JP2012036777A - エンジン停止始動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジン自動停止の際の燃焼停止後においてエンジン回転速度の変動に応じた態様でスタータを駆動する。
【解決手段】スタータ10は、リングギヤ22にピニオン14を噛み合わせる噛み合い手段としての第1ソレノイドSL1及びコイル18と、ピニオン14に回転力を付与するモータ11とを備える。ECU40は、エンジン自動停止に際してエンジンの回転降下が生じる回転降下期間における予測エンジン回転速度を算出し、その予測エンジン回転速度に基づいて噛み合い手段及びモータ11を駆動する。特に、ECU40は、上記回転降下期間におけるエンジン回転速度に基づいてロスエネルギを算出し、該算出したロスエネルギに基づいて噛み合い手段及び前記モータの駆動を禁止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジン停止始動制御装置に関するものである。
従来、例えばアクセル操作やブレーキ操作などといった停車又は発進のための動作等を検知してエンジンの自動停止及び自動再始動を行う、所謂アイドルストップ機能を備えるエンジン制御システムが知られている。このアイドルストップ制御により、エンジンの燃費低減等の効果を図っている。
エンジンを再始動させる場合、ドライバビリティ向上等の観点からすると、再始動要求があった後できるだけ速やかにエンジンを始動させるのが望ましく、そのための技術が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、エンジン自動停止の際のエンジン回転速度の降下中に再始動要求が生じた場合に、その再始動要求が生じた時点でモータによりスタータのピニオンを回転させる。また、将来のリングギヤ回転速度を予測して、その予測結果に基づいてピニオン回転速度がリングギヤ回転速度に同期する時点を予測し、その時点に合わせてピニオンをリングギヤに噛み合わせるようにピニオンの押出しタイミングを制御している。
特開2005−330813号公報
エンジン自動停止時のエンジン回転降下中において、エンジン回転停止するまでのエンジン回転速度は、例えば補機類の駆動のオン/オフの切り替えといった種々の要因によって変動し得る。そのため、エンジン回転降下中に補機類の駆動切り替え等が生じた場合には、それ以前に算出した予測エンジン回転速度が適正でなくなる。したがって、上記特許文献1のように、予測エンジン回転速度に基づいて実施されるスタータ制御において、ピニオンとリングギヤとの噛み合いを適正なタイミングを適正に制御できず、その結果、ピニオンとリングギヤとの噛み合い音が大きくなったり、ピニオン等の磨耗が生じたりすることが懸念される。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、エンジン自動停止の際の燃焼停止後において、エンジン回転速度の変動に応じた態様でスタータを駆動することができ、ひいては、スタータによるエンジンのクランキングを適正に実施することができるエンジン停止始動制御装置を提供することを主たる目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
本発明は、エンジンの出力軸に連結されたリングギヤに向けてピニオンを移動させて前記リングギヤに前記ピニオンを噛み合わせる噛み合い手段と、前記ピニオンに回転力を付与するモータとを備えるスタータを用いてクランキングが実施されるエンジンに適用され、所定の自動停止条件が成立したときに前記エンジンの燃焼を停止して前記エンジンを自動停止し、前記自動停止条件の成立後、所定の再始動条件が成立したときに前記噛み合い手段及び前記モータを制御して前記エンジンを再始動するエンジン停止始動制御装置に関するものである。
そして、請求項1に記載の発明は、前記出力軸の回転を検出する回転センサの検出信号に基づいてエンジン回転速度を算出する回転速度算出手段と、エンジン自動停止に際してエンジンの回転降下が生じる回転降下期間に前記回転速度算出手段により算出した現時点及びそれ以前のエンジン回転速度に基づいて、その回転降下期間における予測エンジン回転速度を算出する回転予測手段と、前記回転予測手段により算出した予測エンジン回転速度に基づいて前記噛み合い手段及び前記モータを駆動するスタータ予測制御手段と、を備え、前記回転降下期間に前記回転速度算出手段により算出したエンジン回転速度に基づいてロスエネルギを算出するエネルギ算出手段と、前記エネルギ算出手段により算出したロスエネルギに基づいて、前記スタータ予測制御手段による前記噛み合い手段及び前記モータの駆動を禁止する禁止手段と、を備えることを特徴とする。
エンジン自動停止時のエンジン回転降下中において、例えばエアコンやオルタネータ等の補機類の駆動のオン/オフが生じると、その駆動に伴いエンジン出力軸の負荷が変化することにより、エンジン回転速度が変動する。したがって、それ以前に算出した将来のエンジン回転速度の予測値(予測エンジン回転速度)が適正でなくなり、その結果、予測エンジン回転速度に基づいて実施されるスタータ制御において、ピニオンの噛み合いタイミングや、モータの駆動タイミングを適正に制御できないおそれがある。
