JP2012035508A - カバー部材の真空成形方法及び真空成形装置 - Google Patents

カバー部材の真空成形方法及び真空成形装置 Download PDF

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Abstract

【課題】カバー部材の変形を防止し、且つ、材料歩留まりを良くする。
【解決手段】加飾シート材5の外周縁を把持する環状のクランプ部71を有するクランプ装置7と、基材3の表面形状に対応するとともに複数の真空引き孔82aが貫通形成された成形面82を有する成形型8を用意する。クランプ装置7のクランプ部71及び加飾シート材5を加温して軟化させる。成形面82に軟化した加飾シート材5を圧接させ、その状態で加飾シート材5を真空引き孔82aから吸引して成形面82に沿わせることにより基材3の表面形状に沿うカバー部材4を真空成形する。
【選択図】図5

Description

本発明は、例えば、自動車の樹脂製内装品表面の意匠性を高めるカバー部材の真空成形方法及びそのカバー部材を成形する真空成形装置に関する。
従来より、例えば、自動車内部の意匠性を高めるために、樹脂製内装品の表面を幾何学模様等が描かれたカバー部材で覆う場合がある。上記カバー部材は、例えば特許文献1に開示されているように、ポリプロピレンやABS等の熱可塑性樹脂からなる加飾シート材を真空成形して得るようになっていて、まず、上記加飾シート材の外周縁をクランプ装置で把持し、その後、上記加飾シート材を熱変形温度域まで加熱して軟化させる。次いで、軟化した加飾シート材を成形型の成形面に圧接させ、その状態で、成形面に貫通形成された真空引き孔から加飾シート材を真空引きにより成形面に沿わせてカバー部材を成形する。そして最後に、カバー部材の外周の不要部分を切除することにより完成品が得られるようになっている。
特開平3−180319号公報(第3頁、図1)
しかし、特許文献1の真空成形方法では、真空成形の冷却固化の過程において、成形面周辺とクランプ部周辺とで加飾シート材の温度が大きく異なると、成形収縮率の差により、成形後のカバー部材のクランプ部周辺が大きく変形してしまうが、特許文献1では、そのことについて何ら考慮されていない。したがって、予め成形後のカバー部材のクランプ部周辺が変形することを見越して、加飾シート材の製品となる箇所からクランプ部周辺までの距離を幅広に設定し、さらに、幅広に設定した加飾シート材のクランプ部周辺に直角に曲がるような形状を設けて断面剛性を高めて変形し難くするといった工夫を凝らすことで、カバー部材の製品となる箇所に変形が生じないようにする必要があり、製品とならない切除箇所が多くなって材料歩留まりが悪くなってしまう。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、カバー部材の変形を防止し、且つ、材料歩留まりの良いカバー部材の真空成形方法及び真空成形装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明は、加飾シート材のクランプ部分周辺を加温するようにしたことを特徴とする。
具体的には、パネル状の樹脂製基材の表面を覆うカバー部材の真空成形方法において、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第1の発明では、加飾シート材の外周縁を把持する環状のクランプ部を有するクランプ装置と、上記基材の表面形状に対応するとともに複数の真空引き孔が貫通形成された成形面を有する真空成形型とを用意し、上記クランプ装置のクランプ部及び該クランプ部に把持された加飾シート材を加温して該加飾シート材を軟化させた後、上記成形型の成形面に上記加飾シート材を圧接させ、この状態で該加飾シート材を真空引き孔から吸引して上記成形面に沿わせることにより、上記基材の表面形状に沿うカバー部材を真空成形することを特徴とする。
第2の発明では、第1の発明において、上記クランプ部を、上記加飾シート材と同じか、それ以下に加温することを特徴とする。
また、本発明は、加飾シート材の外周縁を把持する環状のクランプ部を有するクランプ装置と、パネル状の基材の表面形状に対応するとともに複数の真空引き孔が貫通形成された成形面を有する成形型と、上記真空引き孔に負圧を作用させる負圧手段とを備え、加温により軟化した加飾シート材を上記クランプ部で把持して上記成形型の成形面に圧接させた状態で、上記負圧手段により上記真空引き孔に負圧を作用させて上記加飾シート材を真空引き孔から吸引して上記成形面に沿わせることにより、上記基材の表面形状に沿うカバー部材を真空成形する真空成形装置をも対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第3の発明では、上記クランプ装置には、上記クランプ部を加温可能な温度調節手段が設けられていることを特徴とする。
