JP2012036156A - ウレタン結合を含む多価オキセタンビニルエーテル化合物、及びその製造方法 - Google Patents

ウレタン結合を含む多価オキセタンビニルエーテル化合物、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光導波路、ナノインプリント、ホログラム等の分野において重合性モノマーとして有用な、新規な多価オキセタンビニルエーテル化合物、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の多価オキセタンビニルエーテル化合物は、下記式(1)
【化1】
Figure 2012036156

(式中、Rは炭素数2〜20のn価の有機基を示し、nは2又は3を示す。A、A’は同一又は異なって、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基を示し、n’は0〜3の整数を示す。n’が2以上の整数の場合、2個以上のA’は同一でもよく、異なっていてもよい)
で表わされる。
【選択図】なし

Description

本発明は、導波路(光導波路、混載基板等)、光ファイバー、応力緩和型接着剤、封止剤、アンダーフィル、インクジェット用インク、カラーフィルター、ナノインプリント、フレキシブル基板、ホログラム等の分野、特にフレキシブル導波路、フレキシブル基板等で重合性モノマーとして有用なウレタン結合を含む多価オキセタンビニルエーテル化合物、及びその製造方法に関する。
ウレタン結合を含むオキセタン化合物は、重合することにより柔軟性、密着性に優れた硬化物を形成することができるため、フレキシブル導波路、フレキシブル基板等の分野において、重合性モノマーとして有用である。従来、ウレタン結合を含むオキセタン化合物としては、ビス(3−エチルオキセタン−3−イルメチル)−2,4−トリレンシカーバメート、ビス(3−メチルオキセタン−3−イルメチル)−2,4−トリレンシカーバメート、ビス(3−エチルオキセタン−3−イルメチル)−1,6−ヘキサメチレンジカーバメート、ビス(3−メチルオキセタン−3−イルメチル)−1,6−ヘキサメチレンジカーバメート等が知られている程度であった(特許文献1参照)。
特開平11−246541号公報
従って、本発明の目的は、重合性モノマーとして有用な、新規なウレタン結合を含むオキセタン化合物を提供することにある。
本発明の他の目的は、前記新規なウレタン結合を含むオキセタン化合物の製造方法を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、オキセタン環の3位にヒドロキシメチル基とビニルオキシ基含有基とを有するオキセタン化合物と、ポリイソシアネート化合物とを特定条件下で反応させると、ウレタン結合、ラジカル重合性及びカチオン重合性を有するビニルオキシ基、及びカチオン重合性を有するオキセタン環を含む基を2以上有し、重合性モノマーとして有用な新規なオキセタン化合物が得られることを見いだした。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
すなわち、本発明は、下記式(1)
Figure 2012036156
(式中、Rは炭素数2〜20のn価の有機基を示し、nは2又は3を示す。A、A’は同一又は異なって、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基を示し、n’は0〜3の整数を示す。n’が2以上の整数の場合、2個以上のA’は同一でもよく、異なっていてもよい)
で表わされる多価オキセタンビニルエーテル化合物を提供する。
本発明における多価オキセタンビニルエーテル化合物としては、Rがメチルフェニレン基であり、nが2であることが好ましく、Aがエチレン基であり、n’が0であることが好ましい。
本発明は、また、下記式(2)
Figure 2012036156
(式中、A、A’は同一又は異なって、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基を示し、n’は0〜3の整数を示す。n’が2以上の整数の場合、2個以上のA’は同一でもよく、異なっていてもよい)
で表される化合物と、下記式(3)
Figure 2012036156
(式中、Rは炭素数2〜20のn価の有機基を示し、nは2又は3を示す)
で表されるポリイソシアネート化合物を反応させて、下記式(1)
Figure 2012036156
(式中、R、n、A、A’、n’は上記に同じ)
で表される多価オキセタンビニルエーテル化合物を製造する多価オキセタンビニルエーテル化合物の製造方法を提供する。
本発明に係る多価オキセタンビニルエーテル化合物は、ウレタン結合、ラジカル重合性及びカチオン重合性を有するビニルオキシ基、及びカチオン重合性を有するオキセタン環を含有する基を2以上有するため、ラジカル重合及び/又はカチオン重合することにより、高い架橋密度を有する三次元架橋構造を形成し、柔軟性、密着性に優れた硬化物を形成することができる。そのため、特に、フレキシブル導波路、フレキシブル基板等の分野においてにおいて重合性モノマーとして有用である。