ここで、補機類の駆動のオン/オフといったエンジン出力軸の回転負荷の変動要因は、エンジン出力軸にとってはロスエネルギの増減に相当し、特に燃料カット状態でエンジン回転速度が降下する場合には、そのロスエネルギの増減がエンジン回転速度の変動に顕著に現れることとなる。
その点に鑑み、本発明では、エンジン自動停止の際の回転降下中においてエンジンのロスエネルギを算出し、そのロスエネルギに基づいて、予測エンジン回転速度に基づくピニオン及びモータの駆動を禁止するか否かを決定する。これにより、実際のエンジン回転速度の変動に即した態様でピニオンの噛み合いタイミングやモータの駆動タイミングを制御することができ、ひいては、スタータによるエンジンのクランキングを適正に実施することができる。
請求項2に記載の発明では、前記回転速度算出手段は、前記出力軸の所定回転角度の回転に要した時間から算出されるエンジン回転速度としての瞬時回転速度を算出するものであり、前記エネルギ算出手段は、前記瞬時回転速度に基づいて、前記所定回転角度ごとにロスエネルギを算出する。
エンジンでは、ピストンの上下動に伴い燃焼室において圧縮と膨張とが繰り返され、それに伴いエンジン回転速度に脈動が生じる。この場合、エンジン出力軸に作用する実際のロストルクが一定であれば、エンジン回転脈動の脈動幅が略同一となり、瞬時回転速度に基づいて算出されるロスエネルギが同一の変化態様で増減するものとなる。これに対し、補機類の駆動等によりエンジン出力軸に作用する実際のロストルクが変化すると、エンジン回転脈動の脈動幅が大きくなるか又は小さくなり、ロスエネルギがそれまでとは異なる変化態様で増減するものとなる。その点、請求項2に記載の発明によれば、上記のような実際のロストルクの変化に際し、その変化に即したロスエネルギを好適に算出できる。
本発明において、具体的には、請求項3に記載の発明のように、エンジン回転脈動の1周期分となる期間で、前記エネルギ算出手段により前記所定回転角度ごとに算出したロスエネルギを積算してロスエネルギ積算値を算出する手段を備え、前記禁止手段は、前記ロスエネルギ積算値に基づいて、前記スタータ予測制御手段による前記噛み合い手段及び前記モータの駆動を禁止するとよい。
エンジンの回転脈動に際しては、その1周期分となる期間内で瞬時回転速度の変動に合わせてロスエネルギも増減変動するが、当該期間内でのロスエネルギ積算値(ロスエネルギの総和)を見ると、前後する各期間で毎回略同じ値になることが確認された。故に、ロスエネルギ積算値によれば、エンジン回転速度の変動を精度よく検出できる。
また、所定回転角度ごとのロスエネルギ(ロスエネルギ瞬時値)は、都度の回転速度レベルに依存するものであり、例えば高回転であるほどエンジン回転脈動の脈動幅が大きくなるといった影響を受ける。これに対し、ロスエネルギ積算値は、回転速度レベルに依存せず、略一定の値になる。したがって、ロスエネルギ積算値に基づいてエンジン回転速度の変動を検出する構成であれば、ロスエネルギ瞬時値に基づいて回転変動を検出する構成に比べて、エンジン回転速度の変動の検出精度を高めることができる。
ここで、「エンジン回転脈動の1周期分となる期間」は、ロスエネルギ積算値の算出に際し、前後に一部が重複する期間として定められるものでもよいし、前後に重複しない期間として定められるものでもよい。
ロスエネルギ積算値に基づいてエンジン回転速度の変動を検出する構成(請求項3)においては、請求項4に記載の発明のように、前記ロスエネルギ積算値と所定のしきい値とを比較する比較手段を備え、前記禁止手段は、前記比較手段による比較結果に基づいて、前記スタータ予測制御手段による前記噛み合い手段及び前記モータの駆動を禁止するものであり、前記自動停止条件の成立に伴うエンジン回転速度の降下開始当初の前記ロスエネルギ積算値を基準ロスエネルギとし、その基準ロスエネルギに基づいて前記しきい値を可変に設定するとよい。
エンジン出力軸に作用する実際のロストルクはエンジン回転速度の降下開始の時点で毎回同じではなく、降下開始の時点でロスエネルギ積算値(エンジン回転脈動の1周期分のロスエネルギの総和)が比較的大きい場合と、比較的小さい場合とが生じると考えられる。この点、請求項4に記載の発明によれば、エンジン回転降下開始の時点でのロスエネルギ積算値が相違しても、ロスエネルギの変動を精度よく検出でき、ひいてはエンジン回転速度の変動を精度よく検出できる。
エンジン制御システムの全体概略構成図。 エンジン回転予測方法を説明するための図。 エンジン自動停止時のエネルギ変化の推移を示すタイムチャートであり、補機類の駆動の切り替えなしの場合を示す図。 エンジン自動停止時のエネルギ変化の推移を示すタイムチャートであり、補機類の駆動の切り替え有りの場合を示す図。 スタータ駆動制御の処理手順を示すフローチャート。
以下、本発明を具体化した実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施の形態は、エンジン制御システムのエンジン停止始動制御装置に具体化している。当該制御システムにおいては、電子制御ユニット(以下、ECUという)を中枢として燃料噴射量の制御や点火時期の制御、アイドルストップ制御等を実施する。この制御システムの全体概略を示す構成図を図1に示す。