第4の発明では、第3の発明において、上記温度調節手段がマイクロヒータからなることを特徴とする。
第5の発明では、第3又は第4の発明において、上記クランプ装置は、上下に対向配置された上側の第1プレートと下側の第2プレートとを備え、上記クランプ部は、上記第1プレートに設けられた上側把持部と、上記第2プレートに設けられた下側把持部とからなり、上記上側把持部及び下側把持部は同材質で構成されていることを特徴とする。
第6の発明では、第5の発明において、上記下側把持部は、真空成形前の加飾シート材の外周端縁を取り囲むように上記第2プレートの上面から下方に窪んでいることを特徴とする。
第1の発明では、加飾シート材のクランプ部周辺の成形収縮率が成形面周辺の成形収縮率に近づくようになるので、真空成形の冷却固化の過程におけるカバー部材の変形を防止でき、それに伴って、加飾シート材の製品となる箇所からクランプ部周辺までの距離を幅狭にできるので、材料歩留まりを良くすることができる。
第2の発明では、加飾シート材の成形面周辺及びクランプ部周辺の成形収縮率が同じとなるか、加飾シート材の成形面周辺よりクランプ部周辺の成形収縮率が小さくなるので、冷却固化時にカバー部材に変形が生じたとしても、カバー部材のクランプ部側に発生するようになり、外周の不要部分を切除することにより変形のない完成品を得ることができる。
第3の発明では、クランプ装置に温度調節手段を設けるだけで、成形されたカバー部材の変形を防止し、且つ、材料歩留まりを良くすることができる。
第4の発明では、シンプルな構成でクランプ部を加温することができ、しかも設備コストを低く抑えることができる。
第5の発明では、加飾シート材を把持する上側把持部及び下側把持部の熱膨張が同じとなるので、クランプ部周辺の加飾シート材の収縮が、表面側と裏面側とで略同じとなって変形を防止できる。
第6の発明では、加飾シート材のクランプ装置へのセット時に、加飾シート材が下側把持部に嵌るようになるので、クランプ装置に対する加飾シート材のセット位置が水平方向にずれなくなる。したがって、クランプ部が加飾シート材のクランプ代を確実に把持した状態で真空成形を行うことができる。
自動車用ドアを車室内側から見た斜視図である。 図1のA−A線における断面図である。 加飾シート材をクランプ装置の下側把持部にセットした状態を示す真空成形装置の断面図である。 加飾シート材をクランプ装置のクランプ部で把持した状態を示す真空成形装置の断面図である。 真空成形型にクランプ装置のクランプ部で把持した加飾シート材を圧接させた状態を示す真空成形装置の断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。
図1は、自動車用ドア1を車室内側から見た図である。該ドア1の車室内側には、樹脂製のドアトリム10が取り付けられていて、該ドアトリム10の上下方向中央部分には、車室内側に張り出すとともに略水平方向に延びるアームレスト11が形成されている。該アームレスト11の上面には、図示しないドアウインドを上下動させるドアスイッチ12が設けられていて、該ドアスイッチ12の周辺には、当該ドアスイッチ12を囲うようにパネル部材2が装着されている。該パネル部材2は、図2に示すように、パネル状の樹脂製基材3と、車室内の意匠性を高めるために上記樹脂製基材3の表面を覆うカバー部材4とからなっている。尚、ドアトリム10のアームレスト11上方は、樹脂トリム本体14と表皮13とで構成されている。
上記カバー部材4は、幾何学模様等が描かれた熱可塑性樹脂からなる加飾シート材5を図3乃至図5に示す真空成形装置6で真空成形して得られるようになっている。
上記加飾シート材5は、厚みが略0.25〜0.4mmの2層構造をなしていて、例えば、表面側の層は、ポリカーボネート、アクリル及びポリエステル等で形成され、裏面側の層は、ABS及びポリプロピレン等で形成されている。尚、図面では便宜上単層にしている。
上記真空成形装置6は、上記加飾シート材5を把持するクランプ装置7と、真空成形を行う成形型8とを備えている。
上記クランプ装置7は、水平方向に延びる環状をなしていて、互いに対向するように上下に配設され、且つ、各々が真鍮により加工形成された板状の第1プレート74及び第2プレート75と、上記第1プレート74及び第2プレート75をそれぞれ支持するアルミニウム合金材を加工形成した板状の上側支持プレート73及び下側支持プレート76と、加温可能なマイクロヒータ(温度調節手段)72とを備えている。上記第1プレート74、第2プレート75、上側支持プレート73及び下側支持プレート76の中央には、開口部7aが同心状に貫通形成されていて、該開口部7aには、真空成形時において、後述する成形型8の成形面82が下方から入り込めるようになっている。
