信号を受け取ると、光学ローパスフィルタ410の定常波振動を励起する周期電圧を生成し、生成された周期電圧を圧電素子430に印加する。圧電素子430は、印加される周期電圧に応じて伸縮し、光学ローパスフィルタ410に定常波振動を発生させる。発生された定常波振動は、予め焦点検出用画素間のピッチや焦点検出領域大きさを考慮し、ある1つの振動モードに決定されている。このAFクリーニングモードが終了すると、MPU100は、処理をS104に進める。
なお、焦点検出用画素間のピッチや焦点検出領域大きさを考慮した振動モードの決定は、MPU100がEEPROM100aに予め記憶された撮像素子33に関する設定情報に基づいて行う。EEPROM100aには、撮像素子33の設計段階でのシミュレーション結果や、撮像素子33を撮像装置に組み合わせて試験を行った際の試験結果に基づいた振動モードに関する設定情報が予め記憶されている。この設定情報は、図15(b)、図15(c)などに例示した振動モードで光学ローパスフィルタ410を振動させるために圧電素子430に印加する周期電圧や、その周期電圧による振動モードでの波長、定常波の節位置などの情報である。MPU100は、この設定情報を参照して圧電素子駆動回路111を制御することで、図15(b)、図15(c)などに例示したとおりに光学ローパスフィルタ410を振動させることができる。
なお、図15(d)に例示した焦点検出領域RAが設定された場合は、EEPROM100aに記憶された設定情報を元にMPU100が演算して振動モードが決定されることとなる。具体的には、設定情報に含まれる波長及び定常波の節位置の情報を元に焦点検出領域RAに節位置が存在しない振動モードが演算される。
S104において、MPU100は、撮像素子33の焦点検出領域に含まれる焦点検出用画素の読み出しを行う。次いで、MPU100は、S105において、焦点検出領域に割り当てた複数のブロックに亘って、第1の焦点検出用画素からの出力信号を連結して第1の連結信号を得る。同様に、MPU100は、第2の焦点検出用画素からの出力信号を連結して第2の連結信号を得る。これら第1、第2の連結信号は、相関演算用の2像の信号(A像信号とB像信号、あるいはC像信号とD像信号)に対応する。
次いで、MPU100は、S106において、得られた2像の信号の相関演算を行い、2像の信号の相対的な位置ずれ量を演算する。次いで、MPU100は、S107において、S106の相関演算結果の信頼性を判定する。
ここで、信頼性とは、2像の信号の一致度(相関度合い)を指し、2像の信号の一致度が良い場合には、一般的に焦点検出結果の信頼性が高い。そこで、複数の焦点検出領域が選択されている場合は、信頼性の高い情報を焦点ずれ量の演算に優先的に使用するものとする。
次いで、MPU100は、S108において、上記の信頼性の高い相関演算結果から焦点ずれ量(デフォーカス量)を演算する。次いで、MPU100は、S109において、S108で演算した焦点ずれ量が許容値未満か否かを判定し、合焦状態であるか否かを判定する。
焦点ずれ量が許容値以上である場合は非合焦状態であると判定し、MPU100は、S110においてフォーカスレンズを駆動させ、その後S104へ処理を戻す。したがって、非合焦状態である場合はS104〜S109の処理が繰り返し実行されることとなる。
焦点ずれ量が許容値未満である場合は合焦状態であると判定し、MPU100は、S111に処理を進め、AF処理を終了してライブビュー撮像モードのメイン処理へ戻る。
以上のように、本実施形態では、通常の撮像有効領域上の塵埃除去(通常クリーニングモード)に比べて、短時間かつ消費電力を抑えながら、焦点検出用画素と重なる塵埃を集中的に除去すること(AFクリーニングモード)ができる。よって、ライブビュー撮像モード中に塵埃除去を行いつつAFを行っても短時間ですみ、かつ撮影枚数等に悪影響を及ぼさずに、塵埃の影による焦点検出精度低下を防ぐことができる。また、AFクリーニングモードを、焦点調整に関する焦点検出用画素の読み出しに先立って行うことで、焦点調整の精度を高めることができる。
<AFクリーニングモードのフローチャートの変形例>
図17は、本実施形態に係る撮像装置で実行されるAFクリーニングモードのフローチャートの変形例である。なお、以下の説明では、図16と同一の処理を行うステップについては同一の符号を付してその説明を省略する。
図17に示すように、S102に次いで、MPU100は、S103aにおいて、横目に関するAFクリーニングモードを実行する。具体的には、MPU100は、前述したS103と略同様の処理を行って、図7(a)に例示したような定常波振動を光学ローパスフィルタ410に生じさせる。このS103aにおける定常波振動により、横方向に並ぶ焦点検出用画素に影響する塵埃が除去されることとなる。
次いで、MPU100は、S104aにおいて、撮像素子33の焦点検出領域に含まれる横目に関する焦点検出用画素の読み出しを行う。この横目に関する焦点検出用画素の読み出しは、予めメモリに記憶されている焦点検出用画素の画素位置(アドレス)に基づいて行われる。