図1において、スタータ10にはモータ11が設けられており、バッテリ12からの電力供給によりモータ11が回転駆動されるようになっている。モータ11の図示しない回転軸にはピニオン軸13が係合されており、そのピニオン軸13の一端において、ピニオン14が、ピニオン軸13とピニオン14との間で動力の伝達を断続するワンウエイクラッチ15と一体に支持されている。
ピニオン軸13は、軸16を中心に回動するレバー17の一端に支持されている。レバー17の他端には、コイル18及びプランジャ19により構成される第1ソレノイドSL1が配置されており、コイル18内に配置されたプランジャ19がレバー17によって支持されている。コイル18の非通電状態では、ピニオン14が、エンジン20の出力軸(クランク軸)21に連結されたリングギヤ22に対して非接触の状態で配置されている。
ピニオン14とリングギヤ22との非接触状態において、バッテリ12からコイル18に通電されると、その通電によりプランジャ19が軸線方向に移動し、更にその移動に伴いレバー17が軸16を中心に回動する。これにより、ピニオン14がリングギヤ22に向かう方向に押し出されて、ピニオン14の歯部とリングギヤ22の歯部とが噛み合わされる。
一方、ピニオン14とリングギヤ22とが噛み合わされた状態において、コイル18の通電が遮断されることにより、図示しないスプリングの付勢力によりピニオン軸13がリングギヤ22に向かう方向とは反対方向に移動する。このピニオン軸13の移動により、ピニオン14とリングギヤ22との噛み合いが解除され、両者の接触状態が解除される。
スタータ10とバッテリ12との間にはIGスイッチ23が設けられており、ドライバの操作に基づくIGスイッチ23のオンにより、バッテリ12からスタータ10への通電が可能になる。また、コイル18とバッテリ12との間には、制御信号に基づいて第1ソレノイドSL1の通電/非通電を切り替えるSL1駆動リレー24が設けられており、モータ11とバッテリ12との間には、モータ11の電磁子に接続され接点の開閉により通電/非通電が切り替えられる第2ソレノイドSL2と、制御信号に基づいて第2ソレノイドSL2の通電/非通電を切り替えるSL2駆動リレー25とが設けられている。
その他、本システムには、エンジン20の所定クランク角毎に(例えば30°CA周期で)矩形状のクランク角信号を出力するクランク角センサ31や、エンジン冷却水の温度を検出する冷却水温センサ32などの各種センサが設けられている。
ECU40は、周知のマイクロコンピュータ等を備えてなる電子制御装置であり、本システムに設けられている各種センサの検出結果等を入力し、それに基づいて燃料噴射量制御や点火時期制御、アイドルストップ制御などの各種エンジン制御や、スタータ10の駆動制御等を実施する。
上記のシステム構成において実施されるアイドルストップ制御について詳述する。アイドルストップ制御は、エンジン20のアイドル運転時に所定の停止条件が成立すると当該エンジン20を自動停止させるとともに、その後、所定の再始動条件が成立するとエンジン20を再始動させるものである。エンジン停止条件としては、例えば、アクセル操作量がゼロになったこと(アイドル状態になったこと)、ブレーキペダルの踏込み操作が行われたこと、車速が所定値以下まで低下したこと等の少なくともいずれかが含まれる。また、エンジン再始動条件としては、例えばアクセルの踏込み操作が行われたこと、ブレーキ操作量がゼロになったこと等の少なくともいずれかが含まれる。
次に、スタータ10の駆動制御について説明する。本実施形態において、ECU40は、SL1駆動リレー24のオン/オフ信号を出力する出力ポートP1と、SL2駆動リレー25のオン/オフ信号を出力する出力ポートP2とを備えている。この出力ポートP1,P2からの制御信号により、スタータ10の通電を自動的に(図示しないスタータスイッチの切り替え状態にかかわらず)行うことが可能になっている。また、これらの制御信号により、モータ11及びコイル18の通電状態をそれぞれ個別に切り替え可能になっている。
また、本実施形態では、エンジン20を自動停止させる際のエンジン回転速度が降下する期間にエンジン再始動条件が成立した場合、エンジン出力軸21が回転停止するのを待たずに、スタータ10によりエンジン20のクランキングを行うこととしている。その場合の一つの態様として、ECU40は、再始動条件の成立時のエンジン回転速度がしきい値よりも高い場合には、再始動条件の成立に伴い、まずモータ11に通電してピニオン14を回転させ、その後、ピニオン14とリングギヤ22との各歯部の通過速度差が所定値以下になる点で両者が噛み合うようにピニオン14を押し出すピニオン先回し制御を実施する。また、別の態様として、ECU40は、再始動条件の成立時のエンジン回転速度がしきい値以下の場合には、再始動条件の成立に伴い、まずピニオン14を押し出してピニオン14とリングギヤ22との噛み合いを実施し、その後、モータ11に通電してピニオン14を回転させるピニオン後回し制御を実施する。