本発明に係る多価オキセタンビニルエーテル化合物は、上記式(1)で表わされる。式中、Rは炭素数2〜20のn価の有機基を示し、nは2又は3を示す。A、A’は同一又は異なって、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基を示し、n’は0〜3の整数を示す。n’が2以上の整数の場合、2個以上のA’は同一でもよく、異なっていてもよい。
式(1)中、Rは、炭素数2〜20の2価又は3価の有機基を示す。炭素原子数2〜20の2価の有機基としては、例えば、直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基、直鎖状又は分岐鎖状アルケニレン基、直鎖状又は分岐鎖状アルキニレン基、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基、アリーレン基、及びこれらが結合した基等を挙げることができる。
直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基としては、例えば、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、デカメチレン、ウンデカメチレン、ドデカメチレン、トリデカメチレン、テトラデカメチレン、ペンタデカメチレン、ヘキサデカメチレン基等の直鎖状アルキレン基;メチルエチレン、メチルプロピレン、エチルエチレン、1,2−ジメチルエチレン、1,1−ジメチルエチレン、1−エチルプロピレン、2−エチルプロピレン、1,2−ジメチルプロピレン、2,2−ジメチルプロピレン、1−プロピルプロピレン、2−プロピルプロピレン、1−メチル−1−エチルプロピレン、1−メチル−2−エチル−プロピレン、1−エチル−2−メチル−プロピレン、2−メチル−2−エチル−プロピレン、1−メチルブチレン、2−メチルブチレン、3−メチルブチレン、2−エチルブチレン、メチルペンチレン、エチルペンチレン、メチルヘキシレン、メチルヘプチレン、メチルオクチレン、メチルノニレン、メチルデシレン、メチルウンデシレン、メチルドデシレン、メチルテトラデシレン、メチルオクタデシレン基等の分岐鎖状アルキレン基等を挙げることができる。
直鎖状又は分岐鎖状アルケニレン基としては、例えば、ビニレン、1−メチルビニレン、プロペニレン、1−ブテニレン、2−ブテニレン、1−ペンテニレン、2−ペンテニレン基等を挙げることができる。
直鎖状又は分岐鎖状アルキニレン基としては、例えば、エチニレン、プロピニレン、3−メチル−1−プロピニレン、ブチニレン、1、3−ブタジイニレン、2−ペンチニレン、2−ペンチニレン、2,4−ペンタジイニレン、2−ヘキシニレン、1,3,5−ヘキサトリイニレン、3−ヘプチニレン、4−オクチニレン、4−ノニニレン、5−デシニレン、6−ウンデシニレン、6−ドデシニレン基等を挙げることができる。
シクロアルキレン基としては、例えば、シクロペンチレン、シクロヘキシレン(例えば、o−シクロヘキシレン、m−シクロヘキシレン、p−シクロヘキシレン)、シクロヘキシレンビス(メチレン)[例えば、1,2−シクロヘキシレンビス(メチレン)、1,3−シクロヘキシレンビス(メチレン)、1,4−シクロヘキシレンビス(メチレン)]、シクロヘプチレン基等を挙げることができる。
シクロアルケニレン基としては、例えば、シクロプロペニレン、シクロブテニレン、シクロペンテニレン、シクロヘキセニレン、シクロオクテニレン基等を挙げることができる。
アリーレン基としては、例えば、フェニレン(例えば、o−フェニレン、m−フェニレン、p−フェニレン)、フェニレンビス(メチレン)(例えば、1,2−フェニレンビス(メチレン)、1,3−フェニレンビス(メチレン)、1,4−フェニレンビス(メチレン))、ビフェニレン、ナフチレン、ビナフチレン、アントラセニレン、フェナントリレン基等を挙げることができる。
炭素原子数2〜20の3価の有機基としては、例えば、前記2価の有機基として挙げられている基から更に水素原子を1つ除いた基を挙げることができる。
前記炭素数2〜20の2価又は3価の有機基は、置換基を有していてもよい。該置換基としては、例えば、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基(例えば、アルコキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ基)、保護基で保護されていてもよいヒドロキシメチル基、保護基で保護されていてもよいアシル基、保護基で保護されていてもよいアミノ基(例えば、N−アルキルアミノ、N,N−ジアルキルアミノ基)、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基(例えば、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルキルオキシカルボニル基)、保護基で保護されていてもよいスルホ基、ハロゲン原子、オキソ基、シアノ基、ニトロ基、複素環式基、炭化水素基、ハロアルキル基等を挙げることができる。保護基としては有機合成の分野で慣用の保護基を使用できる。
前記置換基としての複素環式基としては、例えば、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択された少なくとも1種のヘテロ原子を含む3〜15員程度の複素環式基(特に、5〜8員複素環式基)等を挙げることができる。