S107に次いで、MPU100は、S107aにおいて、相関演算結果における2像信号の一致度合い(相関度合い)が予め設定された閾値以上であり、信頼性が十分に高いか否かを判定する。S103aで横方向に並ぶ焦点検出用画素に影響する塵埃を除去したにも関わらず、S107aの判定結果が信頼性が十分高くない場合は、縦目に関する焦点検出用画素に塵埃の影響が生じているものとする。したがって、後述する縦目に関するAFクリーニングモード実行後は、S107aの処理が行われることなくS108へ進むものとする。
S107aの判定結果が信頼性が十分高くない場合、MPU100は、S103bにおいて、縦目に関するAFクリーニングモードを実行する。具体的には、MPU100は、前述したS103と略同様の処理を行って、図7に例示したような定常波振動を光学ローパスフィルタ410に生じさせる。このS103bにおける定常波振動により、縦方向に並ぶ焦点検出用画素に影響する塵埃が除去されることとなる。次いで、MPU100は、S104bにおいて、撮像素子33の焦点検出領域に含まれる縦目に関する焦点検出用画素の読み出しを横目の場合と同様にして行う。
以上のように、変形例では、横目の焦点検出用画素に影響する塵埃除去を行い、相関演算結果の信頼性が高い場合はそのまま合焦動作が行われることとなり、より短時間かつ消費電力を抑えながらAFに関する塵埃を除去することができる。また、横目の焦点検出用画素に影響する塵埃除去が行われた場合であっても、相関演算結果の信頼性が低い場合には、縦目の焦点検出用画素に影響する塵埃除去が行われるため、精度の高い焦点調整を実現できる。なお、この場合においても、横目及び縦目の焦点検出用画素に影響する塵埃除去を行うのみであり、通常の撮像有効領域上の塵埃除去に比べて短時間かつ消費電力を抑えることができる。
なお、上述した実施の形態における記述は、一例を示すものであり、これに限定するものではない。上述した実施の形態における構成及び動作に関しては、適宜変更が可能である。
(他の実施形態)
上述の実施形態は、システム或は装置のコンピュータ(或いはCPU、MPU等)によりソフトウェア的に実現することも可能である。従って、上述の実施形態をコンピュータで実現するために、該コンピュータに供給されるコンピュータプログラム自体も本発明を実現するものである。つまり、上述の実施形態の機能を実現するためのコンピュータプログラム自体も本発明の一つである。
なお、上述の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、コンピュータで読み取り可能であれば、どのような形態であってもよい。例えば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等で構成することができるが、これらに限るものではない。上述の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、記憶媒体又は有線/無線通信によりコンピュータに供給される。プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記憶媒体、MO、CD、DVD等の光/光磁気記憶媒体、不揮発性の半導体メモリなどがある。
有線/無線通信を用いたコンピュータプログラムの供給方法としては、コンピュータネットワーク上のサーバを利用する方法がある。この場合、本発明を形成するコンピュータプログラムとなりうるデータファイル(プログラムファイル)をサーバに記憶しておく。プログラムファイルとしては、実行形式のものであっても、ソースコードであっても良い。そして、このサーバにアクセスしたクライアントコンピュータに、プログラムファイルをダウンロードすることによって供給する。この場合、プログラムファイルを複数のセグメントファイルに分割し、セグメントファイルを異なるサーバに分散して配置することも可能である。つまり、上述の実施形態を実現するためのプログラムファイルをクライアントコンピュータに提供するサーバ装置も本発明の一つである。
また、上述の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムを暗号化して格納した記憶媒体を配布し、所定の条件を満たしたユーザに、暗号化を解く鍵情報を供給し、ユーザの有するコンピュータへのインストールを許可してもよい。鍵情報は、例えばインターネットを介してホームページからダウンロードさせることによって供給することができる。また、上述の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、すでにコンピュータ上で稼働するOSの機能を利用するものであってもよい。さらに、上述の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、その一部をコンピュータに装着される拡張ボード等のファームウェアで構成してもよいし、拡張ボード等が備えるCPUで実行するようにしてもよい。