ECU40は、エンジン自動停止の際のエンジン回転降下期間において、クランク角センサ31の検出信号に基づいて算出した現時点及びそれ以前のエンジン回転速度を用いて、現時点よりも後の期間の将来のエンジン回転速度Neを予測しており、その予測データ(予測エンジン回転速度)を用いることにより、ピニオン先回し制御及びピニオン後回し制御でのピニオン14の押出しタイミング及びモータ11の通電タイミングを制御することとしている。例えば、ピニオン14の押出しタイミングについては、ピニオン14のリングギヤ22側への移動を開始してから、ピニオン14がリングギヤ22との接触位置まで移動し両者が噛み合うまでに時間(噛み合い所要時間)を要することを考慮し、予測エンジン回転速度に基づき決定した噛み合いタイミングよりも、噛み合い所要時間だけ前のタイミングをピニオン14の押出しタイミングとして定める。そして、その決定した押出しタイミングになった時点で、SL1駆動リレー24にオン信号を出力する。これにより、ピニオン14とリングギヤ22との噛み合わせが所望のタイミングで行われるようにしている。
回転予測について本実施形態では、現時点よりも後の期間における将来のエンジン回転速度(瞬時回転速度)を、エンジン20のロスエネルギ、エンジン回転速度及びイナーシャをパラメータとして予測することとしている。この予測方法によれば、シリンダ容積の増減変化に伴うエンジン回転速度の増減変化、すなわちエンジン回転脈動を考慮して将来のエンジン回転速度を予測することができる。ここで、瞬時回転速度とは、エンジン出力軸21の所定回転角度(本実施形態では30℃A)の回転に要した時間から算出されるエンジン回転速度である。
具体的には、ECU40は、シリンダ容積の増減変化に伴う瞬時回転速度の増減1周期分(4気筒エンジンでは180℃A)を回転脈動期間として、現時点よりも前の回転脈動期間での瞬時回転速度に基づいて、その後の回転脈動期間での将来のエンジン回転速度を予測する。
図2は、本実施形態のエンジン回転予測方法を説明するための図である。なお、図2では、各気筒のTDCから次のTDCまでの180℃A区間(回転脈動周期)をS[i]として示してある。また、図2では、現在の回転角度がTDC後の30℃Aであるものとして説明する。
ECU40は、エンジン自動停止条件の成立後のエンジン回転降下期間において、クランク角センサ31からNE信号が入力される毎に(本実施形態では30℃A毎に)、瞬時回転速度としての角速度ω[rad/sec]を次式(1)により算出し、これを都度記憶する。
ω=30×2π/(360×tp) …(1)
tpはパルス幅[sec]を示す。
次に、前回の180℃A区間S[i-1]における回転角度θ(TDCを基準とする回転角度)での角速度ω[θ,i-1](θ=0,30,60,90,120,150)の変化に基づいて、前回の180℃A区間S[i-1]におけるロスエネルギT[θn-θn+1,i-1]を回転位置ごとに下記式(2)により算出する。このロスエネルギは、自動停止条件の成立に伴いエンジン20の燃焼を停止した場合におけるエンジン20の回転エネルギの損失分である。
T[θn-θn+1,i-1]=−J・(ω[θn+1,i-1]2 −ω[θn,i-1]2)/2 …(2)
Jはエンジン20のイナーシャであり、本実施形態では予めエンジン20の設計データ等に基づいて算出して記憶用メモリに記憶しておく。
続いて、現時点の角速度ω[30,i]を上記式(1)により算出するとともに、その算出した角速度ω[30,i]と、直前の回転角度での角速度[0,i]とを用いてロスエネルギT[0-30,i]を算出する。
その後、前回の180℃A区間S[i-1]でのロスエネルギのうち、TDCを基準とする回転角度が同じになる回転角度位置でのロスエネルギ、ここではロスエネルギT[30-60,i-1]と現在の角速度ω[30,i]とを用いて、次のパルスの立ち上がりタイミングにおける予測角速度ωとして、回転角度60℃Aでの予測角速度ω'[60,i]を演算する。併せて、クランク角30℃Aから60℃Aに到達するまでの予測到達時間t[30-60,i]を演算する。さらに、前回の180℃A区間S[i-1]のクランク角60℃Aから90℃AまでのロスエネルギT[60-90,i-1]と、予測角速度ω'[60,i]とを用いて、今回の180℃A区間S[i]のTDC後の回転角度90℃Aの予測角速度ω'[90,i]を演算するとともに、クランク角60℃Aから90℃Aに到達するまでの予測到達時間t[60-90,i] を演算する。この処理を何回も繰り返すことで、エンジン20の回転降下期間におけるエンジン回転速度(瞬時回転速度)を予測する。この予測方法に基づき予測した瞬時回転速度が図中の黒丸で示すものであり、エンジン20の予測回転軌道が図中の破線で示すものである。
この予測演算は、NE信号の入力毎(30℃A毎)に次のNE信号が入力されるまでの時間を利用して実行され、その都度、回転軌道の予測データが更新される。なお、角速度をエンジン回転速度(瞬時回転速度)に換算して予測演算を行うようにしても良い。
ところで、エンジン20の燃焼停止後では、ロスエネルギTの発生によりエンジン回転速度が降下する。この降下時のエンジン回転挙動は種々の要因によって変動することがあり、例えば、