前記置換基としての炭化水素基には、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらの結合した基が含まれる。脂肪族炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜20(好ましくは2〜20、さらに好ましくは1〜3)程度のアルキル基;炭素数2〜20(好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜3)程度のアルケニル基;炭素数2〜20(好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜3)程度のアルキニル基等を挙げることができる。脂環式炭化水素基としては、例えば、3〜20員(好ましくは3〜15員、さらに好ましくは5〜8員)程度のシクロアルキル基;3〜20員(好ましくは3〜15員、さらに好ましくは5〜8員)程度のシクロアルケニル基;パーヒドロナフタレン−1−イル基、ノルボルニル、アダマンチル、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン−3−イル基等の橋かけ環式炭化水素基等を挙げることができる。芳香族炭化水素基としては、例えば、炭素数6〜14(好ましくは6〜10)程度の芳香族炭化水素基が挙げられる。脂肪族炭化水素基と脂環式炭化水素基とが結合した炭化水素基としては、例えば、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、2−シクロヘキシルエチル基等のシクロアルキル−アルキル基(例えば、C3-20シクロアルキル−C1-4アルキル基等)等を挙げることができる。また、脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基とが結合した炭化水素基としては、例えば、アラルキル基(例えば、C7-18アラルキル基等)、アルキル置換アリール基(例えば、1〜4個程度のC1-4アルキル基が置換したフェニル基又はナフチル基等)等を挙げることができる。
Rの代表的な例としては、下記式(R1)〜(R14)で表される基を挙げることができる。本発明におけるRとしては、なかでも、下記式(R1)〜(R3)で表されるメチルフェニレン基が好ましく、特に、下記式(R1)で表される4−メチル−m−フェニレン基、下記式(R2)で表される2−メチル−m−フェニレン基が好ましい。
Figure 2012036156
また、式(1)中、A、A’は同一又は異なって、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基を示し、n’は0〜3の整数(好ましくは0〜1、特に好ましくは0)を示す。
炭素数1〜6の直鎖状アルキレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン基を挙げることができる。
炭素数1〜6の分岐鎖状アルキレン基としては、例えば、メチルエチレン、メチルプロピレン、エチルエチレン、1,2−ジメチルエチレン、1,1−ジメチルエチレン、1−エチルプロピレン、2−エチルプロピレン、1,2−ジメチルプロピレン、2,2−ジメチルプロピレン、1−プロピルプロピレン、2−プロピルプロピレン、1−メチル−1−エチルプロピレン、1−メチル−2−エチル−プロピレン、1−エチル−2−メチル−プロピレン、2−メチル−2−エチル−プロピレン、1−メチルブチレン、2−メチルブチレン、3−メチルブチレン等を挙げることができる。
前記炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、上記炭素数2〜20の2価又は3価の有機基が有していてもよい置換基の例と同様の例を挙げることができる。
式(1)におけるA、A’、n’としては、なかでも、経済性に優れる点で、Aがエチレン基を示し、n’が0であることが好ましい。
式(1)で表される多価オキセタンビニルエーテル化合物の代表的な例としては、以下の化合物を挙げることができる。式中、A、A’、n’は上記に同じ。
Figure 2012036156
Figure 2012036156
Figure 2012036156
本発明に係る式(1)で表される多価オキセタンビニルエーテル化合物は、光導波路、ナノインプリント、ホログラム等の分野で使用される重合性モノマーとして有用である。
本発明に係る多価オキセタンビニルエーテル化合物は、例えば、上記式(2)で表される化合物と、上記式(3)で表されるポリイソシアネート化合物を反応させることにより合成することができる。
式(2)中、A、A’は同一又は異なって、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基を示し、n’は0〜3の整数を示す。n’が2以上の整数の場合、2個以上のA’は同一でもよく、異なっていてもよい。また、式(3)中、Rは炭素数2〜20のn価の有機基を示し、nは2又は3を示す。式(2)中のA、A’、n’、式(3)中のR、nは、式(1)中のA、A’、n、R、n’に対応する。