上記上側支持プレート73は、内周側下面に上記第1プレート74を配設するための上側段差凹部73aが円環状に形成されていて、該上側段差凹部73aには、上下に貫通する複数の挿通孔Hが所定の間隔をあけて形成されている。また、上記下側支持プレート76は、内周側上面に上記第2プレート75を配設するための下側段差凹部76aが円環状に形成されている。
上記第1プレート74の上面には、上方に開口する凹部74aが上記上側支持プレート73の挿通孔Hに対応するように複数形成されている。上記凹部74aの底壁には、支持ロッドBの基端側が固定されていて、該支持ロッドBの先端は、上記第1プレート74の上面よりもさらに上方に突出した位置となっている。
そして、上記第1プレート74は、上記支持ロッドBを挿通孔Hに下方から挿通するとともに上記支持ロッドBの先端にナットNuを固定することにより、上側支持プレート73に吊り下げ支持されるようになっている。
上記支持ロッドBには、コイルバネSpが外装されていて、該コイルバネSpは上記凹部74aに収容されるようになっている。上記コイルバネSpは、圧縮した状態で、上端が上側支持プレート73の上側段差凹部73aに接触する一方、下端が上記第1プレート74の凹部74a底面に接触していて、上記コイルバネSpが上側支持プレート73に対して第1プレート74を常時下方に付勢するようになっている。
上記第1プレート74上面の内周縁寄りには、下方に窪む環状凹部74dが形成されていて、該環状凹部74dの内方には、マイクロヒータ72の発熱線72aが収容されている。
上記第1プレート74の内周縁下側には、上記第1プレート74の内周縁に沿って延びる環状の上側把持部74bが下方に突設されていて、該上側把持部74bの先端面中央には、環状突起部74cが下方に突設されている。
一方、上記第2プレート75の内周縁には、下方に窪む環状の下側把持部75aが上記上側把持部74bに対応するように形成されていて、上記上側把持部74b及び下側把持部75aで上記加飾シート材5の外周縁を表裏両側から把持するクランプ部71を構成するようになっている。
上記下側把持部75aは、真空成形前の加飾シート材5の外周端縁を取り囲むように下方に窪んでいて、これにより、加飾シート材5をクランプ装置7へセットする際に、加飾シート材5が上記下側把持部75aに嵌るようになるので、クランプ装置7に対する加飾シート材5のセット位置が水平方向にずれなくなり、クランプ部71が加飾シート材5のクランプ代を確実に把持した状態で真空成形を行うことができる。
また、上記下側把持部75aの底面中央には、上記上側把持部74bの先端に形成された環状突起部74cに対応するように下方に窪む環状の溝部75bが形成されている。これにより、加飾シート材5を上側把持部74b及び下側把持部75aで把持したときに、環状突起部74cが加飾シート材5に線接触するので、上側把持部74b及び下側把持部75aで加飾シート材5を強固に把持できるようになり、真空成形時において、加飾シート材5がクランプ装置7から不意に外れることがない。
そして、図示しないが上記下側支持プレート76に対して上側支持プレート73を退避させ、産業用ロボット等で加飾シート材5を上記第2プレート75の下側把持部75aに投入した状態で、上記上側支持プレート73を下側支持プレート76に対して下降させると、図4及び図5に示すように、上記上側把持部74b及び下側把持部75aが上記加飾シート材5を把持するとともにコイルバネSpの付勢力に抗して上側支持プレート73が第1プレート74に近づくようになっていて、上記コイルバネSpの付勢力により、上記上側把持部74b及び下側把持部75aが加飾シート材5を強固に把持するようになっている。したがって、加飾シート材5の厚みが異なってもそれに合わせてコイルバネSpが柔軟に圧縮変形するので、当該厚みの異なる加飾シート材5を強固に把持できるようになっている。
上記マイクロヒータ72は、ヒータ本体72bと、該ヒータ本体72bによって加温調節がなされる発熱線72aとを備えている。該発熱線72aは、簡単な構成でクランプ部71を加温でき、形状がフレキシブルに変更可能であるので、上記環状凹部74dに簡易に収容することができる。さらに、低コストであるので、設備コストを低く抑えることができる。
尚、本実施形態では、クランプ部71を加温するためにマイクロヒータ72を用いたが、ヒータ機能を有するのであればこれに限らず、例えば、クランプ部71内に配管を配設し、当該配管にポンプで温水を循環させて加温するような構成であってもよい。