・エアコンやオルタネータなどの補機類の駆動のオフ/オンが切り替わった場合
・ドライバによりブレーキペダルが急速に踏み込まれ、車輪(図示略)がロックした場合
・変速機として手動式変速機(マニュアルトランスミッション)を備える車両において、クラッチリリース操作に伴いエンジン20を再始動させるとき、クラッチリリース操作の開始後においてクラッチ繋ぎ操作が急速に行われた場合
といった事象がエンジン回転速度の降下中に生じたときには、エンジン出力軸21の回転負荷が増大側に変化し、その結果、エンジン回転速度の降下率が急速に大きくなる側又は小さくなる側の急変することが考えられる。また、再始動条件の成立に伴い燃料噴射及び点火を開始するシステムでは、スタータ10によるエンジン20のクランキング実施中においてエンジン20が燃焼再開(自立復帰)することが考えられ、この場合には、エンジン回転速度が上昇側に急変することとなる。
エンジン自動停止の際のエンジン回転降下中において、ECU40の意図しないエンジン回転速度の急変が生じた場合、それ以前に算出した予測エンジン回転速度は適正でなくなる。そのため、予測エンジン回転速度(予測エンジン回転軌道)に基づいて実施されるスタータ制御において、ピニオン14の押出しタイミングや、モータ11の通電タイミングを適正に制御できないおそれがある。
また、本実施形態では、エンジン自動停止時のエンジン回転降下期間中の回転予測に際して、現時点に対し、前の回転脈動期間(180℃A区間S[i-1])のロスエネルギTを用いて、現在の回転脈動期間(180℃A区間S[i])及び後の回転脈動期間(180℃A区間S[i+1])におけるエンジン回転速度を予測しており、前後する回転脈動期間においてエンジン出力軸21に作用する実際のロストルクが一定である(エネルギ損失が一定である)場合には、エンジン回転降下中のエンジン回転速度を正確に予測できると考えられる。ところが、ECU40の意図しないエンジン回転速度の急変が発生した場合には、前後する回転脈動期間でのエネルギ損失は必ずしも一定であるとは言えず、回転予測の予測精度が低下することが考えられる。
補機類の駆動の切り替え等は、エンジン出力軸21にとってはロスエネルギTの増減に相当し、特に燃料カット状態でエンジン回転速度が降下する場合には、そのロスエネルギTの増減がエンジン回転速度の変動に顕著に現れることとなる。すなわち、エンジン出力軸21に作用するロストルクが一定であれば、エンジン回転脈動の脈動幅は略同一となり、瞬時回転速度に基づき算出されるロスエネルギTについては、同一の変化態様で増減する。これに対し、補機類の駆動の切り替え等が生じ、エンジン出力軸21に作用するロストルクが変化すると、エンジン回転脈動の脈動幅が変化し、ロスエネルギTが、それまでとは異なる変化態様で増減するものとなる。
そこで、本実施形態では、エンジン自動停止時のエンジン回転降下中においてロスエネルギTを算出し、その算出したロスエネルギTに基づいて、予測エンジン回転速度に基づくピニオン14及びモータ11の駆動を実施するか禁止するかを切り替えることとしている。つまり、本実施形態では、エンジン自動停止に際し、エンジン20の燃焼停止後のロスエネルギTを算出することにより、エンジン回転速度の変動の有無を把握し、これにより、ピニオン14の押出しタイミングやモータ11の駆動タイミングを定めている。
以下に、エンジン回転速度の変化とエンジン20のロスエネルギTの変化との関係について詳しく説明する。なお、以下では、補機類のオンからオフへの切り替えに起因してエンジン出力軸21に作用するロストルクが変化する場合を一例に挙げて説明する。
図3及び図4は、エンジン自動停止条件の成立に伴いエンジン20の燃焼を停止した後におけるエネルギ変化の推移を示すタイムチャートである。このうち、図3は、エンジン燃焼停止後において補機類のオン/オフの切り替えがない場合を示し、図4は、エンジン燃焼停止後において補機類のオフからオンへの切り替えがあった場合を示す。図中、(a)はエンジン回転速度の推移を示し、(b)はロスエネルギTの推移を示す。また、(b)において、破線は、エンジン20の所定回転角度(本実施形態では30℃A)ごとに算出したロスエネルギT(ロスエネルギ瞬時値)を示し、実線は、エンジン回転脈動の1周期分におけるロスエネルギTの積算値(ロスエネルギ総和ΣT)を示す。
ロスエネルギ総和ΣTについて本実施形態では、エンジン回転脈動の1周期分となる期間を前回の算出時と今回の算出時とで前後に一部重複するように定め、その期間におけるロスエネルギTの積算値としてある。換言すれば、エンジン回転脈動において前後する脈動における同一回転角度間(180℃A)のロスエネルギTの積算値である。
エンジン燃焼停止後において、補機類の駆動切り替えがない場合には、図3に示すように、エンジン20のロスエネルギTにおいて、正側のピークと負側のピークとが交互に現れ、エンジン回転速度が降下するにつれてそのピークが徐々に減衰し、やがて一定値に収束する。