式(2)で表される化合物の代表的な例としては、下記式(2-1)〜(2-5)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2012036156
式(3)で表されるポリイソシアネート化合物の代表的な例としては、下記式(3-1)〜(3-14)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2012036156
式(3)で表されるポリイソシアネート化合物の使用量としては、前記上記式(2)で表される化合物1当量に対して、例えば0.8〜10当量、好ましくは1〜8当量、さらに好ましくは1.5〜5当量程度である。式(3)で表されるポリイソシアネート化合物を大過剰量用いてもよい。
反応系には、塩基を添加することが好ましい。塩基の存在下で反応させることにより反応速度を著しく増大することができる。塩基には無機塩基及び有機塩基が含まれる。無機塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸マグネシウム等のアルカリ土類金属炭酸塩;炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素セシウム等のアルカリ金属炭酸水素塩等を挙げることができる。
有機塩基としては、例えば、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸セシウム等のアルカリ金属有機酸塩(特に、アルカリ金属酢酸塩);酢酸マグネシウム等のアルカリ土類金属有機酸塩;リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムイソプロポキシド、カリウムエトキシド等のアルカリ金属アルコキシド(前記酸素原子含有多環式ヒドロキシ化合物に対応するアルカリ金属アルコキシド等);ナトリウムフェノキシド等のアルカリ金属フェノキシド;トリエチルアミン、N−メチルピペリジン等のアミン類(第3級アミン等);ピリジン、2,2′−ビピリジル、1,10−フェナントロリン等の含窒素芳香族複素環化合物等を挙げることができる。
上記の塩基の中でも、アミン類(特に、トリエチルアミン等の第3級アミン)を使用することが好ましい。
塩基の使用量は、上記式(2)で表される化合物1モルに対して、例えば0.001〜3モル、好ましくは0.005〜2モル程度である。
上記式(2)で表される化合物と式(3)で表されるポリイソシアネート化合物との反応は、溶媒の存在下又は非存在下で行われる。前記溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素;クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド;ジメチルスルホキシド(DMSO)等を挙げることができる。これらの溶媒は単独で又は2種以上を混合して用いられる。また、反応は重合禁止剤の存在下で行ってもよい。
反応温度は、式(2)、(3)で表される化合物の種類等に応じて適宜選択でき、例えば、20〜200℃、好ましくは50〜150℃、さらに好ましくは80〜130℃程度である。反応時間は、例えば、30分〜24時間、好ましくは、1時間〜5時間である。反応は常圧で行ってもよく、減圧又は加圧下で行ってもよい。反応の雰囲気は反応を阻害しない限り特に限定されず、例えば、空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の何れであってもよい。また、反応はバッチ式、セミバッチ式、連続式等の何れの方法で行うこともできる。本発明に係る多価オキセタンビニルエーテル化合物の製造方法によれば、温和な条件下で、対応する式(1)で表される多価オキセタンビニルエーテル化合物を効率よく製造することができる。
反応終了後、反応生成物は、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製できる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
調製例1
温度計、冷却器、滴下ロート、撹拌装置の付いた1000mLの反応器に、窒素雰囲気下、60wt%水素化ナトリウム9.75g(243mmol)、乾燥ジメチルスルホキシド200mLを仕込み、3,3−ビス(ヒドロキシメチル)オキセタン24g(203mmol)と乾燥ジメチルスルホキシド200mLの混合物を、フラスコ内の液温が25〜27℃の間に保たれるように撹拌・冷却しながら20分かけて滴下ロートより滴下した。その後フラスコ内が80℃になるように加熱し、そのままの温度を維持しつつ1時間撹拌を続けた。フラスコを室温(25℃)まで冷却後、2−クロロエチルビニルエーテル43.3g(406mmol)を30分かけて滴下し、再度フラスコ内が80℃になるように加熱し、2時間撹拌した。
反応混合液を室温(25℃)まで冷却した後、水200mLを加え、酢酸エチル200m1で3回抽出した。抽出した酢酸エチル溶液に無水硫酸ナトリウムを加え、一晩乾燥させた。その後、濾過、酢酸エチル、ジメチルスルホキシドを減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=50/50(v/v))を行い、下記式で表される3−ヒドロキシメチル−3−ビニルオキシエトキシメチルオキセタン45g(収率:12%)を得た。