一方上記成形型8は、矩形箱形の型本体81を備えていて、該型本体81の上部には、上記基材3の表面形状に対応するように上方に膨出する成形面82が形成されている。上記型本体81の内部には、負圧室83が形成されていて、該負圧室83は、真空源である真空ポンプ(負圧手段)84に真空配管85で接続されている。
上記成形面82には、複数の真空引き孔82aが上記負圧室83に連通するように貫通形成されている。これにより、上記成形面82に軟化した加飾シート材5を圧接させ、この状態で上記真空ポンプ84により真空引き孔82aに負圧を作用させて加飾シート材5を真空引き孔82aから吸引して成形面82に沿わせることにより、上記基材3の表面形状に沿うカバー部材4が真空成形されるようになっている。
次に、カバー部材の真空成形方法について説明する。
まず、図示しないが上記下側支持プレート76に対して上側支持プレート73を退避させた状態とし、産業用ロボット等で加飾シート材5を第2プレート75の下側把持部75aに投入する。その後、図3に示すように、上側支持プレート73を下側支持プレート76に対して下降させると、上側支持プレート73とともに下降する第1プレート74の上側把持部74bが上記加飾シート材5の上面に接触する。そして、上記上側支持プレート73をさらに下降させると、上記上側把持部74b及び下側把持部75aが加飾シート材5を把持するとともにコイルバネSpの付勢力に抗して上側支持プレート73が第1プレート74に近づく。しかる後、図4に示すように、第1プレート74が上側支持プレート73に接触し、コイルバネSpの付勢力により上側把持部74b及び下側把持部75aで加飾シート材5を強固に把持する。
次いで、図示しない加熱炉に加飾シート材5を把持したクランプ装置7を搬入して、上記クランプ装置7に把持された加飾シート材5を熱変形温度域まで加温して軟化させる。このとき、加飾シート材5を例えば150℃〜190℃まで加温する。しかる後、上記クランプ装置7を成形型8の上方に移動させるとともにクランプ部71もマイクロヒータ72を用いて加温する。このとき、加飾シート材5は加熱炉にて加温された状態より多少冷めているので、クランプ部71の温度を加飾シート材5と同じか、それ以下となるように例えば100℃〜120℃に加温する。
その後、図5に示すように、クランプ装置7を下降させて成形型8の成形面82に加飾シート材5を圧接させ、該加飾シート材5を成形面82に沿わせる。
しかる後、真空ポンプ84を駆動して真空ポンプ84により上記成形型8の負圧室83を負圧にし、上記加飾シート材5を真空引きにより成形面82に貫通形成された真空引き孔82aから吸引することにより、上記基材3の表面形状に沿うカバー部材4が形成される。
そして、カバー部材4を成形型8から離脱させ、上記カバー部材4の外周の不要部分を切除した後、該成形型8を図示しない射出成形型に変更し、該射出成形型の中で上記カバー部材4の裏面に沿わせて基材3を射出成形することによりパネル部材2を得る。
尚、本実施形態では、1つの射出成形型の中でカバー部材4の裏面に基材3を射出成形してパネル部材2を得るようにしたが、基材3をカバー部材4とは別の成形型で射出成形した後、その基材3の表面にカバー部材4を貼り合わせるようにしてパネル部材2を得るようにしてもよい。
以上より、本発明の実施形態1によれば、加飾シート材5のクランプ部71周辺の成形収縮率が成形面82周辺の成形収縮率に近づくようになるので、真空成形の冷却固化の過程におけるカバー部材4の変形を防止でき、それに伴って、加飾シート材5の製品となる箇所からクランプ部71周辺までの距離を幅狭にできるので、材料歩留まりを良くすることができる。しかも、クランプ装置7でクランプする箇所を加飾シート材5の製品となる箇所に近づけることができるようになるので、成形時にカバー部材4のコーナー部等に発生し易い変形(寄りじわ)を防止することができ、さらには、カバー部材4の製品となる箇所周辺近傍の柄流れを防止して意匠性の高いカバー部材4とすることができる。
また、加飾シート材5の成形面82周辺及びクランプ部71周辺の温度が同じか、加飾シート材5の成形面82周辺の温度よりクランプ部71周辺の温度の方が低くなるので、加飾シート材5の成形面82周辺及びクランプ部71周辺の成形収縮率が同じとなるか、加飾シート材5の成形面82周辺よりクランプ部71周辺の方が成形収縮率が小さくなる。したがって、冷却固化時にカバー部材4に変形が生じたとしても、カバー部材4のクランプ部71側に発生するようになり、外周の不要部分を切除することにより変形のない完成品を得ることができる。