また、ロスエネルギ総和ΣTについては、例えばアイドル運転時であれば、燃料供給によるエネルギ増加分はエンジン回転速度保持に使われるため、ロスエネルギ総和ΣTは略ゼロになる。これに対し、エンジン20の燃焼停止後では、図3に示すように、エネルギを失いながらエンジン回転速度が降下していくことにより、ロスエネルギ総和ΣTは正の値で略一定に保持される。つまり、エンジン20の回転角度ごとに算出されるロスエネルギTについては、都度のエンジン回転速度のレベルに依存し、高回転であるほど変動が大きくなるのに対し、ロスエネルギ総和ΣTは、回転速度レベルに依存せず一定値を保つ。
エンジン20の燃焼停止後において、例えばエアコンがオフからオンに切り替わった場合には、図4に示すように、タイミングta付近でロスエネルギTの変化態様が異なり、その変動幅が大きくなるとともに、エンジン回転脈動の脈動幅が急激に大きくなる。また、ロスエネルギ総和ΣTについては、タイミングtaよりも前では正の値で略一定であるのに対し、タイミングta付近で大きく増加し、正側にピークが出現する。
また、エンジン20の燃焼停止後、スタータ10によるエンジン20のクランキング実施中においてエンジン20が燃焼再開し、エンジン回転速度が上昇に転じた場合には、燃料供給により回転エネルギが与えられているため、ロスエネルギ総和ΣTは負の値となる。
上記に鑑み、本実施形態では、エンジン20の所定回転角度ごとのロスエネルギTからロスエネルギ総和ΣTを算出し、その算出したロスエネルギ総和ΣTに基づいてエンジン回転速度の変動を検出することとしている。このとき、算出したロスエネルギ総和ΣTと基準とする値(基準ロスエネルギ)とを比較し、それらの差分が判定値よりも大きいか否かを判定する。そして、ロスエネルギ総和ΣTと基準ロスエネルギとの差分が判定値よりも大きい場合には、予測エンジン回転速度に基づくピニオン14の押出しタイミング及びモータ11の駆動タイミングの設定を禁止することとしている。
図5は、スタータ駆動制御の処理手順を示すフローチャートである。本処理は、クランク角センサ31からのNE信号を入力する毎にECU40により実行される。
図5において、まずステップS11では、エンジン自動停止条件の成立に伴うエンジン20の燃焼停止後か否かを判定し、燃焼停止後であればステップS12へ進み、上記式(1)により、今回入力したNE信号に基づいて角速度ω[θn]を算出する。また、ステップS13では、角速度の前回値ω[θn-1]と今回値ω[θn]とを用いて、上記式(2)によりロスエネルギTを算出する。なお、算出したロスエネルギTについては、都度、記憶用メモリに記憶しておく。
ステップS14では、ロスエネルギ総和ΣTを算出する。具体的には、現在の回転角度θnと、前の回転脈動期間(180℃A区間S[i-1])であって現在の回転角度θnと同一回転角度のθn-1との間の期間(180℃A区間)のロスエネルギTを記憶用メモリから読み出し、その読み出した回転角度ごとのロスエネルギTを足し合わせ、これをロスエネルギ総和ΣTとする。算出したロスエネルギ総和ΣTは、都度、記憶用メモリに記憶しておく。
ステップS15では、算出したロスエネルギ総和ΣTと基準ロスエネルギとを比較する。本実施形態では、エンジン自動停止条件の成立に伴いエンジン20の燃焼を停止した後、エンジン回転降下した時の降下開始当初のロスエネルギ総和ΣTを基準ロスエネルギとし、この基準ロスエネルギとロスエネルギ総和ΣTとを比較する。基準ロスエネルギについて本実施形態では、燃焼停止タイミングから所定時間において都度算出されたロスエネルギ総和ΣTの平均値とする。なお、予め定めた値を基準ロスエネルギとしてもよい。
基準ロスエネルギとロスエネルギ総和ΣTとの差分が所定値以下の場合には、ステップS16へ進み、回転予測の予測データを用いて算出したピニオン14の押し出し開始タイミング及びモータ11の回転開始タイミングに基づいてピニオン14及びモータ11を駆動する。
一方、基準ロスエネルギとロスエネルギ総和ΣTとの差分が所定値よりも大きい場合にはステップS17へ進み、回転予測の予測データに基づきピニオン14及びモータ11の駆動タイミングが算出済みであれば、その算出値を無効にするとともに、今回のエンジン自動停止の際のエンジン再始動に際して、予測エンジン回転速度を用いずにピニオン14及びモータ11を駆動するものとする。この場合、エンジン再始動に際しては、例えば、エンジン出力軸21の回転が完全に停止した後にSL1駆動リレー24にオン信号を出力することにより、ピニオン14とリングギヤ22とを噛み合わせ、その噛み合わせ後にSL2駆動リレー25にオン信号を出力することによりモータ11を回転することでエンジン20のクランキングを実施する。
なお、基準ロスエネルギとロスエネルギ総和ΣTとの差分が所定値よりも大きいと判定された場合、今回のエンジン自動停止の際のエンジン再始動に際して、回転予測の予測データに基づくスタータ駆動を実施しない構成に代えて、ロスエネルギ総和ΣTの変動量が所定値以下になるまでは、予測エンジン回転速度を用いずにピニオン14及びモータ11を駆動するものとし、ロスエネルギ総和ΣTの変動量が所定値以下で安定したことを条件に、予測エンジン回転速度を基に定めたタイミングでピニオン14及びモータ11を駆動してもよい。