Figure 2012036156
1H-NMR(500MHz、CDCl3) δ(ppm) 6.47(1H,dd,J=14.4, 6.88), 4.49(2H,d,J=6.12), 4.44(2H,d,J=6.12), 4.21(1H,dd,J=14.4, 2.29), 4.04(1H,dd,J=6.88, 2.29), 3.95(2H,d,J=5.35), 3.87(2H,s), 3.84(2H,m), 3.74(2H,m)
1H-NMR(500MHz、ジメチルスルホキシド-d6) δ(ppm) 6.51(1H,dd,J=14.5, 6.5), 4.84(1H,t,J=5.4), 4.29(2H,d,J=6.1), 4.28(2H,d,J=6.1), 4.20(1H,d,J=14.5), 3.97(1H,d,J=6.5), 3.80(2H,t,J=4.6), 3.65(2H,t,J=4.6), 3.58(2H,s,4.6), 3.56(2H,d,J=5.4)
FAB−MSで分子量188を確認した。
実施例1
温度計、冷却器、滴下ロート、撹拌装置のついた30mLの反応器を窒素置換し、調製例1で得られた3−ヒドロキシメチル−3−ビニルオキシエトキシメチルオキセタン1.0g(5.3mmo1)とトリエチルアミン0.13g(1.33mmol)、トルエン10mLを仕込み、撹拌しながらトリレンジイソシアネート0.43g(2.5mmo1)、トルエン5mLの混合物を15分かけて滴下ロートより滴下した。
その後、フラスコ内を110℃に加熱し、そのままの温度を維持しつつ3時間撹拌を続けた。
続いて、5%炭酸水素ナトリウム水溶液15mLを滴下ロートより10分かけて滴下し、分液ロートに移して有機層と水層に分けた。水層はさらにトルエン30mLで2回抽出し、抽出液を有機層と合わせてトルエンを減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトフィー(酢酸エチル/ヘキサン=50/50(v/v))で精製し、下記式(4)で表される化合物と、下記式(5)で表される化合物を合計で1.2g(式(4)で表される化合物:式(5)で表される化合物=4:1、収率:80%)得た。
Figure 2012036156
1H-NMR(500MHz、CDCl3) δ(ppm) 7.85-7,77(1H,br), 7.28-7.11(1H,br), 7.10(1H,d,J=8.4), 6.82-6.71(1H,br), 6.51-6.44(3H,m), 4.57-4.5(8H,m), 4.41(2H,s), 4.39(2H,s), 4.19(2H,dd,J=14.5, 1.5), 4.02(2H,dd,J=6.9, 1.5), 3.87-3.83(4H,m), 3.76-3.73(8H,m)
FAB−MSで分子量550を確認した。
Figure 2012036156
1H-NMR(500MHz、CDCl3) δ(ppm) 7.52-7.43(2H,m), 7.22(1H,t,J=8。0), 6.52-6.44(4H,m), 4.58-4.49(8H,m), 4.40(2H,s), 4.19(2H,dd,J=14.1, 1.9),4.02(2H,dd,J=6.9, 1.9), 3.86-3.83(4H,m), 3.77-3.71(8H,m)
FAB−MSで分子量550を確認した。

Claims (4)

  1. 下記式(1)
    Figure 2012036156
    (式中、Rは炭素数2〜20のn価の有機基を示し、nは2又は3を示す。A、A’は同一又は異なって、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基を示し、n’は0〜3の整数を示す。n’が2以上の整数の場合、2個以上のA’は同一でもよく、異なっていてもよい)
    で表わされる多価オキセタンビニルエーテル化合物。
  2. Rがメチルフェニレン基であり、nが2である請求項1に記載の多価オキセタンビニルエーテル化合物。
  3. Aがエチレン基であり、n’が0である請求項1又は2に記載の多価オキセタンビニルエーテル化合物。
  4. 下記式(2)
    Figure 2012036156
    (式中、A、A’は同一又は異なって、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基を示し、n’は0〜3の整数を示す。n’が2以上の整数の場合、2個以上のA’は同一でもよく、異なっていてもよい)
    で表される化合物と、下記式(3)
    Figure 2012036156
    (式中、Rは炭素数2〜20のn価の有機基を示し、nは2又は3を示す)
    で表されるポリイソシアネート化合物を反応させて、下記式(1)
    Figure 2012036156
    (式中、R、n、A、A’、n’は上記に同じ)
    で表される多価オキセタンビニルエーテル化合物を製造する多価オキセタンビニルエーテル化合物の製造方法。
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