また、上側把持部74b及び下側把持部75aの材質を同じとすることにより、上側把持部74b及び下側把持部75aの熱膨張が同じとなるので、クランプ部71周辺の加飾シート材5の収縮が、表面側と裏面側とで略同じとなって変形を防止できる。
尚、本実施形態では、加飾シート材5を加温した後、クランプ部71が加温されるようになっているが、加飾シート材5と同時に加温されるようにしてもよい。
また、加飾シート材5の2層構造に合わせて、上側把持部74bの温度と下側把持部75aの温度とをそれぞれ異なる温度となるようにマイクロヒータ72を調節するようにしてもよい。
また、本実施形態において、カバー部材4の成形が困難である場合には、成形型8に対応する上型(プラグ型)を用意し、該上型を補助的に用いてカバー部材4を成形面82に沿わせるようにしてもよい。
また、本実施形態では、第1プレート74及び第2プレート75を真鍮で形成したが、この材質に限らず、例えば、アルミニウム合金材で形成してもよいし、その他の材料で形成してもよい。また、第1プレート74及び第2プレート75のそれぞれを別の材質で形成してもよい。
また、本実施形態では、マイクロヒータ72を第1プレート74に収容しているが、第2プレート75に収容してもよく、クランプ部71を加温できる位置であればよい。
尚、本実施形態では、自動車用ドア1のドアトリム10に装着するパネル部材2のカバー部材4へ適用した例を示したが、本発明は、その他の車室内の各部位に適用することができる。例えば、インストルメントパネルのデコレーションパネル、シフトレバー周りのブーツパネル、ドアトリムの加飾フレーム及び表皮プリフォーム、電装品モール、メータフード、センターコンソール等に適用することができる。
本発明は、例えば、自動車の樹脂製内装品表面の意匠性を高めるカバー部材の真空成形方法及びそのカバー部材を成形する真空成形装置に適している。
3 基材
4 カバー部材
5 加飾シート材
6 真空成形装置
7 クランプ装置
8 成形型
71 クランプ部
72 マイクロヒータ(温度調節手段)
74 第1プレート
74b 上側把持部
75 第2プレート
75a 下側把持部
82 成形面
82a 真空引き孔
84 真空ポンプ(負圧手段)

Claims (6)

  1. パネル状の樹脂製基材の表面を覆うカバー部材の真空成形方法であって、
    加飾シート材の外周縁を把持する環状のクランプ部を有するクランプ装置と、
    上記基材の表面形状に対応するとともに複数の真空引き孔が貫通形成された成形面を有する真空成形型とを用意し、
    上記クランプ装置のクランプ部及び該クランプ部に把持された加飾シート材を加温して該加飾シート材を軟化させた後、上記成形型の成形面に上記加飾シート材を圧接させ、この状態で該加飾シート材を真空引き孔から吸引して上記成形面に沿わせることにより、上記基材の表面形状に沿うカバー部材を真空成形することを特徴とするカバー部材の真空成形方法。
  2. 請求項1に記載のカバー部材の真空成形方法であって、
    上記クランプ部を、上記加飾シート材と同じか、それ以下に加温することを特徴とするカバー部材の真空成形方法。
  3. 加飾シート材の外周縁を把持する環状のクランプ部を有するクランプ装置と、
    パネル状の基材の表面形状に対応するとともに複数の真空引き孔が貫通形成された成形面を有する成形型と、
    上記真空引き孔に負圧を作用させる負圧手段とを備え、
    加温により軟化した加飾シート材を上記クランプ部で把持して上記成形型の成形面に圧接させた状態で、上記負圧手段により上記真空引き孔に負圧を作用させて上記加飾シート材を真空引き孔から吸引して上記成形面に沿わせることにより、上記基材の表面形状に沿うカバー部材を真空成形する真空成形装置であって、
    上記クランプ装置には、上記クランプ部を加温可能な温度調節手段が設けられていることを特徴とする真空成形装置。
  4. 請求項3に記載の真空成形装置であって、
    上記温度調節手段がマイクロヒータからなることを特徴とする真空成形装置。
  5. 請求項3又は4に記載の真空成形装置であって、
    上記クランプ装置は、上下に対向配置された上側の第1プレートと下側の第2プレートとを備え、
    上記クランプ部は、上記第1プレートに設けられた上側把持部と、上記第2プレートに設けられた下側把持部とからなり、
    上記上側把持部及び下側把持部は同材質で構成されていることを特徴とする真空成形装置。
  6. 請求項5に記載の真空成形装置であって、
    上記下側把持部は、真空成形前の加飾シート材の外周端縁を取り囲むように上記第2プレートの上面から下方に窪んでいることを特徴とする真空成形装置。
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