以上詳述した本実施形態によれば、次の優れた効果が得られる。
エンジン自動停止の際の回転降下中においてエンジン20のロスエネルギTを算出し、そのロスエネルギTに基づいて、予測エンジン回転速度に基づくピニオン14及びモータ11の駆動を禁止するか否かを決定する構成としたため、実際のエンジン回転速度の変動に即した態様でピニオン14の噛み合いタイミングやモータ11の駆動タイミングを制御することができ、ひいては、スタータ10によるエンジン20のクランキングを適正に実施することができる。
また、ロスエネルギTは瞬時回転速度に基づき算出されることから、ロスエネルギTによれば、エンジン出力軸21に作用する実際のロストルクを精度よく検出でき、ひいてはエンジン回転速度の変動を精度よく検出できる。
ロスエネルギ総和ΣTを用いてエンジン回転速度の変動を検出する構成としたため、ロスエネルギTの瞬時値を用いて行う場合に比べて、検出精度を高めることができる。すなわち、ロスエネルギ瞬時値は、都度の回転速度レベルに依存するものであり、高回転であるほどエンジン回転脈動の脈動幅が大きくなるといった影響を受けるのに対し、ロスエネルギ総和ΣTは、回転速度レベルに依存せず略一定の値になることから、ロスエネルギ総和ΣTに基づいてエンジン回転速度の変動を検出する構成であれば、ロスエネルギ瞬時値に基づいて回転変動を検出する構成に比べて、エンジン回転速度の変動の検出精度を高めることができる。
ロスエネルギ総和ΣTと基準エネルギとを比較し、その比較結果に基づいてエンジン回転速度の変動を検出する際、基準エネルギについては、燃焼停止に伴うエンジン回転速度の降下開始当初のロスエネルギ総和ΣTとする構成としたため、エンジン回転降下開始の時点でのロスエネルギ総和ΣTが相違しても、ロスエネルギTの変動を精度よく検出でき、ひいてはエンジン回転速度の変動を精度よく検出できる。
(他の実施形態)
本発明は、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
・エンジン回転脈動の脈動周期のうち、前後する脈動周期における同一回転角度で算出したロスエネルギ総和ΣTを比較し、その比較結果に基づいてエンジン回転速度の変動を検出する構成とする。エンジン回転降下期間では、エンジン回転速度の変動がなければ、エンジン回転脈動の前後する脈動周期ではロスエネルギTの変化の推移は略同じになり、同一回転角度で算出したロスエネルギ総和ΣTは、前後する脈動周期においてさほど変化しないと考えられる。これに対し、エンジン回転速度の変動が生じた場合には、前後する脈動周期の同一回転角度でのロスエネルギ総和ΣTを比較した場合、後の脈動周期では前の脈動周期よりもロスエネルギ総和ΣTが大きくなると考えられる。したがって、上記構成とすることにより、エンジン回転速度の変動を検出することができ、その結果、エンジン回転速度の変動に即した態様でピニオン14及びモータ11を駆動できる。
・エンジン回転脈動の脈動周期のうち、前後する脈動周期における同一回転角度でのロスエネルギT(瞬時値)を比較し、その比較結果に基づいてエンジン回転速度の変動を検出する構成とする。この場合にも上記と同様に、エンジン20の燃焼停止後にエンジン回転速度の変動が生じた場合には、前後する脈動周期の同一回転角度でのロスエネルギTを比較した場合、後の脈動周期では前の脈動周期よりもロスエネルギ(絶対値)が大きくなると考えられる。したがって、上記構成とすることにより、エンジン回転速度の変動を検出することができる。
・ロスエネルギTと所定の基準値との比較によりロスエネルギTの変動を検出する構成とし、その際、燃焼停止に伴うエンジン回転速度の降下開始当初のロスエネルギTを基準ロスエネルギとし、その基準ロスエネルギに基づいて基準値を可変に設定する。エンジン20の燃焼停止後において、エンジン20の気筒燃焼室のポンプロスが小さい場合(例えば、スロットルバルブが開弁状態のままの場合)には、エンジン回転脈動の脈動幅が小さく、ロスエネルギTの脈動幅(正側のピーク及び負側のピーク)が小さくなると考えられる。また、ロスエネルギTの脈動幅が比較的小さい状態であれば、エンジン回転速度の変動がロスエネルギTの変化として現れやすい。したがって、エンジン20の気筒燃焼室のポンプロスが小さい場合であれば、上記構成においても、エンジン回転速度の変動を検出することができる。
・ロスエネルギTの前回算出値と今回算出値とを比較し、その差が判定値よりも大きい場合に、エンジン回転速度が変動したものと判定する構成とする。エンジン20の気筒燃焼室のポンプロスが小さい場合であれば、ロスエネルギTの脈動幅が小さくなり、また、ロスエネルギTの脈動幅が比較的小さい状態であれば、エンジン回転速度の変動がロスエネルギTの過剰変化として現れやすい。よって、エンジン20の気筒燃焼室のポンプロスが小さい場合であれば、上記構成においても、エンジン回転速度の変動を検出することができる。
・ロスエネルギ総和ΣTと判定値とを比較し、ロスエネルギ総和ΣTが判定値よりも大きいか、又はロスエネルギ総和が負の値である場合に、エンジン回転速度が変動したものと判定する構成としてもよい。
・ロスエネルギ総和ΣTの前回算出値と今回算出値とを比較し、その差が判定値よりも大きい場合に、エンジン回転速度が変動したものと判定する構成としてもよい。
・エンジン回転脈動の1周期分となる期間内のロスエネルギT(瞬時値)を積算してロスエネルギ総和ΣTを算出する際、前回の算出時と今回の算出時とで、その1周期分となる期間が前後に重複しない構成としてもよい。
・エンジン回転脈動の複数周期分となる期間のロスエネルギTを積算した値をロスエネルギ総和ΣTとし、そのΣTに基づいてエンジン回転速度の変動を検出する構成としてもよい。例えば、現在の回転位置を含むこれよりも前の[180×n(nは2以上)]℃A区間におけるロスエネルギTの積算値をロスエネルギ総和ΣTとしてもよい。
・上記実施形態では、コイル18の通電/非通電を制御するSL1駆動リレー24と、モータ11の通電/非通電を制御するSL2駆動リレー25とを有するスタータ10を本発明に適用する場合について説明したが、ピニオン14とリングギヤ22との噛み合わせ解除とモータ11の回転停止とを独立して制御可能なスタータであればよく、例えば従来のスタータにおいてモータ通電制御用のリレーを設けたものを本発明に適用してもよい。すなわち、この構成では、図1のスタータ10における第2ソレノイドSL2に代えて、プランジャ19において、レバー17とは反対側の端部にモータ通電用の接点が設けられている。また、本構成では、モータ11とバッテリ12との間において、ECU40からの制御信号に基づいてオン/オフの切り替え可能なモータ通電制御用のリレーが設けられている。この構成においても、SL1駆動リレー24とモータ通電制御用のリレーとを個別に制御することにより、ピニオン14とリングギヤ22との噛み合わせ動作とモータ11の回転動作とを独立して制御可能である。
・ガソリンエンジンを適用する場合について説明したが、ディーゼルエンジンを本発明に適用する構成であってもよい。
10…スタータ、11…モータ、14…ピニオン、18…コイル(噛み合い手段)、20…エンジン、21…クランク軸、22…リングギヤ、24…SL1駆動リレー、25…SL2駆動リレー、40…ECU(回転速度算出手段、回転予測手段、スタータ予測制御手段、エネルギ算出手段、禁止手段、比較手段)、SL1…第1ソレノイド(噛み合い手段)、SL2…第2ソレノイド。

Claims (4)

  1. エンジンの出力軸に連結されたリングギヤに向けてピニオンを移動させて前記リングギヤに前記ピニオンを噛み合わせる噛み合い手段と、前記ピニオンに回転力を付与するモータとを備えるスタータを用いてクランキングが実施されるエンジンに適用され、
    所定の自動停止条件が成立したときに前記エンジンの燃焼を停止して前記エンジンを自動停止し、前記自動停止条件の成立後、所定の再始動条件が成立したときに前記噛み合い手段及び前記モータを制御して前記エンジンを再始動するエンジン停止始動制御装置において、
    前記出力軸の回転を検出する回転センサの検出信号に基づいてエンジン回転速度を算出する回転速度算出手段と、
    エンジン自動停止に際してエンジンの回転降下が生じる回転降下期間に前記回転速度算出手段により算出した現時点及びそれ以前のエンジン回転速度に基づいて、その回転降下期間における予測エンジン回転速度を算出する回転予測手段と、
    前記回転予測手段により算出した予測エンジン回転速度に基づいて前記噛み合い手段及び前記モータを駆動するスタータ予測制御手段と、を備え、
    前記回転降下期間に前記回転速度算出手段により算出したエンジン回転速度に基づいてロスエネルギを算出するエネルギ算出手段と、
    前記エネルギ算出手段により算出したロスエネルギに基づいて、前記スタータ予測制御手段による前記噛み合い手段及び前記モータの駆動を禁止する禁止手段と、
    を備えることを特徴とするエンジン停止始動制御装置。
  2. 前記回転速度算出手段は、前記出力軸の所定回転角度の回転に要した時間から算出されるエンジン回転速度としての瞬時回転速度を算出するものであり、
    前記エネルギ算出手段は、前記瞬時回転速度に基づいて、前記所定回転角度ごとにロスエネルギを算出する請求項1に記載のエンジン停止始動制御装置。
  3. エンジン回転脈動の1周期分となる期間で、前記エネルギ算出手段により前記所定回転角度ごとに算出したロスエネルギを積算してロスエネルギ積算値を算出する手段を備え、
    前記禁止手段は、前記ロスエネルギ積算値に基づいて、前記スタータ予測制御手段による前記噛み合い手段及び前記モータの駆動を禁止する請求項2に記載のエンジン停止始動制御装置。
  4. 前記ロスエネルギ積算値と所定のしきい値とを比較する比較手段を備え、
    前記禁止手段は、前記比較手段による比較結果に基づいて、前記スタータ予測制御手段による前記噛み合い手段及び前記モータの駆動を禁止するものであり、
    前記自動停止条件の成立に伴うエンジン回転速度の降下開始当初の前記ロスエネルギ積算値を基準ロスエネルギとし、その基準ロスエネルギに基づいて前記しきい値を可変に設定する請求項3に記載のエンジン停止始動制御装置。
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